(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191865
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221221BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100345
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川邉 雄一朗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、残額で購入可能な商品を把握可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、予算情報を取得する予算取得手段と、購入する商品の価格を取得する価格取得手段と、前記予算情報と前記商品の価格から残額を算出する残額算出手段と、前記残額で購入可能な商品を抽出する商品抽出手段と、抽出した商品の商品情報を出力する商品出力手段と、を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予算情報を取得する予算取得手段と、
購入する商品の価格を取得する価格取得手段と、
前記予算情報と前記商品の価格から残額を算出する残額算出手段と、
前記残額で購入可能な商品を抽出する商品抽出手段と、
抽出した商品の商品情報を出力する商品出力手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記残額が所定金額以下となったかを判断する閾値判断手段、
をさらに備え、
前記商品抽出手段は、前記残額が所定金額以下となったと前記閾値判断手段が判断した場合に、前記残額で購入可能な商品を抽出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
顧客を特定する顧客特定情報を取得する顧客情報取得手段と、
顧客別に当該顧客の購入履歴情報を記憶する履歴記憶部と、
をさらに備え、
前記商品抽出手段は、取得した前記顧客特定情報で特定される顧客の購入履歴情報に基づいて前記残額で購入可能な商品を抽出する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記価格取得手段は、移動可能な端末装置において入力された商品に係る情報に基づいて前記端末装置から前記価格を取得する、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項5】
商品毎に、商品が陳列されている領域を記憶する領域情報部と、
前記端末装置が店内のどの領域に位置しているかを示す領域情報を取得する領域情報取得手段と、
をさらに備え、
前記商品抽出手段は、取得した前記領域情報の前記領域に陳列された商品について、前記残額で購入可能な商品を抽出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置としてのコンピュータを、
予算情報を取得する予算取得手段と、
購入する商品の価格を取得する価格取得手段と、
前記予算情報と前記商品の価格から残額を算出する残額算出手段と、
前記残額で購入可能な商品を抽出する商品抽出手段と、
抽出した商品の商品情報を出力する商品出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗において、予め決められた予算内で買い物をしようとする場合には、今までにカゴやカートに入れた商品の合計額に基づいて予算に対する残額を算出して、当該残額に基づいて購入可能な商品を探していた。
【0003】
しかしながら、店内に陳列された商品から残額で購入可能な商品を探すことは顧客の負担となっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、残額で購入可能な商品を容易に把握可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、予算情報を取得する予算取得手段と、購入する商品の価格を取得する価格取得手段と、前記予算情報と前記商品の価格から残額を算出する残額算出手段と、前記残額で購入可能な商品を抽出する商品抽出手段と、抽出した商品の商品情報を出力する商品出力手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る店舗内を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るシステムを示す図である。
【
図4】
図4は、カート端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、顧客マスタの構成を示すメモリマップである。
【
図7】
図7は、領域情報部の構成を示すメモリマップである。
【
図8】
図8は、予算情報部の構成を示すメモリマップである。
【
図9】
図9は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、カート端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図12】
図12は、サーバの制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、購入可能商品抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。実施形態では、例えばスーパーマーケット、ホームセンター、衣料品店、コンビニエンスストア等の店舗に設置された店舗サーバ(以降「サーバ」という)を情報処理装置の一例として説明する。また、店舗内を移動しながら購入する商品を入れるカートに設置されたカート端末を端末装置の一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
