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特開2022-191997インテリジェントキャビネットシステム及びそのロック機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191997
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】インテリジェントキャビネットシステム及びそのロック機構
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/463 20170101AFI20221221BHJP
   A47B 88/57 20170101ALI20221221BHJP
   A47B 88/467 20170101ALI20221221BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A47B88/463
A47B88/57
A47B88/467
E05B47/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190722
(22)【出願日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】110122262
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】劉 駿達
(72)【発明者】
【氏名】蘇 信誠
(72)【発明者】
【氏名】莊 子▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】林 淑珍
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB47
3B160AB48
3B160AC02
3B160AC04
3B160AC05
3B160AC06
3B160CA02
3B160CA13
3B160CA22
3B160EB01
3B160EB22
3B160EB32
3B160EB75
3B160EB83
(57)【要約】
【課題】 互いに対して移動可能な物体に適用可能な、省電力且つ安全性の高いロック機構を提供すること。
【解決手段】 ロック機構は、互いに対して移動可能な第1の物体及び第2の物体を有するインテリジェントキャビネットシステムに適用可能である。第2の物体は引っ込め位置、所定の伸長位置及び開位置のうちの1つで位置するように構成されている。ロック機構はロック部材及び駆動装置を含む。駆動装置はロック部材を駆動して、第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かすように構成されている。第2の物体が第1の物体に対して所定の方向に沿って引っ込め位置から動かされ、ロック部材が第2の所定の位置に位置する場合、ロック部材は、第2の物体を所定の伸長位置でブロックするように構成されている。所定の伸長位置は、引っ込め位置と開位置との間に位置する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の物体と、
前記第1の物体に対して可動な第2の物体と、
ロック部材を含むロック機構と、
電子装置から第1の制御信号を受信するために該電子装置と通信するように構成されたコントローラと、
を含むインテリジェントキャビネットシステムであって
前記第2の物体は、前記第1の物体に対して引っ込め位置から開位置に移動可能であり、
前記電子装置が前記第1の制御信号を前記コントローラに送信し、前記第2の物体が前記第1の物体に対して開方向に沿って前記引っ込め位置から動かされた場合、前記コントローラは、前記第2の物体を前記ロック部材によって所定の伸長位置でブロックするために、前記第1の制御信号に従って、前記ロック機構のロック部材を制御して第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かすように構成され、
前記所定の伸長位置は前記引っ込め位置と前記開位置との間に位置する、インテリジェントキャビネットシステム。
【請求項2】
前記第1の物体はキャビネット本体であり、前記第2の物体は引き出し又はドアであり、
前記電子装置及び前記コントローラは、無線伝送を介して互いに通信するように構成され、
前記ロック機構は、前記第2の物体が前記引っ込め位置に位置しているかどうか検出するように構成されたセンサをさらに含む、請求項1に記載のインテリジェントキャビネットシステム。
【請求項3】
前記第2の物体が前記引っ込め位置に位置する場合、前記ロック部材は前記第1の所定の位置に位置し、
前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記センサは、それに従って第1の感知信号を生成するように構成され、
前記コントローラが、前記第1の感知信号に従って、前記第2の物体が前記引っ込め位置から離れたと判定した場合、前記コントローラは、前記第2の物体を前記所定の伸長位置でブロックするために、前記第1の制御信号に従って、前記ロック機構のロック部材を制御して、前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成されている、請求項2に記載のインテリジェントキャビネットシステム。
【請求項4】
前記電子装置が第2の制御信号を前記コントローラに送信した場合、前記コントローラは、前記第2の物体が、前記ロック部材によって前記所定の伸長位置でブロックされることなく、前記開方向に沿って前記開位置に移動できるようにするために、前記第2の制御信号に従って、前記ロック機構のロック部材が前記第1の所定の位置に位置するよう制御するように構成され、
前記インテリジェントキャビネットシステムは電力貯蔵装置をさらに含み、前記ロック機構は駆動装置をさらに含み、該電力貯蔵装置は該駆動装置に電力を供給するように構成され、
前記コントローラが前記第1の制御信号を受信し、前記駆動装置に電力が供給された場合、前記駆動装置は前記ロック部材を駆動して前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成され、
前記コントローラが前記第2の制御信号を受信した場合、前記駆動装置に電力が供給されず、前記ロック部材は前記第1の所定の位置に位置する、請求項1に記載のインテリジェントキャビネットシステム。
