(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191979
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】トイレ用換気装置およびトイレ用換気装置の設置方法
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20221221BHJP
F24F 8/26 20210101ALI20221221BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20221221BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20221221BHJP
E03D 9/04 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
F24F7/06 B
F24F8/26
F24F13/02 A
F24F13/08 A
E03D9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100542
(22)【出願日】2021-06-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 第1回 食中毒ウイルス対策展、令和3年6月9日(開催期間 令和3年6月9日~11日)
(71)【出願人】
【識別番号】520268609
【氏名又は名称】株式会社nexott
(74)【代理人】
【識別番号】100131406
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 正寿
(72)【発明者】
【氏名】渕上 真生
【テーマコード(参考)】
2D038
3L058
3L080
3L081
【Fターム(参考)】
2D038BB01
2D038BC01
3L058BD05
3L058BE04
3L058BG03
3L080AA06
3L080AB02
3L080AC01
3L080AC03
3L080AD01
3L081AA02
3L081AB01
3L081AB02
(57)【要約】
【課題】換気性能の向上に資するトイレ用換気装置を提供すること。
【解決手段】トイレPRから既設の排気ダクト部材90およびカバー83,83を取り外し、天井80に貫通孔14、側壁84bに貫通孔15を穿設して、貫通孔14に排気ダクト2を接続すると共に換気ファンVf2が一体になった排気接続ダクト4によって排気ダクト2と既設の排気口96を接続する一方、既設の貫通孔80aに外気導入部6を接続すると共に外気接続ダクト8によって外気導入部6および貫通孔15を接続し、扉88と側壁84aとの間の隙間Gapにシール部材10を設置すると共に扉88の外気導入開口88aにシール部材12を設置する。これにより、例えば、戸建てやマンション、店舗などに設置された既設のトイレPRであても、極めて簡易に換気性能の向上を図ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井と、便器が設置された床と、前記天井および前記床間に配置される居室空間を囲繞すると共に戸外に開口された排気口および出入口を有する側壁と、該出入口を開閉可能に前記側壁に配置された扉と、を備え、前記天井,または,前記側壁の該天井寄りの位置に配置された第1開口と前記排気口とが連通状態にあるトイレを換気可能なトイレ用換気装置であって、
前記天井の第2開口に挿通可能な第1端部と、前記床近傍に配置される排気吸入口を有する第2端部と、を有すると共に、前記第1端部から前記第2端部に向かう方向または前記第2端部から前記第1端部に向かう方向に長手方向を有する排気ダクトと、
前記第1端部および前記排気口間に配置される換気ファンと、
前記第1端部、前記排気口および前記換気ファンを接続可能な第1接続部材と、
外気を前記居室空間に導入可能なように前記第1開口に挿通可能な外気導入部と、
該外気導入部と前記居室空間の外とを接続可能な第2接続部材と、
前記排気吸入口および前記外気導入部を除く前記居室空間と前記居室空間の外との連通部を閉塞可能に該連通部に配置されるシール部材と、
を備えるトイレ用換気装置。
【請求項2】
前記外気導入部は、前記第1開口に挿通可能かつ前記外気が流通可能な筒状部と、該筒状部から前記第2接続部材までの間に配置されるオゾン発生器と、を有しており、
前記第2接続部材は、一端が前記筒状部に接続される
請求項1に記載のトイレ用換気装置。
【請求項3】
前記第2開口は、前記天井に配置されており、
前記外気導入部は、前記筒状部から所定距離離れた位置、かつ、該筒状部に対向する位置に配置された対向板を有している
請求項2に記載のトイレ用換気装置。
【請求項4】
前記排気ダクトは、長手方向に直交する仮想平面で切った断面形状が長方形であると共に、少なくとも該長方形の長辺が前記側壁に沿うよう配置される
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のトイレ用換気装置。
【請求項5】
前記排気ダクトは、少なくとも、前記第1端部を有する第1ダクトと前記排気吸入口を有する第2ダクトとを有している
