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特開2022-191986スクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191986
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】スクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/04 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
B08B1/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131234
(22)【出願日】2021-08-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077823
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521354640
【氏名又は名称】パク ジョンミン
(71)【出願人】
【識別番号】505456193
【氏名又は名称】グローバル スタンダード テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンミン
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA47
3B116AB53
3B116BA03
3B116BA12
3B116BA34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガス処理設備の管路の内周面またはガス処理設備の内壁面に固着されたパウダーが容易かつ効率的に除去できるようにした、スクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置を提供する。
【解決手段】開示された内容によるスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置は、流体の供給方向に応じて、ピストンロッド130が一方向に回転しながら前進し、反対方向に回転しながら後進するスクリューシリンダーにスクレーパー200が結合する構造を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス処理設備に気密的に設置され、流体の供給方向に応じて、ピストンロッドが一方向に回転しながら前進し、反対方向に回転しながら後進するスクリューシリンダーと、
前記スクリューシリンダーのピストンロッドに結合されて前記ガス処理設備内に延び、前記ピストンロッドと一緒に回転するとともに前進または後進しながら、前記ガス処理設備の管路の内周面または前記ガス処理設備の内壁面に固着されたパウダーをスクレイピングするスクレーパーと、を含む、スクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置。
【請求項2】
前記スクリューシリンダーは、前方側に後進ポートが形成され、後方側に前進ポートが形成されるシリンダー本体と、前記シリンダー本体の後方端部に固定結合され、前記シリンダー本体内に延びるスクリュー軸と、後方側が前記スクリュー軸に螺合され、前記前、後進ポートへの流体供給に応じて回転と同時に前進または後進し、前方端部には前記スクレーパーが結合される前記ピストンロッドと、を含むことを特徴する、請求項1に記載のスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置。
【請求項3】
前記スクレーパーは、前記ピストンロッドの前方端部側に嵌められて締結固定される締結管部と、前記締結管部から延びるスクレーパー軸と、前記スクレーパー軸からU字形状に二分岐されて延びるスクレイピング用折曲バーと、を含むことを特徴する、請求項1に記載のスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置。
【請求項4】
前記スクレーパーは、前記スクリューシリンダーのピストンロッドの前方端部側と前記スクレーパーの締結管部を同時に貫通する固定ボルトによって前記スクリューシリンダーのピストンロッドに結合され、
前記固定ボルトは、2つが離隔して互いに反対方向に締結され、端部には離脱防止用スナップリングがそれぞれ嵌められることを特徴する、請求項3に記載のスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された内容は、例えばスクラバーなどのガス処理設備に設置されてパウダーを除去するガス処理設備用パウダー除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別に表示しない限り、このセクションに説明される内容は、この出願の請求項に対する従来技術ではなく、このセクションに含まれるとして、従来技術と認められるのではない。
【0003】
通常、半導体の製造は、DRAM、SDRAM、フラッシュメモリ、シリコン半導体などの半導体の種類によってかなりの差はあるが、通常、ウェーハ製造工程と、回路設計及びマスク製作工程と、酸化、感光、露光、現像、エッチング、アッシング、化学気相成長(CVD)などを含むウェーハ加工工程と、パッケージ工程とを経て行われる。例えばFPDなどのディスプレイの製造も、前述した半導体製造工程が適用される。
