(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191834
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/46 20180101AFI20221221BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20221221BHJP
F24F 11/86 20180101ALI20221221BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20221221BHJP
【FI】
F24F11/46
F24F11/64
F24F11/86
F24F11/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100294
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅文
(72)【発明者】
【氏名】小西 一暢
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA03
3L260BA04
3L260BA41
3L260BA74
3L260CA28
3L260DA11
3L260FA09
3L260FB04
3L260FB67
3L260FC05
3L260GA15
(57)【要約】
【課題】動的に変更される間取りに応じて空調機の性能を適切な値に変更する。
【解決手段】制御装置4は、空調設備1は、間取りが変更可能な部屋に設置され、変更後の間取りを示す間取り情報を取得する取得部422と、間取り情報が示す変更後の前記間取りに応じた値に、空調設備1の定格出力の上限値を変更する変更部424と、上限値を変更するための変更制御信号を空調設備1に出力する出力部425と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調設備を制御する制御装置であって、
前記空調設備は、間取りが変更可能な部屋に設置され、
変更後の前記間取りを示す間取り情報を取得する取得部と、
前記間取り情報が示す変更後の前記間取りに応じた値に、前記空調設備の定格出力の上限値を変更する変更部と、
前記上限値を変更するための変更制御信号を前記空調設備に出力する出力部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記部屋の空調効率を特定する特定部をさらに備え、
前記変更部は、さらに前記特定部により特定された前記空調効率に基づいて、前記上限値を変更する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記間取りの変更を検知する検知部をさらに備え、
前記変更部は、前記検知部により前記間取りの変更が検知されてから所定時間後に前記上限値を変更する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、さらに、前記間取りの変更予定時刻を含む予約情報を取得し、
前記変更部は、前記変更予定時刻に前記上限値を変更する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記取得部は、さらに、前記間取りの変更予定時刻を含む予約情報を取得し、
前記変更部は、前記変更予定時刻の所定時間前から、前記上限値を、前記間取り情報が示す間取りに応じた値に向けて徐々に変更する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記間取りを変更するために前記部屋を自律的に開閉する間仕切り装置と通信可能に接続され、
前記変更部は、前記上限値の変更に連動して前記間仕切り装置を開閉させるための開閉制御信号を前記間仕切り装置に出力する、
請求項5記載の制御装置。
【請求項7】
前記取得部は、さらに、前記間取りの変更予定時刻と変更後の前記間取りを示す間取り情報とを含む予約情報を取得し、
前記変更部は、前記予約情報に含まれる前記間取り情報が、前記間取りの変更後に前記間取りのサイズが大きくなることを示す場合、前記変更予定時刻の所定時間前に、前記上限値を、変更後の前記間取りに応じた値に、変更する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項8】
変更された前記上限値を、通信可能に接続された機器に提示させるための提示制御信号を前記機器に出力する機器制御部をさらに備える、
請求項1~7のいずれかに記載の制御装置。
【請求項9】
前記機器は、前記空調設備が備える照明装置であり、
前記提示制御信号は、前記上限値に応じて前記照明装置の光量及び色の少なくとも一方を変更するための信号である、
請求項8記載の制御装置。
【請求項10】
前記機器は、前記空調設備の吹き出し口に設けられたミストを噴霧するミスト装置と、ミストを照射する照明装置とを含み、
前記提示制御信号は、前記上限値に応じて前記ミストの量及び照明装置の光量の少なくとも一方を変更するための信号である、
請求項8記載の制御装置。
【請求項11】
前記機器は、間接照明装置であり、
前記提示制御信号は、前記上限値に応じて前記間接照明装置の光量及び色の少なくとも一方を変更するための信号である、
請求項8記載の制御装置。
【請求項12】
前記機器は、サーキュレータであり、
前記提示制御信号は、前記上限値に応じて前記サーキュレータの出力を変更するための信号である、
請求項8記載の制御装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記部屋の間仕切りまでの距離を計測する距離センサのセンシングデータを前記間取り情報として取得する、
請求項1~12のいずれかに記載の制御装置。
【請求項14】
前記部屋は、前記部屋を開閉する間仕切り部材により前記間取りが変更され、
前記検知部は、前記間仕切り部材に設けられた開閉センサのセンシングデータに基づいて前記間取りの変更を検知する、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項15】
前記検知部は、ユーザ端末を用いてユーザにより入力された間取りの変更を告げる入力データに基づいて間取りの変更を検知する、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項16】
前記変更部は、前記間取り情報に基づいて前記間取りの変更後の前記部屋のサイズを決定し、前記サイズに応じて予め定められた値に前記上限値を変更する、
請求項1~15のいずれかに記載の制御装置。
【請求項17】
空調設備を制御する制御装置における制御方法であって、
前記空調設備は、間取りが変更可能な部屋に設置され、
前記制御装置のプロセッサが、
変更後の前記間取りを示す間取り情報を取得し、
前記間取り情報が示す変更後の前記間取りに応じた値に、前記空調設備の定格出力の上限値を変更し、
前記上限値を変更するための変更制御信号を前記空調設備に出力する、
制御方法。
【請求項18】
空調設備を制御する制御装置としてコンピュータを機能させる制御プログラムであって、
前記空調設備は、間取りが変更可能な部屋に設置され、
前記制御装置のプロセッサに、
変更後の前記間取りを示す間取り情報を取得し、
前記間取り情報が示す変更後の前記間取りに応じた値に、前記空調設備の定格出力の上限値を変更し、
