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特開2022-191837プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191837
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/901 20190101AFI20221221BHJP
   G06F 16/955 20190101ALI20221221BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20221221BHJP
【FI】
G06F16/901
G06F16/955
G06F16/903
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100300
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】518176378
【氏名又は名称】スキルアップAI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小縣 信也
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175JC04
5B175KA12
(57)【要約】
【課題】関連する複数の論文の関係を提示することが可能なプログラム等を提供する。
【解決手段】コンピュータは、論文の検索に用いるキーワードを取得し、取得したキーワードに基づき検索された論文候補を出力する。コンピュータは、出力した論文候補のうちのいずれかの論文に対する選択を受け付ける。そして、コンピュータは、選択された論文に対応するノードと、選択された論文と関連する複数の論文に対応する関連ノード群と、前記ノード及び関連ノード群間を結ぶ有向辺とを出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
論文の検索に用いるキーワードを取得し、
取得したキーワードに基づき検索された論文候補を出力し、
出力した論文候補のうちのいずれかの論文に対する選択を受け付け、
選択された論文に対応するノードと、前記選択された論文と関連する複数の論文に対応する関連ノード群と、前記ノード及び関連ノード群間を結ぶ有向辺とを出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記選択された論文及び前記関連する複数の論文に含まれる論文のそれぞれに対応するノードから、前記論文を引用している他の論文に対応するノードに向かう矢印を有する前記有向辺を出力する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記選択された論文を引用している引用論文を特定し、
前記引用論文を引用している他の引用論文の特定をk(kは任意の自然数)回繰り返し、
特定した引用論文に対応する前記関連ノード群を出力する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記選択された論文が引用している被引用論文を特定し、
前記被引用論文が引用している他の被引用論文の特定をm(mは任意の自然数)回繰り返し、
特定した被引用論文に対応する前記関連ノード群を出力する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から3までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項5】
前記複数の論文のうちで、各論文を引用している他の論文の数がn(nは任意の自然数)以上である論文を特定し、
特定した論文に対応する前記関連ノード群を出力する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から4までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項6】
前記選択された論文を引用している引用論文、及び/又は、前記選択された論文が引用している被引用論文を特定し、
前記引用論文を特定した場合、前記引用論文を引用している他の引用論文の特定をk(kは任意の自然数)回繰り返し、前記被引用論文を特定した場合、前記被引用論文が引用している他の被引用論文の特定をm(mは任意の自然数)回繰り返し、
特定した前記引用論文及び/又は被引用論文のうちで、前記引用論文又は被引用論文を引用している他の論文の数がn(nは任意の自然数)以上である引用論文及び/又は被引用論文を特定し、
特定した引用論文及び/又は被引用論文に対応する前記関連ノード群を出力し、
前記k、m、及びnのうちの少なくとも1つの値の入力を受け付ける
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から5までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項7】
前記ノード及び関連ノード群に含まれるいずれかのノードに対する移動指示を受け付け、
移動指示されたノードを移動させる
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から6までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項8】
前記論文に対してブックマークへの登録指示を受け付け、
登録指示された論文に関する情報を記憶部に記憶する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から7までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項9】
前記論文に対して他のユーザとの共有指示を受け付け、
共有指示された論文に関する情報を記憶部に記憶する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から8までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項10】
前記記憶部に記憶した論文に対する閲覧指示を受け付け、
閲覧指示された論文を、閲覧指示したユーザに出力する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項11】
新しい論文に関する情報を取得し、
取得した新しい論文を通知すべきユーザを特定し、
特定したユーザに、前記新しい論文に関する情報を出力する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から10までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項12】
前記論文に対するコメントの入力を受け付け、
受け付けたコメントを前記論文に関する情報に対応付けてコメント記憶部に記憶し、
前記コメント記憶部に記憶した論文に対する閲覧指示を受け付け、
閲覧指示された論文に前記コメントを付加して出力する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から11までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項13】
前記ノード及び関連ノード群に含まれる各ノードが、各ノードに対応する論文の発表年月日の順に所定方向に並ぶ有向グラフを生成する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から12までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項14】
論文のタイトルと前記論文の内容に関する論文情報とが対応付けてデータベースに記憶されており、
前記取得したキーワードが前記タイトル又は論文情報に含まれる場合、前記キーワードと、前記論文情報又はタイトルとに基づく検索を行う
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から13までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項15】
論文の検索に用いるキーワードを取得する取得部と、
取得したキーワードに基づき検索された論文候補を出力する論文出力部と、
出力した論文候補のうちのいずれかの論文に対する選択を受け付け選択受付部と、
選択された論文に対応するノードと、前記選択された論文と関連する複数の論文に対応する関連ノード群と、前記ノード及び関連ノード群間を結ぶ有向辺とを出力する有向辺出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項16】
論文の検索に用いるキーワードを取得し、
取得したキーワードに基づき検索された論文候補を出力し、
出力した論文候補のうちのいずれかの論文に対する選択を受け付け、
選択された論文に対応するノードと、前記選択された論文と関連する複数の論文に対応する関連ノード群と、前記ノード及び関連ノード群間を結ぶ有向辺とを出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のネットワークを介して各種の情報が公開されており、ネットワーク経由で各種の情報の検索が行われている。特許文献1では、公報番号に基づいて検索した技術文献に類似する技術文献を検索して提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5360512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
技術は積み重ねによって進歩する場合が多く、関連する技術文献の関係を知りたいという要望がある。しかし、特許文献1に開示された技術では、目的の技術文献に類似する文献を提示することは可能であるが、目的の技術文献と類似文献との関係を提示するものではない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、関連する複数の論文の関係を提示することが可能なプログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、論文の検索に用いるキーワードを取得し、取得したキーワードに基づき検索された論文候補を出力し、出力した論文候補のうちのいずれかの論文に対する選択を受け付け、選択された論文に対応するノードと、前記選択された論文と関連する複数の論文に対応する関連ノード群と、前記ノード及び関連ノード群間を結ぶ有向辺とを出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様にあっては、関連する複数の論文の関係を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】論文提供サーバの構成例を示すブロック図である。
