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特開2022-191856情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191856
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221221BHJP
【FI】
G06Q30/02 392
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100324
(22)【出願日】2021-06-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開者 株式会社イルグルム 公開ウェブサイトのアドレス https://go.ebis.ne.jp/lp_ltvforecast/ https://doc.support.ebis.ne.jp/tool/introduction/LTVForecast.pdf 公開日 2021年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】504307744
【氏名又は名称】株式会社イルグルム
(74)【代理人】
【識別番号】100158850
【弁理士】
【氏名又は名称】明坂 正博
(72)【発明者】
【氏名】笹井 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】滑川 美似奈
(72)【発明者】
【氏名】下坊 一平
(72)【発明者】
【氏名】中山 みなみ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より高い精度で将来の将来売上又は将来利益を予測できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】サーバ(情報処理装置)と、サーバとネットワークを介して接続されたユーザ端末とを備える情報処理システム1において、サーバ2のCPU200Cは、ユーザ端末から商材の購入継続性の算出期間、商材の限界利益率、投資回収期間、商材の1件当たりの成約コスト、商材の購入継続性を受信する受信部201と、クリック数、新規CV、新規CVR、コスト、CPA、F2転換率などの広告に関する運用実績を取得する。予測部205は、取得した広告の運用実績に基づいて、広告の対象である商材の将来売上又は将来利益を広告ごとに予測する実績取得部204と、備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告の運用実績を取得する取得部と、
前記広告の運用実績に基づいて、前記広告の対象である商材の将来売上又は将来利益を広告ごとに予測する予測部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記予測部は、
所定の広告単位で前記広告の運用実績を集計し、集計した前記広告の運用実績が所定件数に満たない場合、前記広告の運用実績が前記所定件数以上となるように前記広告単位を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記広告の運用実績は2以上の指標を含み、
前記予測部は、
前記指標ごとに前記広告の運用実績が所定件数を満たすか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記広告の運用実績には、前記商材の購入継続性又は離脱性が含まれ、
前記予測部は、
前記商材の購入継続性又は離脱性に基づいて、前記商材の将来売上又は将来利益を予測する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記商材の購入継続性又は離脱性の算出期間を受け付ける第1受付部を備え、
前記予測部は、
前記第1受付部が受け付けた前記算出期間に基づいて、前記商材の将来売上又は将来利益を予測する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記商材の1件当たりの成約コストと、前記商材の購入継続性又は離脱性との少なくとも一方を受け付ける第2受付部と、
前記予測部が予測した前記商材の将来利益に基づいて、前記商材の投資回収期間を算出する算出部と、を備え、
前記算出部は、
前記第2受付部が受け付けた前記商材の1件当たりの成約コストと、前記商材の購入継続性又は離脱性との少なくとも一方に基づいて、前記商材の投資回収期間を算出する、
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記商材の限界利益率及び投資回収期間の少なくとも一方の設定を受け付ける第3受付部を備え、
前記予測部は、
前記第3受付部が受け付けた前記商材の限界利益率及び投資回収期間の少なくとも一方に基づいて、前記商材の将来売上又は将来利益を予測する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記予測部が予測した前記商材の将来売上又は将来利益と、前記予測部が予測した前記商材の将来売上又は将来利益の実績とを出力する出力部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記予測部が予測した前記商材の将来売上又は将来利益に基づいて、前記商材の将来売上又は将来利益を改善するための助言を生成する助言生成部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
取得部が、広告の運用実績を取得する工程と、
予測部が、前記広告の運用実績に基づいて、前記広告の対象である商材の将来売上又は将来利益を広告ごとに予測する工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
広告の運用実績を取得する取得部、
前記広告の運用実績に基づいて、前記広告の対象である商材の将来売上又は将来利益を広告ごとに予測する予測部、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどのネットワークを介して契約や決済などを行う電子商取引(EC:Electronic Commerce)が盛んになっており、インターネット上の仮想店舗において商品・サービス(以下、商材ともいう)を購入することは珍しいことではなくなっている。そして、この電子商取引(EC:Electronic Commerce)も含む)は、今後、ますますの成長が期待されている。
