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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191871
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】電子機器筐体
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20221221BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20221221BHJP
   H02B 1/56 20060101ALI20221221BHJP
   H02B 1/28 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
H05K7/20 B
H05K7/20 G
H01L23/02 G
H02B1/56 B
H02B1/28 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100352
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮太
(72)【発明者】
【氏名】増田 俊之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 歩
(72)【発明者】
【氏名】新井 宏之
【テーマコード(参考)】
5E322
5G016
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA03
5E322AA11
5E322AB01
5E322FA04
5G016AA03
5G016CG19
5G016CH02
5G016CH03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自然空冷できる電子機器筐体を提供する。
【解決手段】電子機器筐体は、電子機器を収容する内部空間を画定する筐体10と、筐体10から外部へ突出して平行して設けられ、且つ、各々が第1の方向に延存し、各々の一端が第1の方向に交差する方向に揃っている複数の放熱フィン14Pと、内部空間と外部との気圧差に応じて内部空間の一部の空気を排気する、内部空間に連通する排気圧力調整弁16と、排気圧力調整弁に接続され、且つ、排気圧力調整弁によって排気された空気を、複数の放熱フィン14Pの内の近い一端に当て、一端の群上に沿って流れる噴流となすノズル15と、内部空間と外部との気圧差に応じて外気を内部空間に吸気する、内部空間に連通する吸気圧力調整弁17と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から閉塞可能に電子機器を収容する内部空間を画定する筐体と、
前記筐体から前記外部へ突出して平行して設けられ且つ各々が第1の方向に延存し、各々の一端が前記第1の方向に交差する方向に揃っている複数の放熱フィンと、
前記内部空間と前記外部との気圧差に応じて前記内部空間の一部の空気を排気する、前記内部空間に連通する排気圧力調整弁と、
前記排気圧力調整弁に接続され且つ、前記排気圧力調整弁によって排気された空気を、前記複数の放熱フィンの内の近い前記一端に当て、前記一端の群上に沿って流れる噴流となすノズルと、
前記内部空間と前記外部との気圧差に応じて外気を前記内部空間に吸気する、前記内部空間に連通する吸気圧力調整弁と、
を有することを特徴とする電子機器筐体。
【請求項2】
前記ノズル及び前記噴流を覆うと共に前記複数の放熱フィンを覆うダクトを有し、前記ダクトが、前記複数の放熱フィンを複数の放熱管形状とすると共に、前記噴流を排気する第1の開口と前記複数の放熱フィンの前記一端の反対側の他端の群を解放する第2の開口とを有するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器筐体。
【請求項3】
前記排気圧力調整弁は、前記吸気圧力調整弁より高い位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器筐体。
【請求項4】
前記第1の方向が鉛直方向であり、前記複数の放熱フィンの前記一端の群が、前記第1の方向に交差する方向として水平方向に揃っていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
【請求項5】
