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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022192024
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】湿式塗布装置及び塗布装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 1/02 20060101AFI20221221BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B05C1/02 101
B05C11/10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091727
(22)【出願日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】63/211,135
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】111102127
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517224908
【氏名又は名称】盟立自動化股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100187160
【弁理士】
【氏名又は名称】副田 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】呂峻杰
(72)【発明者】
【氏名】楊筱▲ブン▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡季剛
【テーマコード(参考)】
4F040
4F042
【Fターム(参考)】
4F040AA02
4F040AB01
4F040AC01
4F040AC08
4F040BA02
4F040CA01
4F040CA02
4F040CA05
4F040CA14
4F040DA12
4F042AA02
4F042AB00
4F042BA12
4F042CA01
4F042CB03
4F042CB08
4F042CB11
4F042CB19
(57)【要約】
【課題】塗布材料を途切れることなく注入する湿式塗布装置及び塗布装置を提供する。
【解決手段】塗布装置は、ハウジングと、少なくとも1つの塗布ヘッドとから構成される。前記ハウジングの内部には、複数の収納空間が形成され、前記ハウジングには、複数の前記収納空間にそれぞれ連通する複数の貫通孔が形成される。前記塗布ヘッドの少なくとも1つは、前記ハウジングの前記複数の収納空間に挿入され、前記塗布ヘッドの少なくとも1つは、前記ハウジングから突出している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布装置および供給装置を含む湿式塗布装置であって、
前記塗布装置は、
内部に複数の収納空間と、複数の前記収納空間にそれぞれ連通する複数の貫通孔とが形成されるハウジングと、
前記ハウジングの複数の前記収納空間に挿入され、前記ハウジングからそれぞれが突出している、少なくとも1つの塗布ヘッドと、
を含み、
前記供給装置は、前記ハウジングの前記複数の貫通孔に接続され、前記複数の貫通孔から前記複数の塗布ヘッドに塗布材を同期的に注入する、
ことを特徴とする、湿式塗布装置。
【請求項2】
前記ハウジングはお互いに接続された2つのプレート体であり、かつ、前記プレート体のそれぞれに複数の収容溝が形成することによって、いずれか一方の前記プレート体における複数の前記収容溝が、他方の前記プレート体における複数の前記収容に対応的に接することで、前記収納空間を一緒に形成させ、2つの前記プレート体における少なくとも一方に複数の前記貫通孔が形成される、請求項1に記載の湿式塗布装置。
【請求項3】
前記塗布ヘッドはそれぞれ対応的に1つの前記収納空間に挿入される、請求項1に記載の湿式塗布装置。
【請求項4】
各前記塗布ヘッドは、圧縮弾性を有する多孔質構造であり、前記ハウジングに着脱可能に挿入される、請求項1に記載の湿式塗布装置。
【請求項5】
前記湿式塗装装置が、複数の前記塗布ヘッドが連続的に前記塗布材を出力するように塗装動作を行う場合、各前記塗布ヘッドの塗布材の含有量を維持する、請求項1に記載の湿式塗布装置。
【請求項6】
前記供給装置は、切り替え手段、貯蔵手段、および供給手段を含む供給装置であって、
前記切り替え手段は、
フィーディング口、分配口、および前記複数の貫通孔にそれぞれせts図億されたタッピング口を含む複数の分配管と、
それぞれが複数の前記分配管に連通され、連通された前記分配管をフィーディング状態とタッピング状態との間で調整させる複数の連動部材と、
前記複数の連動部材に連結され、複数の前記フィーディング口が全て前記インフィード状態または前記アウトフィード状態のいずれかになるように複数の前記連動部材を同期して移動するように駆動させる同期部材と、
