(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022192018
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】マスク装置の製造装置、記録媒体、マスク装置の製造方法、及びマスク装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/04 20060101AFI20221221BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221221BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
C23C14/04 A
H05B33/14 A
H05B33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090445
(22)【出願日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2021100342
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】岡本 英介
【テーマコード(参考)】
3K107
4K029
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107EE61
3K107EE66
3K107FF01
3K107FF15
3K107GG32
3K107GG33
4K029AA09
4K029AA24
4K029BA62
4K029BB03
4K029BD01
4K029CA01
4K029DB06
4K029DB18
4K029HA02
4K029HA03
4K029HA04
4K029JA01
4K029JA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マスクへの張力を精密に調整することができるマスク装置の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】マスク装置は、開口45を挟んで第1方向D1において対向する第1辺41及び第2辺42と、開口を挟んで第1方向に交差する第2方向D2において対向する第3辺43及び第4辺44と、を含むフレーム40と、第1辺及び第2辺に固定された端部を含むマスクと、を備えてもよい。製造装置60は、開口に向かう方向において第1辺及び第2辺を押圧する押圧機構と、第1方向における第1辺及び第2辺の変形量を測定する変位測定機構と、マスクを第1辺及び第2辺に固定する固定装置74と、を備えてもよい。押圧機構は、第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、第1辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、第2辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、を含んでもよい。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク装置の製造装置であって、
前記マスク装置は、開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームと、第1辺及び第2辺に固定された端部を含むマスクと、を備え、
前記製造装置は、
前記開口に向かう方向において前記第1辺及び前記第2辺を押圧する押圧機構と、
前記第1方向における前記第1辺及び前記第2辺の変形量を測定する変位測定機構と、
前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定する固定装置と、を備え、
前記押圧機構は、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第1辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第2辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、を含む、製造装置。
【請求項2】
前記変位測定機構は、前記第1辺の前記変形量を測定する少なくとも1つの変位計を含み、
前記変位計は、前記第1辺に接触するセンサヘッドを含む、請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記変位計は、前記第2方向において前記押圧装置から100mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する、請求項2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記変位測定機構は、前記第2方向において前記押圧装置から100mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する5つ以上の前記変位計と、前記第2方向において前記第3辺の外側面から200mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する第1補助変位計と、前記第2方向において前記第4辺の外側面から200mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する第2補助変位計と、を含む、請求項2又は3に記載の製造装置。
【請求項5】
前記第1補助変位計と前記第2補助変位計との間の、前記第2方向における距離が、1300mm以上である、請求項4に記載の製造装置。
【請求項6】
前記第1辺を押圧する前記押圧装置と、前記第2辺を押圧する前記押圧装置との間の、前記第1方向における距離が、1300mm以上である、請求項1に記載の製造装置。
【請求項7】
前記マスク装置は、第2方向に沿って並ぶN枚(Nは2以上の整数)の前記マスクを備え、
前記製造装置は、前記押圧機構を制御する制御装置を備え、
前記押圧機構は、各マスクが前記第1辺に固定される時の前記変形量と目標変形量との差が第1閾値以下になるよう、前記第1辺及び前記第2辺を押圧する、請求項1に記載の製造装置。
【請求項8】
前記固定装置は、前記第2方向における前記フレームの中心から遠い順に前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定し、
前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、1つ又は2つの前記押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備え、
前記中央グループの前記押圧装置は、1枚目の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(1)を加え、
前記中央グループの前記押圧装置は、U枚目(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(U)を加え、
前記第1押圧力(1)に対する前記第1押圧力(U)の比率が1.05以上である、請求項7に記載の製造装置。
【請求項9】
前記固定装置は、前記第2方向における前記フレームの中心から近い順に前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定し、
前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、1つ又は2つの前記押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備え、
前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置は、1枚目の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(1)を加え、
前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置は、U枚目(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(U)を加え、
前記第1押圧力(1)に対する前記第1押圧力(U)の比率が1.05以上である、請求項7に記載の製造装置。
【請求項10】
前記制御装置は、下記の式が成立するよう前記押圧機構を制御する、
U≧N/2
請求項8又は9に記載の製造装置。
【請求項11】
コンピュータを請求項7に記載の前記製造装置の前記制御装置として機能させるためのプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体。
【請求項12】
マスク装置の製造方法であって、
開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームを準備する工程と、
前記開口に向かう方向において押圧機構が前記第1辺及び前記第2辺に加える第1押圧力を調整する調整工程と、
マスクの端部を第1辺及び第2辺に固定する固定工程と、を備え、
前記押圧機構は、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第1辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第2辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、を含む、製造方法。
【請求項13】
前記調整工程は、前記第1方向における前記第1辺及び前記第2辺の変形量を測定する変位測定機構からの情報に基づいて前記第1押圧力を調整し、
前記変位測定機構は、前記第1辺の前記変形量を測定する少なくとも1つの変位計を含み、
前記変位計は、前記第1辺に接触するセンサヘッドを含む、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記変位計は、前記第2方向において前記押圧装置から100mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記変位測定機構は、前記第2方向において前記押圧装置から100mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する5つ以上の前記変位計と、前記第2方向において前記第3辺の外側面から200mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する第1補助変位計と、前記第2方向において前記第4辺の外側面から200mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する第2補助変位計と、を含む、請求項13又は14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記マスク装置は、第2方向に沿って並ぶN枚(Nは2以上の整数)の前記マスクを備え、
前記調整工程は、各マスクが前記第1辺に固定される時の前記第1辺の変形量と目標変形量との差が第1閾値以下になるよう、前記第1押圧力を調整する、請求項12に記載の製造方法。
【請求項17】
前記固定工程は、前記第2方向における前記フレームの中心から遠い順に前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定し、
前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、1つ又は2つの前記押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備え、
前記中央グループの前記押圧装置は、1枚目の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(1)を加え、
前記中央グループの前記押圧装置は、U枚目(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(U)を加え、
前記第1押圧力(1)に対する前記第1押圧力(U)の比率が1.05以上である、請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記固定工程は、前記第2方向における前記フレームの中心から近い順に前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定し、
前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、1つ又は2つの前記押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備え、
前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置は、1枚目の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(1)を加え、
前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置は、U枚目(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(U)を加え、
前記第1押圧力(1)に対する前記第1押圧力(U)の比率が1.05以上である、請求項16に記載の製造方法。
【請求項19】
前記調整工程は、下記の式が成立するよう前記第1押圧力を調整する、
U≧N/2
請求項17又は18に記載の製造方法。
【請求項20】
マスク装置であって、
開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームと、
第1辺及び第2辺に固定された端部を含み、第2方向に沿って並ぶN枚(Nは2以上の整数)のマスクと、を備え、
前記第1辺及び前記第2辺は、前記開口に向かって撓むように、前記第2方向において最終変形量で変形しており、
前記第2方向における前記フレームの中心から近い順に前記マスクを前記フレームから外す除去工程と、前記除去工程の後、前記第1辺及び前記第2辺が前記第2方向において最終変形量で変形するように、前記開口に向かう方向において押圧機構が前記第1辺及び前記第2辺に加える第2押圧力を調整する逆調整工程と、を交互に実施した場合、第2押圧力(N)に対する第2押圧力(Q)の比率が1.05以上であり、
前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、前記第1辺を押圧する1つ又は2つの押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備え、
前記第2押圧力(Q)は、前記中央グループの前記押圧装置が、Q枚目(Qは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクが前記フレームから外された後に前記第1辺に加える押圧力であり、
前記第2押圧力(N)は、前記中央グループの前記押圧装置が、N枚目の前記マスクが前記フレームから外された後に前記第1辺に加える押圧力である、
マスク装置。
【請求項21】
マスク装置であって、
開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームと、
第1辺及び第2辺に固定された端部を含み、第2方向に沿って並ぶN枚(Nは2以上の整数)のマスクと、を備え、
前記第1辺及び前記第2辺は、前記開口に向かって撓むように、前記第2方向において最終変形量で変形しており、
前記第2方向における前記フレームの中心から遠い順に前記マスクを前記フレームから外す除去工程と、前記除去工程の後、前記第1辺及び前記第2辺が前記第2方向において最終変形量で変形するように、前記開口に向かう方向において押圧機構が前記第1辺及び前記第2辺に加える第2押圧力を調整する逆調整工程と、を交互に実施した場合、第2押圧力(N)に対する第2押圧力(Q)の比率が1.05以上であり、
前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、前記第1辺を押圧する1つ又は2つの押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備え、
前記第2押圧力(Q)は、前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置が、Q枚目(Qは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクが前記フレームから外された後に前記第1辺に加える押圧力であり、
前記第2押圧力(N)は、前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置が、N枚目の前記マスクが前記フレームから外された後に前記第1辺に加える押圧力である、
マスク装置。
【請求項22】
下記の式が成立する、
Q≦N/2
請求項20又は21に記載のマスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、マスク装置の製造装置、記録媒体、マスク装置の製造方法、及びマスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL表示装置などの有機デバイスが注目されている。有機デバイスの素子を形成する方法として、素子を構成する材料を蒸着により基板に付着させる方法が知られている。例えば、まず、素子に対応するパターンで第1電極が形成されている基板を準備する。続いて、マスク装置を用いて蒸着工程を実施する。マスク装置は、貫通孔を含むマスクと、マスクを支持するフレームと、を備える。マスクの貫通孔を通った有機材料が第1電極の上に付着することにより、第1電極の上に有機層が形成される。
【0003】
フレームは、マスクの端部が固定されている第1辺及び第2辺を含む。第1辺及び第2辺は、開口を挟んで第1方向において対向している。フレームは、第1方向においてマスクに張力を加えた状態でマスクを支持する。これにより、マスクに撓みが生じることが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
開口に向かう方向においてフレームの第1辺及び第2辺を変形させた状態で第1辺及び第2辺にマスクを固定する場合、第1辺及び第2辺が弾性的に復元する力に基づいてマスクに張力が加えられる。マスクへの張力を精密に調整するためには、第1辺及び第2辺の変形量を精密に調整することが求められる。
【0006】
有機デバイスの製造コストを低減する手段の1つとして、基板の大型化が考えられる。基板が大型化すると、マスクも大型化し、フレームも大型化する。フレームが大型化すると、第1辺及び第2辺の変形量の調整の難易度が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によるマスク装置の製造装置において、前記マスク装置は、開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームと、第1辺及び第2辺に固定された端部を含むマスクと、を備えてもよい。前記製造装置は、前記開口に向かう方向において前記第1辺及び前記第2辺を押圧する押圧機構と、前記第1方向における前記第1辺及び前記第2辺の変形量を測定する変位測定機構と、前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定する固定装置と、を備えてもよい。前記押圧機構は、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第1辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第2辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態によれば、フレームの第1辺及び第2辺の変形量を適切に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】フレームの第1辺を拡大して示す平面図である。
【
図9】マスク装置の製造装置の一例を示すブロック図である。
【
図11】押圧装置及び変位計の一例を示す平面図である。
【
図12】マスク装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【
図13】調整工程及び配置工程の一例を示すフローチャートである。
【
図17】第2マスク取付工程の一例を示す平面図である。
【
図18】第3マスク取付工程~第8マスク取付工程の一例を示す平面図である。
【
図19】第9マスク取付工程及び第10マスク取付工程の一例を示す平面図である。
【
図21】第11押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図22】第12押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図23】第1中央押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図24】マスク装置の分解方法の一例を示すフローチャートである。
【
図25】除去工程及び逆調整工程の一例を示すフローチャートである。
【
図28】第3除去工程~第8除去工程の一例を示す平面図である。
【
図29】第9除去工程及び第10除去工程の一例を示す平面図である。
【
図30】第11押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図31】第12押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図32】第1中央押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図37】例1における第11押圧力、第12押圧力、第21押圧力、第22押圧力及び第1中央押圧力を示すグラフである。
【
図38】例2における第11押圧力、第21押圧力及び第1中央押圧力を示すグラフである。
【
図39】例1~例3におけるフレームの変形量と目標変形量との差を示すグラフである。
【
図40】第5の実施の形態の第1マスク取付工程の一例を示す平面図である。
【
図41】第5の実施の形態の第1マスク取付工程の一例を示す平面図である。
【
図42】第5の実施の形態の第2マスク取付工程の一例を示す平面図である。
【
図43】第5の実施の形態の第3マスク取付工程~第8マスク取付工程の一例を示す平面図である。
【
図44】第5の実施の形態の第9マスク取付工程及び第10マスク取付工程の一例を示す平面図である。
【
図45】第5の実施の形態の第21押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図46】第5の実施の形態の第22押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図47】第5の実施の形態の第2中央押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図48】第5の実施の形態の第1除去工程の一例を示す平面図である。
【
図49】第5の実施の形態の第2除去工程の一例を示す平面図である。
【
図50】第5の実施の形態の第21押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図51】第5の実施の形態の第22押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図52】第5の実施の形態の第2中央押圧装置の押圧力の一例を示すグラフである。
【
図53】例4における第11押圧力、第12押圧力、第21押圧力、第22押圧力及び第1中央押圧力を示すグラフである。
【
図54】例5における第11押圧力、第12押圧力、第21押圧力、第22押圧力及び第1中央押圧力を示すグラフである。
【
図55】例4~例5におけるフレームの変形量と目標変形量との差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」や「基材」や「板」や「シート」や「フィルム」などのある構成の基礎となる物質を意味する用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
【0011】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待してもよい程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0012】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
