(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191839
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/00 20060101AFI20221221BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20221221BHJP
G06F 3/0346 20130101ALI20221221BHJP
G06F 3/04815 20220101ALI20221221BHJP
【FI】
G06K7/00 004
G06K7/10 264
G06K7/10 372
G06K7/10 464
G06F3/0346 421
G06F3/0481 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100302
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 篤士
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA07
5B087AA09
5B087AB02
5B087AB13
5B087BC01
5B087BC32
5B087BC34
5B087DE03
5E555AA27
5E555AA74
5E555BA01
5E555BA31
5E555BB01
5E555BB31
5E555BC01
5E555BC08
5E555BC17
5E555BE16
5E555CA29
5E555CA42
5E555CA43
5E555CB22
5E555CB33
5E555CB48
5E555CC01
5E555DA22
5E555DB20
5E555DC43
5E555DD06
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者の非接触による操作に基づく複数の情報をそれぞれ識別して処理する情報処理システムを提供する。
【解決手段】タッチレス装置200は、略箱型に構成され、その一部に開口による操作空間が形成された筐体、制御部から入力した画像情報に従った画像による光信号を筐体内に出射するディスプレイ260、ディスプレイから入射した光信号を操作空間に向けて透過し、透過した光信号による空中画像を操作空間内に結像させる再帰性反射材、操作空間内に向けて照射した光を基に物体の位置を検出する光学タッチセンサ280、筐体に配置された非接触ICカードの情報を読み取る非接触ICリーダ290及び操作空間内に挿入された物体に記録されたバーコードの情報を出力するバーコード読取カメラ300を備える。制御部は、物体の位置を基に生成した操作情報、ICカード情報又はバーコード情報のうち少なくとも一つを基に決済の処理を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作ボタンを含む操作画面の画像に関する画像情報を生成すると共に入力情報を処理するコントローラと、
略箱型に構成されて、その一部に開口による操作空間が形成された筐体と、
前記筐体内に配置されて前記コントローラから前記画像情報を入力し、入力した前記画像情報に従った画像を画面上に表示すると共に、前記画像による光信号を前記筐体内に出射するディスプレイと、
前記筐体内に配置されて前記ディスプレイから前記光信号を入射し、入射した前記光信号を前記操作空間に向けて透過し、透過した前記光信号による画像を空中画像として前記操作空間内に結像させる再帰性反射材と、
前記操作空間内に向けて光を照射し、前記操作空間内に存在する物体で反射した反射光を入射し、入射した前記反射光を基に前記操作空間内に存在する物体の位置を検出する光学センサと、
前記筐体に配置されて、前記筐体に配置されたカードのカード情報を読み取るカードリーダと、
前記筐体に配置されて、前記操作空間内に挿入された物体に記録されたバーコードを被写体として撮影し、撮影で得られた画像の情報をバーコード情報として出力するバーコードリーダと、を備え、
前記コントローラは、
前記光学センサの検出結果を基に前記複数の操作ボタンのうち操作された操作ボタンを特定する操作情報を生成し、生成した前記操作情報、前記カードリーダの出力による前記カード情報、又は前記バーコードリーダの出力による前記バーコード情報のうち少なくとも一つを前記入力情報として取り込み、取り込んだ前記入力情報を基に決済の処理を実行することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記カードリーダは、
