(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022192028
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイスおよびパワー電気回路基板接続部
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20221221BHJP
【FI】
H01R12/71
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022094883
(22)【出願日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】10 2021 115 583.5
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】カール マルク・アンドレアス ベルガー
(72)【発明者】
【氏名】アイケ リュリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ディルク デュンケル
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン ライヒェル
(72)【発明者】
【氏名】ユーリ フィオニック
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AB54
5E223AB62
5E223AC05
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB12
5E223BB17
5E223CB15
5E223CB25
5E223CB27
5E223CB38
5E223CB63
5E223CD01
5E223CD15
5E223DB01
5E223DB08
5E223DB13
5E223EA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クリアランス距離および沿面距離、場合により振動について、厳格な要求事項を満たすことができる電気的な回路基板プラグコンタクトデバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、電気回路基板コンタクト手段100と、それとは別に形成された電気的なプラグコンタクト手段200とを備えた、電気エンティティの電気回路基板用の電気的な回路基板プラグコンタクトデバイス10に関する。回路基板プラグコンタクトデバイス10において、プラグコンタクト手段200は、回路基板コンタクト手段100に対して横方向にオフセットして配置され、回路基板コンタクト手段100とプラグコンタクト手段200との間に導電性接続部が設けられる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エンティティ(0)の電気回路基板(1)用の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)であって、
前記電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)は、
- 電気回路基板コンタクト手段(100)と、
- 前記電気回路基板コンタクト手段(100)とは別に形成された電気的なプラグコンタクト手段(200)と、を備えており、
前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)において、前記プラグコンタクト手段(200)は、前記回路基板コンタクト手段(100)に対して横方向にオフセットして配置され、前記回路基板コンタクト手段(100)と前記プラグコンタクト手段(200)との間に導電性接続部(12)が設けられることを特徴とする、
電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項2】
・前記回路基板コンタクト手段(100)の主要な電気的および機械的な機能部分(110、120、130)は、前記回路基板コンタクト手段(100)の長手方向(Lr100)に延びること、
・前記プラグコンタクト手段(200)の主要な電気的および機械的な機能部分(220、230、240)は、前記プラグコンタクト手段(200)の長手方向(Lr200)に延びること、および/または
・前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)の前記機能部分(110、120、130;220、230、240)の前記長手方向(Lr100、Lr200)は、前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)において、実質的に平行にまたは角度を付けて配置されること
を特徴とする、
請求項1に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項3】
・前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)の長手方向(Lr)が、前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)の長手方向範囲(Lr100、Lr200)に実質的に平行であること、
・前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)の前記長手方向範囲(Lr)は、前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)において一部のみ重複していること、および/または
・前記回路基板コンタクト手段(100)の中央部(120)に、前記プラグコンタクト手段(200)の自由な長手方向端部(220)が導電的に提供されること、
を特徴とする、
請求項1または2に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項4】
前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)は、プラグハウジング(300)をさらに備え、
前記プラグハウジング(300)は、前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)にプラグで取り付けることができるか、またはプラグで取り付けられていることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクト手段(10)。
【請求項5】
前記プラグハウジング(300)は
・前記プラグハウジング(300)が、前記回路基板コンタクト手段(100)にロックされ得るか、またはロックされているように、
・前記プラグコンタクト手段(200)が、前記プラグハウジング(300)にロックされ得るか、またはロックされているように、かつ/または
・前記プラグハウジング(300)が、前記回路基板(1)に支持され得るように
形成されることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項6】
前記回路基板コンタクト手段(100)は、
前記回路基板(1)のための少なくとも1つの電気的な回路基板用端子(110)、
前記プラグコンタクト手段(200)のための電気的なプラグコンタクト手段用端子(120)、および/または
前記プラグハウジング(300)用の機械的な接続デバイス(130)
を備えていることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項7】
前記プラグコンタクト手段(200)は、
電気的なコンタクト手段(200)の端子(220)、
機械電気的な遷移部(230)、および/または
電気的な相手側コンタクト用端子(240)
を備えていることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項8】
前記回路基板コンタクト手段(100)は、バスバー(100)の形であり、
・前記回路基板用端子(110)は、複数の別個の電気的な回路基板用端子を有し、
・前記プラグコンタクト手段用端子(120)は、実質的に連続する電気ストリップを有し、かつ/または
・前記接続デバイス(130)は、正確に1つ、正確に2つ、正確に3つまたは4つの機械的突起を有する
ことを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項9】