【0004】
半導体製造工程の場合には、高純度のH、SiH(モノシラン)またはSiHCl(トリクロロシラン)などのプロセスガスが使用され、化学気相成長には、高純度のSiH、SiHCl、SiHCl、SiCl、GeH、B、BBr、BCl、AsH、PH、TeH、SnCl、GeCl、WF、NH、CH、Cl、MoFなどの特殊プロセスガスが使用され、キャリアガス(carrier gas)として高純度の水素(H)と窒素(N)が使用される。また、プラズマエッチングにはSiF、CF、C、C、CHF、CClF、O等のプロセスガスが使用され、イオンビームエッチングにはC、CHF、CClF、CF等の特殊プロセスガスが使用される。
【0005】
一方、半導体の製造に使用されるプロセスガスは、有毒性、可燃性及び腐食性などの特性が強く、揮発性有機化合物(VOC;Volatile Organic Compounds)などの有害成分を含む。ここで、揮発性有機化合物は、蒸気圧が高いため、大気中に蒸発しやすい液体または気体相の有機化合物の総称であって、大気中で光化学反応を起こしてオゾンなどの光化学酸化性物質を生成させることにより光化学スモッグを誘発し、大気汚染のみならず、地球温暖化の原因物質であるだけでなく、発がん性物質としても知られている。
【0006】
このようなプロセスガスは、製造設備内で一部だけ反応に参加し、残りの90%程度のプロセスガスは、未反応の状態で製造設備から排出される。このように排出されるプロセスガス(以下「廃プロセスガス」という)が、別の浄化過程なしに大気中にそのまま放出される場合、周辺の製造設備の損傷や深刻な環境汚染及び作業者の安全上の事故を招くので、各製造設備には、排気ダクトに接続されたガス排出ライン上に、廃ガスを基準値以下に分解または浄化処理させるガス処理設備が設置される。
【0007】
このようなガス処理設備は、廃ガスの特性、つまり、空気との接触時に爆発的に反応する性質、燃焼する性質、ガス処理剤と反応する性質、及び水に溶ける性質などを用いて、廃ガスを分解または浄化処理するものであって、熱分解または高温プラズマ方式の乾式スクラバー、洗浄液噴射を用いる湿式スクラバー、及び乾式と湿式を並行する混合式スクラバーに大別される。
【0008】
乾式スクラバーは、バーナーの火炎またはプラズマ内に廃ガスが通過するようにして直接燃焼または酸化させるか、或いは例えばヒーターなどの熱源によって形成された高温のチャンバー内に廃ガスが通過するようにして熱分解させる構造を持つ。このような乾式スクラバーは、発火性(可燃性)廃ガスの処理には優れた効果があるが、水溶性ガスのようにうまく燃焼しない廃ガスの処理には不適切である。
【0009】
湿式スクラバーは、水噴射を用いて廃ガスを捕集した後、洗浄及び冷却する比較的簡単な構成を有し、製作が容易で、大容量化することができるという利点がある。しかし、不水溶性の廃ガスは、処理が不可能であり、特に発火性の強い水素基を含む廃ガスの処理には不適切である。
【0010】
混合式スクラバーは、廃ガスを反応器内で1次燃焼させて発火性ガス及び爆発性ガスを除去した後、2次的に水噴射を介して水溶性の有毒性廃ガスを水に溶解させる構造を有し、このような混合式スクラバーの例は、韓国実用新案登録第20-0405303号公報(2006年1月10日公告)、韓国公開特許第10-2010-0021135号公報(2010年2月24日公開)、韓民国特許登録第10-1431452号公報(2014年08月21日公告)、韓国特許登録第10-1568804号公報(2015年11月12日公告)などに開示される。
【0011】
しかし、前述したようなガス処理設備の場合は、管路や内壁などにパウダーが固着されることによりガス処理効率が低下するという問題点があるので、これらのパウダーの固着を防止するための装置またはパウダーを除去するための装置が必要である。
【0012】
このようなガス処理設備用パウダー除去装置の一例として、韓国特許公開第10-2007-0080004号公報(2007年8月9日公開)には、半導体製造工程中に生成された廃ガスが流入するとともに、前記廃ガスを燃焼するバーナーと、前記バーナーが結合され、前記バーナーによって廃ガスが燃焼することにより生成されたパウダーが下部に落下する燃焼チャンバーとから構成される半導体廃ガス処理用スクラバーにおいて、前記燃焼チャンバーには、ガスを提供して、前記燃焼チャンバーの内壁にパウダーが沈積しないようにするパウダー除去用ガス供給部がさらに形成されているが、前記パウダー除去用ガス供給部は、前記燃焼チャンバーの外側に結合されたガス供給管と、前記ガス供給管に接続され、前記燃焼チャンバーの内壁に沿ってリング状に形成されたガスチューブと、前記ガスチューブに結合され、前記燃焼チャンバーの内部から延びた少なくとも一つのガスノズルと、を含んでなることを特徴とする、半導体廃ガス処理用スクラバーのパウダー除去装置が開示される。
【0013】
このような従来のガス処理設備用パウダー除去装置の場合は、ガスノズルまたはガス供給管がむしろパウダーの固着によって閉塞されて本来の機能が発揮されないという問題点があった。
【0014】