【0003】
一方で、インターネット上には多数の仮想店舗が開設されており、競争は激しい。このため、各店舗は販売促進(以下、販促ともいう)のためインターネット上に広告を出稿している。従来、このような広告の出稿においては、CPO(Cost per Order)、CPR(Cost per Response)、CPA(Cost per Acquisition)などの指標が重視されてきたが、ロイヤリティの醸成による顧客生涯価値(ライフタイムバリュー(LTV:Life Time Value))を最大化することが求められている。
【0004】
ここで、顧客生涯価値とは、顧客が生涯で、対象商材の購入に使用した金額のことを指す。つまり、顧客生涯価値が高いということは、その顧客が同じ商材を何度もリピートしてくれていることを意味する。例えば、特許文献1では、顧客生涯価値に基づいて広告投資先の広告媒体を選定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-64782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来は、顧客ごとの購入実績を用いて顧客生涯価値、すなわち将来売上を算出しており、予測精度に向上の余地がある。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、より高い精度で将来売上を予測できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明の情報処理装置は、広告の運用実績を取得する取得部と、広告の運用実績に基づいて、広告の対象である商材の将来売上又は将来利益を前記広告ごとに予測する予測部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より高い精度で商材の将来売上又は将来利益を予測できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図2】実施形態に係るサーバのハード構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係るサーバの記憶装置に記憶されているデータベースの一例を示す図である。
図4】実施形態に係る運用実績DBに記憶されている情報の一例を示す図である。
図5】実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
図6】実施形態に係るサーバの予測部が予測した商材のLTV利益、LTV利益(合計)、ROIの値を示す図である。
図7】実施形態に係るユーザ端末のハード構成及び機能構成の一例を示す図である。
図8】実施形態に係るユーザ端末の表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図9】実施形態に係るユーザ端末の表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図10】実施形態に係るユーザ端末の表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図11】実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図12】実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図13】実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図14】実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図15】実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本実施形態で使用する指標の定義を以下に記載する。
[LTV売上(合計)]=[LTV売上]×[新規CV]
[LTV利益]=[F1平均売上]×[F1限界利益率]+[F2平均売上]×[F2転換率]×[F2限界利益率]+[F3以降平均売上]×[F2転換率]×[F3転換率]×[F3限界利益]-[新規CPA]
[LTV利益(合計)]=[LTV利益]×[新規CV]
[LTV売上]=[F1平均売上]+[F2平均売上]×[F2転換率]+[F3以降平均売上]×[F2転換率]×[F3転換率]
[LTV期間]=[LTV(売上・利益)]を算出する期間(本実施形態では6ヶ月/12ヶ月/24ヶ月から選択するが、これに限られない)
[新規CV]=対象期間に発生した新規CVの合計
[F2転換対象期間]=F2転換対象となる期間 (本実施形態では30日/60日/90日/120日から選択するが、これに限られない)
[F3転換対象期間]=F3転換対象となる期間 (本実施形態では30日/60日/90日/120日から選択するが、これに限られない)
[F2転換ユーザ数]=広告の運用実績(以下、単に運用実績ともいう)の[F2転換対象期間]に2回目の購入をしたユーザ数
[F3転換ユーザ数]=運用実績の[F3転換対象期間]に2回目の購入をし、なおかつ[F3転換対象期間]に3回目の購入をしたユーザ数
[F1平均売上]=[対象期間に発生した新規CVの売上合計]/[新規CV]
[F2平均売上]=[運用実績のF2転換時(2回目購入時)の売上合計]/[F2転換ユーザ数]
[F2転換率]=[F2転換ユーザ数]/[新規CV]
[F3転換率]=[F3転換ユーザ数]/[F2転換ユーザ数]
[F3以降平均売上]=運用実績から経過月数別にF3以降の平均売上の回帰分析により導出される値
[クリック数]=対象広告がクリックされた数
[新規CV]=新規コンバージョン数(最終的な成果数)
[新規CVR]=[新規CV]/[クリック数]
[コスト]=対象広告の広告費用
[新規CPA]=[コスト]/[新規CV]
[ROI]=[LTV利益(合計)]/[コスト]
【0012】
(実施形態)