前記プラグコンタクト手段(200)は、ソケットコンタクト手段(200)の形であり、
・前記コンタクト手段(200)の端子(220)は、屈曲した電気的なコンタクト突起を有し、
・前記遷移部(230)は、振動減衰のための機械電気的なスプリングアームを有し、かつ/または
・前記相手側コンタクト用端子(240)は、電気ソケットを有する
ことを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項10】
前記回路基板コンタクト手段(100)または前記バスバー(100)は、実質的にまたは主に、I字形、L字形、またはU字形を有し、前記プラグコンタクト手段(200)または前記ソケットコンタクト手段(200)は、主にまたはほぼZ字形またはL字形を有することを特徴とする、
請求項1から9のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項11】
・前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)は、実質的にL字形のバスバー(100)と、細長くほぼZ字形のソケットコンタクト手段(200)とを有すること、
・前記プラグコンタクト手段(200)は、そのコンタクト手段(200)の端子(220)として、前記L字形のバスバー(100)の単一の脚部に提供されること、および/または
・前記プラグコンタクト手段(200)は、前記L字形のバスバー(100)の前記脚部から内側へ、前記L字形のバスバー(100)によって部分的に区切られた前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)の内部空間へ突出していること
を特徴とする、
請求項1から10のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項12】
・前記回路基板コンタクト手段(100)、前記プラグコンタクト手段(200)、および/または前記プラグハウジング(300)は、一体成形されること、
・前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)を含むコンタクトデバイス(100、200)は、物質的に1つの部品に、または不可分の1つの部品として形成されること、および/または
・前記コンタクトデバイス(100、200)および前記プラグハウジング(300)を備える、取り付けられた回路基板プラグコンタクトデバイス(10)は、分離可能な1つの部品として形成されること
を特徴とする、
請求項1から11のいずれか一項に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項13】
車両向けの電気エンティティ(0)用の電気的な回路基板接続部、特にパワー電気回路基板接続部(2)であって、
回路基板(1)と、前記回路基板(1)に取り付けられた少なくとも2つの電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)とを含み、
少なくとも1つの回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)は、請求項1から12のいずれか一項に従って形成される、パワー電気回路基板接続部(2)において、
前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)は、前記回路基板(1)における前記回路基板コンタクト手段(100、100)間の最小直線距離が、前記回路基板(1)の上での前記プラグコンタクト手段(200)間の最小直線距離よりも大きくなるように、前記回路基板(1)に取り付けられることを特徴とする、
パワー電気回路基板接続部(2)。
【請求項14】
前記回路基板(1)において、
・その回路基板コンタクト手段(100、100)によって部分的に区切られた、前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)の2つの内部空間は、互いに向き合うこと、
・2つの実質的にL字形の回路基板コンタクト手段(100、100)によって部分的に区切られた内部空間全体は、実質的に矩形の構成を有すること、および/または
・前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)の前記プラグコンタクト手段(200、200)は、前記回路基板接続部(2)の互いに反対側から前記回路基板接続部(2)に配置されること
を特徴とする、
請求項13に記載のパワー電気回路基板接続部(2)。
【請求項15】
電気エンティティ(0)、特に車両向けの実装回路基板(0)または補助ユニット(0)であって、
電気回路基板(1)と、その上のコネクタデバイス(10)としての電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)とを備えているか、または電気デバイスおよびパワー電気回路基板接続部(2)を備えている、エンティティ(0)において、
前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)または前記回路基板接続部(2)は、請求項1から14のいずれか一項に従って形成されることを特徴とする、
電気エンティティ(0)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エンティティの電気回路基板用の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイスに関する。本発明はさらに、車両向けの電気エンティティ用の電気回路基板接続部、特にパワー電気回路基板接続部、および電気エンティティ、特に車両向けの実装回路基板または補助アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気分野(電子機器、電気工学、電気機器、電気エネルギー技術など)では、広範囲の電流、電圧、周波数、および/またはデータ転送速度を伴う、電流、電圧、信号、および/またはデータを伝送する役割を果たす、多数の電気コネクタ手段またはコネクタデバイス、ソケット、ピン、および/またはハイブリッドコネクタなどが知られている(以下では、(電気)コネクタ(相手側コネクタとも)と称する)。低電圧、中電圧、もしくは高電圧、および/または低電流、中電流、もしくは高電流の範囲で、特に車両分野において、そうしたコネクタは、機械的に負荷がかかる環境、温暖な、場合により高温の環境、汚染された環境、湿気のある環境、および/または化学的侵食性の高い環境で、電力、信号、および/またはデータを、恒久的に、繰り返し、かつ/または比較的長時間の休止後の短時間の間に、確実に伝送する必要がある。広範囲の用途があるため、特別に設計されたコネクタが多数知られている。
【0003】
そのようなコネクタ、および該当する場合には、それに関連付けられたハウジング(例えば、コネクタ手段もしくはコネクタデバイスの場合)または上位のハウジング(例えば、コネクタデバイスの場合)を、電線、ケーブル、ケーブルハーネスなど(以下では、組み立てられた(電気)ケーブルと称する(電気エンティティとも称する))に取り付けること、あるいは、例えば、(パワー)電気的、電気光学的、もしくは電子的な構成要素、または対応する集合体など(電気エンティティ)の、ハウジング、リードフレーム、回路基板などの電気デバイスまたは電気手段に取り付けることが可能である。
【0004】
(ハウジングを含む/含まない)コネクタが、ケーブル、電線、またはケーブルハーネスに配置される場合、それは、フライング(プラグ)コネクタまたはプラグ、ソケットまたは継手とも呼ばれる。(ハウジングを含む/含まない)コネクタが、電気的、電気光学的、もしくは電子的な構成要素、集合体などに配置される場合、それは、コネクタデバイス、例えば(内蔵/実装)コネクタ、(内蔵/実装)プラグ、または(内蔵/実装)ソケットなどとも呼ばれる。そのようなデバイスにおけるコネクタは、さらに、(プラグ)レセプタクル、ピンヘッダ、ピンストリップ、またはヘッダと称されることもしばしばである。電力工学(好ましくは三相高電圧伝送を伴う、配電網での高電圧電流の生成、変換、蓄積、および移送)の文脈では、それらの構造が比較的複雑であるため、ここではケーブル取付け具が参照される。
【0005】