前記複数の放熱フィンは金属からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の電子機器筐体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外等にも利用できる電子機器を収容する電子機器筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、主に屋外に設置される電子機器は防水・防塵機能が必要なため、密閉構造の筐体と、更に筐体の放熱性を向上させるため、熱伝導性の高い放熱構造が適用されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-117100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の筐体は密閉構造が必要であることから、筐体に吸排気口の穴は設けられないため、筐体の放熱性を向上させるためには、筐体材質に高熱伝導のアルミニウム等を採用、又は筐体サイズを大きくする必要があり、装置が大型化するという問題があった。なお、筐体内部及び又は外部にファンを追加して、筐体内外の放熱性を向上する手段を採用すれば装置の大型化は抑制できるが、ファンの寿命や動力源の供給等のため、これらの部材の維持コストが発生するだけでなく、部材を収容するスペースの分、筐体が大きく重くなるという問題点があった。電子機器筐体では、自然空冷により電子機器の放熱性を向上させる筐体構造が望まれている。
【0005】
本発明は、以上の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、自然空冷できる電子機器筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、外部から閉塞可能に電子機器を収容する内部空間を画定する筐体と、前記筐体から前記外部へ突出して平行に設けられ且つ各々が第1の方向に延存し、各々の一端が前記第1の方向に交差する方向に揃っている複数の放熱フィンと、前記内部空間と前記外部との気圧差に応じて前記内部空間の一部の空気を排気する、前記内部空間に連通する排気圧力調整弁と、前記排気圧力調整弁に接続され且つ、前記排気圧力調整弁によって排気された空気を、前記複数の放熱フィンの内の近い前記一端に当て、前記一端の群上に沿って流れる噴流となすノズルと、前記内部空間と前記外部との気圧差に応じて外気を前記内部空間に吸気する、前記内部空間に連通する吸気圧力調整弁と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の電子機器筐体によれば、閉じた電子機器筐体において、筐体内部に収容した電子部品の発熱による筐体内の温度上昇による内圧上昇を利用して、筐体外周の空気に風速を発生させ、その風速により筐体外周に設けた放熱フィン周囲に誘導流を発生させ、筐体の放熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明による第1の実施例である電子機器筐体の外観を示す概略斜視図である。
図2図1の線AAにおける電子機器筐体の概略断面図である。
図3図2の線BBにおける電子機器筐体の概略断面図である。
図4】第1の実施例である電子機器筺体のダクトを外した概略分解斜視図である。
図5】第1の実施例の電子機器筺体における排気圧力調整弁の閉状態の部分断面図である。
図6】第1の実施例の電子機器筺体における排気圧力調整弁の開状態の部分断面図である。
図7】本発明による第2の実施例である電子機器筐体の外観を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明による実施例の屋外設置用電子機器筐体(以下、単に筐体ともいう)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【実施例0010】
(構成の説明)
図1は、第1の実施例である筺体10の外観を示す背面斜め側から見た概略斜視図である。図2は、図1の線AAにおける筺体10を示す概略断面図である。図3は、図2の線BBにおける筺体10を示す概略断面図である(但し、ネジの表示は省略される)。図4は、第1の実施例の筺体10の外観を示す背面斜め側から見た筺体10からダクトDCTを外した概略分解斜視図である。
【0011】
なお、説明の便宜上、各図に示すように直交XYZ座標軸の各軸の方向をXYZ方向として、筐体のケース体12側を正面側とし、その反対のケース体11を背面側(Z方向)として説明する。
【0012】
図1図4に示すように、実施例の筐体10は略長方体形状を有している。筐体10は、それぞれの端面開口部において互いに嵌合された角筒状のケース体11及び12から構成されている。ケース体11及び12は、それぞれの開口端面側壁から外側に突出して互いに面接合するフランジ12F、11Fを有している。ケース体11及び12のフランジ11F及び12Fのフランジ側面が面接合されることによって、ケース体11及び12の内側に、電子機器又は電子装置等を収容する密閉された収容空間SPが画定される。筐体10は、ABS若しくはPC等の樹脂、又はステンレス鋼や鉄等の金属を材料として形成されている。
【0013】
ケース体11及び12は、それぞれの開口端面のフランジ12F、11Fを面接合し、パッキンPKを挟み込ませて嵌合した状態で、複数のネジScにより締結され、互いに固着される。筐体10は、複数のネジScを外してケース体11及び12の取り外しにより、外部から解放可能であり、それぞれの端面開口部から筐体の内部空間SPにアクセス可能となる。
【0014】
図2及び図4に示すように、筐体10のケース体11の背面側壁部には放熱部14を備えている。ケース体11は放熱部14を取り付けるための放熱用の開口11oを有している。放熱部14は開口11oを塞いで密閉した収容空間SPを画定する。