初めに、図1を参照して情報処理システム1の構成について説明する。情報処理システム1は、サーバ2(情報処理装置)と、このサーバ2とネットワーク4を介して接続されたユーザ端末3とを備える。なお、ネットワーク4は、相互に通信できればよくどのような通信網で構成されていてもかまわない。また、情報処理システム1が備えるユーザ端末3及びサーバ2の数は任意である。また、サーバ2は、Webサーバの機能を有し、ユーザ端末3は、Webクライアントの機能を有している。サーバ2は、ユーザ端末3に表示されたWebブラウザに情報を表示させ、Webブラウザ上で入力された情報を取得することが可能に構成されている。
【0013】
(サーバ2)
図2は、実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)の構成図である。図2は、サーバ2の主なハード構成を示しており、サーバ2は、通信IF200A、記憶装置200B、CPU200Cがバスを介して接続された構成を備える。なお、サーバ2は、その他、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置、及び液晶モニタや有機ELモニタなどの表示装置を備えていてもよい。
【0014】
通信IF200Aは、ユーザ端末3や他の装置(運用実績(過去実績))を取得するため。不図示)と通信するためのインターフェースである。
【0015】
記憶装置200Bは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)である。なお、記憶装置200Bに記憶された情報の詳細については後述する。
【0016】
CPU200Cは、実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)を制御し、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えている。
【0017】
本実施形態では、図2に示すように、サーバ2が記憶装置200Bを備える構成となっているが、サーバ2とネットワーク4を介して接続された他のサーバが備えていてもよい。また、情報処理プログラムをサーバ2とネットワーク4を介して接続された他のサーバからダウンロード可能に構成されていてもよい。
【0018】
図3は、実施形態に係るサーバ(情報処理装置)の記憶装置に記憶されているデータベースの一例である。記憶装置200Bには、図3に示すように、ユーザDB1、運用実績DB2などのデータベースが記憶されている。
【0019】
(ユーザDB1)
ユーザDB1には、情報処理システム1を利用するユーザのアカウント情報(以下、単にアカウント情報ともいう)がユーザID(識別子)に関連付けて記憶されている。アカウント情報には、例えば、企業名、担当者名、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス等)、ログインID(LID)、パスワード(PW)のなど情報が含まれている。
またユーザDB1には、後述の図8図10の画面から必要に応じて設定された商材の購入継続性(例えば、F2転換率、F3転換率)の算出期間、商材の限界利益率、投資回収期間、商材の1件当たりの成約コスト(CPA)及び商材の購入継続性などの設定がユーザIDに関連付けて記憶されている。
【0020】
(運用実績DB2)
運用実績DB2には、広告の運用実績が各ユーザのアカウントごとに記憶されている。運用実績は、例えば、クリック数、新規CV、新規CVR、コスト、CPA、F2転換率、F3転換率などの運用実績である。
なお、CVRやCPAなど他の指標から算出可能な指標は、取得した他の指標から算出してもよい。
【0021】
図4に、運用実績DB2に記憶される運用実績の一例を示す。図4に示すように、本実施形態では、所定の広告単位(図4の各行)でクリック数、新規CV、新規CVR、コスト、CPA、F2転換率などの指標ごとに運用実績が集計され、さらにこれら各指標(図4の各列)の運用実績がユーザのアカウント単位で集計されて記憶されている。なお、本実施形態では、広告は、商材、オファー、媒体種別のいずれかが異なる広告を一単位としているが、どのような広告単位で運用実績を集計するかは任意であり、上述した例に限られない。
【0022】
ここで、
商材は、購買対象である商品又はサービス
オファーは、商材を購入してもらうための購入者への特典
媒体種別は、広告を出稿する媒体(例えば、Yahoo(登録商標)、Google(登録商標)など)
である。
【0023】
なお、記憶装置200Bに記憶された各種データの一部又は全部は、USB(Universal Serial Bus)メモリや外付けHDDなどの外部記憶装置やネットワーク4を介して接続された他の情報処理装置の記憶装置に記憶されてもよい。この場合、サーバ2は、外部記憶装置や他の情報処理装置の記憶装置に記憶された各種情報を参照又は取得する。また、本実施形態では、2つのデータベース(ユーザDB1及び運用実績DB2)に分けて記憶装置200Bに記憶しているが、いくつのデータベースとするかは任意である。また、必ずしもデータベースとして記憶装置200Bに記憶されていなくともよい。
【0024】
図5は、実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)の機能ブロック図である。図5に示すように、サーバ2は、受信部201(第1~第3受付部)、送信部202(出力部)、記憶装置制御部203、実績取得部204(取得部)、予測部205、算出部206、助言生成部207、認証部208などの機能を備える。なお、図5に示す機能は、サーバ2のROM(不図示)に記憶された情報処理プログラムをCPU200Cが実行することにより実現される。
【0025】
受信部201(第1~第3受付部)は、ユーザ端末3からの情報を受信する(受け付ける)。受信部201は、例えば、後述の図8図10の画面から必要に応じて設定された商材の購入継続性(例えば、F2転換率、F3転換率)の算出期間、商材の限界利益率、投資回収期間、商材の1件当たりの成約コスト(CPA)、商材の購入継続性(例えば、F2転換率)など(以下、設定ともいう)を受信する。
【0026】
送信部202(出力部)は、ユーザ端末3へ情報を送信する(出力する)。例えば、送信部202は、予測部205が予測した予測結果や算出部206が算出した算出結果などを出力する。
【0027】