図3】論文提供サーバに記憶されるDBの構成例を示す模式図である。
図4】論文提供サーバに記憶されるDBの構成例を示す模式図である。
図5】ユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
図6】ユーザ端末に記憶されるDBの構成例を示す模式図である。
図7】論文の検索処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】論文の検索処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】ユーザ端末における画面例を示す模式図である。
図10】ユーザ端末における画面例を示す模式図である。
図11】他の画面例を示す模式図である。
図12】コメントDBの構成例を示す模式図である。
図13】実施形態2における論文の検索処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】ユーザ端末における画面例を示す模式図である。
図15】論文の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】実施形態4における論文の検索処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17】画面例を示す模式図である。
図18】画面の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示のプログラム、情報処理装置及び情報処理方法について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
ネットワークを介して論文を提供する情報処理システムについて説明する。図1は、情報処理システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報処理システムは、論文提供サーバ10、ユーザ端末20及び論文検索サーバ30等を含み、各機器は、インターネット等のネットワークNを介して通信可能に接続されている。論文提供サーバ10は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等である。論文提供サーバ10は、複数台設けられて分散処理する構成でもよく、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよく、クラウドサーバを用いて実現されてもよい。論文提供サーバ10は、ウェブサーバの機能を有し、検索キーワードを受け付け、検索キーワードに基づく検索結果を提供する論文検索サイト12S(図2参照)をネットワークNを介して公開している。論文検索サーバ30は、ネットワークN経由で公開されている論文に対して検索キーワードに基づく検索処理を行う検索エンジンを有しており、検索結果を検索要求元の機器に提供する。論文検索サーバ30は、例えばグーグル・スカラー(Google Scholar)等の検索エンジンを使用し、検索キーワードをタイトル又は中身に含む論文を検索する。ユーザ端末20は、論文検索サイト12Sを介して論文を検索するユーザの端末であり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0011】
本実施形態の情報処理システムでは、ユーザ端末20は、論文提供サーバ10が公開する論文検索サイト12Sにアクセスし、論文検索サイト12Sを介して入力された検索キーワードに基づく検索処理を論文提供サーバ10に要求する。論文提供サーバ10は、論文検索サイト12Sを介して入力された検索用キーワードに基づく検索処理の実行を論文検索サーバ30に要求し、論文検索サーバ30は、論文提供サーバ10から要求された検索処理を実行して検索結果を論文提供サーバ10へ送信する。論文提供サーバ10は、論文検索サーバ30から検索結果として得られた論文の情報を表示する検索結果画面をユーザ端末20へ送信する。これにより、ユーザは、ユーザ端末20を用いて、所望の論文の提供を論文提供サーバ10から受けることができる。
【0012】
図2は、論文提供サーバ10の構成例を示すブロック図である。論文提供サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを適宜実行することにより、論文提供サーバ10が行うべき種々の情報処理、制御処理等を実行する。
【0013】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12P及び制御プログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11が制御プログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部12は、論文を検索する際に用いる論文検索サイト12S、後述するユーザDB(データベース)12a、検索用情報DB12b、及び検索結果DB12c等を記憶する。ユーザDB12a、検索用情報DB12b、及び検索結果DB12cは、論文提供サーバ10に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、論文提供サーバ10が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0014】
通信部13は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。入力部14は、例えばマウス及びキーボード等を含み、論文提供サーバ10を操作するユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部14及び表示部15は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。なお、入力部14及び表示部15は必須ではなく、論文提供サーバ10は、接続されたコンピュータを通じて操作を受け付け、表示すべき情報を外部の表示装置へ出力する構成でもよい。
【0015】
読み取り部16は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード等を含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶される制御プログラム12P(プログラム製品)及び各種のデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に記憶される制御プログラム12P及び各種のデータは、制御部11が通信部13を介して外部装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
【0016】
図3及び図4は、論文提供サーバ10に記憶されるDB12a~12cの構成例を示す模式図である。図3はユーザDB12aを、図4Aは検索用情報DB12bを、図4Bは検索結果DB12cをそれぞれ示す。ユーザDB12aは、論文検索サイト12Sを利用するためにユーザ登録したユーザに関する情報を記憶する。図3に示すユーザDB12aは、ユーザID列、パスワード列、ユーザ情報列、フォローユーザ列、関心分野列、検索履歴列、閲覧履歴列、ブックマーク情報列等を含み、ユーザIDに対応付けてユーザの各情報を記憶する。ユーザID列は、各ユーザを識別するための識別情報を記憶する。識別情報は、各ユーザにランダムに割り当てられたユーザIDであってもよく、ユーザが任意に設定したユーザ名であってもよい。パスワード列は、例えばユーザ登録の際にユーザが設定したパスワードを記憶する。ユーザ情報列は、例えばユーザの氏名、年齢及び性別等の属性情報、メールアドレス等の個人情報を記憶する。フォローユーザ列は、当該ユーザが論文検索アプリ22AP(図5参照)上でフォローしているユーザのユーザIDを記憶する。関心分野列は、ユーザが関心のある分野であり、ユーザが登録した分野を記憶する。検索履歴列は、ユーザが論文検索アプリ22APを介して検索要求して論文提供サーバ10が実行した検索処理に関する情報を記憶する。検索履歴列には、検索日時と、検索内容及び検索結果を含む検索情報とが対応付けて記憶される。検索内容は例えば検索に使用したキーワードを含み、検索結果は、検索キーワードに基づき検索された論文のタイトル、及び論文を閲覧するためのURL(Uniform Resource Locator)等、論文に関する情報を含む。閲覧履歴列は、ユーザが閲覧した論文の情報を記憶する。閲覧履歴列には、閲覧日時と、閲覧した論文に関する閲覧情報(例えばタイトル及びURL等)とが対応付けて記憶される。ブックマーク情報列は、ユーザがブックマークに登録した論文の情報を記憶する。ブックマーク情報列には、ブックマークに登録された論文に対してユーザが任意に付与した名称(ブックマーク名)と、論文のURLとが対応付けて記憶される。ユーザIDは、新たなユーザの情報が登録される際に、制御部11によって発行されて記憶される。パスワード、ユーザ情報、フォローユーザ、及び関心分野の各情報は、制御部11が通信部13又は入力部14を介して取得した場合に、制御部11によって記憶され、通信部13又は入力部14を介して変更指示を取得した場合に、制御部11によって変更される。なお、関心分野は、制御部11が、ユーザが過去に閲覧した論文、検索した論文、ブックマークに登録した論文等から特定して記憶してもよい。検索履歴は、制御部11がユーザ端末20からの要求に応じて検索処理を行った場合に、検索処理に関する情報が制御部11によって記憶される。閲覧履歴は、制御部11がユーザ端末20からの要求に応じて論文の提供を行った場合に、提供処理(閲覧処理)に関する情報が制御部11によって記憶される。ブックマーク情報は、ユーザが論文検索アプリ22APを介して論文に対するブックマーク登録を指示した場合に、ブックマークに登録された論文に関する情報が制御部11によって記憶される。ユーザDB12aの記憶内容は図3に示す例に限定されず、ユーザに関する各種の情報を記憶することができる。
【0017】
検索用情報DB12bは、論文に関する論文情報と、論文のタイトルとを対応付けて記憶する。論文情報には、例えば論文で開示された手法の名称(手法名)、論文で開示された処理内容に付けられた名称、或いは、手法又は処理内容に付けられた通称、別名、俗称等が用いられる。また論文情報には、論文中に出現する用語が用いられてもよく、論文中には出現しないが論文の内容を示す用語が用いられてもよい。検索用情報DB12bに記憶される論文情報及び論文のタイトルは、予め通信部13又は入力部14を介して入力されて登録される。また、論文情報及び論文のタイトルは、例えばユーザが論文の検索処理を行う際に論文の内容(例えば手法及び処理)に関するキーワードを用い、検索結果として論文のタイトルが得られた場合に、検索に用いたキーワードを論文情報とし、この論文情報と、検索結果として得られた論文のタイトルとが対応付けられて検索用情報DB12bに記憶されてもよい。検索用情報DB12bの記憶内容は図4Aに示す例に限定されず、また、論文情報に対応付けて、論文のタイトルのほかに、論文内で出現する用語等が記憶されていてもよい。検索用情報DB12bは、論文の検索処理の際に使用される。