そのようなコネクタは、電気の適切な伝送を保証しなければならず、互いに対応し部分的に相補的なコネクタ(コネクタおよび相手側コネクタ)は通常、コネクタを相手側コネクタに、または相手側コネクタをコネクタに、恒久的に、しかし通常は取外し可能にロックおよび/または固定するためのロックデバイスおよび/または固定デバイスを有する。さらに、例えば、実際のコンタクト手段(通常、物質的に1つの部品として、または一体に形成された、例えば(クリンプ)コンタクト要素などであり、端子と称されることもある)、またはコンタクトデバイス(通常、複数もしくは2つの部分から1つの部品として、または物質的に1つの部品として形成された、例えば(クリンプ)コンタクトデバイスであり、端子と称されることもある)を備えるか、または少なくとも有する、コネクタ用の電気接続デバイスが、内部に確実に保持されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気コネクタおよびその端子を改良する、特にそれらをより効果的に設計し、より低コストで製作および/または製造するための努力が、継続的に行われている。走行用電気モータを含む/含まない自動車(鉄道車両)、鉄道車両、船舶、航空機などの車両の場合、例えば前記車両の補助アセンブリ用の高電圧および/または高電流コネクタについて、厳格な安全要求事項が満たされなければならない。こうした安全要求事項は、用途に応じたクリアランス距離および沿面距離、振動要求事項などに関するものである。本発明の目的は、クリアランス距離および沿面距離、場合により振動について、厳格な要求事項を満たすことができる電気的な回路基板プラグコンタクトデバイスを明示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、電気エンティティの電気回路基板用の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(以下では単に、回路基板プラグコンタクトデバイス)と、車両向けの電気エンティティ用の電気的な回路基板接続部、特にパワー電気回路基板接続部と、電気エンティティ、特に独立請求項による車両用の実装回路基板または補助アセンブリとによって実現される。本発明の有利な発展形態、他の特徴、および/または利点は、従属請求項および以下の説明で理解することができる。
【0008】
本発明による回路基板プラグコンタクトデバイスは、(好ましくは正確に2つのその端子の1つとしての)電気回路基板コンタクト手段と、それとは別に形成された(同様に、好ましくは正確に2つのその端子の1つとしての)電気的なプラグコンタクト手段とを備え、回路基板プラグコンタクトデバイスにおいて、プラグコンタクト手段は、回路基板コンタクト手段に対して横方向にオフセットして配置され、回路基板コンタクト手段とプラグコンタクト手段との間に導電性接続部が設けられる。
【0009】
すなわち、回路基板プラグコンタクトデバイスは、回路基板コンタクト手段および/またはプラグコンタクト手段の、場合により与えられる複数の部分からなる構造とは別の、少なくともまたは正確に2つの部品からなる設計のものであり、これら2つの「部品」、すなわち、回路基板プラグコンタクトデバイスとプラグコンタクト手段を組み合せて、回路基板プラグコンタクトデバイスが形成される(以下参照)。ここで、回路基板コンタクト手段および/またはプラグコンタクト手段、特に(この場合、プラグコンタクトデバイスとしての)プラグコンタクト手段を、2つまたは複数の部分からなる設計のものとすることもできる。
【0010】
回路基板コンタクト手段は、特に機械電気的な回路基板コンタクト手段の形とすることができる。プラグコンタクト手段は、特に電気機械的なプラグコンタクト手段の形とすることができる。ここで、「機械電気的」とは、回路基板コンタクト手段がその重要な電気的機能に加えて、実質的な機械的機能を有することを意味する。またここで、「電気機械的」とは、プラグコンタクト手段がその重要な機械的機能に加えて、主要な電気的機能を有することを意味する。
【0011】
回路基板コンタクト手段の主要な電気的および機械的な機能部分は、回路基板コンタクト手段の長手方向に延びることができる。プラグコンタクト手段の主要な電気的および機械的な機能部分は、プラグコンタクト手段の長手方向に延びることができる。回路基板プラグコンタクトデバイスにおいて、回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段の機能部分の長手方向を、実質的に平行にまたは角度を付けて配置することができる。
【0012】
回路基板プラグコンタクトデバイスの長手方向は、回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段の長手方向範囲に実質的に平行とすることができる。この場合、こうして構成される共通の長手方向は、回路基板プラグコンタクトデバイスもしくはプラグコンタクト手段の相手側コンタクト手段へ向かうプラグ接続方向、および/または相手側コンタクト手段のプラグコンタクト手段もしくは回路基板プラグコンタクトデバイスへ向かうプラグ接続方向とすることができる。この場合、長手方向は、特に回路基板の平坦な範囲から実質的に垂直に延びることができる。
【0013】
回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段の長手方向範囲は、回路基板プラグコンタクトデバイスにおいて、一部のみ重複してもよい。ここで、回路基板コンタクト手段は、長手方向において、プラグコンタクト手段よりも回路基板プラグコンタクトデバイスから離れて突出することができる(回路基板の側、図:下側)。またさらに、プラグコンタクト手段は、(異なる)長手方向において、回路基板コンタクト手段よりも回路基板プラグコンタクトデバイスから離れて突出することができる(相手側コンタクト手段の側、図:上側)。回路基板コンタクト手段の中央部に、プラグコンタクト手段の自由な長手方向端部を導電的に提供することができる。
【0014】
回路基板プラグコンタクトデバイスは、電気絶縁性のプラグハウジングをさらに備えることができ、電気絶縁性のプラグハウジングは、回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段にプラグで取り付けることができるか、またはプラグで取り付けられている。ここで、プラグハウジングはもちろん、特に、プラグコンタクト手段が回路基板プラグコンタクトデバイスの合わせ面(mating face、篏合面)を介して電気的な相手側コンタクト手段にアクセスできるように形成される。プラグハウジングは、プラグハウジングが回路基板コンタクト手段にロックされ得るか、またはロックされているように形成することができる。さらに、プラグコンタクト手段は、プラグハウジングにロックされ得るか、またはロックされている。さらに、プラグハウジングは回路基板に支持されてもよい。プラグハウジングは、合わせ面に相手側コンタクト手段のための挿入斜面を有することができる。
【0015】
回路基板コンタクト手段は、回路基板のための少なくとも1つの電気的な回路基板用端子、プラグコンタクト手段用の電気的なプラグコンタクト手段の端子、および/またはプラグハウジング用の機械的な接続デバイスを備えることができる。電気的な回路基板用端子は、例えば、能動的な回路基板用端子および/または非能動的な回路基板用端子の形とすることができる。ここでは、少なくとも1つの圧入ピンまたは圧入バー(マルチスプリング、アクションピン、針孔など)、はんだピン、SMD脚部、(流路)カットアウトなどを考慮することができる。電気的なプラグコンタクト手段用端子は、例えばコンタクト形状、コンタクト領域、コンタクトパッドなどを有することができる。ここで、プラグコンタクト手段用端子は、部分的にプラグコンタクト手段のコンタクト手段端子に対して相補的に形成することができる。
機械的な接続デバイスは、例えば、突起(lug)、ピン、陥凹部などを、場合により少なくとも1つのラッチデバイスと共に有することができる。
【0016】
プラグコンタクト手段は、電気的なコンタクト手段端子、機械電気的な遷移部、および/または電気的な相手側コンタクト用端子を備えることができる。電気的なコンタクト手段端子は、例えばコンタクト形状、コンタクト領域、コンタクトパッドなどを有することができる。ここで、コンタクト手段端子は、部分的に回路基板プラグコンタクト手段のプラグコンタクト手段用端子に対して相補的に形成することができる。機械電気的な遷移部は、例えば、スプリングアーム、振動減衰アーム、剛性アームなどを有することができる。緩衝および/または減衰の目的の場合、特に遷移部には、回路基板プラグコンタクトデバイスの他の部分と比べて柔軟な設計を用いることができる。電気的な相手側コンタクト用端子は、例えば、ソケット、タブ、またはピンを有することができる。
