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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022192033
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】制御装置、及び制御システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20221221BHJP
   F24F 11/39 20180101ALI20221221BHJP
   F24F 11/54 20180101ALI20221221BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20221221BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20221221BHJP
   F24F 8/192 20210101ALI20221221BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F11/39
F24F11/54
F24F11/65
F24F7/003
F24F8/192
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096198
(22)【出願日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2021100386
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】花田 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】岡本 昌和
【テーマコード(参考)】
3L056
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD06
3L260AB15
3L260BA62
3L260CB57
3L260CB68
3L260CB78
3L260DA11
3L260EA04
3L260FC01
(57)【要約】
【課題】装置に設けられる機器の寿命に基づいて装置を制御する制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、第1装置(U1)の運転時間と該第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)の寿命に影響を与える環境状態を示す情報、及び第2装置(U2)の運転時間と該第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の寿命に影響を与える環境状態とを示す情報を示す第1情報を取得する取得部(54)と、該取得部(54)が取得した第1情報に基づいて、第1装置(U1)及び第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置(U1)の運転時間と該第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)の寿命に影響を与える環境状態を示す情報、及び第2装置(U2)の運転時間と該第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の寿命に影響を与える環境状態とを示す情報を示す第1情報を取得する取得部(54)と、
該取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)、及び第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の寿命に関する第1情報を取得する取得部(54)と、
該取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)の動作状態を設定し、かつ、該動作状態に基づいて前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項3】
第1装置(U1)及び第2装置(U2)の現在の運転状態を検知する検知部(51)と、
前記検知部(51)により検知された運転状態から、前記第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)及び前記第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の余寿命を予測する演算部(52)と、
前記演算部(52)により予測された前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の余寿命を示す第1情報を取得する取得部(54)と、
前記取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項4】
第1装置(U1)及び第2装置(U2)の運転中の環境状態、または、前記第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)及び前記第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の状態を示す第1情報を検出する検知部(51)と、
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)の運転モードを入力する入力部(53)と、
前記第1情報と、前記入力部(53)に入力された前記運転モードとに基づいて、前記第1装置(U1)と前記第2装置(U2)とを連動して制御する制御部(C2)とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項5】
前記制御部(C2)は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命の終期が同時期となるように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項1~4のいずれか1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部(C2)は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命が順次終了するように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項1~4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項7】
ユーザの操作に基づいて、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の所定の運用に関する情報が入力される入力部(53)をさらに備え、
前記制御部(C2)は、前記取得部(54)が取得した前記第1情報と、前記入力部(53)に入力された前記所定の運用に関する情報とに基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項1~3のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項8】
前記所定の運用に関する情報は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンスを行うためのメンテナンススケジュールであり、
前記制御部(C2)は、前記メンテナンススケジュールに合わせて、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命が終了するように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記メンテナンススケジュールは、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の交換時期を含む請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記所定の運用に関する情報は、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)の消費電力、及び前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンスに要する第1コストであり、