【0013】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0014】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、本明細書の一実施形態は、矛盾の生じない範囲で、その他の実施形態と組み合わせられてもよい。また、その他の実施形態同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられてもよい。
【0015】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
【0016】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「~」という記号によって表現される数値範囲は、「~」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34~38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上且つ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
【0017】
本明細書の一実施形態において、有機EL表示装置を製造する際に有機材料又は電極を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられるマスクやその製造方法に関した例をあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられるマスクに対し、本実施形態を適用することができる。例えば、仮想現実いわゆるVRや拡張現実いわゆるARを表現するための画像や映像を表示又は投影するための装置の電極を形成するために、本実施形態のマスクを用いてもよい。また、液晶表示装置の電極などの、有機EL表示装置以外の表示装置の電極を形成するために、本実施形態のマスクを用いてもよい。また、圧力センサの電極などの、表示装置以外の有機デバイスの電極を形成するために、本実施形態のマスクを用いてもよい。
【0018】
本開示の第1の態様は、マスク装置の製造装置であって、
前記マスク装置は、開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームと、第1辺及び第2辺に固定された端部を含むマスクと、を備え、
前記製造装置は、
前記開口に向かう方向において前記第1辺及び前記第2辺を押圧する押圧機構と、
前記第1方向における前記第1辺及び前記第2辺の変形量を測定する変位測定機構と、
前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定する固定装置と、を備え、
前記押圧機構は、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第1辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第2辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、を含む、製造装置である。
【0019】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様による製造装置において、前記変位測定機構は、前記第1辺の前記変形量を測定する少なくとも1つの変位計を含んでもよく、前記変位計は、前記第1辺に接触するセンサヘッドを含んでもよい。
【0020】
本開示の第3の態様は、上述した第2の態様による製造装置において、前記変位計は、前記第2方向において前記押圧装置から100mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定してもよい。
【0021】
本開示の第4の態様は、上述した第2の態様又は第3の態様による製造装置において、前記変位測定機構は、前記第2方向において前記押圧装置から100mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する5つ以上の前記変位計と、前記第2方向において前記第3辺の外側面から200mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する第1補助変位計と、前記第2方向において前記第4辺の外側面から200mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する第2補助変位計と、を含んでもよい。
【0022】
本開示の第5の態様は、上述した第4の態様による製造装置において、前記第1補助変位計と前記第2補助変位計との間の、前記第2方向における距離が、1300mm以上であってもよい。
【0023】
本開示の第6の態様は、上述した第1の態様~第5の態様のいずれか1つによる製造装置において、前記第1辺を押圧する前記押圧装置と、前記第2辺を押圧する前記押圧装置との間の、前記第1方向における距離が、1300mm以上であってもよい。
【0024】
本開示の第7の態様は、上述した第1の態様~第5の態様のいずれか1つによる製造装置において、前記マスク装置は、第2方向に沿って並ぶN枚(Nは2以上の整数)の前記マスクを備えてもよく、前記製造装置は、前記押圧機構を制御する制御装置を備えてもよく、前記押圧機構は、各マスクが前記第1辺に固定される時の前記変形量と目標変形量との差が第1閾値以下になるよう、前記第1辺及び前記第2辺を押圧してもよい。
【0025】
本開示の第8の態様は、上述した第7の態様による製造装置において、前記固定装置は、前記第2方向における前記フレームの中心から遠い順に前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定してもよく、前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、1つ又は2つの前記押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備えてもよく、前記中央グループの前記押圧装置は、1枚目の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(1)を加えてもよく、前記中央グループの前記押圧装置は、U枚目(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(U)を加えてもよく、前記第1押圧力(1)に対する前記第1押圧力(U)の比率が1.05以上であってもよい。
【0026】
本開示の第9の態様は、上述した第7の態様による製造装置において、前記固定装置は、前記第2方向における前記フレームの中心から近い順に前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定してもよく、前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、1つ又は2つの前記押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備えてもよく、前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置は、1枚目の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(1)を加えてもよく、前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置は、U枚目(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(U)を加えてもよく、前記第1押圧力(1)に対する前記第1押圧力(U)の比率が1.05以上であってもよい。
【0027】
本開示の第10の態様は、上述した第8の態様又は第9の態様による製造装置において、前記制御装置は、下記の式が成立するよう前記押圧機構を制御してもよい。
U≧N/2
【0028】
本開示の第11-1の態様は、コンピュータを上述した第7の態様~第10の態様のいずれか1つによる前記製造装置の前記制御装置として機能させるためのプログラムである。
【0029】
本開示の第11-2の態様は、上述した第11-1の態様によるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体である。
【0030】
本開示の第12の態様は、マスク装置の製造方法であって、
開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームを準備する工程と、
前記開口に向かう方向において押圧機構が前記第1辺及び前記第2辺に加える第1押圧力を調整する調整工程と、
マスクの端部を第1辺及び第2辺に固定する固定工程と、を備え、
前記押圧機構は、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第1辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、前記第2方向に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、前記第2辺を押圧する5つ以上の押圧装置と、を含む、製造方法である。
【0031】
本開示の第13の態様は、上述した第12の態様による製造方法において、前記調整工程は、前記第1方向における前記第1辺及び前記第2辺の変形量を測定する変位測定機構からの情報に基づいて前記第1押圧力を調整してもよく、前記変位測定機構は、前記第1辺の前記変形量を測定する少なくとも1つの変位計を含んでもよく、前記変位計は、前記第1辺に接触するセンサヘッドを含んでもよい。
【0032】
本開示の第14の態様は、上述した第13の態様による製造方法において、前記変位計は、前記第2方向において前記押圧装置から100mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定してもよい。
【0033】
本開示の第15の態様は、上述した第13の態様又は第14の態様による製造方法において、前記変位測定機構は、前記第2方向において前記押圧装置から100mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する5つ以上の前記変位計と、前記第2方向において前記第3辺の外側面から200mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する第1補助変位計と、前記第2方向において前記第4辺の外側面から200mm以下の位置において前記第1辺の前記変形量を測定する第2補助変位計と、を含んでもよい。
【0034】
上述した第15の態様において、前記第1補助変位計と前記第2補助変位計との間の、前記第2方向における距離が、1300mm以上であってもよい。
【0035】
上述した第12の態様~第15の態様において、前記第1辺を押圧する前記押圧装置と、前記第2辺を押圧する前記押圧装置との間の、前記第1方向における距離が、1300mm以上であってもよい。
【0036】
本開示の第16の態様は、上述した第11の態様~第15の態様のいずれか1つによる製造方法において、前記マスク装置は、第2方向に沿って並ぶN枚(Nは2以上の整数)の前記マスクを備えてもよく、前記調整工程は、各マスクが前記第1辺に固定される時の前記第1辺の変形量と目標変形量との差が第1閾値以下になるよう、前記第1押圧力を調整してもよい。
【0037】
本開示の第17の態様は、上述した第16の態様による製造方法において、前記固定工程は、前記第2方向における前記フレームの中心から遠い順に前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定してもよく、前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、1つ又は2つの前記押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備えてもよく、前記中央グループの前記押圧装置は、1枚目の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力81)を加えてもよく、前記中央グループの前記押圧装置は、U枚目(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(U)を加えてもよく、前記第1押圧力(1)に対する前記第1押圧力(U)の比率が1.05以上であってもよい。
【0038】
本開示の第18の態様は、上述した第16の態様による製造方法において、前記固定工程は、前記第2方向における前記フレームの中心から近い順に前記マスクを前記第1辺及び前記第2辺に固定してもよく、前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、1つ又は2つの前記押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備えてもよく、前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置は、1枚目の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(1)を加えてもよく、前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置は、U枚目(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクを前記フレームに固定する時に前記第1辺に第1押圧力(U)を加えてもよく、前記第1押圧力(1)に対する前記第1押圧力(U)の比率が1.05以上であってもよい。
【0039】
本開示の第19の態様は、上述した第17の態様又は第18の態様による製造方法において、前記調整工程は、下記の式が成立するよう前記第1押圧力を調整してもよい。
U≧N/2
【0040】
本開示の第20の態様は、マスク装置であって、
開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームと、
第1辺及び第2辺に固定された端部を含み、第2方向に沿って並ぶN枚(Nは2以上の整数)のマスクと、を備え、
前記第1辺及び前記第2辺は、前記開口に向かって撓むように、前記第2方向において最終変形量で変形しており、
前記第2方向における前記フレームの中心から近い順に前記マスクを前記フレームから外す除去工程と、前記除去工程の後、前記第1辺及び前記第2辺が前記第2方向において最終変形量で変形するように、前記開口に向かう方向において押圧機構が前記第1辺及び前記第2辺に加える第2押圧力を調整する逆調整工程と、を交互に実施した場合、第2押圧力(N)に対する第2押圧力(Q)の比率が1.05以上であり、
前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、前記第1辺を押圧する1つ又は2つの押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備え、
前記第2押圧力(Q)は、前記中央グループの前記押圧装置が、Q枚目(Qは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクが前記フレームから外された後に前記第1辺に加える押圧力であり、
記第2押圧力(N)は、前記中央グループの前記押圧装置が、N枚目の前記マスクが前記フレームから外された後に前記第1辺に加える押圧力である、
マスク装置である。
【0041】
本開示の第21の態様は、マスク装置であって、
開口を挟んで第1方向において対向する第1辺及び第2辺と、前記開口を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において対向する第3辺及び第4辺と、を含むフレームと、
第1辺及び第2辺に固定された端部を含み、第2方向に沿って並ぶN枚(Nは2以上の整数)のマスクと、を備え、
前記第1辺及び前記第2辺は、前記開口に向かって撓むように、前記第2方向において最終変形量で変形しており、
前記第2方向における前記フレームの中心から遠い順に前記マスクを前記フレームから外す除去工程と、前記除去工程の後、前記第1辺及び前記第2辺が前記第2方向において最終変形量で変形するように、前記開口に向かう方向において押圧機構が前記第1辺及び前記第2辺に加える第2押圧力を調整する逆調整工程と、を交互に実施した場合、第2押圧力(N)に対する第2押圧力(Q)の比率が1.05以上であり、
前記第1辺を押圧する前記押圧機構は、前記第1辺を押圧する1つ又は2つの押圧装置を含む中央グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第3辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第1グループと、前記第2方向において前記中央グループと前記第4辺との間に位置する2つ以上の前記押圧装置を含む第2グループと、を備え、
前記第2押圧力(Q)は、前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置が、Q枚目(Qは1よりも大きくNよりも小さい整数)の前記マスクが前記フレームから外された後に前記第1辺に加える押圧力であり、
前記第2押圧力(N)は、前記第2グループに属し、前記第4辺に最も近い前記押圧装置が、N枚目の前記マスクが前記フレームから外された後に前記第1辺に加える押圧力である、
マスク装置である。
【0042】
本開示の第22の態様は、上述した第21の態様又は第22の態様によるマスク装置において、下記の式が成立してもよい。
Q≦N/2
【0043】
本開示の第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
【0044】
マスクを用いることにより形成される要素を備える有機デバイス100について説明する。
図1は、有機デバイス100の一例を示す断面図である。
【0045】
有機デバイス100は、第1面111及び第2面112を含む基板110と、基板110の第1面111に位置する複数の素子115と、を含む。素子115は、例えば画素である。素子115は、第1面111の面内方向に沿って並んでいてもよい。基板110は、2以上の種類の素子115を含んでもよい。例えば、基板110は、第1素子115A及び第2素子115Bを含んでもよい。図示はしないが、基板110は、第3素子を含んでいてもよい。第1素子115A、第2素子115B及び第3素子は、例えば、赤色画素、青色画素及び緑色画素である。
【0046】
素子115は、第1電極120と、第1電極120上に位置する有機層130と、有機層130上に位置する第2電極140と、を含んでもよい。マスクを用いることにより形成される要素は、有機層130であってもよく、第2電極140であってもよい。マスクを用いることにより形成される要素のことを、蒸着層とも称する。
【0047】
有機デバイス100は、平面視において隣り合う2つの第1電極120の間に位置する絶縁層160を備えていてもよい。絶縁層160は、例えばポリイミドを含んでいる。絶縁層160は、平面視において第1電極120の端に重なっていてもよい。
【0048】
有機デバイス100は、アクティブ・マトリクス型であってもよい。例えば、図示はしないが、有機デバイス100は、複数の素子115のそれぞれに電気的に接続されているスイッチを備えていてもよい。スイッチは、例えばトランジスタである。スイッチは、対応する素子115に対する電圧又は電流のON/OFFを制御することができる。
【0049】
基板110は、絶縁性を有する板状の部材であってもよい。基板110は、好ましくは、光を透過させる透明性を有する。基板110の材料としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のないリジッド材、あるいは、樹脂フィルム、光学用樹脂板、薄ガラス等の可撓性を有するフレキシブル材等を用いることができる。また、基材は、樹脂フィルムの片面または両面にバリア層を有する積層体であってもよい。
【0050】
素子115は、第1電極120と第2電極140との間に電圧が印加されることにより、又は、第1電極120と第2電極140との間に電流が流れることにより、何らかの機能を実現するよう構成されている。例えば、素子115が、有機EL表示装置の画素である場合、素子115は、映像を構成する光を放出できる。
【0051】
第1電極120は、導電性を有する材料を含む。例えば、第1電極120は、金属、導電性を有する金属酸化物や、その他の導電性を有する無機材料などを含む。第1電極120は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの、透明性及び導電性を有する金属酸化物を含んでもよい。
【0052】
有機層130は、有機材料を含む。有機層130に電流が流れると、有機層130は、何らかの機能を発揮することができる。有機層130としては、電流により光を放出する発光層などを用いることができる。有機層130は、有機半導体材料を含んでもよい。有機層130の透過率、屈折率などの特性は、適宜調整されていてもよい。
【0053】
図1に示すように、有機層130は、第1有機層130A及び第2有機層130Bを含んでもよい。第1有機層130Aは、第1素子115Aに含まれる。第2有機層130Bは、第2素子115Bに含まれる。図示はしないが、有機層130は、第3素子に含まれる第3有機層を含んでもよい。第1有機層130A、第2有機層130B及び第3有機層は、例えば、赤色発光層、青色発光層及び緑色発光層である。
【0054】
第1電極120と第2電極140との間に電圧を印加すると、有機層130に電流が流れる。有機層130が発光層である場合、有機層130から光が放出され、光が第2電極140側又は第1電極120側から外部へ取り出される。
【0055】
有機層130は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層などを更に含んでもよい。
【0056】
第2電極140は、金属などの、導電性を有する材料を含む。第2電極140は、マスクを用いる蒸着法によって有機層130の上に形成される。第2電極140を構成する材料としては、白金、金、銀、銅、鉄、錫、クロム、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、炭素等を用いることができる。これらの材料は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を用いる場合には、各材料からなる層を積層してもよい。また、2種類以上の材料を含む合金を用いてもよい。例えば、MgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金を用いることができる。MgAgのことを、マグネシウム銀とも称する。マグネシウム銀は、第2電極140の材料として好ましく用いられる。アルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金等を用いてもよい。例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等を用いてもよい。
【0057】
第2電極140は、共通電極であってもよい。例えば、1つの素子115の第2電極140が、その他の素子115の第2電極140に電気的に接続されていてもよい。
【0058】
第2電極140は、1つの層から構成されていてもよい。例えば、第2電極140は、1つのマスクを用いる蒸着工程によって形成される層であってもよい。
【0059】
若しくは、
図1に示すように、第2電極140は、第1層140A及び第2層140Bを含んでいてもよい。第1層140Aは、第1のマスクを用いる蒸着工程によって形成される層であってもよい。第2層140Bは、第2のマスクを用いる蒸着工程によって形成される層であってもよい。このように、2つ以上のマスクを用いて第2電極140を形成してもよい。これにより、平面視における第2電極140のパターンの自由度が高くなる。例えば、有機デバイス100は、平面視において第2電極140が存在しない領域を含むことができる。第2電極140が存在しない領域は、第2電極140が存在する領域に比べて高い透過率を有することができる。
【0060】
図1に示すように、第1層140Aの端部と第2層140Bの端部とが部分的に重なっていてもよい。これにより、第1層140Aと第2層140Bとを電気的に接続できる。
【0061】
図示はしないが、第2電極140は、第3層などのその他の層を含んでもよい。第3層などのその他の層は、第1層140A及び第2層140Bに電気的に接続されていてもよい。
【0062】
以下の説明において、第2電極140の構成のうち、第1層140A、第2層140B、第3層などに共通する構成を説明する場合には、「第2電極140」という用語及び符号を用いる。
【0063】
有機デバイス100の製造方法においては、