を含み、
前記分配管のいずれかが前記フィーディング状態にあるとき、前記分配口は前記フィーディング口にのみ連通され、前記分配管のいずれかが前記タッピング状態にあるとき、前記分配口は前記タッピング口にのみ連通され、
前記貯蔵手段は、前記複数の分配管における前記フィーディング口に接続され、塗布材を貯蔵するために用いられ、
前記供給手段は、複数の前記分配管における前記調整口と接続され、
複数の前記フィーディング口が全て前記フィーディング状態にあるとき、前記供給機構は、前記貯蔵機構から複数の前記分配管を介して前記塗布料を受け取るようになり、一方、複数の前記タッピング口が全て前記タッピング状態にあるとき、前記供給機構は、前記塗布装置に前記供給機構の中の前記塗布料を同期して出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の湿式塗布装置。
【請求項7】
各前記連動部材は、さらに歯車として定義され、前記同期部材は、複数の前記連動部材に係合するラックアンドピニオンとして定義され、前記同期部材は、複数の前記連動部材の回転を同期させるように複数の前記連動部材に対して移動可能である、請求項6に記載の湿式塗布装置。
【請求項8】
各前記分配管は、三方弁と、前記三方弁に回転可能に取り付けられた切り替え部材とを備え、各前記連動部材は、前記分配管の前記切り替え部材に連結されることによって、前記連動部材同士は、前記分配管が前記フィーディング状態および前記タッピング状態のいずれかになるように同期回転可能である、請求項7に記載の湿式塗布装置。
【請求項9】
前記切り替え手段は、前記同期部材に連通された駆動シリンダを備え、前記駆動シリンダは、前記同期部材が複数の前記連動部材を駆動して同期して移動できるように前記同期部材を押すために用いられる、請求項6に記載の湿式塗布装置。
【請求項10】
前記送り出し機構は、
それぞれがパイプ体と、前記パイプ体に沿って移動可能に前記パイプ体に挿入されたプッシュロッドとを有する複数のプランジャーであって、前記複数のプランジャーにおける前記パイプ体が、前記貯蔵機構から前記塗布料を受け取るために複数の前記分配口の前記タッピング口に連通されている、複数のプランジャーと、
複数の前記プランジャーの前記プッシュロッドに接続され、前記塗布料を同期的に出力するために、複数の前記プランジャーにおける前記プッシュロッドを同期して移動させる駆動部と、
を含む、請求項6に記載の湿式塗布装置。
【請求項11】
各前記プランジャーは、前記収納手段の上方に位置する排気弁口をさらに備え、各前記プランジャーにおいて、前記プッシュロッドは中空で、前記パイプ体および前記排気弁口に連通され、前記排気弁口が開位置にあるとき、前記プランジャーに存在する気泡は前記排気弁口を通して排出することができ、前記排気弁口が閉位置にあるとき、前記プッシュロッドは、前記塗布料を出力するように、前記パイプ体に対して移動可能である、請求項6に記載の湿式塗布装置。
【請求項12】
内部に複数の収納空間と、複数の前記収納空間にそれぞれ連通する複数の貫通孔とが形成されるハウジングと、
前記ハウジングの複数の前記収納空間に挿入され、前記ハウジングからそれぞれが突出している、少なくとも1つの塗布ヘッドと、を含む、ことを特徴とする、塗布装置。
【請求項13】
前記ハウジングに設けられた複数の前記収納空間は、互いに独立し、かつ、互いに接続されていない、請求項11に記載の塗布装置。
【請求項14】
前記ハウジングはお互いに接続された2つのプレート体であり、かつ、前記プレート体のそれぞれに複数の収容溝が形成することによって、いずれか一方の前記プレート体における複数の前記収容溝が、他方の前記プレート体における複数の前記収容に対応的に接することで、前記収納空間を一緒に形成させ、2つの前記プレート体における少なくとも一方に複数の前記貫通孔が形成される、請求項13に記載の塗布装置。
【請求項15】
各前記塗布ヘッドは、圧縮弾性を有する多孔質構造であり、前記ハウジングに着脱可能に挿入される、請求項12に記載の塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置に関し、特に、湿式塗布装置及び塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の塗装設備は、乾式塗装と湿式塗装が含まれている。乾式塗装の方法は、スパッタリング(sputtering)、物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)からなる。また、湿式塗装の方法には、スリットコーティング(slit coating)やスプレーコーティング(spray)が挙げられる。しかし、既存のこれらの塗装デバイスの限界や欠点によって、塗装方法をさらに改良することは困難である。
【0003】