記憶装置制御部203は、記憶装置200Bを制御する。具体的には、記憶装置制御部203は、記憶装置200Bへの情報の書き込みや読み出しを行う。
【0028】
実績取得部204(取得部)は、運用実績を取得する。実績取得部204は、図3の運用実績DB2で説明した指標、例えば、クリック数、新規CV、新規CVR、コスト、CPA、F2転換率など、各指標の運用実績を取得する。実績取得部204で取得された運用実績は、記憶装置制御部203により記憶装置200Bの運用実績DB2へ記憶される。なお、上述したように、なお、CVRやCPAなど他の指標から算出可能な指標は、取得した他の指標から算出してもよい。
【0029】
予測部205は、運用実績に基づいて、商材の将来売上、将来利益などを予測する。ここで、予測部205は、受信部201が受信した商材の購入継続性(例えば、F2転換率、F3転換率)の算出期間など(以下、設定ともいう)などに基づいて商材のLTV売上(将来売上)を予測する。
具体的には、予測部205は、以下の(1)式に基づいて商材のLTV売上を予測する。
[LTV売上]=[F1平均売上]+[F2平均売上]×[F2転換率]+[F3以降平均売上]×[F2転換率]×[F3転換率]・・・(1)
【0030】
予測部205は、所定の広告単位(上述した商材、オファー、広告種別の違い)に応じて商材の将来売上を予測するが、集計した運用実績が所定件数に満たない場合、運用実績が所定件数以上となるように集計する広告単位を変化させる。なお、予測部205は、指標ごとに運用実績が所定件数を満たすか否かを判断する。
具体的には、以下の降順((1)~(4)の順に母数が多くなるよう)に運用実績が所定件数(例えば、100件)以上となるまで集計する広告単位を変化させる。
(1)商材+オファー+媒体種別
(2)商材+オファー
(3)商材
(4)アカウント(全体)
なお、所定件数は任意であり、100件に限られない。また、集計する指標(本実施形態では、クリック数、新規CV、新規CVR、コスト、CPA)ごとに所定件数を設定してもよい。また、所定件数は、ユーザが任意に設定できるように構成されていてもよい。
【0031】
また、予測部205は、商材の将来売上以外にも種々の指標を予測する。例えば、予測部205は、LTV利益(将来利益)、LTV利益(合計)(将来利益)、ROI(将来費用対効果)を広告単位で予測する。なお、予測部205は、商材のLTV利益、LTV利益(合計)、ROIを下記(2)式~(4)式に基づいて予測する。
[LTV利益]=[F1平均売上]×[F1限界利益率]+[F2平均売上]×[F2転換率]×[F2限界利益率]+[F3以降平均売上] ×[F2転換率]×[F3転換率]×[F3限界利益] -[新規CPA]・・・(2)
[LTV利益(合計)]=[LTV利益]×[新規CV]・・・(3)
[ROI]=[LTV利益(合計)]/[コスト]・・・(4)
図6は、図4に示した運用実績から予測部205が広告単位で予測した商材のLTV利益、LTV利益(合計)、ROIの値を示す図である。
【0032】
算出部206は、予測部205が予測した商材の将来利益に基づいて、商材の投資回収期間を算出する。この際、算出部206は、受信部201(第2受付部)が受信した(受け付けた)商材の1件当たりの成約コスト(CPA)及び購入継続性(例えば、F2転換率)の少なくとも一方に基づいて、商材の投資回収期間を算出する。
ここで、算出部206は、例えば、下記(5)式を満たす期間を投資回収期間として算出する。つまり、本実施形態では、算出部206は、LTV利益がゼロとなる時点までの期間を投資回収期間として算出する。
[LTV利益]=0・・・(5)
【0033】
助言生成部207は、予測部205が予測した商材の将来売上又は将来利益に基づいて、商材の将来売上を改善するための助言を生成する。助言生成部207は、例えば、任意の指標(例えば、ROI(将来利益から算出可能な指標である))が所定の値(例えば、10%)未満となっている広告の予算を、任意の指標(例えば、ROI)が最も高い広告に切り替える助言を生成する。
【0034】
認証部208は、ユーザ端末3から送信されるログインIDとパスワードの組み合わせが、記憶装置200BのユーザDB1に記憶されているログインIDとパスワードの組み合わせと一致するかどうかを判定し、一致する場合にはログインを許可し、一致しない場合にはログインを許可しない。
【0035】
(ユーザ端末3)
図7は、ユーザ端末3のハード構成及び機能構成の一例を示す図である。ユーザ端末3は、PC(Personal Computer)や携帯端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末)などである。ユーザ端末3は、図7(a)に示すように、通信IF300A、記憶装置300B、入力装置300C、表示装置300D、CPU300Eがバスを介して接続された構成を備える。
【0036】
通信IF300Aは、サーバ2と通信するためのインターフェースである。
【0037】
記憶装置300Bは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体記憶装置(SSD: Solid State Drive)である。記憶装置300Bには、ユーザ端末3の識別子が記憶されている。この識別子は、ユーザ端末3から送信される情報に付与される。なお、本実施形態では、サーバ2が各ユーザ端末3に対して識別子を決定・付与しているが、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスなどを識別子として利用してもよい。該識別子により、サーバ2はどのユーザ端末3から情報が送信されたかを判別できる。
【0038】
入力装置300Cは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどであり、ユーザは、入力装置300Cを操作して、情報処理システム1の運用に必要な情報を入力する。
【0039】
表示装置300Dは、例えば、液晶モニタや有機ELモニタなどである。表示装置300Dは、サーバ2から送信される情報に基づいて画面を表示する。
【0040】
CPU300Eは、ユーザ端末3を制御し、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えている。