図2に示すような有機デバイス群102が作製されてもよい。有機デバイス群102は、2つ以上の有機デバイス100を含む。例えば、有機デバイス群102は、第1方向D1及び第2方向D2に並ぶ有機デバイス100を含んでもよい。第2方向D2は、第1方向D1に交差する方向である。第2方向D2は、第1方向D1に直交していてもよい。2つ以上の有機デバイス100において、共通の1枚の基板110が用いられてもよい。例えば、有機デバイス群102は、1枚の基板110の上に位置し、2つ以上の有機デバイス100を構成する第1電極120、有機層130、第2電極140などの層を含んでもよい。有機デバイス群102を分割することにより、有機デバイス100が得られる。
【0064】
第1方向D1は、後述するように、有機デバイス100を製造するために用いられるマスク50が延びる方向であってもよい。
【0065】
第1方向D1における有機デバイス100の寸法A1は、例えば、10mm以上でもよく、30mm以上でもよく、100mm以上でもよい。寸法A1は、例えば、200mm以下でもよく、500mm以下でもよく、1000mm以下でもよい。寸法A1の範囲は、10mm、30mm及び100mmからなる第1グループ、及び/又は、200mm、500mm及び1000mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法A1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法A1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法A1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法A1は、10mm以上1000mm以下でもよく、10mm以上500mm以下でもよく、10mm以上200mm以下でもよく、10mm以上100mm以下でもよく、10mm以上30mm以下でもよく、30mm以上1000mm以下でもよく、30mm以上500mm以下でもよく、30mm以上200mm以下でもよく、30mm以上100mm以下でもよく、100mm以上1000mm以下でもよく、100mm以上500mm以下でもよく、100mm以上200mm以下でもよく、200mm以上1000mm以下でもよく、200mm以上500mm以下でもよく、500mm以上1000mm以下でもよい。
【0066】
第2方向D2における有機デバイス100の寸法A2は、例えば、10mm以上でもよく、20mm以上でもよく、50mm以上でもよい。寸法A2は、例えば、100mm以下でもよく、200mm以下でもよく、500mm以下でもよい。寸法A2の範囲は、10mm、20mm及び50mmからなる第1グループ、及び/又は、100mm、200mm及び500mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法A2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法A2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法A2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法A2は、10mm以上500mm以下でもよく、10mm以上200mm以下でもよく、10mm以上100mm以下でもよく、10mm以上50mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上500mm以下でもよく、20mm以上200mm以下でもよく、20mm以上100mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよく、50mm以上500mm以下でもよく、50mm以上200mm以下でもよく、50mm以上100mm以下でもよく、100mm以上500mm以下でもよく、100mm以上200mm以下でもよく、200mm以上500mm以下でもよい。
【0067】
有機デバイス群102は、複数の有機デバイス100が位置するデバイス領域103を含む。デバイス領域103は、第1方向D1において寸法G12を有し、第2方向D2において寸法G22を有する。
【0068】
基板110を大型化することにより、デバイス領域103の寸法G12及びG22を大きくできる。これにより、1枚の基板110の上に形成される有機デバイス100の数が増加する。これにより、有機デバイス100の製造コストを低減できる。
【0069】
第1方向D1における基板110の寸法G11は、例えば、1000mm以上でもよく、1200mm以上でもよく、1300mm以上でもよく、2100mm以上でもよい。寸法G11は、例えば、1200mm以下でもよく、1300mm以下でもよく、1900mm以下でもよく、2100mm以下でもよく、2300mm以下でもよい。寸法G11の範囲は、1000mm、1200mm、1300mm及び2100mmからなる第1グループ、及び/又は、1200mm、1300mm、1900mm、2100mm及び2300mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法G11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法G11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法G11の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法G11は、1000mm以上2300mm以下でもよく、1000mm以上2100mm以下でもよく、1000mm以上1900mm以下でもよく、1000mm以上1300mm以下でもよく、1000mm以上1200mm以下でもよく、1200mm以上2300mm以下でもよく、1200mm以上2100mm以下でもよく、1200mm以上1900mm以下でもよく、1200mm以上1300mm以下でもよく、1300mm以上2300mm以下でもよく、1300mm以上2100mm以下でもよく、1300mm以上1900mm以下でもよく、1900mm以上2300mm以下でもよく、1900mm以上2100mm以下でもよく、2100mm以上2300mm以下でもよい。
【0070】
第2方向D2における基板110の寸法G21は、例えば、1200mm以上でもよく、1300mm以上でもよく、1500mm以上でもよく、2000mm以上でもよく、2400mm以上でもよい。寸法G21は、例えば、1300mm以下でもよく、2300mm以下でもよく、2400mm以下でもよく、2600mm以下でもよい。寸法G21の範囲は、1200mm、1300mm、1500mm、2000mm及び2400mmからなる第1グループ、及び/又は、1300mm、2300mm、2400mm及び2600mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法G21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法G21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法G21の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法G21は、1200mm以上2600mm以下でもよく、1200mm以上2400mm以下でもよく、1200mm以上2300mm以下でもよく、1200mm以上1500mm以下でもよく、1200mm以上1300mm以下でもよく、1300mm以上2600mm以下でもよく、1300mm以上2400mm以下でもよく、1300mm以上2300mm以下でもよく、1300mm以上1500mm以下でもよく、1500mm以上2600mm以下でもよく、1500mm以上2400mm以下でもよく、1500mm以上2300mm以下でもよく、2000mm以上2300mm以下でもよく、2300mm以上2600mm以下でもよく、2300mm以上2400mm以下でもよく、2400mm以上2600mm以下でもよい。
【0071】
寸法G11の特定の数値範囲と、寸法G21の特定の数値範囲とが組み合わされてもよい。例えば、寸法G11が1000mm以上1200mm以下であり、寸法G21が1200mm以上1300mm以下であってもよい。例えば、寸法G11が1200mm以上1300mm以下であり、寸法G21が2000mm以上2300mm以下であってもよい。例えば、寸法G11が2100mm以上2300mm以下であり、寸法G21が2400mm以上2600mm以下であってもよい。
【0072】
次に、有機層130、第2電極140などの要素を蒸着法によって形成する方法について説明する。
図3は、蒸着装置10を示す図である。蒸着装置10は、基板110に蒸着材料を蒸着させる蒸着処理を実施する。
【0073】
図3に示すように、蒸着装置10は、その内部に、蒸着源6、ヒータ8、及びマスク装置15を備えてもよい。蒸着装置10は、蒸着装置10の内部を真空雰囲気にするための排気手段を備えてもよい。蒸着源6は、例えばるつぼである。蒸着源6は、有機材料、金属材料などの蒸着材料7を収容する。ヒータ8は、蒸着源6を加熱することにより、真空雰囲気の下で蒸着材料7を蒸発させる。
【0074】
図3に示すように、マスク装置15は、少なくとも1つのマスク50を備える。マスク装置15は、マスク50を支持するフレーム40を備えてもよい。フレーム40は、開口45を含む。マスク50は、平面視において開口45を横切るようにフレーム40に固定されていてもよい。フレーム40は、マスク50が固定されている第1フレーム面401と、第1フレーム面401の反対側に位置する第2フレーム面402と、を含んでもよい。フレーム40は、マスク50が撓むことを抑制するように、マスク50をその面方向に引っ張った状態で支持していてもよい。
【0075】
マスク装置15は、
図3に示すように、基板110の第1面111にマスク50が対面するよう、蒸着装置10内に配置されている。マスク50は、蒸着源6から飛来した蒸着材料7を通過させる複数の貫通孔56を含む。以下の説明において、基板110に面するマスク50の面を第1面551と称する。第1面551の反対側に位置するマスク50の面を第2面552と称する。
【0076】
蒸着装置10は、
図3に示すように、基板110を保持する基板ホルダ2を備えてもよい。基板ホルダ2は、基板110の厚み方向において移動可能であってもよい。基板ホルダ2は、基板110の面方向において移動可能であってもよい。基板ホルダ2は、基板110の傾きを制御するよう構成されていてもよい。例えば、基板ホルダ2は、基板110の外縁に取り付けられた複数のチャックを含んでもよい。各チャックは、基板110の厚み方向や面方向において独立に移動可能であってもよい。
【0077】
蒸着装置10は、
図3に示すように、マスク装置15を保持するマスクホルダ3を備えてもよい。マスクホルダ3は、移動可能であってもよい。
【0078】
基板ホルダ2又はマスクホルダ3の少なくともいずれか一方を移動させることにより、基板110に対するマスク50の位置を調整できる。
【0079】
蒸着装置10は、冷却板4を備えてもよい。冷却板4は、
図3に示すように、基板110の第2面112側に配置されていてもよい。冷却板4は、冷却板4の内部に冷媒を循環させるための流路を有してもよい。冷却板4は、蒸着工程の際に基板110の温度が上昇することを抑制できる。
【0080】
蒸着装置10は、磁石5を備えてもよい。磁石5は、
図3に示すように、基板110の第2面112側に配置されていてもよい。磁石5は、基板110から遠い冷却板4の面に配置されていてもよい。磁石5は、磁力によってマスク50を基板110側に引き寄せることができる。これにより、マスク50と基板110との間の隙間を低減したり、隙間をなくしたりできる。このことにより、蒸着工程においてシャドーが発生することを抑制できる。シャドーとは、マスク50と基板110との間の隙間に蒸着材料7が入り込み、これによって蒸着層の形状が不均一になる現象のことである。蒸着層の形状は、蒸着層の厚み、平面視における蒸着層の寸法などである。静電気力を利用する静電チャックを用いてマスク50を基板110側に引き寄せてもよい。
【0081】
図4は、マスク装置15を第1面551側から見た場合を示す平面図である。マスク装置15は、フレーム40と、フレーム40に固定されたマスク50と、を備えてもよい。フレーム40は、第1方向D1及び第2方向D2に延びる矩形の輪郭を有していてもよい。フレーム40は、第1方向D1においてマスク50に張力を加えた状態でマスク50を支持してもよい。
【0082】
フレーム40は、第1辺41、第2辺42、第3辺43、第4辺44及び開口45を含む。第1辺41及び第2辺42は、開口45を挟んで第1方向D1において対向している。第1辺41及び第2辺42は、第2方向D2に延びていてもよい。第3辺43及び第4辺44は、開口45を挟んで第2方向D2において対向している。第3辺43及び第4辺44は、第1方向D1に延びていてもよい。第1辺41及び第4辺44が、第3辺43及び第4辺44よりも長くてもよい。開口45は、第1辺41と側面42の間、及び第3辺43と第4辺44の間に位置している。
【0083】
第1辺41は、外側面41a及び内側面41bを含む。第2辺42は、外側面42a及び内側面42bを含む。第3辺43は、外側面43a及び内側面43bを含む。第4辺44は、外側面44a及び内側面44bを含む。内側面41b、42b、43b、44bは、開口45に面している。外側面41a、42aは、第1方向D1において内側面41b、42bの反対側に位置する。外側面43a、44aは、第2方向D2において内側面43b、44bの反対側に位置する。フレーム40は、2つの辺の外側面が交わる角46を含む。
【0084】
フレーム40は、第1方向D1において寸法E11を有する。寸法E11は、例えば、1000mm以上でもよく、1200mm以上でもよく、1300mm以上でもよく、2100mm以上でもよい。寸法E11は、例えば、1200mm以下でもよく、1300mm以下でもよく、1900mm以下でもよく、2100mm以下でもよく、2300mm以下でもよい。寸法E11の範囲は、1000mm、1200mm、1300mm及び2100mmからなる第1グループ、及び/又は、1200mm、1300mm、1900mm、2100mm及び2300mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法E11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法E11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法E11の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法E11は、1000mm以上2300mm以下でもよく、1000mm以上2100mm以下でもよく、1000mm以上1900mm以下でもよく、1000mm以上1300mm以下でもよく、1000mm以上1200mm以下でもよく、1200mm以上2300mm以下でもよく、1200mm以上2100mm以下でもよく、1200mm以上1900mm以下でもよく、1200mm以上1300mm以下でもよく、1300mm以上2300mm以下でもよく、1300mm以上2100mm以下でもよく、1300mm以上1900mm以下でもよく、1900mm以上2300mm以下でもよく、1900mm以上2100mm以下でもよく、2100mm以上2300mm以下でもよい。
【0085】
フレーム40は、第2方向D2において寸法E21を有する。寸法E21は、寸法E11よりも大きくてもよい。寸法E21は、例えば、1200mm以上でもよく、1300mm以上でもよく、1500mm以上でもよく、2000mm以上でもよく、2400mm以上でもよい。寸法E21は、例えば、1300mm以下でもよく、2300mm以下でもよく、2400mm以下でもよく、2600mm以下でもよい。寸法E21の範囲は、1200mm、1300mm、1500mm、2000mm及び2400mmからなる第1グループ、及び/又は、1300mm、2300mm、2400mm及び2600mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法E21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法E21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法E21の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法E21は、1200mm以上2600mm以下でもよく、1200mm以上2400mm以下でもよく、1200mm以上2300mm以下でもよく、1200mm以上1500mm以下でもよく、1200mm以上1300mm以下でもよく、1300mm以上2600mm以下でもよく、1300mm以上2400mm以下でもよく、1300mm以上2300mm以下でもよく、1300mm以上1500mm以下でもよく、1500mm以上2600mm以下でもよく、1500mm以上2400mm以下でもよく、1500mm以上2300mm以下でもよく、2000mm以上2300mm以下でもよく、2300mm以上2600mm以下でもよく、2300mm以上2400mm以下でもよく、2400mm以上2600mm以下でもよい。
【0086】
寸法E11に対する寸法E21の比は、例えば、1.1以上でもよく、1.2以上でもよく、1.3以上でもよい。寸法E11に対する寸法E21の比は、例えば、1.5以下でもよく、1.7以下でもよく、2.0以下でもよい。寸法E11に対する寸法E21の比の範囲は、1.1、1.2及び1.3からなる第1グループ、及び/又は、1.5、1.7及び2.0からなる第2グループによって定められてもよい。寸法E11に対する寸法E21の比の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法E11に対する寸法E21の比の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法E11に対する寸法E21の比の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法E11に対する寸法E21の比は、1.1以上2.0以下でもよく、1.1以上1.7以下でもよく、1.1以上1.5以下でもよく、1.1以上1.3以下でもよく、1.1以上1.2以下でもよく、1.2以上2.0以下でもよく、1.2以上1.7以下でもよく、1.2以上1.5以下でもよく、1.2以上1.3以下でもよく、1.3以上2.0以下でもよく、1.3以上1.7以下でもよく、1.3以上1.5以下でもよく、1.5以上2.0以下でもよく、1.5以上1.7以下でもよく、1.7以上2.0以下でもよい。
【0087】
寸法E11の特定の数値範囲と、寸法E21の特定の数値範囲とが組み合わされてもよい。例えば、寸法E11が1000mm以上1200mm以下であり、寸法E21が1200mm以上1300mm以下であってもよい。例えば、寸法E11が1200mm以上1300mm以下であり、寸法E21が2000mm以上2300mm以下であってもよい。例えば、寸法E11が2100mm以上2300mm以下であり、寸法E21が2400mm以上2600mm以下であってもよい。
【0088】
開口45は、第1方向D1において寸法E12を有し、第2方向D2において寸法E22を有する。フレーム40の寸法を大きくすることにより、開口45の寸法を大きくできる。開口45の寸法を大きくすることにより、平面視において開口45に重なるマスク50の面積を大きくできる。これにより、1枚の基板110の上に形成される有機デバイス100の数が増加する。これにより、有機デバイス100の製造コストを低減できる。「平面視」とは、マスク50の厚み方向に沿って対象物を見ることを意味する。
【0089】
マスク50は、第1辺41及び第2辺42に固定されている。平面視において、マスク50は、第1辺41及び第2辺42に固定されている一対の端部51と、一対の端部51の間に位置する中間部52と、を含む。一対の端部51は、第1方向D1において対向している。中間部52は、平面視において開口45に重なっている。中間部52は、貫通孔群53を含む。
【0090】
マスク装置15は、第2方向に沿って並ぶN枚のマスク50を備えてもよい。Nは、2以上の整数である。Nは、偶数であってもよい。
図4に示すマスク装置15は、10枚のマスク50を備える。後述するように、Nは、奇数であってもよい。
【0091】
マスク50は、中央マスクグループ50C、第1マスクグループ50A及び第2マスクグループ50Bを含んでもよい。中央マスクグループ50C、第1マスクグループ50A及び第2マスクグループ50Bはそれぞれ、マスク50を含む。
図4に示すように、第1マスクグループ50Aは、第2方向D2において中央マスクグループ50Cと第3辺43との間に位置する。
図4に示すように、第2マスクグループ50Bは、第2方向D2において中央マスクグループ50Cと第4辺44との間に位置する。
【0092】
中央マスクグループ50Cは、1枚又は2枚のマスク50を含む。Nが偶数である場合、中央マスクグループ50Cは、2枚のマスク50を含んでもよい。Nが奇数である場合、中央マスクグループ50Cは、1枚のマスク50を含んでもよい。
図4に示す中央マスクグループ50Cは、第11マスク50A1及び第12マスク50A2を含む。第11マスク50A1は、第2中心線Lc2と第3辺43との間に位置してもよい。第12マスク50A2は、第2中心線Lc2と第4辺44との間に位置してもよい。第2中心線Lc2は、第2方向D2における開口45の中心を通り、第1方向D1に延びる仮想的な直線である。図示はしないが、第11マスク50A1又は第12マスク50A2が第2中心線Lc2に重なっていてもよい。
【0093】
第1マスクグループ50Aは、1枚以上のマスク50を含む。第1マスクグループ50Aは、2枚以上のマスク50を含んでもよい。
図4に示す第1マスクグループ50Aは、第3辺43から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第11マスク50A1、第12マスク50A2、第13マスク50A3及び第14マスク50A4を含む。
【0094】
第2マスクグループ50Bは、1枚以上のマスク50を含む。第2マスクグループ50Bは、2枚以上のマスク50を含んでもよい。第2マスクグループ50Bに含まれるマスク50の数は、第1マスクグループ50Aに含まれるマスク50の数と同一であってもよい。
図4に示す第2マスクグループ50Bは、第4辺44から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第21マスク50B1、第22マスク50B2、第23マスク50B3及び第24マスク50B4を含む。
【0095】
図示はしないが、マスク装置15は、平面視においてマスク50に部分的に重なる部材を備えてもよい。部材は、開口45を横切るようにフレーム40の辺に固定されていてもよい。部材は、マスク50の第2面552に接していてもよい。部材の一例は、第3辺43及び第4辺44に固定された一対の端部を含んでもよい。部材の一例は、第1辺41及び第2辺42に固定された一対の端部を含み、第2方向D2において隣り合う2枚のマスク50の間の隙間に位置してもよい。
【0096】
フレーム40について詳細に説明する。第1辺41及び第2辺42は、第1方向D1においてマスク50に張力を加えてもよい。例えば、第1辺41及び第2辺42は、開口45に向かう方向に弾性的に変形していてもよい。
例えば、第1辺41は、線L11よりも内側に位置してもよい。線L11は、変形する前の第1辺41の外側面41aの位置を表す。符号d11は、第1方向D1における第1辺41の変形量を表す。変形量d11は、第2中心線Lc2に近いほど大きくてもよい。線L11は、第1辺41の両端に位置する角46を結ぶ直線として設定されてもよい。
例えば、第2辺42は、線L12よりも内側に位置してもよい。線L12は、変形する前の第2辺42の外側面42aの位置を表す。符号d12は、第1方向D1における第2辺42の変形量を表す。変形量d12は、第2中心線Lc2に近いほど大きくてもよい。線L12は、第2辺42の両端に位置する角46を結ぶ直線として設定されてもよい。
「内側」は、開口45に向かう側を意味する。「外側」は、開口45から遠ざかる側を意味する。
【0097】
図5は、第1辺41の一部を拡大して示す平面図である。第1辺41が内側に弾性的に変形している場合、第1辺41には、外側への復元力Fが生じている。同様に、第2辺42にも外側への復元力が生じている。このため、マスク50は、第1辺41及び第2辺42によって第1方向D1において外側へ引っ張られる。これにより、マスク50に歪みや弛みが生じることを抑制できる。