そこで、本発明者は、上記不具合を改善することができると考え、科学的な原理を研究・応用して、合理的な設計で、上記不具合を改善する効果のある発明を考え出したのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、既存の塗布装置で発生しうる不具合を効果的に改善することができる湿式塗布装置及び塗布装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のこの実施形態は、塗布装置及び供給装置を備えた湿式塗装装置を開示しており、前記塗布装置では、内部に複数の独立した収納空間が形成されると共に、複数の前記収納空間にそれぞれ連通する複数の貫通孔が形成されたハウジングと、前記ハウジングの複数の前記収納空間に挿入されて前記ハウジングから突出する複数の塗布ヘッドと、を含む。前記供給装置は、前記ハウジングの前記複数の貫通孔に接続され、前記複数の貫通孔から前記複数の塗布ヘッドに塗布材を同時注入するのに使用される。
【0006】
また、本実施形態に開示された塗布装置では、内部に複数の収納空間を有するハウジングと、前記ハウジングが複数の前記収納空間にそれぞれ連通する複数の貫通孔と、前記ハウジングの複数の前記収納空間に挿入され、前記ハウジングから突出する少なくとも1つの前記塗布ヘッドとを備える。
【発明の効果】
【0007】
以上をまとめると、本発明の本実施形態に開示された湿式塗布装置および塗布装置は、前記塗布ヘッドに前記塗布材料を途切れることなく注入することにより、前記塗布装置は精密塗布を実現するだけでなく、粘度範囲が広い前記塗布材料を使用することができる。そして、粘度範囲の広い前記塗布材を使用することにより、前記塗布装置(または前記湿式塗布装置)の適用範囲を大幅に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の湿式塗布デバイスの概略平面図である。
図2図1の塗布装置の一部を分解した概略図である。
図3図1の塗布装置の平面図(プレート体を1枚省略した)である。
図4図1の切り替え手段を立体的に示した説明図である。
図5図4におけるいずれかの分配管のフィーディング状態を示す分解斜視図である。
図6図4におけるいずれかの分配管のタッピング状態を示す分解図である。
図7】本発明の本実施形態の供給装置の部分立体模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0010】
下記より、本願による「湿式塗布装置及び塗布装置」にかかる具体的な実施例で本発明が開示する実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
【0011】
本明細書を通じて、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語が様々なコンポーネントや信号を説明するために使用されることがあるが、これらのコンポーネントや信号は、これらの用語によって制限されるべきではないことは理解されたい。これらの用語は、主にあるコンポーネントと別のコンポーネント、またはある信号と別の信号を区別するために使用される。さらに、本明細書で使用される用語「または」は、関連する列挙された項目のいずれか1つまたは組み合わせを適宜含むことができる。
【0012】
本発明の実施形態を示す図1図7を参照する。図1に示すように、本実施形態では、塗布装置1と、当該塗布装置1に連通される材料供給装置2とを備え、前記塗布装置1が前記材料供給装置2に着脱可能に装着される湿式塗布デバイス100を開示する。特に強調すべきは、本実施形態では、前記湿式塗布デバイス100が乾式塗布装置と異なる点である。
【0013】
なお、本実施形態では、前記湿式塗布デバイス100は、前記塗布装置1と前記供給装置2とを組み合わせて使用したものを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではないことに留意されたい。例えば、本明細書に図示しない他の実施形態において、前記コーティング装置1は、単独で(例えば、販売されている)、または本実施形態で説明したものとは異なる他の供給装置と共に使用されてもよく、代替的に、前記供給装置2は、単独で(例えば、販売されている)、または他の装置と共に使用されてもよい。以下、前記塗布装置1および前記供給装置2の具体的な構成について説明し、その後、両者の連通について順次説明する。
【0014】
図1図3に示すように、前記塗布装置1は、ハウジング11と、前記ハウジング11に装着される複数のコーティングヘッド12とを備え、前記ハウジング11は、内部に互いに独立した複数の収納空間112が形成され、前記ハウジング11の複数の前記収納空間112は、互いに独立し、かつ、互いに連通されないことが好ましい。
【0015】
より詳細には、本実施形態における前記ハウジング11は、2枚のプレート本体111が互いに接合されて構成されており、各前記プレート本体111は、平坦であることが好ましい。本実施形態では、いずれかの前記プレート本体111の複数の前記収容溝1111が他の前記プレート本体111の複数の前記収容溝1111にそれぞれ連通されるように、各前記プレート本体111には複数の収容溝1111が形成されており、これにより、複数の前記収納空間112が共に形成されている。前記収納空間112は、前記スロット1111のうちの任意の2つによって形成され、これらが一緒になって前記収納空間112のうちの1つを形成している。