【請求項5】
互いに対して可動な第1の物体及び第2の物体のうちの一方に取り付けられるように構成されたロック機構であって、該第2の物体は、引っ込め位置、所定の伸長位置及び開位置のうちの1つに位置するように前記第1の物体に対して可動であり、当該ロック機構は、
ロック部材と、
前記ロック部材を駆動して第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かすように構成された駆動装置と、
を含み、
前記第2の物体が前記第1の物体に対して開方向に沿って前記引っ込め位置から動かされ、前記ロック部材が前記第2の所定の位置に位置する場合、前記ロック部材は、前記第2の物体を前記所定の伸長位置でブロックするように構成され、
前記所定の伸長位置は、前記引っ込め位置と前記開位置との間に位置する、ロック機構。
【請求項6】
前記第2の物体が前記第1の物体に対して前記開方向に沿って前記引っ込め位置から動かされ、前記ロック部材が前記第1の所定の位置に位置する場合、前記第2の物体は、前記ロック部材によって前記所定の伸長位置でブロックされることなく、前記開方向に沿って前記開位置に移動可能であり、
前記ロック機構は、前記第2の物体が前記引っ込め位置に位置するかどうか検出するように構成されたセンサと、前記駆動装置に電力を供給するように構成された電力貯蔵装置とをさらに含む、請求項5に記載のロック機構。
【請求項7】
前記ロック機構は、電子装置の第1の制御信号又は第2の制御信号を受信するように構成されたコントローラを含み、
前記コントローラが前記第1の制御信号を受信し、前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記駆動装置に電力が供給され、前記駆動装置は前記ロック部材を駆動して前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成され、
前記コントローラが前記第2の制御信号を受信し、前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記ロック部材が前記第1の所定の位置に位置するように前記駆動装置に電力が供給されない、請求項6に記載のロック機構。
【請求項8】
回転機構をさらに含み、前記駆動装置は、該回転機構を介して、前記ロック部材を駆動し、前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成されている、請求項7に記載のロック機構。
【請求項9】
スライドブロックをさらに含み、前記駆動装置は、該スライドブロックを介して、前記ロック部材を駆動し、前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成されている、請求項7に記載のロック機構。
【請求項10】
弾性部材をさらに含み、
前記コントローラが前記第2の制御信号を受信し、前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記駆動装置には電力が供給されず、前記ロック部材は、前記弾性部材の弾性力に対応して前記第1の所定の位置で保持される、請求項7に記載のロック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロック機構に関し、より具体的には、互いに対して移動可能な物体に適用可能なロック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スライドレールアセンブリは、家庭又は職場の電子装置のラックシステムに適用可能である。スライドレールアセンブリは、キャビネット本体及び引き出し等の第1の物体及び第2の物体にそれぞれ取り付けられる第1のレール及び第2のレールを含むため、第2のレールを介して引き出しを第1のレール及び/又はキャビネット本体に対して開くか又は引っ込めることができる。
【0003】
異なる市場要件のために、一部のユーザは、第2のレール(第2の物体)が所定の位置から第1のレール(第1の物体)に対して自由に動くのを望まない場合がある。
【0004】
特許文献1には、互いに対して可動な第1の物体及び第2の物体のうちの一方に配置されるように構成されたロック機構が開示されている。ロック機構は駆動装置及びロック部材を含む。ロック部材は、(モータ等の)駆動装置によって駆動されて、非回転可能な方法で第1の位置から第2の位置に移動するように構成されている。ロック部材が第1の位置及び第2の位置のうちの一方に位置する場合、ロック部材は、第1の物体及び第2の物体のうちの他方をロックするように構成されている。ロック部材が第1の位置及び第2の位置のうちの他方に位置する場合、ロック部材は第1の物体及び第2の物体のうちの他方をロックしない。
【0005】
特許文献2には引き出しスライド及びロック機構が開示されている。ロック機構は電子ロックである。ケースの図1に示すように、引き出しスライドは外側スライド部材及び内側スライド部材を含む。内側スライド部材は、外側スライド部材に対して閉位置に位置する。内側スライド部材の後端にはピンが配置されている。他方、ロック機構はラッチレシーバ、レバーアーム及びモータを含む。ケースの図1及び図2に示すように、ラッチレシーバは第1の位置に位置するように構成されている。第1の位置に位置する場合、ラッチレシーバは内側スライド部材のピンを捕捉する準備が整っている。ケースの図3に示すように、電子制御信号を受信した場合、モータは、レバーアームの上部が回転してラッチレシーバを押し、ラッチレシーバを第1の位置から第2の位置に回転させて内側スライド部材のピンを保持するように、レバーアームを駆動して回転させるように構成されている。そのような構成によれば、内側スライド部材を外側スライド部材に対して閉位置で保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/018098号明細書
【特許文献2】米国特許第8328299号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さらに、上述の両方の特許文献では、レバーアームを駆動するためにモータが用いられる。しかしながら、レバーアームの回転を制御するためにモータを絶えずオン/オフにすることはより多くの電力を消費するため、バッテリの長期使用に好ましくない。さらに、異なる市場要件又は構造上の考慮事項のために、ロック機能を実現するためにそのような構成を用いることが望ましくないことが時としてある。したがって、異なる種類の製品を開発することが重要である。