図1は、実施形態に係る店舗内を示す図である。
図1に示すように、店舗S内には、複数の棚91(実施形態では、棚911、棚912、棚913)が設置されている。棚91には、店舗Sで販売する商品が商品別に区分けされて陳列されている。実施形態では、棚911と棚912と棚913は略等間隔で設置されている。各棚91付近には領域93(実施形態では、領域931、領域932、領域933)が設けられている。領域93はカートKが移動可能な通路である。また、各棚91には、ビーコン発信機92が設けられる。ビーコン発信機92は、ビーコン発信機92が取り付けられた近辺の領域を示す領域情報を発信する。また、店舗Sの精算エリアには、1台または複数台のPOS(Point of Sales)端末7が設置される。また、店舗Sのバックヤードには、サーバ3が設置される。顧客は、店舗Sの入り口でカートKを受け取り、店内を移動させて買い物を行う。カートKにはカート端末1(
図3を参照)が取り付けられている。
【0009】
カート端末1は、入力された予算金額を示す予算情報をサーバ3に送信する。また、カート端末1は、商品に付されたシンボルを読み取り、商品の価格をサーバ3に送信する。また、カート端末1は、ビーコン発信機92から領域情報を受信し、当該領域情報をサーバ3に送信する。受信した領域情報は、カート端末1(すなわちカートK)が現在いる領域である。
【0010】
また、カート端末1は、残額で購入可能な商品の商品情報(商品コード、商品名、価格)をサーバ3から受信して表示する。
【0011】
また、カート端末1は、商品登録処理を実行する。商品登録処理とは、商品に付されたシンボルを読み取って取得した商品コードに基づいて当該商品の商品名や価格等の商品情報を呼び出して表示し、商品情報部133(
図4を参照)に記憶する処理を含む。カート端末1は、商品登録処理した商品の商品情報をサーバ3に送信する。
【0012】
サーバ3は、店舗Sにおける売上を管理する。また、サーバ3は、カート端末1別に予算および購入する商品の金額を記憶して、残額を算出する。また、サーバ3は、残額で購入可能な商品を抽出する。サーバ3は、顧客が過去に購入した購入履歴と、カートKが位置している領域に陳列された商品の情報に基づいて、残額で購入可能な商品を抽出する。サーバ3は、抽出した商品の商品情報をカート端末1に送信する。
【0013】
POS端末7は、カートKに入れた商品について、決済処理を実行する。決済処理とは、サーバ3で商品登録処理した商品の商品情報に基づいて、顧客との取引に係る合計金額や釣銭額(これらを以降「決済情報」という)を表示し、現金または非現金での金銭の支払いを行う処理をいう。決済処理には、決済した商品の商品情報や決済情報を印字したレシートを発行する処理を含む。
【0014】
次に、店舗Sに設置されたシステム10について説明する。
図2は、実施形態に係るシステム10を示す図である。
図2に示すように、システム10は、1台または複数台のカート端末1、サーバ3、中継器5、1台または複数台のPOS端末7を備える。サーバ3は、主に店舗Sのバックヤードに設置される。POS端末7は、店舗Sの精算部に設置される。中継器5は、店舗Sの天井や柱等の電波の送受信がし易い場所(電波の送受信に対し障害物からの影響を受けにくい位置)に設置される。サーバ3とPOS端末7は、LAN(Local Area Network)回線等の通信回線Lで接続される。中継器5は、サーバ3およびPOS端末7と通信回線Lで接続される。
【0015】
カート端末1は、例えばPDA(Personal Data Assistant)、タブレット端末等の携帯可能な端末装置である。また、カート端末1は、携帯端末やスマートフォン等の携帯可能な端末装置であってもよい。
【0016】
カート端末1は、中継器5と無線通信回線6で接続される。また、カート端末1は、ビーコン発信機92から発信される電波である領域情報を受信する。
【0017】
次に、カートKについて説明する。
図3は、カートKを示す説明図である。
図3に示すように、カートKは、店舗S内を移動しながら陳列されている商品のうち顧客が購入する商品を入れる器具である。カートKは、収納部26、キャスター27、取っ手28、計量部22を備える。顧客が取っ手28を担持して押すことで、キャスター27が回転し、カートKは移動する。収納部26は、商品を収納する。計量部22は、入れられた商品の重量を計量する。
【0018】
また、カートKは、スキャナ21を備える。スキャナ21は、商品に付されたバーコードや二次元コード等のシンボルを読み取る。スキャナ21は、シンボルを撮像して読み取るか、光学的に読み取る。また、カートKは、取っ手28にカート端末1が取り付けられる。カート端末1のハードウェア構成は、
図4で後述する。
【0019】
顧客は、店舗Sの入り口でカートKを受け取り、入店する。入店した顧客は、カートKを、領域93を移動させながら、購入する商品を棚91から取り出してカートK内に入れる。顧客は、領域931を移動するカートKに、棚911および棚912の左列に陳列されている商品を入れる。顧客は、領域932を移動するカートKに、棚912の右列および棚913の左列に陳列されている商品を入れる。顧客は、領域933を移動するカートKに、棚913の右列に陳列されている商品を入れる。
【0020】
また、棚91には、ビーコン発信機92が設けられている。ビーコン発信機92は、特定の領域内に位置するカートKに取り付けられたカート端末1(