前記上限値を変更するための変更制御信号を前記空調設備に出力する、処理を実行させる、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調設備を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の空間を形成する間仕切り手段を制御するとともに、間仕切り手段により形成され各空間の空調状態を各空間に対応して設けられた空調手段で制御する空調制御装置を開示する。この空調制御装置は、各空間に対応して配置され複数のセンサのういずれかの1以上のセンサが人を検知した場合、人を検知したセンサが配置された空間を仕切るように間仕切り手段を制御するとともに、人を検知したセンサが配置された空間に設けられた空調手段の風量、風速、温度、及び湿度の少なくとも1つを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、空調手段の風量、風速、温度、及び湿度が制御されているに過ぎないので、動的に変更される間取りに応じて空調設備の性能を適切な値に変更することはできない。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、動的に変更される間取りに応じて空調機の性能を適切な値に変更することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様における制御装置は、空調設備を制御する制御装置であって、前記空調設備は、間取りが変更可能な部屋に設置され、変更後の前記間取りを示す間取り情報を取得する取得部と、前記間取り情報が示す変更後の前記間取りに応じた値に、前記空調設備の定格出力の上限値を変更する変更部と、前記上限値を変更するための変更制御信号を前記空調設備に出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、動的に変更される間取りに応じて空調機の性能を適切な値に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1における制御システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図4】間取りテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】空調効率テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】定格出力テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】
図1に示す空調設備の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図8】
図1に示す間仕切り装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図9】ユーザ端末の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図10】
図1に示す機器の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図11】定格出力の上限値を空調設備を用いて提示する態様の第1例における空調設備の外観図である。
【
図12】定格出力の上限値を空調設備を用いて提示する態様の第2例における空調設備の外観図である。
【
図13】定格出力の上限値を空調設備を用いて提示する態様の第3例における空調設備の外観図である。
【
図14】定格出力の上限値を機器を用いて提示する態様の第1例における機器の外観図である。
【
図15】定格出力の上限値を機器を用いて提示する態様の第2例における機器の外観図である。
【
図16】実施の形態1における制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】実施の形態2における制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】実施の形態3における制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】実施の形態4における制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】実施の形態5における制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となる知見)
アコーディオンカーテン又はスライドドア等の間仕切り部材を開閉することにより、間取りが動的に変更される部屋が知られている。このような部屋においては、間仕切り部材が開放されたときの間取りに適合する性能を有する空調設備が設置されている場合、仕切り部材が閉じられると、空調設備の性能が過剰になる。この場合、部屋の温度が目標温度に比べて過剰に高くなったり、低くなったりして、部屋の快適性が低下すると共に空調設備のエネルギーの浪費も招いてしまう。一方、仕切り部材が閉じられたときの間取りに適した性能を有する空調設備が設置されている場合、仕切り部材が開放されると、空調設備の性能が不足する。この場合、部屋の温度がなかなか目標温度にならず、ユーザに不快な思いをさせてしまう。
【0010】
このような理由から、動的に変更される部屋の間取りに応じて、空調設備の性能を適切な値に調整することが望まれている。
【0011】
上述の特許文献1では、空調設備の風量、風速、温度、及び湿度等が設定されているに過ぎないので、動的に変更される部屋の間取りに応じて空調設備の性能を適切な値に変更することはできない。
【0012】
本開示は、動的に変更される間取りに応じて空調設備の性能を適切な値に変更することができる技術を提供することを目的とする。
【0013】
本開示の一態様における制御装置は、空調設備を制御する制御装置であって、前記空調設備は、間取りが変更可能な部屋に設置され、変更後の前記間取りを示す間取り情報を取得する取得部と、前記間取り情報が示す変更後の前記間取りに応じた値に、前記空調設備の定格出力の上限値を変更する変更部と、前記上限値を変更するための変更制御信号を前記空調設備に出力する出力部と、を備える。
【0014】
この構成によれば、部屋の間取りが変更されると、空調設備の定格出力の上限値が変更後の間取りに応じた値に変更されるので、動的に変更される間取りに応じて空調設備の性能を適切な値に変更することができる。これにより、空調設備のエネルギーの浪費を抑制しつつ、部屋の温度を速やかに設定温度に近づけることができる。
【0015】
上記制御装置において、前記部屋の空調効率を特定する特定部をさらに備え、前記変更部は、さらに前記特定部により特定された前記空調効率に基づいて、前記上限値を変更してもよい。
【0016】
この構成によれば、部屋の空調効率がさらに考慮されて上限値が変更されるので、空調設備の性能を変更後の間取りに応じてより適切な値に変更することができる。
【0017】
上記制御装置において、前記間取りの変更を検知する検知部をさらに備え、前記変更部は、前記検知部により前記間取りの変更が検知されてから所定時間後に前記上限値を変更してもよい。
【0018】
この構成によれば、間取りの変更が検知されてから所定時間後に上限値が変更されるので、間取りの変更後に直ぐに間取りが元に戻されるようなケースにおいて、上限値の変更が防止され、上限値の無駄な変更を抑制できる。
【0019】
上記制御装置において、前記取得部は、さらに、前記間取りの変更予定時刻を含む予約情報を取得し、前記変更部は、前記変更予定時刻に前記上限値を変更してもよい。
【0020】
例えば就寝時刻になると間取りが変更されるというような生活パターンをユーザがとることがある。この構成によれば、変更予定時刻になると上限値が変更されるので、このような生活パターンに適合するように自動的に上限値を変更することができる。
【0021】
上記制御装置において、前記取得部は、さらに、前記間取りの変更予定時刻を含む予約情報を取得し、前記変更部は、前記変更予定時刻の所定時間前から、前記上限値を、前記間取り情報が示す間取りに応じた値に向けて徐々に変更してもよい。
【0022】
この構成によれば、変更予定時刻の所定時間前から徐々に上限値が変更されるので、間取りの変更予定時刻に部屋の温度を快適な温度にすることができると同時に空調設備のエネルギーの浪費を抑制できる。
【0023】
上記制御装置において、前記間取りを変更するために前記部屋を自律的に開閉する間仕切り装置と通信可能に接続され、前記変更部は、前記上限値の変更に連動して前記間仕切り装置を開閉させるための開閉制御信号を前記間仕切り装置に出力してもよい。
【0024】
この構成によれば、上限値の変動に連動して間仕切り装置の開閉が制御されるので、空調設備のエネルギーの浪費をさらに抑制することができる。