前記筐体のうち前記操作空間近傍に配置されて、前記操作空間内に磁界を形成し、前記操作空間内に挿入された前記カードに記録された情報を磁界の変化により検出することを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記筐体の前面側に配置されて前記カードを収納可能に形成された前面側収納部を更に備え、
前記カードリーダは、
前記筐体のうち前記前面側収納部近傍に配置されて、前記前面側収納部内に磁界を形成し、前記前面側収納部内に挿入された前記カードに記録された情報を磁界の変化により検出することを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記筐体の後面側に配置されて前記カードを収納可能に形成された後面側収納部を更に備え、
前記カードリーダは、
前記筐体のうち前記後面側収納部近傍に配置されて、前記後面側収納部内に磁界を形成し、前記後面側収納部内に挿入された前記カードに記録された情報を磁界の変化により検出することを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記筐体内のうち前記再帰性反射材と前記操作空間との間に配置されて、前記再帰性反射材を透過した前記光信号を前記操作空間に向けて透過する補助透過板と、
前記筐体の外側のうち前記補助透過板の端部に対向した位置に着脱自在に配置されて、前記補助透過板に落下した落下物を収納する滞留部を更に備え、
前記再帰性反射材は、
前記ディスプレイの画面に対して傾斜して配置され、
前記補助透過板は、
前記端部を下方にして前記再帰性反射材に対して略平行に配置されていることを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記筐体に配置されて前記コントローラに接続されたスピーカーを更に備え、
前記コントローラは、
前記光学センサの検出結果を基にタッチ操作音を示す音声信号を生成し、生成した前記音声信号で前記スピーカーを鳴動させることを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の操作による情報を処理する情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コロナ禍において、不特定多数の利用者が使用するタッチパネルに触れたくないというニーズが高まり、利用者が小売店などで決済などに使用する端末においても直接タッチパネルに触れることなく操作ができることが求められている。
【0003】
非接触によりジェスチャで操作ができる電子機器が提案されている(特許文献1参照)。この電子機器は、近接センサにより検出されたユーザのジェスチャ操作に基づいて処理が可能な電子機器の構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術によれば、タッチパネル付ディスプレイに触れることなくジェスチャにより電子機器の操作を行うことは可能であるが、操作ボタンを含む操作画面を空間に表示する場合、近接センサを用いているので、小さく並んだ操作ボタンをユーザが操作することは困難である。しかも、従来技術では、複数の情報を処理することには配慮されていない。
【0006】
本発明の目的は、利用者の非接触による操作に基づく複数の情報をそれぞれ識別して処理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、複数の操作ボタンを含む操作画面の画像に関する画像情報を生成すると共に入力情報を処理するコントローラと、略箱型に構成されて、その一部に開口による操作空間が形成された筐体と、前記筐体内に配置されて前記コントローラから前記画像情報を入力し、入力した前記画像情報に従った画像を画面上に表示すると共に、前記画像による光信号を前記筐体内に出射するディスプレイと、前記筐体内に配置されて前記ディスプレイから前記光信号を入射し、入射した前記光信号を前記操作空間に向けて透過し、透過した前記光信号による画像を空中画像として前記操作空間内に結像させる再帰性反射材と、前記操作空間内に向けて光を照射し、前記操作空間内に存在する物体で反射した反射光を入射し、入射した前記反射光を基に前記操作空間内に存在する物体の位置を検出する光学センサと、前記筐体に配置されて、前記筐体に配置されたカードのカード情報を読み取るカードリーダと、前記筐体に配置されて、前記操作空間内に挿入された物体に記録されたバーコードを被写体として撮影し、撮影で得られた画像の情報をバーコード情報として出力するバーコードリーダと、を備え、前記コントローラは、前記光学センサの検出結果を基に前記複数の操作ボタンのうち操作された操作ボタンを特定する操