図3を参照)に対して、領域情報を発信する。実施形態では、棚911にはビーコン発信機921が設けられる。ビーコン発信機921は、領域931内に位置するすべてのカート端末1に対して、領域931であることを示す領域情報を発信する。また、棚912にはビーコン発信機922が設けられる。ビーコン発信機922は、領域932内に位置するすべてのカート端末1に対して、領域932であることを示す領域情報を発信する。また、棚913にはビーコン発信機923が設けられる。ビーコン発信機923は、領域933内に位置するすべてのカート端末1に対して、領域933であることを示す領域情報を発信する。カート端末1は、受信した領域情報をサーバ3に送信する。
【0021】
購入するすべての商品をカートKに入れた顧客は、POS端末7で決済処理を行う。POS端末7は、現金、または非現金による決済処理を実行する。
【0022】
ここからは、カート端末1のハードウェア構成について説明する。
図4は、カート端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、カート端末1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリ部14等を備えている。CPU11は制御主体となる。ROM12は各種プログラムを記憶する。RAM13はプログラムや各種データを展開する。メモリ部14は各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するカート端末1の制御処理を実行する。
【0023】
RAM13は、予算記憶部131、購入可能商品記憶部132、商品情報部133、領域情報部134、顧客ID部135を備えている。予算記憶部131は、例えば後述する操作部17に備えられた置数キーから入力された予算額を記憶する。購入可能商品記憶部132は、残額で購入可能な商品の情報をサーバ3から受信して記憶する。なお、購入可能商品記憶部132は、サーバ3から受信した残額の情報も記憶する。商品情報部133は、カート端末1で商品登録処理された商品の商品情報を記憶する。領域情報部134は、各領域93(領域931、領域932、領域933のうちのいずれか一つの領域)を示すビーコン発信機92から発信された領域情報を記憶する。領域情報部134は、カート端末1(すなわちカートK)が領域931に位置している場合は、ビーコン発信機921が発信する領域情報を受信して記憶する。また、領域情報部134は、カート端末1(すなわちカートK)が領域932に位置している場合は、ビーコン発信機922が発信する領域情報を受信して記憶する。また、領域情報部134は、カート端末1(すなわちカートK)が領域933に位置している場合は、ビーコン発信機923が発信する領域情報を受信して記憶する。顧客ID部135は、後述するカードリーダ20が読み取った、顧客を特定する顧客ID(Identity)を記憶する。
【0024】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、カート端末1を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム部141、商品マスタ142、カート番号部143を記憶する。商品マスタ142は、商品を特定する商品コードに対応付けて、当該商品の商品情報を記憶する。カート番号部143は、当該カート端末1が取り付けられたカートKを特定するカート番号を記憶する。あるいは、カート端末1を特定するカート端末番号を記憶してもよい。実施形態では、カート番号部143はカートKを特定するカート番号を記憶する。
【0025】
また、制御部100は、バス15およびコントローラ16を介して、操作部17、表示部18、ビーコン受信部19、カードリーダ20、スキャナ21、計量部22と接続している。コントローラ16は、制御部100からの指示を受けて、操作部17、表示部18、ビーコン受信部19、カードリーダ20、スキャナ21、計量部22を制御する。ただし、説明の都合上、コントローラ16が行う制御を制御部100が行うとして説明する。
【0026】
操作部17は、置数キーの他に、例えばスタートキー171、終了キー172、予算キー173等のキーボードを備えたタッチパネルであり、カート端末1の操作者である顧客が操作する。スタートキー171は、カート端末1の使用を開始する際(すなわち、店舗S内での買い物を開始する際)に操作する。終了キー172は、店舗S内での買物を終了し、POS端末7で決済を行う際に操作する。予算キー173は、予算額を入力する際に置数キーとともに操作する。表示部18は例えば液晶表示器であり、カート端末1の操作者に対して、例えば後述する予算額に対する残額や購入可能商品等を含む情報を表示する。
【0027】
ビーコン受信部19は、ビーコン発信機92が発信する領域情報を受信する。カードリーダ20は、後述する顧客カード等から顧客を特定する顧客IDを読み取る。スキャナ21は、商品に付されたシンボルを読み取る。計量部22は、収納部26に入れられている商品の総重量を計量する。
【0028】
また、制御部100は、バス15を介して、通信部23と接続している。通信部23は、無線通信回線6を介して、サーバ3およびPOS端末7と接続する。通信部23は、無線通信回線6、中継器5、通信回線Lを介して、サーバ3およびPOS端末7と情報の送受信を行う。
【0029】
ここからは、サーバ3のハードウェア構成について説明する。
図5は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ3は、CPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34等を備えている。CPU31は制御主体となる。ROM32は各種プログラムを記憶する。RAM33はプログラムや各種データを展開する。メモリ部34は各種プログラムを記憶する。CPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34は、互いにバス35を介して接続されている。CPU31とROM32とRAM33が、制御部300を構成する。すなわち、制御部300は、CPU31がROM32やメモリ部34に記憶されRAM33に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するサーバ3の制御処理を実行する。