【0025】
上記制御装置において、前記取得部は、さらに、前記間取りの変更予定時刻と変更後の前記間取りを示す間取り情報とを含む予約情報を取得し、前記変更部は、前記予約情報に含まれる前記間取り情報が、前記間取りの変更後に前記間取りのサイズが大きくなることを示す場合、前記変更予定時刻の所定時間前に、前記上限値を、変更後の前記間取りに応じた値に、変更してもよい。
【0026】
この構成によれば、間取りのサイズが変更前に比べて大きいサイズに変更される場合、変更予定時刻より所定時間前に上限値が変更後の間取りに応じた値に変更されるので、変更予定時刻において間取りが変更されると直ぐに部屋の温度を快適な温度にすることができる。
【0027】
上記制御装置において、変更された前記上限値を、通信可能に接続された機器に提示させるための提示制御信号を前記機器に出力する機器制御部をさらに備えてもよい。
【0028】
この構成によれば、上限値の変更を通信可能に接続された機器を通じてユーザに提示することができる。
【0029】
上記制御装置において、前記機器は、前記空調設備が備える照明装置であり、前記提示制御信号は、前記上限値に応じて前記照明装置の光量及び色の少なくとも一方を変更するための信号であってもよい。
【0030】
この構成によれば、照明装置が発光する光の色及び光量の少なくとも一方を用いて上限値の変更をユーザに提示できる。
【0031】
上記制御装置において、前記機器は、前記空調設備の吹き出し口に設けられたミストを噴霧するミスト装置と、ミストを照射する照明装置とを含み、前記提示制御信号は、前記上限値に応じて前記ミストの量及び前記照明装置の光量の少なくとも一方を変更するための信号であってもよい。
【0032】
この構成によれば、空調設備の吹き出し口から噴き出るミストの量及びミストを照射する光量の少なくとも一方を用いて上限値の変更をユーザに提示できる。
【0033】
上記制御装置において、前記機器は、間接照明装置であり、前記提示制御信号は、前記上限値に応じて前記間接照明装置の光量及び色の少なくとも一方を変更するための信号であってもよい。
【0034】
この構成によれば、間接照明装置の光量及び色の少なくとも一方を用いて上限値の変更をユーザに提示できる。
【0035】
上記制御装置において、前記機器は、サーキュレータであり、前記提示制御信号は、前記上限値に応じて前記サーキュレータの出力を変更するための信号であってもよい。
【0036】
この構成によれば、サーキュレータを用いて上限値の変更をユーザに提示できる。
【0037】
上記制御装置において、前記取得部は、前記部屋の間仕切りまでの距離を計測する距離センサのセンシングデータを前記間取り情報として取得してもよい。
【0038】
この構成によれば、距離センサが計測した間仕切りまでの距離を示すセンシングデータが間取り情報として取得されているので、変更後の間取りを正確に示す間取り情報を取得することができる。
【0039】
上記制御装置において、前記部屋は、前記部屋を開閉する間仕切り部材により前記間取りが変更され、前記検知部は、前記間仕切り部材に設けられた開閉センサのセンシングデータに基づいて前記間取りの変更を検知してもよい。
【0040】
この構成によれば、間仕切り部材に設けられた開閉センサのセンシングデータが間取り情報として取得されているので、間取りの変更を正確に検知できる。
【0041】
上記制御装置において、前記検知部は、ユーザ端末を用いてユーザにより入力された間取りの変更を告げる入力データに基づいて間取りの変更を検知してもよい。
【0042】
この構成によれば、間取りの変更を示す入力データに基づいて間取りの変更が検知されているので、ユーザが間取りの変更の意思表示をしたときに間取りの変更を検知できる。
【0043】
上記制御装置において、前記変更部は、前記間取り情報に基づいて前記間取りの変更後の前記部屋のサイズを決定し、前記サイズに応じて予め定められた値に前記上限値を変更してもよい。
【0044】
この構成によれば、間取りが変更された部屋のサイズに応じて適切な値に上限値を設定できる。
【0045】
本開示の別の一態様における制御方法は、空調設備を制御する制御装置における制御方法であって、前記空調設備は、間取りが変更可能な部屋に設置され、前記制御装置のプロセッサが、変更後の前記間取りを示す間取り情報を取得し、前記間取り情報が示す変更後の前記間取りに応じた値に、前記空調設備の定格出力の上限値を変更し、前記上限値を変更するための変更制御信号を前記空調設備に出力する。
【0046】
この構成によれば、制御装置と同様の作用効果が得られる制御方法を提供できる。
【0047】
本開示のさらに別の一態様における制御プログラムは、空調設備を制御する制御装置としてコンピュータを機能させる制御プログラムであって、前記空調設備は、間取りが変更可能な部屋に設置され、前記制御装置のプロセッサに、変更後の前記間取りを示す間取り情報を取得し、前記間取り情報が示す変更後の前記間取りに応じた値に、前記空調設備の定格出力の上限値を変更し、前記上限値を変更するための変更制御信号を前記空調設備に出力する、処理を実行させる。
【0048】
この構成によれば、制御装置と同様の作用効果が得られる制御プログラムを提供できる。
【0049】
本開示は、このような制御プログラムを、CD-ROM等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【0050】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0051】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における制御システム100の全体構成の一例を示すブロック図である。制御システム100は、空調設備1、間仕切り装置2、ユーザ端末3、制御装置4、及び機器5を含む。空調設備1、間仕切り装置2、及び機器5は、ユーザの家屋に設置されている。空調設備1は例えば間取りが変更可能な部屋に設置されている。空調設備1は、例えばエアーコンディショナーである。空調設備1は、空気清浄機、除湿器、又は加湿器であってもよい。
【0052】
間取りが変更可能な部屋とは、スライドドア又はアコーディオンカーテン等の間仕切り装置2により部屋を開閉して部屋のサイズを変更することが可能な部屋である。機器5は、例えば間取りが変更可能な部屋に設置されている。機器5は、例えばサーキュレータ、照明装置等であり、空調設備1の上限値の変更を提示する。ユーザ端末3は、例えばスマートフォン及びタブレット型コンピュータ等の携帯型のコンピュータである。ユーザ端末3は、例えば空調設備1が設置された家屋に居住するユーザによって所持される。ユーザ端末3は、空調設備1のリモートコントローラであってもよい。制御装置4は、例えばクラウドサーバである。但し、これは一例であり、制御装置4は、家屋に設置されたホームサーバであってもよい。或いは、制御装置4は、家屋内に設置された電気機器の稼働状態を表示したり、各電気機器を操作したりすることが可能なディスプレイ装置であってもよい。制御装置4は、空調設備1を制御すると共に、間仕切り装置2、及び機器5を制御する。
【0053】
空調設備1~機器5は、ネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。制御装置4がクラウドサーバで構成されている場合、ネットワークNTは、例えばインターネット及び家屋に設けられたローカルエリアネットワークを含む。この場合、空調設備1、間仕切り装置2、ユーザ端末3、及び機器5は、ローカルエリアネットワークで接続され、制御装置4は、家屋に設けられた図略のゲートウェイ装置とインターネットを介して接続される。また、制御装置4がホームサーバ又はディスプレイ装置で構成されている場合、ネットワークNTは、ローカルエリアネットワークである。ローカルエリアネットワークは、例えば無線LAN、有線LAN、及びブルーツース(登録商標)等を含むネットワークである。
【0054】
図2は、部屋1000の一例を示す図である。
図2において、部屋1000に向かって左側を左、部屋1000に向かって右側を右、部屋1000の奥側を後、部屋1000の手前側を前と呼ぶ。