前記制御部(C2)は、前記第1コストと、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンス時期までに要する第2コストとを含む総コストが目標値以下となるように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項7に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第1コストは、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の設置、交換、点検、または修理に要する費用を含み、該費用には、メンテナンスに要する部品代、またはメンテナンスに要する人件費を含む請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)は、流体を吸い込む吸込口(22)と、流体を吐き出す吐出口(25)と、前記吸込口(22)と前記吐出口(25)とを連通する流体通路(26)とを有し、
前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)は、前記流体通路(26)に配置されるフィルタ(E)である請求項1~4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項13】
前記第1情報は、前記フィルタ(E)に付着する付着物の量、または、該付着物の時間変化量である請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)は、モータの駆動により前記流体通路(26)の流体を搬送する搬送器(31)をさらに備え、
前記第1情報は、前記モータの回転数、消費電力、運転時間、または、前記搬送器(31)が搬送する流体の静圧である請求項12に記載の制御装置。
【請求項15】
請求項1~4のいずれか1つに記載の前記制御装置と、前記第1装置(U1)と、前記第2装置(U2)とを備えた制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、及び制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数あるロボットの部品ごとに故障が予測されるか判断し、故障が予測される部品について故障時期を予測する制御装置が開示されている。制御装置は、故障予測時期に基づいて保守タイミングを調整し、保守タイミングまで稼働するようにロボットごとの作業負荷を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-190919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置の運転時間や運転回数が増えると、その分該装置に設けられる部品の性能劣化(経年劣化)が進む。性能劣化が進むと、該部品の寿命が短くなる。個々の装置の運転条件や運転時間等によって、各装置の部品の寿命は異なってくる。しかし、上述の制御装置では、ロボットの複数の部品のうち故障が予測された部品の故障時期は予測されているが、個々の部品の性能劣化(寿命)までは考慮されていない。
【0005】
本開示の目的は、装置に設けられる機器の寿命に基づいて装置を制御する制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、
第1装置(U1)の運転時間と該第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)の寿命に影響を与える環境状態を示す情報、及び第2装置(U2)の運転時間と該第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の寿命に影響を与える環境状態とを示す情報を示す第1情報を取得する取得部(54)と、
該取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える制御装置である。
【0007】
第1の態様では、複数の装置(U1,U2)の運転時間と各装置(U1,U2)に設けられる機器(E1,E2)のそれぞれの寿命に影響を与える環境状態とに基づいて、各機器(E)の寿命(性能劣化)を把握できる。環境状態は、例えば装置(U1,U2)が換気装置であり、機器(E1,E2)がフィルタである場合、塵埃などによる空気汚れの程度をいう。各機器(E)の寿命を把握することで、寿命の比較的長い機器(E)を有する装置(U)から優先的に運転させたり、寿命の比較的短い機器(E)を有する装置(U)の運転負荷を抑えたりするなど、各機器(E)の寿命に基づいて第1装置(U1)と第2装置(U2)とを連動して運転できる。また、各機器(E)の寿命に基づいて、第1装置(U1)と第2装置(U2)とを連動することによって、各機器(E)の寿命をコントロールできる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)、及び第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の寿命に関する第1情報を取得する取得部(54)と、
該取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)の動作状態を設定し、かつ、該動作状態に基づいて前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える制御装置である。
【0009】
第2の態様では、機器(E1,E2)の寿命に関する第1情報に基づいて、各機器(E)の寿命(性能劣化)を把握できる。第1情報は、例えば装置(U1,U2)が換気装置であり、機器(E1,E2)がフィルタである場合、機外静圧をいう。このように、各機器(E)の寿命を把握することで、第1の態様と同じ効果を得ることができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、第1装置(U1)及び第2装置(U2)の現在の運転状態を検知する検知部(51)と、
前記検知部(51)により検知された運転状態から、前記第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)及び前記第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の余寿命を予測する演算部(52)と、
前記演算部(52)により予測された前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の余寿命を示す第1情報を取得する取得部(54)と、
前記取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える制御装置である。
【0011】
第3の態様では、各装置(U1,U2)の現在の運転状態に基づいて各機器(E1,E2)の余寿命を予測する。運転状態は、例えば装置(U1,U2)が換気装置であり、機器(E1,E2)がフィルタである場合、換気装置が備えるファンの消費電力や回転数をいう。このことで、第1の態様と同じ効果を得ることができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第1装置(U1)及び第2装置(U2)の運転中の環境状態、または、前記第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)及び前記第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の状態を示す第1情報を検出する検知部(51)と、
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)の運転モードを入力する入力部(53)と、
前記第1情報と、前記入力部(53)に入力された前記運転モードとに基づいて、前記第1装置(U1)と前記第2装置(U2)とを連動して制御する制御部(C2)とを備える制御装置である。
【0013】
第4の態様では、各装置(U1,U2)の運転中の環境状態、または各機器(E1,E2)の状態に基づいて、各機器(E)の寿命(性能劣化)を把握できる。このように第1情報と運転モードとに基づいて各装置(U1,U2)を連動して制御できる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、
前記制御部(C2)は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命の終期が同時期となるように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる。
【0015】