【0098】
以下の説明において、マスク50に加えられている張力を、符号TXXで表すこともある。「XX」は、任意の文字又は数字である。例えば、第14マスク50A4に加えられている張力は、TA4で表される。例えば、中央第1マスク50C1に加えられている張力は、TC1で表される。
【0099】
以下の説明において、マスク50XXの位置で第1辺41に生じている復元力を、符号FXXで表すこともある。例えば、第14マスク50A4の位置で第1辺41に生じている復元力は、FA4で表される。例えば、中央第1マスク50C1の位置で第1辺41に生じている復元力は、FC1で表される。
【0100】
以下の説明において、マスク50XXの位置における第1辺41の変形量を、符号dXXで表すこともある。例えば、第14マスク50A4の位置における第1辺41の変形量は、符号dA4で表される。例えば、中央第1マスク50C1の位置における第1辺41の変形量は、符号dC1で表される。
【0101】
第1辺41及び第2辺42は、マスク50から反力を受ける。以下の説明において、第1辺41がマスク50XXから受ける反力を、符号RXXで表すこともある。例えば、第1辺41が第14マスク50A4から受ける反力は、符号RA4で表される。例えば、第1辺41が中央第1マスク50C1から受ける反力は、符号RC1で表される。
【0102】
以下の説明において、各マスクの共通の構成を説明する場合には、「マスク50」という用語及び符号を用いることがある。また、張力、復元力、反力なに関して、各マスク50に共通する特徴を説明する場合には、「張力T」、「復元力F」、「反力R」などの用語及び符号を用いることがある。
【0103】
マスク50は、固定部47によって第1辺41及び第2辺42に固定されている。固定部47は、例えば
図5に示すように、溶接部47aを含む。溶接部47aは、マスク50の一部とフレーム40の一部とが互いに溶融することによって形成された部分である。溶接部47aは、例えば、フレーム40の第1フレーム面401に重なるマスク50の端部51にレーザーを照射することによって形成される。固定部47は、複数の溶接部47aを含んでもよい。溶接部47aは、平面視における第1辺41の内縁に沿って並んでいてもよい。
【0104】
第3辺43及び第4辺44について説明する。
図4に示すように、第3辺43及び第4辺44は、弾性的に変形していなくてもよい。若しくは、第3辺43及び第4辺44は、弾性的に変形していてもよい。
図6は、マスク装置15の一例を示す平面図である。
【0105】
図6に示すように、第3辺43及び第4辺44は、外側に弾性的に変形していてもよい。直線L21は、変形する前の第3辺43の外側面43aの位置を表す。直線L22は、変形する前の第4辺44の外側面44aの位置を表す。
【0106】
フレーム40の寸法について説明する。フレーム40の寸法は、復元力Fを適切に生じさせるよう設定されている。第1辺41は、幅W1を有する。幅W1は、第1方向D1における第1辺41の寸法である。幅W1は、例えば、20mm以上でもよく、60mm以上でもよく、100mm以上でもよい。幅W1は、例えば、150mm以下でもよく、200mm以下でもよく、250mm以下でもよい。幅W1の範囲は、20mm、60mm及び100mmからなる第1グループ、及び/又は、150mm、200mm及び250mmからなる第2グループによって定められてもよい。幅W1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。幅W1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。幅W1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、幅W1は、20mm以上250mm以下でもよく、20mm以上200mm以下でもよく、20mm以上150mm以下でもよく、20mm以上100mm以下でもよく、20mm以上60mm以下でもよく、60mm以上250mm以下でもよく、60mm以上200mm以下でもよく、60mm以上150mm以下でもよく、60mm以上100mm以下でもよく、100mm以上250mm以下でもよく、100mm以上200mm以下でもよく、100mm以上150mm以下でもよく、150mm以上250mm以下でもよく、150mm以上200mm以下でもよく、200mm以上250mm以下でもよい。
【0107】
第1辺41は、断面積B1を有する。断面積B1は、第2方向D2に直交する平面で第1辺41を切断した場合に算出される断面積である。断面積B1は、例えば、600mm2以上でもよく、1800mm2以上でもよく、3000mm2以上でもよい。断面積B1は、例えば、4500mm2以下でもよく、6000mm2以下でもよく、7500mm2以下でもよい。断面積B1の範囲は、600mm2、1800mm2及び3000mm2からなる第1グループ、及び/又は、4500mm2、6000mm2及び7500mm2からなる第2グループによって定められてもよい。断面積B1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。断面積B1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。断面積B1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、断面積B1は、600mm2以上7500mm2以下でもよく、600mm2以上6000mm2以下でもよく、600mm2以上4500mm2以下でもよく、600mm2以上3000mm2以下でもよく、600mm2以上1800mm2以下でもよく、1800mm2以上7500mm2以下でもよく、1800mm2以上6000mm2以下でもよく、1800mm2以上4500mm2以下でもよく、1800mm2以上3000mm2以下でもよく、3000mm2以上7500mm2以下でもよく、3000mm2以上6000mm2以下でもよく、3000mm2以上4500mm2以下でもよく、4500mm2以上7500mm2以下でもよく、4500mm2以上6000mm2以下でもよく、6000mm2以上7500mm2以下でもよい。
【0108】
第2辺42の幅、第3辺43の幅及び第4辺44の幅の数値の範囲としては、上述の幅W1の数値の範囲を採用できる。第2辺42の断面積、第3辺43の断面積及び第4辺44の断面積の数値の範囲としては、上述の断面積B1の数値の範囲を採用できる。
【0109】
マスク50について詳細に説明する。
図7は、マスク50の一例を示す平面図である。平面視において、マスク50は、第1方向D1に延びる第1側縁501及び第2側縁502と、第1端503及び第2端504と、を含んでもよい。第1端503及び第2端504は、第1方向D1におけるマスク50の端である。
【0110】
中間部52の貫通孔群53は、平面視において規則的に並ぶ複数の貫通孔56を含む。貫通孔56は、2つの方向において周期的に並んでいてもよい。例えば、貫通孔56は、第1方向D1及び第2方向D2において周期的に並んでいてもよい。
【0111】
1つの貫通孔群53は、1つの有機デバイス100に対応する。例えば、1つの有機デバイス100に含まれる複数の第1有機層130Aは、1つの貫通孔群53の複数の貫通孔56を通った蒸着材料によって構成される。マスク50は、少なくとも1つの貫通孔群53を含む。マスク50は、第1方向D1に並ぶ2つ以上の貫通孔群53を含んでもよい。
【0112】
マスク50は、第1方向D1において寸法M11を有する。寸法M11は、例えば、600mm以上でもよく、800mm以上でもよく、1000mm以上でもよい。寸法M11は、例えば、1200mm以下でもよく、1500mm以下でもよく、2000mm以下でもよい。寸法M11の範囲は、600mm、800mm及び1000mmからなる第1グループ、及び/又は、1200mm、1500mm及び2000mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法M11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法M11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法M11の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法M11は、600mm以上2000mm以下でもよく、600mm以上1500mm以下でもよく、600mm以上1200mm以下でもよく、600mm以上1000mm以下でもよく、600mm以上800mm以下でもよく、800mm以上2000mm以下でもよく、800mm以上1500mm以下でもよく、800mm以上1200mm以下でもよく、800mm以上1000mm以下でもよく、1000mm以上2000mm以下でもよく、1000mm以上1500mm以下でもよく、1000mm以上1200mm以下でもよく、1200mm以上2000mm以下でもよく、1200mm以上1500mm以下でもよく、1500mm以上2000mm以下でもよい。
【0113】
マスク50は、第2方向D2において寸法M21を有する。寸法M21は、例えば、50mm以上でもよく、100mm以上でもよく、150mm以上でもよい。寸法M21は、例えば、200mm以下でもよく、300mm以下でもよく、410mm以下でもよい。寸法M21の範囲は、50mm、100mm及び150mmからなる第1グループ、及び/又は、200mm、300mm及び410mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法M21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法M21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法M21の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、寸法M21は、50mm以上410mm以下でもよく、50mm以上300mm以下でもよく、50mm以上200mm以下でもよく、50mm以上150mm以下でもよく、50mm以上100mm以下でもよく、100mm以上410mm以下でもよく、100mm以上300mm以下でもよく、100mm以上200mm以下でもよく、100mm以上150mm以下でもよく、150mm以上410mm以下でもよく、150mm以上300mm以下でもよく、150mm以上200mm以下でもよく、200mm以上410mm以下でもよく、200mm以上300mm以下でもよく、300mm以上410mm以下でもよい。
【0114】
次に、マスク50の断面構造を説明する。
図8は、マスク50の一例を示す断面図である。
【0115】
マスク50は、基材55と、基材55を貫通する貫通孔56と、を備える。基材55は、第1面551及び第2面552を含む。貫通孔56は、第1面551から第2面552へ基材55を貫通している。
【0116】
貫通孔56は、第1凹部561と、第2凹部562と、第1凹部561と第2凹部562とを接続する接続部563と、を含んでもよい。第1凹部561は、第1面551に位置し、第2面552に向かって凹んだ凹部である。第2凹部562は、第2面552に位置し第1面551に向かって凹んだ凹部である。第1凹部561と第2凹部562が接続されることにより、貫通孔56が構成される。第1凹部561は、基材55を第1面551側からエッチングやレーザーなどによって加工することによって形成される。第2凹部562は、基材55を第2面552側からエッチングやレーザーなどによって加工することによって形成される。
【0117】
第1凹部561は、平面視において寸法r1を有する。第2凹部562は、平面視において寸法r2を有する。寸法r2は、寸法r1よりも大きくてもよい。例えば、平面視において第2凹部562の輪郭が第1凹部561の輪郭を囲んでいてもよい。
【0118】
接続部563は、一周にわたって連続した輪郭を有してもよい。接続部563は、第1面551と第2面552の間に位置していてもよい。接続部563は、マスク50の平面視において貫通孔56の開口面積が最小になる貫通部564を画成していてもよい。
【0119】
貫通部564の寸法rは、例えば、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよい。また、貫通部564の寸法rは、例えば、40μm以下であってもよく、45μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、55μm以下であってもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、10μm、15μm、20μm及び25μmからなる第1グループ、及び/又は、40μm、45μm、50μm及び55μmからなる第2グループによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、貫通部564の寸法rは、10μm以上55μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上45μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上25μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上55μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上45μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上25μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上55μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上45μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上25μm以下であってもよく、25μm以上55μm以下であってもよく、25μm以上50μm以下であってもよく、25μm以上45μm以下であってもよく、25μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上55μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよく、40μm以上45μm以下であってもよく、45μm以上55μm以下であってもよく、45μm以上50μm以下であってもよく、50μm以上55μm以下であってもよい。
【0120】
貫通部564の寸法rは、貫通孔56を透過する光によって画定される。具体的には、マスク50の法線方向に沿って平行光をマスク50の第1面551又は第2面552の一方に入射させ、貫通孔56を透過させて第1面551又は第2面552の他方から出射させる。出射した光がマスク50の面方向において占める領域の寸法を、貫通部564の寸法rとして採用する。
【0121】
図8においては、隣り合う二つの第2凹部562の間に基材55の第2面552が残存している例を示したが、これに限られることはない。図示はしないが、隣り合う2つの第2凹部562が接続されるようにエッチングが実施されてもよい。すなわち、隣り合う2つの第2凹部562の間に、基材55の第2面552が残存していない場所が存在していてもよい。
【0122】
マスク50及びフレーム40の材料について説明する。マスク50およびフレーム40の主要な材料としては、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでいてもよい。例えば、マスク50の基材55の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で28質量%以上且つ54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を用いることができる。これにより、マスク50及びフレーム40の熱膨張係数と、ガラスを含む基板110の熱膨張係数との差を小さくできる。このため、蒸着処理によって基板110上に形成される層の寸法精度や位置精度が、マスク50、フレーム40、基板110などの熱膨張に起因して低下することを抑制できる。
【0123】
基材55におけるニッケルの含有量及びコバルトの含有量の合計は、28質量%以上且つ38質量%以下であってもよい。この場合、ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例としては、インバー材、スーパーインバー材、ウルトラインバー材などを挙げることができる。インバー材は、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。スーパーインバー材は、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルと、コバルトと、残部の鉄及び不可避の不純物と含む鉄合金である。ウルトラインバー材は、28質量%以上且つ34質量%以下のニッケルと、2質量%以上且つ7質量%以下のコバルトと、0.1質量%以上且つ1.0質量%以下のマンガンと、0.10質量%以下のシリコンと、0.01質量%以下の炭素と、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。
【0124】
マスク50におけるニッケルの含有量及びコバルトの含有量の合計は、38質量%以上且つ54質量%以下であってもよい。例えば、マスク50は、38質量%以上且つ54質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金によって構成されていてもよい。このようなマスク50は、めっき法によって製造されてもよい。
【0125】
蒸着処理の際に、マスク50、フレーム40および基板110の温度が高温には達しない場合は、マスク50およびフレーム40の熱膨張係数を、基板110の熱膨張係数と同等の値にする必要はない。この場合、マスク50を構成する材料として、上述の鉄合金以外の材料を用いてもよい。例えば、クロムを含む鉄合金など、上述のニッケルを含む鉄合金以外の鉄合金を用いてもよい。クロムを含む鉄合金としては、例えば、いわゆるステンレスと称される鉄合金を用いることができる。また、ニッケルやニッケル-コバルト合金など、鉄合金以外の合金を用いてもよい。
【0126】
マスク50の厚みT0は、例えば、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、13μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。また、厚みT0は、例えば、20μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。厚みT0の範囲は、8μm、10μm、13μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、30μm、40μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT0の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT0の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT0の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、厚みT0は、8μm以上50μm以下であってもよく、8μm以上40μm以下であってもよく、8μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上20μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上13μm以下であってもよく、8μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、10μm以上13μm以下であってもよく、13μm以上50μm以下であってもよく、13μm以上40μm以下であってもよく、13μm以上30μm以下であってもよく、13μm以上20μm以下であってもよく、13μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよい。
【0127】
厚みT0を50μm以下にすることにより、貫通孔56を通過する前に貫通孔56の壁面に蒸着材料7が付着することを抑制できる。これにより、蒸着材料7の利用効率を高めることができる。また、厚みT0を8μm以上にすることにより、マスク50の強度を確保し、マスク50に損傷や変形が生じることを抑制できる。
【0128】
厚みT0を測定する方法としては、接触式の測定方法を採用する。接触式の測定方法としては、ボールブッシュガイド式のプランジャーを備える、ハイデンハイン社製の長さゲージHEIDENHAIM-METROの「MT1271」を用いる。
【0129】
次に、上述のマスク装置15を製造する製造装置を説明する。
図9は、製造装置60の一例を示すブロック図である。
図10は、製造装置60の一例を示す平面図である。製造装置60は、押圧機構62、変位測定機構61及び制御装置63を備えてもよい。製造装置60は、観察装置73、固定装置74、引張装置76などを備えてもよい。
【0130】
押圧機構62は、開口45に向かう方向においてフレーム40の第1辺41及び第2辺42を押圧する。例えば、押圧機構62は、第1方向D1において内側に第1辺41及び第2辺42を押圧する。変位測定機構61は、第1方向D1における第1辺41の変形量及び第2辺42の変形量を測定する。
【0131】
制御装置63は、第1辺41及び第2辺42の変形量に関する情報に基づいて押圧機構62を制御する。第1辺41及び第2辺42を内側に弾性的に変形させると、外側への復元力が第1辺41及び第2辺42に生じる。このため、マスク50は、第1辺41及び第2辺42によって第1方向D1において外側へ引っ張られる。第1辺41及び第2辺42の変形量を調整することにより、マスク50に加わる張力を調整できる。第1辺41及び第2辺42の変形量が目標変形量になるように押圧機構62を制御することにより、マスク50に加わる張力を適切に調整できる。
【0132】
制御装置63の機能は、例えば、パソコンなどのコンピュータで動作するソフトウェアによって実現されてもよい。例えば、プログラムをコンピュータにインストールすることにより、コンピュータが制御装置63として機能してもよい。
【0133】
プログラムは、コンピュータの出荷時に予めコンピュータにインストールされていてもよく、若しくは、コンピュータの出荷後に、プログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体を利用することによって、コンピュータにインストールされてもよい。記録媒体のタイプが特に限られることはなく、磁気ディスクや光ディスク等の携帯型の記録媒体や、ハードディスク装置やメモリ等の固定型の記録媒体など、様々なものが考えられる。またプログラムは、インターネット等の通信回線を介して頒布されてもよい。なおプログラムが通信回線を介して頒布される場合、頒布のためのサーバには、少なくとも一時的に、本実施の形態によるプログラムが格納された記録媒体が存在する。
【0134】
観察装置73は、マスク50を観察する。観察装置73は、例えばカメラを含む。観察装置73は、マスク50の貫通孔56、輪郭などを検出する。観察装置73は、マスク50に形成されているマークを検出してもよい。
【0135】
観察装置73は、移動機構71によって支持されていてもよい。移動機構71は、第1方向D1、第2方向D2などに沿って観察装置73を移動させる。例えば、移動機構71は、第1方向D1に沿って観察装置73を移動させる第1移動装置72を含んでもよい。移動機構71は、第2方向D2に沿って第1移動装置72を移動させる第2移動装置を含んでもよい。複数の位置において観察装置73がマスク50を観察することにより、フレーム40に対するマスク50の位置に関する情報を得ることができる。
【0136】
引張装置76は、フレーム40に固定されていない状態のマスク50に、第1方向D1において張力を加える。引張装置76は、後述するように、例えばクランプを含む。引張装置76は、フレーム40の第1フレーム面401の面内方向においてマスク50を運ぶこともできる。
【0137】
固定装置74は、マスク50を第1辺41及び第2辺42に固定する。固定装置74は、例えばレーザーをマスク50に向けて照射する。上述の溶接部47aがマスク50とフレーム40の間に形成されることにより、マスク50がフレーム40に固定される。固定装置74は、引張装置76がマスク50に張力を加えた状態で、マスク50をフレーム40に固定してもよい。