【0030】
RAM33は、予算情報部331を備えている。予算情報部331は、カート端末1から受信した予算額の情報等をカート番号別に記憶する。予算情報部331については
図8で後述する。
【0031】
メモリ部34は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、サーバ3を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム部341、顧客マスタ342、領域情報部343を有する。顧客マスタ342は、顧客の情報を顧客IDに対応付けて顧客別に記憶する。顧客マスタ342については
図6で後述する。領域情報部343は、領域情報別に、当該領域情報で特定される領域内の棚91に陳列されている商品の商品情報を記憶する。すなわち領域情報部343は、商品が陳列されている領域を記憶する。領域情報部343については
図7で後述する。
【0032】
また、制御部300は、バス35およびコントローラ36を介して、操作部37、表示部38と接続している。コントローラ36は、制御部300からの指示を受けて、操作部37、表示部38を制御する。ただし、説明の都合上、コントローラ36が行う制御を制御部300が行うとして説明する。操作部37は例えばキーボードやタッチパネルであり、サーバ3の操作者が操作する。表示部38は例えば液晶表示器であり、サーバ3の操作者に対して情報を表示する。
【0033】
また、制御部300は、バス35を介して、通信部39と接続している。通信部39は、通信回線Lを介して、中継器5およびPOS端末7と接続する。通信部39は、通信回線Lを介してPOS端末7と情報の送受信を行う。また、通信部39は、通信回線L、中継器5および無線通信回線6を介して、カート端末1と情報の送受信を行う。
【0034】
ここからは、顧客マスタ342について説明する。
図6は、顧客マスタ342の構成を示すメモリマップである。
図6に示すように、顧客マスタ342は、顧客ID部3421、顧客情報部3422、購入履歴部3423(履歴記憶部)を有する。顧客ID部3421は、顧客を特定する顧客IDが記憶される。顧客情報部3422は、顧客ID部3421に記憶されている顧客IDに対応付けて、顧客ID部3421に記憶されている顧客IDで特定される顧客の諸情報(顧客名、年齢、住所、電話番号、所有する携帯端末やPCのアドレス、等)を記憶する。購入履歴部3423は、顧客ID部3421に記憶されている顧客IDに対応付けて、顧客ID部3421に記憶されている顧客IDで特定される顧客の購入履歴情報として、当該顧客が過去に購入した商品の商品情報を記憶する。すなわち購入履歴部3423は、顧客別に当該顧客の購入履歴情報を記憶する。
【0035】
次に、領域情報部343について説明する。
図7は、領域情報部343の構成を示すメモリマップである。
図7に示すように、領域情報部343は、領域番号部3431、商品コード部3432、商品名部3433、価格部3434を有する。領域番号部3431は、領域93のいずれか(実施形態では、領域931、領域932、領域933のいずれか)を示す領域番号を記憶する。実施形態では、領域番号部94311には、領域931を示す領域番号を記憶する。この領域番号は、ビーコン発信機921が発信した領域情報である。領域番号部94312には、領域932を示す領域番号を記憶する。この領域番号は、ビーコン発信機922が発信した領域情報である。領域番号部94313には、領域933を示す領域番号を記憶する。この領域番号は、ビーコン発信機923が発信した領域情報である。
【0036】
商品コード部3432は、領域番号部3431の領域に位置する棚91に陳列されている商品の商品コードを記憶する。領域番号部34311に対応した商品コード部34321には、領域931に位置する棚91(すなわち、棚911の右列と棚912の左列)に陳列された商品の商品コードが記憶される。領域番号部34312に対応した商品コード部34322には、領域932に位置する棚91(すなわち、棚912の右列と棚913の左列)に陳列された商品の商品コードが記憶される。領域番号部34313に対応した商品コード部34323には、領域933に位置する棚91(すなわち、棚913の右列)に陳列された商品の商品コードが記憶される。
【0037】
商品名部3433は、商品コード部3432に記憶された商品コードの商品の商品名を記憶する。商品名部34331には、商品コード部34321に記憶された商品コードにそれぞれ対応した商品の商品名を記憶する。商品名部34332には、商品コード部34322に記憶された商品コードにそれぞれ対応した商品の商品名を記憶する。商品名部34333には、商品コード部34323に記憶された商品コードにそれぞれ対応した商品の商品名を記憶する。
【0038】
価格部3434は、商品コード部3432に記憶された商品コードの商品の価格を記憶する。価格部34341には、商品コード部34321に記憶された商品コードにそれぞれ対応した商品の価格を記憶する。価格部34342には、商品コード部34322に記憶された商品コードにそれぞれ対応した商品の価格を記憶する。価格部34343には、商品コード部34323に記憶された商品コードにそれぞれ対応した商品の価格を記憶する。すなわち、領域情報部343を見れば、どの領域にどの商品が陳列されており、その商品の価格はいくらであるか、が分かる。
【0039】
次に、予算情報部331について説明する
図8は、予算情報部331の構成を示すメモリマップである。
図8に示すように、予算情報部331は、カート番号部3311、顧客ID部3312、領域情報部3313、購入商品部3314、予算部3315、残額部3316を有する。
