(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191923
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100446
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】足利 亨
(72)【発明者】
【氏名】堀邊 隆介
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA15
5H730BB43
5H730BB57
5H730DD04
5H730EE02
5H730EE07
5H730EE59
5H730FD01
5H730FG05
(57)【要約】
【課題】電圧を任意に制御でき、且つ正負の電流を流すことのできる安価な電源装置を提供する。
【解決手段】出力電圧Voutの検出値である検出電圧Vdetを出力する電圧検出回路24と、出力電圧指令値Vcontの上昇時に電圧源として機能し、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetが第1基準電圧である第1基準電圧Vref1と等しくなるように出力電圧Voutを負帰還制御して容量性負荷CLに電荷を供給する電荷供給部2と、出力電圧指令値Vcontの下降時に電流源として機能し、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetが第1基準電圧Vref1よりも高い第2基準電圧である基準打電圧Vref2と等しくなるように容量性負荷CLから電荷を引き抜く引抜電流I_dscgを負帰還制御する電荷引抜部3とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧指令値に応じた出力電圧で容量性負荷を駆動する電源装置であって、
前記出力電圧の検出値である検出電圧を出力する電圧検出回路と、
前記出力電圧指令値の上昇時に電圧源として機能し、前記出力電圧指令値が加算された前記検出電圧が第1基準電圧と等しくなるように前記出力電圧を負帰還制御して前記容量性負荷に電荷を供給する電荷供給部と、
前記出力電圧指令値の下降時に電流源として機能し、前記出力電圧指令値が加算された前記検出電圧が前記第1基準電圧よりも高い第2基準電圧と等しくなるように前記容量性負荷から電荷を引き抜く引抜電流を負帰還制御する電荷引抜部と、を具備することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記電荷供給部は、前記出力電圧指令値が加算された前記検出電圧が反転入力端子に、前記第1基準電圧が非反転入力端子にそれぞれ入力される電荷供給用エラーアンプを備えて、前記電荷供給用エラーアンプから出力される電荷供給用誤差信号に基づいて前記出力電圧を負帰還制御し、
前記電荷引抜部は、前記出力電圧指令値が加算された前記検出電圧が非反転入力端子に、前記第2基準電圧が反転入力端子にそれぞれ入力される電荷引抜用エラーアンプを備えて、前記電荷引抜用エラーアンプから出力される電荷引抜用誤差信号に基づいて前記引抜電流を負帰還制御することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記電荷供給部は、1象限でのみ動作するDCDCコンバータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量性負荷を駆動する電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、誘電エラストマアクチュエータは、自由な形態を持たせたアクチュエータとしてハプティクス等の様々な分野での開発が行われている。誘電エラストマアクチュエータは、製作コストが安く、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する効率が良いアクチュエータである。
【0003】
誘電エラストマアクチュエータは、コンデンサ構造の容量性負荷であり、印加電圧に応じた変位が発生するものである。従って、発生させたい変位に応じた電圧を印加する必要がある。すなわち、容量性負荷の駆動には、電圧を任意に制御でき、且つ正負の電流を流すことのできる電源装置が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図4に示す電源装置10は、DCDCコンバータ11とDCACインバータ12とを備え、出力段がブリッジタイプの電源装置である。このように出力段がブリッジタイプの電源装置10は、正負両方の電流を供給できるので、容量性負荷CLを理想的に駆動できる。しかしながら、DCDCコンバータ11とDCACインバータ12をそれぞれ制御するため、制御ICなど必要な部品が多く、制御も複雑となる。さらに、高価なスイッチング素子やゲートドライバが必要となり、コストが高くなる。
【0006】
なお、特許文献1には、ボルテージフォロワとして動作する放電型低速アンプ及び充電型高速アンプ、入力端子同士及び出力端子同士がそれぞれ接続された電源装置が提案されている。この電源装置は、負荷変動に応じて放電型低速アンプと充電型高速アンプとのいずれかを動作させて充放電を行っている。従って、正負の電流を流すことのできる電源装置ではあるが、電圧を任意に制御するものではない。