また、韓国特許公開第10-2014-0070513号公報(2014年6月10日公開)には、半導体プロセスチャンバーから発生する廃ガスの排気経路上に位置するスクラバーチャンバーと、前記スクラバーチャンバーの外周面を取り囲んで密着固定される超音波伝達バンドと、前記超音波伝達バンドに固着される振動伝達部材と、前記振動伝達部材に一端が固定結合される超音波ホーンと、前記超音波ホーンの他端に結合され、超音波振動を提供する超音波変換器と、前記超音波変換器を電気的に駆動する超音波変換器駆動電力増幅器と、円柱状に両端円形面の中央に貫通口を有し、貫通口を介して前記超音波ホーンが貫通結合される冷却ユニットと、を備えることにより、超音波変換器に伝導される熱を遮断させ、超音波振動エネルギーの損失を最小限に抑え、高温の環境下でも超音波変換器の効率と安定性を確保する半導体製造設備用超音波スクラバーが開示される。
【0015】
しかし、前述したような半導体製造設備用超音波スクラバーに開示される超音波振動型パウダー除去装置の場合は、スクラバーの周りに設置されなければならないので、相対的に装置のサイズが大きく、超音波発生のためにかなりの電力が消費されるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2007-0080004号公報(2007年8月9日、公開)
【特許文献2】韓国特許公開第10-2014-0070513号公報(2014年6月10日、公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、流体の供給方向に応じて、ピストンロッドが一方向に回転しながら前進し、反対方向に回転しながら後進するスクリューシリンダーにスクレーパーが結合される構造によって、ガス処理設備の管路の内周面またはガス処理設備の内壁面に固着されたパウダーが容易かつ効率的に除去できるようにした、スクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置を提供することにある。
【0018】
また、上述したような技術的課題に限定されず、以下の説明から別の技術的課題が導き出される可能性もあるのは自明である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
開示された内容は、ガス処理設備に気密的に設置され、流体の供給方向に応じて、ピストンロッドが一方向に回転しながら前進し、反対方向に回転しながら後進するスクリューシリンダーと、前記スクリューシリンダーのピストンロッドに結合されて前記ガス処理設備内に延び、前記ピストンロッドと一緒に回転するとともに前進または後進しながら、前記ガス処理設備の管路の内周面または前記ガス処理設備の内壁面に固着されたパウダーをスクレイピングするスクレーパーと、を含む、スクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置を一実施例として提示する。
【0020】
開示された内容の好適な特徴によれば、前記スクリューシリンダーは、前方側に後進ポートが形成され、後方側に前進ポートが形成されるシリンダー本体と、前記シリンダー本体の後方端部に固定結合され、前記シリンダー本体内に延びるスクリュー軸と、後方側が前記スクリュー軸に螺合され、前記前、後進ポートへの流体供給に応じて回転と同時に前進または後進し、前方端部には記スクレーパーが結合される前記ピストンロッドと、を含む。
【0021】
開示された内容の好適な特徴によれば、前記スクレーパーは、前記ピストンロッドの前方端部側に嵌められて締結固定される締結管部と、前記締結管部から延びるスクレーパー軸と、前記スクレーパー軸からU字形状に二分岐されて延びるスクレイピング用折曲バーと、を含む。
【0022】
開示された内容の好適な特徴によれば、前記スクレーパーは、前記スクリューシリンダーのピストンロッドの前方端部側と前記スクレーパーの締結管部を同時に貫通する固定ボルトによって前記スクリューシリンダーのピストンロッドに結合され、前記固定ボルトは、2つが離隔して互いに反対方向に締結され、端部には離脱防止用スナップリングがそれぞれ嵌められる。
【発明の効果】
【0023】
開示された一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置によれば、流体の供給方向に応じて、ピストンロッドが一方向に回転しながら前進し、反対方向に回転しながら後進するスクリューシリンダーにスクレーパーが結合される構造によって、ガス処理設備の管路の内周面またはガス処理設備の内壁面に固着されたパウダーが容易かつ効率的に除去できるという利点がある。
【0024】
開示された実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置によれば、相対的に少ない設置費用と維持費用で、ガス処理設備の管路の内周面またはガス処理設備の内壁面に固着されたパウダーを効果的に除去するとともに、ガス処理設備のガス処理効率の安定性を増大させることができるという利点がある。
【0025】
本発明の効果は、上述した効果に限定されず、上述していない別の効果は、請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】開示された内容の実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の概略設置構造図である。