作情報を生成し、生成した前記操作情報、前記カードリーダの出力による前記カード情報、又は前記バーコードリーダの出力による前記バーコード情報のうち少なくとも一つを前記入力情報として取り込み、取り込んだ前記入力情報を基に決済の処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者の非接触による操作に基づく複数の情報をそれぞれ識別して処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るタッチレス装置の上面に非接触ICリーダを配置したときの斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1に係るタッチレス装置の上面に非接触ICリーダを配置したときの図であって、(a)はタッチレス装置の右側面断面図であり、(b)はタッチレス装置の前面断面図である。
【
図4】本発明の実施例2に係るタッチレス装置の前面に非接触ICリーダを配置したときの斜視図である。
【
図5】本発明の実施例2に係るタッチレス装置の前面に非接触ICリーダを配置したときの図であって、(a)はタッチレス装置の右側面断面図であり、(b)はタッチレス装置の前面断面図である。
【
図6】本発明の実施例3に係るタッチレス装置の後面に非接触ICリーダを配置したときの斜視図である。
【
図7】本発明の実施例3に係るタッチレス装置の後面に非接触ICリーダを配置したときの図であって、(a)はタッチレス装置の右側面断面図であり、(b)はタッチレス装置の前面断面図である。
【
図8】本発明の実施例4に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例0011】
図1は、本発明の実施例1に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図1において、制御部100と、タッチレス装置200と、電源部330と、を備えるシステムは、例えば、情報処理システムとして構成される。
【0012】
制御部100は、例えば、プロセッサ、主記憶装置、補助記憶装置、入力装置、出力装置、及び通信装置を備える計算機(図示せず)で構成され、タッチレス装置200を統括制御するコントローラとして機能する。プロセッサは、例えば、CPU(Central・Processing・Unit)やMPU(Micro・Processing・Unit)を用いて構成される。主記憶装置は、コンピュータプログラムやデータを記憶する装置であり、例えば、ROM(Read・Only・Memory)、RAM(Random・Access・Memory)、及び不揮発性半導体メモリ等である。
【0013】
補助記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ、SSD(Solid・State・Drive)、光学式記憶媒体(即ち、CD(Compact・Disc)、及びDVD(Digital・Versatile・Disc)等)、ストレージシステム、ICカード(Integrated・Circuit・Card)、SD(Secure・Digital)メモリカード、等の記録媒体の読取/書込装置、及びクラウドサーバの記憶領域等である。補助記憶装置に格納されているコンピュータプログラムやデータは、主記憶装置に随時読み込まれる。
【0014】
入力装置は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、音声入力デバイス等である。出力装置(表示装置)は、利用者に処理経過や処理結果等の各種情報を提供するユーザインタフェースである。出力装置は、例えば、画面表示装置(即ち、液晶モニタ、LCD(Liquid・Crystal・Display)、又はグラフィックカード等)、音声出力装置(即ち、スピーカ等)、又は印字装置等である。
【0015】
通信装置は、LANやインターネット等の通信手段を介した他の装置との間の通信を実現する有線方式又は無線方式の通信インタフェースである。通信装置は、例えば、NIC(Network・Interface・Card)、無線通信モジュール、USB(Universal・Serial・Bus)モジュール、又はシリアル通信モジュール等である。
【0016】