【0138】
固定装置74は、移動機構71によって支持されていてもよい。固定装置74を移動させる移動機構71は、観察装置73を移動させる移動機構71と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0139】
制御装置63は、観察装置73からの情報に基づいて引張装置76及び固定装置74を制御してもよい。例えば、制御装置63は、マスク50の貫通孔56、輪郭、マークなどの位置が目標位置に向かうよう、引張装置76を制御する。例えば、制御装置63は、引張装置76の位置、引張装置76がマスク50に加える張力などを制御する。制御装置63は、マスク50の実際の位置と目標位置との差が閾値以下の場合に、固定装置74を制御することによってマスク50をフレーム40に固定してもよい。
【0140】
引張装置76及び固定装置74を制御する制御装置63は、押圧機構62を制御する制御装置63と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0141】
押圧機構62について詳細に説明する。第1辺41を押圧する押圧機構62は、複数の押圧装置を含んでもよい。好ましくは、押圧機構62は、第1辺41を押圧する5つ以上の押圧装置を含む。例えば、押圧機構62は、第1辺41を押圧する6つの押圧装置を含んでもよい。各押圧装置は、第1辺41の外側面41aを内側へ押圧してもよい。
【0142】
第1辺41を押圧する押圧装置は、中央グループ62C、第1グループ62A及び第2グループ62Bに分類されてもよい。
図10に示すように、第1グループ62Aは、第2方向D2において中央グループ62Cと第3辺43との間に位置する。第2グループ62Bは、第2方向D2において中央グループ62Cと第4辺44との間に位置する。
【0143】
中央グループ62Cは、1つ又は2つの押圧装置を含む。マスク50の数を示す上述のNが偶数である場合、中央グループ62Cは、2つの押圧装置を含んでもよい。Nが奇数である場合、中央グループ62Cは、1つの押圧装置を含んでもよい。本実施の形態において、中央グループ62Cは、第1中央押圧装置62C1及び第2中央押圧装置62C2を含む。
図10に示すように、第1中央押圧装置62C1は、第2中心線Lc2と第3辺43との間に位置してもよい。第2中央押圧装置62C2は、第2中心線Lc2と第4辺44との間に位置してもよい。図示はしないが、第1中央押圧装置62C1又は第2中央押圧装置62C2が第2中心線Lc2に重なっていてもよい。
【0144】
第1グループ62Aは、2つ以上の押圧装置を含む。本実施の形態において、第1グループ62Aは、第3辺43から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第11押圧装置62A1及び第12押圧装置62A2を含む。
【0145】
第2グループ62Bは、2つ以上の押圧装置を含む。第2グループ62Bに含まれる押圧装置の数は、第1グループ62Aに含まれる押圧装置の数と同一であってもよい。本実施の形態において、第2グループ62Bは、第4辺44から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第21押圧装置62B1及び第22押圧装置62B2を含む。
【0146】
押圧装置は、第2方向D2に沿って間隔を空けて並んでいてもよい。
図10に示す例においては、第3辺43から第4辺44に向かう方向に順に、第11押圧装置62A1、第12押圧装置62A2、第1中央押圧装置62C1、第2中央押圧装置62C2、第22押圧装置62B2及び第21押圧装置62B1が並んでいる。
【0147】
好ましくは、第2方向D2において隣り合う2つの押圧装置の間の間隔が500mm以下である。間隔を小さくすることにより、第1辺41の各位置における第1辺41の変形量を精密に調整できる。これにより、第1辺41が各マスク50に加える張力が目標張力からずれることを抑制できる。間隔は、第1辺41に接触している押圧装置の部分の中心の位置に基づいて算出される。符号65A1、65A2、65C1、65C2、65B2及び65B1は、第1辺41に接触している第11押圧装置62A1、第12押圧装置62A2、第1中央押圧装置62C1、第2中央押圧装置62C2、第22押圧装置62B2及び第21押圧装置62B1の部分を表す。
【0148】
隣り合う2つの押圧装置の間の間隔は、例えば、50mm以上でもよく、100mm以上でもよく、200mm以上でもよい。隣り合う2つの押圧装置の間の間隔は、例えば、300mm以下でもよく、400mm以下でもよく、500mm以下でもよい。隣り合う2つの押圧装置の間の間隔の範囲は、50mm、100mm及び200mmからなる第1グループ、及び/又は、300mm、400mm及び500mmからなる第2グループによって定められてもよい。隣り合う2つの押圧装置の間の間隔の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。隣り合う2つの押圧装置の間の間隔の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。隣り合う2つの押圧装置の間の間隔の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、隣り合う2つの押圧装置の間の間隔は、50mm以上500mm以下でもよく、50mm以上400mm以下でもよく、50mm以上300mm以下でもよく、50mm以上200mm以下でもよく、50mm以上100mm以下でもよく、100mm以上500mm以下でもよく、100mm以上400mm以下でもよく、100mm以上300mm以下でもよく、100mm以上200mm以下でもよく、200mm以上500mm以下でもよく、200mm以上400mm以下でもよく、200mm以上300mm以下でもよく、300mm以上500mm以下でもよく、300mm以上400mm以下でもよく、400mm以上500mm以下でもよい。
【0149】
符号S2_AAは、第1グループ62Aに属する2つの押圧装置の間の間隔を表す。符号S2_ACは、第1グループ62Aに属する押圧装置と、中央グループ62Cに属する押圧装置との間の間隔を表す。符号S2_CCは、中央グループ62Cに属する2つの押圧装置の間の間隔を表す。符号S2_BCは、第2グループ62Bに属する押圧装置と、中央グループ62Cに属する押圧装置との間の間隔を表す。符号S2_BBは、第2グループ62Bに属する2つの押圧装置の間の間隔を表す。間隔S2_AA、間隔S2_AC、間隔S2_CC、間隔S2_BC及び間隔S2_BBは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0150】
第2辺42を押圧する押圧機構62も、複数の押圧装置を含んでもよい。好ましくは、押圧機構62は、第2辺42を押圧する5つ以上の押圧装置を含む。
図10に示す例において、押圧機構62は、第2辺42を押圧する6つの押圧装置を含む。各押圧装置は、第2辺42の外側面42aを内側へ押圧してもよい。
【0151】
第2辺42を押圧する押圧装置の構成は、第1辺41を押圧する押圧装置の構成と同一でもよい。例えば、
図10に示すように、押圧機構62は、第3辺43から第4辺44に向かう方向に順に並び、第2辺42を押圧する第11押圧装置62A1、第12押圧装置62A2、第1中央押圧装置62C1、第2中央押圧装置62C2、第22押圧装置62B2及び第21押圧装置62B1を含んでもよい。
【0152】
好ましくは、第2辺42に位置し、第2方向D2において隣り合う2つの押圧装置の間の間隔も500mm以下である。第2辺42に位置し、第2方向D2において隣り合う2つの押圧装置の間の間隔の数値の範囲としては、第1辺41に位置し、第2方向D2において隣り合う2つの押圧装置の間の間隔の数値の範囲を採用できる。第1辺41に位置する押圧装置と、第2辺42に位置する押圧装置とが、第1方向D1において並んでいてもよい。例えば、第1辺41に位置する第1中央押圧装置62C1と、第2辺42に位置する第1中央押圧装置62C1とが、第2方向D2において同一の座標に位置していてもよい。
【0153】
図10に示す符号S_11は、第1辺41を押圧する押圧装置と、第2辺42を押圧する押圧装置との間の、第1方向D1における距離を表す。距離S_11は、例えば、1300mm以上でもよく、1500mm以上でもよく、1700mm以上でもよい。距離S_11は、例えば、1900mm以下でもよく、2100mm以下でもよく、2400mm以下でもよい。距離S_11の範囲は、1300mm、1500mm及び1700mmからなる第1グループ、及び/又は、1900mm、2100mm及び2400mmからなる第2グループによって定められてもよい。距離S_11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。距離S_11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。距離S_11の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、距離S_11は、1300mm以上2400mm以下でもよく、1300mm以上2100mm以下でもよく、1300mm以上1900mm以下でもよく、1300mm以上1700mm以下でもよく、1300mm以上1500mm以下でもよく、1500mm以上2400mm以下でもよく、1500mm以上2100mm以下でもよく、1500mm以上1900mm以下でもよく、1500mm以上1700mm以下でもよく、1700mm以上2400mm以下でもよく、1700mm以上2100mm以下でもよく、1700mm以上1900mm以下でもよく、1900mm以上2400mm以下でもよく、1900mm以上2100mm以下でもよく、2100mm以上2400mm以下でもよい。
【0154】
各押圧装置に共通する構成を説明する場合には、「押圧装置62x」という用語及び符号を用いることがある。
【0155】
変位測定機構61について詳細に説明する。第1辺41の変形量を測定する変位測定機構61は、複数の変位計を含んでもよい。好ましくは、変位測定機構61は、各押圧装置の近くで第1辺41の変形量を測定する変位計を含む。好ましくは、第1辺41の変形量を測定する変位計の数は、第1辺41を押圧する押圧装置の数以上である。例えば、第1辺41を押圧する押圧装置の数が5つである場合、好ましくは、変位測定機構61は、5つ以上の変位計を含む。これにより、全ての押圧装置の近くに変位計を配置できる。
【0156】
押圧装置の近くで第1辺41の変形量を測定する変位計は、
図9に示すように、中央測定グループ61C、第1測定グループ61A及び第2測定グループ61Bに分類されてもよい。第1測定グループ61Aは、第2方向D2において中央測定グループ61Cと第3辺43との間に位置する。第2測定グループ61Bは、第2方向D2において中央測定グループ61Cと第4辺44との間に位置する。
【0157】
中央測定グループ61Cは、1つ又は2つの変位計を含む。上述の押圧機構62の中央グループ62Cが1つの押圧装置を含む場合、中央測定グループ61Cは、1つの変位計を含んでもよい。中央グループ62Cが2つの押圧装置を含む場合、中央測定グループ61Cは、2つの変位計を含んでもよい。本実施の形態において中央測定グループ61Cは、第1中央変位計61C1及び第2中央変位計61C2を含む。第1中央変位計61C1は、第1中央押圧装置62C1の近くに位置する。第2中央変位計61C2は、第2中央押圧装置62C2の近くに位置する。
【0158】
第1測定グループ61Aは、2つ以上の変位計を含む。本実施の形態において、第1測定グループ61Aは、第3辺43から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第11変位計61A1及び第12変位計61A2を含む。第11変位計61A1は、第11押圧装置62A1の近くに位置する。第12変位計61A2は、第12押圧装置62A2の近くに位置する。
【0159】
第2測定グループ61Bは、2つ以上の変位計を含む。本実施の形態において、第2測定グループ61Bは、第4辺44から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第21変位計61B1及び第22変位計61B2を含む。第21変位計61B1は、第21押圧装置62B1の近くに位置する。第22変位計61B2は、第22押圧装置62B2の近くに位置する。
【0160】
各変位計に共通する構成を説明する場合には、「変位計61x」という用語及び符号を用いることがある。
【0161】
図11は、押圧装置62x及び変位計61xの一例を示す図である。変位計61xは、押圧装置62xの近くに位置する。第2方向D2における押圧装置62xと変位計61xとの間の間隔S_Fは、好ましくは100mm以下である。間隔S_Fを小さくすることにより、変位計61xの測定結果に基づいて押圧装置62xをより精密に制御できる。このため、第1辺41の各位置における変形量を精密に調整できる。これにより、第1辺41が各マスク50に加える張力が目標張力からずれることを抑制できる。間隔S_Fは、第1辺41に接触している押圧装置62xの部分65の中心の位置、及び、変位計61xが測定している第1辺41の位置に基づいて算出される。変位計61xが第1辺41に接触している場合、変位計61xが測定している第1辺41の位置は、第1辺41に接触している変位計61xの部分64の中心の位置である。製造装置60を用いてマスク装置15を製造する間、間隔S_Fが一定に維持されることが好ましい。すなわち、変位計61xは、第2方向D2において押圧装置62xに対して静止していることが好ましい。製造装置60を用いてマスク装置15を製造する間、第2方向D2において押圧装置62xに対して静止している変位計61xのことを、静止タイプの変位計61xとも称する。
【0162】
間隔S_Fは、例えば、1mm以上でもよく、5mm以上でもよく、10mm以上でもよい。間隔S_Fは、例えば、20mm以下でもよく、50mm以下でもよく、100mm以下でもよい。間隔S_Fの範囲は、1mm、5mm及び10mmからなる第1グループ、及び/又は、20mm、50mm及び100mmからなる第2グループによって定められてもよい。間隔S_Fの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。間隔S_Fの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。間隔S_Fの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、間隔S_Fは、1mm以上100mm以下でもよく、1mm以上50mm以下でもよく、1mm以上20mm以下でもよく、1mm以上10mm以下でもよく、1mm以上5mm以下でもよく、5mm以上100mm以下でもよく、5mm以上50mm以下でもよく、5mm以上20mm以下でもよく、5mm以上10mm以下でもよく、10mm以上100mm以下でもよく、10mm以上50mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上100mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよく、50mm以上100mm以下でもよい。
【0163】
変位計61xは、センサヘッド611及び支持部612を含んでもよい。支持部612は、センサヘッド611が第1方向D1において移動できるようセンサヘッド611を支持する。センサヘッド611は、第1辺41の外側面41aに接触する先端を含む。変位計61xは、センサヘッド611の先端の位置に基づいて、第1辺41の変形量を検出する。
【0164】
押圧装置62xは、ロッド621及び駆動部622を含んでもよい。駆動部622は、第1方向D1においてロッド621を駆動する。駆動部622は、例えばモータを含む。ロッド621は、第1辺41の外側面41aに接触する先端を含む。押圧装置62xは、ロードセルなどの荷重計を含んでもよい。荷重計は、ロッド621がフレーム40に加える押圧力を検出する。
【0165】
図10に示すように、変位測定機構61は、第1補助変位計61D及び第2補助変位計61Eを含んでもよい。第1補助変位計61Dは、第2方向D2において第3辺43の外側面43aから距離S_D離れた位置において第1辺41の変形量を測定する。第2補助変位計61Eは、第2方向D2において第4辺44の外側面44aから距離S_E離れた位置において第1辺41の変形量を測定する。第1補助変位計61D及び第2補助変位計61Eの構成は、中央測定グループ61C、第1測定グループ61A及び第2測定グループ61Bの変位計の構成と同一でもよく、異なっていてもよい。
【0166】
距離S_D及び距離S_Eは、例えば、1mm以上でもよく、5mm以上でもよく、20mm以上でもよい。距離S_D及び距離S_Eは、例えば、50mm以下でもよく、100mm以下でもよく、200mm以下でもよい。距離S_D及び距離S_Eの範囲は、1mm、5mm及び20mmからなる第1グループ、及び/又は、50mm、100mm及び200mmからなる第2グループによって定められてもよい。距離S_D及び距離S_Eの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。距離S_D及び距離S_Eの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。距離S_D及び距離S_Eの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、距離S_D及び距離S_Eは、1mm以上200mm以下でもよく、1mm以上100mm以下でもよく、1mm以上50mm以下でもよく、1mm以上20mm以下でもよく、1mm以上5mm以下でもよく、5mm以上200mm以下でもよく、5mm以上100mm以下でもよく、5mm以上50mm以下でもよく、5mm以上20mm以下でもよく、20mm以上200mm以下でもよく、20mm以上100mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよく、50mm以上200mm以下でもよく、50mm以上100mm以下でもよく、100mm以上200mm以下でもよい。
【0167】
好ましくは、第2方向D2において隣り合う2つの変位計の間の間隔が500mm以下である。間隔を小さくすることにより、第1辺41の各位置における変形量を正確に測定できる。このため、第1辺41の各位置における変形量を、押圧装置を用いて精密に調整できる。これにより、第1辺41が各マスク50に加える張力が目標張力からずれることを抑制できる。
【0168】
隣り合う2つの変位計の間の間隔は、例えば、50mm以上でもよく、100mm以上でもよく、200mm以上でもよい。隣り合う2つの変位計の間の間隔は、例えば、300mm以下でもよく、400mm以下でもよく、500mm以下でもよい。隣り合う2つの変位計の間の間隔の範囲は、50mm、100mm及び200mmからなる第1グループ、及び/又は、300mm、400mm及び500mmからなる第2グループによって定められてもよい。隣り合う2つの変位計の間の間隔の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。隣り合う2つの変位計の間の間隔の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。隣り合う2つの変位計の間の間隔の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、隣り合う2つの変位計の間の間隔は、50mm以上500mm以下でもよく、50mm以上400mm以下でもよく、50mm以上300mm以下でもよく、50mm以上200mm以下でもよく、50mm以上100mm以下でもよく、100mm以上500mm以下でもよく、100mm以上400mm以下でもよく、100mm以上300mm以下でもよく、100mm以上200mm以下でもよく、200mm以上500mm以下でもよく、200mm以上400mm以下でもよく、200mm以上300mm以下でもよく、300mm以上500mm以下でもよく、300mm以上400mm以下でもよく、400mm以上500mm以下でもよい。
【0169】
符号S1_AAは、第1測定グループ61Aに属する2つの変位計の間の間隔を表す。符号S1_ACは、第1測定グループ61Aに属する変位計と、中央測定グループ61Cに属する変位計との間の間隔を表す。符号S1_CCは、中央測定グループ61Cに属する2つの変位計の間の間隔を表す。符号S1_BCは、第2測定グループ61Bに属する変位計と、中央測定グループ61Cに属する変位計との間の間隔を表す。符号S1_BBは、第2測定グループ61Bに属する2つの変位計の間の間隔を表す。間隔S1_AA、間隔S1_AC、間隔S1_CC、間隔S1_BC及び間隔S1_BBは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0170】
好ましくは、第2方向D2において隣り合う変位計と補助変位計との間の間隔が500mm以下である。変位計と補助変位計との間の間隔の数値の範囲としては、上述の「2つの変位計の間の間隔」の数値の範囲を採用できる。
【0171】
第2辺42の変形量を測定する変位測定機構61も、複数の変位計を含んでもよい。好ましくは、変位測定機構61は、各押圧装置の近くで第2辺42の変形量を測定する変位計を含む。好ましくは、第2辺42の変形量を測定する変位計の数は、第2辺42を押圧する押圧装置の数以上である。例えば、第2辺42を押圧する押圧装置の数が5つである場合、好ましくは、変位測定機構61は、5つ以上の変位計を含む。第2辺42の変形量を測定する変位測定機構61も、第1補助変位計61D及び第2補助変位計61Eを含んでもよい。
【0172】
第2辺42においても、第2方向D2における押圧装置と変位計との間の間隔は、好ましくは100mm以下である。第2辺42における、第2方向D2における押圧装置と変位計との間の間隔の数値の範囲としては、第1辺41における、第2方向D2における押圧装置と変位計との間の間隔の数値の範囲を採用できる。
【0173】
第2辺42においても、隣り合う2つの変位計の間の、第2方向D2における間隔の範囲は、500mm以下である。第2辺42に沿って隣り合う2つの変位計の間の、第2方向D2における間隔の範囲としては、第1辺41に沿って隣り合う2つの変位計の間の間隔の数値の範囲を採用できる。
【0174】
第1辺41に位置する変位計と、第2辺42に位置する変位計とが、第1方向D1において並んでいてもよい。例えば、第1辺41に位置する第1中央変位計61C1と、第2辺42に位置する第1中央変位計61C1とが、第2方向D2において同一の座標に位置していてもよい。
【0175】
第2辺42の変形量を測定する変位測定機構61も、第1補助変位計61D及び第2補助変位計61Eを含んでもよい。
【0176】
次に、製造装置60を用いてマスク装置15を製造する方法を説明する。
図12は、製造方法の一例を示すフローチャートである。まず、フレーム40を準備する(工程S1)。フレーム40は、製造装置60の図示しないステージの上に置かれてもよい。続いて、フレーム40の基準位置を定める(工程S2)。例えば、押圧機構62がフレーム40を押圧していない状態において、変位測定機構61を用いてフレーム40の位置を測定する。例えば、押圧装置62xのロッド621をフレーム40から離した状態で、変位計61xのセンサヘッド611をフレーム40に接触させる。これにより、フレーム40が変形していない時のフレーム40の位置、すなわち基準位置が定められる。
【0177】
続いて、N枚のマスク50をフレーム40に順に取り付けるマスク取付工程S3を実施する。k枚目(kは1以上N以下の整数)のマスク50をフレーム40に取り付ける工程のことを、第kマスク取付工程S3(k)とも称する。マスク取付工程S3は、第1マスク取付工程S3(1)~第Nマスク取付工程S3(N)というN回の工程を含む。
【0178】
マスク取付工程S3は、
図12に示すように、調整工程S4及び配置工程S5をN回繰り返す。第kマスク取付工程S3(k)における調整工程及び配置工程のことを、第k調整工程S4(k)及び第k配置工程S5(k)とも称する。
【0179】
調整工程S4は、開口45に向かう方向において押圧機構62が第1辺41及び第2辺42に加える押圧力を調整する。具体的には、調整工程S4は、各マスク50が第1辺41及び第2辺42に固定される時の第1辺41及び第2辺42の変形量が目標変形量になるよう、押圧力を調整する。マスク装置15の製造方法において押圧機構62が第1辺41及び第2辺42に加える押圧力を、第1押圧力とも称する。
【0180】