図2】開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の斜視図である。
図3】開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の分解斜視図である。
図4】開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の断面構造図である。
図5】開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の作動図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、好適な実施形態の構成及び作用効果について説明する。ちなみに、以下の図面において、各構成要素は、利便性及び明確性のために省略されるか概略的に図示されており、各構成要素の大きさは、実際の大きさを反映するものではない。また、明細書全体にわたって、同一の参照符号は同一の構成要素を指し、個別図面において、同じ構成に対する符号は省略することにする。
【0028】
図1は開示された内容の実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の概略設置構造図である。
【0029】
開示された内容の実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置1は、図1に示すように、例えば、半導体製造工程又はディスプレイ製造工程に使用された廃ガスを浄化処理するスクラバーなどのガス処理設備3に気密的に設置され、ガス処理設備3の管路の内周面またはガス処理設備3の内壁面に固着されたパウダーをスクレイピングして除去する役割を果たす。
【0030】
開示された内容の実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置1は、ガス処理設備3の管路に設置され、管路の内周面に固着されたパウダーをスクレイピングして除去することもでき、ガス処理設備3の上部中央に設置され、ガス処理設備3の内壁面に固着されたパウダーをスクレイピングによって除去することもできる。
【0031】
図2は開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の斜視図であり、図3は開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の分解斜視図であり、図4は開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の断面図である。
【0032】
開示された内容の実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置1は、図1図4に示すように、ガス処理設備3に気密的に設置され、流体の供給方向に応じて、ピストンロッド130が一方向に回転しながら前進し、反対方向に回転しながら後進するスクリューシリンダー100と、このスクリューシリンダー100のピストンロッド130に結合されてガス処理設備3内に延び、ピストンロッド130と一緒に回転するとともに前進または後進しながら、ガス処理設備3の管路の内周面またはガス処理設備3の内壁面に固着されたパウダーをスクレイピングするスクレーパー200と、を含む。
【0033】
ここで、スクリューシリンダー100は、ガス処理設備3内でスクレーパー200を回転と同時に前進または後進させるアクチュエータに該当するもので、ガスケット140の介在下にガス処理設備3に気密的に結合される。
【0034】
このようなスクリューシリンダー100は、流体の供給方向に応じて、スクレーパー200が結合されたピストンロッド130を一方向に回転すると同時に前進するようにし、逆方向に回転すると同時に後進するようにするもので、図2図4に示すように、前方側に後進ポート111が形成され、後方側に前進ポート113が形成されるシリンダー本体110と、シリンダー本体110の後方端部に固定結合されてシリンダー本体110内に延びるスクリュー軸120と、後方側がスクリュー軸120に螺合されて回転と同時に前進または後進し、前方端部にはスクレーパー200が結合されるピストンロッド130と、を含む。
【0035】
ここで、シリンダー本体110は、スクリューシリンダー100のハウジングを形成するとともに、後述されるピストンロッド130の回転及び前後進のための空間を形成する役割を果たす。
【0036】
このようなシリンダー本体110は、直方体形状を有することが好ましく、ピストンロッド130の回転及び前後進のために、円形の横断面を有する通孔が長さ方向に沿って穿設される。
【0037】
また、シリンダー本体110の前方側には、例えば、圧縮空気などの流体が流入または排出されるようにする後進ポート111が形成される。後進ポート111は、ピストンロッド130が回転しながら後進することができるように流体がシリンダー本体110内に流入するようにするか、或いはピストンロッド130が反対方向に回転しながら前進することができるように流体がシリンダー本体110から排出されるようにする。後進ポート111は、上部から下部方向に垂直延長される単純な構造でも形成可能であり、図4に示すように、上部から下部方向に垂直延長されてから直角に折り曲げられて水平延長された後、再び垂直に延長する多段折曲流路の形態でも形成可能である。
【0038】