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のトイレ用換気装置。
【請求項6】
前記排気ダクトは、前記排気吸入口に配置されたカバーを有しており、
前記カバーは、第1、第2、第3および第4辺を有する平面視略四角形状であり、少なくとも第1辺に吸入開口を有している
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のトイレ用換気装置。
【請求項7】
前記カバーは、前記第1、第2および第3辺に前記吸入開口を有している
請求項6に記載のトイレ用換気装置。
【請求項8】
天井と、便器が設置された床と、前記天井および前記床間に配置される居室空間を囲繞すると共に戸外に開口された排気口および出入口を有する側壁と、該出入口を開閉可能に前記側壁に配置された扉と、を備えるトイレを換気可能なトイレ用換気装置の設置方法であって、
(a)前記トイレに既設の排気ダクト部材を取り外し、
(b)前記排気ダクト部材の排気吸入部を挿通するために前記天井,または、前記側壁の該天井寄りの位置に配置された第1開口に外気導入部を挿通すると共に、前記外気導入部と前記居室空間の外とを連通させ、
(c)前記天井に第2開口を穿設し、
(e)排気ダクトの第1端部を前記第2開口に挿通すると共に、排気吸入口を有する前記排気ダクトの第2端部を前記床近傍に配置し、
(f)換気ファンを有する第1接続部材によって、前記第1端部と前記排気口とを連通接続し、
(g)前記排気吸入口および前記外気導入部を除く前記居室空間と前記居室空間の外との連通部にシール部材を設置する
トイレ用換気装置の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井と、便器が設置された床と、当該天井および床間に配置される居室空間を囲繞すると共に戸外に開口された排気口および出入口を有する側壁と、当該出入口を開閉可能に側壁に配置された扉と、を備え、天井,または,側壁の該天井寄りの位置に配置された第1開口と排気口とが連通状態にあるトイレを換気可能なトイレ用換気装置およびトイレ用換気装置の設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005-121290号公報(特許文献1)には、天井と、便器が設置された床と、天井および床間に配置される居室空間を囲繞する側壁と、当該側壁に設けられた出入口を開閉可能な扉と、を有するトイレに配置され、当該トイレの居室空間を換気可能なトイレ用換気装置が記載されている。
【0003】
当該トイレ用換気装置は、天井に配置された排気口と、当該排気口に接続された排気ファンと、扉の床面寄りの位置に配置された通気口と、を有しており、排気ファンが駆動することで、通気口から排気口への空気の流れを生成して、居室空間の排気を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した公報に記載のトイレ用排気装置では、トイレの居室空間内の空気の流れの向きが床側から天井側となるため、居室空間内の床側に滞留する臭気がトイレの使用者の足元から鼻の高さを通過して排気されることになってしまう。これにより、上述した公報に記載のトイレ用排気装置では、トイレの使用者に臭気を感じさせてしまうため、換気性能の向上という点において、なお改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、換気性能の向上に資するトイレ用換気装置およびトイレ用換気装置の設置方法を提供することを目的の一つとする。また、本発明は、既設のトイレに簡易に設置可能なトイレ用換気装置およびトイレ用換気装置の設置方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトイレ用換気装置の好ましい形態によれば、天井と、便器が設置された床と、天井および床間に配置される居室空間を囲繞すると共に戸外に開口された排気口および出入口を有する側壁と、当該出入口を開閉可能に側壁に配置された扉と、を備え、天井,または,側壁の当該天井寄りの位置に配置された第1開口と排気口とが連通状態にあるトイレを換気可能なトイレ用換気装置が構成される。当該トイレ用換気装置は、排気ダクトと、換気ファンと、第1接続部材と、外気導入部と、第2接続部材と、シール部材と、を備えている。排気ダクトは、第1端部と第2端部とを有している。また、排気ダクトは、第1端部から第2端部に向かう方向または第2端部から第1端部に向かう方向に長手方向を有している。第1端部は、天井の第2開口に挿通可能である。第2端部は、床近傍に配置される排気吸入口を有している。換気ファンは、第1端部および排気口間に配置される。第1接続部材は、第1端部、排気口および換気ファンを接続可能である。外気導入部は、外気を居室空間に導入可能なように第1開口に挿通可能である。第2接続部材は、外気導入部と居室空間の外とを接続可能である。シール部材は、排気吸入口および外気導入部を除く居室空間と当該居室空間の外との連通部を閉塞可能に当該連通部に配置される。ここで、本発明における「排気ダクト部材」は、例えば、戸建てやマンション、店舗などに設置された既設のトイレに設置されている換気ファンや排気ダクトを含む概念である。また、本発明における「床近傍」とは、天井および床間の中央よりも床寄りの位置として規定されるが、床までの距離が数cm~数十cm以下の位置であることが好ましい。