第5の態様では、第1機器(E1)及び第2機器(E2)のメンテナンス時期を同じにすることができる。その結果、各機器(E)を一度にメンテナンスできるため、個々にメンテナンスするよりもコストを抑えることができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、
前記制御部(C2)は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命が順次終了するように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる。
【0017】
第6の態様では、第1装置(U1)と第2装置(U2)とのメンテナンス時期をずらして、各機器(E)のメンテナンスを行うことができるため、一回にかかるメンテナンスコストを抑えることができる。
【0018】
本開示の第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、
ユーザの操作に基づいて、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の所定の運用に関する情報が入力される入力部(53)をさらに備え、
前記制御部(C2)は、前記取得部(54)が取得した前記第1情報と、前記入力部(53)に入力された前記所定の運用に関する情報とに基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる。
【0019】
第7の態様では、各機器(E)の所定の運用に関する情報も考慮することで、各機器(E)の寿命のコントロールの精度を向上できる。
【0020】
本開示の第8の態様は、第7の態様において、
前記所定の運用に関する情報は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンスを行うためのメンテナンススケジュールであり、
前記制御部(C2)は、メンテナンススケジュールに合わせて、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命が終了するように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる。
【0021】
第8の態様では、メンテナンススケジュールに従って、各機器(E)の寿命をコントロールできる。このことにより、予想外の時期に機器(E)が故障することを抑制できる。また、ユーザは定期的に各機器(E)をメンテナンスできる。
【0022】
第9の態様は、第8の態様において、
前記メンテナンススケジュールは、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の交換時期を含む。
【0023】
第9の態様では、各機器(E)の性能を十分に発揮させてから機器(E)を交換できる。
【0024】
第10の態様は、第7の態様において、
前記所定の運用に関する情報は、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)の消費電力、及び前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンスに要する第1コストであり、
前記制御部(C2)は、前記第1コストと、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンス時期までに要する第2コストとを含む総コストが目標値以下となるように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる。
【0025】
第10の態様では、メンテナンス時期までに第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)が消費する電力に基づくコストと、メンテナンス時期に要するコストとを含む総コストを目標値以下となるように、各装置(U1,U2)を運転できる。このことで、省コスト化を実現できる。
【0026】
第11の態様は、第10の態様において、
前記第1コストは、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の設置、交換、点検、または修理に要する費用を含み、該費用には、メンテナンスに要する部品代、または修理メンテナンスに要する人件費を含む。
【0027】
第11の態様では、各機器(E)のメンテナンス(設置、交換、点検、または修理を含む)に要する費用に基づいて、第2コストを試算できる。
【0028】
第12の態様は、第1~第11の態様のいずれか1つにおいて、
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)は、流体を吸い込む吸込口(22)と、流体を吐き出す吐出口(25)と、前記吸込口(22)と前記吐出口(25)とを連通する流体通路(26)とを有し、
前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)は、前記流体通路(26)に配置されるフィルタ(E)である。
【0029】
第12の態様では、制御装置を、フィルタ(E)を有する装置(U)に適用できる。フィルタ(E)の寿命に基づいて、第1装置(U1)と第2装置(U2)とを連動して運転できる。
【0030】
第13の態様は、第12の態様において、
前記第1情報は、前記フィルタ(E)に付着する付着物の量、または、該付着物の時間変化量である。
【0031】
第13の態様では、フィルタ(E)に付着する付着物(塵埃などの微粒子)の量、または付着物の時間変化量を、フィルタ(E)の寿命の第1情報とすることができる。
【0032】
第14の態様は、第12又は13の態様において、
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)は、モータの駆動により前記流体通路(26)の流体を搬送する搬送器(31)をさらに備え、
前記第1情報は、前記モータの回転数、消費電力、運転時間、または、前記搬送器(31)が搬送する流体の静圧である。
【0033】
第14の態様では、モータの回転数、消費電力、運転時間、または、搬送器(31)が搬送する流体の静圧をフィルタ(E)の寿命の第1情報とすることができる。
【0034】
第15の態様は、第1~第14の態様のいずれか1つの前記制御装置と、前記第1装置(U1)と、前記第2装置(U2)とを備えた制御システムである。
【0035】
第15の態様では、第1装置(U1)、第2装置(U2)及び制御装置(C)を備えた制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、実施形態1に係る制御システムの概略を示す全体構成図である。
図2図2は、換気装置の概略を示す構成図である。
図3図3は、制御システムの制御装置のブロック図である。
図4図4は、換気装置の制御フローチャートである。
図5図5は、実施形態1の変形例に係る換気装置の図2に相当する図である。
図6図6は、実施形態2に係る換気装置の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において、組み合わせたり、一部を置換したりできる。
【0038】
《実施形態1》
-換気制御システム-
実施形態1に係る換気制御システム(10)は、本開示の制御システム(10)である。換気制御システム(10)は、複数の換気装置(U)と制御装置(C)を備えている。
【0039】
複数の換気装置(U)は、同一の室内空間を換気対象としている。換気装置(U)は、例えば天井裏に配置される。図1に模式的に示すように、本例の換気制御システム(10)は、3台の換気装置(U1~U3)を有する。
【0040】
3台の換気装置(U1~U3)は、第1換気装置(U1)、第2換気装置(U2)及び第3換気装置(U3)である。第1換気装置(U1)は、本開示の第1装置(U1)である。第2換気装置(U2)は、本開示の第2換気装置(U2)である。換気装置(U)の数量はこれに限らず、2台以上であれば如何なる数量であってもよい。制御装置(C)は、3台の換気装置(U)を制御する。3台の換気装置(U1~U3)は、同じ機器や部品で構成である。そのため、以下の説明では3台の換気装置(U1~U3)を区別せず、単に換気装置(U)と呼ぶことがある。また、以下の説明において、各換気装置(U)は、第1換気装置(U1)、第2換気装置(U2)、及び第3換気装置(U3)を指す。
【0041】
(1)換気装置
換気装置(U)の概略構成について図2を参照しながら説明する。換気装置(U)は、ケーシング(21)、給気ファン(31)、排気ファン(32)、全熱交換器(33)、及びフィルタ(E)を備えている。
【0042】
(1-1)ケーシング
