(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191936
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】バッテリ管理装置
(51)【国際特許分類】
B60L 58/12 20190101AFI20221221BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20221221BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221221BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B60L58/12
B60L50/60
H02J7/00 P
H02J7/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100467
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153040
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】谷口 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】小和田 稔
(72)【発明者】
【氏名】波間 惇
(72)【発明者】
【氏名】矢口 優
(72)【発明者】
【氏名】溝呂木 伸
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA05
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503DA08
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BC11
5H125BD02
5H125CC07
5H125CD02
5H125CD05
5H125EE27
5H125EE32
5H125EE41
5H125EE48
5H125EE55
(57)【要約】
【課題】電気自動車のバッテリのSOCの補正制御の適切な実施を可能とするバッテリ管理装置を提供する。
【解決手段】バッテリ管理装置10は、電気自動車のバッテリを管理する装置であって、イグニッションスイッチS1の状態を取得する第1スイッチ状態取得部と、イグニッションスイッチS1がオンからオフに操作された場合に、バッテリのSOCの誤差を補正する補正制御を実施することを判断する判断部と、補正制御を実施することが判断された場合に、バッテリのSOCの補正制御を実施する補正制御部と、補正制御の実施をキャンセルするためのキャンセルスイッチS2の状態を取得する第2スイッチ状態取得部と、を備え、判断部は、キャンセルスイッチS2がオンの状態である場合において、イグニッションスイッチS1がオンからオフに操作された場合に、補正制御を不実施とすることを判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、発電機と、モータとを備える電気自動車における、前記バッテリを管理するバッテリ管理装置であって、
第1のスイッチの状態を取得する第1スイッチ状態取得部であって、前記第1のスイッチがオンに操作されることにより前記電気自動車が始動する、第1スイッチ状態取得部と、
前記電気自動車の前記発電機が稼働可能な状態であり、且つ、前記第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、前記発電機の発電により前記バッテリのSOCを所定状態に制御することにより、前記バッテリのSOCの誤差を補正する補正制御を実施することを判断する判断部と、
前記判断部により前記補正制御を実施することが判断された場合に、前記バッテリのSOCの前記補正制御を実施する補正制御部と、
前記補正制御の実施をキャンセルするための第2のスイッチの状態を取得する第2スイッチ状態取得部と、
を備え、
前記判断部は、前記第2のスイッチがオンの状態である場合において、前記第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、前記補正制御を不実施とすることを判断する、
バッテリ管理装置。
【請求項2】
前記第2のスイッチがオンに操作されたときの前記電気自動車が所在する位置を示す位置情報を、キャンセル位置情報として取得し、前記キャンセル位置情報を学習する学習部、を更に備え、
前記判断部は、学習部により学習された前記キャンセル位置情報に関連付けられた所定範囲内に前記電気自動車が位置する場合において、前記第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、前記補正制御を不実施とすることを判断する、
請求項1に記載のバッテリ管理装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記第2のスイッチがオンの状態にされた後にオフの状態に操作された場合において、前記第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、前記補正制御を実施することを判断する、