【0008】
本発明によれば、既設の第1開口に外気導入部が挿通され、当該外気導入部から導入された外気が、床近傍に配置された排気吸入口から排出される、即ち、トイレの居室空間内の空気の流れの向きが天井側から床側となるため、居室空間内の床側に滞留する臭気が、トイレの使用者の鼻の高さを通過することなく、排気吸入口を介して既設の排気口から排出される。これにより、トイレの換気性能の向上を図ることができる。ここで、排気吸入口および外気導入部を除く居室空間と当該居室空間の外との連通部が、シール部材によって閉塞されるため、外気が連通部を介して居室空間の外から居室空間に導入されることによる居室空間の空気の流れの乱れの発生を防止し得る。これにより、居室空間に臭気が滞留することを防止することができる。もとより、臭気が連通部を介して居室空間の外に漏れ出ることを防止し得る。なお、既設の第1開口に外気導入部を設置し、かつ、天井に新たに第2開口を設けると共に当該第2開口に排気ダクトを設置し、さらに、連通部をシール部材によって閉塞するのみであるため、例えば、戸建てやマンション、店舗などに設置された既設のトイレにおいても、極めて簡易に換気性能の向上を図ることができる。
【0009】
本発明に係るトイレ用換気装置の更なる形態によれば、外気導入部は、第1開口に挿通可能かつ外気が流通可能な筒状部と、当該筒状部から第2接続部材までの間に配置されるオゾン発生器と、を有している。そして、第2接続部材は、一端が筒状部に接続される。
【0010】
本形態によれば、外気導入口から居室空間に導入される外気にオゾンが含まれるため、居室空間の殺菌効果や脱臭効果を奏することができる。
【0011】
本発明に係るトイレ用換気装置の更なる形態によれば、第2開口は、天井に配置されている。そして、外気導入部は、筒状部から所定距離離れた位置、かつ、当該筒状部に対向する位置に配置された対向板を有している。
【0012】
本形態によれば、筒状部からの外気を対向板に衝突させることで、外気を天井の延在方向(水平方向)に拡散させることができる。これにより、居室空間の換気をより効果的に実施することができる。
【0013】
本発明に係るトイレ用換気装置の更なる形態によれば、排気ダクトは、長手方向に直交する仮想平面で切った断面形状が長方形である。また、排気ダクトは、少なくとも当該長方形の長辺が側壁に沿うように配置される。ここで、側壁に沿うように配置されるとは、典型的には、側壁の居室空間側の面に沿うように配置する態様がこれに該当するが、側壁の居室空間側とは反対側の面に沿うように配置する態様を好適に包含する。
【0014】
本形態によれば、良好な排気性能を発揮可能な通路断面積の確保と、省スペース化と、の両立を図ることができる。これにより、スペースに制約がある既設のトイレにおいて、換気性能の向上を図ることができる。
【0015】
本発明に係るトイレ用換気装置の更なる形態によれば、排気ダクト部材は、少なくとも、第1端部を有する第1ダクト部と排気吸入口を有する第2ダクト部とを有している。
【0016】
本形態によれば、トイレの床から天井までの距離に応じて排気ダクトの長さを調整することができるため、既設のトイレにトイレ用換気装置を設置する際の施工性の向上を図ることができる。
【0017】
本発明に係るトイレ用換気装置の更なる形態によれば、排気ダクトは、排気吸入口に配置されたカバーを有している。そして、当該カバーは、第1、第2、第3および第4辺を有する平面視略四角形状であり、少なくとも第1辺に吸入開口を有している。
【0018】
本形態によれば、吸入開口を有する第1辺を床側となるように排気吸入口に配置することで、トイレの居室空間内の床側に滞留する臭気が上方へ流れることをより抑制することができる。
【0019】
本発明に係るトイレ用換気装置の更なる形態によれば、カバーは、第1、第2および第3辺に吸入開口を有している。
【0020】
本形態によれば、吸入開口を有さない第4辺を天井側となるように排気吸入口に配置することで、臭気の排気効率を向上しながらも、トイレの居室空間内の床側に滞留する臭気が上方へ流れることを抑制することができる。
【0021】
本発明に係るトイレ用換気装置の設置方法の好ましい形態によれば、天井と、便器が設置された床と、当該天井および床間に配置される居室空間を囲繞すると共に戸外に開口された排気口および出入口を有する側壁と、当該出入口を開閉可能に側壁に配置された扉と、を備えるトイレを換気可能なトイレ用換気装置の設置方法が構成される。当該トイレ用換気装置の設置方法は、(a)トイレに既設の排気ダクト部材を取り外し、(b)排気ダクト部材の排気吸入部を挿通するために天井,または、側壁の天井寄りの位置に配置された第1開口に外気導入部を挿通すると共に、外気導入部と居室空間の外とを連通させ、(c)天井に第2開口を穿設し、(e)排気ダクトの第1端部を第2開口に挿通すると共に、排気吸入口を有する排気ダクトの第2端部を床近傍に配置し、(f)換気ファンを有する第1接続部材によって、第1端部と排気口とを連通接続し、(g)排気吸入口および外気導入部を除く居室空間と居室空間の外との連通部にシール部材を設置する。
【0022】