【0040】
カート番号部3311は、カート端末1から送信されたカート番号を記憶する。顧客ID部3312は、カート端末1からカート番号と同時に送信された顧客IDを記憶する。この顧客IDは、当該カート番号で特定されるカートKを使用している顧客のIDである。
【0041】
領域情報部3313は、カート番号部3311に記憶されたカート番号のカートKが現在位置している領域を示す領域情報を記憶する。この領域情報は、ビーコン発信機92が発信している領域情報を当該領域に位置しているカート端末1が受信し、サーバ3に送信した情報である。購入商品部3314は、カート端末1において商品登録処理された商品の商品情報を記憶する。予算部3315は、カート端末1から送信された予算額を示す情報を記憶する。なお、予算部3315には、予算額に対する所定金額も記憶する。所定金額とは、残額がいくらになったら通知するかを示す閾値を示す金額である。所定金額は、固定された金額(例えば100円)であってもよいし、予算額に応じて変化する額(例えば予算額の10%の金額)であってもよい。残額部3316は、予算額に到達するまでにあといくら使用できるかの残額を示す情報を記憶する。残額は、予算額から商品登録処理された商品の価格の合計を減算した金額である。なお、値引きされる商品については、当該商品の価格から値引き額を減算した額を当該商品の新たな価格とする。
【0042】
すなわち、残額部3316に記憶されている残額をみれば、当該カート番号の顧客が、予算額に対してあといくら使えるかが分かる。
【0043】
ここからは、POS端末7のハードウェア構成について説明する。
図9は、POS端末7のハードウェア構成を示すブロック図である。
図7に示すように、POS端末7は、CPU71、ROM72、RAM73、メモリ部74等を備えている。CPU71は制御主体となる。ROM72は各種プログラムを記憶する。RAM73はプログラムや各種データを展開する。メモリ部74は各種プログラムを記憶する。CPU71、ROM72、RAM73、メモリ部74は、互いにバス75を介して接続されている。CPU71とROM72とRAM73が、制御部700を構成する。すなわち、制御部700は、CPU71がROM72やメモリ部74に記憶されRAM73に展開された制御プログラムに従って動作することによって、POS端末7の制御処理を実行する。
【0044】
RAM73は、商品情報部731を備えている。商品情報部731は、POS端末7において商品登録処理を行った商品の商品情報を記憶する。また、商品情報部731は、カート端末1において終了キー172が操作された場合に、カート端末1において商品登録処理を行った商品の商品情報をサーバ3から受信して記憶する。
【0045】
メモリ部74は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、POS端末7を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム部741、商品マスタ742を有する。商品マスタ742は、商品コード別に商品の商品情報を記憶する。
【0046】
また、制御部700は、バス75およびコントローラ76を介して、操作部81、オペレータ用表示部82、客用表示部83、読取部84、印字部85と接続している。コントローラ76は、制御部700からの指示を受けて、操作部81、オペレータ用表示部82、客用表示部83、読取部84、印字部85を制御する。ただし、説明の都合上、コントローラ76が行う制御を制御部700が行うとして説明する。操作部81は、キーボードやタッチパネルであり、POS端末7の操作者が操作する。オペレータ用表示部82は例えば液晶表示器であり、POS端末7を操作するオペレータ(操作者)に対して情報を表示する。客用表示部83は例えば液晶表示器であり、顧客に対して情報を表示する。読取部84は、商品に付されたシンボルを読み取るスキャナであって、スキャナ21と同等の構成を有する。印字部85は、決済処理された商品の商品情報や決済情報を印字したレシートを発行する。
【0047】
また、制御部700は、バス75を介して、通信部86と接続している。通信部86は、通信回線Lを介して、サーバ3と接続し、サーバ3と情報の送受信を行う。
【0048】
ここからは、カート端末1の制御について説明する。
図10は、カート端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示すように、カート端末1の制御部100は、スタートキー171が操作されたかを判断する(S11)。操作されるまで待機し(S11のNo)、スタートキー171が操作されたと判断した場合には(S11のYes)、制御部100は、カードリーダ20によって例えば顧客カードから顧客IDを読み取ったかを判断する(S12)。顧客IDを読み取ったと判断した場合には(S12のYes)、制御部100は、読み取った顧客IDを顧客ID部135に記憶する(S13)。そして制御部100は、S12に戻る。
【0049】
また、顧客IDの読み取りではないと判断した場合には(S12のNo)、制御部100は、操作部17に設けられた置数キーの操作と予算キー173の操作によって予算額の情報が入力されたかを判断する(S14)。予算額が入力されたと判断した場合には(S14のYes)、制御部100は、入力された予算額を予算記憶部131に記憶する(S15)。そして制御部100は、当該予算額を、カート番号部143に記憶された当該カートKを特定するカート番号および顧客ID部135に記憶された顧客IDとともにサーバ3に送信する(S16)。そして制御部100は、S12に戻る。
【0050】