【0007】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電圧を任意に制御でき、且つ正負の電流を流すことのできる安価な電源装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電源装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
本発明に係る電源装置は、出力電圧指令値に応じた出力電圧で容量性負荷を駆動する電源装置であって、前記出力電圧の検出値である検出電圧を出力する電圧検出回路と、前記出力電圧指令値の上昇時に電圧源として機能し、前記出力電圧指令値が加算された前記検出電圧が第1基準電圧と等しくなるように前記出力電圧を負帰還制御して前記容量性負荷に電荷を供給する電荷供給部と、前記出力電圧指令値の下降時に電流源として機能し、前記出力電圧指令値が加算された前記検出電圧が前記第1基準電圧よりも高い第2基準電圧と等しくなるように前記容量性負荷から電荷を引き抜く引抜電流を負帰還制御する電荷引抜部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電源装置は、容量性負荷に印加する出力電圧が正または負の片電圧で、正電圧出力電源の場合、出力電流の吐出しかできない安価な1象限でのみ動作するDCDCコンバータを電荷供給部として採用することができる。従って、容量性負荷の駆動に必要な、電圧を任意に制御でき、且つ正負の電流を流すことのできる電源装置を安価に提供できるいう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る電源装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す電荷供給部のみで容量性負荷を駆動した場合の各部の波形図である。
【
図3】
図1に示す電源装置で容量性負荷を駆動した場合の各部の波形図である。
【
図4】従来の電源装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
本実施の形態の電源装置1は、
図1を参照すると、電荷供給部2と、容量性負荷CLから電荷を引き抜く電流源として機能する電荷引抜部3とを備え、容量性負荷CLに印加する電圧は正または負の片電圧で、かつ任意電圧(直流、正弦波、矩形波など)を印加する。
【0013】
電荷供給部2は、容量性負荷CLに電荷を供給する電圧源として機能し、直流電源Eからの入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換して容量性負荷CLに供給するDC-DCコンバータである。なお、
図1に示す電荷供給部2は、フライバック式のスイッチング電源で構成した例が示されているが、フォワード方式等の他の方式であっても良い。
【0014】
電荷供給部2は、トランス21と、スイッチング素子22と、出力整流平滑回路23と、電圧検出回路24と、制御回路25と、ドライバ26とを備えている。
【0015】
トランス21は、1次巻線と、2次巻線とを備え、1次巻線の極性と、2次巻線の極性とは、逆に設定されている。トランス21の1次巻線は、直流電源Eの正極端子とスイッチング素子22との間に接続されている。これにより、直流電源Eが入力電圧Vinとしてトランス21の1次巻線に印加される。
【0016】
スイッチング素子22は、例えば、N型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成される。スイッチング素子22のドレインは、トランス21の1次巻線に接続されていると共に、スイッチング素子22のソースは、接地端子に接続されている。これにより、入力電圧Vinは、トランス21の1次巻線を介して接続されたスイッチング素子22のオンオフ動作により、オフ期間にトランス21の2次巻線に出力される。
【0017】
出力整流平滑回路23は、整流ダイオードD1と、出力コンデンサC1とを備え、トランス21の2次巻線の両端子間に、整流ダイオードD1を介して出力コンデンサC1が接続されている。これにより、トランス21の2次巻線に誘起される交流電圧は、出力整流平滑回路23により整流平滑され、直流の出力電圧Voutとして容量性負荷CLに供給される。
【0018】
電圧検出回路24は、出力コンデンサC1の両端子間に直列に接続された抵抗R1と抵抗R2とを備え、抵抗R1と抵抗R2との接続点の検出電圧Vdetを出力電圧Voutの電圧検出信号として制御回路25に出力する。
【0019】
検出電圧Vdetには、抵抗R3を介して出力電圧指令値Vcontが加算されて制御回路25に入力されるように構成されている。すなわち、制御回路25は、検出電圧Vdetに出力電圧指令値Vcontを加算して負帰還制御をすることで、出力電圧指令値Vcontに応じた任意の出力電圧Voutを発生させる。
【0020】