本発明によれば、既設の排気ダクト部材を取り外した後の第1開口に外気導入部が挿通され、当該外気導入部から導入された外気が、床近傍に配置された排気吸入口から排出される、即ち、トイレの居室空間内の空気の流れの向きが天井側から床側となるため、居室空間内の床側に滞留する臭気が、トイレの使用者の鼻の高さを通過することなく、排気吸入口を介して既設の排気口から排出される。これにより、トイレの換気性能の向上を図ることができる。ここで、排気吸入口および外気導入部を除く居室空間と当該居室空間の外との連通部が、シール部材によって閉塞されるため、外気が連通部を介して居室空間の外から居室空間に導入されることによる居室空間の空気の流れの乱れの発生を防止し得る。これにより、居室空間に臭気が滞留することを防止することができる。もとより、臭気が連通部を介して居室空間の外に漏れ出ることを防止し得る。なお、既設の第1開口に外気導入部を設置し、かつ、天井に新たに第2開口を設けると共に当該第2開口に排気ダクトを設置し、さらに、連通部をシール部材によって閉塞するのみであるため、例えば、戸建てやマンション、店舗などに設置された既設のトイレにおいても、極めて簡易に換気性能の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、換気性能の向上に資するトイレ用換気装置を提供することができる。また、本発明によれば、既設のトイレにトイレ用換気装置を簡易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施の形態に係るトイレ用換気装置1をトイレPRに設置した様子を便器81の正面方向から見た説明図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るトイレ用換気装置1をトイレPRに設置した様子を便器81の側面方向から見た説明図である。
【
図4】第1ダクト20の構成の概略を示す分解斜視図である。
【
図5】第2ダクト22の構成の概略を示す斜視図である。
【
図6】第3ダクト24の構成の概略を示す分解斜視図である。
【
図7】カバー26の構成の概略を示す三面図である。
【
図8】外気導入部6の構成の概略を示す概略構成図である。
【
図9】外気導入部6を対向板36側から見た底面図である。
【
図10】扉88にシール部材10,12を配置した様子を示す説明図である。
【
図11】既設のトイレPRを便器81の正面方向から見た説明図である。
【
図12】既設のトイレPRを便器81の側面方向から見た説明図である。
【
図14】既設のトイレPRの扉88と側壁84aとの配置を示す説明図である。
【
図15】変形例のトイレ用換気装置100をトイレPRに設置した様子を便器81の正面方向から見た説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例0026】
本実施の形態に係るトイレ用換気装置1は、例えば、戸建てやマンション、店舗などに設置された既設のトイレPRに設置されて、当該トイレPRの居室空間LSの換気を行う。
【0027】
ここで、戸建てやマンション、店舗などに設置された既設のトイレPRは、
図11ないし
図13に示すように、天井80と、便器81が設置された床82と、天井80および床82間に配置される居室空間LSを囲繞する4つの側壁84a,84b,84c,84dと、側壁84aに配置された扉88と、から構成されている。
【0028】
天井80は、
図11ないし
図13に示すように、貫通孔80aを有している。貫通孔80aは、
図11および
図12に示すように、既設の排気ダクト部材90の後述する排気吸入部92を挿通するために設けられたものである。排気ダクト部材90は、
図11に示すように、排気吸入部92と、換気ファンVf1と、接続ダクト94と、から構成されている。排気吸入部92は、貫通孔80aに挿通される。接続ダクト94は、排気吸入部92、換気ファンVf1および戸外に開口された排気口96を接続する。即ち、排気ダクト部材90によって居室空間LSと戸外とが連通される。貫通孔80aは、本発明における「第1開口」に対応する実施構成の一例である。
【0029】
扉88は、
図12および
図14に示すように、側壁84aが有する出入口Dwを開閉可能に当該側壁84aに取り付けられており、側壁84aとの間に隙間Gapを有している。また、扉88は、
図12に示すように、床82寄りの位置に外気導入開口88aを有している。当該外気導入開口88aは、ルーバーを有するカバー83,83によって覆われている。換言すれば、扉88には、外気導入開口88aを覆うようにカバー83,83が配置されている言うことができる。隙間Gapおよび外気導入開口88aは、本発明における「連通部」に対応する実施構成の一例である。
【0030】
このように構成された既設のトイレPRにおいては、換気ファンVf1が作動することによって、居室空間LSの空気が排気ダクト部材90を介して戸外に排出される。このとき、外気導入開口88aから外気が導入される。これにより、居室空間LSの空気は、床82側から天井80側へと流れ、居室空間LSが換気される。
【0031】
本実施の形態に係るトイレ用換気装置1は、
図1および
図2に示すように、排気ダクト2と、当該排気ダクト2および排気口96間に配置される換気ファンVf2と、排気接続ダクト4と、外気導入部6と、外気接続ダクト8と、トイレPRの居室空間LSを密閉するためのシール部材10,12と、を備えている。