目標変形量は、第1辺41の各位置及び第2辺42の各位置で予め定められている。目標変形量で変形している第1辺41及び第2辺42は、N本のマスク50がフレーム40に取り付けられている状態において、弾性的な復元力に基づいて各マスク50に目標張力を加えることができる。目標変形量は、フレーム40の形状、物性などに基づいて算出されてもよい。例えば、CADなどで作製したフレーム40の三次元形状に基づいて、有限要素法を用いて、復元力と変形量との関係を算出してもよい。この関係に基づいて、目標変形量を算出してもよい。
【0181】
以下の説明において、第k調整工程S4(k)において第1辺41に加えられる第1押圧力を、符号P(k)で表すこともある。また、第k調整工程S4(k)において第11押圧装置62A1、第12押圧装置62A2、第21押圧装置62B1、第22押圧装置62B2、第1中央押圧装置62C1、第2中央押圧装置62C2が第1辺41に加える第1押圧力を、符号P(k)_A1、P(k)_A2、P(k)_B1、P(k)_B2、P(k)_C1、P(k)_C2で表すこともある。
【0182】
第k調整工程S4(k)において第1グループ62Aの押圧装置が第1辺41に加える第1押圧力の平均値を、符号P(k)_Aで表すこともある。第k調整工程S4(k)において第2グループ62Bの押圧装置が第1辺41に加える第1押圧力の平均値を、符号P(k)_Bで表すこともある。第k調整工程S4(k)において中央グループ62Cの押圧装置が第1辺41に加える第1押圧力の平均値を、符号P(k)_Cで表すこともある。
【0183】
以下の説明において、第k調整工程S4(k)において第1辺41に生じている変形量を、符号d(k)で表すこともある。また、第k調整工程S4(k)において第11変位計61A1、第12変位計61A2、第21変位計61B1、第22変位計61B2、第1中央変位計61C1、第2中央変位計61C2、第1補助変位計61D、第2補助変位計61Eが測定した変形量を、符号d(k)_A1、d(k)_A2、d(k)_B1、d(k)_B2、d(k)_C1、d(k)_C2、d(k)_D、d(k)_Eで表すこともある。
【0184】
以下の説明において、第11変位計61A1が第1辺41を測定する位置における目標変形量を、符号T_A1で表すこともある。同様に、第12変位計61A2、第21変位計61B1、第22変位計61B2、第1中央変位計61C1、第2中央変位計61C2、第1補助変位計61D、第2補助変位計61Eに対応する目標変形量を、符号T_A2、T_B1、T_B2、T_C1、T_C2、T_D、T_Eで表すこともある。
【0185】
図13は、調整工程S4及び配置工程S5の一例を示すフローチャートである。第k調整工程S4(k)は、押圧工程S41(k)と、判定工程S42(k)と、を含んでもよい。押圧工程S41(k)は、フレーム40への第1押圧力P(k)を調整する。判定工程S42(k)は、Δd(k)が第1閾値TH1以下であるか否かを判定する。Δd(k)は、変形量d(k)と目標変形量との差の絶対値である。Δd(k)は、例えば、第1中央変位計61C1が測定した変形量d(k)_C1と目標変形量T_C1との差の絶対値である。判定工程S42(k)は、複数の変形量の測定値に関してΔd(k)が第1閾値TH1以下であるか否かを判定してもよい。例えば、判定工程S42(k)は、変形量d(k)_C1と目標変形量T_C1との差、変形量d(k)_A1と目標変形量T_A1との差、及び変形量d(k)_A2と目標変形量T_A2との差が第1閾値TH1以下であるか否かを判定してもよい。判定工程S42(k)は、上述の変形量d(k)_A1、d(k)_A2、d(k)_B1、d(k)_B2、d(k)_C1、d(k)_C2、d(k)_D、d(k)_Eのそれぞれに関して、Δd(k)が第1閾値TH1以下であるか否かを判定してもよい。
【0186】
第1閾値TH1は、求められる張力の精度に基づいて定められてもよい。第1閾値TH1は、例えば、0.01μm以上でもよく、0.02μm以上でもよく、0.05μm以上でもよい。第1閾値TH1は、例えば、0.10μm以下でもよく、0.15μm以下でもよく、0.20μm以下でもよい。第1閾値TH1の範囲は、0.01μm、0.02μm及び0.05μmからなる第1グループ、及び/又は、0.10μm、0.15μm及び0.20μmからなる第2グループによって定められてもよい。第1閾値TH1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第1閾値TH1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第1閾値TH1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、第1閾値TH1は、0.01μm以上0.20μm以下でもよく、0.01μm以上0.15μm以下でもよく、0.01μm以上0.10μm以下でもよく、0.01μm以上0.05μm以下でもよく、0.01μm以上0.02μm以下でもよく、0.02μm以上0.20μm以下でもよく、0.02μm以上0.15μm以下でもよく、0.02μm以上0.10μm以下でもよく、0.02μm以上0.05μm以下でもよく、0.05μm以上0.20μm以下でもよく、0.05μm以上0.15μm以下でもよく、0.05μm以上0.10μm以下でもよく、0.10μm以上0.20μm以下でもよく、0.10μm以上0.15μm以下でもよく、0.15μm以上0.20μm以下でもよい。
【0187】
配置工程S5は、マスク50の端部51を第1辺41及び第2辺42に固定する。第k固定工程S5(k)は、k枚目のマスク50の位置を調整する位置調整工程S51(k)と、判定工程S52(k)と、固定工程S53(k)と、を含んでもよい。
【0188】
位置調整工程S51(k)は、マスク50に張力を加えた状態でマスク50の位置を調整してもよい。上述の移動機構71及び引張装置76を用いることにより、マスク50に張力を加えた状態でマスク50の位置を調整できる。位置調整工程S51(k)は、フレーム40に対するマスク50の位置が目標位置になるよう、移動機構71及び引張装置76を制御してもよい。例えば、位置調整工程S51(k)は、上述の観察装置73からの情報に基づいて引張装置76及び固定装置74を制御してもよい。
【0189】
判定工程S52(k)は、マスク誤差が第2閾値TH2以下であるか否かを判定する。マスク誤差は、例えば、マスク50のマークの実際の位置と目標位置との差の絶対値である。判定工程S52(k)は、1つのマークに関してマスク誤差が第2閾値TH2以下であるか否かを判定してもよい。判定工程S52(k)は、2つ以上のマークに関してマスク誤差が第2閾値TH2以下であるか否かを判定してもよい。判定工程S52(k)は、マーク以外の要素の位置に基づいて、マスク誤差が第2閾値TH2以下であるか否かを判定してもよい。例えば、判定工程S52(k)は、マスク50の輪郭、貫通孔56などの位置に基づいて、マスク誤差が第2閾値TH2以下であるか否かを判定してもよい。マスク誤差は、PPAとも称される。「PPA」は、Pixel Position Accuracyを意味する。
【0190】
第2閾値TH2は、例えば、0.1μm以上でもよく、0.2μm以上でもよく、0.5μm以上でもよい。第2閾値TH2は、例えば、1.0μm以下でもよく、2.0m以下でもよく、3.0μm以下でもよい。第2閾値TH2の範囲は、0.1μm、0.2μm及び0.5μmからなる第1グループ、及び/又は、1.0μm、2.0m及び3.0μmからなる第2グループによって定められてもよい。第2閾値TH2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第2閾値TH2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第2閾値TH2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、第2閾値TH2は、0.1μm以上3.0μm以下でもよく、0.1μm以上2.0m以下でもよく、0.1μm以上1.0μm以下でもよく、0.1μm以上0.5μm以下でもよく、0.1μm以上0.2μm以下でもよく、0.2μm以上3.0μm以下でもよく、0.2μm以上2.0m以下でもよく、0.2μm以上1.0μm以下でもよく、0.2μm以上0.5μm以下でもよく、0.5μm以上3.0μm以下でもよく、0.5μm以上2.0m以下でもよく、0.5μm以上1.0μm以下でもよく、1.0μm以上3.0μm以下でもよく、1.0μm以上2.0m以下でもよく、2.0m以上3.0μm以下でもよい。
【0191】
固定工程S53(k)は、k枚目のマスク50を第1辺41及び第2辺42に固定する。上述の固定装置74を用いることにより、マスク50を第1辺41及び第2辺42に固定できる。
【0192】
マスク取付工程S3の後、解放工程S6を実施してもよい。解放工程S6は、フレーム40への第1押圧力をゼロにする。例えば、押圧機構62の各押圧装置のロッド621をフレーム40から離す。続いて、最終確認工程S7を実施してもよい。最終確認工程S7は、第1辺41及び第2辺42に最終的に生じている変形量を測定する。第1辺41及び第2辺42に最終的に生じている変形量のことを、最終変形量とも称する。
【0193】
最終確認工程S7は、最終変形量と目標変形量との差が上述の第1閾値TH1以下であるか否かを判定してもよい。最終確認工程S7は、第1辺41及び第2辺42の各位置における複数の最終変形量を判定してもよい。最終確認工程S7は、製造装置60に含まれる全ての変位計によって測定された最終変形量を判定してもよい。
【0194】
【0195】
図10に示すように、フレーム40が変形していない状態において、変位測定機構61を用いてフレーム40の位置を測定する。続いて、N枚のマスク50をフレーム40に取り付けるマスク取付工程S3を実施する。本実施の形態においては、第2方向D2におけるフレーム40の中心から遠い順にマスク50を第1辺41及び第2辺42に取り付ける例を説明する。第2方向D2におけるフレーム40の中心からの距離が同一である場合、第3辺43と第2中心線Lc2との間に位置するマスク50が、第4辺44と第2中心線Lc2との間に位置するマスク50よりも先に第1辺41及び第2辺42に取り付けられる。従って、第11マスク50A1、第21マスク50B1、第12マスク50A2、第22マスク50B2、第13マスク50A3、第23マスク50B3、第14マスク50A4、第24マスク50B4、中央第1マスク50C1、中央第2マスク50C2がこの順で第1辺41及び第2辺42に取り付けられる。
【0196】
1枚目のマスク50をフレーム40に取り付ける第1マスク取付工程S3(1)を実施する。1枚目のマスク50は、第11マスク50A1である。第1マスク取付工程S3(1)は、第1調整工程S4(1)及び第1配置工程S5(1)を含む。
【0197】
図14は、第1調整工程S4(1)を示す図である。第1調整工程S4(1)は、押圧工程S41(1)及び判定工程S42(1)を含む。押圧工程S41(1)は、
図14に示すように、マスク50がフレーム40に取り付けられていない状態において、第1辺41及び第2辺42を押圧する。制御装置63は、d(1)_A1、d(1)_A2、d(1)_C(1)などの変形量が目標変形量になるよう、押圧機構62を制御する。
【0198】
判定工程S42(1)は、Δd(1)が第1閾値TH1以下であるか否かを判定する。Δd(1)が第1閾値TH1を超えている場合、押圧工程S41(1)が再び実施される。Δd(1)が第1閾値TH1以下である場合、第1配置工程S5(1)に進む。Δd(1)が第1閾値TH1以下である場合、押圧機構62の押圧装置が第1辺41及び第2辺42に加えている第1押圧力を記録してもよい。
【0199】
制御装置63は、第1調整工程S4(1)において押圧機構62の各押圧装置が第1辺41に加える第1押圧力の差が所定の範囲内になるよう、押圧機構62を制御してもよい。例えば、第1比率RA1及び第2比率RA2が所定の値以下になるよう、制御装置63が押圧機構62を制御してもよい。第1比率RA1は、第1調整工程S4(1)における、中央グループ62Cの平均第1押圧力P(1)_Cに対する第1グループ62Aの平均第1押圧力P(1)_Aの比率である。第2比率RA2は、第1調整工程S4(1)における、中央グループ62Cの平均第1押圧力P(1)_Cに対する第2グループ62Bの平均第1押圧力P(1)_Bの比率である。平均第1押圧力P(1)_Aは、第1調整工程S4(1)において第1グループ62Aの押圧装置が第1辺41に加える第1押圧力の平均値である。平均第1押圧力P(1)_Bは、第1調整工程S4(1)において第2グループ62Bの押圧装置が第1辺41に加える第1押圧力の平均値である。平均第1押圧力P(1)_Cは、第1調整工程S4(1)において中央グループ62Cの押圧装置が第1辺41に加える第1押圧力の平均値である。
【0200】
第1比率RA1及び第2比率RA2は、例えば、0.6以上でもよく、0.7以上でもよく、0.8以上でもよく、0.9以上でもよい。第1比率RA1及び第2比率RA2は、例えば、1.1以下でもよく、1.2以下でもよく、1.3以下でもよく、1.4以下でもよい。第1比率RA1及び第2比率RA2の範囲は、0.6、0.7、0.8及び0.9からなる第1グループ、及び/又は、1.1、1.2、1.3及び1.4からなる第2グループによって定められてもよい。第1比率RA1及び第2比率RA2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第1比率RA1及び第2比率RA2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第1比率RA1及び第2比率RA2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、第1比率RA1及び第2比率RA2は、0.6以上1.4以下でもよく、0.6以上1.3以下でもよく、0.6以上1.2以下でもよく、0.6以上1.1以下でもよく、0.6以上0.9以下でもよく、0.6以上0.8以下でもよく、0.6以上0.7以下でもよく、0.7以上1.4以下でもよく、0.7以上1.3以下でもよく、0.7以上1.2以下でもよく、0.7以上1.1以下でもよく、0.7以上0.9以下でもよく、0.7以上0.8以下でもよく、0.8以上1.4以下でもよく、0.8以上1.3以下でもよく、0.8以上1.2以下でもよく、0.8以上1.1以下でもよく、0.8以上0.9以下でもよく、0.9以上1.4以下でもよく、0.9以上1.3以下でもよく、0.9以上1.2以下でもよく、0.9以上1.1以下でもよく、1.1以上1.4以下でもよく、1.1以上1.3以下でもよく、1.1以上1.2以下でもよく、1.2以上1.4以下でもよく、1.2以上1.3以下でもよく、1.3以上1.4以下でもよい。
【0201】
第1配置工程S5(1)は、位置調整工程S51(1)、判定工程S52(1)、及び固定工程S53(1)を含む。
図15は、位置調整工程S51(1)及び判定工程S52(1)を示す図である。
【0202】
位置調整工程S51(1)は、
図15に示すように、第11マスク50A1に張力を加えた状態で第11マスク50A1の位置を調整する。位置調整工程S51(1)は、引張装置76を用いて第11マスク50A1の位置を調整する。引張装置76は、クランプを用いて第11マスク50A1に張力を加えてもよい。引張装置76は、例えば、第1の端部51に取り付けられる2つのクランプ761と、第2の端部51に取り付けられる2つのクランプ761と、を含んでもよい。各クランプ761の位置を調整することにより、第11マスク50A1の位置及び張力を調整できる。
【0203】
判定工程S52(1)は、観察装置73を用いて第11マスク50A1の位置を観察する。判定工程S52(1)は、第11マスク50A1のマスク誤差が第2閾値TH2以下であるか否かを判定する。マスク誤差が第2閾値TH2を超えている場合、位置調整工程S51(1)が再び実施される。マスク誤差が第2閾値TH2以下である場合、固定工程S53(1)に進む。
【0204】
図16は、固定工程S53(1)を示す図である。固定工程S53(1)は、例えばレーザーを第11マスク50A1の端部51に照射する。これにより、端部51に溶接部47aが形成される。溶接部47aを介して第11マスク50A1が第1辺41及び第2辺42に固定される。
図16に示すように、溶接部47aよりも外側に位置する端部51の部分を除去してもよい。N枚のマスク50をフレーム40に取り付けた後に、溶接部47aよりも外側に位置する端部51の部分を除去してもよい。
【0205】
続いて、
図17に示すように、2枚目のマスク50をフレーム40に取り付ける第2マスク取付工程S3(2)を実施する。2枚目のマスク50は、第21マスク50B1である。第2マスク取付工程S3(2)は、第2調整工程S4(2)及び第2配置工程S5(2)を含む。
【0206】
続いて、
図18に示すように、第3マスク取付工程S3(3)~第8マスク取付工程S3(8)を順に実施する。これにより、第1マスクグループ50Aの各マスク50及び第2マスクグループ50Bの各マスク50がフレーム40に取り付けられる。第3マスク取付工程S3(3)~第8マスク取付工程S3(8)は、第3調整工程S4(3)~第8調整工程S4(8)及び第3配置工程S5(3)~第8配置工程S5(8)を含む。
【0207】
続いて、
図19に示すように、第9マスク取付工程S3(9)~第10マスク取付工程S3(10)を順に実施する。これにより、中央マスクグループ50Cの各マスク50がフレーム40に取り付けられる。第9マスク取付工程S3(9)~第10マスク取付工程S3(10)は、第9調整工程S4(9)~第10調整工程S4(10)及び第9配置工程S5(9)~第10配置工程S5(10)を含む。
【0208】
続いて、解放工程S6を実施する。例えば
図20に示すように、押圧機構62の各押圧装置のロッド621をフレーム40から離す。続いて、最終確認工程S7を実施する。最終確認工程S7は、第1辺41及び第2辺42の最終変形量と目標変形量との差が上述の第1閾値TH1以下であるか否かを判定する。差が第1閾値TH1以下である場合、マスク装置15を合格品として認定する。
【0209】
図21は、第1調整工程S4(1)~第10調整工程S4(10)において第11押圧装置62A1が第1辺41に加える第1押圧力P_A1の推移の一例を示す図である。
図21に示すように、第1押圧力P_A1は、2回以上の調整工程S4の間、減少してもよい。
図21に示す例において、第1押圧力P_A1は、第2調整工程S4(2)~第7調整工程S4(7)の間、減少している。
【0210】
図21に示すように、第1押圧力P_A1は、最後の調整工程S4の前に、すなわち第10調整工程S4(10)の前にゼロになってもよい。
図21に示す例においては、第7調整工程S4(7)において第1押圧力P_A1がゼロになる。
符号P(11)_A1は、解放工程S6のときの第1押圧力P_A1を意味する。第1押圧力P(11)_A1はゼロである。
【0211】
図22は、第1調整工程S4(1)~第10調整工程S4(10)において第12押圧装置62A2が第1辺41に加える第1押圧力P_A2の推移の一例を示す図である。
図22に示すように、第1押圧力P_A2は、2回以上の調整工程S4の間、減少してもよい。
図22に示す例において、第1押圧力P_A2は、第4調整工程S4(4)~第9調整工程S4(9)の間、減少している。第1押圧力P_A2が減少する期間は、第1押圧力P_A1が減少する期間よりも後に生じてもよい。
【0212】
図22に示すように、第1押圧力P_A2は、最後の調整工程S4の前に、すなわち第10調整工程S4(10)の前にゼロになってもよい。
図22に示す例においては、第9調整工程S4(9)において第1押圧力P_A2がゼロになる。第1押圧力P_A2は、第1押圧力P_A1がゼロになった後にゼロになってもよい。
符号P(11)_A2は、解放工程S6のときの第1押圧力P_A2を意味する。第1押圧力P(11)_A2はゼロである。
【0213】
図23は、第1調整工程S4(1)~第10調整工程S4(10)において第1中央押圧装置62C1が第1辺41に加える第1押圧力P_C1の推移の一例を示す図である。
図23に示すように、第1押圧力P_C1は、2回以上の調整工程S4の間、減少してもよい。
図23に示す例において、第1押圧力P_C1は、第6調整工程S4(6)~第10調整工程S4(10)の間、減少している。第1押圧力P_C1が減少する期間は、第1グループ62Aの押圧装置の第1押圧力が減少する期間よりも後に生じてもよい。
【0214】
図23に示すように、第1押圧力P_C1は、最後の調整工程S4のときに、すなわち第N調整工程S4(N)のときに、ゼロよりも大きくてもよい。
符号P(11)_C1は、解放工程S6のときの第1押圧力P_C1を意味する。第1押圧力P(11)_C1はゼロである。
【0215】
第1押圧力P_C1は、第U調整工程S4(U)(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の時に最大値を示してもよい。これにより、中央測定グループ61Cにおける変形量と目標変形量との差を抑制できる。
図23に示す例において、第1押圧力P_C1は、第6調整工程S4(6)の時に最大値を示す。第U調整工程S4(U)において、第1中央押圧装置62C1は第1押圧力P(U)_C1を第1辺41に加える。
式U≧N/2が成立していてもよい。すなわち、後半の調整工程S4において第1押圧力P_C1が最大値を示してもよい。
【0216】
第1押圧力P(1)_C1に対する第1押圧力P(U)_C1の比率は、例えば、1.05以上でもよく、1.10以上でもよく、1.15以上でもよい。第1押圧力P(1)_C1に対する第1押圧力P(U)_C1の比率は、例えば、1.20以下でもよく、1.30以下でもよく、1.50以下でもよい。第1押圧力P(1)_C1は、第1調整工程S4(1)において第1中央押圧装置62C1が第1辺41に加える第1押圧力である。
【0217】
第1押圧力P(1)_C1に対する第1押圧力P(U)_C1の比率の範囲は、1.05、1.10及び1.15からなる第1グループ、及び/又は、1.20、1.30及び1.50からなる第2グループによって定められてもよい。第1押圧力P(1)_C1に対する第1押圧力P(U)_C1の比率の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第1押圧力P(1)_C1に対する第1押圧力P(U)_C1の比率の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第1押圧力P(1)_C1に対する第1押圧力P(U)_C1の比率の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、第1押圧力P(1)_C1に対する第1押圧力P(U)_C1の比率は、1.05以上1.50以下でもよく、1.05以上1.30以下でもよく、1.05以上1.20以下でもよく、1.05以上1.15以下でもよく、1.05以上1.10以下でもよく、1.10以上1.50以下でもよく、1.10以上1.30以下でもよく、1.10以上1.20以下でもよく、1.10以上1.15以下でもよく、1.15以上1.50以下でもよく、1.15以上1.30以下でもよく、1.15以上1.20以下でもよく、1.20以上1.50以下でもよく、1.20以上1.30以下でもよく、1.30以上1.50以下でもよい。
【0218】
図21に示す第1押圧力P_A1の推移は、第21押圧装置62B1においても実現されてもよい。
図22に示す第1押圧力P_A2の推移は、第22押圧装置62B2においても実現されてもよい。
図23に示す第1押圧力P_C1の推移は、第2中央押圧装置62C2においても実現されてもよい。
【0219】
上述のように、製造装置60の押圧機構62は、第2方向D2に沿って500mm以下の間隔を空けて並び、第1辺41を押圧する5つ以上の押圧装置を備える。このため、第1辺41の各位置における第1辺41の変形量を精密に調整できる。これにより、フレーム40が大型化した場合であっても、第1辺41が各マスク50に加える張力が目標張力からずれることを抑制できる。
【0220】
上述のように、製造装置60の変位測定機構61は、第2方向において押圧装置から100mm以下の位置において第1辺41の変形量を測定する5つ以上の変位計を備える。このため、第1辺41の各位置における変形量を精密に調整できる。これにより、フレーム40が大型化した場合であっても、第1辺41が各マスク50に加える張力が目標張力からずれることを抑制できる。
【0221】