ケーシング(21)は、中空の箱状に形成される。ケーシング(21)には、外気口(22)、排気口(23)、内気口(24)、及び給気口(25)が形成される。外気口(22)及び排気口(23)のそれぞれは、ダクトを介して室外空間と連通している。外気口(22)は、本開示の吸込口(22)である。外気口(22)は、室外空間の空気を吸い込む。空気は、本開示の流体である。内気口(24)及び給気口(25)のぞれぞれは、ダクトを介して室内空間と連通している。給気口(25)は、本開示の吐出口(25)である。給気口(25)は、空気を室内空間に連通するダクトに空気を吐き出す。
【0043】
ケーシング(21)の内部には、給気通路(26)と排気通路(27)とが形成される。給気通路(26)は、外気口(22)と給気口(25)とを連通するように形成される。給気通路(26)は、本開示の流体通路(26)である。排気通路(27)は、内気口(24)から排気口(23)に亘って形成される。給気通路(26)には給気ファン(31)が配置され、排気通路(27)には排気ファン(32)が配置される。
【0044】
(1-2)給気ファン及び排気ファン
給気ファン(31)及び排気ファン(32)は、例えばシロッコファンで構成される。給気ファン(31)及び排気ファン(32)は、各々の風量が可変に構成される。具体的に、給気ファン(31)及び排気ファン(32)に設けられるモータの回転数を制御することで、各ファン(31,32)の風量は多段階に切り換えられる。給気ファン(31)は、本開示の搬送器(31)である。給気ファン(31)は、モータの駆動により給気通路(26)の空気を搬送する。
【0045】
(1-3)全熱交換器
全熱交換器(33)は、給気通路(26)及び排気通路(27)に跨がるように配置される。全熱交換器(33)は、給気通路(26)に接続する第1通路(34)と、排気通路(27)に接続する第2通路(35)とを有する。全熱交換器(33)は、第1通路(34)を流れる第1空気と、第2通路(35)を流れる第2空気との間で、顕熱及び潜熱を交換させる。
【0046】
(1-4)フィルタ
フィルタ(E)は、給気通路(26)に配置される。具体的に、フィルタ(E)は、給気通路(26)における全熱交換器(33)よりも上流に配置される。フィルタ(E)は、外気口(22)から給気通路(26)に流入した空気に含まれる塵埃やダニ及び花粉などの微粒子を除去する。フィルタ(E)は、各換気装置(U)に設けられる。具体的に、第1換気装置(U1)は、第1フィルタ(E1)を備える。第2換気装置(U2)は、第2フィルタ(E2)を備える。第3換気装置(U3)は、第3フィルタ(E3)を備える。第1フィルタ(E1)は、本開示の第1機器(E1)である。第2フィルタ(E2)は、本開示の第2機器(E2)である。以下の説明では3つのフィルタ(E1~E3)を区別せず、単にフィルタ(E)と呼ぶことがある。また、以下の説明において、各フィルタ(E)は、第1フィルタ(E1)、第2フィルタ(E2)、及び第3フィルタ(E3)を指す。
【0047】
(2)制御装置
図3に示すように、制御装置(C)は、例えば制御基板と、制御基板に搭載されたプロセッサ(例えばマイクロコンピュータ)と、該プロセッサを動作させるためのソフトウェアを格納するメモリディバイス(例えば半導体メモリ)とを有する。制御装置(C)は、第1制御部(C1)及び第2制御部(C2)を有する。第1制御部(C1)及び第2制御部(C2)は、有線または無線の通信線により接続される。
【0048】
(2-1)第1制御部
第1制御部(C1)は、各換気装置(U)に設けられる。第1制御部(C1)は、ファン制御部(59)を有する。ファン制御部(59)は、第2制御部(C2)から出力される制御信号に基づいて、給気ファン(31)及び排気ファン(32)の運転を制御する。
【0049】
(2-2)第2制御部
第2制御部(C2)は、例えば、室内空間に配置されるリモコンである。第2制御部(C2)は、本開示の制御部(C2)である。第2制御部(C2)は、全ての換気装置(U1~U3)に共有される。第2制御部(C2)は、各換気装置(U)に運転指令を送信する。具体的に、例えば、第2制御部(C2)は、第1フィルタ(E1)及び第2フィルタ(E2)の寿命に関する情報に基づいて、各換気装置(U)の運転中の動作状態を設定する。詳細は後述するが、例えば第2制御部(C2)は、各給気ファン(31)及び各排気ファン(32)のON/OFFの切り換えや、所定の必要風量を満たすように各換気装置(U)の風量を割り当てる。具体的に、必要風量が600m/hである場合であって、かつ、3台の換気装置(U1~U3)のうち第1換気装置(U1)と第2換気装置(U2)とを運転する場合、第1換気装置(U1)の風量を300m/hとし、第2換気装置(U2)の風量を300m/hとして運転したり、第1換気装置(U1)の風量を500m/hとし、第2換気装置(U2)の風量を100m/hとして運転する。
【0050】
このように、第2制御部(C2)は、風量バランスを取るように各換気装置(U)の動作状態を設定する。第2制御部(C2)は、この設定された動作状態に基づいて、各換気装置(U)を連動して運転させる。各フィルタ(E)の寿命に関する情報は、後述する取得部(54)が取得する。
【0051】
第2制御部(C2)は、検知部(51)、演算部(52)、入力部(53)、取得部(54)、運転計画部(55)、及び記憶部(56)を備える。
【0052】
(2-2-1)検知部
検知部(51)は、各換気装置(U)の運転状態を検知する。具体的に、検知部(51)は、各換気装置(U)の給気ファン(31)及び排気ファン(32)の消費電力とモータ回転数とを検知する。
【0053】
(2-2-2)演算部
演算部(52)は、給気ファン(31)の消費電力とモータの回転数とに基づいて機外静圧を演算する。機外静圧は、本開示の給気ファン(31)が搬送する空気の静圧である。演算部(52)は、給気ファン(31)及び排気ファン(32)の各風量に対応する消費電力のコストを求める。
【0054】
(2-2-3)入力部
入力部(53)には、換気装置(U)の所定の運用に関する情報が入力される。所定の運用に関する情報は、例えば、換気装置(U)のメンテナンススケジュール、換気装置(U)に関する費用、及び、換気装置(U1~U3)の消費電力を含む。以下の説明において、「各換気装置(U)のフィルタ(E)」は、第1フィルタ(E1)及び第2フィルタ(E2)を含む。所定の運用情報は、ユーザの操作により入力される。
【0055】
メンテナンススケジュールは、各換気装置(U)のフィルタ(E)のメンテナンスを行うためのスケジュールである。本例のメンテナンスは、フィルタ(E)の交換である。メンテナンススケジュールは、各換気装置(U)のフィルタ(E)の交換時期である。フィルタ(E)の交換時期は、予め決められているフィルタ(E)の耐用期間に基づいて設定されてもよいし、任意に設定されてもよい。
【0056】
換気装置(U)に関するコストは、各換気装置(U)のフィルタ(E)に関する第1コストである。具体的に、第1コストは、各換気装置(U)のフィルタ(E)の交換に要する費用である。フィルタ(E)の交換に要する費用は、フィルタ(E)代、フィルタ(E)に付属する部品代、交換に要する人件費などを含む。
【0057】
換気装置(U1~U3)の消費電力は、本開示の第1装置(U1)及び第2装置(U2)の消費電力である。本例の換気装置(U1~U3)の消費電力は、給気ファン(31)及び排気ファン(32)の消費電力である。具体的に、本例の換気装置(U1~U3)の消費電力は、給気ファン(31)及び排気ファン(32)のモータの回転数に応じた消費電力である。言い換えると、換気装置(U1~U3)の消費電力は、給気ファン(31)及び排気ファン(32)の風量に応じた消費電力である。
【0058】
(2-2-4)取得部
取得部(54)は、各フィルタ(E)の寿命に関する第1情報を取得する。ここで寿命は、フィルタ(E)が使用不可能な状態になると予測される時期までの期間をいう。使用不可能な状態とは、フィルタ(E)の機能が発揮できくなる状態をいう。フィルタ(E)が使用不可能な状態になると予測される時期とは、フィルタ(E)の寿命の終期をいう。寿命の終期は、特定の日(例えば、〇月×日)であってもよいし、ある期間(例えば1カ月後~2カ月後の間)であってもよい。
【0059】
本実施形態の第1情報は、機外静圧の大きさである。例えば、給気通路(26)を流れる空気に含まれる塵埃等によりフィルタ(E)に目詰まりが生じている場合は、機外静圧が大きくなり、風量が低下する。このように、機外静圧の大きさを第1情報とすることで、フィルタ(E)の寿命を予測できる。機外静圧は、給気口(25)に接続されるダクトの長さや形状等の影響をうける。そのため、第1~第3換気装置(U1~U3)の給気口(25)に接続されるダクトの長さや形状等が異なる場合、各換気装置(U)に応じた所定の基準値を設け、機外静圧の実測値と基準値との差の変化値をフィルタ(E)の寿命に関する第1情報としてもよい。この場合において、所定の基準値は、フィルタ(E)の交換直後の機外静圧の値としてもよい。