【0032】
排気ダクト2は、
図2に示すように、第1ダクト20と、当該第1ダクト20に接続される第2ダクト22と、当該第2ダクト22に接続される第3ダクト24と、を有している。
【0033】
第1ダクト20は、鋼板製であり、
図4に示すように、本体部200と、当該本体部200に一体に接続されるダクト接続部204と、を有している。本体部200は、角ダクト部201と、当該角ダクト部201に一体にされた中継ダクト部203と、を有している。角ダクト部201は、当該角ダクト部201の内部通路の延在方向(
図4における上下方向)に直交する仮想平面で切ったときの断面が長方形状を有している。即ち、角ダクト部201は、平面視における形状が、一対の長辺および一対の短辺を有する長方形となっている。
【0034】
中継ダクト部203は、角ダクト部201に対して、当該角ダクト部201の内部通路の延在方向(
図4における上下方向)および長辺に沿う方向の両方向に直交する方向に突出している。即ち、本体部200は、長辺に沿う方向の一方側から見た場合に、略逆L字状を有している。なお、本体部200は、角部に段差200aを有している。当該段差200aによって、第1ダクト20をトイレPRに設置する際に、トイレPRに配置された廻り縁(図示せず)と第1ダクト20との干渉を回避することができる。
【0035】
ダクト接続部204は、円筒形状を有している。ダクト接続部204は、当該ダクト接続部204の軸線方向が角ダクト部201の内部通路の延在方向(
図4における上下方向)と同方向となるように、中継ダクト部203に一体にされる。ダクト接続部204は、後述する貫通孔14の内径よりも小さく、かつ、後述する排気接続ダクト4の内径よりも若干小さい外径を有している。ダクト接続部204は、本発明における「第1端部」に対応する実施構成の一例である。
【0036】
第2ダクト22および第3ダクト24は、
図5および
図6に示すように、鋼板製の角ダクトとして構成されている。即ち、第2ダクト22および第3ダクト24は、当該第2ダクト22および第3ダクト24の長手方向(内部通路の延在方向、
図5および
図6における上下方向)に直交する仮想平面で切ったときの断面が長方形状を有している。第2ダクト22は、第1ダクト20の角ダクト部201の内寸よりも若干小さい外寸を有している。第3ダクト24は、長手方向(
図6の上下方向)の一端(
図6の下方)に内部通路まで貫通する貫通孔THを有している。第3ダクト24は、第2ダクト22の内寸よりも若干小さい外寸を有している。第3ダクト24には、貫通孔THを覆うようにカバー26が取り付けられる。第3ダクト24は、本発明における「第2端部」および「第2ダクト」に対応し、貫通孔THは、本発明における「排気吸入口」に対応する実施構成の一例である。
【0037】
カバー26は、
図7に示すように、平面視略正方形状を有している。換言すれば、カバー26は、平面視において4つの辺27a,27b,27c,27dを有していると言うことができる。カバー26は、当該カバー26の表裏を貫通する一対の開口26a,26bを有している。開口26aは、平面視略J字状を有しており、開口26bは、平面視略逆J字状を有している。開口26a,26bは、カバー26の側縁に沿うように配置されていると共に、当該開口26a,26b間の中央線CLに関して線対称となるように配置されている。これにより、開口26a,26bは、カバー26の3つの辺27b,27c,27dに亘って開口する。換言すれば、カバー26の辺27aは、開口を有していないと言うことができる。開口26a,26bは、本発明における「排気吸入口」に対応する実施構成の一例である。また、辺27aは、本発明における「第4辺」に対応し、辺27bは、本発明における「第2辺」または「第3辺」に対応し、辺27cは、本発明における「第1辺」に対応し、辺27dは、本発明における「第3辺」または「第2辺」に対応する実施構成の一例である。
【0038】
排気接続ダクト4は、鋼板製のフレキシブル丸ダクトであり、
図1に示すように、排気ダクト2、換気ファンVf2および排気口96を接続する。これにより、開口26a,26bおよび排気口96が連通される。即ち、居室空間LSと戸外とが、カバー26,排気ダクト2,排気接続ダクト4,換気ファンVf2,および,排気口96を介して連通される。排気接続ダクトは、本発明における「第1接続部材」に対応する実施構成の一例である。
【0039】
外気導入部6は、
図8および
図9に示すように、ダクト接続部30と、当該ダクト接続部30に一体にされたフランジ部32と、4つの支柱34,34,34,34を介してフランジ部32に支持された対向板36と、ダクト接続部30の内部に配置されたオゾン発生器38と、から構成されている。
【0040】
ダクト接続部30は、円筒形状を有しており、天井80の貫通孔80aの外径よりも小さく、かつ、外気接続ダクト8の内径よりも若干小さい外径を有している。フランジ部32は、
図9に示すように、平面視略正方形状を有している。4つの支柱34,34,34,34は、フランジ部32の四隅に配置されている。対向板36は、平面視略X字状(あるいは、星形)を有しており、ダクト接続部30の内部通路に対向するようにフランジ部32に対して所定距離を隔てた状態で配置されている。対向板36とフランジ部32との間の空間は、4つの支柱34,34,34,34を除いて四方(周囲)が開口している。ダクト接続部30は、本発明における「筒状部」に対応する実施構成の一例である。