制御回路25は、エラーアンプ27と、コンパレータ28と、三角波発振器29とを備えている。エラーアンプ27の反転入力端子(-)には、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetが、エラーアンプ27の非反転入力端子(+)には、第1基準電圧Vref1がそれぞれ入力される。エラーアンプ27は、検出電圧Vdetと第1基準電圧Vref1との誤差電圧を増幅した誤差信号を、コンパレータ28の非反転入力端子(+)に出力する。
【0021】
コンパレータ28の反転入力端子(-)には、三角波発振器29からの三角波信号が入力される。そして、コンパレータ28は、エラーアンプ27からの誤差信号と、三角波発振器29からの三角波信号との比較結果を出力する。コンパレータ28の出力がスイッチング素子22をオンオフ制御する制御信号となり、ドライバ26を介してスイッチング素子22のゲートに入力される。
【0022】
電荷供給部2は、出力段がダイオード構成になっているため、正電圧出力電源の場合、出力電流は吐出しかできない。従って、電荷供給部2のみで容量性負荷CLを駆動する場合、電圧上昇時は問題なく駆動できるが、電圧下降時は容量性負荷CLにたまった電荷を引き抜くことができずに、自然放電に頼るしかない。
【0023】
図2は、電荷供給部2のみで容量性負荷CLを駆動した場合の各部の波形図であり、(a)は出力電圧指令値Vcont、(b)は出力電圧Vout、(c)は検出電圧Vdetを示している。電荷供給部2のみで容量性負荷CLを駆動した場合、大きな容量の容量性負荷CLの駆動や、高い周波数での駆動時に、電荷供給部2は、容量性負荷CLにチャージされた電荷を引き抜けない。従って、
図2(a)、(b)に示すように、出力電圧指令値Vcontの下降時に出力電圧Voutを追随して下降させることができず、出力電圧指令値Vcontと相似な出力電圧Voutを得ることができない。対策として、容量性負荷CLに並列に負荷抵抗を入れることで電圧を下降させることもできるが、無駄な電力の消費が発生してしまう。
【0024】
このように、出力電圧指令値Vcont(出力電圧Vout)の下降時は、負帰還制御がはずれてしまうので、
図2(c)に示すように、検出電圧Vdetが第1基準電圧Vref1の値に制御されずに上昇する。そこで、本実施の形態の電源装置1は、検出電圧Vdetが第1基準電圧Vref1よりも上昇した場合に動作し、容量性負荷CLから電荷を引き抜く電流源として機能する電荷引抜部3を備える。
【0025】
電荷引抜部3は、可変インピーダンス素子31と、抵抗R4と、エラーアンプ32と、オペアンプ33とを備えている。可変インピーダンス素子31と抵抗R4とからなる直列回路が、容量性負荷CLと並列に接続されている。本実施の形態では、可変インピーダンス素子31をN型MOSFETで構成したが、可変インピーダンス素子31は、NPN型バイポーラトランジスタ等であっても良い。
【0026】
エラーアンプ32の非反転入力端子(+)には、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetが、エラーアンプ32の反転入力端子(-)には、第2基準電圧Vref2がそれぞれ入力される。第2基準電圧Vref2は、電荷供給部2において、検出電圧Vdetとの誤差電圧の基準となる第1基準電圧Vref1よりも高い値に設定されている。エラーアンプ32は、検出電圧Vdetと第2基準電圧Vref2との誤差電圧を増幅した誤差信号を、オペアンプ33の非反転入力端子(+)に出力する。
【0027】
オペアンプ33の反転入力端子(-)は、可変インピーダンス素子31と抵抗R4との接続点に接続され、可変インピーダンス素子31に流れる引抜電流I_dscgを抵抗R4によって電圧に変換した電流検出信号が入力される。そして、オペアンプ33は、エラーアンプ32からの誤差信号と、電流検出信号との比較結果を出力する。オペアンプ33の出力が可変インピーダンス素子31を電流制御する制御信号となり、可変インピーダンス素子31のゲートに入力される。
【0028】
図3は、電荷供給部2と電荷引抜部3を備えた電源装置1で容量性負荷CLを駆動した場合の各部の波形図であり、(a)は出力電圧指令値Vcont、(b)は出力電圧Vout、(c)は引抜電流I_dscg、(d)は検出電圧Vdetを示している。電荷供給部2と電荷引抜部3を備えた電源装置1で容量性負荷CLを駆動した場合、大きな容量の容量性負荷CLの駆動や、高い周波数での駆動時に、容量性負荷CLにチャージされた電荷を電荷引抜部3によって引き抜くことができる。従って、
図3(a)、(b)に示すように、出力電圧指令値Vcontの下降時に出力電圧Voutを追随して下降させることができる。
【0029】
以上の構成により、電荷供給部2は、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetを第1基準電圧Vref1で監視し、電圧上昇時(期間X、出力電圧Voutが出力電圧指令値Vcontより下の時)に第1基準電圧Vref1を使って電圧源として動作して、容量性負荷CLに電荷を供給する。すなわち、電圧上昇時において、電荷供給部2は、
図3(d)に示すように、検出電圧Vdetが第1基準電圧Vref1と等しくなるように出力電圧Voutを負帰還制御して、容量性負荷CLの電荷を供給する。この時、検出電圧Vdetは、第2基準電圧Vref2を下回っているため、