【0060】
(2-2-5)記憶部
記憶部(56)には、4種類の運転モード(第1運転モード、第2運転モード、第3運転モード、及び第4運転モード)が保存されている。各運転モードについては後述する。
【0061】
(2-2-6)運転計画部
運転計画部(55)は、4種類の運転モードから選択される1の運転モードに基づいて、第1~第3換気装置(U1~U3)の制御パターンを作成する。1の運転モードは、ユーザの操作により選択される。以下、各運転モードについて説明する。
【0062】
第1運転モードは、各フィルタ(E)の第1情報に基づいて、3つのフィルタ(E)の寿命の終期が同時期になるように、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させるモードである。例えば、第1運転モードでは、第1~第3換気装置(U1~U3)について機外静圧の大きさ(第1情報)が同じになるように各換気装置(U)が制御される。具体的に、機外静圧が小さい換気装置(U)から順に風量を割り当てることで、室内空間へ必要な給気量(必要風量)を満たすように3つの換気装置(U)を制御する。この場合、寿命の比較的長い(性能劣化が比較的進んでいない)フィルタ(E)を備える換気装置(U)が優先的に運転されることで該フィルタ(E)の性能劣化が進み、最終的に、第1~第3換気装置(U1~U3)の第1~第3フィルタ(E1~E3)の寿命が同じになる。
【0063】
第2運転モードは、各フィルタ(E)の第1情報に基づいて、第1~第3フィルタ(E1~E3)の寿命が順次終了するように、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させるモードである。例えば、第2運転モードでは、3つの換気装置(U1~U3)のうち機外静圧(第1情報)の最も大きい換気装置(U)から順に風量を割り当てることで、必要風量を満たすように第1~第3換気装置(U1~U3)を制御する。この場合、寿命の最も短い(性能劣化が最も進んでいる)フィルタ(E)を備える換気装置(U)を優先的に運転することで、該換気装置(U)は他の換気装置(U)よりも早く寿命を終える。次に、残りの2つの換気装置(U)うち機外静圧の高い一方を優先的に運転することで、他方の換気装置(U)よりも早く寿命を終える。
【0064】
第3運転モードは、各フィルタ(E)の第1情報及び各フィルタ(E)のメンテナンススケジュールに基づいて、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させるモードである。例えば、第3運転モードでは、第1フィルタ(E1)の交換時期に第1フィルタ(E1)の寿命が終了するように、第1~第3換気装置(U1~U3)の給気ファン(31)及び排気ファン(32)を連動して運転する。
【0065】
具体的に、第3運転モードでは、メンテナンス時期までの期間よりも寿命が長い(性能劣化が比較的進んでいない)フィルタ(E)があれば、該フィルタ(E)を有する換気装置(U)の能力(給気ファン(31)の回転数)を上げることで優先的に必要風量を割り当てる。一方、メンテナンス時期までの期間よりも寿命が短い(性能劣化が比較的進んでいる)フィルタ(E)があれば、該フィルタ(E)を有する換気装置(U)の能力(給気ファン(31)の回転数)を下げることで割り当てられる風量を抑える。
【0066】
このように、フィルタ(E)のメンテナンス時期と該フィルタ(E)の寿命の終期とを合わせるように換気装置(U)を運転する。第1~第3換気装置(U1~U3)は、必要風量を満たすように制御されればよく、フィルタ(E)のメンテナンス時期よりも該フィルタ(E)の寿命の終期の方が遅くなってもよい。また、第3運転モードは、第1~第3フィルタ(E1~E3)すべてのメンテナンススケジュールに合わせて実行されてもよいし、第1~第3フィルタ(E1~E3)の一部のメンテナンススケジュールに合わせて実行されてもよい。
【0067】
第4運転モードは、第1~第3フィルタ(E1~E3)の第1情報、第1~第3換気装置(U1~U3)の消費電力、及び第1~第3フィルタ(E1~E3)の第1コストに基づいて、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させるモードである。ここで、第1~第3換気装置(U1~U3)の消費電力は、給気ファン(31)及び排気ファン(32)の各風量における消費電力である。
【0068】
具体的に、第4運転モードは、第1コストと、第1~第3機器(E1~E3)のメンテナンス時期までに要する第2コストとを含む総コストが目標値以下となるように各換気装置(U)の給気ファン(31)及び排気ファン(32)を連動して運転させる。目標値は、予め決められた値であってもよいし、ユーザに適宜設定される値であってもよいし、自動的に設定される値であってもよい。第2コストには、第1~第3換気装置(U1~U3)の給気ファン(31)及び排気ファン(32)の各風量における消費電力に基づくコストが含まれる。
【0069】
本例の総コストの目標値は、総コストの推定値が最小となる値である。具体的に、運転計画部(55)は、複数の制御パターンを作成し、制御パターンごとに、次回のメンテナンスに要するコスト(第1コスト)と、次回のメンテナンス時期までに要するコスト(第2コスト)とを含む総コストの試算を行う。運転計画部(55)は、この試算の結果に基づいて、最も総コストが低いと推定される制御パターンを選択する。制御パターンは、1つまたは2つの換気装置を選択して集中的に運転する制御であってもよいし、2つまたは3つの換気装置(U)を満遍なく運転する制御であってもよいし、これらを組み合わせて行う制御であってもよい。このような制御パターンは、第4運転モードに限られず、第1~第3運転モードに適用されてもよい。
【0070】
-運転制御-
制御装置(C)による各換気装置(U)の運転制御について図4を参照しながら説明する。
【0071】
ステップST1では、制御装置(C)は、室内空間への給気に必要な風量(必要風量)を設定する。例えば、必要風量は、室内空間の人数に基づいて求められてもよいし、室内空間の二酸化炭素濃度に基づいて求められてもよい。
【0072】
ステップST2では、制御装置(C)は、各換気装置(U)の機外静圧の値(第1情報)を取得する。
【0073】
ステップST3では、制御装置(C)は、第1運転モードが選択されたか判定する。第1運転モードが選択された場合、ステップST8が実行される。第1運転モードが選択されなかった場合、ステップST4が実行される。
【0074】
ステップST4では、制御装置(C)は、第2運転モードが選択されたか判定する。第2運転モードが選択された場合、ステップST8が実行される。第2運転モードが選択されなかった場合、ステップST5が実行される。
【0075】
ステップST5では、制御装置(C)は、第3運転モードが選択されたか判定する。第3運転モードが選択された場合、ステップST8が実行される。第3運転モードが選択されなかった場合、ステップST6が実行される。
【0076】
ステップST6では、制御装置(C)は、第4運転モードが選択されたか判定する。第4運転モードが選択された場合、ステップST8が実行される。第4運転モードが選択されなかった場合、ステップST7が実行される。
【0077】
ステップST7では、制御装置(C)は、第1運転モードを設定する。
【0078】
ステップST8では、制御装置(C)は、ステップST3~ST7において選択された運転モードに基づいて、第1~第3換気装置(U1~U3)の制御パターンを作成する。
【0079】
ステップST9では、制御装置(C)は、ステップST8で作成された制御パターンに従って、第1~第3換気装置(U1~U3)に給気ファン(31)及び排気ファン(32)を制御する。
【0080】
-実施形態1の効果-
実施形態1の制御装置(C)は、第1換気装置(U1)の運転時間と該第1換気装置(U1)に設けられる第1フィルタ(E1)の寿命に影響を与える環境状態を示す情報、及び第2換気装置(U2)の運転時間と該第2換気装置(U2)に設けられる第2フィルタ(E2)の寿命に影響を与える環境状態とを示す情報を示す第1情報を取得する取得部(54)と、該取得部(54)が取得した第1情報に基づいて、第1換気装置(U1)及び第2換気装置(U2)を連動して運転させる第2制御部(C2)(制御部)とを備える。