【0017】
回路基板コンタクト手段は、バスバーの形とすることができる。バスバーとは、例えば、導体レール、導体ストリップ、例えばさらに(成形された)リードフレームの形とすることが可能な導体ストラットを意味することが理解される。ここでは、バスバーは、直線または角度の付いた設計のものとすることができる。バスバーは、回路基板用端子として多数の別個の電気的な回路基板用端子を有することができる。ここで、バスバーは、特に少なくともまたは正確に、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはさらに多くの別個の回路基板用端子を有することができる。バスバーは、プラグコンタクト手段用端子として、実質的に連続する電気ストリップを有することができる。さらに、バスバーは、接続デバイスとして、正確に、1つ、2つ、3つ、またはさらに多くの突起を有することができる。
【0018】
プラグコンタクト手段は、ソケットコンタクト手段の形とすることができる。ソケットコンタクト手段は、コンタクト手段端子として、特に屈曲した電気的なコンタクト突起を有することができる。さらに、ソケットコンタクト手段は、遷移部として、振動減衰のための機械電気的なスプリングアームを有することができる。さらに、ソケットコンタクト手段は、相手側コンタクト用端子として電気ソケットを有することができる。
【0019】
回路基板コンタクト手段またはバスバーは、実質的にまたは主に、I字形、L字形、またはU字形を有することができる。ここで、L字形バスバーの突出部(limb)は、等しい長さでも異なる長さでもよい。プラグコンタクト手段またはソケットコンタクト手段は、主にまたはほぼZ字形またはL字形を有することができる。ここで、プラグコンタクト手段またはソケットコンタクト手段の形状は、引き伸ばされた、かつ/もしくは細長いZ字形の設計、または引き伸ばされた、かつ/もしくは細長いL字形の設計とすることができる。
【0020】
回路基板プラグコンタクトデバイスは、実質的にL字形のバスバーと、細長くほぼZ字形のソケットコンタクト手段とを有することができる。ここで、コンタクト手段端子および相手側コンタクト用端子は、2つの自由な突出部を形成し、遷移部は、細長くほぼZ字形のソケットコンタクト手段の2つの自由な突出部の間に接続ウエブを形成する。
【0021】
プラグコンタクト手段は、そのコンタクト手段端子として、L字形バスバーの単一の突出部に提供することができる。ここで、コンタクト手段端子は、L字形バスバーのプラグコンタクト手段用端子に提供される。ここで、プラグコンタクト手段は、回路基板プラグコンタクトデバイスの内部空間に配置され、その内部空間は、L字形バスバーによって部分的に区切られている。特に、プラグコンタクト手段は、L字形バスバーの突出部から内側へ、L字形バスバーによって部分的に区切られた回路基板プラグコンタクトデバイスの内部空間へ突出する。
【0022】
回路基板プラグコンタクトデバイスは、好ましくはLV214に準拠して、クラスまたは重大度(1、2、3、および/または4)に応じた振動要件を満たすことができる。特に、クラスまたは重大度2または3に応じた振動要件は、回路基板プラグコンタクトデバイスによって満たされる。さらに、回路基板プラグコンタクトデバイスが、好ましくはLV214に準拠して、クラスまたは重大度4以上に応じた要件を満たさない可能性もある。
【0023】
回路基板プラグコンタクトデバイスは、少なくとも約60V、100V、150V、250V、500V、800V、1kV、1.25kV、もしくは1.5kVの電圧、および/または少なくとも約10A、20A、30A、45A、60A、75A、100A、125A、150A、200A、250A、300A、もしくは400Aの電流を対象に設計することができる。もちろん、回路基板プラグコンタクトデバイスを、250Vより低い電圧、および/または10Aより低い電流を対象に設計することも可能である。回路基板プラグコンタクトデバイスは、約-40℃から、約120℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、または200℃までの使用温度を対象に設計されることが好ましい。
【0024】
回路基板コンタクト手段、プラグコンタクト手段、および/またはプラグハウジングは、一体成形することができる。一体化された設計とは、破壊しなければ分離できないただ1つの構成部分が存在する、プラグハウジングのコンタクト手段の設計を意味することが理解される。構成部分(部品)は、単一の初期の部品(金属シート、ブランクなど)、および/または単一の初期の塊(溶融金属、溶融プラスチック)から製造されるため、その部分は必然的に一体化された部分になる。内部結合は、接着および/または凝集によって行われる。ここではさらに、コーティング、堆積、亜鉛メッキなどを行うことが可能である(回路基板コンタクト手段、プラグコンタクト手段)。
【0025】
回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段を含むコンタクトデバイスは、物質的に1つの部品、または不可分の1つの部品として形成することができる。物質的に(離れない)1つの部品からなる設計とは、その個々の部分が物質同士で互いに固定(溶接、はんだ付け、接着結合など)され、すなわち、好ましくは損傷がなければコンタクトデバイスが個々の部分に分離することがない、コンタクトデバイス(回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段を含む構成部分)の設計を意味することが理解される。この場合、さらに非嵌合式(non-positively)および/または嵌合式(positively)のロック接続部によって、結合を生じさせることができる(一体化された設計の場合ではない)。
【0026】
不可分の1つの部品からなる設計とは、その個々の部分が非嵌合式および/または嵌合式のロックで互いに固定され、すなわち、好ましくはやはり損傷がなければコンタクトデバイスがその個々の部分に分離することがない、コンタクトデバイス(回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段を含む構成部分(部品))の設計を意味することが理解される(複数の部分からなる設計の場合、非嵌合式および/または嵌合式のロック接続部が(必然的に)存在しないか、あるいはこの場合には、第3の部分によって結合が確立される)。
【0027】
そのコンタクトデバイス(回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段)ならびにそのプラグハウジングを備える、取り付けられた回路基板プラグコンタクトデバイスは、分離可能な1つの部品として形成することができる。分離可能な1つの部品からなる設計とは、手動でまたは工具を用いて損傷なくその2つの構成部分(コンタクトデバイスおよびプラグハウジング)に分離することができる回路基板プラグコンタクトデバイス(一方では、コンタクトデバイス(回路基板コンタクト手段およびプラグコンタクト手段を含む構成部分)、他方では、構成部分としてのプラグハウジング)の設計を意味することが理解される。回路基板プラグコンタクトデバイスは、非嵌合式および/または嵌合式のロック接続部によって結合されることが好ましい。
【0028】
本発明による回路基板接続部は、回路基板と、回路基板に取り付けられた少なくとも2つの電気的な回路基板プラグコンタクトデバイスとを含み、少なくとも1つの回路基板プラグコンタクトデバイスは、本発明に従って形成され、その回路基板プラグコンタクトデバイスは、回路基板におけるその回路基板コンタクト手段間の最小直線距離(沿面距離)が、回路基板の上でのそのプラグコンタクト手段間の最小直線距離(クリアランス距離)よりも大きくなるように、回路基板に取り付けられる。少なくとも1つのプラグハウジングが存在する場合、上記の距離には含まれない。
【0029】