請求項1または2に記載のバッテリ管理装置。
【請求項4】
前記判断部は、前記第2のスイッチがオンにされたことにより前記補正制御を不実施とすることを判断した所定期間における回数が所定回数を超えた場合において、前記第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、前記第2のスイッチの状態によらず、前記補正制御を実施することを判断する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のバッテリ管理装置。
【請求項5】
第3のスイッチの状態を取得する第3スイッチ状態取得部であって、前記第3のスイッチは、前記第1のスイッチによる前記電気自動車の始動の後段階における電気自動車の運行を開始するためのスイッチであり、前記第1のスイッチがオンの状態である場合に限りオンに操作することが可能である、第3スイッチ状態取得部、を更に備え、
前記判断部は、前記補正制御の実施中に前記第3のスイッチがオンに操作された場合に、前記補正制御を中止することを判断する、
請求項1~4のいずれか一項に記載のバッテリ管理装置。
【請求項6】
前記補正制御の実施に関する情報を、視覚及び聴覚の少なくともいずれか一方により認識可能な態様で出力する情報出力部、をさらに備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載のバッテリ管理装置。
【請求項7】
前記情報出力部は、前記第2のスイッチがオンにされたことにより前記補正制御を不実施とすることを判断した所定期間における回数が所定回数を超えている場合において、前記第2のスイッチがオンの状態にされた場合に、前記第2のスイッチをオフにすることを促す旨の通知を出力する、
請求項6に記載のバッテリ管理装置。
【請求項8】
前記情報出力部は、前記バッテリ管理装置が前記第1のスイッチがオフにされた場合に前記補正制御が実施される状態にある旨の情報を出力する、
請求項6または7に記載のバッテリ管理装置。
【請求項9】
前記情報出力部は、前記補正制御に要する所要時間を示す情報を出力する、
請求項6~8のいずれか一項に記載のバッテリ管理装置。
【請求項10】
前記情報出力部は、前記バッテリ管理装置と無線通信可能な端末に前記補正制御に要する所要時間を表示させる、
請求項9に記載のバッテリ管理装置。
【請求項11】
前記情報出力部は、前記補正制御の実施中に前記第1のスイッチがオンにされたことを契機として、前記補正制御に要する残余の所要時間を示す情報を出力する、
請求項6~10のいずれか一項に記載のバッテリ管理装置。
【請求項12】
前記情報出力部は、前記電気自動車の部分を冷却するための冷却ファンの動作及びスピーカの吹鳴の少なくともいずれか一方により、前記補正制御の実施中であることを示す情報を出力する、
請求項6~11のいずれか一項に記載のバッテリ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車のバッテリを管理するバッテリ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電機と、バッテリと、発電機及び/又はバッテリの出力電力によって作動するモータと、を備える電気自動車がある。このバッテリのSOC(State of Charge)を管理する方法として、例えば、電流積算法がある。しかしながら、電流積算法では、充放電時の電流の計測誤差により、SOCの推定値に対して誤差が蓄積する。この誤差の補正のために、バッテリの電圧値を参照してSOCを補正する方法が知られている。この方法では、SOCの変化量に対する電圧値の変化量が大きい範囲にSOC値がなるようにバッテリの充放電を制御し、電圧値に対応するSOC値を取得することにより、SOCの誤差が補正される。例えば、リン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオンバッテリでは、SOCが0%近傍及び100%近傍以外の状態においては、SOCの変化量に対する電圧値の変化量が極めて小さいため、SOCが0%近傍又は100%近傍となるように、誤差補正のための制御が行われる。例えば、特許文献1には、満充電となるまでバッテリを充電し、SOCの推定値の誤差を補正することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SOCが100%近傍になるようにバッテリを満充電することによりSOC値を補正する補正制御は、例えば、電気自動車の運行を終了させるためにイグニッションスイッチがオフにされたときに実施される。補正制御の実施中においては、発電機の発電動作により騒音が発生する。また、発電機が燃料電池により構成される場合には、発電時に排水が発生する。しかしながら、電気自動車の運行を終了させた場所が、騒音の発生及び排水が許容されない場所である場合には、イグニッションスイッチがオフにされたことを契機として補正制御を実施することは好ましくなかった。