【0055】
部屋1000には、間仕切り装置2が設けられている。間仕切り装置2は、部屋1000の天井から床までの高さを有する複数の間仕切り部材2001を含む。複数の間仕切り部材2001は、部屋1000の天井に設けられたレール1001に沿ってスライド可能に構成されている。この例では、レール1001は、横方向に延びるレール1001aと縦方向に延びるレール1001bとを含む。間仕切り装置2は、レール1001aに沿ってスライドする間仕切り装置2aと、レール1001bに沿ってスライドする間仕切り装置2bとを含む。間仕切り装置2aがレール1001aの左端までスライドすると、複数の間仕切り部材2001は主面が揃い、部屋1000の前側に間仕切りを形成する。同様に、間仕切り装置2bがレール1001bの前端までスライドすると、複数の間仕切り部材2001は主面が揃い、部屋1000の左側の間仕切りを形成する。これにより、部屋1000は、複数の間仕切り部材2001により形成された前側の間仕切り及び左側の間仕切りと、後側及び右側にある固定の壁とによって取り囲まれ、その結果、間仕切り装置2a、2bは、部屋1000を全閉する。この場合、部屋1000の間取りは小さくなり、部屋1000のサイズが小さくなる。
【0056】
一方、間仕切り装置2aがレール1001aの右端までスライドすると間仕切り部材2001は折りたたまれ、且つ、間仕切り装置2bがレール1001bの奥端までスライドすると間仕切り部材2001は折り畳まれる。これにより、部屋1000は全開される。この場合、部屋1000は、周囲の空間と結合され、部屋1000の間取りは大きくなり、部屋1000のサイズは大きくなる。
【0057】
図3は、
図1に示す制御装置4の詳細な構成を示すブロック図である。制御装置4は、通信部41、プロセッサ42、及びメモリ43を含む。通信部41は、制御装置4をネットワークNTに接続する通信回路である。プロセッサ42は、例えばCPUで構成され、検知部421、取得部422、特定部423、変更部424、出力部425、及び機器制御部426を含む。
【0058】
検知部421は、例えば距離センサが検出したセンシングデータに基づいて間取りの変更を検知する。ここでは、説明の便宜上、部屋1000は、間仕切り装置2が部屋1000を全閉する閉状態と、間仕切り装置2が部屋1000を全開する開状態との2つの状態に間取りが変更されるものとして説明する。
【0059】
距離センサは、例えば空調設備1が備えるグリッドアイであってもよいし、自律型の掃除機が備える距離センサであってもよいし、部屋1000に備え付けの距離センサであってもよいし、ユーザ端末3が備える距離センサであってもよい。この場合、センシングデータは、距離センサを中心とし、距離センサの周囲に存在する物体の距離の分布を示す距離画像データで構成される。検知部421は、距離センサから取得したセンシングデータから間仕切り装置2の位置を検出し、検出した間仕切り装置2の位置に基づいて、間取りの変化を検知すればよい。例えば、検知部421は、前回、開状態にあると判定した場合において、センシングデータから検知した間仕切り装置2の端部の位置が、閉状態であることを示す所定の位置に位置する場合、開状態から閉状態に間取りが変化したと判定すればよい。或いは、検知部421は、前回、閉状態に判定した場合において、センシングデータから検知した間仕切り装置2の端部の位置が、開状態であることを示す所定の位置に位置する場合、間取りが閉状態から開状態に変化したと判定すればよい。距離センサは、例えばLiDARである。
【0060】
取得部422は、変更後の部屋1000の間取りを示す間取り情報を取得する。間取り情報は、例えば上述した距離センサが検知したセンシングデータで構成される。この場合、取得部422は、検知部421により間取りの変化が検知されたときにおいて距離センサにより検知されたセンシングデータを変更後の間取りを示す間取り情報として取得すればよい。例えば、取得部422は、検知部421により間取りが開状態から閉状態に変化したと判定された場合、その判定に用いられたセンシングデータに閉状態であることを示す情報を対応付けたデータを間取り情報として取得すればよい。また、取得部422は、検知部421により間取りが閉状態から開状態に変化したと判定された場合、その判定に用いられたセンシングデータに開状態であることを示す情報を対応付けたデータを間取り情報として取得すればよい。
【0061】
特定部423は、変更後の間取りに応じた部屋1000の空調効率を特定する。本実施の形態では、特定部423は、取得部422により取得された間取り情報が閉状態を示す場合、閉状態に対応する空調効率を空調効率テーブル432から取得すればよい。一方、特定部423は、取得部422により取得された間取り情報が開状態を示す場合、開状態に対応する空調効率を空調効率テーブル432から取得すればよい。特定される空調効率としては、例えば空調効率が良いことを示す「良」と、「良」に比べて空調効率が悪いことを示す「悪」とがある。
【0062】
変更部424は、間取り情報が示す変更後の間取りに応じた値に、空調設備1の定格出力の上限値を変更する。具体的には、変更部424は、取得部422が取得した間取り情報から間取りの変更後の部屋1000の面積を計算し、計算した面積に対応する間取りのサイズを間取りテーブル431から特定する。例えば、変更部424は、間取り情報から部屋1000を取り囲む壁を検出し、検出した壁によって取り囲まれる領域の面積を部屋1000の面積として算出すればよい。検出される壁としては、閉状態においては間仕切り装置2が含まれる。特定される間取りのサイズは、例えば「大」、「中」、及び「小」の3つである。そして、変更部424は、特定した部屋のサイズと、特定部423により特定された空調効率とに対応する定格出力を、定格出力テーブル433を参照することで特定し、特定した定格出力に基づいて定格出力の上限値を変更する。定格出力は、空調設備1の能力を電力(kW)で示した値である。
【0063】
定格出力は、下限値、上限値、及び中央値を含む。空調設備1は下限値から上限値までの範囲内で能力を調整することができる。特定される定格出力は、例えば「大」、「中」、「小」、及び「極小」の4つである。例えば、定格出力が7.0kW(中央値:7.0kW、下限値:0.5kW、上限値:10kW)の空調設備1において、定格出力が「大」とは、中央値が7.0kW、下限値0.5がkW、上限値が10kWであり、定格出力が「中」とは、中央値が4.0kW、下限値が0.5kW、上限値が6kWであり、定格出力が「小」とは、中央値が1.0kW、下限値が0.5kW、上限値が2kWであり、定格出力が「極小」とは、中央値が0.75kW、下限値が0.5kW、上限値が1.0kWである。このように、変更部424は、下限値を一定として、上限値を変更することによって定格出力を変更する。
【0064】
出力部425は、上限値を変更するための変更制御信号を生成し、生成した変更制御信号を通信部41を用いて空調設備1に送信する。
【0065】
機器制御部426は、変更部424により変更された定格出力の上限値を、機器5に提示させるための提示制御信号を生成し、生成した提示制御信号を通信部41を用いて機器5に送信する。
【0066】
メモリ43は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等の不揮発性の書き換え可能な記憶装置で構成される。メモリ43は、間取りテーブル431、空調効率テーブル432、及び定格出力テーブル433を記憶する。
【0067】
図4は、間取りテーブル431のデータ構成の一例を示す図である。間取りテーブル431は、間取りの変更後の部屋1000の面積からサイズを特定するために用いられるテーブルである。間取りテーブル431は、「面積」欄及び「サイズ」欄を備える。「面積」欄は、間取りの面積範囲を記憶する。ここでは、面積範囲は「X1未満」の面積範囲、「X1以上、X2未満」の面積範囲、及び「X2以上」の3つの面積範囲がある。「サイズ」欄は、3つの面積範囲のそれぞれに対応する間取りのサイズを記憶する。ここでは、X1未満の面積範囲に対して「小」、X1以上X2未満の面積範囲に対して「中」、X2以上の面積範囲に対して「大」のサイズが対応付けられている。ここでは、間取りのサイズは、「大」、「中」、「小」の3段階であったが、これは一例である。間取りのサイズは、4段階以上であってもよいし、「大」及び「小」の2段階であってもよい。