また、予算額の入力ではないと判断した場合には(S14のNo)、制御部100は、ビーコン発信機92から領域情報を受信したかを判断する(S21)。ビーコン発信機92から領域情報を受信したと判断した場合には(S21のYes)、制御部100は、受信した領域情報を領域情報部134に記憶する(S22)。そして制御部100は、領域情報部134に記憶した領域情報を、カート番号部143に記憶されたカート番号および顧客ID部135に記憶された顧客IDとともにサーバ3に送信する(S23)。そして制御部100は、S12に戻る。なお、制御部100は、S21で受信した領域情報が領域情報部134にすでに記憶されている領域情報と同じ領域情報であると判断した場合には、S21においてNoの判断をする。制御部100は、S21で受信した領域情報が領域情報部134にすでに記憶されている領域情報と異なる領域情報であると判断した場合には、S21においてYesの判断をして、S22の処理とS23の処理を実行する。
【0051】
また、S21において、領域情報の受信ではない、または、領域情報部134にすでに記憶されている領域情報と同じ領域情報の受信であると判断した場合には(S21のNo)、制御部100は、サーバ3から購入可能商品の情報を受信したかを判断する(S24)。サーバ3から購入可能商品の商品情報を受信したと判断した場合には(S24のYes)、制御部100は、受信した購入可能商品の商品情報、および同時にサーバ3から受信した残額の情報を購入可能商品記憶部132に記憶する(S25)。そして制御部100は、購入可能商品記憶部132に記憶した残額と、当該残額で購入可能な商品の商品情報を、表示部18に表示する(S26)。そして制御部100は、S12に戻る。
【0052】
また、サーバ3からの購入可能商品の情報の受信ではないと判断した場合には(S24のNo)、制御部100は、スキャナ21が商品に付されたシンボルを読み取ったかを判断する(S31)。スキャナ21が商品に付されたシンボルを読み取ったと判断した場合には(S31のYes)、制御部100は、読み取ったシンボルに基づいて取得した当該商品の商品コードに基づいて、当該商品に係る商品登録処理を実行する(S32)。そして制御部100は、商品登録処理をした商品の商品情報を、カート番号とともにサーバ3に送信する(S33)。そして制御部100は、S12に戻る。
【0053】
また、スキャナ21によるシンボルの読み取りではないと判断した場合には(S31のNo)、制御部100は、終了キー172が操作されたかを判断する(S34)。終了キー172が操作されたと判断した場合には(S34のYes)、制御部100は、終了キー172が操作されたことを示す終了キー情報をカート番号とともにサーバ3に送信する(S35)。そして制御部100は処理を終了してS11に戻る。また、終了キー172の操作ではないと判断した場合には(S34のNo)、制御部100はS12に戻る。
【0054】
ここからは、サーバ3の機能構成について説明する。
図11は、サーバ3の機能構成を示す機能ブロック図である。
図11に示すように、制御部300は、ROM32やメモリ部34の制御プログラム部341に記憶された制御プログラムに従うことで、予算取得手段301、価格取得手段302、残額算出手段303、商品抽出手段304、商品出力手段305、閾値判断手段306、顧客情報取得手段307、領域情報取得手段308として機能する。
【0055】
予算取得手段301は、予算情報を取得する。具体的には、予算取得手段301は、カート端末1で入力された予算額を示す予算情報をカート端末1から受信する。
【0056】
価格取得手段302は、購入する商品の価格を取得する。具体的には、価格取得手段302は、カート端末1で読み取ったシンボルに基づいて商品登録処理された商品の、カート端末1から受信した商品情報に含まれる当該商品の価格を取得する。
【0057】
残額算出手段303は、予算情報と商品の価格から残額を算出する。具体的には、残額算出手段303は、予算取得手段301が取得した予算情報と、価格取得手段302が取得した商品の価格とから、予算額に対する残額を算出する。さらに具体的には、残額算出手段303は、予算取得手段301が取得した予算情報から価格取得手段302が取得した商品の価格を減算して残額を算出する。
【0058】
商品抽出手段304は、残額で購入可能な商品を抽出する。具体的には、商品抽出手段304は、残額算出手段303が算出した残額に基づいて領域情報部343を検索し、当該残額で購入可能な商品を抽出する。
【0059】
商品出力手段305は、抽出した商品の商品情報を出力する。具体的には、商品出力手段305は、商品抽出手段304が抽出した商品の商品情報をカート端末1に送信する。
【0060】
閾値判断手段306は、残額が所定金額以下となったかを判断する。具体的には、閾値判断手段306は、残額部3316に記憶されている残額が、予算部3315に記憶されている所定金額以下になったかを判断する。閾値判断手段306は、残額部3316に記憶されている残額が、予算部3315に記憶されている所定金額未満となったかを判断するようにしてもよい。
【0061】
顧客情報取得手段307は、顧客を特定する顧客IDを取得する。具体的には、顧客情報取得手段307は、カート端末1が、カードリーダ20を用いて、顧客カードから読み取った顧客IDを、カート端末1から受信する。
【0062】
商品抽出手段304は、顧客情報取得手段307が取得した顧客IDに基づいて顧客マスタ342に記憶された当該顧客の購入履歴(過去に購入した商品)を検索し、当該顧客が過去に購入した商品のうち残額部3316に記憶されている残額で購入可能な商品を抽出する。
【0063】
領域情報取得手段308は、カート端末1が店内のどの領域に位置しているかを示す領域情報を取得する。具体的には、領域情報取得手段308は、ビーコン発信機92が発信する特定の領域を示す領域情報を受信する。
【0064】
商品抽出手段304は、領域情報取得手段308が取得した領域情報に基づいて、当該領域に陳列されている商品の情報を領域情報部343から取得し、取得した商品のうち、残額部3316に記憶されている残額で購入可能な商品を抽出する。