回路基板において、好ましくは実質的にL字形の回路基板コンタクト手段によって部分的に区切られた、回路基板プラグコンタクトデバイスの2つの内部空間は、互いに向き合うことができる。当該の回路基板プラグコンタクトデバイスのプラグコンタクト手段は、そのような内部空間に配置されることが好ましい。さらに、回路基板において、2つの実質的にL字形の回路基板コンタクト手段によって部分的に区切られた内部空間全体は、実質的に矩形の占有面積を有することができる。さらに、回路基板において、回路基板プラグコンタクトデバイスのプラグコンタクト手段は、回路基板接続部の互いに反対側から回路基板接続部に配置することができる。
【0030】
本発明は、回路基板におけるその回路基板プラグコンタクトデバイスの適応可能な配置により、機械的にプラグ接続可能な回路基板接続部をもたらす。回路基板プラグコンタクトデバイスは、様々な間隔および/または向きの相手側コンタクト手段に対して用いることができる。特に、プラグハウジングのために、従来技術と比べて、回路基板自体におけるかなり大きい沿面距離、またより大きいクリアランス距離がもたらされる。回路基板プラグコンタクトデバイスは、その設計のために、振動、特に微振動を簡単に吸収することができる(スプリングアーム)。
【0031】
回路基板プラグコンタクトデバイスのプラグハウジングの面取り(chamfer)により、相手側コンタクト手段がより大きい公差を扱うことが可能になる。回路基板プラグコンタクトデバイスのユーザは、回路基板を事前に取り付けた後、試験済みの既知のコンタクトシステムのピンストリップ(ヘッダ)を取り付けることができる。その回路基板用端子またはその個々の回路基板用端子を備えた、バスバー(導体レール、導体ストリップ、導体ストラット、リードフレーム)の形の回路基板コンタクト手段は、事前にエンボス加工されたストリップから簡単に製造することができる。プラグコンタクト手段は、様々な方法(溶接、はんだ付け、接着結合、クリンチ、ピンチなど)で、回路基板プラグコンタクトデバイスに電気機械的に接続することができる。
【0032】
プラグコンタクト手段は、多数のコンタクトシステム(MCP、MCON、MQSなど)から選択することが可能であり、すなわち、相手側コンタクトの側に対応する端子を備えることができる。バスバーは、その回路基板側の端子として、マルチスプリングまたははんだピンを有することが好ましい。バスバーは、直線または角度の付いた設計のものとすることができ、特に約90°の角度を付けることができる。バスバーの材料の厚さは、用途に応じて選択することが可能であり、例えば以下の値、すなわち、0.4mm;0.5mm;0.6mm;0.8mm;1.0mm;1.2mm;1.4mm;1.5mmなどと比べて、より小さくても、ほぼ等しくても、より大きくてもよい。
【0033】
本発明による電気エンティティは、電気回路基板およびその上のコネクタデバイスとしての電気的な回路基板プラグコンタクトデバイス、または電気デバイスおよびパワー電気回路基板接続部を備え、回路基板プラグコンタクトデバイスまたは回路基板接続部は、本発明に従って形成される。ここで、回路基板は、基板と呼ぶこと、または基板の形とすることができる。そのようなエンティティは、例えば、電気アセンブリ、電気構成要素、電気モジュール、電気ユニット、電気器具、電気機器、電気設備、電気システムなどの形とすることができる。
【0034】
以下では、添付図面を参照しながら、例示的実施形態に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、添付図面は模式的であり、実際の縮尺ではない。同一の、固有の、もしくは類似の構成および/または機能を有する部分、要素、構成部分、ユニット、構成要素、および/またはパターンは、図の説明(下記参照)、符号の説明、特許請求の範囲、および図面の各図において、同じ参照符号で識別されている。本発明の説明(上記参照)で説明されていない可能な代替形態は、図に示されず、かつ/または明示的ではないが、本発明の例示的実施形態または構成要素、パターン、ユニット、構成部分、要素、またはその一部について、静的および/または動的な反転、組合せなどを、符号の説明および/または図面の説明からさらに推察することができる。
【0035】
本発明の場合、特徴(部分、要素、構成部分、ユニット、構成要素、機能、変数など)は、明示された形態(positive configuration)(すなわち存在する)であっても、明示されていない形態(negative configuration)(すなわち存在しない)であってもよい。本明細書(説明(本発明の説明(上記参照)、図の説明(下記参照))、符号の説明、特許請求の範囲、図面)において、明示されていない特徴は、本発明に従ってそれが存在しないことに価値が置かれなければ、特徴として明確に説明されない。すなわち、実際に実施され、従来技術として構成されない本発明は、前記特徴を除外することに依拠している。
【0036】
本明細書の特徴は、規定された方法および/または方式で使用するだけではなく、別の方法および/または方式でも使用することができる(切り離し、組み合わせ、置き換え、追加、単独で、除外など)。特に、説明、符号の説明、特許請求の範囲、および/または図面において、特許請求の範囲および/または説明での特徴を、参照符号およびそれに割り当てられた特徴に基づいて、置き換え、追加、または除外を行うことが可能であり、逆もまた同様である。さらに、その結果、特許請求の範囲における特徴を、より詳細に解釈および/または規定することができる。
【0037】
説明中の特徴は、((最初はほとんど知られていない)従来技術に照らして)任意選択の特徴と解釈することも可能であり、すなわち、各特徴は、任意選択の、任意の、または好ましい特徴、すなわち、必須ではない特徴と考えることができる。したがって、ある特徴を、場合によりその周辺を含めて、例示的実施形態から切り離すことが可能であり、その場合、前記特徴を一般化された発明概念に移すことができる。例示的実施形態におけるある特徴の不在(明示されていない特徴)は、その特徴が本発明に関して任意選択であることを示す。さらに、ある特徴に関する類型の用語の場合、その特徴に関する一般的な用語(場合により、小区分などへのさらなる階層的な細分化など)も暗黙的に理解することができ、その結果、例えば等価な効果および/または等価物を考慮して、その特徴の一般化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】電気エンティティ用の、従来技術によるパワー電気接続部のための従来技術の2つの回路基板コンタクト手段の斜視図である。
【
図2】回路基板または基板用の、本発明による回路基板プラグコンタクトデバイスまたは基板プラグコンタクトデバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図3】回路基板または基板用の、本発明による回路基板プラグコンタクトデバイスまたは基板プラグコンタクトデバイスの一実施形態の分解組立図である。
【
図4】電気エンティティの回路基板における、本発明による
図2に類似のパワー電気接続部のための2つの回路基板プラグコンタクトデバイスの斜視図である。
【
図5】回路基板上の回路基板プラグコンタクトデバイスにおける、本発明による
図3に類似のパワー電気接続部の可能な構成の平面図である。
【
図6】回路基板上の
図5と同じ回路基板プラグコンタクトデバイスにおける、本発明による
図3に類似のパワー電気接続部の可能な構成の平面図である。
【
図7】回路基板が省略された、
図3に類似の2つの回路基板コンタクト手段を備えた、本発明によるパワー電気接続部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、電気エンティティ0の電気回路基板1または電気基板1用の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイスまたは高電圧基板プラグコンタクトデバイス10(以下では単に、回路基板プラグコンタクトデバイス10)の変形例に関する一実施形態(
図2~
図7)、および電気エンティティ0のパワー電気回路基板接続部2に関する2つの実施形態の例示的実施形態に基づき、本発明をさらに詳しく説明する。
【0040】
本明細書の「高電圧」とは、回路基板プラグコンタクトデバイス10が少なくとも60Vを対象に(上記も参照)、すなわち、用途によっては生命や肢(limb)に危険がある電圧から始まる電圧を対象に設計されていることを意味するものである。エンティティ0は、例えば内燃機関または走行用電気モータを備えた車両の実装回路基板0または補助アセンブリ0の形、例えば空気調節用圧縮機0、加熱モジュール0などの形とすることができる。