【0041】
図7(b)に示すように、ユーザ端末3は、受信部301、送信部302、記憶装置制御部303、入力装置制御部304、表示装置制御部305などの機能を備える。なお、図7(b)に示す機能は、ユーザ端末3のROM(不図示)に記憶された情報処理プログラムをCPU300Eが実行することにより実現される。
【0042】
受信部301は、サーバ2から送信される情報を受信する。
【0043】
送信部302は、サーバ2へ情報を送信する。
【0044】
記憶装置制御部303は、記憶装置300Bを制御する。具体的には、記憶装置制御部303は、記憶装置300Bへの情報の書き込みや読み出しを行う。
【0045】
入力装置制御部304は、入力装置300Cを制御する。具体的には、入力装置制御部304は、入力装置300Cで入力された情報を受け付ける。
【0046】
表示装置制御部305は、表示装置300Dを制御する。具体的には、表示装置制御部305は、サーバ2から送信される情報に基づいて表示装置300Dへ画面を表示させる。
【0047】
(表示画面)
図8図10は、実施形態に係るユーザ端末3の表示装置300Dに表示される画面の一例を示す図である。なお、図8図10に示す画面はあくまで一例であり、図8図10に示す例に限られない。以下、図8図10を参照してユーザ端末3の表示装置300Dに表示される画面の一例について説明する。
【0048】
(画面G1)
図8は、F2転換対象期間及びF3転換対象期間を設定するための画面の一例である。商材の将来売上の予想には、運用実績を利用するが、無期限で過去の運用実績を利用すると長期間のデータがないと正確な予測をすることが難しい。運用実績をどの程度の期間利用するかを設定するための画面(UI)が画面G1である。
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、対応するラジオボタンを選択することで、F2転換対象期間11(本実施形態では30日/60日/90日/120日から選択するが、これに限られない)及びF3転換対象期間12(本実施形態では30日/60日/90日/120日から選択するが、これに限られない)を設定することができる。
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作してキャンセルボタンB11を選択することで、F2転換対象期間11及びF3転換対象期間12の設定をキャンセルすることができる。
また、ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作してOKボタンB12を選択することで、ラジオボタンにより選択したF2転換対象期間11及びF3転換対象期間12の設定が確定する。
なお、図8に示す画面G1は、あくまでF2転換対象期間11及びF3転換対象期間12を設定するため画面の一例であり、F2転換対象期間11及びF3転換対象期間12を設定できれば他の態様の画面であってもよい。
【0049】
(画面G2)
図9は、F1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間、適用開始年月などを設定するための画面の一例である。これら限界利益率は、商材の将来売上を予測する変数となるが、商材のオファー毎に限界利益率や投資回収期間は違う値となる。商材のオファー毎に異なるこれら限界利益率及び目標投資回収期間を設定する画面(UI)が画面G2である。
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、入力枠21~24にそれぞれ数値を入力することで、F1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間を設定することができる。また、入力枠25A及び25Bに数値を入力することで適用開始年月を設定することができる。
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作してキャンセルボタンB21を選択することで、F1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間、適用開始年月の少なくとも1以上の設定をキャンセルすることができる。
また、ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作してOKボタンB22を選択することで、F1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間、適用開始年月の少なくとも1以上の設定が確定する。
なお、図9に示す画面G2は、あくまでF1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間、適用開始年月の少なくとも1以上を設定するため画面の一例であり、F1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間、適用開始年月の少なくとも1以上を設定できれば他の態様の画面であってもよい。
なお、目標投資回収期間は、例えば、算出された実績又は予測の投資回収期間と比較するために入力される。算出された実績又は予測の投資回収期間と入力した目標投資回収期間とを比較し、算出された投資回収期間が目標投資回収期間内であれば問題なし、算出された投資回収期間が目標投資回収期間以上であれば問題あり、といった利用が可能となる。
また、算出された実績又は予測の投資回収期間と入力した目標投資回収期間とを比較する比較部をサーバ2に備え、サーバ2の送信部202が比較部での比較結果をユーザ端末3へ送信するようにしてもよい。
【0050】
(画面G3)
図10は、CPA及びF2転換率を変化させた際の投資回収期間の変化を確認するための画面の一例である。画面G3では、CPA及びF2転換率の少なくとも一方を変化させることによる投資回収期間への影響を確認することができ、商材の将来売上の予測値の微調整やCPA及びF2転換率の設計に活用することができる。
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、入力枠31及び32にそれぞれ数値を入力することで、CPA、F2転換率を設定することができる。ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して再計算ボタンB31を選択することで、入力枠31及び32に入力したCPA、F2転換率に基づいて投資回収期間が算出され、結果が表示される。