【0065】
なお、実施形態では、顧客情報取得手段307によって取得した顧客IDに基づいて商品抽出手段304が購入可能な商品を抽出し、さらに領域情報取得手段308によって取得した領域情報に基づいて購入可能な商品を抽出し、両方で抽出された商品のみを最終的な購入可能な商品として抽出するようにした。
【0066】
ここからは、サーバ3の制御について説明する。
図12は、サーバ3の制御処理の流れを示すフローチャートである。また、
図13は、サーバ3における購入可能商品抽出処理の流れを示すフローチャートである。
図12に示すように、サーバ3の制御部300は、カート端末1から、予算情報とカート番号と顧客IDを受信したかを判断する(S41)。カート端末1から、予算情報とカート番号と顧客IDを受信したと判断した場合には(S41のYes)、顧客情報取得手段307は、受信したカート番号に対応した顧客ID部3312に受信した顧客IDを記憶(取得)する(S42)。また、予算取得手段301は、受信したカート番号に対応した予算部3315に受信した予算情報(予算額)を記憶する(S42)。また、制御部300は、受信した予算情報に基づいて当該予算額に対する所定金額(閾値)を算出し、予算部3315に記憶する(S43)。そして制御部300は、S41に戻る。
【0067】
また、予算情報とカート番号と顧客IDの受信ではないと判断した場合には(S41のNo)、制御部300は、カート端末1から、カート端末1での商品登録処理に伴う商品情報を、カート番号および顧客IDとともに受信したかを判断する(S51)。商品情報をカート番号および顧客IDとともに受信したと判断した場合には(S51のYes)、制御部300は、受信したカート番号に対応した購入商品部3314に、受信した商品情報を記憶する(S52)。このS52の処理において、価格取得手段302は、受信した商品情報に含まれる商品の価格を取得する。
【0068】
次に制御部300は、受信したカート番号に対応した予算部3315に、予算情報が記憶されているかを判断する(S53)。予算情報が記憶されていると判断した場合には(S53のYes)、残額算出手段303は、記憶されている予算額と今までに価格取得手段302が取得した商品の価格の合計額とに基づいて残額を算出する(S54)。そして制御部300は、算出した残額を残額部3316に記憶する(S54)。
【0069】
次に閾値判断手段306は、残額部3316に記憶されている残額が予算部3315に記憶されている所定金額以下になったかを判断する(S55)。残額部3316に記憶されている残額が予算部3315に記憶されている所定金額以下になったと判断した場合には(S55のYes)、商品抽出手段304は、購入可能商品の抽出を行う(S56)。
【0070】
図13は、S56の購入可能商品抽出処理を具体的に示すフローチャートである。
図13に示すように、商品抽出手段304は、残額部3316に記憶されている残額で購入可能な商品を購入履歴部3423に記憶された当該顧客の購入履歴から抽出する(S561)。次に商品抽出手段304は、S561で抽出した商品のうち、領域情報部3313に記憶されている領域情報で特定される商品コード部3432に記憶されている商品を最終的な購入可能商品として抽出する(S562)。すなわち、商品抽出手段304は、顧客の過去の購入履歴から残額で購入可能な商品を抽出し、また商品抽出手段304は、領域情報部3313に記憶されている領域情報の領域に位置する商品から残額で購入可能な商品を抽出し、両方から抽出された商品を最終的な購入可能商品として抽出する(S562)。
【0071】
図12の説明に戻る。次に商品出力手段305は、S56で抽出した購入可能商品の商品情報を商品コード部3432、商品名部3433、価格部3434から呼び出して、S51で受信した情報を送信したカート端末1に送信(出力)する(S57)。また、S57において、制御部300は、残額部3316に記憶されている残額もカート端末1に送信する。そして制御部300は、S41に戻る。
【0072】
なお、受信したカート番号に対応した予算部3315に、予算情報が記憶されていない場合は(S53のNo)、制御部300はS41に戻る。また、残額部3316に記憶されている残額が予算部3315に記憶されている所定金額以下ではない場合には(S55のNo)、制御部300はS41に戻る。
【0073】
また、S51において、商品情報とカート番号と顧客IDに受信ではないと判断した場合には(S51のNo)、制御部300は、カート端末1から領域情報とカート番号を受信したかを判断する(S61)。カート端末1から領域情報とカート番号を受信したと判断した場合には(S61のYes)、領域情報取得手段308は、受信した領域情報を受信したカート番号に対応する領域情報部3313に記憶(取得)する(S62)。そして制御部300は、S41に戻る。
【0074】
また、カート端末1からの領域情報の受信ではないと判断した場合には(S61のNo)、制御部300は、カート端末1から終了キー情報をカート番号とともに受信したかを判断する(S71)。終了キー情報をカート番号とともに受信したと判断した場合には(S71のYes)、制御部300は、受信したカート番号に対応した購入商品部3314に記憶されているすべての商品情報を、POS端末7に送信する(S72)。そして制御部300は、S41に戻る。なお、カート端末1からの終了キー情報およびカート番号の受信ではないと判断した場合には(S71のNo)、制御部300はS41に戻る。
【0075】