マスク装置15からマスク50を取り外す分解方法が実施されてもよい。分解方法は、第1辺41及び第2辺42に押圧力を加えながらマスク50をフレーム40から取り外してもよい。これにより、フレーム40の変形を維持しながらマスク50をフレーム40から取り外すことができる。また、マスク装置15の製造方法においてフレーム40に加えられた第1押圧力を推測できる。分解方法は、上述の製造装置60の変位測定機構61、押圧機構62及び制御装置63を用いて実施されてもよい。マスク装置15の分解方法において押圧機構62が第1辺41及び第2辺42に加える押圧力を、第2押圧力とも称する。
【0222】
図24は、分解方法の一例を示すフローチャートである。まず、マスク装置15を準備する(工程RS1)。マスク装置15は、図示しないステージの上に置かれてもよい。続いて、フレーム40の基準位置を定める(工程RS2)。具体的には、変位測定機構61を用いてフレーム40の第1辺41及び第2辺42の最終変形量を測定する。第1辺41及び第2辺42の最終変形量は、角46を結ぶ直線L11及び直線L12を基準として算出される。
【0223】
続いて、N枚のマスク50をフレーム40から順に取り外すマスク取外し工程RS3を実施する。m枚目(mは1以上N以下の整数)のマスク50をフレーム40から取り外す工程のことを、第mマスク取外し工程RS3(m)とも称する。マスク取外し工程RS3は、第1マスク取外し工程RS3(1)~第Nマスク取外し工程RS3(N)というN回の工程を含む。
【0224】
マスク取外し工程RS3は、
図24に示すように、除去工程RS4及び逆調整工程RS5をN回繰り返す。第mマスク取外し工程RS3(k)における除去工程及び逆調整工程のことを、第m除去工程RS4(m)及び第m逆調整工程RS5(m)とも称する。
【0225】
除去工程RS4は、マスク50をフレーム40から外す。例えば、マスク50が切断される。これにより、第1辺41及び第2辺42がマスク50から受ける反力がほぼゼロになる。
【0226】
逆調整工程RS5は、除去工程RS5の後、開口45に向かう方向において押圧機構62が第1辺41及び第2辺42に加える第2押圧力を調整する。具体的には、逆調整工程RS5は、各マスク50が第1辺41及び第2辺42から外された後の第1辺41及び第2辺42の変形量が最終変形量になるよう、第2押圧力を調整する。
【0227】
以下の説明において、第m逆調整工程RS5(m)において第1辺41に加えられる第2押圧力を、符号RP(m)で表すこともある。また、第m逆調整工程RS5(m)において第11押圧装置62A1、第12押圧装置62A2、第21押圧装置62B1、第22押圧装置62B2、第1中央押圧装置62C1、第2中央押圧装置62C2が第1辺41に加える第2押圧力を、符号RP(m)_A1、RP(m)_A2、RP(m)_B1、RP(m)_B2、RP(m)_C1、RP(m)_C2で表すこともある。
【0228】
第m逆調整工程RS5(m)において第1グループ62Aの押圧装置が第1辺41に加える第2押圧力の平均値を、符号RP(m)_Aで表すこともある。第m逆調整工程RS5(m)において第2グループ62Bの押圧装置が第1辺41に加える第2押圧力の平均値を、符号RP(m)_Bで表すこともある。第m逆調整工程RS5(m)において中央グループ62Cの押圧装置が第1辺41に加える第2押圧力の平均値を、符号RP(m)_Cで表すこともある。
【0229】
図25は、除去工程RS4及び逆調整工程RS5の一例を示すフローチャートである。第m除去工程RS4(m)は、切断工程RS41(m)を含んでもよい。切断工程RS41(m)は、m枚目のマスク50を切断する。
【0230】
逆調整工程RS5は、押圧工程RS51(m)と、判定工程RS52(m)と、記録工程RS53(m)と、を含んでもよい。押圧工程RS51(m)は、切断工程RS41(m)の後、フレーム40への第2押圧力RP(m)を調整する。判定工程RS52(m)は、ΔRd(m)が第3閾値TH3以下であるか否かを判定する。ΔRd(m)は、押圧工程RS51(m)のときの第1辺41の変形量Rd(m)と最終変形量との差の絶対値である。上述の判定工程S42(k)の場合と同様に、判定工程RS52(m)は、第1中央変位計61C1が測定した変形量に関してΔRd(m)が第3閾値TH3以下であるか否かを判定してもよい。判定工程RS52(m)は、複数の変形量の測定値に関してΔRd(m)が第3閾値TH3以下であるか否かを判定してもよい。上述の判定工程S42(k)の場合と同様に、判定工程RS52(m)は、変位測定機構61の各変位計における変形量の測定値のそれぞれに関してΔRd(m)が第3閾値TH3以下であるか否かを判定してもよい。第3閾値TH3の数値の範囲としては、上述の第1閾値TH1の数値の範囲を採用できる。
【0231】
記録工程RS53(m)は、ΔRd(m)が第3閾値TH3以下であるときの第2押圧力RP(m)を記録する。
【0232】
図24に示すように、マスク取外し工程RS3の後、解放工程RS6を実施してもよい。解放工程RS6は、フレーム40への第2押圧力をゼロにする。例えば、押圧機構62の各押圧装置のロッド621をフレーム40から離す。
【0233】
【0234】
図20に示すように、フレーム40にN枚のマスク50が固定されている状態において、変位測定機構61を用いて第1辺41及び第2辺42の最終変形量を測定する。続いて、N枚のマスク50をフレーム40から取り外すマスク取外し工程RS3を実施する。本実施の形態においては、第2方向D2におけるフレーム40の中心から近い順にマスク50をフレーム40から取り外す例を説明する。具体的には、中央第1マスク50C1、中央第2マスク50C2、第14マスク50A4、第24マスク50B4、第13マスク50A3、第23マスク50B3、第12マスク50A2、第22マスク50B2、第11マスク50A1、第21マスク50B1がこの順で第1辺41及び第2辺42から取り外される。
【0235】
1枚目のマスク50をフレーム40から取り外す第1マスク取付工程RS3(1)を実施する。1枚目のマスク50は、中央第1マスク50C1である。第1マスク取外し工程RS3(1)は、第1除去工程RS4(1)及び第1逆調整工程RS5(1)を含む。
【0236】
図26は、第1除去工程RS4(1)及び第1逆調整工程RS5(1)を示す図である。第1除去工程RS4(1)は、切断工程RS41(1)を含む。切断工程RS41(1)は、
図26に示すように、中央第1マスク50C1を切断する。中央第1マスク50C1の端部51がフレーム40に残ってもよい。
【0237】
第1逆調整工程RS5(1)は、押圧工程RS51(1)、判定工程RS52(1)及び記録工程RS53(1)を含む。
【0238】
押圧工程RS51(1)は、
図26に示すように、中央第1マスク50C1が除去された後、第1辺41及び第2辺42を押圧する。制御装置63は、第1辺41及び第2辺42の変形量が最終変形量になるよう、押圧機構62を制御する。
【0239】
判定工程RS52(1)は、ΔRd(1)が第3閾値TH3以下であるか否かを判定する。ΔRd(1)が第3閾値TH3を超えている場合、押圧工程RS51(1)が再び実施される。ΔRd(1)が第3閾値TH3以下である場合、記録工程RS53(1)に進む。記録工程RS53(1)は、押圧機構62の押圧装置が第1辺41及び第2辺42に加えている第2押圧力を第2押圧力RP(1)として記録する。
【0240】
続いて、
図27に示すように、2枚目のマスク50をフレーム40から取り外す第2マスク取外し工程RS3(2)を実施する。2枚目のマスク50は、中央第2マスク50C2である。第2マスク取外し工程RS3(2)は、第2除去工程RS4(2)及び第2逆調整工程RS5(2)を含む。このようにして、中央マスクグループ50Cの各マスク50がフレーム40から取り外される。
【0241】
続いて、
図28に示すように、第3マスク取外し工程RS3(3)~第8マスク取外し工程RS3(8)を順に実施する。第3マスク取外し工程RS3(3)~第8マスク取外し工程RS3(8)は、第3除去工程RS4(3)~第8除去工程RS4(8)及び第3配置逆調整工程RS5(3)~第8逆調整工程RS5(8)を含む。
【0242】
続いて、
図29に示すように、第9マスク取外し工程RS3(9)~第10マスク取外し工程RS3(10)を順に実施する。第9マスク取外し工程RS3(9)~第10マスク取外し工程RS3(10)は、第9除去工程RS4(9)~第10除去工程RS4(10)及び第9逆調整工程RS5(9)~第10逆調整工程RS5(10)を含む。
【0243】
続いて、解放工程RS6を実施する。例えば、押圧機構62の各押圧装置のロッド621をフレーム40から離す。
【0244】
図30は、第1逆調整工程RS5(1)~第10逆調整工程RS5(10)において第11押圧装置62A1が第1辺41に加える第2押圧力RP_A1の推移の一例を示す図である。
図30に示すように、第2押圧力RP_A1は、2回以上の逆調整工程RS5の間、増加してもよい。
図30に示す例において、第2押圧力RP_A1は、第4逆調整工程RS5(4)~第9調整工程RS5(9)の間、増加している。
【0245】
図30に示すように、第2押圧力RP_A1は、2回目以降の逆調整工程RS5からゼロよりも大きくなってもよい。
図30に示す例においては、第5調整工程RS5(5)において第2押圧力RP_A1がゼロよりも大きくなる。
【0246】
図31は、第1逆調整工程RS5(1)~第10逆調整工程RS5(10)において第12押圧装置62A2が第1辺41に加える第2押圧力RP_A2の推移の一例を示す図である。
図31に示すように、第2押圧力RP_A2は、2回以上の逆調整工程RS5の間、増加してもよい。
図31に示す例において、第2押圧力RP_A2は、第2逆調整工程RS5(2)~第7逆調整工程RS5(7)の間、増加している。
【0247】
図31に示すように、第2押圧力RP_A2は、2回目以降の逆調整工程RS5からゼロよりも大きくなってもよい。
図31に示す例においては、第3調整工程RS5(3)において第2押圧力RP_A2がゼロよりも大きくなる。第2押圧力RP_A2は、第2押圧力RP_A1がゼロよりも大きくなる前に、ゼロよりも大きくなってもよい。
【0248】
図32は、第1逆調整工程RS5(1)~第10逆調整工程RS5(10)において第1中央押圧装置62C1が第1辺41に加える第2押圧力RP_C1の推移の一例を示す図である。
図32に示すように、第2押圧力RP_C1は、2回以上の逆調整工程RS5の間、増加してもよい。
図32に示す例において、第2押圧力RP_C1は、第1逆調整工程RS5(1)~第5逆調整工程RS5(5)の間、増加している。第2押圧力RP_C1が増加する期間は、第1グループ62Aの押圧装置の第2押圧力が増加する期間よりも前に生じてもよい。
【0249】
図32に示すように、第2押圧力RP_C1は、第1逆調整工程RS5(1)のときにゼロよりも大きくてもよい。
【0250】
第2押圧力RP_C1は、第Q逆調整工程RS5(Q)(Qは1よりも大きくNよりも小さい整数)の時に最大値を示してもよい。
図32に示す例において、第2押圧力RP_C1は、第5逆調整工程RS5(5)の時に最大値を示す。
式Q≦N/2が成立していてもよい。すなわち、前半の逆調整工程RS5において第2押圧力RP_C1が最大値を示してもよい。
【0251】
最後の逆調整工程RS5のときに、すなわち第N逆調整工程RS5(N)のときに、第1中央押圧装置62C1は、第2押圧力RP(N)_C1を第1辺41に加える。
【0252】
第2押圧力RP(N)_C1に対する第2押圧力RP(Q)_C1の比率は、例えば、1.05以上でもよく、1.10以上でもよく、1.15以上でもよい。第2押圧力RP(N)_C1に対する第2押圧力RP(Q)_C1の比率は、例えば、1.20以下でもよく、1.30以下でもよく、1.50以下でもよい。第2押圧力RP(Q)_C1は、第Q逆調整工程RS5(Q)において第1中央押圧装置62C1が第1辺41に加える第2押圧力である。
【0253】
第2押圧力RP(N)_C1に対する第2押圧力RP(Q)_C1の比率の範囲は、1.05、1.10及び1.15からなる第1グループ、及び/又は、1.20、1.30及び1.50からなる第2グループによって定められてもよい。第2押圧力RP(N)_C1に対する第2押圧力RP(Q)_C1の比率は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第2押圧力RP(N)_C1に対する第2押圧力RP(Q)_C1の比率は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第2押圧力RP(N)_C1に対する第2押圧力RP(Q)_C1の比率は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、第2押圧力RP(N)_C1に対する第2押圧力RP(Q)_C1の比率は、1.05以上1.50以下でもよく、1.05以上1.30以下でもよく、1.05以上1.20以下でもよく、1.05以上1.15以下でもよく、1.05以上1.10以下でもよく、1.10以上1.50以下でもよく、1.10以上1.30以下でもよく、1.10以上1.20以下でもよく、1.10以上1.15以下でもよく、1.15以上1.50以下でもよく、1.15以上1.30以下でもよく、1.15以上1.20以下でもよく、1.20以上1.50以下でもよく、1.20以上1.30以下でもよく、1.30以上1.50以下でもよい。
【0254】
図30に示す第2押圧力RP_A1の推移は、第21押圧装置62B1においても実現されてもよい。
図31に示す第2押圧力RP_A2の推移は、第22押圧装置62B2においても実現されてもよい。
図32に示す第2押圧力RP_C1の推移は、第2中央押圧装置62C2においても実現されてもよい。
【0255】
制御装置63は、第N逆調整工程RS5(N)において押圧機構62の各押圧装置が第1辺41に加える第2押圧力の差が所定の範囲内になるよう、押圧機構62を制御してもよい。例えば、第3比率RA3及び第4比率RA4が所定の値以下になるよう、制御装置63が押圧機構62を制御してもよい。第3比率RA3は、第N逆調整工程RS5(N)における、中央グループ62Cの平均第2押圧力RP(N)_Cに対する第1グループ62Aの平均第2押圧力RP(N)_Aの比率である。第4比率RA4は、第N逆調整工程RS5(N)における、中央グループ62Cの平均第2押圧力RP(N)_Cに対する第2グループ62Bの平均第2押圧力RP(N)_Bの比率である。平均第2押圧力RP(N)_Aは、第N逆調整工程RS5(N)において第1グループ62Aの押圧装置が第1辺41に加える第2押圧力の平均値である。平均第2押圧力RP(N)_Bは、第N逆調整工程RS5(N)において第2グループ62Bの押圧装置が第1辺41に加える第2押圧力の平均値である。平均第2押圧力RP(N)_Cは、第N逆調整工程RS5(N)において中央グループ62Cの押圧装置が第1辺41に加える第2押圧力の平均値である。
【0256】
第3比率RA3及び第4比率RA4は、例えば、0.6以上でもよく、0.7以上でもよく、0.8以上でもよく、0.9以上でもよい。第3比率RA3及び第4比率RA4は、例えば、1.1以下でもよく、1.2以下でもよく、1.3以下でもよく、1.4以下でもよい。第3比率RA3及び第4比率RA4の範囲は、0.6、0.7、0.8及び0.9からなる第1グループ、及び/又は、1.1、1.2、1.3及び1.4からなる第2グループによって定められてもよい。第3比率RA3及び第4比率RA4の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第3比率RA3及び第4比率RA4の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第3比率RA3及び第4比率RA4の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、第3比率RA3及び第4比率RA4は、0.6以上1.4以下でもよく、0.6以上1.3以下でもよく、0.6以上1.2以下でもよく、0.6以上1.1以下でもよく、0.6以上0.9以下でもよく、0.6以上0.8以下でもよく、0.6以上0.7以下でもよく、0.7以上1.4以下でもよく、0.7以上1.3以下でもよく、0.7以上1.2以下でもよく、0.7以上1.1以下でもよく、0.7以上0.9以下でもよく、0.7以上0.8以下でもよく、0.8以上1.4以下でもよく、0.8以上1.3以下でもよく、0.8以上1.2以下でもよく、0.8以上1.1以下でもよく、0.8以上0.9以下でもよく、0.9以上1.4以下でもよく、0.9以上1.3以下でもよく、0.9以上1.2以下でもよく、0.9以上1.1以下でもよく、1.1以上1.4以下でもよく、1.1以上1.3以下でもよく、1.1以上1.2以下でもよく、1.2以上1.4以下でもよく、1.2以上1.3以下でもよく、1.3以上1.4以下でもよい。
【0257】
上述した一実施形態を様々に変更できる。以下、必要に応じて図面を参照しながら、その他の実施形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した一実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の一実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いる。重複する説明は省略する。また、上述した一実施形態において得られる作用効果がその他の実施形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略する場合もある。
【0258】
図33は、第2の実施の形態に係るマスク装置15を示す平面図である。マスク装置15は、第2方向に沿って並ぶN枚のマスク50を備える。Nは奇数である。
図33示すマスク装置15は、9枚のマスク50を備える。
【0259】
中央マスクグループ50Cは、1枚のマスク50を含む。具体的には、中央マスクグループ50Cは、第11マスク50A1を含む。第11マスク50A1は、第2中心線Lc2に重なっていてもよい。
【0260】
第1マスクグループ50Aは、1枚以上のマスク50を含む。第1マスクグループ50Aは、2枚以上のマスク50を含んでもよい。
図33に示す第1マスクグループ50Aは、第3辺43から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第11マスク50A1、第12マスク50A2、第13マスク50A3及び第14マスク50A4を含む。
【0261】
第2マスクグループ50Bは、1枚以上のマスク50を含む。第2マスクグループ50Bは、2枚以上のマスク50を含んでもよい。第2マスクグループ50Bに含まれるマスク50の数は、第1マスクグループ50Aに含まれるマスク50の数と同一であってもよい。
図33に示す第2マスクグループ50Bは、第4辺44から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第21マスク50B1、第22マスク50B2、第23マスク50B3及び第24マスク50B4を含む。
【0262】
図34は、第2の実施の形態に係る製造装置60を示す平面図である。
【0263】
第1辺41を押圧する押圧機構62は、中央グループ62C、第1グループ62A及び第2グループ62Bを含む。中央グループ62Cは、1つの押圧装置を含んでもよい。具体的には、中央グループ62Cは、第1中央押圧装置62C1を含む。第1中央押圧装置62C1は、第2中心線Lc2に重なっていてもよい。
【0264】
第1グループ62Aは、2つ以上の押圧装置を含む。本実施の形態において、第1グループ62Aは、第3辺43から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第11押圧装置62A1及び第12押圧装置62A2を含む。
【0265】
第2グループ62Bは、2つ以上の押圧装置を含む。第2グループ62Bに含まれる押圧装置の数は、第1グループ62Aに含まれる押圧装置の数と同一であってもよい。本実施の形態において、第2グループ62Bは、第4辺44から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第21押圧装置62B1及び第22押圧装置62B2を含む。
【0266】
第1辺41の変形量を測定する変位測定機構61は、中央測定グループ61C、第1測定グループ61A及び第2測定グループ61Bを含む。中央測定グループ61Cは、1つの変位計を含んでもよい。具体的には、中央測定グループ61Cは、第1中央変位計61C1を含んでもよい。第1中央変位計61C1は、第1中央押圧装置62C1の近くに位置する。変位測定機構61は、第1補助変位計61D及び第2補助変位計61Eを含んでもよい。
【0267】
第1測定グループ61Aは、2つ以上の変位計を含む。本実施の形態において、第1測定グループ61Aは、第3辺43から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第11変位計61A1及び第12変位計61A2を含む。第11変位計61A1は、第11押圧装置62A1の近くに位置する。第12変位計61A2は、第12押圧装置62A2の近くに位置する。
【0268】
第2測定グループ61Bは、2つ以上の変位計を含む。本実施の形態において、第2測定グループ61Bは、第4辺44から第2中心線Lc2に向かう方向に順に並ぶ第21変位計61B1及び第22変位計61B2を含む。第21変位計61B1は、第21押圧装置62B1の近くに位置する。第22変位計61B2は、第22押圧装置62B2の近くに位置する。
【0269】
押圧機構62の押圧装置は、上述の実施の形態の場合と同様に、第2方向D2に沿って500mm以下の間隔を空けて並んでいる。このため、第1辺41の各位置における第1辺41の変形量を精密に調整できる。これにより、フレーム40が大型化した場合であっても、第1辺41が各マスク50に加える張力が目標張力からずれることを抑制できる。
【0270】
変位測定機構61の変位計は、上述の実施の形態の場合と同様に、第2方向において押圧装置から100mm以下の位置において第1辺41の変形量を測定する。このため、第1辺41の各位置における変形量を精密に調整できる。これにより、フレーム40が大型化した場合であっても、第1辺41が各マスク50に加える張力が目標張力からずれることを抑制できる。
【0271】
図35は、第3の実施の形態に係る製造装置60を示す平面図である。変位測定機構61の変位計は、フレーム40に接触することなく第1辺41及び第2辺42の変形量を測定してもよい。変位計のタイプは、光学式、渦電流式、超音波式、レーザーフォーカス式、静電容量式などである。
レーザーフォーカス式の変位計は、フレーム40に向けてレーザーを照射し、フレームによって反射されたレーザーを検出する。
静電容量式の変位計は、変位計とフレーム40との間の静電容量を測定し、静電容量に基づいて変位計とフレーム40との間の距離を算出する。
【0272】
図36は、第4の実施の形態に係る製造装置60を示す平面図である。変位測定機構61は、移動機構66によって支持されていてもよい。この場合、変位測定機構61は、フレーム40に接触することなく第1辺41及び第2辺42の変形量を測定する。移動機構66は、第1方向D1、第2方向D2などに沿って変位測定機構61を移動させる。例えば、移動機構66は、第1方向D1に沿って変位測定機構61を移動させる第1移動装置67を含んでもよい。移動機構66は、第2方向D2に沿って第1移動装置67を移動させる第2移動装置を含んでもよい。複数の位置において変位測定機構61がフレーム40を観察することにより、第1辺41及び第2辺42の変形量を測定できる。
【0273】
上述の実施の形態においては、第2方向D2におけるフレーム40の中心から遠い順にマスク50を第1辺41及び第2辺42に取り付ける例を説明した。第5の実施の形態においては、第2方向D2におけるフレーム40の中心から近い順にマスク50を第1辺41及び第2辺42に取り付ける例を説明する。すなわち、本実施の形態においては、中央マスクグループ50Cのマスク50が、第1マスクグループ50Aのマスク50及び第2マスクグループ50Bのマスク50よりも先に第1辺41及び第2辺42に取り付けられる。第2方向D2におけるフレーム40の中心からの距離が同一である場合、第3辺43と第2中心線Lc2との間に位置するマスク50が、第4辺44と第2中心線Lc2との間に位置するマスク50よりも先に第1辺41及び第2辺42に取り付けられる。従って、中央第1マスク50C1、中央第2マスク50C2、第14マスク50A4、第24マスク50B4、第13マスク50A3、第23マスク50B3、第12マスク50A2、第22マスク50B2、第11マスク50A1、第21マスク50B1がこの順で第1辺41及び第2辺42に取り付けられる。
【0274】
まず、1枚目のマスク50をフレーム40に取り付ける第1マスク取付工程S3(1)を実施する。1枚目のマスク50は、中央第1マスク50C1である。第1マスク取付工程S3(1)は、第1調整工程S4(1)及び第1配置工程S5(1)を含む。
【0275】