また、電気自動車を停止させて運行が終了した後の次の運行開始時までに、補正制御が終了しない場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、電気自動車のバッテリのSOCの補正制御の適切な実施を可能とするバッテリ管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバッテリ管理装置は、バッテリと、発電機と、モータとを備える電気自動車における、バッテリを管理するバッテリ管理装置であって、第1のスイッチの状態を取得する第1スイッチ状態取得部であって、第1のスイッチがオンに操作されることにより電気自動車のECUが始動する、第1スイッチ状態取得部と、電気自動車の発電機が稼働可能な状態であり、且つ、第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、発電機の発電によりバッテリのSOCを所定状態に制御することにより、バッテリのSOCの誤差を補正する補正制御を実施することを判断する判断部と、判断部により補正制御を実施することが判断された場合に、バッテリのSOCの補正制御を実施する補正制御部と、補正制御の実施をキャンセルするための第2のスイッチの状態を取得する第2スイッチ状態取得部と、を備え、判断部は、第2のスイッチがオンの状態である場合において、第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、補正制御を不実施とすることを判断する。
【0007】
このバッテリ管理装置では、第1のスイッチがオンの状態においてバッテリのSOCの補正制御の実施を待機させ、第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作されたときに補正制御が実施される。そして、第2のスイッチがオンの状態である場合には、第1のスイッチがオフの状態に操作された場合であっても補正制御が実施されない。これにより、補正制御を実施することが適切ではない場合において第2のスイッチがオンに操作されることにより、補正制御を不実施とすることができる。従って、SOCの補正制御の適切な実施が可能となる。
【0008】
また、バッテリ管理装置において、第2のスイッチがオンに操作されたときの電気自動車が所在する位置を示す位置情報を、キャンセル位置情報として取得し、キャンセル位置情報を学習する学習部、を更に備え、判断部は、学習部により学習されたキャンセル位置情報に関連付けられた所定範囲内に電気自動車が位置する場合において、第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、補正制御を不実施とすることを判断することとしてもよい。
【0009】
このバッテリ管理装置によれば、キャンセル位置情報が学習されることにより、補正制御を実施することが適切ではない場所を示す位置情報が学習される。そして、学習されたキャンセル位置情報に関連付けられた所定範囲内に電気自動車が位置する場合に、第1のスイッチがオフの状態に操作された場合であっても補正制御が実施されない。これにより、補正制御を実施することが適切ではない場所において補正制御が実施されないように制御することが可能となる。
【0010】
また、バッテリ管理装置において、判断部は、第2のスイッチがオンの状態にされた後にオフの状態に操作された場合において、第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、補正制御を実施することを判断することとしてもよい。
【0011】
このバッテリ管理装置によれば、第2のスイッチがオンにされた後にオフの状態に操作されることにより、補正制御の実施の待機状態に復帰できる。従って、補正制御の実施が可能となった場合に、補正制御を実施することができる。
【0012】
また、バッテリ管理装置において、判断部は、第2のスイッチがオンにされたことにより補正制御を不実施とすることを判断した所定期間における回数が所定回数を超えた場合において、第1のスイッチがオンの状態からオフの状態に操作された場合に、第2のスイッチの状態によらず、補正制御を実施することを判断することとしてもよい。
【0013】
第2のスイッチがオンにされたことにより補正制御を不実施とすることが判断された回数が所定回数を超えた場合には、SOCの推定値の誤差が相当に大きくなっている可能性が高い。かかる場合において、このバッテリ管理装置によれば、第1のスイッチがオフにされた場合に、第2のスイッチの状態によらず補正制御が実施されるので、SOCを適切に補正することが可能となる。
【0014】
また、バッテリ管理装置において、第3のスイッチの状態を取得する第3スイッチ状態取得部であって、第3のスイッチは、第1のスイッチによる電気自動車の始動の後段階における電気自動車の運行を開始するためのスイッチであり、第1のスイッチがオンの状態である場合に限りオンに操作することが可能である、第3スイッチ状態取得部、を更に備え、判断部は、補正制御の実施中に第3のスイッチがオンに操作された場合に、補正制御を中止することを判断することとしてもよい。
【0015】
このバッテリ管理装置によれば、電気自動車の運行を開始するための第3のスイッチがオンにされた場合に補正制御が中止されるので、補正制御が一旦開始された場合であっても、電気自動車の運行を開始できる。
【0016】
また、バッテリ管理装置において、補正制御の実施に関する情報を、視覚及び聴覚の少なくともいずれか一方により認識可能な態様で出力する情報出力部、をさらに備えることとしてもよい。