【0018】
検索結果DB12cは、論文提供サーバ10がユーザ端末20からの要求に応じて実行した検索処理の結果を記憶する。図4Bに示す検索結果DB12cは、検索ID列、キーワード列、検索結果列等を含み、検索IDに対応付けて、検索処理に用いたキーワードと、このキーワードに基づく検索結果とを記憶する。検索ID列は、各検索処理を識別するための識別情報(検索ID)を記憶する。キーワード列は、ユーザ端末20から取得した検索キーワードを記憶する。検索結果列は、キーワードに基づく検索結果によって得られた論文に関する情報(論文のタイトル及びURL等)を記憶する。検索IDは、論文提供サーバ10が検索処理を行った場合に、制御部11によって発行されて記憶される。キーワード及び検索結果は、論文提供サーバ10が検索処理を行った場合に、ユーザ端末20から取得したキーワードと、検索処理によって得られた検索結果とが制御部11によって記憶される。検索結果DB12cの記憶内容は図4Bに示す例に限定されない。例えば、検索結果の論文の中からユーザが閲覧した論文に関する情報が検索結果DB12cに記憶されてもよい。
【0019】
図5はユーザ端末20の構成例を示すブロック図である。ユーザ端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。ユーザ端末20の制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び表示部25は、図2に示す論文提供サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、及び表示部15と同様の構成を有するので、構成についての詳細な説明は省略する。なお、ユーザ端末20の記憶部22は、制御プログラム22Pに加えて、ウェブサイトを閲覧するためのウェブブラウザ22B(以下ではブラウザ22Bという)、及び論文検索アプリケーションプログラム22AP(以下では論文検索アプリ22APという)を記憶する。また記憶部22は、後述する検索履歴DB22a及び閲覧履歴DB22bを記憶する。検索履歴DB22a及び閲覧履歴DB22bは、ユーザ端末20に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、ユーザ端末20が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0020】
図6はユーザ端末20に記憶されるDB22a~22bの構成例を示す模式図である。図6Aは検索履歴DB22aを、図6Bは閲覧履歴DB22bをそれぞれ示す。検索履歴DB22aは、論文検索アプリ22APを介して検索要求して論文提供サーバ10が実行した検索処理に関する情報を記憶する。具体的には、検索履歴DB22aには、検索日時と、検索に使用したキーワードと、検索結果である論文のタイトル及びURL等の情報とが対応付けて記憶される。閲覧履歴DB22bは、論文検索アプリ22APを介して閲覧した論文に関する情報を記憶する。具体的には、閲覧履歴DB22bには、閲覧日時と、閲覧した論文に関する閲覧情報(例えばタイトル及びURL等)とが対応付けて記憶される。検索履歴及び閲覧履歴の情報を論文提供サーバ10のユーザDB12aにのみ記憶する構成とした場合、ユーザ端末20は、検索履歴DB22a及び閲覧履歴DB22bを記憶していなくてもよい。
【0021】
本実施形態の情報処理システムでは、ユーザ端末20のユーザが、論文検索アプリ22APを用いて論文の検索処理の実行を要求した場合、ユーザ端末20は論文提供サーバ10に対して検索キーワードを送信して検索処理の実行を要求する。論文提供サーバ10は、ユーザ端末20からの要求に応じて論文の検索処理を実行し、検索した結果得られた論文に関する情報をユーザ端末20に提示する。ユーザは、論文提供サーバ10から提示された論文の中から閲覧したい論文を選択する。ユーザ端末20を介して任意の論文が選択された場合、論文提供サーバ10は、選択された論文と、この論文を引用している他の論文との関係を示す有向グラフを生成してユーザ端末20に提示する。ユーザは、論文提供サーバ10から提示された有向グラフに基づいて任意の論文を選択する。有向グラフにおいて各論文のURLが提示されており、ユーザ端末20は、ユーザが選択した論文のURLにアクセスして当該論文を、URLに対応するサーバから取得する。これにより、論文提供サーバ10は、ユーザが所望する論文の検索処理を実行することができ、ユーザ端末20は、検索結果に基づいてユーザが選択した論文を、当該論文を管理するサーバから取得することができる。
【0022】
以下に、本実施形態の情報処理システムにおける論文の検索処理について説明する。図7及び図8は、論文の検索処理手順の一例を示すフローチャート、図9及び図10は、ユーザ端末20における画面例を示す模式図である。図7及び図8では左側にユーザ端末20が行う処理を、右側に論文提供サーバ10が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理は、ユーザ端末20の記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pに従って制御部21によって実行され、論文提供サーバ10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行される。なお、以下の処理において、ユーザは、論文検索サイト12Sを利用するために予めユーザ登録しているユーザであり、ユーザID及びパスワードを用いて論文提供サーバ10(論文検索サイト12S)に対してログイン処理を行っているものとする。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0023】
本実施形態の情報処理システムにおいて、論文の検索を行いたいユーザは、ユーザ端末20を用いて論文検索サイト12S(論文提供サーバ10)にアクセスし、論文検索サイト12Sを介して、閲覧したい論文の検索を行う。ユーザ端末20の制御部21は、入力部24を介したユーザからの指示に従って論文検索サイト12Sにアクセスする(S11)。なお、ユーザは、論文検索アプリ22APをユーザ端末20に起動させることによって論文検索サイト12Sにアクセスしてもよく、ブラウザ22Bをユーザ端末20に起動させることによって論文検索サイト12Sにアクセスしてもよい。
【0024】
論文提供サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20からの要求に応じたウェブページ、ここでは論文検索サイト12Sのキーワード入力画面をユーザ端末20へ送信する(S12)。図9Aはキーワード入力画面例を示しており、図9Aに示すキーワード入力画面は、ユーザが所望する論文を検索するための検索キーワードを入力するための入力欄と、検索処理の実行を指示するための検索ボタンとを有する。ユーザ端末20の制御部21は、論文提供サーバ10が送信したキーワード入力画面を受信して表示部25に表示する(S13)。
【0025】
ユーザ端末20のユーザは、キーワード入力画面中の入力欄に検索用のキーワードを入力し、検索ボタンを操作することにより、入力した検索キーワードに基づく検索処理の実行を指示する。なお、検索用のキーワードは、例えば論文のタイトル、著者名、著者が所属する企業等の名称、論文中に出現する用語等を用いることができる。ユーザ端末20の制御部21は、入力部24を介してユーザから検索キーワードの入力を受け付け、受け付けた検索キーワードを入力欄に表示する(S14)。制御部21は、入力部24を介して検索ボタンが操作されたか否かを判断しており(S15)、検索ボタンが操作されていないと判断した場合(S15:NO)、ステップS14の処理に戻る。検索ボタンが操作されたと判断した場合(S15:YES)、制御部21は、キーワード入力画面を介して入力された検索キーワードに基づく検索処理の実行を論文提供サーバ10に要求する(S16)。具体的には、制御部21は、入力欄に入力された検索キーワードを論文提供サーバ10へ送信し、検索処理の実行を要求する。
【0026】
論文提供サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20から検索処理の実行を要求された場合、ユーザ端末20から取得した検索キーワードでの検索処理を実行する(S17)。具体的には、制御部11(取得部)は、ユーザ端末20から、論文の検索に用いるキーワードを取得する。そして制御部11は、取得したキーワードに基づく検索処理の実行を、論文検索サーバ30に要求し、論文検索サーバ30から検索結果である各論文の情報(例えばタイトル及びURL)を取得する。このとき、制御部11は、ユーザ端末20から取得したキーワードに対応する検索用情報を検索用情報DB12bから取得し、検索用情報も検索キーワードに含めて、検索処理の実行を論文検索サーバ30に要求してもよい。例えば制御部11は、ユーザ端末20から取得したキーワードが、検索用情報DB12bに記憶されている論文情報又はタイトルに含まれるか否かを判断し、含まれる場合、当該キーワードを含む論文情報及びタイトル(検索用情報)を検索用情報DB12bから読み出し、読み出した検索用情報と、ユーザ端末20から取得したキーワードとを検索キーワードとする検索処理の実行を論文検索サーバ30に要求してもよい。論文検索サーバ30は、論文提供サーバ10から取得したキーワードに基づいて論文検索を実行し、検索結果として得られた論文の情報(例えばタイトル及びURL)を論文提供サーバ10へ送信する。
【0027】
制御部11は、論文検索サーバ30が行った検索処理の結果を論文検索サーバ30から取得し、取得した検索結果に基づいて、検索結果を表示する検索結果画面を生成する(S18)。図9Bは検索結果画面例を示しており、図9Bに示す検索結果画面は、論文検索サーバ30によって検索された論文のタイトルを表示している。なお、制御部11は、例えば論文検索サーバ30が検索した論文のうちで、検索順位が上位の所定数(例えば10個又は20個)の論文のタイトルを表示した検索結果画面を生成する。制御部11は、生成した検索結果画面を、論文検索の要求元のユーザ端末20へ送信し(S19)、ユーザ端末20の制御部21は、論文提供サーバ10が送信した検索結果画面を受信して表示部25に表示する(S20)。これにより、論文提供サーバ10の制御部11(論文出力部)は、ユーザが入力した検索キーワードに基づいて検索された論文(論文候補)をユーザ端末20へ出力し、検索された論文のタイトルが、図9Bに示すような画面によってユーザに提示される。
【0028】