【0016】
さらに、前記ハウジング11には、複数の前記収納空間112にそれぞれ連通する複数の貫通孔1112が形成されており、前記収納空間112のそれぞれは、前記貫通孔1112の少なくとも1つに連通していればよいが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、複数の前記貫通孔1112は、2つの前記板状体111の少なくとも一方に形成され、複数の前記貫通孔1112は、面一の位置にある(例えば、複数の前記貫通孔1112は、対応する前記板状体111の一方の縁から等間隔にある)ことが望ましい。
【0017】
さらに、各前記コーティングヘッド12は、前記ハウジング11に着脱可能に挿入されるとともに、前記ハウジング11から部分的に突出し、複数の前記コーティングヘッド12の前記部分的に面一の部分は、シート(図示せず)への塗布作業を容易にするために、互いに面一であることが好ましい。ここで、各前記収納空間112に1つの前記コーティングヘッド12を設け、各前記コーティングヘッド12が途切れることなく塗布材料M(例えば、接着剤)を受け取りまたは収納できるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
より詳細には、本実施形態では、複数の前記コーティングヘッド12は、2つの前記プレート本体111の間に挟持されており、複数の前記コーティングヘッド12は、実質的に同じ構造を有することが好ましい。前記コーティングヘッド12の各々は、対応する前記貫通孔1112によって前記塗布材Mを得ることができる。
【0019】
なお、前記塗布材Mは、広い粘度範囲(例えば10cps~100cps)をカバーできるように、前記コーティングヘッド12を介して貯蔵・搬送されるので、前記コーティング装置1(または前記湿式コーティング装置100)の適用範囲の拡張がさらに容易になる。
【0020】
さらに、各前記コーティングヘッド12は、前記塗布動作時に、前記塗布材料Mを蓄積でき、さらにそこに蓄積された前記塗布材料Mを前記シートに転写できるように、圧縮弾性を有する多孔質構造体であることを特徴とする。なお、前記塗布材Mの転写の際、前記コーティングヘッド12は、前記シートに対して接触または非接触で前記塗布材Mを転写してもよく、本発明はこれに限定されない。
【0021】
なお、本実施形態では、前記塗布装置1は、実質的に同一構造の複数の前記コーティングヘッド12を備え、前記ハウジング11に着脱可能に挿入されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本明細書に図示しない他の実施形態において、前記毛細管コーティング装置1は、少なくとも1つの前記コーティングヘッド12を含んでいてもよく(すなわち、少なくとも1つの前記コーティングヘッド12が前記ハウジング11の複数の前記収納空間112に挿入される)、代わりに、複数の前記コーティングヘッド12のうち少なくとも1つが前記ハウジング11に取り外し可能に固定されていなくてもよい。
【0022】
以上のように、本実施形態の塗布装置1は、前記コーティングヘッド12に前記塗布材Mを連続的に噴射することにより、精密塗布を実現できるだけでなく、粘度範囲の広い前記塗布材Mを使用できるので、前記塗布装置1の適用範囲を大幅に拡張することができる。
【0023】
さらに、前記湿式塗布装置100が、複数の前記コーティングヘッド12が前記塗布材料Mを連続的に送出するように前記塗装動作を行う場合、前記供給装置2を用いて前記各コーティングヘッド12の材料含有量を維持することにより、本実施形態の塗布装置1が、前記供給装置2との組み合わせによってより長時間で安定した塗装を実現することが可能となる。
【0024】
本実施形態では、前記供給装置2は、切り替え手段21と、前記塗布材Mを貯留する貯留機構22(例えば貯留ドラム)と、供給本実施形態では、前記供給装置2は、切り替え手段21と、前記塗布材Mを収納する収納機構22(例えば収納ドラム)と、供給機構23とを備え、前記塗布装置1、前記収納機構22及び前記供給機構23は、前記切り替え手段21に(搬送管を介して)連通可能又は連通することが可能である。
【0025】
まず、図1図2図4に示すように、本実施形態では、前記供給装置2は、前記塗布装置1、前記収納機構22、前記供給機構23と組み合わせて前記切り替え手段21を使用したものを例示したが、本発明はこれに限定されないことに留意する必要がある。例えば、本明細書に図示しない他の実施形態では、切り替え手段21は、単独で(例えば販売用)、又は他の装置と組み合わせて使用することができる。以下では、まず、当該供給装置2の各機構の具体的な構造について説明し、その後、それらの間の連通について順次説明する。