【0017】
このバッテリ管理装置によれば、電気自動車を運転する運転者及び整備する整備者を含むユーザに、補正制御の実施に関する情報を認識させることが可能となる。
【0018】
また、バッテリ管理装置において、情報出力部は、第2のスイッチがオンにされたことにより補正制御を不実施とすることを判断した所定期間における回数が所定回数を超えている場合において、第2のスイッチがオンの状態にされた場合に、第2のスイッチをオフにすることを促す旨の通知を出力することとしてもよい。
【0019】
このバッテリ管理装置によれば、第2のスイッチがオンにされたことにより補正制御を不実施とすることが判断された回数が所定回数を超えた場合には、SOCの推定値の誤差が相当に大きくなっている可能性が高い。かかる場合において、このバッテリ管理装置によれば、第2のスイッチをオフにすることにより、補正制御の実施の待機状態に復帰することが促されるので、適切な補正制御の実施が可能となる。
【0020】
また、バッテリ管理装置において、情報出力部は、バッテリ管理装置が第1のスイッチがオフにされた場合に補正制御が実施される状態にある旨の情報を出力することとしてもよい。
【0021】
このバッテリ管理装置によれば、第1のスイッチオフの状態に操作されることにより補正制御が実施される待機状態であることをユーザに認識させることができる。これにより、第2のスイッチの操作により補正制御を不実施とすることの要否等の検討をユーザに促すことができる。
【0022】
また、バッテリ管理装置において、情報出力部は、補正制御に要する所要時間を示す情報を出力することとしてもよい。
【0023】
このバッテリ管理装置によれば、補正制御の終了予定時刻をユーザに認識させることができる。これにより、第2のスイッチの操作により補正制御を不実施とすることの要否の判断材料をユーザに提供できる。
【0024】
また、バッテリ管理装置において、情報出力部は、バッテリ管理装置と無線通信可能な端末に補正制御に要する所要時間を表示させることとしてもよい。
【0025】
このバッテリ管理装置によれば、補正制御の残余の所要時間を電気自動車から離れた位置にいるユーザに認識させることができる。これにより、第2のスイッチの操作により補正制御を不実施とすることの要否の判断材料を電気自動車から離れた位置にいるユーザに提供できる。
【0026】
また、バッテリ管理装置において、情報出力部は、補正制御の実施中に第1のスイッチがオンにされたことを契機として、補正制御に要する残余の所要時間を示す情報を出力することとしてもよい。
【0027】
このバッテリ管理装置によれば、電気自動車の運行開始の前段階において、補正制御が中止される前に、補正制御に要する残余の所要時間をユーザに認識させることができる。これにより、補正制御の中止の要否の判断材料をユーザに提供できる。
【0028】
また、バッテリ管理装置において、情報出力部は、電気自動車の部分を冷却するための冷却ファンの動作及びスピーカの吹鳴の少なくともいずれか一方により、補正制御の実施中であることを示す情報を出力することとしてもよい。
【0029】
このバッテリ管理装置によれば、SOCの補正制御が実施中であることをユーザに認識させることができる。これにより、補正制御中に例えば整備等が実施されてしまうことによる不具合を防止できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電気自動車のバッテリのSOCの補正制御の適切な実施を可能とするバッテリ管理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態に係るバッテリ管理装置が搭載された電気自動車の構成を示す概略図である。
【
図2】バッテリ管理装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】バッテリ管理装置における、バッテリの管理のためのモード(状態)遷移を示す遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0033】
図1は、実施形態に係るバッテリ管理装置が搭載された電気自動車の構成を示す概略図である。
図1に示されるように、バッテリ管理装置10は、電気自動車Vに搭載されている。電気自動車Vは、燃料電池1(発電機)、バッテリ2、モータ3を備える。
【0034】
燃料電池1は、発電を行うFCスタック(Fuel Cell Stack)を備えている。電気自動車Vは、燃料電池1により発電された電力によって走行する。また、燃料電池1により発電された電力は、バッテリ2の充電に供される。FCスタックとして構成される燃料電池1は、発電時に水を発生するので、排水の必要がある。また、燃料電池1は、発電時に音を発する。なお、電気自動車Vは、燃料電池に代えて、エンジンを発電機として備えてもよい。
【0035】
バッテリ2は、燃料電池1で発電された電力を蓄える。また、バッテリ2は、電気自動車Vに備えられた回生ブレーキ等で生成された電力を蓄えることもできる。バッテリ2は、本実施形態においては、例えば、リン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオンバッテリである。