ユーザ端末20のユーザは、検索結果画面に表示された論文のいずれかを閲覧したい場合、入力部24を介して閲覧したい論文を選択する。ユーザ端末20の制御部21は、いずれかの論文が選択されたか否かを判断しており(S21)、選択されていないと判断した場合(S21:NO)、いずれかの論文が選択されるまで待機する。検索結果画面においていずれかの論文が選択されたと判断した場合(S21:YES)、制御部21は、選択された論文の情報(例えばタイトル又はURL)を論文提供サーバ10へ送信する(S22)。
【0029】
論文提供サーバ10の制御部11(選択受付部)は、ユーザ端末20から、ユーザによって選択された論文の情報を取得することにより、検索結果画面によって提示した論文(論文候補)のうちの1つの論文に対する選択を受け付ける。制御部11は、1つの論文に対する選択を受け付けた場合、後述の有向グラフの生成処理に使用するカウンタkの値を0にリセットする(S23)。なお、カウンタkは例えば記憶部12に設けられている。そして、制御部11は、選択された論文を引用している他の論文を特定する(S24)。以下では、ユーザによって選択された論文を「選択論文」といい、選択論文を引用している他の論文を「引用論文」という。なお、第1論文のReferences欄に第2論文の情報が記載されている場合に、第1論文は第2論文を「引用している」という。ここでは、制御部11は、例えば選択論文のタイトルを論文検索サーバ30へ送信し、当該選択論文を引用している引用論文の検索を論文検索サーバ30に要求し、論文検索サーバ30による検索結果として引用論文のタイトル及びURLを取得する。制御部11は、論文検索サーバ30から取得した検索結果に基づいて、選択論文を引用している引用論文の数を計数し、計数した引用論文数を選択論文の情報に対応付けて記憶部12に記憶しておく。
【0030】
次に制御部11は、ステップS24で特定した引用論文のそれぞれについて、それぞれを引用している他の論文の数nを計数する(S25)。ここでも、制御部11は、ステップS24で特定した引用論文のタイトルを論文検索サーバ30へ送信し、当該引用論文を引用している論文の検索を論文検索サーバ30に要求し、論文検索サーバ30から取得した検索結果に基づいて、当該引用論文を引用している論文数nを計数する。制御部11は、計数した論文数nが所定値以上であるか否かを判断する(S26)。ここでの所定値(自然数)は、当該引用論文を後述の有向グラフに含めるか否かを判断するための基準値である。この基準値は、論文提供サーバ10のユーザによって変更可能であってもよく、ユーザ端末20のユーザ毎に変更可能であってもよい。ユーザ端末20のユーザ毎に変更可能である場合、ユーザ端末20は入力部24を介して引用論文数の基準値の入力を受け付け、受け付けた基準値を論文提供サーバ10へ送信し、論文提供サーバ10は、ユーザ端末20から取得した基準値を例えばユーザDB12aに記憶しておく。よって、制御部11は、有向グラフを生成する際に、ユーザ毎にユーザDB12aに記憶してある基準値を用いて各引用論文を有向グラフに含めるか否かを判断することができる。
【0031】
制御部11は、計数した論文数nが所定値以上であると判断した場合(S26:YES)、計数した論文数nと、ステップS24で特定した引用論文の情報とを対応付けて記憶部12に記憶しておく(S27)。制御部11は、計数した論文数nが所定値未満であると判断した場合(S26:NO)、当該引用論文についてはステップS27の処理をスキップする。これにより、ステップS24で特定した引用論文のうちで、当該引用論文を引用している他の論文数が所定値未満である引用論文については、論文の情報を記憶しないことにより、後述の有向グラフに含める対象から除外する。
【0032】
制御部11は、ステップS24で特定した引用論文のそれぞれについて、ステップS25~S27の処理を行い、処理が終了した後、カウンタkの値に1を加算する(S28)。制御部11は、加算後のカウンタkの値が所定値以上であるか否かを判断する(S29)。ここでの所定値(自然数)は、上述したステップS24~S27の処理を繰り返すか否かを判断するための基準値であり、ステップS24~S27の処理を繰り返す回数を示す。この基準値は、論文提供サーバ10のユーザによって変更可能であってもよく、ユーザ端末20のユーザ毎に変更可能であってもよい。ユーザ端末20のユーザ毎に変更可能である場合、ユーザ端末20は入力部24を介して処理回数の基準値の入力を受け付け、受け付けた基準値を論文提供サーバ10へ送信し、論文提供サーバ10は、ユーザ端末20から取得した基準値を例えばユーザDB12aに記憶しておく。この場合にも、制御部11は、有向グラフを生成する際に、ユーザ毎にユーザDB12aに記憶してある処理回数の基準値を用いて上述した処理を繰り返すか否かを判断することができる。
【0033】
制御部11は、カウンタkの値が所定値未満であると判断した場合(S29:NO)、ステップS24の処理に戻り、ステップS27で記憶部12に記憶した引用論文について、この引用論文を引用している他の論文を特定する(S24)。そして、制御部11は、特定した他の論文(引用論文)のそれぞれについて、ステップS25~S27の処理を実行する。これにより、制御部11は、ステップS24で特定した引用論文の中から、当該引用論文を引用している他の論文数nが所定値以上である引用論文を特定し、特定した引用論文の情報と、当該引用論文を引用している他の論文数nとを対応付けて記憶部12に記憶する。制御部11は、カウンタkの値が所定値以上となるまで上述したステップS24~S29の処理を繰り返す。これにより、制御部11は、選択論文を引用する引用論文、及び引用論文を引用する他の引用論文を特定する処理を所定回数実行し、それぞれ特定した引用論文の情報と、それぞれの引用論文を引用している他の論文数nとを対応付けて記憶部12に記憶することができる。
【0034】
制御部11は、カウンタkの値が所定値以上であると判断した場合(S29:YES)、記憶部12に記憶した各論文(選択論文及び引用論文)に対応する各ノードの大きさを特定する(S30)。例えば制御部11は、各論文に対応する各ノードの大きさを、各論文を引用している他の論文数nに応じた大きさに特定する。具体的には、制御部11は、引用している他の論文数nが多いほど大きい大きさに特定する。なお、各論文を引用している他の論文数nは、各論文に対応付けて記憶部12に記憶してある。次に制御部11は、各論文(選択論文及び引用論文)に対応する各ノードの位置を特定する(S31)。例えば制御部11は、引用・被引用関係にある論文のノードが所定間隔を隔てて配置されるように、また、各ノードが重ならないように、各ノードの位置を特定する。
【0035】
そして制御部11は、ステップS30で特定した各ノードの大きさと、ステップS31で特定した各ノードの位置とに基づいて、各ノードを連結した有向グラフを生成する(S32)。有向グラフは、各論文の引用・被引用関係を示すグラフであり、引用・被引用関係にある論文の各ノードが、引用されている論文のノードから、当該論文を引用している他の論文のノードに向かう有向辺で連結されている。図10Aは有向グラフを表示する有向グラフ画面例を示しており、図10Aに示すように有向グラフは、各論文を丸形状のノードで示しており、各ノードの上側に各論文の第一著者名及び発表年を表示している。なお、各論文の第一著者名及び発表年の代わりに、又は、第一著者名及び発表年に加えて、例えば全ての著者名、各著者の所属先の情報、論文のタイトル、発表年月、論文で述べられている手法等、論文に関する他の情報が表示されてもよい。また、図10Aに示す有向グラフは、各論文のノードを、引用している他の論文の数が多いほど大きいノードで表現し、引用されている論文から引用している論文に向かう矢印(有向辺)によって各論文の引用・被引用関係を表現している。なお、図10Aに示す有向グラフでは、各ノードを連結する有向辺の長さは均一であるが、有向辺の長さを、例えば引用されている論文の発表年月日から、引用している論文の発表年月日までの期間の長さに応じた長さとしてもよい。この場合、引用・被引用関係にある2つの論文において、引用されている論文の発表から、引用している論文の発表までの期間の長さを直感的に把握できる。
【0036】
制御部11は、ステップS32で生成した有向グラフを表示する有向グラフ画面を生成してユーザ端末20へ送信し(S33)、ユーザ端末20の制御部21は、論文提供サーバ10が送信した有向グラフ画面を受信して表示部25に表示する(S34)。これにより、論文提供サーバ10の制御部11(有向辺出力部)は、ユーザが選択した任意の論文に対応するノードと、この論文と関連のある複数の論文(具体的にはこの論文を引用している論文)に対応する関連ノード群と、ノード及び関連ノード群の間を結ぶ有向辺とを含む有向グラフをユーザ端末20へ出力する。よって、任意の論文と、この論文を引用している他の論文との引用・被引用関係を示す有向グラフが、図10Aに示すような画面によってユーザに提示される。
【0037】
有向グラフ中の各ノードには、対応する論文を閲覧するためのURLへのリンクが設定されている。よって、ユーザは、有向グラフ中に表示された論文のいずれかを閲覧したい場合、カーソル25aを用いてクリック等の操作を行うことによって、閲覧したい論文のノードを選択する。ユーザ端末20の制御部21は、いずれかのノードが選択されることによって対応する論文が選択されたか否かを判断しており(S35)、論文が選択されていないと判断した場合(S35:NO)、いずれかの論文が選択されるまで待機する。いずれかの論文が選択されたと判断した場合(S35:YES)、制御部21は、選択された論文のノードに設定されているリンクに基づいて、論文のURLにアクセスする(S36)。
【0038】
論文のURLは、論文が蓄積されているデータベースにおけるURLであり、例えば学会又は大学等が管理してネットワークN経由で公開している論文のデータベースのURLである。よって、ユーザ端末20の制御部21は、選択された論文のURLに基づいて論文ファイルを受信する(S37)。なお、ユーザ端末20は、URLに基づいて、URLが示すサーバに直接アクセスして論文ファイルを受信する構成でもよく、論文提供サーバ10を介して論文ファイルを受信する構成でもよい。この場合、ユーザ端末20は、選択された論文の情報を論文提供サーバ10へ送信して論文の取得を要求し、論文提供サーバ10が、ユーザ端末20から要求された論文のURLが示すサーバにアクセスして論文ファイルを受信してユーザ端末20に提供する。
【0039】
ユーザ端末20の制御部21は、論文のURLが示すサーバ又は論文提供サーバ10から論文ファイルを受信し、図10Bに示すように、受信した論文ファイルを表示部25に表示する(S38)。図10Bは論文ファイルの表示例を示しており、論文は、URLが示すサーバが各論文を提供する際のフォーマットで表示される。上述した処理により、ユーザが有向グラフから選択した論文がユーザ端末20に提供され、ユーザはユーザ端末20を介して所望の論文を閲覧することができる。
【0040】