【0026】
前記切り替え手段21は、本実施形態では、複数の分配線211と、前記複数の分配線211に連通された複数の連動部材212と、前記複数の連動部材212に連通された同期部材213と、前記同期部材213に連通された駆動筒214とを備えているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本明細書に図示しない他の実施形態において、前記駆動シリンダ214は、他の駆動手段に置き換えてもよい。
【0027】
前記各分配口211は、フィーディング口2113、タッピングポート2114及びタッピング口2115を有し、いずれの前記分配口211の具体的構成も設計要件に応じて調整可能であり、本発明はここに限定されるものではない。本実施形態では、多数の前記分配口211が実質的に同じ構成を有していてもよく、各前記分配口211は、ティーパイプ2111と、前記ティーパイプ2111に回転可能に取り付けられた交換片2112とから構成されている。
【0028】
各前記分配口211において、前記ティー2111には、前記フィーディング口2113、前記タッピングポート2114、及び前記タッピング口2115が形成されており、前記切り替え部材2112は、回転により前記ティー2111の前記タッピングポート2114を前記フィーディング口2113及び前記タッピング口2115の一方に選択的に連通させ得る。さらに、前記切り替え部材2112を回転させて、前記ティー2111の前記タッピング口2114を前記フィーディング口2113にのみ連通し、前記分配管211がフィーディング状態となるようにしてもよいし、前記切り替え部材2112を回転させて、前記ティー2111の前記タッピング口2114を前記タッピング口2115にのみ連通し、前記分配管211がフィーディング状態となるようにしてもよい。にすることで、前記タッピング口211がタッピング状態になるようにする。
【0029】
前記連動部材212の各々は、前記ディスペンシング口211を前記フィーディング状態(例えば図5)と前記タッピング状態(例えば図6)との間で調整できるようにするために用いることができる。ここで、各前記連動部材212は、本実施形態では、対応する前記分配管211の前記切り替え部材2112に連通され、対応する前記分配管211が前記フィーディング状態および前記タッピング状態のいずれかになるように同期して回転可能である。
【0030】
さらに、図1図2図4図7に示すように、前記同期部材213は、複数の前記分配管211が前記インフィード状態および前記アウトフィード状態のいずれかになるように、複数の前記連動部材212を同期して移動するよう駆動することができる。本実施形態では、前記駆動シリンダ214を用いて、前記同期部材213が複数の前記連動部材212を同期して駆動できるようにすることができる。なお、本実施形態において、前記駆動シリンダ214は、油圧シリンダであっても、空気圧シリンダであってもよく、本発明はここに限定されるものではない。
【0031】
より詳細には、各前記連動部材212は、さらに歯車として定義され、前記同期部材213は、複数の前記連動部材212に係合するバーとして定義され、前記同期部材213は、複数の前記連動部材212の回転を同期させるように複数の前記連動部材212に対して相対移動可能であることを特徴とする。従って、本実施形態では、複数の前記タッピング口211、複数の前記連動部材212及び前記同期部材213を機構によって連携させ、正確に同期した送り効果を実現しているが(例えば、複数の前記タッピング口211を前記排出状態で同期させることができる)、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本明細書に図示しない他の実施形態においても、送りの同期をあまり必要としない場合には、湿式塗布装置100の切り替え手段21を電子部品(例えば電磁弁)で実施するように変更することができる。
【0032】
以上が前記切り替え手段21の構造の説明であり、以下では、前記切り替え手段21と他の構成要素との連通について説明する。具体的には、前記切り替え手段21は、前記タッピング口211の複数の前記タッピング口2115によって前記塗布装置1の複数の前記貫通孔1112に連通され、前記切り替え手段21は、前記タッピング口211の複数の前記流入口2113によって前記収納機構22に連通され、前記切り替え手段21は、前記タッピング口211の複数の前記タッピング口2114によって前記供給機構23に連通されている。前記分配管211の2114は、前記供給機構23に連通されている。
【0033】
さらに、図1および図5に示すように、複数の前記分配管211が前記フィーディング状態にあるとき、前記供給機構23は、複数の前記分配管211を介して前記収納機構22から前記塗布料Mを受け取り、さらに、図1および図6に示すように、複数の前記分配管211が前記タッピング状態にあるとき、前記供給機構23は、以下のように使用されることができる。前記塗布装置1への前記塗布材Mの出力(又は、複数の前記塗布口211の前記タッピング口2115への出力)を同期させる。