【0036】
例えば、リン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオンバッテリであるバッテリ2では、SOCが100%の近傍範囲及び0%の近傍範囲において、SOCの変化量に対する電圧値(OCV(Open Circuit Voltage))の変化量が大きく、それらの範囲以外においては、SOCの変化量に対する電圧値の変化量は極めて小さい。従って、SOCが100%の近傍範囲及び0%の近傍範囲以外の範囲では、電圧値に基づくSOCの推定が困難である。このため、本実施形態のバッテリ管理装置10は、バッテリ2のSOCが100%近傍になるように満充電することを、SOCの誤差を補正する補正制御として実施する。即ち、本実施形態のバッテリ管理装置10は、SOCが100%近傍の状態にあるときの電圧値を取得し、取得した電圧値に対応するSOCを取得することにより、SOCの推定値を補正する。
【0037】
モータ3は、燃料電池1及びバッテリ2の少なくともいずれかの出力電力によって作動する。モータ3は、電気自動車Vに備えられた車輪6を駆動することによって、電気自動車Vを走行させる。
【0038】
電気自動車Vは、電気自動車Vの運転者により操作され得るイグニッションスイッチS1、キャンセルスイッチS2及びシステムスイッチS3を備える。
【0039】
イグニッションスイッチS1は、オンに操作されることにより電気自動車VのECU100を始動させるためのスイッチである。キャンセルスイッチS2は、補正制御の実施をキャンセルするためのスイッチである。システムスイッチS3は、イグニッションスイッチS1による電気自動車Vの始動の後段階において、電気自動車Vのシステムを稼働状態とすることにより運行を可能とするためのスイッチであり、イグニッションスイッチS1がオンの状態である場合に限りオンに操作することが可能である。
【0040】
また、電気自動車Vは、冷却ファン4を備えてもよい。冷却ファン4は、電気自動車Vの部分を冷却し、作動時において音を発する。
【0041】
また、電気自動車Vは、ディスプレイ7(表示装置)及びスピーカ8を備えてもよい。バッテリ管理装置10は、種々の情報をディスプレイ7及びスピーカ8を介して出力することにより、出力された情報を視覚及び聴覚によりユーザに認識させることができる。本実施形態では、バッテリ管理装置10は、補正制御の実施に関する情報をディスプレイ7またはスピーカ8を介して出力する。
【0042】
また、バッテリ管理装置10は、端末Tと無線により通信可能に構成されてもよい。端末Tは、運転者及び整備者等を含み得るユーザにより操作される装置である。端末Tは、バッテリ管理装置10から送信された情報を、端末Tのディスプレイに表示させることにより、情報をユーザに認識させることができる。また、端末Tは、バッテリ管理装置10から送信された情報を音声として出力させることにより、情報をユーザに認識させることができる。
【0043】
図2は、バッテリ管理装置10の機能的構成を示す機能ブロック図である。バッテリ管理装置10は、バッテリ2の管理を行う。本実施形態においてバッテリ管理装置10は、バッテリ2のSOC(State Of Charge)を管理することができる。バッテリ管理装置10によって管理されるバッテリ2のSOCは、例えばモータ3の制御等、電気自動車Vにおける種々の制御に利用される。
【0044】
バッテリ管理装置10は、ECU(Electronic Control Unit)100を備えている。ECU100は、CPU、ROM、RAMなどを有する電子制御ユニットである。ECU100は、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU100は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0045】
図2に示されるように、バッテリ管理装置10は、機能的には、SOC推定部11、第1スイッチ状態取得部12、第2スイッチ状態取得部13、第3スイッチ状態取得部14、判断部15、補正制御部16、学習部17及び情報出力部18を備える。
【0046】
SOC推定部11は、バッテリ2の使用状況に基づいてバッテリ2のSOCを推定する。上述したようにバッテリ2のSOCは、SOCが100%の近傍又は0%の近傍の状態以外の状態では、バッテリ2の電圧値とSOCとの相関に基づいて電圧値から推定することが困難である。このため、SOC推定部11は、例えば、電流積算法を用い、充電時及び放電時の電流値を積算した値に基づいてバッテリ2のSOCを推定する。
【0047】
ここで、SOC推定部11が電流積算法によってSOCを推定する場合、電流値の計測誤差等によって、推定されたSOCと実際のバッテリ2のSOCとに誤差が生じる。このため、SOC推定部11は、所定のタイミングで、推定したSOCを補正する。即ち、後に詳述されるように、補正制御部16が、バッテリ2のSOCが100%近傍になるように満充電することを補正制御として実施し、SOC推定部11は、SOCが100%近傍の状態にあるときの電圧値を取得し、取得した電圧値に対応するSOCを取得することにより、SOCの推定値を補正する。
【0048】