【0041】
好ましい例示的実施形態によって本発明をさらに詳しく説明および例示するが、本発明は、開示される例示的実施形態によって限定されず、むしろ、より基本的な性質のものである。
【0042】
例示的実施形態および/または上記(本発明の説明)から、本発明の範囲の保護の範囲から逸脱することなく他の変形例を導き出すことができる。本発明は一般に、電気エンティティの場合には電気分野での使用が可能である(上記参照)。ここで、1つの例外は、地上電力工学(terrestrial electrical power engineering)によるものである。図面は、本発明の理解に必要な本発明の主題の空間部分のみを示している。コネクタおよび相手側コネクタ、端子および相手側端子などの名称は、同義に解釈されたい。すなわち、それらを相互に交換することができる。以下において、図面に基づく本発明の説明は、本発明による回路基板プラグコンタクトデバイス10の長手方向Lr(その1つの選択肢がプラグ接続方向Srである)、横方向Qr、および縦方向Hrを参照する。
【0043】
本発明の範囲内の目的は、例えば、様々な間隔および様々な向きを有する様々な電気コネクタ5、例えばピンストリップ5またはヘッダ5などの、電気的な相手側高電圧コンタクト手段20(すなわち、高電流相手側コンタクト手段20とも称し、以下では単に、相手側コンタクト手段20)、例えばタブコンタクト手段20(
図2参照)が、回路基板1における沿面距離を増やすのと同時に、エンティティ0の回路基板1との内部電気接続をどのように確立することができるか、ということである。
【0044】
図1には従来技術が示され、従来技術による2つの電気的な高電圧回路基板ソケットコンタクト手段90を有しているパワー電気回路基板接続部2が示されている。
図1では、矢印によってクリアランス距離および沿面距離が示されているが、従来技術では、クリアランス距離(点線矢印)は沿面距離(実線矢印)と実質的に同じである。特に、高電圧の用途では、クリアランス距離に比べて沿面距離が短いと問題である。沿面距離は、可能な限り、常にクリアランス距離よりも大きくすべきである。
【0045】
本発明による解決策は、回路基板プラグコンタクトデバイス10の端子100としての回路基板コンタクト手段100を、同様に回路基板プラグコンタクトデバイス10の端子200としてのプラグコンタクト手段200に電気的に接続すること、例えば溶接またはクリンチすること、および、これらを横方向にオフセットして回路基板プラグコンタクトデバイス10に配置することを含む。回路基板コンタクト手段100とプラグコンタクト手段200との間のこの幾何的配置によって、パワー電気回路基板接続部2としての2つのプラグ接続可能な回路基板接続部を回路基板1に柔軟に配置することが可能になり、その結果、最小沿面距離をかなり大きくすることができる(
図5および
図6の実線矢印を参照)。
【0046】
そうした回路基板接続部2にコネクタ5を取り付ける場合、回路基板1での沿面距離を維持するには、電気的な相手側コンタクト手段20を曲げてはならない。その結果、より小さい公差を達成することができ、本発明による回路基板接続部2を用いたコネクタ5の電気エンティティ0への取り付けがかなり容易になる。さらに、本発明は、新しい設計の自由度およびさらなる柔軟性をもたらす。
【0047】
好ましくは(
図2~
図7参照)、回路基板コンタクト手段100はバスバー100の形であり、プラグコンタクト手段200はソケットコンタクト手段200の形である。もちろん、他のコンタクト手段100、200を使用することも可能である。以下ではこれらの用語を参照するが、バスバー100の代わりの回路基板コンタクト手段100という用語、およびソケットコンタクト手段200の代わりのプラグコンタクト手段200という用語は、常に暗黙的(implicitly)に理解され、すなわち使用可能である。
【0048】
バスバー100としての電気的または機械電気的な(上記参照)回路基板コンタクト手段100は、回路基板1の面から始まるその長手方向Lr100(好ましくは、回路基板プラグコンタクトデバイス10の長手方向Lrに平行)に、好ましくは3つの機能部分110、120、130、すなわち、回路基板1に電気的に接触するための電気的な回路基板用端子110と、ソケットコンタクト手段200に(そのコンタクト手段200の端子220を介して)電気的に接触するための電気的なプラグコンタクト手段用端子120と、回路基板プラグコンタクトデバイス10の電気絶縁性のプラグハウジング300用の機械的な接続デバイス130とを備える。
【0049】
この場合(バスバー100)、電気的な回路基板用端子110は、複数の、特に2つ、4つ、または6つの圧入ピンまたは圧入バーを備え、電気的なプラグコンタクト手段用端子120は、実質的に連続する電気ストリップを備え、接続デバイス130は、複数の、特に1つまたは2つの機械的な突起を備える。バスバー100の関連する機能部分110、120、130の他の設計については、本発明の説明で言及する。
【0050】
例えば縦方向Hrおよび横方向Qrに張られる平面において、バスバー100は、実質的に等しい長さの突出部を有するL字形の輪郭(中間角が90°のV字形の輪郭)を有しているが、言うまでもなく、突出部を異なる長さに形成すること、および/またはバスバー100が異なる輪郭を有すること(上記参照)が可能である。バスバー100は、長手方向Lrおよび横方向Qrに延びるバスバー100の半分を、同様に長手方向Lrおよび横方向Qrに延びるバスバー100のもう1つの半分の方へ対称に折り畳むこと、または回転させること(回転対称)ができるように形成することが好ましい(例えば
図3参照、好ましくは90°の回転対称)。
【0051】
ソケットコンタクト手段200としての電気的または電気機械的な(上記参照)プラグコンタクト手段200は、回路基板1の面から始まるその長手方向Lr200(好ましくは、回路基板プラグコンタクトデバイス10の長手方向Lrに平行)に、同様に好ましくは3つの機能部分220、230、240、すなわち、バスバー100に電気的に(そのプラグコンタクト手段用端子120を介して)接触するための電気的なコンタクト手段200の端子220と、機械電気的な遷移部230と、相手側コンタクト手段20に電気的に接触するための電気的な相手側コンタクト用端子240とを有する。
【0052】
この場合(ソケットコンタクト手段200)、電気的なコンタクト手段200の端子220は、特に屈曲した電気的なコンタクト突起を備え、機械電気的な遷移部230は振動減衰のためのスプリングアームを備え、電気的な相手側コンタクト用端子240はソケットを備える。プラグコンタクト手段200の関連する機能部分220、230、240の他の設計については、本発明の説明で言及する。
【0053】
例えば長手方向Lrおよび横方向Qrに張られる平面において、ソケットコンタクト手段200は、細長くほぼZ字形の輪郭を有する(例えば、
図3参照)。この場合、Z字形の輪郭の2つの自由な突出部の間の接続ウエブは、振動減衰のためのスプリングアームによって形成され、比較的短いコンタクト突起が、一方の自由な突出部(Z字形の輪郭)またはその長手方向端部に配置され、ソケットコンタクト手段200の比較的長いソケットが、その他方の自由な突出部(Z字形の輪郭)または長手方向端部に配置される。
【0054】
この場合、バスバー100の長手方向Lr
100は、その圧入ピンまたは圧入バー、およびその機械的な突起の主範囲の方向によって構成されることが好ましい。この場合、ソケットコンタクト手段200の長手方向Lr
200は、そのソケットの主範囲の方向によって構成されることが好ましい。その場合、長手方向Lr
100を有するバスバー100、および長手方向Lr
200を有するソケットコンタクト手段200は、回路基板プラグコンタクトデバイス10内に実質的に平行に配置される(
図2および
図4を参照)。しかしながら、他の実施形態では、ここで角度を付けることも可能である。
【0055】
さらに、バスバー100およびソケットコンタクト手段200は、回路基板プラグコンタクトデバイス10として構成されるが、バスバー100およびソケットコンタクト手段200が一緒に構成する回路基板プラグコンタクトデバイス10の中央部分に比べて、一端では回路基板用端子110が一方の長手方向Lrにさらに突出し、他端では相手側コンタクト用端子240が他方の長手方向Lrにさらに突出するようになっている。