【0081】
実施形態1の制御装置(C)によると、第1情報に基づいて各フィルタ(E)の寿命を把握できる。各フィルタ(E)の寿命に基づいて、3つの換気装置(U1~U3)を連動して運転することによって、各フィルタ(E)の寿命をコントロールできる。このことで、例えば、特定の換気装置(U)に運転負荷が集中することを避けるように3つの換気装置(U1~U3)を運転すれば、いずれか1つのフィルタ(E)の寿命が終えることに起因して、室内空間の換気状態が低下してしまうことを抑制できる。特に、3つのフィルタ(E)のうち、故障が予測されたフィルタ(E)の故障時期に基づいて3つの換気装置(U1~U3)を平準化して運転する場合よりも、本実施形態の制御装置(C)は、3つのフィルタ(E1~E3)の寿命の偏りを考慮して3つの換気装置(U1~U3)を制御できるため、各フィルタ(E)のメンテナンス時期をコントロールできる。
【0082】
実施形態1の制御装置(C)では、第2制御部(C2)は、第1~第3フィルタ(E1~E3)の寿命の終期が同時期となるように、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させる。このことで、3つのフィルタ(E1~E3)の交換時期を同じにすることができる。その結果、3つのフィルタ(E1~E3)を一度に交換できるため、個々に異なる時期に交換するよりもコストを抑えることができる。
【0083】
実施形態1の制御装置(C)では、第2制御部(C2)は、第1~第3フィルタ(E1~E3)の寿命が順次終了するように、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させる。このことで、第1換気装置(U1)、第2換気装置(U2)及び第3換気装置(U3)とのメンテナンス時期をずらして、各フィルタ(E)の交換を行うことができるため、一回にかかるメンテナンスコストを抑えることができる。
【0084】
実施形態1の制御装置(C)は、ユーザの操作に基づいて、第1~第3フィルタ(E1~E3)の所定の運用に関する情報が入力される入力部(53)をさらに備える。第2制御部(C2)は、取得部(54)が取得した第1情報と、入力部(53)に入力された運用に関する情報とに基づいて、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させる。このことで、各フィルタ(E)の第1情報のみならず、各フィルタ(E)の運用に関する情報も考慮することで、各フィルタ(E)の寿命を精度高くコントロールできる。
【0085】
実施形態1の制御装置(C)において、所定の運用に関する情報は、第1~第3フィルタ(E1~E3)のメンテナンスを行うためのメンテナンススケジュールである。第2制御部(C2)は、メンテナンススケジュールに合わせて、第1~第3フィルタ(E1~E3)の寿命が終了するように、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させる。このことにより、メンテナンススケジュールに従って、各フィルタ(E)の寿命をコントロールできる。このことにより、予想外の時期にフィルタ(E)が故障することを抑制できる。また、ユーザは定期的に各機器(E)をメンテナンスできる。
【0086】
実施形態1の制御装置(C)において、メンテナンススケジュールは、第1~第3フィルタ(E1~E3)の交換時期を含む。このことにより、各フィルタ(E)の性能を十分に発揮させてから該フィルタ(E)を交換できる。フィルタ(E)を使い切ってから交換できるため省エネ化を実現できる。
【0087】
実施形態1の制御装置(C)において、所定の運用に関する情報は、第1~第3換気装置(U1~U3)の消費電力、及び、第1~第3機器(E1~E3)のメンテナンスに要する第1コストである。第2制御部(C2)は、第1コストと、第1~第3機器(E1~E3)のメンテナンス時期までに要する第2コストとを含む総コストが目標値以下となるように、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転させる。このことにより、次回メンテナンス時期までに発生する総コストを抑えることができる。その結果、省コスト化を実現できる。
【0088】
実施形態1の制御装置(C)では、第1コストは、第1~第3フィルタ(E1~E3)の設置、交換、点検、または修理に要する費用を含み、該費用には、メンテナンスに要する部品代、またはメンテナンスに要する人件費を含む。このような第1コストを考慮して各換気装置(U)の運転を制御することで、より精度の高い省コスト化を実現できる。
【0089】
実施形態1の制御装置(C)では、第1~第3換気装置(U1~U3)は、流体を吸い込む吸込口(22)と、流体を吐き出す吐出口(25)と、吸込口(22)と吐出口(25)とを連通する給気通路(26)(流体通路)とを有する。各フィルタ(E1~E3)は、給気通路(26)に配置される。本開示の制御装置(C)を換気装置(U1~U3)に適用することで、フィルタ(E)の寿命に基づいて、第1~第3装置(U1~U3)を連動して運転できる。
【0090】
実施形態1において、第1~第3換気装置(U1~U3)は、モータの駆動により給気通路(26)の空気を搬送する給気ファン(31)(搬送器)をさらに備える。実施形態1において、第1情報は、給気ファン(31)が搬送する空気の機外静圧である。機外静圧が大きい場合、給気口における給気風量は低下している。このことにより、目詰まり等によるフィルタ(E)の性能劣化が進んでいることがわかる。このように、機外静圧を第1情報とすることで、フィルタ(E)の寿命を把握できる。
【0091】
実施形態の換気制御システム(10)(制御システム)は、制御装置(C)と、第1換気装置(U1)と、第2換気装置(U2)と、第3換気装置(U3)とを備える。このような換気制御システム(10)により、室内空間の換気状態の低下を抑制できる。
【0092】
《実施形態1の変形例1》
図5に示すように、本例の各換気装置(U)は、粉じんセンサ(41)及び風速センサ(42)を備える。以下の説明では、上記実施形態1と異なる構成について説明する。
【0093】
粉じんセンサ(41)及び風速センサ(42)は、給気通路(26)におけるフィルタ(E)よりも上流に配置される。粉じんセンサ(41)は、外気口(22)から給気通路(26)に流入した空気に含まれる塵埃や花粉などの微粒子を検出する。風速センサ(42)は、給気通路(26)において空気がフィルタ(E)を通過する前の風速を検出する。
【0094】
本例の演算部(52)は、フィルタ(E)に付着する微粒子の量を算出する。具体的に、演算部(52)は、粉じんセンサ(41)の検出値と給気通路(26)の風速とに基づいて、フィルタ(E)に付着すると推定される微粒子量を演算する。微粒子は、本開示の付着物である。粉じんセンサ(41)が検出した所定の粒径よりも大きい粒子(例えば、フィルタを通過できない程度の粒径を有する微粒子)の単位時間あたりの量、及び風速により、一定期間にフィルタ(E)に付着する微粒子量を推定できる。
【0095】
本例の取得部(54)は、各換気装置(U)の運転時間を示す情報と、各フィルタ(E)の寿命に影響を与える環境状態とを示す第1情報を取得する。環境状態は、空気の汚れの程度をいい、本例では、演算部(52)により推定されたフィルタ(E)に付着する微粒子の量を示す。付着する微粒子量が多いほど、フィルタ(E)の性能劣化が進んでいる(寿命が短くなっている)ことが推測される。
【0096】
本例の第2制御部(C2)は、取得部(54)で取得された第1情報に基づいて、各換気装置(U)を連動して運転させる。具体的に、第2制御部(C2)は、取得部(54)で取得された各換気装置(U)の運転時間の情報、及び各換気装置(U)に設けられるフィルタ(E)に付着する微粒子の量に基づいて、第1~第3換気装置(U1~U3)を連動して運転する。
【0097】
このことで、各フィルタ(E1~E3)の寿命をコントロールできる。また、第1情報に基づいて、上記実施形態1と同様に第1~第4運転モードを実行できる。
【0098】
《実施形態1の変形例2》
本例の各換気装置(U)は、粉じんセンサ(41)及び風速センサ(42)を備える。以下の説明では、上記実施形態1と異なる構成について説明する。
【0099】
検知部(51)は、換気装置(U)の運転時における環境情報を検知する。具体的に、検知部(51)は、粉じんセンサ(41)及び風速センサ(42)が検知した情報に基づいて、演算部(52)が求めたフィルタ(E)に付着した微粒子量を検知する。
【0100】
入力部(53)は、選択された運転モードを受け付ける。運転モードの選択は、ユーザにより行われてもよいし、自動で行われてもよい。例えば、入力部(53)は、上記実施形態1の第1運転モード、または第2運転モードを受け付ける。