第1スイッチ状態取得部12は、第1のスイッチの状態を取得する。第1のスイッチは、本実施形態では、例えばイグニッションスイッチS1(イグニッションSW、IG-SW)である。
【0049】
第2スイッチ状態取得部13は、第2のスイッチの状態を取得する。第2のスイッチは、本実施形態では、キャンセルスイッチS2(キャンセルSW)である。
【0050】
第3スイッチ状態取得部14は、第3のスイッチの状態を取得する。第3のスイッチは、本実施形態では、システムスイッチS3(システムSW、ST-SW)である。
【0051】
判断部15は、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作された場合に、燃料電池1の発電によりバッテリ2のSOCを所定状態(100%近傍、満充電)に制御することにより、バッテリ2のSOCの誤差を補正する補正制御を実施することを判断する。具体的には、判断部15は、電気自動車Vのシステムが稼働状態(発電機が稼働可能な状態)であり、且つ、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作された場合に、SOCの補正制御を実施することを判断する。さらに具体的には、判断部15は、バッテリ管理装置10におけるモードの遷移を管理することにより、補正制御の実施を含む各種の制御の判断を行う。判断部15によるモード遷移の管理及びモードに基づく各種の制御については、
図3を参照して後に説明する。
【0052】
補正制御部16は、判断部15により補正制御を実施することが判断された場合に、バッテリのSOCの補正制御を実施する。即ち、補正制御部16は、判断部15による判断に基づいて、燃料電池1に発電させることによりバッテリ2のSOCが100%近傍になるように補正制御を実施する。
【0053】
学習部17は、キャンセルスイッチS2がオンに操作されるキャンセル操作が行われたときの電気自動車Vが所在する位置を示す位置情報を、キャンセル位置情報として例えば電気自動車Vが備えるGPS装置等から取得及び記憶し、キャンセル位置情報を学習する。
【0054】
情報出力部18は、補正制御の実施に関する情報を、視覚及び聴覚の少なくともいずれか一方により認識可能な態様で出力する。具体的には、情報出力部18は、補正制御の実施に関する情報をディスプレイ7に表示させることにより、ユーザの視覚により認識可能な態様で出力する。また、情報出力部18は、補正制御の実施に関する情報を音声としてスピーカ8から出力させることにより、ユーザの聴覚により認識可能な態様で出力する。なお、学習部17及び情報出力部18は、本実施形態のバッテリ管理装置10において非必須の機能要素である。
【0055】
図3は、バッテリ管理装置10における、バッテリの管理のためのモード(状態)遷移を示す遷移図である。まず、判断部15は、初期状態であるモードM1にバッテリ管理装置10を管理する。モードM1において、例えば、イグニッションスイッチS1がオフにされたときに補正制御を実施する運用を行うことが明示的に又は黙示的に(デフォルトで)設定されている場合(t1)に、判断部15は、補正制御スタンバイの状態であるモードM2にモードを移行させる。また、判断部15は、イグニッションスイッチS1がオンに操作されたことをもって、モードM1からモードM2にモードを移行させてもよい。
【0056】
モードM2において、情報出力部18は、イグニッションスイッチS1がオフにされた場合に補正制御が実施される状態である旨の情報をディスプレイ7及びスピーカ8の少なくとも一方を介して出力する。また、モードM2において、情報出力部18は、補正制御に要する所要時間を示す情報を更に出力してもよい。補正制御に要する所要時間は、SOC推定部11により推定されたSOCに基づいて、バッテリ2の満充電に要する時間として算出される。
【0057】
モードM2において、判断部15は、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作された場合に、補正制御を実施することを判断する。即ち、モードM2において、イグニッションスイッチS1がオフにされた場合(IG-OFF、t21)に、判断部15は、補正制御実施の状態であるモードM3にモードを移行させる。モードM3において、補正制御部16は、SOCの補正制御を実施する。具体的には、補正制御部16は、モードM2からモードM3にモードが移行された場合に、発電機の一例である燃料電池1の作動のために電気自動車Vのシステムを稼働状態に維持したまま、補正制御を実施する。判断部15は、モードM3において補正制御が終了した場合に、モードM3からモードM1にモードを移行させる。
【0058】
モードM2において、判断部15は、キャンセルスイッチS2がオンにされた場合(t23、キャンセルSW―ON)に、補正制御キャンセルの状態であるモードM4にモードを移行させる。
【0059】
モードM4では、バッテリ管理装置10は、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作された場合であっても補正制御が実施されないように管理される。即ち、モードM4において、イグニッションスイッチS1がオフにされた場合(t42、IG-OFF)には、判断部15は、モードM4からモードM1にモードを移行させる。