【0051】
(サーバ2の処理)
図11図15は、実施形態に係るサーバ2の処理の一例を示すフローチャートである。以下、図11図15を参照して、実施形態に係るサーバ2の処理について説明するが、図1図10を参照して説明した構成と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
(ユーザ登録処理)
図11は、実施形態に係る情報処理システム1のユーザ登録処理を示すフローチャートである。以下、図11を参照して、情報処理システム1のユーザ登録処理について説明する。
【0053】
(ステップS101)
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作してユーザ情報を入力する。なお、ログインIDは、サーバ2が重複しないものを自動で発行するようにしてもよい。入力されたユーザ情報は、送信部302によりネットワーク4を介してサーバ2へ送信される。サーバ2の受信部201は、ユーザ端末3から送信されたユーザ情報を受信する。
【0054】
(ステップS102)
サーバ2の記憶装置制御部303は、受信部201が受信したユーザ情報をユーザIDに関連付けて記憶装置200Bへ記憶する。
【0055】
(設定処理)
図12は、実施形態に係る情報処理システム1の設定処理を示すフローチャートである。以下、図12を参照して、情報処理システム1の設定処理について説明する。
【0056】
(ステップS201)
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、ログインIDおよびパスワードを入力する。入力したログインIDおよびパスワードは、送信部302によりネットワーク4を介してサーバ2へ送信される。
サーバ2の認証部208は、ユーザ端末3から送信されるログインIDとパスワードの組み合わせが、記憶装置200BのユーザDB1に記憶されているログインIDとパスワードの組み合わせと一致するかどうかを判定する。
ログインIDとパスワードの組み合わせが一致しない場合(S201のNO)、認証部208は、処理を終了する。なお、認証部208は、処理を終了する前にログインエラーをユーザ端末3の表示装置300Dに表示させるようにしてもよい。
また、ログインIDとパスワードの組み合わせが一致する場合(S201のYES)認証部208は、サーバ2へのログインを許可する。
【0057】
(ステップS202)
サーバ2は、F2転換対象期間及びF3転換対象期間を設定するための画面情報(図8に示す画面G1を表示させるための情報)を生成し、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ送信する。ネットワーク4を介してサーバ2から送信された画面情報は、ユーザ端末3の表示装置300Dに表示される。ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、必要に応じてF2転換対象期間及びF3転換対象期間の設定を入力する。入力した設定は、送信部302によりネットワーク4を介してサーバ2へ送信される。サーバ2の受信部201は、ネットワーク4を介してユーザ端末3から送信された設定を受信する。
【0058】
(ステップS203)
サーバ2の記憶装置制御部303は、受信部201が受信した設定をユーザIDに関連付けて記憶装置200Bへ記憶する。
【0059】
(ステップS204)
サーバ2は、F1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間、適用開始年月などを設定するための画面情報(図9に示す画面G2を表示させるための情報)を生成し、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ送信する。ネットワーク4を介してサーバ2から送信された画面情報は、ユーザ端末3の表示装置300Dに表示される。ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、必要に応じてF1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間、適用開始年月などの設定を入力する。入力した設定は、送信部302によりネットワーク4を介してサーバ2へ送信される。サーバ2の受信部201は、ネットワーク4を介してユーザ端末3から送信された設定を受信する。
【0060】
(ステップS205)
サーバ2の記憶装置制御部303は、受信部201が受信した設定をユーザIDに関連付けて記憶装置200Bへ記憶する。
【0061】
なお上記説明では、図8に示す画面G1の設定後、続けて図9に示す画面G2の設定を行っているが、画面G1(図8)の設定と画面G2(図9)の設定とを分けて設定する構成であってもよい。
【0062】
(予測処理)
図13は、実施形態に係る情報処理システム1の予測処理を示すフローチャートである。以下、図13を参照して、情報処理システム1の予測処理について説明する。
【0063】
(ステップS301)
サーバ2の予測部205は、図12を参照して説明した設定、具体的には、F2転換対象期間、F3転換対象期間、F1限界利益率、F2限界利益率、F3限界利益率、目標投資回収期間、適用開始年月などの設定をユーザDB1から読み込む。なお、図12を参照して説明した設定は、必要に応じて入力されるため、設定されてない場合は読み込まれない。
【0064】
(ステップS302)
サーバ2の予測部205は、ステップS301で読み込んだ設定に基づいて、運用実績から所定の広告単位で運用実績(例えば、クリック数、新規CV、新規CVR、コスト、CPA、F2転換率、F3転換率など。なお上述したように、CVRやCPAなど他の指標から算出可能な指標は、取得した他の指標から算出してもよい)を集計する。
【0065】
(ステップS303)
サーバ2の予測部205は、集計した運用実績が所定件数(例えば、100件)以上であるか否かを指標ごとに判定する。全ての指標が所定件数以上である場合(S303のYES)、予測部205は、ステップS305の処理を実行する。所定件数以上でない指標がある場合(S303のNO)、予測部205は、ステップS304の処理を実行する。