【0008】
本発明は、ロック機構に対して可動な物体に適用可能なロック機構に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、インテリジェントキャビネットシステムは第1の物体、第2の物体、ロック機構及びコントローラを含む。第2の物体は第1の物体に対して可動である。ロック機構はロック部材を含む。コントローラは、電子装置から第1の制御信号を受信するために該電子装置と通信するように構成されている。第2の物体は、第1の物体に対して引っ込め位置から開位置に移動可能である。電子装置が第1の制御信号をコントローラに送信し、第2の物体が第1の物体に対して開方向に沿って引っ込め位置から動かされた場合、コントローラは、第2の物体をロック部材によって所定の伸長位置でブロックするために、第1の制御信号に従って、ロック機構のロック部材を制御して第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かすように構成されている。所定の伸長位置は引っ込め位置と開位置との間に位置する。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、ロック機構は、互いに対して可動な第1の物体及び第2の物体のうちの一方に取り付けられるように構成されている。第2の物体は、引っ込め位置、所定の伸長位置及び開位置のうちの1つに位置するように第1の物体に対して可動である。ロック機構はロック部材及び駆動装置を含む。駆動装置は、ロック部材を駆動して第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かすように構成されている。第2の物体が第1の物体に対して開方向に沿って引っ込め位置から動かされ、ロック部材が第2の所定の位置に位置する場合、ロック部材は、第2の物体を所定の伸長位置でブロックするように構成されている。所定の伸長位置は、引っ込め位置と開位置との間に位置する。
【0011】
本発明のこれらの及び他の目的は、様々な図面に示す好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者に紛れもなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係るインテリジェントキャビネットシステムを示す図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係る、引き出しを備えたインテリジェントキャビネットシステムを示す図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態に係る、引き出しを備えたインテリジェントキャビネットシステムの分解図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態に係るインテリジェントキャビネットシステムのロック機構を示す図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態に係るインテリジェントキャビネットシステムのロック機構の分解図である。
図6図6は、本発明の第1の実施形態に係る、第1の物体に対して引っ込められた状態にあるインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態に係る、第1の物体に対して僅かに開けられているが依然ロックされているインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図8図8は、本発明の第1の実施形態に係る、第1の物体に対して完全に開けられたインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図9図9は、本発明の第1の実施形態に係る、第1の設定モードにおけるインテリジェントキャビネットシステムの動作のフローチャートである。
図10図10は、本発明の第1の実施形態に係る、第2の設定モードにおけるインテリジェントキャビネットシステムの動作のフローチャートである。
図11図11は、本発明の第1の実施形態に係る、ロック機構に対して引っ込められた位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図12図12は、本発明の第1の実施形態に係る、ロック機構に対して所定の伸長位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図13図13は、本発明の第1の実施形態に係る、ロック機構に対して開位置にあるインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図14図14は、本発明の第2の実施形態に係る、ロック機構に対して引っ込め位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図15図15は、本発明の第2の実施形態に係る、ロック機構に対して所定の伸長位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図16図16は、本発明の第3の実施形態に係る、ロック機構に対して引っ込め位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図17図17は、本発明の第3の実施形態に係る、ロック機構に対して所定の伸長位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図18図18は、本発明の第4の実施形態に係る、ロック機構に対して引っ込め位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図19図19は、本発明の第4の実施形態に係る、ロック機構に対して所定の伸長位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図20図20は、本発明の第5の実施形態に係る、ロック機構に対して引っ込め位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