【0060】
このように、キャンセルスイッチS2がオンの状態である場合には、イグニッションスイッチS1がオフの状態に操作された場合であっても補正制御が実施されない。これにより、補正制御を実施することが適切ではない場合においてキャンセルスイッチS2がオンに操作されることにより、補正制御を不実施とすることができる。従って、SOCの補正制御の適切な実施が可能となる。
【0061】
また、キャンセル操作が行われたときの電気自動車Vが所在する位置を示すキャンセル位置情報が学習部17により取得及び記憶されている場合には、モードM2において、判断部15は、キャンセル位置情報に関連付けられた所定範囲内(例えば、キャンセル位置から所定の距離以内の位置)に電気自動車Vが位置する場合において、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作された場合(t23)に、モードM4にモードを移行させることにより補正制御を不実施とすることを判断してもよい。なお、学習部17は、ある位置においてキャンセル操作が行われた頻度が所定の頻度以上である場合に、当該位置をキャンセル位置情報として学習してもよい。
【0062】
このように、キャンセル位置情報が学習されることにより、補正制御を実施することが適切ではない場所を示す位置情報が学習される。そして、学習されたキャンセル位置情報に関連付けられた所定範囲内に電気自動車が位置する場合に、イグニッションスイッチS1がオフの状態に操作された場合であっても補正制御が実施されない。これにより、補正制御を実施することが適切ではない場所において補正制御が実施されないように制御することが可能となる。
【0063】
モードM4において、判断部15は、キャンセルスイッチS2がオンの状態からオフの状態に操作された場合において、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作された場合に、補正制御を実施することを判断する。即ち、モードM4において、キャンセルスイッチS2がオフにされた場合(キャンセルSW-OFF、t41)に、判断部15は、補正制御スタンバイの状態であるモードM2にモードを移行させる。
【0064】
このように、キャンセルスイッチS2がオンにされた後にオフの状態に操作されることにより、補正制御の実施の待機状態に復帰できる。従って、補正制御の実施が可能となった場合に、補正制御を実施することができる。
【0065】
モードM4において、判断部15は、キャンセルスイッチS2がオンにされたことにより補正制御を不実施とすることを判断(t23)した所定期間における回数が所定回数を超えている場合に、補正制御推奨の状態であるモードM5にモードを移行させる(t43)。モードM5において、情報出力部18は、キャンセルスイッチS2をオフにすることを促す旨の通知を、ディスプレイ7またはスピーカ8を介して出力する。
【0066】
このように、キャンセルスイッチS2がオンにされたことにより補正制御を不実施とすることが判断された回数が所定回数を超えた場合には、SOCの推定値の誤差が相当に大きくなっている可能性が高い。このような場合において、キャンセルスイッチS2をオフにすることにより補正制御の実施の待機状態に復帰することが促されるので、適切な補正制御の実施が可能となる。
【0067】
モードM5において、キャンセルスイッチS2をオフにすることを促す旨の通知に応じてキャンセルスイッチS2がオフにされた場合(キャンセルSW-OFF、t51)には、判断部15は、モードM2にモードを移行させる。また、モードM5において、イグニッションスイッチS1がオフにされた場合(IG-OFF、t52)には、判断部15は、モードM1にモードを移行させる。
【0068】
モードM5(またはモードM4)において、キャンセルスイッチS2がオンにされたことにより補正制御を不実施とすることを判断した所定期間における回数が所定回数(例えば、モード移行t43の条件の所定回数より多い回数)を超えている場合において、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作された場合(t53)に、判断部15は、キャンセルスイッチS2の状態によらず、補正制御を実施することを判断する。即ち、モードM5において、補正制御を不実施とすることを判断した所定期間における回数が所定回数を超えている場合において、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作された場合に、判断部15は、補正制御強制実施の状態であるモードM6にモードを移行させる。なお、モードM5において、モードM4からモードM5にモードが移行された所定期間における回数が所定回数を超えた場合に、判断部15は、モードM6にモードを移行させてもよい。
【0069】
モードM6において、イグニッションスイッチS1がオフにされた場合(IG-OFF、t6)に、判断部15は、キャンセルスイッチS2の状態によらず、モードM3にモードを移行させる。モードがモードM3に移行されることにより、SOCの補正制御が強制実施される。具体的には、補正制御部16は、モードM6からモードM3にモードが移行された場合に、発電機の一例である燃料電池1の作動のために電気自動車Vのシステムを稼働状態に維持したまま、補正制御を実施する。