【0068】
図5は、空調効率テーブル432のデータ構成の一例を示す図である。空調効率テーブル432は、部屋1000の状態に応じた空調効率を特定する際に用いられる。空調効率テーブル432は、部屋1000の状態を示す「状態」欄と、「空調効率」欄とを備える。「状態」欄は、部屋1000の間取りの状態を記憶する。ここでは、部屋1000の間取りの状態として、開状態と閉状態とがあるため、「状態」欄は開状態及び閉状態を記憶する。「空調効率」欄は、開状態及び閉状態のそれぞれに対して予め定められた空調効率を記憶する。ここでは、開状態における部屋1000の空調効率は「悪」であったため、開状態に対して「悪」が記憶され、閉状態における部屋1000の空調効率は「良」であったため、閉状態に対して「良」が記憶されている。
【0069】
空調効率は、開状態及び閉状態のそれぞれに対して予め算出された部屋1000の空調効率を示す値を所定の閾値と比較することにより決定されたものである。空調効率を示す値が所定の閾値以上の場合、空調効率は「良」と設定され、空調効率が所定の閾値未満の場合、空調効率は「悪」に設定される。空調効率を示す値は、例えば、部屋1000の壁及び間仕切り部材2001の断熱性能及び機密性能から算出される。断熱性能は、例えばUA値及びQ値である。機密性能は、例えばC値である。ここでは、空調効率は、「悪」、「良」の2段階であったが、3段階以上であってもよい。なお、制御装置4が複数の部屋1000を管理する場合、空調効率テーブル432は、複数の部屋1000毎に作成される。
【0070】
図6は、定格出力テーブル433のデータ構成の一例を示す図である。定格出力テーブル433は、「サイズ」欄、「空調効率」欄、及び「定格出力」欄を備える。「サイズ」欄は、間取りテーブル431に記憶されたサイズと同様、「大」、「中」、「小」のサイズを記憶する。「空調効率」欄は、空調効率テーブル432に記憶された空調効率と同様、「良」又は「悪」の空調効率を記憶する。「定格出力」欄は、「大」、「中」、「小」、及び「極小」の定格出力を記憶する。定格出力テーブル433の1行目は、サイズ「大」に対して空調効率「良/悪」、定格出力「中/大」を記憶する。これは、サイズ「大」且つ空調効率「良」の場合、定格出力が「中」であることを示し、サイズ「大」且つ空調効率「悪」の場合、定格出力が「大」であることを示す。同様に、定格出力テーブル433の2行目は、サイズ「中」且つ空調効率「良」の場合、定格出力が「小」であることを示し、サイズ「中」且つ空調効率「悪」の場合、定格出力が「中」であることを示す。同様に、定格出力テーブル433の3行目は、サイズ「小」且つ空調効率「良」の場合、定格出力が「極小」であることを示し、サイズ「小」且つ空調効率「悪」の場合、定格出力が「小」であることを示す。
【0071】
ここでは、定格出力は、「大」、「中」、「小」、及び「極小」の4段階であったが、3段階又は2段階であってもよいし、5段階以上であってもよい。このように、定格出力テーブル433は、複数のサイズ及び複数の空調効率の組み合わせに応じた複数の定格出力を記憶する。
【0072】
図7は、
図1に示す空調設備1の詳細な構成を示すブロック図である。空調設備1は、通信部11、表示部12、駆動部13、センサ14、及び制御部15を含む。通信部11は、空調設備1をネットワークNTに接続する通信回路である。通信部11は、制御装置4から送信される変更制御信号及び提示制御信号を受信する。さらに、通信部11は、リモートコントローラからユーザが指定した空調設備1の設定温度を示す設定信号を受信する。
【0073】
表示部12は、照明装置、間接照明装置、及びミスト装置で構成されている。表示部12は、空調設備1の定格出力の上限値の変更をユーザに提示するために用いられる。詳しくは、後述する。
【0074】
駆動部13は、例えば冷媒を圧縮する圧縮機及び送風するファン等を駆動するモータである。
【0075】
センサ14は、温度センサ、距離センサ、及び駆動部13に供給される電力を検知する電力センサ等を含む。温度センサは部屋1000の温度及び冷媒の温度等を検知するセンサである。距離センサは上述したように周囲の物体の距離の分布を示す距離画像データを取得するセンサである。
【0076】
制御部15は、中央演算処理装置、ROM、RAM等を備えるコンピュータで構成される。制御部15は、空調設備1の定格出力の上限値が、通信部11が受信した変更制御信号が示す上限値になるように駆動部13を制御する。例えば、制御部15は、温度センサが検知した温度と設定温度との差が増大するにつれて、空調設備1の出力が増大するように駆動部13を制御する。この場合、制御部15は、電力センサが検知する電力が、変更制御信号が示す定格出力の上限値を超えないように駆動部13を制御する。
【0077】
図8は、
図1に示す間仕切り装置2の詳細な構成を示すブロック図である。間仕切り装置2は、通信部21、駆動部22、開閉センサ23、及び制御部24を含む。通信部21は、ユーザ端末3がユーザによって入力された間取りの変更の指示を受け付けた場合、ユーザ端末3から送信される指示信号を制御装置4を経由して受信する。指示信号は、例えば部屋1000を開状態にするための指示信号と、部屋1000を閉状態にするための指示信号がある。また、通信部21は、開閉センサ23が検出したセンシングデータを制御装置4に送信する。開閉センサ23のセンシングデータは、例えば開状態を示すセンシングデータと、閉状態を示すセンシングデータとがある。
【0078】
駆動部22は、間仕切り装置2を移動させるモータを含む。開閉センサ23は、例えば間仕切り装置2が部屋1000を閉状態したか、開状態にしたかを検知する。
図2の例では、開閉センサ23は、間仕切り装置2aの端部と間仕切り装置2bの端部とのそれぞれに設けられ、間仕切り装置2aと間仕切り装置2bとが離間した状態から当接した場合、閉状態になったことを検知する。一方、開閉センサ23は、間仕切り装置2aと間仕切り装置2bとが接触した状態から離間した場合、開状態になったことを検知する。そして、開閉センサ23は、開状態になったことを検知した場合、開状態を示すセンシングデータを通信部21を用いて制御装置4に送信し、閉状態になったことを検知した場合、閉状態を示すセンシングデータを通信部21を用いて制御装置4に送信する。
【0079】
制御部24は、間仕切り装置2の全体制御を司る電気回路である。制御部24は、通信部21が開状態にする指示信号を受信した場合、駆動部22を駆動して、間仕切り部材2001を移動させて部屋1000を開状態にする。一方、制御部24は、通信部21が閉状態にする指示信号を受信した場合、駆動部22を駆動して間仕切り部材2001を移動させて部屋1000を閉状態にする。
【0080】
図9は、ユーザ端末3の詳細な構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31、操作部32、表示部33、センサ34、及び制御部35を含む。通信部31は、ユーザ端末3をネットワークNTに接続する通信回路である。通信部31は、開状態又は閉状態にするための指示信号を制御装置4を経由して間仕切り装置2に送信する。操作部32は、例えばタッチパネル等の入力装置である。操作部32は、間取りを変更するためにユーザにより入力される指示を受け付ける。
【0081】
表示部33は、液晶パネル及び有機ELパネル等の表示装置で構成される。表示部33は、部屋1000の間取りを変更するための操作画面を表示する。
【0082】
センサ34は、例えば距離センサである。制御部35は、例えば中央演算処理装置、ROM、及びRAMを含み、ユーザ端末3の全体制御を司る。
【0083】
図10は、