図21図21は、本発明の第5の実施形態に係る、ロック機構に対して所定の伸長位置に位置するインテリジェントキャビネットシステムの第2の物体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態によれば、インテリジェントキャビネットシステム20は第1の物体22、少なくとも1つの第2の物体24、少なくとも1つのロック機構26及びコントローラ28を含む。インテリジェントキャビネットシステム20は電力貯蔵装置32をさらに含むことが好ましい。
【0014】
第1の物体22及び少なくとも1つの第2の物体24は互いに対して可動である。本実施の形態では、第1の物体22はキャビネット本体であり、少なくとも1つの第2の物体24は引き出し又はドアであるが、本発明はこのような構成に限定されない。さらに、少なくとも1つの第2の物体24が引き出しの場合、第1の物体22及び第2の物体24は、スチールボールスライドレールアセンブリ又は隠しスライドレールアセンブリ等のリトラクタブルスライドレールアセンブリを備えることができる。少なくとも1つの第2の物体24がドアの場合、第1の物体22及び第2の物体24はヒンジを備えることができる。
【0015】
コントローラ28は電子装置30と通信するように構成されているため、電子装置30とコントローラ28とは互いにデータを送信できる。例えば、電子装置30は、少なくとも1つの制御信号をコントローラ28に送信でき、コントローラ28はそれに従って少なくとも1つのロック機構26を電気的に制御できる。
【0016】
電力貯蔵装置32は、コントローラ28又はコントローラ28に電気的に接続された他の関連電子部品に電力を供給するように構成されている。
【0017】
電子装置30は、無線伝送を介してコントローラ28と通信するように構成されていることが好ましい。無線伝送はWIFI、RFID、Bluetooth、Sub_1GHz、LoRa又はNFCとすることができるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0018】
電子装置30は、携帯電話、タブレット装置又はスマートウォッチであることが好ましいが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0019】
電力貯蔵装置32は、使い捨て電池、充電式電池又は様々な種類のリチウム電池を含むことができることが好ましい。充電式電池はAC/DCアダプタ又は無線充電装置を介して充電できるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0020】
図2及び図3に示すように、インテリジェントキャビネットシステム20の第1の物体22はキャビネット本体であり、第2の物体24は、例えば引き出しである。キャビネット本体は、第1のレール(図示せず)を備え、引き出しは第2のレール(図示せず)を備えるように構成されることが好ましい。第2のレールは、引き出しがキャビネット本体に対して移動するのを補助するように構成されている。第1のレールは第1の物体22の一部とみなすことができ、第2のレールは第2の物体24の一部とみなすことができる。
【0021】
インテリジェントキャビネットシステム20はロックバックル34をさらに含むことが好ましい。ロック機構26は第1の物体22及び第2の物体24のうちの一方に配置され、ロックバックル34は第1の物体22及び第2の物体24のうちの他方に配置される。本実施形態では、ロック機構26が第1の物体22に配置され、ロックバックル34が第2の物体24に配置されているが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0022】
ロックバックル34は第1の部分36、第2の部分38及び第1の部分36と第2の部分38との間に定義される空間Sを含むことが好ましい。
【0023】
第2の部分38はガイド部40を有することが好ましい。ガイド部40は傾斜面又は弧面を有するが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0024】
図4及び図5に示すように、ロック機構26はロック部材42を含む。ロック機構26は、駆動装置44、センサ46及び回路基板アセンブリ48をさらに含むことが好ましい。駆動装置44及びセンサ46は回路基板アセンブリ48に電気的に接続されている。駆動装置44はロック部材42を駆動するように構成されている。
【0025】
駆動装置44はソレノイド又はモータを含むことが好ましいが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0026】
センサ46は、近接スイッチ又はマイクロスイッチ等の電子スイッチであることが好ましいが、本発明はこのような構成に限定されない。本実施形態では、センサ46は弾性感知部46aを含む。
【0027】
ロック機構26は基板50をさらに含むことが好ましい。基板50は、回路基板アセンブリ48及び駆動装置44のうちの少なくとも一方を保持するように構成されている。本実施形態では、基板50は回路基板アセンブリ48及び駆動装置44を保持するように構成されているが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0028】
ロック機構26は基板50に固定される固定ベース52をさらに含むことが好ましい。本実施形態では、固定ベース52は円弧上の輪郭を有するが、本発明はこのような構成に限定されない。固定ベース52は、ロック部材42を挿入可能な空間を有するように形成され、固定ベース52はロック部材42の移動方向を維持又は安定させるように構成されている。
【0029】
ロック機構26は、回路基板アセンブリ48に電気的に接続されたコネクタ54をさらに含み、コネクタ54は関連する電子部品、外部電源又はコントローラ28に電気的に接続されるように構成されていることが好ましい。または、他の実施形態では、コントローラ28は回路基板アセンブリ48上に配置できるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0030】
ロック機構26はハウジング56をさらに含むことが好ましい。ハウジング56は、関連する部品を保護するために、ロック部材42、駆動装置44、センサ46、回路基板アセンブリ48、基板50、固定ベース52及びコネクタ54を部分的に又は完全に覆うように構成されている。
【0031】