本実施形態では、検索キーワードに基づいて検索された論文の中からユーザが選択した論文(選択論文)に対して、選択論文を引用している他の論文(引用論文)、及び、引用論文を引用している他の論文(他の引用論文)の引用・被引用関係が、図10Aに示すような有向グラフで提示される。よって、所望の論文(選択論文)と、選択論文を引用している他の論文(引用論文)との関係が提示されるので、ユーザは検索対象の論文だけでなく、この論文を引用している引用論文を容易に把握することができる。また、各論文の引用・被引用関係が有向辺で示されるので、論文が発表された時間的な順序を明示することができ、各手法の発展経緯を一目で把握することができる。
【0041】
本実施形態では、ユーザが選択した論文を引用している引用論文において、当該引用論文を引用している他の論文数が少ない場合、具体的には所定値未満である場合、当該引用論文を有向グラフに含めない構成である。引用している他の論文数が多いことは注目度が高いことを意味しており、引用している他の論文数が多い(所定値以上)引用論文のみを有向グラフに含めることにより、有向グラフで提示される論文を、注目度が高い論文に制限することができる。また、本実施形態では、選択論文を引用する引用論文、及び引用論文を引用する他の引用論文の特定処理の実行回数を所定回数としている。このような構成により、有向グラフに含まれるノード(論文)の数が膨大になることを抑制できる。
【0042】
本実施形態において、論文提供サーバ10は、いずれかのユーザ端末20からの要求に応じて論文の検索処理を行う際に、ユーザ端末20から取得したキーワードに対応する検索用情報を検索用情報DB12bから取得し、検索用情報も検索キーワードに含めて検索処理を実行する。検索用情報DB12bに、検索効率が向上するような情報を登録しておくことにより、ユーザが入力したキーワードと、キーワードに対応する検索用情報とを用いて、目的の検索結果を効率良く得られる検索処理の実行が可能となる。図4Aに示す例では、論文で発表された手法と、論文のタイトルとが対応付けて記憶されており、このような検索用情報DB12bを用いることにより、ユーザ端末20から取得したキーワードが手法又はタイトルに含まれる場合に、当該手法及びタイトルを検索キーワードに用いた検索処理が可能となるので、検索効率が向上する。なお、論文提供サーバ10は、例えばユーザが論文の検索処理に用いたキーワードと、検索結果として得られた論文のタイトルとを検索用情報として検索用情報DB12bに登録する構成を有していてもよい。このような構成を有する場合、論文提供サーバ10は、例えば論文で発表された手法及び処理と、論文のタイトルとを対応付けたデータベースを生成することができる。
【0043】
本実施形態において、論文提供サーバ10は、いずれかのユーザ端末20からの要求に応じて論文の検索処理を実行した場合、検索処理に関する情報を検索結果DB12cに記憶しておく。具体的には、検索処理に用いたキーワードと、検索結果で得られた論文の情報(論文のタイトル及びURL等)とが対応付けて記憶されている。よって、論文提供サーバ10は、ユーザ端末20から検索要求を受け付けた場合、取得した検索キーワードが、検索結果DB12cに記憶してあるキーワードに一致すれば、検索結果DB12cに記憶してある検索結果をユーザ端末20に提供するように構成されていてもよい。このような構成では、同一のキーワードに基づく検索処理が要求された場合に、論文検索サーバ30による検索処理を実行することなく、検索結果をユーザに提示できる。なお、検索結果DB12cに、各検索処理に関する情報に対応付けて検索日時を記憶しておき、検索日時から所定期間(例えば1ヶ月)が経過していない検索処理における検索結果のみを利用する構成でもよい。また、論文提供サーバ10は、定期的に、検索日時から所定期間が経過した検索処理に関する情報を削除する構成を有していてもよい。
【0044】
以下に、実施形態1における変形例について説明する。図11は他の画面例を示す模式図である。図11Aは有向グラフ画面例を示しており、図11Aに示す画面は、図10Aに示す画面と同様の構成を有する。本実施形態における論文検索アプリ22APは、図11Aに示す有向グラフ画面において、有向グラフ中の各ノードを移動できるように構成されている。図11Aに示す有向グラフ画面では、ユーザは、カーソル25aを用いてドラッグ等の操作を行うことによって、任意のノードを任意の位置に移動させる指示を行うことができる。具体的には、ユーザ端末20の制御部21は、入力部24を介したユーザの操作によって、いずれかのノードに対する移動指示を受け付け、受け付けた移動指示に従ってノードを移動させる。図11Aに示す例では、「著者D-2019」の論文のノードが、破線で示す位置から実線で示す位置に移動されている。このように任意のノードを任意の位置に移動できるので、ユーザが論文の関係を把握し易い位置に各ノードが表示された有向グラフを提示することができる。
【0045】
また、本実施形態における論文検索アプリ22APは、図11Aに示す有向グラフ画面において、各ノードに対応付けて表示される各論文の情報(図11Aでは第一著者名及び発表年)を変更できるように構成されている。図11Aに示す画面は項目選択バー25bを有しており、項目選択バー25bは、有向グラフ中のノードに付与される項目を選択するための各ボタンを有する。図11Aに示す例では、選択可能な項目として、第一著者名、全ての著者名、著者の所属先、タイトル、発表年、発表年月、手法等の項目が表示されており、図11Aに示す有向グラフでは、第一著者名及び発表年が選択された状態となっている。ユーザ端末20の制御部21は、図11Aに示す画面において、入力部24を介したユーザの操作によって、いずれかの項目に対する選択を受け付け、受け付けた選択項目に従って、各ノードに対応付けて表示する項目を切り替える。このような構成とした場合、有向グラフ中の各ノードに付与される項目をユーザが任意に編集でき、ユーザが知りたい項目が各ノードに対応付けて表示された有向グラフを提示することができる。
【0046】
また、本実施形態では、有向グラフ画面に表示された有向グラフを、例えばPDFファイル又はドキュメントファイル等、任意のファイル形式で保存できるように構成されていてもよい。この場合、例えば図11Aに示す画面に「PDFで保存」ボタンが設けられており、「PDFで保存」ボタンが操作された場合、ユーザ端末20の制御部21は、表示中の有向グラフをPDFファイルに保存する。これにより、論文提供サーバ10によって生成された有向グラフに対して印刷、編集、他の装置へ送信等の処理を行うことが可能となる。
【0047】
図11Bは論文ファイルの表示例を示しており、図11Bに示す画面は、図10Bに示す画面と同様の構成と、メニューバー25cとを有する。メニューバー25cは、ブックマーク登録ボタン、ブックマーク一覧ボタン、共有登録ボタン、及び共有一覧ボタン等を有する。本実施形態の論文検索アプリ22APは、図11Bに示す画面に表示された論文に対して、ブックマークに登録できるように構成されている。ブックマーク登録ボタンは、表示中の論文に対してブックマークへの登録を指示するためのボタンであり、ブックマーク一覧ボタンは、ブックマークに登録された論文の一覧表示を指示するためのボタンである。よって、ブックマーク登録ボタンが操作された場合、ユーザ端末20の制御部21は、その時点で表示中の論文に対するブックマークへの登録指示を受け付け、登録指示された論文の情報を論文提供サーバ10へ送信して、当該論文のブックマークへの登録を指示する。論文提供サーバ10は、ユーザ端末20からブックマークへの登録を指示された場合、要求元のユーザのユーザIDに対応付けて、登録要求された論文のURLをブックマーク情報としてユーザDB12aに記憶する。なお、ユーザ端末20は、ブックマークへの登録指示を受け付けた際に、例えば入力部24を介してブックマーク名を受け付け、受け付けたブックマーク名と論文の情報とを論文提供サーバ10へ送信してブックマークへの登録を要求する。よって、論文提供サーバ10は、ユーザ端末20から取得したブックマーク名と論文のURLとを対応付けてユーザDB12aに記憶する。なお、ブックマークに登録された各論文の情報は、論文提供サーバ10に記憶されるほかに、ユーザ端末20で記憶されてもよい。
【0048】
一方、ブックマーク一覧ボタンが操作された場合、ユーザ端末20の制御部21は、ユーザがブックマーク登録した論文の情報(ブックマーク情報)を論文提供サーバ10から取得し、各論文のブックマーク名を表示部25に一覧表示する。具体的には、制御部21は、ユーザIDを論文提供サーバ10へ送信してブックマーク情報を要求し、論文提供サーバ10の制御部11は、要求されたユーザのブックマーク情報をユーザDB12aから読み出してユーザ端末20へ送信する。これにより、ブックマークに登録された論文のブックマーク名をユーザに提示することができる。ユーザは、一覧表示されたブックマーク名に基づいて、閲覧したい論文を選択し、制御部21は、入力部24を介したユーザの操作によって、いずれかの論文に対する閲覧指示を受け付ける。制御部21は、いずれかの論文の選択(閲覧指示)を受け付けた場合、選択された論文のURLに基づいて、URLが示すサーバにアクセスして論文ファイルを受信する。上述したように、任意の論文をブックマークに登録しておくことにより、ブックマーク一覧から所望の論文を選択することができ、所望のタイミングで論文を閲覧することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態の論文検索アプリ22APは、図11Bに示す画面に表示された論文を他のユーザと共有できるように構成されている。共有登録ボタンは、表示中の論文に対して他のユーザとの共有設定を指示するためのボタンであり、共有一覧ボタンは、他のユーザによって共有設定された論文の一覧表示を指示するためのボタンである。共有登録ボタンが操作された場合、ユーザ端末20の制御部21は、その時点で表示中の論文に対する共有設定の指示を受け付け、共有指示された論文の情報(タイトル又はURL)を論文提供サーバ10に送信して論文の共有設定を指示する。論文提供サーバ10は、ユーザ端末20から共有設定の指示を受け付けた場合、共有設定を指示された論文のURLを記憶部12に記憶する。例えば論文提供サーバ10は、論文のタイトル及びURLを対応付けて記憶する共有DB(図示せず)を記憶部12に有しており、制御部11は、共有設定を指示された論文のタイトル及びURLを共有DBに記憶する。このように、他のユーザと共有したい論文の情報を論文提供サーバ10に登録しておくことにより、他のユーザとの間で任意の論文を共有することができる。
【0050】