【0034】
従って、前記切り替え手段21は、塗布工程の異なるポイントでスイッチとして使用することができ、例えば、前記湿式塗布デバイス100が前記塗布動作を行っているときは、前記切り替え手段21が前記供給機構23から前記塗布装置1へ前記塗布材Mを流すように切り替え、前記供給機構23内の塗布材Mがなくなって補充が必要なときは、前記切り替え手段21が前記塗布機構23内の前記塗布材Mを流すように切り替えを行い、前記供給機構23内の前記塗布材を補充する。前記貯留機構22内の前記塗布材Mがなくなって補充する必要がある場合、前記切り替え手段21は前記貯留機構22内の前記塗布材Mを前記供給機構23に流すことができ、前記供給機構23は前記貯留機構22に対する構造設計により前記塗布材Mから気泡を除去できるようになっている。
【0035】
さらに、前記供給機構23は、以下の機構により実施することが好ましく、これにより、前記切り替え手段21への材料の出力量が効果的に制御されるが、本発明はこれに限定されるものではない。より詳細には、前記送り機構23は、本実施形態では、複数のプランジャー231と、複数の前記プランジャー231に連通された駆動部232(例えば、モータ)とから構成されている。なお、複数の前記プランジャー231は、実質的に同じ構成であってもよく、前記タッピング口2114の数と同数であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
各前記プランジャー231は、チューブ2311と、前記チューブ2311に挿入されたプッシュロッド2312と、前記収納機構22よりも高い位置に設けられた排気弁口2313とを備え、各前記プッシュロッド2312は前記チューブ2311に沿って互いに逆方向に移動可能である。前記プランジャー231の各々において、前記プッシュロッド2312は中空であり、前記チューブ2311及び前記排出バルブ2313に連通されており、前記排出バルブ2313が開位置にあるとき(図1及び図5に示すように、これに対応して前記分配口211が前記フィーディング状態にあることが好ましい)、前記プランジャー231に存在する気泡は前記排出バルブを通して排出され得る前記排気口2313が閉位置にあるとき(図1及び図6に示すように、前記対応するタッピング口211が好ましくは前記タッピング状態にあるとき)、前記プッシュロッド2312を前記チューブ2311に対して移動させて前記プランジャー231内の前記塗布料Mをタッピングさせることができる。
【0037】
さらに、前記プランジャー231の前記チューブ2311は、前記塗布口211の前記塗布口2114に連通され(例えば、各前記チューブ2311の底部が1つの前記塗布口2114に連通され)、前記収納機構22から前記塗布材Mを受け取るようになっている。前記プランジャー231の2312、前記駆動部232は、前記プランジャー231の前記プッシュロッド2312を駆動して同期的に移動させ、その中で前記コーティングMの出力を同期させることが可能であることを特徴とする。
【実施形態による有益の効果】
【0038】
以上、本発明の本実施形態に開示された湿式塗布デバイス及び塗布装置は、前記コーティングヘッドに前記塗布材料を連続的に噴射することにより、前記塗布装置が精密塗布を実現するだけでなく、粘度範囲の広い前記塗布材料を使用できるため、前記塗布装置(又は前記湿式塗布デバイス)の適用範囲を著しく拡大することができる。
【0039】
また、本発明の本実施形態で開示する供給装置及びその切り替え手段は、複数の前記タッピング口、複数の前記連動部材、及び複数の前記同期部材が互いに連動する機構により、供給が正確に同期する(例えば、前記タッピング状態において複数の前記タッピング口を同期できる)効果を奏するものである。ここで、前記切り替え手段は、例えば、前記供給機構から複数の前記タッピング口への前記塗布料の流れを許容するように切り替える、または、前記貯蔵機構内の前記塗布料を前記供給機構に流すように切り替えるなど、異なる時点で前記塗布料の流れを切り替えるために使用することができる。
【0040】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0041】
100: ウェットコーティング装置
1: 塗布装置
11: ハウジング
111: プレート本体
1111:収容溝
1112:貫通孔
112: 収納空間
12: コーティングヘッド
2:供給装置
21:切り替え手段
211:分配管
2111:三方弁
2112: 切り替え部材
2113:フィーディング口
2114:分配口
2115:タッピング口
212:連動部材
213:同期部材
214: 駆動筒
22: 貯蔵手段
23: 供給手段
231: プランジャー
2311:パイプ体
2312: プッシュロッド
2313: 排気弁
232: 駆動部
M: 塗布材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7