図6図7及び図8(及び図11図12及び図13)に示すように、第2の物体24は第1の物体22に対して、(図6に示すように)引っ込め位置P1、(図7に示すように)所定の伸長位置P2及び(図8に示すように)開位置P3のうちの1つに位置するように構成されている。他方で、第2の物体24が引っ込め位置P1に位置する場合、ロックバックル34はロック機構26に対して位置P1’に位置し、第2の物体24が所定の伸長位置P2に位置する場合、ロックバックル34はロック機構26に対して位置P2’に位置し、第2の物体24が開位置P3に位置する場合、ロックバックル34はロック機構26に対して位置P3’に位置する。所定の伸長位置P2は引っ込め位置P1と開位置P3との間に位置する。例えば、所定の伸長位置P2は、引っ込め位置P1と開位置P3との任意の中間位置とすることができる。引っ込め位置P1は完全に引っ込められた位置であり、開位置P3は完全に開けられた位置である。
【0032】
ロック機構26は第1の物体22に配置され、ロックバックル34は第2の物体24に配置されている。ロック機構26の本体部は図8に示されていない。電子装置30は、ロック機構26の駆動装置44に電気的に接続されたコントローラ28に第1の制御信号又は第2の制御信号を送信するように構成されている。例えば、電子装置30は、コントローラ28に第1の制御信号又は第2の制御信号を送信するためにコントローラ28と通信することができるように、第1の設定モード及び第2の設定モードを有するアプリケーションプログラム(APP)をインストールできる。コントローラ28は、センサ46の感知状態に従ってロック機構26のロック部材42を駆動するかどうかを決定することができる。
【0033】
第1の設定モードでは、電子装置30が第1の制御信号(例えば、ロック信号)をコントローラ28に送信した場合、コントローラ28は、第1の制御信号及びセンサ46の感知状態に従って、ロック機構26のロック部材42を(図6又は図11に示す)第1の所定の位置K1から(図7又は図12に示す)第2の所定の位置K2に動かすよう制御するように構成されている。したがって、第2の物体24が、開方向D1に沿って第1の物体22に対して引っ込め位置P1から動かされた場合、ロック部材42が(図7又は図12に示すように)所定の伸長位置P2で第2の物体24をブロックするように構成されるようロック機構26のロック部材42が駆動されて、第2の所定の位置K2に動かされる。
【0034】
固定ベース52は、ロック部材42の移動方向をロックバックル34の移動方向に対して垂直に維持するように構成されている。
【0035】
ロック機構26のロック部材42が第2の所定の位置K2に位置する場合、ロック機構26のロック部材42は、第2の物体24が所定の伸長位置P2でブロックされるようにロックバックル34の第1の部分36をブロックするように構成されていることが好ましい。
【0036】
第2の物体24が引っ込め方向D2に沿って所定の伸長位置P2から動かされるプロセスの間に、ロックバックル34の第2の部分38のガイド部40は、第2の物体24が引っ込め位置P1に戻ることができるようにするために、ロック部材42を駆動して第2の所定の位置K2から第1の所定の位置K1に戻すように構成されていることが好ましい。
【0037】
したがって、第1の設定モードでは、インテリジェントキャビネットシステム20が地震に遭遇するか又は外部からの力によって揺らされて、第2の物体24が引っ込め位置P1から開方向D1に沿って開けられると、センサ46は第2の物体24の移動状態を感知でき、ロック機構26のロック部材42はコントローラ28によって第2の所定の位置K2に動かされる。ロック部材42は、第2の物体24が、(図7又は図12に示す)所定の伸長位置P2に位置するように第1の物体22に対して第1の所定の距離W1のみを開くことができるように、第2の物体24を所定の伸長位置P2でブロックするように構成されている。したがって、第2の物体24(例えば、引き出し)に保管された物品が外に飛び出すのを防止できるか又は第2の物体24が突然第1の所定の距離W1よりも長い第2の所定の距離W2開いて開位置P3に位置して、その周囲の人又は物品を傷つけるのを防止できる。したがって、第1の設定モードでは、インテリジェントキャビネットシステム20は保護を提供でき、安全性を高めることができる。
【0038】
あるいは、第2の設定モードでは、電子装置30が第2の制御信号(例えば、ロック解除信号)をコントローラ28に送信した場合、コントローラ28は、第2の制御信号及びセンサ46の感知状態に従って、ロック機構26のロック部材42を(図6又は図11に示す)第1の所定の位置K1に留まるように制御するように構成されている。第2の物体24が第1の物体22に対して引っ込め位置P1から開方向D1に沿って動かされた場合、第2の物体24は所定の伸長位置P2でロック部材42によってブロックされず、開方向D1に沿って(図8又は図13に示す)開位置P3に直接移動することができる。又は、第2の物体24を開位置P3から引っ込め位置P1に引っ込め方向D2に沿って動かすことができる。
【0039】
センサ46は第1の感知信号又は第2の感知信号を提供するように構成されている。センサ46は、第2の物体24が引っ込め位置P1に位置するかどうか検出するように構成されている。例えば、第2の物体24が第1の物体22に対して引っ込め位置P1に位置する場合、第2の物体24は、センサ46が第2の感知信号を生成し、(図6及び図11に示すように)弾性感知部46aが弾性力を蓄積するように、ロックバックル34の第1の部分36を介して弾性感知部46aを押圧ように構成されている。又は、第2の物体24が引っ込め位置P1から離れるに開方向D1に沿って動かされた場合、第2の物体24上のロックバックル34の第1の部分36はもはや弾性感知部46aを押圧していないため、センサ46は第1の感知信号を生成するように構成され、弾性感知部46aは弾性力を解放する。したがって、コントローラ28は、第1の感知信号に従って、第2の物体24が(図7又は図12に示すように)引っ込め位置P1から離れたと判断できる。
【0040】