【0056】
ソケットコンタクト手段200は、そのコンタクト手段200の端子220を介して、バスバー100のプラグコンタクト手段用端子に電気的および機械的に固定して設けられる。特に、屈曲した電気的なコンタクト突起が電気ストリップに固定され、これは、溶接、はんだ付け、またはクリンチによって実施することが可能である(導電性接続部12)。続いてここから、遷移部230または振動減衰用のスプリングアームが、バスバー100の長手方向範囲から0°および90°とは異なる角度で延びている(
図2参照)。この場合、ソケットコンタクト手段200は、その相手側コンタクト用端子240またはそのソケットの領域では、上記のように、特に長手方向Lrに平行に延びるように形成される。
【0057】
回路基板プラグコンタクトデバイス10、またはコンタクトデバイス100、200(回路基板コンタクト手段100/バスバー100、およびプラグコンタクト手段200/ソケットコンタクト手段200)、または回路基板プラグコンタクトデバイス10の回路基板コンタクト手段100/バスバー100が回路基板1に取り付けられた後、回路基板プラグコンタクトデバイス10、またはコンタクトデバイス100、200に対して少なくとも部分的に、プラグハウジング300を設けることができる。特に、回路基板プラグコンタクトデバイス10の実質的に全体、またはコンタクトデバイス100、200の全体が、プラグハウジング300に受け入れられる。
【0058】
ここで、プラグハウジング300は、特にバスバー100の少なくとも1つの接続デバイス130または突起にロックする。さらに、ここでは、ソケットコンタクト手段200が、プラグハウジング300の内側にしっかりと保持されること、特にプラグハウジング300の内側にロックされることが好ましい。ここで、ソケットコンタクト手段200のラッチ領域、例えばラッチショルダー、ラッチスプリングなどが、プラグハウジング300のラッチ領域、例えばラッチショルダー、ラッチスプリングなどと接触することができる。
【0059】
さらに、プラグハウジング300は、回路基板プラグコンタクトデバイス10またはコンタクトデバイス100、200に取り付けられた状態で、回路基板1に支持されることが好ましい。このために、プラグハウジング300は、その合わせ面(mating face, 篏合面)11の向かい側に、対応する縁部を有することができ、縁部は回路基板1の表面に対して平行に配置される。この縁部は、プラグハウジング300の長手方向下端に、部分的に取り囲む(
図3および
図7参照)または実質的に完全に取り囲む形で配置することができる。合わせ面11は、特に相手側コンタクト手段20のための挿入斜面を有する。
【0060】
回路基板コンタクト手段100およびプラグコンタクト手段200の長手方向Lr100、Lr200は、回路基板プラグコンタクトデバイス10において、実質的に平行に配置すること(図を参照)、または角度を付けることができる。これは、機能部分(functional portions)110、120、130;220、230、240のみ、特に機能部分120、130;240、または特に機能部分130;240のみに適用され、こうした考慮事項について、それぞれの他の機能部分110;220、230-110、120;220、230は考慮されないこともある。
【0061】
ここで、相手側コンタクト用端子240は、相手側コンタクト手段20がプリント回路基板1の上からまっすぐに到達する方向で電気機械的に接触できるように、回路基板プラグコンタクトデバイス10に配置することができる(
図2参照)。このために、少なくとも機能部分130;240の長手方向Lr
100、Lr
200は、回路基板プラグコンタクトデバイス10に実質的に平行に配置される。
【0062】
さらに、相手側コンタクト用端子240は、相手側コンタクト手段20が、上から到達する方向ではなく、回路基板1に対して角度をなして電気機械的に接触できるように、回路基板プラグコンタクトデバイス10に配置することができる。このために、少なくとも機能部分130;240の長手方向Lr100、Lr200は、実質的に角度をなすように回路基板プラグコンタクトデバイス10に配置される。ここで、適用可能な角度は、0°をある程度上回る角度(0°:長手方向Lr100、Lr200に平行、上記参照)から、90°をある程度下回る角度までであり;長手方向Lr100、Lr200の間の好ましい角度は、例えば15°、30°、45°、60°、または75°である。
【符号の説明】
【0063】
0 (電気)エンティティ
1 (電気)回路基板、基板
2 パワー電気回路基板接続部
5 (電気)コネクタ
10 (電気的な)高電圧回路基板/基板プラグコンタクトデバイス(発明)
11 合わせ面
12 回路基板コンタクト手段100とプラグコンタクト手段200との間の導電性接続部
20 (電気的な)相手側コンタクト手段
90 (電気的な)高電圧回路基板ソケットコンタクト手段(従来技術)
100 (機械電気的/電気的な)回路基板コンタクト手段(好ましくは1つの部品)
110 (電気的な)回路基板用端子
120 (電気的な)プラグコンタクト手段用端子
130 (機械的な)接続デバイス
200 (電気機械的/電気的な)プラグコンタクト手段(場合により複数の部品)
220 (電気的な)コンタクト手段200の端子
230 (機械電気的な)遷移部
240 (電気的な)相手側コンタクト用端子
300 プラグハウジング
Lr 長手方向(向きの指定なし)、回路基板プラグコンタクトデバイス10の長手方向軸
Sr プラグ接続方向、取り付け方向(向きの指定あり)、長手方向軸に平行
Hr 縦方向(向きの指定なし)、回路基板プラグコンタクトデバイス10の縦方向軸
Qr 横方向(向きの指定なし)、回路基板プラグコンタクトデバイス(10)の横方向軸
【手続補正書】
【提出日】2022-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エンティティ(0)の電気回路基板(1)用の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)であって、
前記電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)は、
- 電気回路基板コンタクト手段(100)と、
- 前記電気回路基板コンタクト手段(100)とは別に形成された電気的なプラグコンタクト手段(200)と、を備えており、
前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)において、前記プラグコンタクト手段(200)は、前記回路基板コンタクト手段(100)に対して横方向にオフセットして配置され、前記回路基板コンタクト手段(100)と前記プラグコンタクト手段(200)との間に導電性接続部(12)が設けられることを特徴とする、
電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項2】
・前記回路基板コンタクト手段(100)の主要な電気的および機械的な機能部分(110、120、130)は、前記回路基板コンタクト手段(100)の長手方向(Lr100)に延びること、
・前記プラグコンタクト手段(200)の主要な電気的および機械的な機能部分(220、230、240)は、前記プラグコンタクト手段(200)の長手方向(Lr200)に延びること、および/または
・前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)の前記機能部分(110、120、130;220、230、240)の前記長手方向(Lr100、Lr200)は、前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)において、実質的に平行にまたは角度を付けて配置されること
を特徴とする、
請求項1に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項3】
・前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)の長手方向(Lr)が、前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)の長手方向範囲(Lr100、Lr200)に実質的に平行であること、