図1に示す機器5の詳細な構成を示すブロック図である。機器5は、通信部51、操作部52、表示部53、駆動部54、及び制御部55を含む。通信部51は、機器5をネットワークに接続する通信回路である。通信部51は、制御装置4から送信される提示制御信号を受信する。操作部52は、機器5に対するユーザの操作を受け付ける。表示部53は、空調設備1の定格出力の上限値をユーザに提示するために用いられる。機器5が照明装置の場合、表示部53は例えば空調設備1の定格出力の上限値を上限値に応じた光量を用いて提示する間接照明装置である。機器5がサーキュレータの場合、駆動部54は、例えば機器5を駆動するためのモータ又はモータによって駆動されるファンを含む。制御部55は、機器5の全体制御を司る電気回路である。機器5がサーキュレータの場合、制御部55は、空調設備1の定格出力の上限値を上限値に応じた電力で駆動部54を駆動させる。これにより、定格出力の上限値に応じてファンの回転数が変化し、定格出力の上限値をユーザにフィードバックできる。
【0084】
図11は、定格出力の上限値を空調設備1を用いて提示する態様の第1例における空調設備1の外観図である。第1例において、表示部12は、空調設備1の表面に配置された複数のライン照明装置12a(照明装置の一例)で構成されている。空調設備1は、定格出力の上限値に応じて予め定められた個数のライン照明装置12aを点灯させることによって定格出力の上限値をユーザに提示する。例えば、
図11の左図では、定格出力が「大」であるため、全てのライン照明装置12aが点灯されている。一方、
図11の右図では、定格出力が「小」であったため2個のライン照明装置12aが点灯されている。このように、空調設備1は、定格出力の上限値が増大するにつれて点灯させるライン照明装置12aの個数を増大させる。
【0085】
なお、空調設備1は、定格出力の上限値に応じた色でライン照明装置12aを点灯させてもよい。この場合、空調設備1は、定格出力の上限値が増大するにつれてライン照明装置12aが発光する光の色を濃い色に変更すればよい。或いは、空調設備1は、定格出力の上限値に応じた光量でライン照明装置12aを点灯させてもよい。この場合、空調設備1は、定格出力の上限値が増大するにつれてライン照明装置12aの光量を増大させればよい。
【0086】
図12は、定格出力の上限値を空調設備1を用いて提示する態様の第2例における空調設備1の外観図である。第2例において、表示部12は、空調設備1の背面に設けられた間接照明装置12bで構成されている。空調設備1は、定格出力の上限値に応じて予め定められた色で間接照明装置12bを点灯させることによって定格出力の上限値をユーザに提示する。例えば、
図12の左図では、定格出力が「大」であるため、間接照明装置12bは第1の色で点灯する。一方、
図12の右図では、定格出力が「小」であったため、間接照明装置12bは第1の色よりも薄い第2の色で点灯する。このように、空調設備1は、定格出力の上限値が増大するにつれて間接照明装置12bが発光する光の色を濃い色に変更する。なお、空調設備1は、定格出力の上限値が増大するにつれて間接照明装置12bの照射面積を増大させてよい。
【0087】
図13は、定格出力の上限値を空調設備1を用いて提示する態様の第3例における空調設備1の外観図である。第3例において、表示部12は、ミスト装置12c及び照明装置12dで構成されている。空調設備1は、定格出力の上限値に応じて予め定められた色で照明装置12dを点灯させ、且つ、定格出力の上限値に応じて予め設定された量のミストをミスト装置12cに噴射させることによって定格出力の上限値をユーザに提示する。これにより、定格出力の上限値に応じた色の風が空調設備1の通風口12eから送風されているような演出を行うことができる。例えば、ミスト装置12cは定格出力の上限値が増大するにつれてミストの量を増大させ、照明装置12dは定格出力の上限値が増大するにつれて発光する光の色を濃くすればよい。或いは、照明装置12dは光量を一定とし、ミスト装置12cは定格出力の上限値が増大するにつれてミストの量を増大させてもよい。或いは、ミスト装置12cはミストの量を一定とし、照明装置12dは定格出力の上限値が増大するにつれて光量を増大させてもよい。或いは、ミスト装置12cは定格出力の上限値が増大するにつれてミストの量を増大させ、且つ、照明装置12dは定格出力の上限値が増大するにつれて光量を増大させてもよい。
【0088】
図14は、定格出力の上限値を機器5を用いて提示する態様の第1例における機器5の外観図である。第1例において、機器5は、部屋1000の天井に設置された照明装置5aで構成される。照明装置5aは裏面(天井側の面)に配置された間接照明装置53aを備える。間接照明装置53aは、機器5が備える表示部53の一例である。間接照明装置53aは、定格出力の上限値が増大するにつれて間接照明の照射範囲を増大させることにより、定格出力の上限値をユーザに提示する。なお、間接照明装置53aは、定格出力の上限値が増大するにつれて、間接照明の色を濃い色に変更してもよい。
【0089】
図15は、定格出力の上限値を機器5を用いて提示する態様の第2例における機器5の外観図である。第2例において、機器5は、サーキュレータ5bで構成される。サーキュレータ5bは部屋1000の天井に設置されている。サーキュレータ5bは、定格出力の上限値が増大するにつれてファン5cの出力(回転数)を増大させることにより、定格出力の上限値をユーザに提示する。
【0090】
図16は、実施の形態1における制御装置4の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS1において、検知部421は、距離センサが検出したセンシングデータ(距離画像データ)に基づいて間取りの変更を検出する。ステップS2において、取得部422は、間取り情報を取得する。ここでは、検知部421が間取りの変化を検出したときのセンシングデータを間取り情報として取得する。
【0091】
ステップS3において、変更部424は、ステップS2で取得された間取り情報から間取りの変更後の部屋1000の面積を計算し、計算した面積に対応する間取りのサイズを間取りテーブル431から特定する。これにより、「大」、「中」、「小」、「極小」といった間取りのサイズが特定される。
【0092】
ステップS4において、特定部423は、ステップS2で取得された間取り情報が示す間取りの状態に対応する空調効率を空調効率テーブル432を参照して特定する。例えば、間取り情報が開状態を示す場合、「悪」の空調効率が特定され、間取り情報が閉状態を示す場合、「良」の空調効率が特定される。
【0093】
ステップS5において、変更部424は、ステップS3で特定された間取りのサイズと、ステップS4で特定された空調効率とに対応する定格出力の上限値を定格出力テーブル433を参照して特定する。
【0094】
ステップS6において、出力部425は、現在設定されている空調設備1の定格出力の上限値をステップS5で特定された定格出力の上限値に変更するための変更制御信号を生成し、生成した変更制御信号を通信部41を用いて空調設備1に送信する。これにより、空調設備1において、定格出力の上限値が変更される。
【0095】
ステップS7において、機器制御部426は、変更された定格出力の上限値をユーザに提示するための提示制御信号を生成し、生成した提示制御信号を空調設備1及び機器5の少なくとも一方に通信部41を用いて送信する。これにより、変更後の定格出力の上限値が空調設備1及び機器5の少なくとも一方によりユーザに提示される。
【0096】
このように実施の形態1における制御装置4によれば、部屋1000の間取りが変更されると、空調設備1の定格出力の上限値が変更後の間取りのサイズに応じた値に変更されるので、動的に変更される間取りに応じて空調設備1の性能を適切な値に変更することができる。これにより、空調設備1のエネルギーの浪費を抑制しつつ、部屋1000の温度を速やかに設定温度に近づけることができる。
【0097】
(実施の形態2)
実施の形態2は、間取りが変更されてから所定時間経過後に定格出力の上限値を変更するものである。なお、本実施の形態において実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
【0098】