【0101】
第2制御部(C2)は、検知部(51)が検知した環境情報と、入力部(53)に入力された運転モードとに基づいて、各換気装置(U)を連動して制御する。検知部(51)は、各フィルタ(E)の状態を検知してもよい。具体的に、検知部(51)は、各換気装置(U)の機外静圧や、各給気ファン(31)の消費電力またはファン回転数を検知してもよい。この場合、第2制御部(C2)は、検知部(51)が検知した各フィルタ(E)の状態と、入力部(53)に入力された運転モードとに基づいて、各換気装置(U)を連動して制御する。
【0102】
《実施形態2》
図6に示すように、本例の制御装置(C)は、室内空間に配置された複数の電気集塵機(U)(第1電気集塵機(U1)及び第2電気集塵機(U2)を含む)に適用される。本例の制御システム(10)は、制御装置(C)と複数の電気集塵機(U)を有する。
【0103】
本例において、本開示の装置(U)は電気集塵機(U)である。電気集塵機(U)は、電極部(E)、ファン(61)及びカメラ(62)を備える。電極部(E)、ファン(61)、及びカメラ(62)は、電気集塵機(U)に設けられる空気入口(63)と空気出口(64)とを連通する空気通路(65)に配置される。
【0104】
ファン(61)は、空気通路(65)の空気を空気入口(63)から空気出口(64)へ搬送する。
【0105】
電極部(E)は、空気入口(63)に吸い込まれた室内空間の空気に含まれる塵埃などの汚れを集める。電極部(E)は、本開示の機器(E)である。具体的に、電極部(E)は、放電極(EL1)と集塵極(EL2)とを有する。放電極(EL1)と集塵極(EL2)との間に電圧をかけると、空気通路(65)に吸い込まれた空気中の塵埃に電荷が付与され、電荷を帯びた塵埃は集塵極(EL2)に引き寄せられる。運転時間が長くなったり、空気中に含まれる塵埃等の微粒子が多いと、電極部(E)への微粒子の付着量が増大し、寿命が短くなる。
【0106】
本例において、本開示の第1情報は、カメラ(62)で撮像された電極部(E)及び電極部(E)周辺の画像データに基づく。具体的に、第1情報は、画像データから判定される電極部(E)及びその周辺の微粒子による汚れの度合いである。
【0107】
このように、本例においても、制御装置(C)は、それぞれの電気集塵機(U)に設けられる電極部(E)の寿命に関する第1情報(第1電気集塵機(U1)の第1電極部(E1)の寿命に関する第1情報、及び第2電気集塵機(U2)の第2電極部(E2)の寿命に関する第1情報を含む)に基づいて、複数の電気集塵機(U)を連動させて運転する。このことで、各電気集塵機(U)の電極部(E)の寿命をコントロールできる。
【0108】
本例において、第1情報を電気集塵機(U)に設けられる粉じんセンサ(図示省略)のセンサ値としてもよい。具体的に、粉じんセンサは、空気通路(65)における電極部(E)の下流側に配置される。粉じんセンサによる粉じん量の検出値が増大すると、電極部(E)での集塵効果が低下していることがわかる。このように、第1情報を、粉じんセンサのセンサ値にできる。
【0109】
《実施形態3》
実施形態3の制御システム(10)は、工場などの作業室内に配置された複数の工作機に適用される。この場合、本開示の装置(U)は工作機(図示省略)である。制御システム(10)は、制御装置(C)と複数の工作機を有する。
【0110】
工作機は、ドリル(図示省略)と、該ドリルの摩耗を検出する検出部(図示省略)とを有する。ドリルは、本開示の機器(E)である。検出部は、ドリルの摩耗の度合いを検出する。検出値が高いほど摩耗の度合いが高い。本例におけるドリルの寿命の第1情報は、検出部による検出値である。このように、制御装置(C)は、各ドリルの寿命に関する第1情報に基づいて、複数の工作機を連動させて運転する。このことで、各ドリル(E)の寿命をコントロールできる。
【0111】
《実施形態4》
実施形態4の制御システム(10)は、自動車に適用される。具体的に、本例の装置(U)は、自動車に設けられる駆動輪である。本例の機器(E)は、駆動輪に取り付けられる4つのタイヤである。制御システム(10)は、各タイヤの摩耗量を検知する検知装置を備える。この場合において、該検知装置により検知されるタイヤの摩耗量が、タイヤの寿命に関する第1情報となる。制御装置(C)は、第1情報に基づいて、駆動輪を連動して運転させる。例えば、4つのタイヤにおいて摩耗の進み具合に差がある場合は、制御装置(C)は、4つのタイヤの摩耗度が同じくらいになるように、4つの駆動輪を連動させて制御する。
【0112】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0113】
上記実施形態において、各フィルタ(E)の寿命に関する情報は機外静圧に基づかなくてもよい。具体的に、演算部(52)は、各給気ファン(31)の消費電力及びモータの回転数から、各フィルタ(E)の余寿命を予測してもよい。この場合、取得部(54)は、演算部(52)により予測された各フィルタ(E)の余寿命を取得する。第2制御部(C2)は、前記取得部(54)が取得した各フィルタ(E)の余寿命の情報に基づいて、第1換気装置(U1)~第3換気装置(U3)を連動して運転させる。
【0114】
実施形態1の変形例1において、第1情報は、各換気装置(U)の運転時間を含まなくてもよい。すなわち、第1情報は、フィルタ(E)の寿命に影響を与える環境情報のみであってもよい。
【0115】
上記実施形態1及び変形例において、フィルタ(E)の寿命に関する第1情報は、給気ファン(31)のモータ回転数、及び、給気ファン(31)の消費電力量であってもよい。また、フィルタ(E)の寿命に関する第1情報は、排気ファン(32)のモータ回転数、及び、排気ファン(32)の消費電力であってもよい。
【0116】
上記実施形態1の変形例において、フィルタ(E)の寿命に関する第1情報は、フィルタ(E)に付着した微粒子の時間変化量としてもよい。
【0117】
上記実施形態1及び変形例において、フィルタ(E)の寿命に関する第1情報は、機外静圧及び微粒子のフィルタ(E)への付着量であってもよい。第1情報が2つあることで、フィルタ(E)の寿命をより精度よくコントロールできる。
【0118】
上記実施形態1において、メンテナンススケジュールは、フィルタ(E)の交換時期以外を含んでもよい。例えば、メンテナンススケジュールは、フィルタ(E)の点検、修理などの時期を含んでもよい。
【0119】
上記実施形態1において、メンテナンスは、各フィルタ(E)の設置、点検または修理を含んでもよい。第2コストは、フィルタ(E)の換気装置(U)への設置、点検または修理に要する費用であってもよい。この費用には、設置、点検または修理に要する部品代や、それらに要する人件費が含まれてもよい。
【0120】
本開示の装置(U)は、フィルタ(E)を備える装置であればよく、空気清浄機、空気調和装置、バグフィルタ、加湿器、除湿器、浄水器などであってもよい。装置(U)内に流れる流体は、水などの液体であってもよい。
【0121】
本開示の機器(E)は、装置(U)の運転に伴って性能劣化が進む機器または部品であればよい。
【0122】
換気装置(U)は、フィルタ(E)を2つ以上有していてもよい。この場合、制御装置(C)は、それぞれのフィルタ(E)の第1情報に基づいて、複数の換気装置(U)を連動して運転させる。
【0123】
換気装置(U)に設けられる機器(E)は、運転に伴って性能劣化が進む機器または部品であればよく、フィルタ(E)以外の機器や部品を含んでいてもよい。また、換気装置(U)は、フィルタ(E)を備える機器を有していてもよい。
【0124】
第2制御部(C2)は、クラウドであってもよい。また、第2制御部(C2)は、室内空間に固定されるコントローラであってもよいし、室外に配置されるコントローラであってもよい。
【0125】
上記実施形態1において、入力部(53)に入力される所定の運用に関する情報は、ユーザの操作に基づいて入力されなくてもよい。例えば、給気ファン(31)及び排気ファン(32)の消費電力が計測される場合、該計測値が入力部(53)に自動的に入力されてもよい。
【0126】
上記実施形態1において、メンテナンスは、フィルタ(E)の修理や、保守点検などであってもよい。また、メンテナンス時期は、フィルタ(E)の修理や、保守点検の時期などであってもよい。
【0127】
上記実施形態1における制御装置(C)による制御は、メンテナンス時期までの間に複数回行われてもよい。この制御は、定期的または不定期に行われてもよい。この制御は、例えば、室内空間の環境の変化(室温、湿度、酸素濃度等)に応じて行われてもよい。