・前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)の前記長手方向範囲(Lr)は、前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)において一部のみ重複していること、および/または
・前記回路基板コンタクト手段(100)の中央部(120)に、前記プラグコンタクト手段(200)の自由な長手方向端部(220)が導電的に提供されること、
を特徴とする、
請求項1または2に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項4】
前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)は、プラグハウジング(300)をさらに備え、
前記プラグハウジング(300)は、前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)にプラグで取り付けることができるか、またはプラグで取り付けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項5】
前記プラグハウジング(300)は
・前記プラグハウジング(300)が、前記回路基板コンタクト手段(100)にロックされ得るか、またはロックされているように、
・前記プラグコンタクト手段(200)が、前記プラグハウジング(300)にロックされ得るか、またはロックされているように、かつ/または
・前記プラグハウジング(300)が、前記回路基板(1)に支持され得るように
形成されることを特徴とする、
請求項4に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項6】
前記回路基板コンタクト手段(100)は、
前記回路基板(1)のための少なくとも1つの電気的な回路基板用端子(110)、
前記プラグコンタクト手段(200)のための電気的なプラグコンタクト手段用端子(120)、および/または
前記プラグハウジング(300)用の機械的な接続デバイス(130)
を備えていることを特徴とする、
請求項4に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項7】
前記プラグコンタクト手段(200)は、
電気的なコンタクト手段(200)の端子(220)、
機械電気的な遷移部(230)、および/または
電気的な相手側コンタクト用端子(240)
を備えていることを特徴とする、
請求項1または2に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項8】
前記回路基板コンタクト手段(100)は、バスバー(100)の形であり、
・前記回路基板用端子(110)は、複数の別個の電気的な回路基板用端子を有し、
・前記プラグコンタクト手段用端子(120)は、実質的に連続する電気ストリップを有し、かつ/または
・前記接続デバイス(130)は、正確に1つ、正確に2つ、正確に3つまたは4つの機械的突起を有する
ことを特徴とする、
請求項6に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項9】
前記プラグコンタクト手段(200)は、ソケットコンタクト手段(200)の形であり、
・前記コンタクト手段(200)の端子(220)は、屈曲した電気的なコンタクト突起を有し、
・前記遷移部(230)は、振動減衰のための機械電気的なスプリングアームを有し、かつ/または
・前記相手側コンタクト用端子(240)は、電気ソケットを有する
ことを特徴とする、
請求項7に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項10】
前記回路基板コンタクト手段(100)は、バスバー(100)の形であり、
前記回路基板コンタクト手段(100)または前記バスバー(100)は、実質的にまたは主に、I字形、L字形、またはU字形を有し、前記プラグコンタクト手段(200)または前記ソケットコンタクト手段(200)は、主にまたはほぼZ字形またはL字形を有することを特徴とする、
請求項9に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項11】
・前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)は、実質的にL字形のバスバー(100)と、細長くほぼZ字形のソケットコンタクト手段(200)とを有すること、
・前記プラグコンタクト手段(200)は、そのコンタクト手段(200)の端子(220)として、前記L字形のバスバー(100)の単一の脚部に提供されること、および/または
・前記プラグコンタクト手段(200)は、前記L字形のバスバー(100)の前記脚部から内側へ、前記L字形のバスバー(100)によって部分的に区切られた前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)の内部空間へ突出していること
を特徴とする、
請求項1または2に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項12】
・前記回路基板コンタクト手段(100)、前記プラグコンタクト手段(200)、および/または前記プラグハウジング(300)は、一体成形されること、
・前記回路基板コンタクト手段(100)および前記プラグコンタクト手段(200)を含むコンタクトデバイス(100、200)は、物質的に1つの部品に、または不可分の1つの部品として形成されること、および/または
・前記コンタクトデバイス(100、200)および前記プラグハウジング(300)を備える、取り付けられた回路基板プラグコンタクトデバイス(10)は、分離可能な1つの部品として形成されること
を特徴とする、
請求項6に記載の電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)。
【請求項13】
車両向けの電気エンティティ(0)用の電気的な回路基板接続部、特にパワー電気回路基板接続部(2)であって、
回路基板(1)と、前記回路基板(1)に取り付けられた少なくとも2つの電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)とを含み、
少なくとも1つの回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)は、請求項1または2に従って形成される、パワー電気回路基板接続部(2)において、
前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)は、前記回路基板(1)における前記回路基板コンタクト手段(100、100)間の最小直線距離が、前記回路基板(1)の上での前記プラグコンタクト手段(200)間の最小直線距離よりも大きくなるように、前記回路基板(1)に取り付けられることを特徴とする、
パワー電気回路基板接続部(2)。
【請求項14】
前記回路基板(1)において、
・その回路基板コンタクト手段(100、100)によって部分的に区切られた、前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)の2つの内部空間は、互いに向き合うこと、
・2つの実質的にL字形の回路基板コンタクト手段(100、100)によって部分的に区切られた内部空間全体は、実質的に矩形の構成を有すること、および/または
・前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10、10)の前記プラグコンタクト手段(200、200)は、前記回路基板接続部(2)の互いに反対側から前記回路基板接続部(2)に配置されること
を特徴とする、
請求項13に記載のパワー電気回路基板接続部(2)。
【請求項15】
電気エンティティ(0)、特に車両向けの実装回路基板(0)または補助ユニット(0)であって、
電気回路基板(1)と、その上のコネクタデバイス(10)としての電気的な高電圧回路基板プラグコンタクトデバイス(10)とを備えているか、または電気デバイスおよびパワー電気回路基板接続部(2)を備えている、エンティティ(0)において、
前記回路基板プラグコンタクトデバイス(10)または前記回路基板接続部(2)は、請求項13に従って形成されることを特徴とする、
電気エンティティ(0)。
【外国語明細書】