図3を参照する。変更部424は、検知部421により間取りの変更が検知されてから所定時間経過後に定格出力の上限値を変更する。変更の詳細は実施の形態1と同じであるため、ここでは詳細な説明を省力する。
【0099】
図17は、実施の形態2における制御装置4の処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図17において
図16と同じ処理には同じ符号が付されている。
【0100】
ステップS4に続くステップS101において、変更部424は、ステップS1において間取りの変更が検知されてから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間が経過した場合(ステップS101でYES)、変更部424は定格出力の上限値を変更する(ステップS5)。以降、実施の形態1と同様、ステップS6、S7の処理が実行される。一方、間取りの変更が検知されてから所定時間が経過していない場合(ステップS101でNO)、処理はステップS101で待機する。
【0101】
ここで、所定時間が経過するのを待ってから定格出力の上限値を変更するのは、間取りの変更後直ぐに定格出力の上限値を変更してしまうと、変更した間取りをユーザが直ぐに元に戻すような場合において、定格出力の変更が無駄になるのを防止するためである。したがって、所定時間は、例えば間取りの変更が確定したことが想定される予め定められた時間であって、例えば、3分、5分等の適宜の時間が採用できる。変更した間取りをユーザが直ぐに元に戻すケースとしては、ユーザ端末3に対してユーザが誤って間取りの変更の指示を入力したようなケース、或いは、間取りを変更したものの、直ぐに気分が変わり、ユーザが変更した間取りを元に戻すようなケースが該当する。
【0102】
(実施の形態3)
実施の形態3は、間取りの変更予定時刻を含む予約情報に基づいて間取りを変更するものである。なお、本実施の形態において実施の形態1、2と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
【0103】
図3を参照する。取得部422は、間取りの変更予定時刻を含む予約情報を取得する。ここで、予約情報は、例えばユーザがユーザ端末3を操作することで入力される。取得部422は、ユーザ端末3から送信された予約情報を通信部41を用いて取得し、取得した予約情報をメモリ43に記憶する。予約情報は、変更予定時刻と、変更後の間取りを示す間取り情報と、変更後の間取りの状態とを対応付けて記憶する。予約情報に含まれる間取り情報は、変更後の間取りのサイズであってもよいし、変更後の間取りの面積であってもよいし、変更後の間取りを示す距離センサのセンシングデータ(距離画像データ)であってもよい。ここでは、予約情報に含まれる間取り情報は変更後の間取りのサイズであるものとする。このサイズとは、
図4に示す「大」、「中」、「小」で示される間取りのサイズである。また、予約情報に含まれる変更後の間取りの状態は、「開状態」又は「閉状態」である。変更予定時刻は例えば就寝時刻又は起床時刻である。例えば就寝時は部屋1000を閉状態にし、起床時は部屋1000を開状態にする生活パターンをユーザがとることがある。このような生活パターンに応じて間取りを動的に変更するために予約情報が用いられる。
【0104】
変更部424は、予約情報が示す変更予定時刻になると、変更後の部屋1000の間取りのサイズ及び空調効率に基づいて定格出力の上限値を変更する。
【0105】
図18は、実施の形態3における制御装置4の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS201において、取得部422は、ユーザ端末3から送信された予約情報を通信部41を用いて取得する。
【0106】
ステップS202において、取得部422は予約情報に含まれる間取り情報を取得する。ステップS203において、変更部424は、間取り情報が示す間取りのサイズ(ここでは、「大」、「中」、又は「小」)を変更後の間取りのサイズとして特定する。
【0107】
ステップS204において、特定部423は、予約情報に含まれる間取りの状態に対応する空調効率を、空調効率テーブル432を参照して特定する。これにより、「良」又は「悪」といった変更後の間取りの空調効率が特定される。
【0108】
ステップS205において、変更部424は、時刻が変更予定時刻になったか否かを判定する。時刻が変更予定時刻になった場合(ステップS205でYES)、変更部424は、ステップS203で特定された変更後の間取りのサイズと、ステップS204で特定された空調効率に対応する定格出力を定格出力テーブル433を参照して特定する(ステップS206)。一方、時刻が変更予定時刻になっていない場合(ステップS205でNO)、処理はステップS205で待機する。ステップS207、S208の処理は、ステップS6、S7と同じである。
【0109】
このように、実施の形態3における制御装置4によれば、間取りの変更予定時刻に合わせて自動的に空調設備1の定格出力を変更することができる。なお、実施の形態3においては、変更予定時刻になった場合に、変更部424は開閉制御を間仕切り装置2に送信し、自動的に部屋1000の間取りを変更してもよい。
【0110】
(実施の形態4)
実施の形態4は、間取りの変更予定時刻の所定時間前から定格出力の上限値を変更するものである。なお、本実施の形態において実施の形態1~3と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
【0111】
図3を参照する。変更部424は、予約情報に含まれる変更予定時刻の所定時間前から、定格出力の上限値を、予約情報に含まれる間取り情報が示す変更後の間取りに応じた値に向けて徐々に変更する。所定時間は、空調設備1が間取りの変更後に部屋1000の温度を設定温度にすることが可能な予め定められた時間であり、例えば、5分、10分等の適宜の時間が採用される。
【0112】
さらに、変更部424は、定格出力の上限値の変更に連動して間仕切り装置2を開閉させるための開閉制御信号を通信部41を用いて間仕切り装置2に送信する。開閉制御信号は、開状態から閉状態に変更する開閉制御信号と、閉状態から開状態に変更する開閉制御信号とがある。変更部424は、開状態から閉状態に変更する場合は、開状態から閉状態に変更する開閉制御信号を送信し、閉状態から開状態に変更する場合は、閉状態から開状態に変更する開閉制御信号を送信すればよい。
【0113】
図19は、実施の形態4における制御装置4の処理の一例を示すフローチャートである。
図19において、
図18と同じ処理には同じ符号が付されている。ステップS204に続くステップS301において、変更部424は、時刻が変更予定時刻の所定時間前になったか否かを判定する。時刻が変更予定時刻の所定時間前になった場合(ステップS301でYES)、変更部424は、定格出力の上限値を徐々に変更する(ステップS302)。
【0114】
この場合、変更部424は、ステップS203で特定された変更後の間取りのサイズと、ステップS204で特定された空調効率とに対応する定格出力の上限値を定格出力テーブル433から特定する。ここで、特定された定格出力の上限値をWtとおく。変更部424は、間取りの変更前に空調設備1に設定されている定格出力の上限値Wsが所定時間後に上限値Wtにリニアに変動するように上限値の変化幅ΔWを算出する。そして、変更部424は、ステップS302~S306の処理が繰り返されるたびに、現在の上限値Wiに変化幅ΔWを加算することで、上限値Wiを徐々に変更させればよい。変化幅ΔWは、例えば、ΔW=(Wt-Ws)・Δt/Tで算出される。Δtは、ステップS302~S306の処理の繰り返し周期である。Tは所定時間である。ここでは、上限値Wiはリニアに変動するとしたが、二次関数的に変動してもよいし、所定の変動曲線に沿って変動してもよい。以下、ステップS302で算出された最新の上限値をWi+1(=Wi+ΔW)と表す。
【0115】
現在時刻が変更予定時刻の所定時間前でない場合(ステップS301でNO)、処理はステップS301で待機する。
【0116】