一方、共有一覧ボタンが操作された場合、ユーザ端末20の制御部21は、共有設定されている論文の情報を論文提供サーバ10に要求し、論文提供サーバ10から取得した論文の情報(例えばタイトル及びURL)を表示部25に一覧表示する。これにより、論文提供サーバ10において共有設定されている論文の情報をユーザに提示することができる。ユーザは、一覧表示された論文の情報に基づいて、閲覧したい論文を選択し、制御部21は、入力部24を介したユーザの操作によって、いずれかの論文に対する閲覧指示を受け付ける。制御部21は、いずれかの論文の選択(閲覧指示)を受け付けた場合、選択された論文のURLに基づいて、URLが示すサーバにアクセスして論文ファイルを受信する。これにより、ユーザは、他のユーザによって共有設定された論文の中から所望の論文を指定することにより、所望のタイミングで閲覧することができる。なお、論文提供サーバ10は、各ユーザが共有設定した論文の閲覧が可能な他のユーザの範囲を設定できるように構成されていてもよい。例えば、論文提供サーバ10は、ユーザ端末20から、複数のユーザが所属するグループの設定要求を受け付け、要求されたグループを設定する。そして、論文提供サーバ10は、ユーザ端末20から共有設定の指示を受け付けた場合に共有対象のグループの指定を受け付ける。これにより、論文提供サーバ10は、指定されたグループに所属するユーザに対してのみ共有設定された論文の提供を行うことができ、論文を共有するユーザの範囲を制限することができる。また、ユーザ端末20は、論文提供サーバ10に対して論文の共有設定を指示する場合に、ユーザのユーザIDも論文提供サーバ10へ送信してもよい。そして、論文提供サーバ10は、共有設定された論文の情報と共有設定を行ったユーザのユーザIDとを対応付けて記憶しておき、共有設定された論文を他のユーザに提供する際に、共有設定を行ったユーザのユーザIDもユーザ端末20に提供してもよい。この場合、共有設定された論文を閲覧したユーザは、誰か共有設定を行ったかを把握できる。
【0051】
上述した構成により、各ユーザがブックマークに登録した論文の情報、及び、各ユーザによって共有設定された論文の情報が論文提供サーバ10で記憶される。よって、ユーザが後日自身で閲覧したい論文の情報、及び、他のユーザとの間で共有したい論文の情報を論文提供サーバ10に記憶しておくことができる。また、各ユーザがブックマークに登録した論文の情報を論文提供サーバ10が記憶することにより、各ユーザのブックマーク情報を他のユーザに提供することも可能であり、各ユーザのブックマーク情報をユーザ間で共有することができる。なお、各ユーザがブックマークに登録した論文の情報は、ユーザ端末20の記憶部22に記憶される構成でもよい。この場合、ユーザ端末20は、論文提供サーバ10からブックマーク情報を取得することなく、ブックマーク情報を記憶部22から読み出すことによって各論文のブックマーク名をユーザに提示することができる。
【0052】
本実施形態では、ユーザが検索結果から選択した論文(選択論文)に対して、選択論文を引用する引用論文との関係を有向グラフで提示するので、選択論文から時間的に将来の引用論文を提示する構成であるが、この構成に限定されない。例えば選択論文が引用する論文(選択論文によって引用される被引用論文)との関係を有向グラフで提示する構成でもよい。具体的には、図7及び図8に示す処理において、論文提供サーバ10の制御部11は、ステップS24で、選択された論文が引用している他の論文(被引用論文)を特定する処理を行う。そして、制御部11は、特定した被引用論文のそれぞれについて、それぞれを引用している他の論文の数nを計数し(S25)、計数した論文数nが所定値以上である場合に(S26:YES)、当該被引用論文を有向グラフに含めるために、当該被引用論文の情報を記憶しておく(S27)。なお、制御部11は、ステップS24で特定した被引用論文のそれぞれについてステップS25~S27の処理を実行する回数を計数するカウンタmを用意し、被引用論文が引用している他の被引用論文を特定する処理を所定回数繰り返す。なお、選択論文を引用する引用論文の特定処理の実行回数と、選択論文が引用する被引用論文の特定処理の実行回数とは同じ回数であっても異なる回数であってもよい。このように選択論文が引用する被引用論文に対応するノードが有向グラフに含まれる場合、選択論文から時間的に過去の引用論文を提示することができる。またこのとき、引用される論文に対応するノードから、当該論文を引用する論文に対応するノードに向かう矢印で各論文の引用・被引用関係が提示される。よって、このような構成においても、各論文の時間的な順序が明確となり、各論文で発表された手法の発展経緯を一目で把握することができる。また、有向グラフで提示する論文として、選択論文から時間的に将来の論文(引用論文)と、過去の論文(被引用論文)とのいずれか一方又は両方を選択できるように構成されていてもよい。
【0053】
本実施形態において、論文提供サーバ10が行う処理をユーザ端末20がローカルで行う構成でもよい。例えば、ユーザ端末20は、入力された検索キーワードに基づく論文の検索処理を実行し、検索結果から選択された選択論文と、選択論文を引用する引用論文との関係を示す有向グラフを生成して出力し、有向グラフから選択された論文の論文ファイルを所定のサーバから取得するように構成されていてもよい。
【0054】
(実施形態2)
論文に対してコメントを付加し、付加されたコメントを他のユーザとの間で共有できる情報処理システムについて説明する。なお、本実施形態では、論文に対してコメントを付加することを、コメントを投稿するという。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。なお、本実施形態の論文提供サーバ10は、図2に示す実施形態1の構成に加えて、記憶部12にコメントDB12dを記憶している。
【0055】
図12はコメントDB12dの構成例を示す模式図である。コメントDB12dは、各ユーザが論文に対して投稿したコメントに関する情報を記憶する。図12に示すコメントDB12dは、論文の情報列、位置列、コメント列等を含み、論文を特定するための情報に対応付けて、論文中の位置を示す位置情報と、当該位置に投稿されたコメントとを記憶する。論文の情報は、例えば論文を閲覧するためのURL、又は論文のタイトル等であり、位置情報は、論文中のページ番号及びページ中の位置を含む。コメント列は、ユーザID列及びコメント内容列を有し、コメントを入力したユーザのユーザIDと、当該ユーザが入力したコメントの内容とを対応付けて記憶する。位置及びコメントの情報は、ユーザ端末20を介して論文に対するコメントが入力された場合に、ユーザ端末20から取得した位置及びコメントの情報が制御部11によって記憶される。コメントDB12dの記憶内容は図12に示す例に限定されない。
【0056】
図13は、実施形態2における論文の検索処理手順の一例を示すフローチャート、図14は、ユーザ端末20における画面例を示す模式図である。図13に示す処理は、図7及び図8に示す処理において、ステップS38の後にステップS41~S51を追加したものである。図7及び図8と同じステップについては説明を省略する。また、図13では、図7及び図8中のステップS11~S37の図示を省略している。
【0057】
本実施形態のユーザ端末20及び論文提供サーバ10は、図7及び図8中のステップS11~S38と同様の処理を行う。これにより、ユーザ端末20を介して入力された検索キーワードに基づいて論文の検索処理が行われ、検索結果から選択された論文と、この論文を引用する他の論文との引用関係を表す有向グラフがユーザに提示される。また、有向グラフを介して論文が選択された場合に、選択された論文がユーザに提供される。なお、本実施形態では、ステップS38において、ユーザ端末20の制御部21は、図14Aに示すような画面で論文ファイルを表示する。
【0058】
図14Aに示す画面は、図10Bに示す画面と同様の構成と、メニューバー25dとを有する。ここでのメニューバー25dは、コメント入力ボタン及びコメント表示ボタンを有する。本実施形態の論文検索アプリ22APは、図14Aに示す画面に表示された論文に対して、論文中の任意の位置にコメントを投稿できるように構成されている。コメント入力ボタンは、表示中の論文に対して任意の箇所へのコメントの投稿を指示するためのボタンであり、コメント表示ボタンは、表示中の論文に投稿されたコメントの表示を指示するためのボタンである。
【0059】
図14Aに示す画面を表示中のユーザ端末20において、制御部21は、コメント入力ボタンが操作されたか否かを判断している(S41)。図14Aはカーソル25aを用いてコメント入力ボタンが操作されている状態を示す。制御部21は、コメント入力ボタンが操作されたと判断した場合(S41:YES)、コメントを投稿する位置(領域)の指定を受け付ける(S42)。図14Bはカーソル25aを用いてコメントを投稿する位置が指定されている状態を示す。図14Bに示すように、ユーザは、カーソル25aを用いてドラッグ等の操作を行うことによって、任意の位置を指定することができる。例えば制御部21は、指定された領域の開始位置及び終了位置について、論文中のページ番号と、ページ中の位置を示す情報とを、指定された位置の情報として取得する。ページ中の位置を示す情報は、例えばページの左上を原点とし、原点から右方向をX軸とし下方向をY軸とした座標系の座標(x,y)で表すことができる。制御部21は、指定された位置の情報を記憶部22に記憶しておく。
【0060】
位置の指定を受け付けた場合、制御部21は、図14Bに示すように、ユーザがコメントを入力するコメント入力欄と、入力されたコメントの登録を指示するためのOKボタンとを表示する(S43)。制御部21は、入力部24を介して、コメント入力欄に対してコメントの入力を受け付け、受け付けたコメントをコメント入力欄に表示する(S44)。制御部21は、入力部24を介してOKボタンが操作されたか否かを判断しており(S45)、OKボタンが操作されていないと判断した場合(S45:NO)、ステップS44の処理を繰り返す。OKボタンが操作されたと判断した場合(S45:YES)、制御部21は、表示中の論文の情報(例えばURL又はタイトル)と、ステップS42で受け付けた位置を示す情報と、コメント入力欄に入力されたコメントと、ユーザのユーザIDとを論文提供サーバ10へ送信し(S46)、コメントの登録を論文提供サーバ10に要求する。
【0061】
論文提供サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20からコメントの登録を要求された場合、ユーザ端末20を用いて入力された論文に対するコメントを受け付ける。そして、制御部11は、ユーザ端末20から取得した情報に基づいて、論文の情報に対応付けて、コメントの位置情報と、ユーザID及びコメントとをコメントDB12d(コメント記憶部)に記憶する(S47)。これにより、論文に対して入力されたコメントの情報が、ユーザIDと共に論文提供サーバ10に登録される。
【0062】
ステップS41においてコメント入力ボタンが操作されていないと判断した場合(S41:NO)、制御部21は、コメント表示ボタンが操作されたか否かを判断する(S48)。コメント表示ボタンが操作されたと判断した場合(S48:YES)、制御部21は、表示中の論文に投稿されているコメントを論文提供サーバ10に要求する(S49)。具体的には、制御部21は、表示中の論文の情報を論文提供サーバ10へ送信してコメントを要求する。
【0063】