さらに、第1の設定モードでは、第2の物体24が引っ込め位置P1に位置する場合、ロック部材42は(図6又は図11に示すように)第1の所定の位置K1に位置する。第2の物体24が開方向D1に沿って引っ込め位置P1から離れると、センサ46は、それに従って(図7又は図12に示すように)第1の感知信号を生成するように構成され、第2の物体24が引っ込め位置P1から離れたとコントローラ28が第1の感知信号に従って判断すると、コントローラ28は、(図7又は図12に示すように)第2の物体24を所定の伸長位置P2でブロックするために、第1の制御信号に従ってロック機構26のロック部材42が第1の所定の位置K1から第2の所定の位置K2に移動するよう制御するように構成されている。
【0041】
電力貯蔵装置32(図1を参照されたい)は駆動装置44に電力を供給するように構成されている。第1の設定モードでは、コントローラ28が第1の制御信号を受信し、第2の物体24が開方向D1に沿って引っ込め位置P1から離れた場合、駆動装置44(又は駆動装置44内の電磁石)に電力が供給され、駆動装置44(又は駆動装置44の駆動部材)は、ロック部材42を駆動して第1の所定の位置K1から第2の所定の位置K2に動かすように構成されている。あるいは、第2の設定モードでは、コントローラ28が第2の制御信号を受信した場合、第2の物体24が開方向D1に沿って引っ込め位置P1から離れたとしても、駆動装置44(駆動装置44内の電磁石)に電力が供給されない。したがって、駆動装置44は、第2の設定モードでは、ロック部材42が第1の所定の位置K1に留まるようにするために、ロック部材42を駆動して動かすように構成されていない。第2の設定モードでは、電力貯蔵装置32がより長い時間電力を供給することができるように駆動装置44に電力が供給されない。第1の設定モードであっても、第2の物体24が開方向D1に沿って動かされて開かれない限り、電力貯蔵装置32の電力は消費されない。したがって、第1の設定モード及び第2の設定モードは省電力である。
【0042】
第1の設定モードでは、コントローラ28が、センサ46によって提供される第1の感知信号に従って、第2の物体24が所定の時間引っ込め位置P1から離れたと判断した場合、コントローラ28は、電子装置30に通知信号を送信するように構成されていることが好ましい。したがって、第2の物体24が予期しない理由(例えば、地震に遭遇するか又は外力等により揺らされる)で開いたことを電子装置30を介してユーザに通知してユーザに警告できる。通知信号は電子メッセージ(例えば、テキストメッセージ又は電子メール)、電子装置30によって生成される音又は光の変化とすることができるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0043】
図9は、第1の設定モードにおけるインテリジェントキャビネットシステム20の動作フローチャートである。第1の設定モードは以下のステップを含む。
ステップS100:電子装置30が第1の制御信号をコントローラ28に送信する。
ステップS110:コントローラ28が第1の制御信号を受信する。
ステップS120:センサ46が第1の感知信号を生成したかどうかを判定する(ステップS120では、コントローラ28は、センサ46が第1の感知信号を生成したかどうかを判定するように構成されている)。Yesの場合はステップ140に進み、Noの場合はステップ130に進む。
ステップS130:センサ46が第1の感知信号を生成していないとコントローラ28が判定した場合、駆動装置44には依然として電力が供給されず、センサ46は第2の感知信号を生成する(ステップS130では、センサ46が第2の感知信号を生成した場合、第2の物体24が引っ込め位置P1に位置することを意味する。加えて、駆動装置44に依然として電力が供給されない場合、ロック部材42は第1の所定の位置K1に留まる)。
ステップS140:センサ46が第1の感知信号を生成したとコントローラ28が判定した場合、駆動装置44に電力を供給されて、ロック部材42を駆動して第1の所定の位置K1から第2の所定の位置K2に動かす(ステップS140では、センサ46が第1の感知信号を生成した場合、第2の物体24が引っ込め位置P1から離れたことを意味する。加えて、駆動装置44に電力を供給された場合、第2の物体24を所定の伸長位置P2まで開くことができるようにするために、ロック部材42を駆動して第1の所定の位置K1から第2の所定の位置K2に動かすように構成されている。)。
【0044】
第1の設定モードの前述のステップの詳細は、図1図8に従って前で説明してきた。簡略化のため、これ以上の説明は省略する。
【0045】
図10は、第2の設定モードにおけるインテリジェントキャビネットシステム20の動作フローチャートである。第2の設定モードは以下のステップを含む。
ステップS200:電子装置30が第2の制御信号をコントローラ28に送信する。
ステップS210:コントローラ28が第2の制御信号を受信する。
ステップS220:センサ46が第1の感知信号を生成したかどうかを判定する(ステップS220では、コントローラ28は、センサ46が第1の感知信号を生成したかどうかを判定するように構成されている)。Yesの場合はステップ240に進み、Noの場合はステップ230に進む。
ステップS230:センサ46が第1の感知信号を生成していないとコントローラ28が判定した場合、駆動装置44には依然として電力が供給されず、センサ46は第2の感知信号を生成する(ステップS230では、センサ46が第2の感知信号を生成した場合、第2の物体24が引っ込め位置P1に位置することを意味する。加えて、駆動装置44に依然として電力が供給されない場合、ロック部材42は第1の所定の位置K1に留まる)。
ステップS240:センサ46が第1の感知信号を生成したとコントローラ28が判定した場合、ロック部材を第1の所定の位置で維持するために駆動装置44には依然として電力が供給されない(ステップS240では、センサ46が第1の感知信号を生成した場合、第2の物体24が引っ込め位置P1から離れたことを意味する。加えて、駆動装置44に電力が供給されていない場合、ロック部材42は、第2の物体24を開位置P3に開くことができるように第1の所定の位置K1に留まる)。
【0046】
第2の設定モードの前述のステップの詳細は、図1図8に従って前で説明してきた。簡略化のため、これ以上の説明は省略する。
【0047】