【0066】
(ステップS304)
サーバ2の予測部205は、集計する広告単位を以下の順に変化させた後、再度ステップS303の処理へ戻る。
(1)商材+オファー+媒体種別
(2)商材+オファー
(3)商材
(4)アカウント(全体)
【0067】
ステップS303及びS304の処理を繰り返すことにより、サーバ2の予測部205は、全ての指標の運用実績が所定件数(例えば、100件)以上となるまで集計する広告単位を変化させる。
【0068】
(ステップS305)
予測部205は、集計した運用実績に基づいて商材の将来売上を予測する。また、予測部205は、商材の将来利益、例えば、商材のLTV利益、LTV利益(合計)、ROI(本実施形態の商材の将来利益に含む)を広告単位で予測する。なお、商材の将来売上、LTV利益、LTV利益(合計)、ROIの予測については既に述べたので重複する説明を省略する。
【0069】
(ステップS306)
サーバ2の送信部202は、予測部205が生成した予測を送信する。また、サーバ2の記憶装置制御部203は、記憶装置200Bの運用実績DB2に予測部205が生成した予測を記憶させる。
【0070】
(ステップS307)
ユーザ端末3の受信部301は、サーバ2から送信された予測を受信する。表示装置制御部305は、受信部301が受信した予測を表示装置300Dへ表示させる。
【0071】
なお上記説明では、図12に示す設定処理と図13に示す予測処理とを分けて説明しているが、設定処理(図12)のあとに、続けて予測処理(図13)を実行する構成であってもよい。また、ステップS301の設定の読み込みは、ステップS303後に実行してもよい。
【0072】
(投資回収期間算出処理)
図14は、実施形態に係る情報処理システム1の投資回収期間算出処理を示すフローチャートである。以下、図14を参照して、情報処理システム1の投資回収期間算出処理について説明する。
【0073】
(ステップS401)
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、ログインIDおよびパスワードを入力する。入力したログインIDおよびパスワードは、送信部302によりネットワーク4を介してサーバ2へ送信される。
サーバ2の認証部208は、ユーザ端末3から送信されるログインIDとパスワードの組み合わせが、記憶装置200BのユーザDB1に記憶されているログインIDとパスワードの組み合わせと一致するかどうかを判定する。
ログインIDとパスワードの組み合わせが一致しない場合(S401のNO)、認証部208は、処理を終了する。なお、認証部208は、処理を終了する前にログインエラーをユーザ端末3の表示装置300Dに表示させるようにしてもよい。
また、ログインIDとパスワードの組み合わせが一致する場合(S401のYES)認証部208は、サーバ2へのログインを許可する。
【0074】
(ステップS402)
サーバ2は、CPA及びF2転換率を変化させた際の投資回収期間の変化を確認するための画面情報(図10に示す画面G3を表示させるための情報)を生成し、ネットワーク4を介してユーザ端末3へ送信する。ネットワーク4を介してサーバ2から送信された画面情報は、ユーザ端末3の表示装置300Dに表示される。ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、必要に応じてCPA及びF2転換率の少なくとも一方の設定を入力する。入力した設定は、送信部302によりネットワーク4を介してサーバ2へ送信される。サーバ2の受信部201は、ネットワーク4を介してユーザ端末3から送信された設定を受信する。
【0075】
(ステップS403)
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置300Cを操作して、図10の画面G3に表示された再計算ボタンB31を選択する。入力した選択情報は、送信部302によりネットワーク4を介してサーバ2へ送信される。サーバ2の受信部201は、ネットワーク4を介してユーザ端末3から送信された選択情報を受信する。
受信部201が選択情報を受信すると、サーバ2の算出部206は、受信部201(第2受付部)が受信した(受け付けた)商材の1件当たりの成約コスト(CPA)及び購入継続性(F2転換率、F3転換率)の少なくとも一方に基づいて、商材の投資回収期間を算出する。
【0076】
(ステップS404)
サーバ2の送信部202は、算出部206が算出した投資回収期間を送信する。
【0077】
(ステップS404)
ユーザ端末3の受信部301は、サーバ2から送信された投資回収期間を受信する。表示装置制御部305は、受信部301が受信した投資回収期間を表示装置300Dへ表示させる。
【0078】
(助言生成処理)
図15は、実施形態に係る情報処理システム1の助言生成処理を示すフローチャートである。以下、図15を参照して、情報処理システム1の助言生成処理について説明する。
【0079】
(ステップS501)
サーバ2の助言生成部207は、予測部205が予測した指標、例えば、ROIが所定の値(例えば、10%)未満となっているか否かを判定する。所定の値(例えば、10%)未満となっている場合(S501のYES)、助言生成部207は、ステップS502の処理を実行する。また、所定の値(例えば、10%)未満となっていない場合(S501のNO)、助言生成部207は、助言生成処理を終了する。
【0080】
(ステップS502)
助言生成部207は、予測部205が予測した商材の将来売上又は将来利益に基づいて、商材の将来売上又は将来利益を改善するための助言を生成する。助言生成部207は、例えば、任意の指標(例えば、ROI)が所定の値(例えば、10%)未満となっている広告の予算を、任意の指標(例えば、ROI)が最も高い広告に切り替える助言を生成する。
【0081】
(ステップS503)
サーバ2の送信部202は、助言生成部207が生成した助言を送信する。
【0082】
(ステップS504)
ユーザ端末3の受信部301は、サーバ2から送信された助言を受信する。表示装置制御部305は、受信部301が受信した助言を表示装置300Dへ表示させる。
【0083】