論文提供サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20からコメントを要求された場合、要求された論文に対応付けて記憶してある位置及びコメントの情報をコメントDB12dから読み出し、要求元のユーザ端末20へ送信する(S50)。ユーザ端末20の制御部21は、論文提供サーバ10から位置及びコメントの情報を受信した場合、表示中の論文に対して、位置情報が示す位置に、対応するコメントをそれぞれ表示する(S51)。図14Cは論文の対応する位置にコメントが表示された状態を示す。図14Cに示す画面はコメント表示欄25eを有し、論文中の位置(領域)を示す矩形と、コメント表示欄25eに表示されたコメントとが引き出し線で連結されている。コメント表示欄25eには、コメントを投稿したユーザのユーザIDとコメントとが対応付けて表示されている。これにより、表示中の論文に、投稿されたコメントを付加して表示することができる。なお、コメントが投稿された日付がコメントと共に論文提供サーバ10に記憶されている場合、制御部21は、論文提供サーバ10から投稿日付も取得し、コメント表示欄25eに、ユーザID及びコメントと共に投稿日付を表示してもよい。
【0064】
更に、コメント表示欄25eに表示される各コメントには、いいねボタン及びコメントボタンが設けられている。いいねボタンは、当該コメントに対して高評価である場合に操作するボタンであり、コメントボタンは、当該コメントに対して返答(更なるコメント)する場合に操作するボタンである。図14Cでの図示は省略するが、コメント表示欄25eに表示されるコメントに対応付けて、いいねボタンの操作回数が表示されており、ユーザ端末20を介していいねボタンが操作された場合、表示中の操作回数が1を加算した回数に更新される。なお、いいねボタンの操作回数は、コメントに対応付けて論文提供サーバ10のコメントDB12dに記憶されている。ユーザ端末20の制御部21は、いいねボタンが操作された場合、いいねボタンが操作されたことを論文提供サーバ10に通知し、論文提供サーバ10の制御部11が、コメントDB12dに記憶してある操作回数に1を加算することにより、操作回数を更新する。また、ユーザ端末20を介してコメントボタンが操作された場合、制御部21は、返答入力欄及びOKボタン(共に図示せず)を表示し、返答入力欄を介して返答のコメントの入力を受け付ける。制御部21は、返答入力欄を介して返答のコメントの入力を受け付けた場合、受け付けたコメント及びユーザIDを論文提供サーバ10に送信する。論文提供サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20から返答のコメント及びユーザIDを受信した場合、返答対象のコメントに対応付けてコメントDB12dに記憶すると共に、図14Cに示す画面において返答対象のコメントに対応付けて表示する。これにより、いずれかのユーザによって投稿されたコメントに対して他のユーザが返答コメントを投稿することができる。
【0065】
ステップS48でコメント表示ボタンが操作されていないと判断した場合(S48:NO)、制御部21は、ステップS41の処理に戻る。なお、コメント表示ボタンは、非選択の状態から操作された場合、選択状態(ON状態)となり、選択状態から再度操作された場合、非選択状態(OFF状態)に戻るように構成されている。よって、コメント表示ボタンがONされることによりコメントが表示され、その後に、再度コメント表示ボタンが操作されてOFFされた場合、表示されていたコメントの表示が終了し、論文のみの表示に切り替えられる。このようにコメントの表示状態と非表示状態とを切り替えることができるので、ユーザが論文のみを閲覧したいのか、他のユーザのコメントも含めて閲覧したいのかに応じて表示状態を切り替えることができる。
【0066】
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、論文提供サーバ10から提供された論文に対して、ユーザがユーザ端末20を介してコメントを投稿することができ、投稿されたコメントを他のユーザに提供することができる。よって、論文に対するコメントを複数のユーザ間で共有することが可能となる。また、あるユーザが投稿したコメントに対して他のユーザが返答コメントを投稿することが可能であり、論文を閲覧するユーザ間でのコミュニケーションを実現することができる。
【0067】
本実施形態において、論文に対して投稿されたコメントの閲覧が可能な他のユーザの範囲を設定できるように構成されていてもよい。例えば、論文提供サーバ10において、複数のユーザが所属するグループを設定しておき、論文提供サーバ10は、ユーザ端末20からコメントの情報と共にコメントの閲覧を許可するグループの指定を受け付ける。そして、論文提供サーバ10は、コメントの閲覧を許可するグループに関する情報に対応付けて、論文の情報、位置及びコメントの情報をコメントDB12dに記憶しておく。これにより、論文提供サーバ10は、閲覧が許可されたグループに所属するユーザに対してのみコメントの提供を行うことができ、投稿されたコメントを共有するユーザの範囲を制限することができる。
【0068】
本実施形態において、論文検索アプリ22APは、コメント表示欄25eに表示されるコメントの数が増大した場合、例えばいいねボタンの操作回数が多いコメントから優先的にコメント表示欄25eに表示するように構成されていてもよい。この場合、コメント表示欄25eに表示できないコメントについては、一部のみを表示するか、又はコメントが投稿されていることを示すマークのみを表示してもよい。これにより、コメント表示欄25eが狭い場合であっても、いいねボタンの操作回数が多く、注目度が高いコメントを優先的にユーザに提供することができる。
【0069】
(実施形態3)
ユーザの興味がありそうな論文の情報を提供する情報処理システムについて説明する。具体的には、本実施形態の情報処理システムにおいて、論文提供サーバ10は、新しい論文の情報を取得した場合に当該論文に関心があるユーザに当該論文の情報を提供する構成と、あるユーザに論文を提供した場合にこのユーザをフォローしている他のユーザに同じ論文の情報を提供する構成とを有する。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。
【0070】
図15は、論文の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。図15では左側に論文提供サーバ10が行う処理を、右側にユーザ端末20が行う処理をそれぞれ示す。本実施形態の論文提供サーバ10及びユーザ端末20は、図7及び図8に示す処理を行いつつ、以下の処理を実行する。
【0071】
論文提供サーバ10の制御部11は、新しい論文の情報を取得したか否かを判断する(S61)。例えば制御部11は、定期的に論文検索サーバ30に対して、発表日が所定期間内(例えば現在から1週間以内又は1ヶ月以内)の論文の検索処理を要求し、発表日が所定期間内の論文(以下では新着論文という)の情報を取得する。また、制御部11は、ユーザ端末20からの検索要求に従って論文提供サーバ10に要求した検索処理の結果を取得した場合に、検索された論文の発表日が所定期間内(例えば現在から1週間以内又は1ヶ月以内)である場合、この論文の情報を新着論文の情報として取得してもよい。制御部11は、新着論文の情報を取得していないと判断した場合(S61:NO)、ステップS66の処理に移行する。
【0072】
制御部11は、新着論文の情報を取得したと判断した場合(S61:YES)、新着論文の情報を提供すべきユーザを特定する(S62)。論文提供サーバ10は、各ユーザが関心を持っている分野及び興味がある分野を関心分野としてユーザDB12aに記憶しており、制御部11は、新着論文の情報を取得した場合、この新着論文の技術分野が関心分野としてユーザDB12aに登録されているユーザを特定する。また論文提供サーバ10は、各ユーザの検索履歴及び閲覧履歴の情報をユーザDB12aに記憶している。よって、制御部11は、新着論文の情報を取得した場合、各ユーザの検索履歴及び閲覧履歴の情報に基づいて、この新着論文の技術分野が、検索履歴又は閲覧履歴に含まれる論文の技術分野に一致するユーザを検索し、技術分野が一致するユーザを特定してもよい。また、制御部11は、新着論文が引用している論文が検索履歴及び閲覧履歴に含まれるユーザを検索し、このユーザを特定してもよい。制御部11は、特定したユーザのユーザ端末20宛に、新着論文の情報を送信する(S63)。例えば制御部11は、新着論文のタイトル、技術分野、著者、著者の所属先等の情報を表示する画面を生成してユーザ端末20へ送信する。
【0073】
ユーザ端末20の制御部21は、論文提供サーバ10が送信した新着論文の情報を受信し(S64)、新着論文の情報を受信したことをユーザに通知する(S65)。例えば制御部21は、新着論文のタイトル、技術分野、著者、著者の所属先等の情報を表示する画面を表示部25に表示して通知するプッシュ通知を行う。なお、プッシュ通知は画面を表示するほかに、例えば所定の音声又は音楽をスピーカ(図示せず)から出力してもよい。また、制御部21は、論文検索アプリ22APを起動した場合に、起動画面に新着論文の情報を表示する構成でもよい。上述した処理により、ユーザが興味を持ちそうな新着論文がある場合に、この新着論文の存在をユーザに通知することが可能となる。
【0074】
次に制御部11は、いずれかのユーザに論文を提供したか否かを判断する(S66)。例えば制御部11は、ユーザ端末20からの要求に応じて論文ファイルをユーザ端末20に提供したか否かを判断する。また制御部11は、図8中のステップS33で有向グラフをユーザ端末20に送信した場合に、論文をユーザに提供したと判断してもよい。いずれかのユーザに論文を提供したと判断した場合(S66:YES)、制御部11は、論文を提供したユーザをフォローしているユーザ(フォロワー)を特定する(S67)。論文提供サーバ10は、各ユーザがフォローしているユーザ(フォローユーザ)をユーザDB12aに記憶しており、制御部11は、いずれかのユーザに論文を提供した場合、このユーザをフォローしているユーザをユーザDB12aの記憶内容に基づいて特定する。制御部11は、特定したユーザのユーザ端末20宛に、フォロー先のユーザに提供した論文の情報を送信する(S68)。ここでも、制御部11は、論文のタイトル、技術分野、著者、著者の所属先等の情報を表示する画面を生成してユーザ端末20へ送信する。
【0075】
ユーザ端末20の制御部21は、論文提供サーバ10が送信した論文の情報を受信し(S64)、論文の情報を受信したことをユーザに通知する(S65)。上述した処理により、ユーザがフォローしている他のユーザが論文を閲覧した場合に、この論文の存在をユーザ(フォロワー)に通知することが可能となる。なお、制御部11は、いずれかのユーザに提供した論文が新着論文である場合にのみ、フォロワーに新着論文の情報を提供する構成でもよい。ステップS66で制御部11は、ユーザに論文を提供していないと判断した場合(S66:NO)、一連の処理を終了する。なお、制御部11は、新着論文の情報を取得したか否か、及び、いずれかのユーザに論文を提供したか否かを判断し、判断結果に応じて、対応するユーザに論文の情報を送信する処理を実行する。