タッチレス装置200は、電源制御基板220、電源ランプ230、電源スイッチ240、スピーカー250、空中用ディスプレイ260、USB(Universal・Serial・Bus)・HUB基板270、光学式タッチセンサ280、非接触ICカードリーダ290、バーコード読取カメラ300、カメラ用照明基板310、照明用制御基板320を備える。スピーカー250は、音声信号インタフェース101を介して、上位装置となる制御部100に接続される。制空中用ディスプレイ260は、HDMI(High・Definition・Multimedia・Interface)(登録商標)インタフェース102を介して、制御部100に接続される。USB・HUB基板270は、USBインタフェース103を介して、制御部100に接続される。USB・HUB基板270には、光学式タッチセンサ280、非接触IC(Integrated・Circuit)カードリーダ290、バーコード読取カメラ300、照明制御基板320が、それぞれUSBインタフェース271~274を介して接続される。
【0017】
電源制御基板220には、ACアダプタなどの電源部330からDC電源が給電される。電源制御基板220は、電源部330から給電されたDC電源をUSB・HUB基板270と空中用ディスプレイ260に供給する。電源制御基板220には、電源が供給されていることを表示する電源ランプ230および電源を制御する電源スイッチ240が接続される。照明制御基板320には、バーコード読取カメラ300での撮影時の照明照射のため、カメラ用照明基板310が必要数接続される。
【0018】
制御部100は、複数の操作ボタンを含む操作画面の画像に関する画像情報を生成し、生成した画像情報を空中用ディスプレイ260に転送する。空中用ディスプレイ260は、例えば、複数の液晶表示素子を有する液晶ディスプレイ(液晶表示装置)で構成され、制御部100から転送された画像情報を受信した場合、受信した画像情報に従った画像を画面上に表示すると共に、画像による光信号を、後述するように、利用者(ユーザ)が操作するための操作空間(後述する筐体に形成される空間)に向けて出射し、操作空間内に空中画像を結像させる。
【0019】
光学式タッチセンサ280は、操作空間内に向けて光を照射し、操作空間内に存在する物体で反射した反射光を入射し、入射した反射光を基に操作空間内に存在する物体の位置を検出する光学センサである。具体的には、光学式タッチセンサ280は、例えば、赤外線投光器と赤外線イメージセンサを有し、操作空間の周囲に配置されている。この際、イメージセンサから操作空間内に照射された赤外線は、操作空間内に存在する物体(利用者の指)で反射し、反射した赤外線がイメージセンサに入射する。光学式タッチセンサ280は、例えば、利用者の指が操作空間内に挿入された場合、その位置(座標)を検出し、検出信号をUSB・HUB基板270を介して制御部100に転送する。
【0020】
非接触ICカードリーダ290は、タッチレス装置本体となる筐体に配置されて、筐体に配置されたカードのカード情報を読み取るカードリーダである。具体的には、非接触ICカードリーダ290は、操作空間内又は収納部(カード収納部)内に磁界を形成し、操作空間内又は収納部内に挿入されたカードに記録された情報を磁界の変化により検出し、検出した情報をカード情報として、USB・HUB基板270を介して制御部100に転送する。
【0021】
バーコード読取カメラ300は、タッチレス装置本体となる筐体に配置されて、操作空間内に挿入された物体に記録されたバーコードを被写体として撮影し、撮影で得られた画像の情報をバーコード情報として出力するバーコードリーダである。具体的には、バーコード読取カメラ300は、操作空間内に挿入された物体に記録されたバーコードを被写体として撮影し、撮影した画像の情報をバーコード情報として、USB・HUB基板270を介して制御部100に転送する。
【0022】
制御部100は、空中画像の中の操作ボタンが空中でタッチされたことを、操作ボタンに対応した座標位置の光学式タッチセンサ280が検出した場合、光学式タッチセンサ280の検出信号に応答して、操作音を示す音声信号を生成し、生成した音声信号をスピーカー250に転送する。これにより、スピーカー250は、空中画像の中の操作ボタンが空中でタッチされたことを示す操作音で鳴動する。
【0023】
制御部100は、複数の操作ボタンを含む操作画面の画像に関する画像情報を生成するに際して、操作画面に属する各操作ボタンの位置と光学式タッチセンサ280の検出位置とを関連づけて管理する。この際、制御部100は、操作空間内に挿入された物体、例えば、利用者の指を光学式タッチセンサ280が検出した場合、光学式タッチセンサ280からの検出信号を判別し、光学式タッチセンサ280が検出した物体(指)の位置を基に、操作画面の複数の操作ボタンのうち操作された操作ボタンを特定する操作情報(どの操作ボタンが操作されたかを示す操作情報)を生成し、生成した操作情報に従って処理、例えば、買い物による決済の処理を実行する。また、制御部100は、カード情報やバーコード情報を受信した場合、受信したカード情報又はバーコード情報を基に、例えば、買い物による決済の処理を実行する。