以上のように、実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)は、運用実績を取得する実績取得部204(取得部)と、運用実績に基づいて、広告の対象である商材の将来売上又は将来利益を広告ごとに予測する予測部205と、を備える。
このため、より高い精度で商材の将来売上又は将来利益を予測することができる。
【0084】
実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)の予測部205は、所定の広告単位で運用実績を集計し、集計した広告の運用実績が所定件数に満たない場合、広告の運用実績が所定件数以上となるように広告単位を変化させる。
このように商材の将来売上又は将来利益を予測するための件数(n数)が少ない場合に、商材の将来売上又は将来利益を予測するための件数(n数)が所定件数となるように広告単位を変化させて商材の将来売上又は将来利益を予測するので、予測精度の向上が期待できる。
【0085】
広告の運用実績は2以上の指標(例えば、クリック数、新規CV、新規CVR、コスト、CPA、F2転換率、F3転換率など)が含まれている。
そして、サーバ2の予測部205は、指標ごとに広告の運用実績が所定件数を満たすか否かを判断する。
このため、より正確に商材の将来売上又は将来利益を予測するための件数(n数)を集計することができる。
【0086】
運用実績には、商材の購入継続性、例えば、F2転換率やF3転換率が含まれる。そして、実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)の予測部205は、商材の購入継続性に基づいて商材の将来売上又は将来利益を予測する。
このため、商材の将来売上又は将来利益の予測精度の向上が期待できる。
【0087】
実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)は、商材の購入継続性の算出期間(例えば、30日、60日、90日など)を受信する受信部201(第1受付部)を備える。そして、サーバ2の予測部205は、受信部201が受信した算出期間に基づいて、商材の将来売上又は将来利益を予測する。
このように、例えば、商材の内容量や数量等(例えば、何日分かなど)に合わせて購入継続性の算出期間を変更することができるので利便性が向上する。
【0088】
実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)は、商材の1件当たりの成約コスト(CPA)と、商材の購入継続性(例えば、F2転換率やF3転換率など)との少なくとも一方を受信する受信部201(第2受付部)と、予測部205が予測した商材の将来利益に基づいて、商材の投資回収期間を算出する算出部206とを備える。そして、算出部206は、受信部201が受信した商材のCPAと、購入継続性との少なくとも一方に基づいて、商材の投資回収期間を算出する。
このように、商材のCPAや購入継続性を変更した場合に、商材の投資回収期間がどのように変化するのかを確認することができるため利便性が向上する。
【0089】
実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)は、商材の限界利益率及び投資回収期間の少なくとも一方の設定を受信する受信部201(第3受付部)を備える。そして、サーバ2の予測部205は、受信部201が受信した商材の限界利益率及び投資回収期間の少なくとも一方に基づいて、商材の将来売上又は将来利益を予測する。
このように、商材の限界利益率及び投資回収期間を変更した場合に、商材の将来売上又は将来利益がどのように変化するのかを確認することができるため利便性が向上する。
【0090】
実施形態に係るサーバ2(情報処理装置)は、予測部205が予測した商材の将来売上又は将来利益に基づいて、商材の将来売上又は将来利益を改善するための助言を生成する助言生成部207を備える。
このように、商材の将来売上又は将来利益を改善するための助言が生成されるので利便性が向上する。
【0091】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて適宜に設計変更して具体化できる。
例えば、上記実施形態では、商材の購入継続性に基づいて顧客商材価値を予測しているが、商材の購入継続性と逆相関性を有する指標、例えば、購入の離脱性(離脱率)などに基づいて顧客商材価値を予測してもよい。
【0092】
また、予測部205が予測した予測結果と、実際の結果との比較のために、サーバ2の記憶装置200Bに予測結果DB(不図示)を備え、予測部205による予測結果(例えば、図6に示す情報)を予測した期間(日付)の情報に関連付けて予測結果DBに記憶させてもよい。
そして、ユーザ端末3から期間を指定すると、サーバ2の送信部202は、指定された期間に対応する予測部205による(過去の)予測結果を予測結果DBから取得し、実際の結果を運用実績DB2から取得して、ユーザ端末3へ送信する。
ユーザ端末3の表示装置制御部305は、サーバ2から送信された予測結果及び実際の結果を比較可能な態様で表示装置300Dへ表示させる。
【0093】
この場合、予測部205で予測された予測結果と、実際の結果とを比較することができ、予測精度を確認することができるので利便性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、より高い精度で商材の将来売上又は将来利益を予測できるので広告の運用等に好適である。
【符号の説明】
【0095】
1 情報処理装置システム
2 サーバ(情報処理装置)
200A 通信IF
200B 記憶装置
200C CPU
201 受信部(第1~第3受付部)
202 送信部(出力部)
203 記憶装置制御部
204 実績取得部(取得部)
205 予測部
206 算出部
207 助言生成部
208 認証部
3 ユーザ端末
300A 通信IF
300B 記憶装置
300C 入力装置
300D 表示装置
300E CPU
301 受信部
302 送信部
303 記憶装置制御部
304 入力装置制御部
305 表示装置制御部
4 ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15