【0076】
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、新着論文がある場合に、又は各ユーザがフォローしている他のユーザが論文を閲覧した場合に、新着論文、又はフォローしているユーザが閲覧した論文の情報を各ユーザに提供することができる。よって、ユーザが興味を持ちそうな論文がある場合に、この論文の情報をユーザに提供するので、ユーザは検索処理を行うことなく、興味のある技術に関する論文を閲覧することができる。本実施形態の構成は、上述した実施形態1~2の情報処理システムに適用でき、実施形態1~2の情報処理システムに適用した場合であっても同様の効果が得られる。
【0077】
(実施形態4)
論文に対応するノードを、論文の発表日の順に配置した有向グラフを提供する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。
【0078】
図16は実施形態4における論文の検索処理手順の一例を示すフローチャート、図17は画面例を示す模式図である。図16に示す処理は、図7及び図8に示す処理においてステップS31の代わりにステップS71~S72を追加したものである。図7及び図8と同じステップについては説明を省略する。また図16では、図7及び図8中のステップS11~S29及びステップS33~S38の図示を省略している。
【0079】
本実施形態のユーザ端末20及び論文提供サーバ10は、図7及び図8中のステップS11~S30と同様の処理を行う。これにより、検索キーワードに基づいて論文の検索処理が行われ、検索結果から選択された論文を引用する引用論文が特定される。そして制御部11は、選択論文及び引用論文の各論文に対応するノードの大きさを特定する(S30)。次に制御部11は、引用・被引用関係の論文について、それぞれの発行年月日を抽出する(S71)。論文の発表年月日は、例えば論文ファイルに付帯するデータ、又は論文ファイル内のデータに含まれており、制御部11は、論文ファイルの付帯データ又はファイル内のデータから抽出することができる。
【0080】
制御部11は、引用・被引用関係の論文について抽出した発行年月日に基づいて、各論文のノードの位置を特定する(S72)。ここでは、制御部11は、引用・被引用関係にある論文において、発表年月日が古い論文(即ち、引用される側の論文)が左側に、発表年月日が新しい論文(即ち、引用している側の論文)が右側に配置されるように、各ノードの位置を特定する。そして制御部11は、ステップS30で特定した各ノードの大きさと、ステップS72で特定した各ノードの位置とに基づいて有向グラフを生成する(S32)。ここでは、制御部11は、図17に示すような有向グラフを生成する。図17に示す有向グラフは、図10A中の有向グラフと同様のノードを有し、各ノードは、左側から右側への方向に論文の発表年月日が新しくなる順で配置されている。即ち、図17に示す例では、発表年が2018の論文のノードが縦方向に並べて配置されており、発表年が2019の論文が縦方向に並べて配置されている。
【0081】
その後、制御部11は、有向グラフを表示する有向グラフ画面を生成してユーザ端末20へ送信し(S33)、ユーザ端末20の制御部21は、ステップS34以降の処理を実行する。これにより、図17に示すような画面がユーザ端末20の表示部25に表示され、ユーザが選択した論文と、この論文を引用する引用論文との関係を表す有向グラフをユーザに提示できる。このように、各論文の発表年月日に基づいて時系列順に各論文のノードを配置することにより、各論文の発表年月日の順序を一目で把握できる。なお、発表年月日の順にノードを配置する方向は左側から右側への方向に限定されない。例えば右側から左側への方向に発表年月日の順に各ノードが配置されてもよく、上側から下側への方向、下側から上側への方向、又は、斜め方向等、所定方向に発表年月日の順に各ノードが配置されてもよい。
【0082】
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、有向グラフ中の各ノードが、対応する論文の発表年月日の順に時系列に並べて表示されるので、各論文の発表年月日の順序を直感的に把握することができる。本実施形態の構成は、上述した実施形態1~3の情報処理システムに適用でき、実施形態1~3の情報処理システムに適用した場合であっても同様の効果が得られる。
【0083】
(実施形態5)
論文提供サーバ10がユーザ端末20に論文を提供した場合に、論文に関するセミナの案内を提供する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。
【0084】
本実施形態の論文提供サーバ10及びユーザ端末20は、図7及び図8に示す処理と同様の処理を実行する。なお、ステップS38でユーザ端末20の制御部21は、図18Aに示すような画面で論文ファイルを表示する。図18は画面の変形例を示す模式図である。図18Aに示す画面は、図11Bに示す画面と同様の構成を有し、メニューバー25cに、セミナ案内ボタンが設けられている。
【0085】
セミナ案内ボタンは、表示中の論文に関連するセミナ案内の表示を指示するためのボタンである。本実施形態の論文検索アプリ22APは、セミナ案内ボタンが操作された場合、表示中の論文に関連するセミナの案内情報を論文提供サーバ10から取得して提供するように構成されている。よって、セミナ案内ボタンが操作された場合、ユーザ端末20の制御部21は、その時点で表示中の論文に関連するセミナの案内情報を論文提供サーバ10に要求する。具体的には、制御部21は、表示中の論文の情報を論文提供サーバ10へ送信してセミナ案内を要求する。論文提供サーバ10は、各セミナの情報に対応付けて、セミナに関連する論文の情報を記憶部12に記憶しており、セミナ案内を要求された場合、ユーザ端末20から取得した論文の情報に対応するセミナを特定し、特定したセミナの案内情報を記憶部12から読み出す。セミナの案内情報は、セミナのテーマ、開催日時、講師、開催場所等の情報を含む。論文提供サーバ10は、セミナの案内情報をユーザ端末20へ送信する。
【0086】
ユーザ端末20の制御部21は、論文提供サーバ10から送信されたセミナの案内情報を受信した場合、図18Bに示すように、受信したセミナの案内情報を表示部25に表示する。これにより、セミナ案内ボタンが操作された場合、ユーザ端末20に表示されていた論文に関連するセミナの案内情報をユーザに提示することができる。図18Bに示す画面では、各セミナに対応付けて詳細情報ボタンが設けられており、詳細情報ボタンが操作された場合、ユーザ端末20は、選択されたセミナの詳細情報を論文提供サーバ10から取得してユーザに提示できる。よって、ユーザは、受講したいセミナがある場合、各セミナの詳細情報ボタンを操作することにより、セミナに関する詳細な情報を確認することができる。なお、図18Bに示す画面を介してセミナの申込手続を行えるように構成されていてもよい。
【0087】
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、任意の論文と、この論文を引用する引用論文との関係を有向グラフによって把握し、また任意の論文を閲覧できるだけでなく、閲覧した論文に関連するセミナの案内情報を取得することができる。よって、ユーザは、閲覧している論文、即ち関心がある技術に関するセミナの案内を取得することができる。本実施形態の構成は、上述した実施形態1~4の情報処理システムに適用でき、実施形態1~4の情報処理システムに適用した場合であっても同様の効果が得られる。
【0088】
本実施形態において、論文提供サーバ10は、ユーザが閲覧中の論文に関連付けられたセミナの案内情報に加えて、ユーザがユーザ端末20を用いて入力した検索キーワードに関連付けられたセミナの案内情報を提供する構成でもよい。この場合、例えばユーザ端末20は、検索キーワードを記憶部22に記憶しておき、画面中のセミナ案内ボタンが操作された場合に、その時点で表示中の論文を検索する際に用いた検索キーワードを論文提供サーバ10に送信し、この検索キーワードに関連付けられたセミナの案内情報を要求する。論文提供サーバ10は、論文検索に用いられる用語と、この用語に関連するセミナの情報とを対応付けて記憶部12に記憶しており、セミナ案内を要求された場合、ユーザ端末20から取得した検索キーワードに対応するセミナを特定し、特定したセミナの案内情報を記憶部12から読み出してユーザ端末20へ送信する。また、論文提供サーバ10は、ユーザに対して、ユーザがフォローしている他のユーザが受講又は受講申込を行ったセミナの案内情報を提供する構成でもよい。また、各ユーザの関心分野と、各ユーザが受講又は受講申込を行ったセミナとを対応付けて収集し、他のユーザと関心分野が同じユーザが受講又は受講申込を行ったセミナの案内情報を他のユーザに提供する構成でもよい。更に、各論文を閲覧したユーザと、このユーザが受講又は受講申込を行ったセミナとを対応付けて収集しておき、他のユーザが論文を閲覧した場合に、この論文を過去に閲覧したユーザが受講又は受講申込を行ったセミナの案内情報を提供する構成でもよい。これらの構成によれば、関心分野が共通するユーザ間で、各ユーザが受講又は受講申込を行ったセミナの情報を共有することが可能となり、セミナの受講促進が期待できる。
【0089】
上述した各実施形態において、例えば各ユーザが論文を閲覧しているときに、ユーザが注目している箇所を特定し、特定した箇所をハイライト設定するように構成されていてもよい。ハイライト設定された箇所は、他のユーザが閲覧した際にハイライトで表示される。この場合、論文を閲覧中のユーザは、他のユーザが注目した箇所を把握できるので効率良く論文を読むことが可能となる。例えば、論文ファイルにおいてユーザ端末20に表示されていた時間が長い(具体的には所定の第1時間以上)場合に、ここでの表示箇所を注目箇所とするように構成されていてもよい。また、表示されていた時間が第1時間よりも長い第2時間以上である場合、論文ファイルを表示した状態で放置されている可能性が高いので、ここでの表示箇所は注目箇所としないように構成されていてもよい。また、複数のユーザの閲覧時間(表示時間)の合計に基づいて、注目箇所を特定する構成でもよい。
【0090】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
10 論文提供サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 ユーザ端末
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
30 論文検索サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図17
図18