図3(c)に示すように、電荷引抜部3が動作することはない。
【0030】
電荷引抜部3は、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetを第1基準電圧Vref1よりも高い第2基準電圧Vref2で監視し、電圧下降時(期間Y、出力電圧Voutが出力電圧指令値Vcontより上の時)に第2基準電圧Vref2を使って電流源として動作して、容量性負荷CLから電荷を引き抜く。すなわち、電圧下降時において、電荷引抜部3は、
図3(c)、(d)に示すように、検出電圧Vdetが第2基準電圧Vref2と等しくなるように引抜電流I_dscgを負帰還制御して、容量性負荷CLから電荷を引き抜く。この時、検出電圧Vdetは、第1基準電圧Vref1を上回っているため、電荷供給部2が動作することはない。
【0031】
この結果、電圧上昇時には、電荷供給部2が第1基準電圧Vref1で負帰還制御され、電圧下降時には、電荷引抜部3が第2基準電圧Vref2で負帰還制御されることになり、電荷供給部2の動作と電荷引抜部3の動作とが自動的に切り替わる。なお、電荷引抜部3の第2基準電圧Vref2は、電荷供給部2の第1基準電圧Vref1よりも大きいため、電荷供給部2と電荷引抜部3との動作切り替え時にはヒステリシスをもって電荷供給部2と電荷引抜部3が同時に動作しないため、ノイズ誤動作の影響を受けにくい。
【0032】
なお、第2基準電圧Vref2と第1基準電圧Vref1と差が小さいほど電荷供給部2の動作と電荷引抜部3の動作とをスムーズに切り替えることができる。しかし、第2基準電圧Vref2と第1基準電圧Vref1と差が小さいほど、ノイズ等によって誤動作の虞が高くなる。従って、これらことを踏まえ、第2基準電圧Vref2及び第1基準電圧Vref1の値は、適宜設定される。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態は、出力電圧指令値Vcontに応じた出力電圧Voutで容量性負荷CLを駆動する電源装置1であって、出力電圧Voutの検出値である検出電圧Vdetを出力する電圧検出回路24と、出力電圧指令値Vcontの上昇時に電圧源として機能し、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetが第1基準電圧Vref1と等しくなるように出力電圧Voutを負帰還制御して容量性負荷CLに電荷を供給する電荷供給部2と、出力電圧指令値Vcontの下降時に電流源として機能し、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetが第1基準電圧Vref1よりも高い第2基準電圧Vref2と等しくなるように容量性負荷CLから電荷を引き抜く引抜電流I_dscgを負帰還制御する電荷引抜部3とを備える。
この構成により、容量性負荷CLに印加する出力電圧Voutが正または負の片電圧で、正電圧出力電源の場合、出力電流の吐出しかできない安価な1象限でのみ動作するDCDCコンバータを電荷供給部2として採用することができる。従って、容量性負荷CLの駆動に必要な、電圧を任意に制御でき、且つ正負の電流を流すことのできる電源装置を安価に提供できる。
【0034】
さらに、本実施形態において、電荷供給部2は、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetが反転入力端子(-)に、第1基準電圧Vref1が非反転入力端子(+)にそれぞれ入力される電荷供給用のエラーアンプ27(電荷供給用エラーアンプ)を備えて、エラーアンプ27から出力される誤差信号(電荷供給用誤差信号)に基づいて前記出力電圧を負帰還制御し、電荷引抜部3は、出力電圧指令値Vcontが加算された検出電圧Vdetが非反転入力端子(+)に、第2基準電圧Vref2が反転入力端子(-)にそれぞれ入力されるエラーアンプ32(電荷引抜用エラーアンプ)を備えて、エラーアンプ32から出力される誤差信号(電荷引抜用誤差信号)に基づいて引抜電流I_dscgを負帰還制御する。
この構成により、電荷供給部2と電荷引抜部3とが同時に動作してしまうことがなく、電荷供給部2の動作と電荷引抜部3の動作が自動で切り替わり、大きな容量の容量性負荷CLの駆動や、高い周波数での駆動時においても、出力電圧指令値Vcontに出力電圧Voutを追随させることができる。
【0035】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、同一構成要素には、各図において、同一符号を付している。
【符号の説明】
【0036】
1、10 電源装置
2 電荷供給部
3 電荷引抜部
11 DCDCコンバータ
12 DCACインバータ
21 トランス
22 スイッチング素子
23 出力整流平滑回路
24 電圧検出回路
25 制御回路
26 ドライバ
27 エラーアンプ
28 コンパレータ
29 三角波発振器
31 可変インピーダンス素子
32 エラーアンプ
33 オペアンプ
C1 出力コンデンサ
CL 容量性負荷
D1 整流ダイオード
E 直流電源
R1~R4 抵抗