加えて、電子装置30は無効制御信号をコントローラ28にさらに送信できる。コントローラ28が無効制御信号を受信した場合、コントローラ28はセンサ46を無効にして(例えば、電力貯蔵装置32を制御して、センサ46への電力の供給を停止させる)、センサ46が第1の感知信号を生成したかどうかの判定を停止するように構成されている。すなわち、コントローラ28が無効制御信号を受信した場合、ステップ120~140及びステップ220~240が行われない。したがって、消費電力をさらに低減できる。他方で、インテリジェントキャビネットシステム20は、ユーザが電子装置30を用いて第1の制御信号又は第2の制御信号をコントローラ28に送信した後で、第1の設定モード又は第2の設定モードに戻ることができる。
【0048】
図14及び図15は、本発明の第2の実施形態に係るロック機構200を示す図である。第2の実施形態のロック機構200と第1の実施形態のロック機構26との違いは、ロック機構200が回転機構202をさらに含み、駆動装置204がロックバックル206の長手方向に実質的に平行な方向に配置されていることである。
【0049】
さらに、回転機構202は駆動装置204とロック部材207との間に配置され、回転機構202は第1の接触部208、第2の接触部210及び基板214に枢結された接続部212を含む。接続部212は第1の接触部208と第2の接触部210との間に位置する。第1の接触部208はロックバックル206に対応し、第2の接触部210は駆動装置204の駆動部材216に対応する。
【0050】
コントローラが第1の制御信号を受信し、駆動装置204に電力が供給された場合、駆動装置204は、回転機構202を介して、ロック部材207を駆動して(図14に示す)第1の所定の位置K1から(図15に示す)第2の所定の位置K2に動かすように構成されている。例えば、コントローラが第1の制御信号を受信し、駆動装置204に電力が供給された場合、駆動装置204の駆動部材216は、回転機構202が所定の角度回転されて、第1の接触部208を介してロック部材207を第1の所定の位置K1から第2の所定の位置K2に動かすように、第2の接触部210と接触するよう直線方向X(例えば長手方向)に沿って動かされる。
【0051】
図16及び図17は、本発明の第3の実施形態に係るロック機構300を示す図である。第3の実施形態のロック機構300と第2の実施形態のロック機構200との違いは、ロック機構300が弾性部材302をさらに含む点である。コントローラが第2の制御信号を受信した場合、駆動装置304には電力が供給されず、ロック部材307は、弾性部材302の弾性力に対応して第1の所定の位置K1で保持されるように構成されている。したがって、弾性部材302の配置を介して、ロックバックル206の第2の部分206bを省略できる。
【0052】
図18及び図19は、本発明の第4の実施形態に係るロック機構400を示す図である。第4の実施形態のロック機構400と第1の実施形態のロック機構26との違いは、ロック機構400がスライドブロック402をさらに含み、駆動装置404がロックバックル406の長手方向に対して実質的に平行な方向に配置されている点である。
【0053】
さらに、スライドブロック402は、駆動装置404とロック部材407との間に配置されている。スライドブロック402は、駆動装置404の駆動部材416に固定され、スライドブロック402はガイド部408を有する。ガイド部408は傾斜面又は円弧面を有する。駆動装置404は、ロック部材407を駆動して、スライドブロック402を介して第1の所定の位置K1から第2の所定の位置K2に動かすように構成されている。
【0054】
図20及び図21は、本発明の第5の実施形態に係るロック機構500を示す図である。第5の実施形態のロック機構500と第4の実施形態のロック機構400との違いは、ロック機構500が弾性部材502をさらに含む点である。コントローラが第2の制御信号を受信した場合、駆動装置504には電力が供給されず、ロック部材507は、弾性部材502の弾性力に対応して第1の所定の位置K1で保持されるように構成されている。従って、弾性部材502の配置を介して、ロックバックル406の第2の部分406bを省略できる。
【0055】
したがって、本発明の実施形態に係るシステムで用いられるインテリジェントキャビネットシステム20及びロック機構26(200、300、400、500)は以下の技術的特徴を有する。
【0056】
1)第1の設定モードでは、インテリジェントキャビネットシステム20が地震に遭遇するか又は外力によって揺らされて、第2の物体24が開方向D1に沿って引っ込め位置P1から開けられると、第2の物体24は、第1の物体22に対して第1の所定の距離W1のみ開くことができ、(図7又は図12に示すように)所定の伸長位置P2で止まるように、ロック機構26のロック部材42が駆動されて第2の所定の位置K2に動かされ、第2の物体24を所定の伸長位置P2でブロックする。したがって、第1の設定モードでは、インテリジェントキャビネットシステム20は保護を提供し、安全性を高めることができる。
【0057】
2)第1及び第2の設定モードによれば、低電力消費により電力貯蔵装置32がより長い時間電力を供給できるように、第2の設定モードでは駆動装置44に電力が供給されない。第1の設定モードであっても、第2の物体24が開方向に沿って動かされて開らかれないない限り、電力貯蔵装置32の電力は消費されない。したがって、第1及び第2の設定モードは省電力である。
【0058】
3)第2の物体24が所定の時間引っ込め位置P1から離れたとコントローラ28がセンサ46によって提供される第1の感知信号に従って判定した場合、コントローラ28は、通知信号を電子装置30に送信するように構成されている。したがって、第2の物体24が予期しない理由(例えば、地震に遭遇するか又は外力等によって揺らされる)により開いたことを電子装置30を介してユーザに知らせて、ユーザに警告できる。
【0059】
当業者であれば、本発明の教示を保持しながら装置及び方法に多くの修正及び変更が加えられ得ることを容易に理解するであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の物体と、
前記第1の物体に対して可動な第2の物体と、
ロック部材及びセンサを含むロック機構と、
電子装置から第1の制御信号を受信するために該電子装置と通信するように構成されたコントローラと、
を含むインテリジェントキャビネットシステムであって
前記第2の物体は、前記第1の物体に対して引っ込め位置から開位置に移動可能であり、