【0015】
図1図2及び図4に示すように、放熱部14は、ケース体11の開口11o内縁部に外周縁部が複数のネジScによりパッキンPKを介して結合された放熱シンク部14Aと、放熱シンク部14Aの中央部にて外部に露出する複数の放熱フィン14P(以下、単にフィンとも称する)とからなる。
【0016】
図2に示すように、筐体10内側の放熱部14に対向してケース体12の内面上には、スペーサ18を介してプリント回路板PCBが固定されている。プリント回路板PCBは、例えば、発熱源である電子部品が実装された電子機器の一種である。なお、プリント回路板以外にも種々の電子機器を搭載可能であり、図2において、プリント回路板PCBにおける電源、電子部品間のケーブル等を省略して示している。また、図示しないが、筐体10やプリント回路板PCBには、外部接続端子を介してプリント回路板PCBを動作させるための外部の給電ケーブルや入出力ケーブルやアンテナ等を通過させるための接続孔が側面壁部の一部において設けられている。
【0017】
このように、プリント回路板PCBが収容される筐体10の一部、例えば背面のケース体11には開口11oが設けられており、更に該開口11oにはパッキンPKを介して放熱部14が取付けられている。パッキンPKを介することにより、雨水、塵埃、有害ガス等が開口11oから浸入することを防いでいる。放熱部14は、プリント回路板PCB等の電子機器から生じる熱を筐体10の外側に逃がす、つまり放熱することで、プリント回路板PCBの周辺温度の上昇を抑えることができる。放熱部14は、放熱性を高めるため筐体10の壁部より熱伝導率が高い材料、例えば銅やアルミニウム等の金属によって形成されている。更に、放熱部14において、放熱フィン14Pのフィン形状等を採用することによってその表面積が広げられている。
【0018】
(フィン)
図3に示すように、複数の放熱フィン14Pは鉛直方向(X方向)に平行に延び、筐体10の外部へ所定ピッチで突出した平行平板状のものである。該フィン14Pは、それらの上端部UEの群が水平方向に揃うように形成されている。なお、複数のフィン14Pは、それらの上端部UEの群が水平方向配列に拘らずに、フィン14Pによる後述の噴流JFがフィン14Pの上端部UEでの衝突により剥離が起きフィン14P間の誘導流が生じれば、鉛直方向に交差する方向に配列されてもよい。
【0019】
(ノズル)
図3に示すように、放熱部14の放熱シンク部14Aの上部には、フィン14Pの上端部UEが揃う水平方向において、フィン14Pの内の近い上端部UEに当て、上端部UEの群上に沿って流れる噴流JFを生成するノズル15が固定されている。すなわち、図2に示すように、ノズル15の噴出口の正面の視点から見た際フィン14Pの群に隠れて見えるよう位置が調整されている。
【0020】
図2に示すように、ノズル15は、放熱シンク部14Aの上部に設けられた排気圧力調整弁16に接続されている。排気圧力調整弁16は、筐体10の内部空間に連通し、内部空間と外部との気圧差に応じて内部空間の一部の空気を筐体外部への一方向(矢印OUT)にのみ排気する。
【0021】
図1図4に示すように、筺体10の上部の排気圧力調整弁16に接続されているノズル15は、筐体背面上部に向けて90°(Z方向から水平方向のY方向へ)曲げられている。これにより、ノズル15は、排気圧力調整弁16によって排気された空気を、フィン14Pの内の近い上端部UEに当て、上端部UEの群上に沿って流れる噴流JFを生成する。
【0022】
一方、筺体10の下部(ケース体11)には、その内部空間と外部との気圧差に応じて外気を内部空間に吸気する、内部空間に連通する吸気圧力調整弁17が設けられている。吸気圧力調整弁17は筐体外部から筐体内部の一方向(図2の矢印IN)にのみ吸気する。吸気圧力調整弁17は、その一次側通路と二次側通路が排気圧力調整弁16のものとは反対に構成されている以外、同一である。
【0023】
(ダクト)
図1図4に示すように、筺体10のケース体11の背面側にはダクトDCTが設けられ、ダクトDCTは、ノズル15及びその噴流JFを覆うと共にフィン14Pを覆うように設置されている。さらに、ダクトDCTは、フィン14Pを複数の放熱管形状とすると共に、噴流JFを排気する上部の第1の開口OPと、フィン14Pの上端部UEの反対側の下端部LEの群を解放する第2の開口OP2とを有するように構成されている。すなわち、ダクトDCTは、その上部で噴流JFが排気されるようにノズル15の先端に対面するダクトDCTの側面が開口される(第1の開口OP)と共に、その下部でフィン14Pの下端が露出するように開口されている(第2の開口OP2)。
【0024】
ダクトDCTは、図4に示すように、放熱シンク部14Aの外周縁部に設けられた上方に開いた複数のスリットSLに対応する下向きの複数の小鉤TGを備えている。これにより、放熱シンク部14AのスリットSLそれぞれに小鉤TGを嵌合させて、ダクトDCTは、放熱シンク部14Aに固定される。
【0025】
(圧力調整弁)
図5及び図6は排気圧力調整弁16の閉状態及び開状態の部分断面図である。
【0026】