第1調整工程S4(1)は、上述の第1の実施の形態と同様に、押圧工程S41(1)及び判定工程S42(1)を含む。第1配置工程S5(1)は、上述の第1の実施の形態と同様に、位置調整工程S51(1)、判定工程S52(1)、及び固定工程S53(1)を含む。
【0276】
位置調整工程S51(1)は、
図40に示すように、中央第1マスク50C1に張力を加えた状態で中央第1マスク50C1の位置を調整する。判定工程S52(1)は、観察装置73を用いて中央第1マスク50C1の位置を観察する。判定工程S52(1)は、中央第1マスク50C1のマスク誤差が第2閾値TH2以下であるか否かを判定する。マスク誤差が第2閾値TH2を超えている場合、位置調整工程S51(1)が再び実施される。マスク誤差が第2閾値TH2以下である場合、固定工程S53(1)に進む。
図41は、固定工程S53(1)を示す図である。
【0277】
続いて、
図42に示すように、2枚目のマスク50をフレーム40に取り付ける第2マスク取付工程S3(2)を実施する。2枚目のマスク50は、中央第2マスク50C2である。第2マスク取付工程S3(2)は、第2調整工程S4(2)及び第2配置工程S5(2)を含む。
【0278】
続いて、
図43に示すように、第3マスク取付工程S3(3)~第8マスク取付工程S3(8)を順に実施する。これにより、第14マスク50A4、第24マスク50B4、第13マスク50A3、第23マスク50B3、第12マスク50A2及び第22マスク50B2がこの順でフレーム40に取り付けられる。第3マスク取付工程S3(3)~第8マスク取付工程S3(8)は、第3調整工程S4(3)~第8調整工程S4(8)及び第3配置工程S5(3)~第8配置工程S5(8)を含む。
【0279】
続いて、
図44に示すように、第9マスク取付工程S3(9)~第10マスク取付工程S3(10)を順に実施する。これにより、第11マスク50A1及び第21マスク50B1がこの順でフレーム40に取り付けられる。第9マスク取付工程S3(9)~第10マスク取付工程S3(10)は、第9調整工程S4(9)~第10調整工程S4(10)及び第9配置工程S5(9)~第10配置工程S5(10)を含む。
【0280】
続いて、解放工程S6を実施する。例えば、押圧機構62の各押圧装置のロッド621をフレーム40から離す。続いて、最終確認工程S7を実施する。最終確認工程S7は、第1辺41及び第2辺42の最終変形量と目標変形量との差が上述の第1閾値TH1以下であるか否かを判定する。差が第1閾値TH1以下である場合、マスク装置15を合格品として認定する。
【0281】
図45は、第1調整工程S4(1)~第10調整工程S4(10)において第21押圧装置62B1が第1辺41に加える第1押圧力P_B1の推移の一例を示す図である。第21押圧装置62B1は、第2グループ62Bに属する押圧装置のうち、第4辺44に最も近い押圧装置である。
図45に示すように、第1押圧力P_B1は、2回以上の調整工程S4の間、減少してもよい。
図45に示す例において、第1押圧力P_B1は、第8調整工程S4(8)~第10調整工程S4(10)の間、減少している。第1押圧力P_B1が減少する期間は、中央グループ62Cの押圧装置の第1押圧力が減少する期間よりも後に生じてもよい。
【0282】
図45に示すように、第1押圧力P_B1は、最後の調整工程S4のときに、すなわち第N調整工程S4(N)のときに、ゼロよりも大きくてもよい。
図45に示す例において、最後の調整工程S4は、第10調整工程S4(10)である。
符号P(11)_B1は、解放工程S6のときの第1押圧力P_B1を意味する。第1押圧力P(11)_B1はゼロである。
【0283】
第1押圧力P_B1は、第U調整工程S4(U)(Uは1よりも大きくNよりも小さい整数)の時に最大値を示してもよい。これにより、第2測定グループ61Bにおける変形量と目標変形量との差を抑制できる。
図45に示す例において、第1押圧力P_B1は、第8調整工程S4(8)の時に最大値を示す。第U調整工程S4(U)において、第21押圧装置62B1は第1押圧力P(U)_B1を第1辺41に加える。
式U≧N/2が成立していてもよい。すなわち、後半の調整工程S4において第1押圧力P_B1が最大値を示してもよい。
【0284】
第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率は、例えば、1.05以上でもよく、1.10以上でもよく、1.15以上でもよい。第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率は、例えば、1.20以下でもよく、1.30以下でもよく、1.50以下でもよい。第1押圧力P(1)_B1は、第1調整工程S4(1)において第21押圧装置62B1が第1辺41に加える第1押圧力である。
【0285】
第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率の範囲は、1.05、1.10及び1.15からなる第1グループ、及び/又は、1.20、1.30及び1.50からなる第2グループによって定められてもよい。第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率は、1.05以上1.50以下でもよく、1.05以上1.30以下でもよく、1.05以上1.20以下でもよく、1.05以上1.15以下でもよく、1.05以上1.10以下でもよく、1.10以上1.50以下でもよく、1.10以上1.30以下でもよく、1.10以上1.20以下でもよく、1.10以上1.15以下でもよく、1.15以上1.50以下でもよく、1.15以上1.30以下でもよく、1.15以上1.20以下でもよく、1.20以上1.50以下でもよく、1.20以上1.30以下でもよく、1.30以上1.50以下でもよい。
【0286】
図46は、第1調整工程S4(1)~第10調整工程S4(10)において第22押圧装置62B2が第1辺41に加える第1押圧力P_B2の推移の一例を示す図である。
図46に示すように、第1押圧力P_B2は、2回以上の調整工程S4の間、減少してもよい。
図46に示す例において、第1押圧力P_B2は、第6調整工程S4(6)~第8調整工程S4(8)の間、減少している。第1押圧力P_B2が減少する期間は、中央グループ62Cの押圧装置の第1押圧力が減少する期間よりも後に生じてもよい。第1押圧力P_B2が減少する期間は、第1押圧力P_B1が減少する期間よりも先に生じてもよい。
【0287】
図46に示すように、第1押圧力P_B2は、最後の調整工程S4の前に、すなわち第10調整工程S4(10)の前にゼロになってもよい。
図46に示す例においては、第9調整工程S4(9)において第1押圧力P_B2がゼロになる。第1押圧力P_B2は、第1押圧力P_B1がゼロになる前にゼロになってもよい。
符号P(11)_B2は、解放工程S6のときの第1押圧力P_B2を意味する。第1押圧力P(11)_B2はゼロである。
【0288】
第1押圧力P_B2は、第1調整工程S4(1)以外の時に最大値を示してもよい。これにより、第2測定グループ61Bにおける変形量と目標変形量との差を抑制できる。
図46に示す例において、第1押圧力P_B2は、第2調整工程S4(2)の時に最大値を示す。第2調整工程S4(2)において、第22押圧装置62B2は第1押圧力P(2)_B2を第1辺41に加える。図示はしないが、第1押圧力P_B2は、第3調整工程S4(3)又は第4調整工程S4(4)の時に最大値を示してもよい。
【0289】
第1押圧力P(1)_B2に対する、第1押圧力P_B2の最大値の比率の範囲としては、上述の「第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率」の数値の範囲を採用できる。
【0290】
図47は、第1調整工程S4(1)~第10調整工程S4(10)において第2中央押圧装置62C2が第1辺41に加える第1押圧力P_C2の推移の一例を示す図である。
図47に示すように、第1押圧力P_C2は、2回以上の調整工程S4の間、減少してもよい。
図47に示す例において、第1押圧力P_C2は、第1調整工程S4(1)~第7調整工程S4(7)の間、減少している。このように、第1押圧力P_C2は、第1調整工程S4(1)を起点として単調に減少してもよい。
【0291】
図47に示すように、第1押圧力P_C2は、最後の調整工程S4の前に、すなわち第10調整工程S4(10)の前にゼロになってもよい。
図47に示す例においては、第7調整工程S4(7)において第1押圧力P_C2がゼロになる。
符号P(11)_C2は、解放工程S6のときの第1押圧力P_C2を意味する。第1押圧力P(11)_C2はゼロである。
【0292】
図45に示す第1押圧力P_B1の推移は、第11押圧装置62A1においても実現されてもよい。
図46に示す第1押圧力P_B2の推移は、第12押圧装置62A2においても実現されてもよい。
図47に示す第1押圧力P_C2の推移は、第1中央押圧装置62C1においても実現されてもよい。
【0293】
制御装置63は、第1調整工程S4(1)において押圧機構62の各押圧装置が第1辺41に加える第1押圧力の差が所定の範囲内になるよう、押圧機構62を制御してもよい。例えば、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、第1比率RA1及び第2比率RA2が所定の値以下になるよう、制御装置63が押圧機構62を制御してもよい。
【0294】
マスク装置15からマスク50を取り外す分解方法が実施されてもよい。
図44及び
図48~
図49を参照して、マスク装置15の分解方法を具体的に説明する。
【0295】
図44に示すように、フレーム40にN枚のマスク50が固定されている状態において、変位測定機構61を用いて第1辺41及び第2辺42の最終変形量を測定する。続いて、N枚のマスク50をフレーム40から取り外すマスク取外し工程RS3を実施する。本実施の形態においては、第2方向D2におけるフレーム40の中心から遠い順にマスク50をフレーム40から取り外す例を説明する。すなわち、本実施の形態においては、第1マスクグループ50Aのマスク50及び第2マスクグループ50Bのマスク50が、中央マスクグループ50Cのマスク50よりも先にフレーム40から取り外される。第2方向D2におけるフレーム40の中心からの距離が同一である場合、第4辺44と第2中心線Lc2との間に位置するマスク50が、第3辺43と第2中心線Lc2との間に位置するマスク50よりも先にフレーム40から取り外される。従って、第21マスク50B1、第11マスク50A1、第22マスク50B2、第12マスク50A2、第23マスク50B3、第13マスク50A3、第24マスク50B4、第14マスク50A4、中央第2マスク50C2、中央第1マスク50C1がこの順でフレーム40から取り外される。
【0296】
1枚目のマスク50をフレーム40から取り外す第1マスク取付工程RS3(1)を実施する。1枚目のマスク50は、第21マスク50B1である。第1マスク取外し工程RS3(1)は、上述の実施の形態と同様に、第1除去工程RS4(1)及び第1逆調整工程RS5(1)を含む。
【0297】
図48は、第1除去工程RS4(1)及び第1逆調整工程RS5(1)を示す図である。第1除去工程RS4(1)は、切断工程RS41(1)を含む。切断工程RS41(1)は、
図48に示すように、第21マスク50B1を切断する。第21マスク50B1の端部51がフレーム40に残ってもよい。
【0298】
第1逆調整工程RS5(1)は、押圧工程RS51(1)、判定工程RS52(1)及び記録工程RS53(1)を含む。
【0299】
押圧工程RS51(1)は、
図48に示すように、第21マスク50B1が除去された後、第1辺41及び第2辺42を押圧する。制御装置63は、第1辺41及び第2辺42の変形量が最終変形量になるよう、押圧機構62を制御する。
【0300】
判定工程RS52(1)は、ΔRd(1)が第3閾値TH3以下であるか否かを判定する。ΔRd(1)が第3閾値TH3を超えている場合、押圧工程RS51(1)が再び実施される。ΔRd(1)が第3閾値TH3以下である場合、記録工程RS53(1)に進む。記録工程RS53(1)は、押圧機構62の押圧装置が第1辺41及び第2辺42に加えている第2押圧力を第2押圧力RP(1)として記録する。
【0301】
続いて、
図49に示すように、2枚目のマスク50をフレーム40から取り外す第2マスク取外し工程RS3(2)を実施する。2枚目のマスク50は、第11マスク50A1である。第2マスク取外し工程RS3(2)は、第2除去工程RS4(2)及び第2逆調整工程RS5(2)を含む。
【0302】
続いて、第3マスク取外し工程RS3(3)~第10マスク取外し工程RS3(10)を順に実施する。第3マスク取外し工程RS3(3)~第10マスク取外し工程RS3(10)は、第3除去工程RS4(3)~第10除去工程RS4(10)及び第3配置逆調整工程RS5(3)~第10逆調整工程RS5(10)を含む。
【0303】
続いて、解放工程RS6を実施する。例えば、押圧機構62の各押圧装置のロッド621をフレーム40から離す。
【0304】
図50は、第1逆調整工程RS5(1)~第10逆調整工程RS5(10)において第21押圧装置62B1が第1辺41に加える第2押圧力RP_B1の推移の一例を示す図である。第21押圧装置62B1は、第2グループ62Bに属する押圧装置のうち、第4辺44に最も近い押圧装置である。
図50に示すように、第2押圧力RP_B1は、2回以上の逆調整工程RS5の間、増加してもよい。
図50に示す例において、第2押圧力RP_B1は、第1逆調整工程RS5(1)~第3逆調整工程RS5(3)の間、増加している。第1押圧力P_B1が増加する期間は、中央グループ62Cの押圧装置の第1押圧力が増加する期間よりも先に生じてもよい。
【0305】
図50に示すように、第2押圧力RP_B1は、第1逆調整工程RS5(1)のときにゼロよりも大きくてもよい。
【0306】
第2押圧力RP_B1は、第Q逆調整工程RS5(Q)(Qは1よりも大きくNよりも小さい整数)の時に最大値を示してもよい。
図50に示す例において、第2押圧力RP_B1は、第3逆調整工程RS5(3)の時に最大値を示す。
式Q≦N/2が成立していてもよい。すなわち、前半の逆調整工程RS5において第2押圧力RP_B1が最大値を示してもよい。
【0307】
最後の逆調整工程RS5のときに、すなわち第N逆調整工程RS5(N)のときに、第21押圧装置62B1は、第2押圧力RP(N)_B1を第1辺41に加える。
【0308】
第2押圧力RP(N)_B1に対する第2押圧力RP(Q)_B1の比率は、例えば、1.05以上でもよく、1.10以上でもよく、1.15以上でもよい。第2押圧力RP(N)_B1に対する第2押圧力RP(Q)_B1の比率は、例えば、1.20以下でもよく、1.30以下でもよく、1.50以下でもよい。第2押圧力RP(Q)_B1は、第Q逆調整工程RS5(Q)において第21押圧装置62B1が第1辺41に加える第2押圧力である。第2押圧力RP(N)_B1に対する第2押圧力RP(Q)_B1の比率の数値の範囲としては、上述の「第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率」の数値の範囲を採用できる。
【0309】
図51は、第1逆調整工程RS5(1)~第10逆調整工程RS5(10)において第22押圧装置62B2が第1辺41に加える第2押圧力RP_B2の推移の一例を示す図である。
図51に示すように、第2押圧力RP_B2は、2回以上の逆調整工程RS5の間、増加してもよい。
図51に示す例において、第2押圧力RP_B2は、第2逆調整工程RS5(2)~第7逆調整工程RS5(5)の間、増加している。
【0310】
図51に示すように、第2押圧力RP_B2は、2回目以降の逆調整工程RS5からゼロよりも大きくなってもよい。
図51に示す例においては、第2調整工程RS5(2)において第2押圧力RP_B2がゼロよりも大きくなる。第2押圧力RP_B2は、第2押圧力RP_B1がゼロよりも大きくなった後に、ゼロよりも大きくなってもよい。第2押圧力RP_B2は、後述する第2押圧力RP_C2がゼロよりも大きくなる前に、ゼロよりも大きくなってもよい
【0311】
第2押圧力RP_B2は、第N逆調整工程RS5(N)以外の時に最大値を示してもよい。
図51に示す例において、第2押圧力RP_B2は、第9逆調整工程RS5(9)の時に最大値を示す。すなわち、第2押圧力RP_B2は、第(N-1)逆調整工程RS5(N-1)の時に最大値を示す。第9逆調整工程RS5(9)において、第22押圧装置62B2は第2押圧力P(9)_B2を第1辺41に加える。図示はしないが、第2押圧力P_B2は、第(N-2)逆調整工程RS5(N-2)又は第(N-3)逆調整工程RS5(N-3)の時に最大値を示してもよい。
【0312】
第2押圧力P(N)_B2に対する、第2押圧力P_B2の最大値の比率の範囲としては、上述の「第1押圧力P(1)_B1に対する第1押圧力P(U)_B1の比率」の数値の範囲を採用できる。
【0313】
図52は、第1逆調整工程RS5(1)~第10逆調整工程RS5(10)において第2中央押圧装置62C2が第1辺41に加える第2押圧力RP_C2の推移の一例を示す図である。
図52に示すように、第2押圧力RP_C2は、2回以上の逆調整工程RS5の間、増加してもよい。
図52に示す例において、第2押圧力RP_C2は、第6逆調整工程RS5(6)~第10調整工程RS5(10)の間、増加している。
【0314】
図50に示す第2押圧力RP_B1の推移は、第11押圧装置62A1においても実現されてもよい。
図51に示す第2押圧力RP_B2の推移は、第12押圧装置62A2においても実現されてもよい。
図52に示す第2押圧力RP_C2の推移は、第1中央押圧装置62C1においても実現されてもよい。
【0315】
制御装置63は、第N逆調整工程RS5(N)において押圧機構62の各押圧装置が第1辺41に加える第2押圧力の差が所定の範囲内になるよう、押圧機構62を制御してもよい。例えば、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、第3比率RA3及び第4比率RA4が所定の値以下になるよう、制御装置63が押圧機構62を制御してもよい。
【実施例0316】
次に、本開示の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本開示の実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0317】
(例1)
製造装置60を用いてマスク装置15を製造した。マスク装置15及び製造装置60の主要な構成は下記のとおりである。
・フレーム40の寸法G11:1493.2mm
・フレーム40の寸法G21:2491.9mm
・マスク50の枚数N:9
・第1辺41を押圧する押圧装置の数:5
・第2方向D2において隣り合う2つの押圧装置の間の間隔:415mm
・第1辺41を測定する変位計の数:7
・変位計のタイプ:キーエンス製接触式デジタルセンサ GT2-A12K
・第2方向D2において隣り合う2つの変位計の間の間隔:415mm
【0318】
例1においては、第1の実施の形態の場合と同様に、第2方向D2におけるフレーム40の中心から遠い順にマスク50をフレーム40に取り付けた。
図37は、第1調整工程S4(1)~第9調整工程S4(9)において押圧機構62の各押圧装置が第1辺41に加えた第1押圧力の推移を示す図である。k=1は、第1調整工程S4(1)を意味する。k=9は、第9調整工程S4(9)を意味する。P_A1は、第11押圧装置62A1が第1辺41に加えた第1押圧力である。P_A2は、第12押圧装置62A2が第1辺41に加えた第1押圧力である。P_B1は、第21押圧装置62B1が第1辺41に加えた第1押圧力である。P_B2は、第22押圧装置62B2が第1辺41に加えた第1押圧力である。P_C1は、第1中央押圧装置62C1が第1辺41に加えた第1押圧力である。
【0319】
図37に示すように、第1中央押圧装置62C1の第1押圧力P_C1は、第6調整工程S4(6)の時に最大値を示した。第1調整工程S4(1)の第1押圧力P_C1に対する第6調整工程S4(6)の第1押圧力P_C1の比率は、1.17であった。
【0320】
第k固定工程(k)の後に第1中央変位計61C1を用いて第1辺41の変形量d(k)を測定した。変形量d(k)と目標変形量との差の絶対値を
図39に示す。
【0321】
(例2)
製造装置60を用いてマスク装置15を製造した。マスク装置15及び製造装置60の主要な構成は下記のとおりである。
・フレーム40の寸法G11:1493.2mm
・フレーム40の寸法G21:2491.9mm
・マスク50の枚数N:9
・第1辺41を押圧する押圧装置の数:3
・第2方向D2において隣り合う2つの押圧装置の間の間隔:695mm
・第1辺41を測定する変位計の数:5
・変位計のタイプ:キーエンス製接触式デジタルセンサ GT2-A12K
・第2方向D2において隣り合う2つの変位計の間の間隔:695mm
【0322】
例2においても、第2方向D2におけるフレーム40の中心から遠い順にマスク50をフレーム40に取り付けた。
図38は、第1調整工程S4(1)~第9調整工程S4(9)において押圧機構62の各押圧装置が第1辺41に加えた第1押圧力の推移を示す図である。P_A1は、第11押圧装置62A1が第1辺41に加えた第1押圧力である。P_B1は、第21押圧装置62B1が第1辺41に加えた第1押圧力である。P_C1は、第1中央押圧装置62C1が第1辺41に加えた第1押圧力である。
【0323】
第k固定工程(k)の後に第1中央変位計61C1を用いて第1辺41の変形量d(k)を測定した。変形量d(k)と目標変形量との差の絶対値を
図39に示す。
【0324】
(例3)
製造装置60を用いてマスク装置15を製造した。マスク装置15及び製造装置60の主要な構成は下記のとおりである。
・フレーム40の寸法G11:1105mm
・フレーム40の寸法G21:1701mm
・マスク50の枚数N:6
・第1辺41を押圧する押圧装置の数:3
・第2方向D2において隣り合う2つの押圧装置の間の間隔:475mm
・第1辺41を測定する変位計の数:5
・変位計のタイプ:キーエンス製接触式デジタルセンサ GT2-A12K
・第2方向D2において隣り合う2つの変位計の間の間隔:475mm
【0325】
例3においても、第2方向D2におけるフレーム40の中心から遠い順にマスク50をフレーム40に取り付けた。第k固定工程(k)の後に第1中央変位計61C1を用いて第1辺41の変形量d(k)を測定した。変形量d(k)と目標変形量との差の絶対値を
図39に示す。
【0326】
(例4)
製造装置60を用いてマスク装置15を製造した。マスク装置15及び製造装置60の主要な構成は下記のとおりである。
・フレーム40の寸法G11:1493.2mm
・フレーム40の寸法G21:2491.9mm
・マスク50の枚数N:8
・第1辺41を押圧する押圧装置の数:5
・第2方向D2において隣り合う2つの押圧装置の間の間隔:415mm
・第1辺41を測定する変位計の数:7
・変位計のタイプ:キーエンス製接触式デジタルセンサ GT2-A12K
・第2方向D2において隣り合う2つの変位計の間の間隔:415mm
【0327】
例4においても、例1の場合と同様に、第2方向D2におけるフレーム40の中心から遠い順にマスク50をフレーム40に取り付けた。
図53は、第1調整工程S4(1)~第8調整工程S4(8)において押圧機構62の各押圧装置が第1辺41に加えた第1押圧力の推移を示す図である。
【0328】
図53に示すように、第1中央押圧装置62C1の第1押圧力P_C1は、第6調整工程S4(6)の時に最大値を示した。第1調整工程S4(1)の第1押圧力P_C1に対する第6調整工程S4(6)の第1押圧力P_C1の比率は、1.17であった。
【0329】
第k固定工程(k)の後に第1中央変位計61C1を用いて第1辺41の変形量d(k)を測定した。変形量d(k)と目標変形量との差の絶対値を
図55に示す。
【0330】
(例5)
製造装置60を用いてマスク装置15を製造した。マスク装置15及び製造装置60の主要な構成は、例4の場合と同一である。
【0331】
例5においては、第5の実施の形態の場合と同様に、第2方向D2におけるフレーム40の中心から近い順にマスク50をフレーム40に取り付けた。
図54は、第1調整工程S4(1)~第8調整工程S4(8)において押圧機構62の各押圧装置が第1辺41に加えた第1押圧力の推移を示す図である。
【0332】
図54に示すように、第21押圧装置62B1の第1押圧力P_B1は、第6調整工程S4(6)の時に最大値を示した。第1調整工程S4(1)の第1押圧力P_B1に対する第6調整工程S4(6)の第1押圧力P_B1の比率は、1.23であった。
【0333】
第k固定工程(k)の後に第1中央変位計61C1を用いて第1辺41の変形量d(k)を測定した。変形量d(k)と目標変形量との差の絶対値を
図55に示す。