前記電子装置が前記第1の制御信号を前記コントローラに送信し、前記第2の物体が前記第1の物体に対して開方向に沿って前記引っ込め位置から動かされた場合、前記コントローラは、前記第2の物体を前記ロック部材によって所定の伸長位置でブロックするために、前記第1の制御信号に従って、前記ロック機構のロック部材を制御して第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かすように構成され、
前記所定の伸長位置は前記引っ込め位置と前記開位置との間に位置し、
前記センサは、前記第2の物体が前記引っ込め位置に位置しているかどうか検出するように構成され、
前記第2の物体が前記引っ込め位置に位置する場合、前記ロック部材は前記第1の所定の位置に位置し、
前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記センサは、それに従って第1の感知信号を生成するように構成され、
前記コントローラが、前記第1の感知信号に従って、前記第2の物体が前記引っ込め位置から離れたと判定した場合、前記コントローラは、前記第2の物体を前記所定の伸長位置でブロックするために、前記第1の制御信号に従って、前記ロック機構のロック部材を制御して、前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成されている、インテリジェントキャビネットシステム。
【請求項2】
前記第1の物体はキャビネット本体であり、前記第2の物体は引き出し又はドアであり、
前記電子装置及び前記コントローラは、無線伝送を介して互いに通信するように構成されている、請求項1に記載のインテリジェントキャビネットシステム。
【請求項3】
前記電子装置が第2の制御信号を前記コントローラに送信した場合、前記コントローラは、前記第2の物体が、前記ロック部材によって前記所定の伸長位置でブロックされることなく、前記開方向に沿って前記開位置に移動できるようにするために、前記第2の制御信号に従って、前記ロック機構のロック部材が前記第1の所定の位置に位置するよう制御するように構成され、
前記インテリジェントキャビネットシステムは電力貯蔵装置をさらに含み、前記ロック機構は駆動装置をさらに含み、該電力貯蔵装置は該駆動装置に電力を供給するように構成され、
前記コントローラが前記第1の制御信号を受信し、前記駆動装置に電力が供給された場合、前記駆動装置は前記ロック部材を駆動して前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成され、
前記コントローラが前記第2の制御信号を受信した場合、前記駆動装置に電力が供給されず、前記ロック部材は前記第1の所定の位置に位置する、請求項1に記載のインテリジェントキャビネットシステム。
【請求項4】
互いに対して可動な第1の物体及び第2の物体のうちの一方に取り付けられるように構成されたロック機構であって、該第2の物体は、引っ込め位置、所定の伸長位置及び開位置のうちの1つに位置するように前記第1の物体に対して可動であり、当該ロック機構は、
ロック部材と、
前記ロック部材を駆動して第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かすように構成された駆動装置と、
前記第2の物体が前記引っ込め位置に位置するかどうか検出するように構成されたセンサと、
電子装置の第1の制御信号又は第2の制御信号を受信するように構成されたコントローラと、
を含み、
前記第2の物体が前記第1の物体に対して開方向に沿って前記引っ込め位置から動かされ、前記ロック部材が前記第2の所定の位置に位置する場合、前記ロック部材は、前記第2の物体を前記所定の伸長位置でブロックするように構成され、前記第2の物体が前記引っ込め位置に位置する場合、前記ロック部材は前記第1の所定の位置に位置し、
前記所定の伸長位置は、前記引っ込め位置と前記開位置との間に位置し、
前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記センサは、それに従って第1の感知信号を生成するように構成され、
前記コントローラが、前記第1の感知信号に従って、前記第2の物体が前記引っ込め位置から離れたと判定した場合、前記コントローラは、前記第2の物体を前記所定の伸長位置でブロックするために、前記第1の制御信号に従って、前記ロック機構のロック部材を制御して、前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成されている、ロック機構。
【請求項5】
前記第2の物体が前記第1の物体に対して前記開方向に沿って前記引っ込め位置から動かされ、前記ロック部材が前記第1の所定の位置に位置する場合、前記第2の物体は、前記ロック部材によって前記所定の伸長位置でブロックされることなく、前記開方向に沿って前記開位置に移動可能であり、
前記ロック機構は、前記駆動装置に電力を供給するように構成された電力貯蔵装置をさらに含む、請求項に記載のロック機構。
【請求項6】
記コントローラが前記第1の制御信号を受信し、前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記駆動装置に電力が供給され、前記駆動装置は前記ロック部材を駆動して前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成され、
前記コントローラが前記第2の制御信号を受信し、前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記ロック部材が前記第1の所定の位置に位置するように前記駆動装置に電力が供給されない、請求項に記載のロック機構。
【請求項7】
回転機構をさらに含み、前記駆動装置は、該回転機構を介して、前記ロック部材を駆動し、前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成されている、請求項に記載のロック機構。
【請求項8】
スライドブロックをさらに含み、前記駆動装置は、該スライドブロックを介して、前記ロック部材を駆動し、前記第1の所定の位置から前記第2の所定の位置に動かすように構成されている、請求項に記載のロック機構。
【請求項9】
弾性部材をさらに含み、
前記コントローラが前記第2の制御信号を受信し、前記第2の物体が前記開方向に沿って前記引っ込め位置から離れた場合、前記駆動装置には電力が供給されず、前記ロック部材は、前記弾性部材の弾性力に対応して前記第1の所定の位置で保持される、請求項に記載のロック機構。