【0041】
外気接続ダクト8は、
図2および
図3に示すように、一端がダクト接続部30に接続されると共に、他端が後述する貫通孔15に挿通されて居室空間LSの外、例えば、トイレPRの隣に配置された部屋に開口される。なお、外気接続ダクト8の他端は、トイレPRの隣に配置された部屋に限らず、他の部屋に開口されても良いし、戸外に開口されても良いことは言うまでもない。外気接続ダクト8は、本発明における「第2接続部材」に対応する実施構成の一例である。
【0042】
シール部材10は、
図10に示すように、扉88と側壁84aとの間の隙間Gapに配置されて、当該隙間Gapを封止する。また、シール部材12は、扉88の外気導入開口88aを封止する。換言すれば、トイレPRの居室空間LSは、シール部材10,12によって、居室空間LSの外との連通が、開口26a,26bおよび外気導入部6を除いて規制されていると言うことができる。
【0043】
次に、こうして構成された本実施形態に係るトイレ用換気装置1を既設のトイレPRに設置する際の施工方法について説明する。まず、トイレPRから既設の排気ダクト部材90およびカバー83,83を取り除く作業について説明し、続いて、排気ダクト2、換気ファンVf2および排気接続ダクト4から構成される排気経路の設置について説明し、次に、外気導入部6および外気接続ダクト8から構成される外気導入経路の設置について説明し、最後に、シール部材10,12の設置について説明する。
【0044】
[排気ダクト部材90およびカバー83,83を取り除く作業]
トイレPRから既設の排気ダクト部材90を取り除く作業は、具体的には、排気吸入部92を貫通孔80aから取り外すと共に、換気ファンVf1と共に接続ダクト94を排気口96から取り外し、さらに、扉88からカバー83,83を取り外すことにより行う。こうしてトイレPRから既設の排気ダクト部材90およびカバー83,83が既設のトイレPRから取り除かれる。
【0045】
[排気経路の設置]
続いて、天井80に貫通孔14を穿設すると共に、側壁84bに貫通孔15を穿設する(
図11ないし
図13参照)。貫通孔14,15は、既設のトイレPRに本実施の形態に係るトイレ用換気装置1を設置する際に、天井80に新たに設けるものである(
図1および
図2参照)。換言すれば、本実施の形態に係るトイレ用換気装置1を設置する前の既設のトイレPRの天井80は、貫通孔14,15を有していないと言うことができる。貫通孔14は、本発明における「第2開口」に対応する実施構成の一例である。
【0046】
そして、排気ダクト2をトイレPRに設置する。具体的には、
図1ないし
図3に示すように、第1ダクト20のダクト接続部204を貫通孔14に挿通し、当該状態で第1ダクト20を天井80および側壁84cにビスなどの締結部材を用いて固定する。続いて、第2ダクト22を第1ダクト20に接続すると共に、第3ダクト24を第2ダクト22に接続して、第2ダクト22および第3ダクト24をビスなどの締結部材を用いて側壁84aに固定する。ここで、排気ダクト2は、各ダクト(第1ダクト、第2ダクトおよび第3ダクト)20,22,24の一対の長辺の一方が側壁84cに沿うように配置されるため、排気ダクト2の居室空間LSでの便器81側への突出量を抑えることができる。なお、排気ダクト2の各ダクト(第1ダクト、第2ダクトおよび第3ダクト)20,22,24の長辺の寸法を調節することによって、良好な排気性能を発揮可能な通路断面積を確保することができるため、排気性能の確保と省スペース化との両立を図ることができる。これにより、スペースに制約がある既設のトイレPRにおいて、換気性能の向上を図ることができる。
【0047】
こうして排気ダクト2をトイレPRへ設置した後、第3ダクト24の貫通孔THを覆うようにカバー26を取り付ける。なお、カバー26は、開口26a,26bを有していない辺27aが上方(第3ダクト24の長手方向他端、
図6の上方)となるように、第3ダクト24に取り付けられる。
【0048】
なお、トイレPRに設置された排気ダクト2は、
図1および
図2に示すように、第3ダクト24の下端が、床82の近傍に達した状態となっている。これにより、カバー26の開口26a,26bが床82の近傍に配置される。本実施の形態では、排気ダクト2を第1ダクト20,第2ダクト22および第3ダクト24の三部品によって構成したため、既設のトイレPRの天井80から床82までの既定の寸法に応じて排気ダクト2の長さを簡易に調節可能である。これにより、既設のトイレPRの居室空間LSに排気ダクト2を設置する際の施工性の向上を図ることができる。
【0049】
最後に、排気接続ダクト4に換気ファンVf2を一体にして、当該換気ファンVf2が一体になった排気接続ダクト4の一端を排気ダクト2のダクト接続部204に接続すると共に、排気接続ダクト4の他端を排気口96に接続する。こうして排気経路のトイレPRへの設置が完了する。
【0050】
[外気導入経路の設置]
図1および