【0024】
次に、非接触ICリーダをタッチレス装置の上面に配置したときの構成例を
図2及び
図3に従って説明する。
【0025】
図2は、本発明の実施例1に係るタッチレス装置の上面に非接触ICリーダを配置したときの斜視図である。
図3は、本発明の実施例1に係るタッチレス装置の上面に非接触ICリーダを配置したときの図であって、(a)は、タッチレス装置の右側面断面図であり、(b)は、タッチレス装置の前面断面図である。
【0026】
図2及び
図3において、タッチレス装置200は、その本体が、前面部201、後面部202、左側面部203、右側面部204、上面部205、底面部206を含む筐体で構成される。この筐体は、略直方体形状の箱型に形成されている。左側面部203と右側面部204は、それぞれ上部側が傾斜して形成されており、タッチレス装置200全体として前面側が低く、後面側が高く構成されている。すなわち、上面部205が傾斜面として形成されている。上面部205には、略長方形形状の開口207が形成されており、開口207の領域は、利用者が操作するための操作空間として構成されている。すなわち、タッチレス装置200の本体には、開口207による操作空間が形成されている。
【0027】
前面部201の内側には、空中用ディスプレイ260が、後面部202と相対向して配置されている。後面部202には、その上部側から底部側に亘って、カメラ用照明板310、スピーカー250、バーコード読取カメラ300、照明制御基板320、USB・HUB基板270、電源スイッチ240、電源制御基板220、滞留部360が配置されている。カメラ用照明板310は、上面部205の開口207に向けて光を照射する位置に配置されている。バーコード読取カメラ300は、上面部205の開口207の中に存在する被写体を撮影するために、そのレンズが上面部205の開口207に向いて配置されている。上面部205の開口207の周囲には、非接触ICカードリーダ290が配置され、非接触ICカードリーダ290の上部側には、光学式タッチセンサ280が配置されている。
【0028】
底面部206上には、制御基板210が配置されており、底面部206の上側には、略長方形形状に形成された底面反射板330が配置されている。底面反射板330は、その中央部が上部側に湾曲して形成され、前面部201から後面部202に亘って配置されている。底面反射板330の上方には、略長方形形状に形成された再帰性反射材340が配置されている。再帰性反射材340は、その一端側が上面部205の前面側に固定され、他端側が後面部202の底部側に固定され、全体として、前面側が高く、後面側が低くなる傾斜板として構成されている。例えば、再帰性反射材340は、略垂直方向に沿って配置された空中用ディスプレイ260に対して、略45度傾斜して配置されている。再帰性反射材340の上方には、略長方形形状に形成されたアクリル板350が、再帰性反射材340と略平行になって配置されている。アクリル板350は、その一端側が上面部205の前面側に固定され、他端側が後面部202の底部側に固定され、全体として、前面側が高く、後面側が低くなる傾斜板として構成されている。この際、アクリル板350は、筐体内のうち再帰性反射材340と操作空間との間に配置されて、再帰性反射材340を透過した光信号を操作空間に向けて透過する補助透過板として構成される。アクリル板350は、再帰性反射材340にごみなどが付着したり、利用者の指などが接触したりするのを防止すると共に、照明の反射を防止することを目的として配置されている。
【0029】
この際、アクリル板350は、耐反射および破損や傷などを防止することを目的に耐擦傷加工されている。アクリル板350に落下したごみなどは、アクリル板350の最下部まで滑り落ち、滞留部360に蓄積される。滞留部360は、筐体の外側のうちアクリル板350の端部(下部)に対向した位置に着脱自在に配置されて、アクリル板350に落下した落下物を収納する容器として構成される。滞留部滞留部360に蓄積されたごみなどは、滞留部360の一部(ネジ)を定期的に取り外すことで、タッチレス装置200の外部に排出される。滞留部360の一部を取り外す作業を定期的に行うことで、滞留部360内を定期的に清掃することができる。左側面部203と右側面部204の内側には、略長方形形状に形成された側面反射板370がそれぞれ固定されている。側面反射板370は、利用者の視野角を広くするための反射板として構成されている。
【0030】