また、シリンダー本体110の後方側には、例えば、圧縮空気などの流体が流入または排出されるようにする前進ポート113が形成される。前進ポート113は、ピストンロッド130が回転しながら前進することができるように流体がシリンダー本体110内に流入するようにするか、或いはピストンロッド130が反対方向に回転しながら後進することができるように流体がシリンダー本体110から排出されるようにする。
【0039】
このような前進ポート113は、図4に示すように、上部から下部方向に延びてから直角に折り曲げられて水平延長されるアングル型流路の形態で形成可能である。
【0040】
前述したシリンダー本体110の後方端部には、スクリュー軸120が固定結合されてシリンダー本体110内に延長される。スクリュー軸120は、シリンダー本体110に対する流体の供給方向に応じて、後述されるピストンロッド130が回転と同時に前進または後進するようにする役割を果たす。
【0041】
このようなスクリュー軸120は、外周面に沿って螺旋状溝が形成されるが、後方には、シリンダー本体110の後方端部に固定結合される結合端部121が形成される。
【0042】
前述したスクリュー軸120には、ピストンロッド130が回転と同時に前進または後進可能に螺合される。ピストンロッド130は、前進ポート113または後進ポート111への流体の供給に応じて、スクリュー軸120に乗って回転と同時に前進または後進しながら、それに伴う複合作用力を、前方端部に結合されたスクレーパー200へ提供する役割を果たす。
【0043】
このようなピストンロッド130は、スクリュー軸120に螺合され、シリンダー本体110内で回転と同時に前進または後進可能なピストン部131と、ピストン部131に一体に形成されて前方に延び、シリンダー本体110の前方端部に回転及び前後進可能に貫通結合され、スクレーパー200が結合されるロッド部133と、を含む。
【0044】
ピストン部131の外周にはピストンリング131aが備えられ、実施形態に応じては、回転及び前後進を可能にするボールベアリングがさらに備えられることができる。また、ピストン部131とロッド部133にわたって、スクリュー軸120が挿入可能なスクリュー軸溝135が凹設される。
【0045】
前述したスクリューシリンダー100のシリンダー本体110は、ガスケット140の介在下にガス処理設備3側に気密的に結合される。
【0046】
前述したスクリューシリンダー100のピストンロッド130の前方端部側には、スクレーパー200が結合される。スクレーパー200は、ガス処理設備3内に延長され、ピストンロッド130と一緒に回転と同時に前進または後進しながら、ガス処理設備3の管路の内周面またはガス処理設備3の内壁面に固着されたパウダーをスクレイピングする役割を果たす。
【0047】
このようなスクレーパー200は、ピストンロッド130の前方端部側に嵌められて締結固定される締結管部210と、締結管部210から延長されるスクレーパー軸220と、スクレーパー軸220からU字形状に二分岐されて延長されるスクレイピング用折曲バー230と、を含む。このとき、スクレイピング用折曲バー230は、パウダーのスクレイピングが要求されるガス処理設備3の管路の内周面の両側またはガス処理設備3の内壁面の両側に近接するか、或いは実施形態に応じては接することが好ましい。
【0048】
また、締結管部210は、スクリューシリンダー100のピストンロッド130とスクレーパー200の後方端部側、言い換えれば、締結管部210を同時に貫通する固定ボルト240によってスクリューシリンダー100のピストンロッド130に締結固定される。また、締結管部210の強固な結合のために、固定ボルト240は、2つが離隔して互いに反対方向に締結され、端部には離脱防止用スナップリング250がそれぞれ嵌められることが好ましい。
【0049】
図5は開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の作動図である。以下、図1図5を参照して、開示された内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置の全体作動を説明する。
【0050】
図5に示すように、ガス処理設備3の管路またはガス処理設備3の上部中央に開示され内容の一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置1がブッシング形態の連結ブロックと連結フランジを介して設置された状態で、例えば、圧縮空気などの流体がシリンダー本体110の前進ポート113を介してシリンダー本体110内に流入すると、ピストンロッド130のピストン部131に当該流体の圧力が後方から前方に加えられる。このとき、ピストンロッド130がスクリュー軸120に乗って一方向に回転すると同時に前進する。このとき、ピストン部131の前方空間に充填された流体は、後進ポート111を介して排出される。
【0051】
この場合には、スクリューシリンダー100のピストンロッド130に締結固定されたスクレーパー200は、ピストンロッド130と一体に回転すると同時に前進しながら、スクレイピング用折曲バー230によって、ガス処理設備3の管路の内周面またはガス処理設備3の内壁面に固着されたパウダーを掻き出して除去する。
【0052】