図2に示すように、外気導入部6のダクト接続部30を貫通孔80aに挿通すると共に、当該状態で外気導入部6をビスなどの締結部材を用いて天井80に固定する。続いて、外気接続ダクト8の一端をダクト接続部30に接続すると共に、外気接続ダクト8の他端を貫通孔15に接続する。こうして外気導入経路のトイレPRへの設置が完了する。
【0051】
[シール部材10,12の設置]
最後に、扉88と側壁84aとの間の隙間Gapにシール部材10を設置すると共に、扉88の外気導入開口88aにシール部材12を設置する。こうして、排気ダクト2(開口26a,26bおよび貫通孔TH)および外気導入部6を除く居室空間LSと当該居室空間LSの外(戸外含む)との連通が規制される。換言すれば、シール部材10,12によって、排気ダクト2(開口26a,26bおよび貫通孔TH)および外気導入部6を除いて居室空間LSが密閉されると言うことができる。
【0052】
次に、こうして設置された本実施の形態に係るトイレ用換気装置1の動作について説明する。本実施の形態では、トイレPRの使用者が当該トイレPRの居室空間LSに入室したときに、換気ファンVf2が自動で作動する構成とした。なお、換気ファンVf2は、トイレPRの使用者が当該トイレPRの照明用オンオフスイッチをオンしたとき、あるいは、換気ファンVf2専用オンオフスイッチをオンしたときに、換気ファンVf2が作動する構成としても良いことは言うまでもない。
【0053】
トイレPRの使用者が当該トイレPRの居室空間LSに入室して、換気ファンVf2が作動すると、居室空間LS内の空気がカバー26の開口26a,26bを介して排気ダクト2の貫通孔THに流入する。貫通孔THに流入した空気は、排気ダクト2、排気接続ダクト4を流れて排気口96から戸外に排出される。
【0054】
一方、居室空間LSの空気が、排気ダクト2および排気接続ダクト4を介して排出されることによって、当該居室空間LSが負圧となるため、外気接続ダクト8および外気導入部6を介して居室空間LSの外の外気が居室空間LSに導入される。
【0055】
こうして天井80側から導入される外気は、床82側に配置された開口26a,26bから排気ダクト2、排気接続ダクト4を介して排気口96から排出される。このように、本実施の形態によれば、居室空間LSの空気の流れが天井80側から床82側となるため、居室空間LSの床82側に滞留する臭気が、使用者の足元から鼻の高さを通過することがない。これにより、トイレPRの換気性能の向上を図ることができる。
【0056】
なお、外気は、外気導入部6から居室空間LSに導入される際に、対向板36に衝突して放射状に拡散されるため、これにより、居室空間LSの換気をより効果的に実施することができる。また、外気導入部6から居室空間LSに導入される外気は、オゾン発生器38が生成したオゾンを含んでいるため、居室空間LSの殺菌効果や脱臭効果を奏することができる。
【0057】
以上説明した本実施の形態に係るトイレ用換気装置1によれば、トイレPRから既設の排気ダクト部材90およびカバー83,83を取り外し、天井80に貫通孔14、側壁84bに貫通孔15を穿設して、貫通孔14に排気ダクト2を接続すると共に換気ファンVf2が一体になった排気接続ダクト4によって排気ダクト2と既設の排気口96を接続する一方、既設の貫通孔80aに外気導入部6を接続すると共に外気接続ダクト8によって外気導入部6および貫通孔15を接続し、扉88と側壁84aとの間の隙間Gapにシール部材10を設置すると共に扉88の外気導入開口88aにシール部材12を設置する構成であるため、例えば、戸建てやマンション、店舗などに設置された既設のトイレPRであても、極めて簡易に換気性能の向上を図ることができる。
【0058】
また、本実施の形態に係るトイレ用換気装置1によれば、外気導入部6から導入された外気が、床82近傍に配置された開口26a,26bから排出される、即ち、トイレPRの居室空間LSの空気の流れの向きが天井80側から床82側となるため、居室空間LSの床82側に滞留する臭気が、トイレPRの使用者の鼻の高さを通過することなく、開口26a,26bから排気ダクト2および排気接続ダクト4を介して既設の排気口96から排出される。これにより、トイレPRの換気性能の向上を図ることができる。
【0059】
さらに、本実施の形態に係るトイレ用換気装置1によれば、開口26a,26bおよび外気導入部6を除く居室空間LSと当該居室空間LSの外との連通部が、シール部材10,12によって閉塞されるため、外気がこれら連通部を介して居室空間LSの外から居室空間LSに導入されることによる居室空間LSの空気の流れの乱れの発生を防止し得る。これにより、居室空間LSに臭気が滞留することを防止することができる。もとより、臭気がこれら連通部を介して居室空間LSの外に漏れ出ることを防止し得る。また、居室空間LSを負圧し易いため、外気導入部6からの外気の導入の促進を図ることができる。
【0060】
また、本実施の形態に係るトイレ用換気装置1によれば、外気導入部6から居室空間LSに導入される外気にオゾンが含まれるため、居室空間LSの殺菌効果や脱臭効果を奏することができる。
【0061】
また、本実施の形態に係るトイレ用換気装置1によれば、外気導入部6から居室空間LSに外気を導入する際に、外気導入部6からの外気が対向板36に衝突するため、外気を天井80の延在方向(水平方向)に拡散させることができる。これにより、居室空間LS全体に外気を行き渡らせることができるため、換気をより効果的に実施することができる。