【0128】
上記実施形態1において、運転計画部(55)により作成される制御パターンは、給気ファン(31)及び排気ファン(32)の制御パターンであってもよいし、給気ファン(31)のみの制御パターンであってもよい。
【0129】
上記実施形態1において、フィルタ(E)の寿命に関する情報は、機外静圧以外に、各換気装置(U)の運転時間を含んでもよい。
【0130】
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0131】
以上説明したように、本開示は、制御装置及び制御システムについて有用である。
【符号の説明】
【0132】
E1 第1フィルタ(第1機器)
E2 第1フィルタ(第2機器)
U1 第1換気装置(第1装置)
U2 第2換気装置(第2装置)
C2 第2制御部(制御部)
22 吸込口
25 吐出口
26 流体通路
31 給気ファン(搬送器)
53 入力部
54 取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置(U1)の運転時間と該第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)の寿命に影響を与える環境状態を示す情報、及び第2装置(U2)の運転時間と該第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の寿命に影響を与える環境状態とを示す情報を示す第1情報を取得する取得部(54)と、
該取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)、及び第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の寿命に関する第1情報を取得する取得部(54)と、
該取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)に能力を割り当てるように動作状態を設定し、かつ、該動作状態に基づいて前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項3】
第1装置(U1)及び第2装置(U2)の現在の運転状態を検知する検知部(51)と、
前記検知部(51)により検知された現在の運転状態から、前記第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)及び前記第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の余寿命を予測する演算部(52)と、
前記演算部(52)により予測された前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の余寿命を示す第1情報を取得する取得部(54)と、
前記取得部(54)が取得した前記第1情報に基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる制御部(C2)とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項4】
第1装置(U1)及び第2装置(U2)の運転中の環境状態、または、前記第1装置(U1)に設けられる第1機器(E1)及び前記第2装置(U2)に設けられる第2機器(E2)の状態を示す第1情報を検出する検知部(51)と、
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を運転する複数の運転モードを記憶する記憶部(56)と、
前記運転モードを入力する入力部(53)と、
前記第1情報と、前記入力部(53)に入力された前記運転モードとに基づいて、前記第1装置(U1)と前記第2装置(U2)とを連動して制御する制御部(C2)とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項5】
前記制御部(C2)は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命の終期が同時期となるように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項1~4のいずれか1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部(C2)は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命が順次終了するように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項1~4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項7】
ユーザの操作に基づいて、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の所定の運用に関する情報が入力される入力部(53)をさらに備え、
前記制御部(C2)は、前記取得部(54)が取得した前記第1情報と、前記入力部(53)に入力された前記所定の運用に関する情報とに基づいて、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項1~3のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項8】
前記所定の運用に関する情報は、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンスを行うためのメンテナンススケジュールであり、
前記制御部(C2)は、前記メンテナンススケジュールに合わせて、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の寿命が終了するように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記メンテナンススケジュールは、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の交換時期を含む請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記所定の運用に関する情報は、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)の消費電力、及び前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンスに要する第1コストであり、
前記制御部(C2)は、前記第1コストと、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)のメンテナンス時期までに要する第2コストとを含む総コストが目標値以下となるように、前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)を連動して運転させる請求項7に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第1コストは、前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)の設置、交換、点検、または修理に要する費用を含み、該費用には、メンテナンスに要する部品代、またはメンテナンスに要する人件費を含む請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)は、流体を吸い込む吸込口(22)と、流体を吐き出す吐出口(25)と、前記吸込口(22)と前記吐出口(25)とを連通する流体通路(26)とを有し、
前記第1機器(E1)及び前記第2機器(E2)は、前記流体通路(26)に配置されるフィルタ(E)である請求項1~4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項13】
前記第1情報は、前記フィルタ(E)に付着する付着物の量、または、該付着物の時間変化量である請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記第1装置(U1)及び前記第2装置(U2)は、モータの駆動により前記流体通路(26)の流体を搬送する搬送器(31)をさらに備え、
前記第1情報は、前記モータの回転数、消費電力、運転時間、または、前記搬送器(31)が搬送する流体の静圧である請求項12に記載の制御装置。
【請求項15】
請求項1~4のいずれか1つに記載の前記制御装置と、前記第1装置(U1)と、前記第2装置(U2)とを備えた制御システム。