S72の処理によって送信された商品情報を受信したPOS端末7の制御部700は、受信した商品情報を商品情報部731に記憶する。そして、POS端末7において決済キー(図示せず)が操作された場合には、制御部700は、商品情報部731に記憶されている商品情報に基づいて決済処理を実行する。POS端末7は、決済処理した商品の商品情報と決済情報と顧客IDをサーバ3に送信する。サーバ3は、受信した商品情報を、当該顧客の購入履歴部3423に追加的に記憶する。
【0076】
このように、実施形態に係るサーバ3は、予算情報を取得する予算取得手段301と、購入する商品の価格を取得する価格取得手段302と、予算情報と商品の価格から残額を算出する残額算出手段303と、残額で購入可能な商品を抽出する商品抽出手段304と、抽出した商品の商品情報を出力する商品出力手段305と、を備える。
【0077】
このような実施形態のサーバ3は、残額で購入可能な商品を抽出してカート端末1に送信する。そのため、残額で購入可能な商品を把握することが可能となる。
【0078】
また、実施形態に係るサーバ3は、残額が所定金額以下となったかを判断する閾値判断手段306、をさらに備え、商品抽出手段304は、残額が所定金額以下となったと閾値判断手段306が判断した場合に、残額で購入可能な商品を抽出する。
【0079】
このような実施形態のサーバ3は、残額が所定金額以下になった場合に商品抽出手段304が購入可能な商品を抽出する。そのため、残額が少なくなった場合に当該残額で購入可能な商品を把握することができる。
【0080】
また、実施形態に係るサーバ3は、顧客を特定する顧客IDを取得する顧客情報取得手段307と、顧客別に当該顧客の購入履歴情報を記憶する購入履歴部3423と、をさらに備え、商品抽出手段304は、取得した顧客IDで特定される顧客の購入履歴情報に基づいて残額で購入可能な商品を抽出する。
【0081】
このような実施形態のサーバ3は、顧客が過去に購入した商品の中から購入可能な商品を抽出する。そのため、顧客の嗜好に合った購入可能な商品を把握することができる。
【0082】
また、実施形態に係るサーバ3は、商品毎に、商品が陳列されている領域を記憶する領域情報部343と、カート端末1が店内のどの領域に位置しているかを示す領域情報を取得する領域情報取得手段308と、をさらに備え、商品抽出手段304は、取得した領域情報付近の領域に陳列された商品について、残額で購入可能な商品を抽出する。
【0083】
このような実施形態のサーバ3は、カート端末1(すなわちカートK)がいる領域に陳列された商品から購入可能な商品を抽出する。そのため、顧客がいる位置に近い位置に陳列している商品から購入可能な商品を把握することができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0085】
例えば、実施形態では、サーバ3を情報処理装置の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、例えば、カート端末1を情報処理装置としてもよい。この場合、予算情報部331、制御プログラム部341、顧客マスタ342、領域情報部343は、カート端末1に備えられる。
【0086】
また、実施形態では、カートKに取り付けられたカート端末1を端末装置の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、例えば、商品を入れるカゴに取り付けられた端末を端末装置としてもよい。また、カートKに取り付けられていない、顧客が携帯する携帯端末やスマートフォン等を端末装置としてもよい。
【0087】
また、実施形態では、商品抽出手段304は、顧客の過去の購入履歴とカート端末1が位置する領域に陳列された商品から残額で購入可能な商品を抽出した。しかしながらこれに限らず、商品抽出手段304は、顧客の過去の購入履歴のみに基づいて残額で購入可能な商品を抽出するようにしてもよい。また、商品抽出手段304は、カート端末1が位置する領域に陳列された商品のみに基づいて残額で購入可能な商品を抽出するようにしてもよい。
【0088】
また、実施形態では、閾値判断手段306が、残額が所定金額以下になったかを判断し、残額が所定金額以下になった場合に商品抽出手段304が残額で購入可能な商品を抽出するようにした。しかしながらこれに限らず、閾値判断手段306は必須ではなく、商品抽出手段304は、常に残額で購入可能な商品を抽出するようにしてもよい。
【0089】
なお、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0090】
また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0091】
また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムを、それぞれROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 カート端末
3 サーバ
7 POS端末
19 ビーコン受信部
21 スキャナ
91 棚
92 ビーコン発信機
93 領域
100 制御部
131 予算記憶部
132 購入可能商品記憶部
133 商品情報部
134 領域情報部
135 顧客ID部
143 カート番号部
173 予算キー
300 制御部
301 予算取得手段
302 価格取得手段
303 残額算出手段
304 商品抽出手段
305 商品出力手段
306 閾値判断手段
307 顧客情報取得手段
308 領域情報取得手段
331 予算情報部
342 顧客マスタ
343 領域情報部
700 制御部
731 商品情報部
3311 カート番号部
3312 顧客ID部
3313 領域情報部
3314 購入商品部
3315 予算部
3316 残額部
3421 顧客ID部
3422 顧客情報部
3423 購入履歴部
3431 領域番号部
3432 商品コード部
3433 商品名部
3434 価格部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】