非接触ICカードリーダ290は、開口207の周囲に配置されたアンテナ(図示せず)を備え、非接触ICカードリーダ290の上方に配置される非接触ICカード500に記録された情報を非接触で読み取り、読み取った情報を、USB・HUB基板270を介して制御部100に転送する。この際、非接触ICカードリーダ290は、非接触ICカード500が、開口207の周囲のどの位置に配置されても、非接触ICカード500に記録された情報を非接触で読み取ることができる。
【0031】
空中用ディスプレイ260は、制御部100から転送された画像情報を受信した場合、受信した画像情報に従った画像を画面上に表示すると共に、画像による光信号を、利用者が操作するための操作空間に向けて出射する。この際、空中用ディスプレイ260から出射された光の一部は、矢印Aで示すように、底面反射板330に向かい、底面反射板330で反射し、残りの光は、矢印B、Cで示すように、再帰性反射材340で反射した後、底面反射板330に向かい、底面反射板330で反射する。底面反射板330で反射した光は、矢印Dで示すように、それぞれ再帰性反射材340とアクリル板350を透過した後、上面部205の開口207の上方の空間であって、光学式タッチセンサ280と非接触ICカードリーダ290との間に形成される操作空間内に空中画像400として結像する。この際、空中画像400は、操作画面および操作ボタンを含む画像として操作空間内に表示される。また、操作空間に表示される空中画像400は、利用者の視野角が制限されることにより、本人以外によるのぞき見が防止可能となっている。
【0032】
利用者は、操作空間内に表示された空中画像400の中の操作画面および操作ボタンを見ながら、操作ボタンを非接触で操作することができる。利用者が操作ボタンを非接触で操作すると、操作ボタンに対応した位置の光学式タッチセンサ280は、操作ボタンが操作されたことを検出し、検出信号を制御部100に転送する。制御部100は、光学式タッチセンサ280からの検出信号を判別し、操作ボタンの操作に応じた処理、例えば、買い物による決済の処理を実行する。
【0033】
本実施例において、利用者が、操作空間内に表示された空中画像400の中の操作ボタンに対する操作を行った場合、操作ボタンが操作されたことを光学式タッチセンサ280が検出し、この検出結果(操作情報)を制御部100に転送する。制御部100は、光学式タッチセンサ280の検出結果を基に操作情報を生成し、生成した操作情報(操作された操作ボタンを特定した操作情報)に従って処理、例えば、買い物による決済の処理を実行する。また、利用者が、操作空間又は操作空間近傍にカードを置いた場合、操作空間又は操作空間近傍に配置されたカードの情報を非接触ICカードリーダ290が読み取り、読み取ったカード情報を制御部100に転送する。制御部100は、カード情報を基に決済の処理を実行する。さらに、利用者が、操作空間又は操作空間近傍に読取対象物(バーコードが印刷された対象物)を置いた場合、操作空間又は操作空間近傍に配置された読取対象物の情報をバーコード読取カメラ300が読み取り、読み取ったバーコード情報を制御部100に転送する。制御部100は、バーコード情報を基に決済の処理を実行する。
【0034】
本実施例によれば、利用者の非接触による操作に基づく複数の情報をそれぞれ識別して処理することができる。すなわち、利用者がタッチレス装置200に触れることなく、利用者の非接触による操作に基づく複数の情報がそれぞれ情報処理システムで識別されて処理される。このため、タッチレス装置200を小売店舗等に配置することで、ウイルスの拡散低減に寄与することができる。
この際、非接触ICカードリーダ290は、空中用ディスプレイ260よりもタッチレス装置200の外側に配置され、収納部510内に収納された非接触ICカード500とタッチレス装置200内の空中用ディスプレイ260との間に配置される。非接触ICカードリーダ290は、収納部510内に非接触ICカード500が収納された場合、非接触ICカード500に記録された情報を非接触で読み取り、読み取った情報を、USB・HUB基板270を介して制御部100に転送する。この際、非接触ICカードリーダ290は、非接触ICカード500が、収納部510内のどの位置に配置されても、非接触ICカード500に記録された情報を非接触で読み取ることができる。また、収納部510内に接触ICカードが収納された場合でも、接触ICカードに記録された情報を読み取って処理することができる。
本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏することができると共に、収納部510内に接触ICカードが収納された場合でも、接触ICカードに記録された情報を読み取って処理することができる。