排気圧力調整弁16は、図5に示すように、一次側流路P1st(筐体内側)の弁座VS、弁体VD、これを弁座VSに押さえつける圧力調整スプリングSG、この圧力調整ボトルネジAJ及び弁体VD側の二次側流路P2nd(大気側)を備えている。圧力調整ボトルネジAJで規定される所定圧力未満の場合、図5に示すように、弁座VSの開口を弁体VDが閉塞し続ける。筐体の内部圧力が所定の圧力値を超えた時に、図6に示すように、弁体VDが弁座VSから離れ開口が開いて、排気圧力調整弁16は外のノズル15に圧力を逃がす(一部空気を排出)。そして、圧力を逃がし終わった後には自動で弁体VDが閉じる(なお、圧力調整弁にはバネ式以外にも、錘式、梃子式などさまざまな構造がある)。
【0027】
圧力調整ボルトネジAJにより、排気圧力調整弁16の一次側流路P1st(筐体内側)に接続している内圧が例えば標準大気圧(101.33kPa[N?s^2=(kg m?s^2 )?m^2])から所定圧値だけ高くなるように設定することができる。
【0028】
なお、排気圧力調整弁16及び吸気圧力調整弁17は、補助動力を必要としない空気そのものの圧力を利用して働く自力式自動弁であり、電磁弁等の他力式自動弁ではない。
【0029】
(動作の説明)
まず、プリント回路板PCBが発熱すると、筺体10は密閉構造であることから、ボイル・シャルルの法則より、内部温度上昇後の筺体10の内圧値Pが下記式で計算される。
【0030】
【数1】
【0031】
所定の設定圧力に到達すると、排気圧力調整弁16が開き、内部空気の一部が漏れ、ノズル15を経由して筺体10とダクトDCTのフィン14P上部の空間にベルヌーイの定理による下記式の流速vの空気の流れが発生する。
【0032】
【数2】
【0033】
この流れの噴流JFが直近のフィン14Pの上端部UEに一部衝突する事で剥離が起き、フィン14Pとの衝突部下流に負圧領域NPが発生する(図3)。フィン14Pの上側が負圧領域NPとなり、その下端部LEが大気圧PPである事から、フィン14P群の下側から上側にかけて誘導流が発生し、これがフィン14Pを冷却する。筐体内部の圧力が低下し、筐体外部の圧力差が小さくなると、排気圧力調整弁16が閉じる。また、空気放出直後は一時的に筐体内部が弱負圧となる為、吸気圧力調整弁17が開き大気が筐体内に流入し、筐体内部と外部の圧力差がなくなる。これにより、排気圧力調整弁16が高い位置に吸気圧力調整弁17は高い位置に設けられているので、高い温度の空気が排気され次に新たな低い温度の空気が吸気されることが、筺体10の内部温度状況により繰り返されるので、筺体10の換気が自然と行われることとなる。
【0034】
(効果の説明)
以上のように、第1の実施例によれば、筐体内部の温度上昇による圧力上昇を利用する事で、筐体外面に設置したフィン14P間の空気に流速を発生させ、誘導空気流によりフィン14Pを冷却して、放熱性が向上する。これにより、自然空冷できる電子機器筐体を提供することができる。
【実施例0035】
第2の実施例は、第1の実施例のケース体11の開口11oにネジScとパッキンPK(図2、参照)により放熱部14を結合する構造の代わりに、放熱部14(放熱シンク部14A)とケース体11がインサート成形で一体成形されて構成された以外、第1の実施例と同一である。図7は、第2の実施例である筺体10を示す概略断面図である。
【0036】
本実施例は、図7に示すように、放熱部14の放熱シンク部14Aの外周縁部14AR(放熱シンク部14Aの厚み方向に対して直角方向に伸びる凸部)は、これを挟むように形成されたケース体11の開口11oの内縁部11R1に食い込まれ固着されている。これによれば、ケース体11の開口11oの内縁部11R1の2つの開口縁部で放熱シンク部14Aを挟む故に、ケース体11の強度、液密性の向上が期待できる。この場合、上部に設けられる排気圧力調整弁16は、放熱シンク部14Aではなく、吸気圧力調整弁17と同様にケース体11に直付けされる。
【0037】
本実施例の筐体10の素材には、汎用プラスチックと呼ばれる熱可塑性の合成樹脂が使用される。汎用プラスチックとしては、ABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネート)、ASA(アクリレートスチレンアクリルニトリル)、AES(アクリロニトリルエチレン-プロピレン-ジエンスチレン)、ABS-PC等が挙げられる。その他、筐体10には、エンジニアリングプラスチックも用いることもできる。
【0038】
以上のように本実施例によれば、ケース体11と放熱部14をインサート成形することにより、ネジとパッキンを用いるよりも筐体内部の密閉性が向上できる。
【0039】
以上のいずれの実施例でも、密閉筐体に対して適用した例を説明したが、完全密封でなく、開口率が小さく筐体内部の圧力が高くなる開口を有した筐体にも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 筐体
11、12 ケース体
11F、12F フランジ
14 放熱部
14A 放熱シンク部
14P 放熱フィン
15 ノズル
16 排気圧力調整弁
17 吸気圧力調整弁
18 スペーサ
PCB プリント回路板

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7