ステップS303において、出力部425は、上限値Wiを上限値Wi+1に変更するための変更制御信号を生成し、生成した変更制御信号を通信部41を用いて空調設備1に送信する。
【0117】
ステップS304において、機器制御部426は、上限値Wi+1をユーザに提示するための提示制御信号を生成し、生成した提示制御信号を空調設備1及び機器5の少なくとも一方に通信部41を用いて送信する。
【0118】
ステップS305において、変更部424は、上限値Wiの変動に連動して間仕切り装置2を開閉させる開閉制御信号を通信部41を用いて間仕切り装置2に送信する。例えば、変更部424は、開状態から閉状態又は閉状態から開状態になるのに要する間仕切り装置2の移動距離を所定時間Tで割ることで、間仕切り装置2の移動速度を算出し、算出した移動速度で間仕切り装置2を移動させる開閉制御信号を通信部41を用いて間仕切り装置2に送信すればよい。
【0119】
ステップS306において、変更部424は、上限値Wiが上限値Wtになったか否かを判定し、上限値Wiが上限値Wtになった場合(ステップS306でYES)、処理を終了する。一方、変更部424は、上限値Wiが上限値Wtになっていない場合(ステップS306でNO)、処理をステップS302に戻す。
【0120】
このように、実施の形態4における制御装置4によれば、変更予定時刻の所定時間前から徐々に上限値が変更されるので、間取りの変更予定時刻に部屋の温度を快適な温度にすることができると同時に空調設備1のエネルギーの浪費を抑制できる。さらに、上限値の変動に連動して間仕切り装置2の開閉が制御されるので、空調設備1のエネルギーの浪費をさらに抑制することができる。
【0121】
(実施の形態5)
実施の形態5は、変更後に間取りのサイズが増大する場合、変更予定時刻の所定時間前に定格出力の上限値を変更するものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1~4と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0122】
図3を参照する。変更部424は、取得部422が取得した予約情報に含まれる間取り情報が、間取りの変更後に間取りのサイズが大きくなることを示す場合、変更予定時刻の所定時間前に、上限値を、変更後の間取りに応じた値に、変更する。例えば、予約情報に含まれる間取り情報が「小」から「大」若しくは「中」、又は「中」から「大」を示す場合、変更部424は間取りのサイズが大きくなると判定すればよい。所定時間は、例えば間取りの変更前に部屋1000の空気を過剰に温める又は冷やしておくことで、間取りの変更後に直ぐに部屋1000の温度を快適な温度にすることが可能な予め定められた時間が採用され、例えば、5分、10分等の適宜の時間が採用できる。
【0123】
図20は、実施の形態5における制御装置4の処理の一例を示すフローチャートである。
図19において、
図18と同じ処理には同じ符号が付されている。ステップS204に続くステップS401において、変更部424は、予約情報に含まれる間取り情報から変更後の間取りのサイズが増大しているか否かを判定する。変更後の間取りのサイズが増大する場合(ステップS401でYES)、変更部424は、時刻が変更予定時刻の所定時間前になったか否かを判定する(ステップS402)。時刻が変更予定時刻の所定時間前になった場合(ステップS402でYES)、処理はステップS206に進む。これにより、S206以降の処理が実施され、定格出力の上限値が変更される。一方、時刻が変更所定時刻の所定時間前になっていない場合(ステップS402でNO)、処理はステップS402で待機する。
【0124】
変更後の間取りサイズが変更前に比べて増大しない場合(ステップS401でNO)、変更部424は、時刻が変更予定時刻になったか否かを判定する(ステップS403)。時刻が変更予定時刻になった場合(ステップS403でYES)、処理はステップS206に進み、定格出力の上限値が変更される。時刻が変更予定時刻になっていない場合(ステップS403でNO)、処理はステップS403で待機する。
【0125】
このように、実施の形態5における制御装置4によれば、間取りのサイズが大きいサイズに変更される場合、変更予定時刻より所定時間前に上限値が変更後の間取りに応じた値に変更されるので、変更予定時刻において間取りが変更されると直ぐに部屋の温度を快適な温度にすることができる。
【0126】
本開示は以下の変形例が採用できる。
【0127】
(変形例1)
図3に示す検知部421は、間取りの変更を告げるためにユーザがユーザ端末3に入力した入力データに基づいて間取りの変更を検知してもよい。この場合、入力データは、開状態から閉状態への間取りの変更を告げる入力データと、閉状態から開状態への間取りの変更を告げる入力データとがある。この場合、取得部422は、間取りの変化の検知後に、距離センサにセンシングデータを取得させ、取得されたセンシングデータを変更後の間取りを示す間取り情報として取得すればよい。
【0128】
(変形例2)
図3に示す検知部421は、間仕切り装置2が備える開閉センサ23が検知したセンシングデータに基づいて間取りの変化を検知してもよい。検知部421は、間仕切り装置2から送信されたセンシングデータを通信部41を介して取得した場合、間取りが変更したと判定すればよい。この場合、取得部422は、間取りの変化の検知後に距離センサにセンシングデータを取得させ、取得されたセンシングデータを変更後の間取りを示す間取り情報として取得すればよい。
【0129】
(変形例3)
メモリ43は閉状態及び開状態のそれぞれに対応して、部屋1000の形状を2次元又は3次元で示す間取り情報が予め記憶していてもよい。この場合、取得部422は、検知部421により部屋1000が閉状態であると判定された場合、閉状態に対応する間取り情報をメモリ43から取得し、検知部421により部屋1000が開状態であると判定された場合、閉状態に対応する間取り情報をメモリ43から取得すればよい。
【0130】
(変形例4)
メモリ43は、閉状態及び開状態のそれぞれに対応する部屋1000の面積を予め記憶していてもよい。この場合、取得部422は、メモリ43に記憶された閉状態又は開状態に対応する面積を間取り情報として取得してもよい。
【0131】
(変形例5)
間取りは開状態及び閉状態の間の中間状態を含んでもよい。この場合、変更部424は、距離センサが検知したセンシングデータから間仕切り装置2の開度を特定し、特定した開度に応じた上限値を変更後の上限値として特定すればよい。開度は、例えば開状態を100、閉状態を0とした連続値で表される。例えば、変更部424は、開状態に対応する定格出力の上限値と、閉状態に対応する定格出力の上限値とを開度に応じて線形補間することで、開度に応じた上限値を算出すればよい。
【0132】
(変形例6)
間仕切り装置2に代えて手動により部屋1000の間取りが変更可能な間仕切り部材で構成されてもよい。この場合、間仕切り部材は、レール1001に沿って移動する間仕切り部材であってもよいし、部屋1000を自由に仕切ることができるキャスター付きの間仕切り部材であってもよい。
【0133】
(変形例7)
実施の形態3~5において、変更予定時刻になると間取りが変更されるので、プロセッサ42は検知部421を有していなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本開示は、動的に変更される間取りに適するように空調設備の定格出力の上限値が設定されるので、家屋内において空調設備を制御する技術として有用である。
【符号の説明】
【0135】
1 :空調設備
2 :間仕切り装置
3 :ユーザ端末
4 :制御装置
5 :機器
5a :照明装置
5b :サーキュレータ
12a :ライン照明装置
12b :間接照明装置
12c :ミスト装置
12d :照明装置
23 :開閉センサ
41 :通信部
42 :プロセッサ
43 :メモリ
421 :検知部
422 :取得部
423 :特定部
424 :変更部
425 :出力部
426 :機器制御部
431 :間取りテーブル
432 :空調効率テーブル
433 :定格出力テーブル
1000 :部屋