また、例えば、圧縮空気などの流体がシリンダー本体110の後進ポート111を介してシリンダー本体110内に流入すると、ピストンロッド130のピストン部131に当該流体の圧力が前方から後方に加えられる。このとき、ピストンロッド130がスクリュー軸120に乗って反対方向に回転すると同時に後進する。このとき、ピストン部131の後方空間に充填された流体は、前進ポート113を介して排出される。
【0053】
この場合には、スクリューシリンダー100のピストンロッド130に締結固定されたスクレーパー200は、ピストンロッド130と一体に回転すると同時に後進しながら、スクレイピング用折曲バー230によって、ガス処理設備3の管路の内周面またはガス処理設備3の内壁面に固着されたパウダーを掻き出して除去する。
【0054】
したがって、開示された一実施形態に係るスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置1が適用される場合に、流体の供給方向に応じて、ピストンロッド130が一方向に回転しながら前進し、反対方向に回転しながら後進するスクリューシリンダー100にスクレーパー200が結合される構造によって、ガス処理設備3の管路の内周面またはガス処理設備の内壁面に固着されたパウダーが容易かつ効率的に除去できる。
【0055】
また、相対的に少ない設置費用と維持費用で、ガス処理設備3の管路の内周面またはガス処理設備3の内壁面に固着されたパウダーを効果的に除去するとともにガス処理設備3のガス処理効率の安定性を増大させることができる。
【0056】
以上、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明したが、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点において、これらを代替することができる様々な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。したがって、以上で記述した実施形態は、あらゆる面で例示的なもので、限定的なものではないと理解されるべきであり、本発明の範囲は、詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から導き出されるすべての変更または変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0057】
1 スクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置
3 ガス処理設備
100 スクリューシリンダー
110 シリンダー本体
111 後進ポート
113 前進ポート
120 スクリュー軸
121 結合端部
130 ピストンロッド
131 ピストン部
131a ピストンリング
133 ロッド部
135 スクリュー軸溝
140 ガスケット
200 スクレーパー
210 締結管部
220 スクレーパー軸
230 スクレイピング用折曲バー
240 固定ボルト
250 離脱防止用スナップリング
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス処理設備に気密的に連結され、流体の供給方向に応じて、ピストンロッドが一方向に回転しながら前進し、反対方向に回転しながら後進するスクリューシリンダーと、
前記スクリューシリンダーのピストンロッドに結合されて前記ガス処理設備内に延び、前記ピストンロッドと一緒に回転するとともに前進または後進しながら、前記ガス処理設備の管路の内周面または前記ガス処理設備の内壁面に固着されたパウダーをスクレイピングするスクレーパーと、を含む、スクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置。
【請求項2】
前記スクリューシリンダーは、前方側に後進ポートが形成され、後方側に前進ポートが形成されるシリンダー本体と、前記シリンダー本体の後方端部に固定結合され、前記シリンダー本体内に延びるスクリュー軸と、後方側が前記スクリュー軸に螺合され、前記前、後進ポートへの流体供給に応じて回転と同時に前進または後進し、前方端部には前記スクレーパーが結合される前記ピストンロッドと、を含むことを特徴する、請求項1に記載のスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置。
【請求項3】
前記スクレーパーは、前記ピストンロッドの前方端部側に嵌められて締結固定される締結管部と、前記締結管部から延びるスクレーパー軸と、前記スクレーパー軸からU字形状に二分岐されて延びるスクレイピング用折曲バーと、を含むことを特徴する、請求項1に記載のスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置。
【請求項4】
前記スクレーパーは、前記スクリューシリンダーのピストンロッドの前方端部側と前記スクレーパーの締結管部を同時に貫通する固定ボルトによって前記スクリューシリンダーのピストンロッドに結合され、
前記固定ボルトは、2つが離隔して互いに反対方向に締結され、端部には離脱防止用スナップリングがそれぞれ嵌められることを特徴する、請求項3に記載のスクリューシリンダーを用いたガス処理設備用パウダー除去装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5