【0070】
モードM3において、補正制御部16は、SOCの補正制御を実施する。モードM3において、判断部15は、補正制御の実施中にシステムスイッチS3がオンに操作された場合に、補正制御を中止することを判断する。即ち、モードM3において、システムスイッチS3がオンに操作された場合に、判断部15は、補正制御中止の状態であるモードM7にモードを移行させる(t32)。即ち、運転者により明示的に電気自動車Vのシステムの稼働の指示入力がされた場合に、補正制御部16は補正制御を中止する。モードM7において、補正制御を中止させる制御が完了した後に、判断部15は、モードM1にモードを移行させる(t7)。また、モードM3において、SOCの補正制御が終了した場合には、判断部15は、モードM1にモードを移行させる(t31)。
【0071】
このように、電気自動車Vの運行を開始するためのシステムスイッチS3がオンにされた場合に補正制御が中止されるので、補正制御が一旦開始された場合であっても、電気自動車Vの運行を開始できる。
【0072】
次に、各モードにおける情報の出力について説明する。モードM2において、情報出力部18は、イグニッションスイッチS1がオフにされた場合に補正制御が実施される状態(モードM3に移行される状態)にある旨の情報を、ディスプレイ7またはスピーカ8を介して出力する。また、情報出力部18は、補正制御が実施されることとなった場合に、その補正制御に要する所要時間を示す情報を合わせて出力してもよい。このような情報が出力されることにより、補正制御の待機状態であること、及び、その補正制御の所要時間をユーザに認識させることができるので、キャンセルスイッチS2の操作により補正制御を不実施とすることの要否等の検討をユーザに促すことができる。
【0073】
なお、補正制御に要する所要時間は、予め設定された所定の時間であってもよい。また、補正制御に要する所要時間は、予め設定された、SOCの値と補正制御に要する時間とを関連付けた情報に基づいて判断されてもよい。即ち、情報出力部18は、SOC推定部11により推定されたSOCの値に基づいて補正制御に要する時間を取得できる。
【0074】
モードM3において、情報出力部18は、実施中の補正制御に要する所要時間を示す情報をディスプレイ7またはスピーカ8を介して出力する。これにより、補正制御に要する時間をユーザに認識させることができるので、ユーザは、例えば、次の電気自動車Vの運行時までに補正制御が終了するか否かを判断できる。
【0075】
また、モードM3において、情報出力部18は、実施中の補正制御に要する所要時間を示す情報を端末Tに送信し、送信した情報を端末Tのディスプレイに表示させたり、音声として出力させたりしてもよい。これにより、電気自動車Vから離れた場所にいるユーザに補正制御に要する時間を認識させることができる。
【0076】
モードM3において、情報出力部18は、補正制御の実施中に、冷却ファン4を動作させたり、スピーカ8を吹鳴させたりしてもよい。このように、冷却ファン4またはスピーカ8から音を発生させることにより、補正制御の実施中であることをユーザ(運転者及び整備者を含む)に認識させることが可能となる。従って、補正制御中に例えば整備等が実施されてしまうことによる不具合を防止できる。
【0077】
モードM3において、情報出力部18は、イグニッションスイッチS1がオンにされたことを契機として、補正制御に要する残余の所要時間を示す情報を、ディスプレイ7またはスピーカ8を介して出力してもよい。イグニッションスイッチS1は、電気自動車Vの運行を開始するためのシステムスイッチS3をオンにする前段階においてオンにされる。従って、モードがモードM3からモードM7に移行されることにより補正制御が中止される前に、補正制御に要する残余の所要時間をユーザに認識させることができる。これにより、補正制御の中止の要否の判断材料をユーザに提供できる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態のバッテリ管理装置10では、イグニッションスイッチS1がオンの状態においてバッテリのSOCの補正制御の実施を待機させ、イグニッションスイッチS1がオンの状態からオフの状態に操作されたときに補正制御が実施される。そして、キャンセルスイッチS2がオンの状態である場合には、イグニッションスイッチS1がオフの状態に操作された場合であっても補正制御が実施されない。これにより、補正制御を実施することが適切ではない場合においてキャンセルスイッチS2がオンに操作されることにより、補正制御を不実施とすることができる。従って、SOCの補正制御の適切な実施が可能となる。
【0079】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…燃料電池、2…バッテリ、3…モータ、4…冷却ファン、6…車輪、7…ディスプレイ、8…スピーカ、10…バッテリ管理装置、11…SOC推定部、12…第1スイッチ状態取得部、13…第2スイッチ状態取得部、14…第3スイッチ状態取得部、15…判断部、16…補正制御部、17…学習部、18…情報出力部、S1…イグニッションスイッチ、S2…キャンセルスイッチ、S3…システムスイッチ、T…端末、V…電気自動車。