【0062】
また、本実施の形態に係るトイレ用換気装置1によれば、排気ダクト2の各ダクト(第1ダクト20、第2ダクト22および第3ダクト24)を断面長方形状に構成し、長辺を側壁84cに沿うように設置するため、良好な排気性能を発揮可能な通路断面積の確保と、省スペース化と、の両立を図ることができる。これにより、スペースに制約がある既設のトイレPRにおいても、良好な換気性能を実現できる。
【0063】
また、本実施の形態に係るトイレ用換気装置1によれば、排気ダクト2を長手方向に複数に分割する構成としたため、トイレPRの床82から天井80までの距離に応じて排気ダクト2の長さを容易に調整することができる。これにより、既設のトイレPRにトイレ用換気装置1を設置する際の施工性の向上を図ることができる。
【0064】
また、本実施の形態に係るトイレ用換気装置1によれば、カバー26は、天井80側を向く面以外に開口26a,26bを有する構成としたため、臭気の排気効率を向上しながらも、トイレPRの居室空間LSの床82側に滞留する臭気が上方へ流れることを良好に抑制することができる。
【0065】
本実施の形態では、開口26a,26bは、平面視略正方形状のカバー26の3辺27b,27c,27dに亘って開口する構成としたが、これに限らない。カバー26は、天井80を向く辺27aに開口を有していなければ良く、例えば、辺27cのみに開口を有する構成や、辺27b,27dのいずれか一方、あるいは、両方に開口を有する構成、辺27b,27c,27dのそれぞれに1つずつ開口を有する構成であっても良い。
【0066】
本実施の形態では、排気ダクト2を3つのダクト(第1ダクト20、第2ダクト22、第3ダクト24)から構成したが、これに限らない。排気ダクト2は、2つのダクトから構成しても良いし、4つ以上のダクトから構成しても良い。また、排気ダクト2は、1つのダクトのみで構成しても良い。なお、本実施の形態では、第1ダクト20が側面視略逆L字状を有する構成としたが、第1ダクト20は、第2ダクト22および第3ダクト24と同様、直線状の角ダクトとしても良いことは言うまでもない。
【0067】
本実施の形態では、各ダクト(第1ダクト20(角ダクト部201)、第2ダクト22、第3ダクト24)は、断面長方形状を有する構成としたが、これに限らない。
【0068】
本実施の形態では、外気導入部6は、対向板36を有する構成としたが、これに限らない。例えば、外気導入部6は、対向板36を有さない構成としても良い。また、外気導入部6は、対向板36に代えて、外気の流れの向きを変更可能なルーバーなどを有する構成としても良い。
【0069】
本実施の形態では、外気導入部6は、オゾン発生器38を有する構成としたが、オゾン発生器38を有さない構成としても構わない。
【0070】
本実施の形態では、換気ファンVf2を用いたが、既設の排気ダクト部材90の換気ファンVf1を流用することができれば、当該換気ファンVf1を用いても良い。
【0071】
本実施の形態では、扉88と側壁84aとの間の隙間Gapにシール部材10を配置したが、隙間Gapにはシール部材10を配置しなくても良い。
【0072】
本実施の形態では、側壁84cの居室空間LS側に排気ダクト2を配置したが、これに限らない。例えば、
図15に例示する変形例のトイレ用換気装置100に示すように、側壁84cの居室空間LS側とは反対側、即ち、側壁84cと、トイレPRに隣接配置された部屋の側壁と、の間の空間50に排気ダクト2を配置しても良い。
【0073】
トイレ用換気装置100は、
図15に示すように、貫通孔14に代えて天井80に貫通孔114を穿設すると共に、側壁84cに貫通孔116を穿設する。そして、貫通孔114に排気ダクト2の第1ダクト20のダクト接続部204を挿通すると共に、排気ダクト2の第3ダクト24の貫通孔THが貫通孔116に整合するように排気ダクト2を側壁84cの90側に取り付け、最後に、貫通孔116を塞ぐように、側壁84cの居室空間LS側にカバー26を取り付けることで、トイレ用換気装置100のトイレPRへの取り付けが完了する。当該構成によれば、居室空間LSのスペースが小さくなることを防止すると共に、意匠性の向上を図ることができる。貫通孔114は、本発明における「第2開口」に対応する実施構成の一例である。
【0074】
本実施の形態および上述した変形例では、既設の排気ダクト90の排気吸入部92が挿通される貫通孔80aが天井80に配置されたトイレPRに適用する構成としたが、これに限らない。例えば、貫通孔80aが側壁84a,84b,84c,84dのいずれかの天井80寄りの位置に配置されたトイレPRに適用する構成としても良い。
【0075】
本実施の形態および上述した変形例では、トイレ用換気装置1,100は、側壁84cに配置する構成としたが、これに限らない。トイレ用換気装置1,100は、例えば、側壁84a,84b,84dのいずれかに配置する構成としても良い。
【0076】
本実施の形態および上述した変形例では、貫通孔15は、側壁84bに配置する構成としたが、これに限らない。例えば、貫通孔15は、側壁84a,84c,84dのいずれかに配置する構成としても良い。
【0077】
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。