(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022192071
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】広告媒体、広告媒体セット及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221221BHJP
G09F 1/06 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G09F1/06
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170757
(22)【出願日】2022-10-25
(62)【分割の表示】P 2021099835の分割
【原出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】519112368
【氏名又は名称】河合 重政
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】河合 重政
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告の内容を強くアピールすることができる広告媒体、広告媒体セット及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】広告媒体は、開閉可能な表シート及び裏シートと、前記表シート及び裏シート夫々の周縁の一部を封止し、前記表シート及び裏シートを閉じた状態に保持するための封止部と、前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、前記立体部は、前記封止部の封止を解除して前記表シート及び裏シートが開かれた場合に内面から立体状に展開し情報を提示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な表シート及び裏シートと、
前記表シート及び裏シート夫々の周縁の一部を封止し、前記表シート及び裏シートを閉じた状態に保持するための封止部と、
前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、
前記立体部は、前記封止部の封止を解除して前記表シート及び裏シートが開かれた場合に内面から立体状に展開し情報を提示する
広告媒体。
【請求項2】
前記表シート及び裏シートは夫々の周縁の他部で連続し、連続部を中心として開閉可能であり、前記立体部は、前記表シート及び裏シートが見開かれた場合に前記内面から立体状に展開する請求項1に記載の広告媒体。
【請求項3】
前記表シート及び裏シートは、夫々の一辺で連続する矩形のシートであり、前記封止部は、少なくとも前記一辺に対向する辺を封止している請求項1又は請求項2に記載の広告媒体。
【請求項4】
前記封止部は、再粘着が可能な粘着剤により前記表シート及び裏シートを閉じた状態に保持している請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項5】
夫々の周縁の一部で連続し、連続部を中心として開閉可能な表シート及び裏シートと、
前記表シート及び裏シートを閉じた状態で封入する袋体と、
前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、
前記立体部は、前記袋体から取り出され前記表シート及び裏シートが開かれた場合に前記内面から立体状に展開し情報を提示する
広告媒体。
【請求項6】
前記立体部には、一部が取外しできるようミシン目が形成されており、取外された前記立体部の一部が商品又はサービスのクーポン券となる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項7】
前記立体部は、スポンジ製である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項8】
前記表シートと前記裏シートとの間に設けられる中間シートを備え、
前記表シート及び前記裏シート並びに前記中間シートにおける各内面には、相異なる情報を提示する前記立体部が形成されている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項9】
前記表シートと前記裏シートとの間に設けられる中間シートを備え、
前記表シート及び前記裏シート並びに前記中間シートにおける第1の内面に前記建物における所定の部屋の間仕切りを表す前記立体部が形成され、
前記表シート及び前記裏シート並びに前記中間シートにおける第2の内面に前記建物の全体を表す立体部が形成されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項10】
出版物に添付されている請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項11】
前記表シート及び裏シートは、前記出版物の本文ページよりも硬質である請求項10に記載の広告媒体。
【請求項12】
前記立体部が提示する情報は、1次元コード又は2次元コードを含む請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項13】
前記内面又は前記立体部に関連するAR映像が表示される請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項14】
電源部を備え、前記立体部は前記電源部による電力を用いて音声又は光を発生する請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の広告媒体。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の広告媒体を複数備える広告媒体セット。
【請求項16】
開閉可能な表シート及び裏シートと、前記表シート及び裏シート夫々の周縁の一部を封止し、前記表シート及び裏シートを閉じた状態に保持するための封止部と、前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、前記立体部は、前記封止部の封止を解除して前記表シート及び裏シートが開かれた場合に前記内面から立体状に展開し情報を提示する広告媒体の前記内面又は前記立体部の映像を取得し、
取得した前記内面又は前記立体部の映像と共に、前記立体部に関連するAR映像を表示する
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項17】
夫々の周縁の一部で連続し、連続部を中心として開閉可能な表シート及び裏シートと、前記表シート及び裏シートを閉じた状態で封入する袋体と、前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、前記立体部は、前記袋体から取り出され前記表シート及び裏シートが開かれた場合に前記内面から立体状に展開し情報を提示する広告媒体の前記内面又は前記立体部の映像を取得し、
取得した前記内面又は前記立体部の映像と共に、前記内面又は前記立体部に関連するAR映像を表示する
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記AR映像は動画像であり、
動画像の再生指示を受け付け、
前記再生指示を受け付けた場合、前記動画像を表示する
請求項16又は請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記AR映像が表示された場合に、閲覧しているユーザのユーザ情報又は閲覧履歴を送信する
請求項16から請求項18のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
GPSによる位置情報を取得し、
取得した位置情報に応じた前記AR映像を表示する
請求項16から請求項19のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告媒体、広告媒体セット及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告すべき内容、伝えるべき知識、又は見せるべき画像等の情報が記載された広告が用いられている。特許文献1には、新聞、雑誌等の消費媒体の価値を向上させることができる消費媒体連動広告方法が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の消費媒体連動広告方法においては、消費媒体に掲載された広告の内容に識別番号が付与されており、この識別番号に基づいて懸賞の当落が確認される。懸賞に当選した場合、消費媒体の所持を条件に賞金又は賞品が授与されるので、消費媒体が長期的に保存される。この結果、消費媒体の所持者が掲載された広告の内容を何度も読み返す可能性が大きくなるため、消費媒体の価値が向上するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の消費媒体連動広告方法の場合、消費媒体の所有者が懸賞のみに興味関心を寄せている場合、消費媒体に記載された広告の情報が所有者に十分に伝わらないおそれがある。
【0006】
本開示の目的は、広告の内容を強くアピールすることができる広告媒体、広告媒体セット及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る広告媒体は、開閉可能な表シート及び裏シートと、前記表シート及び裏シート夫々の周縁の一部を封止し、前記表シート及び裏シートを閉じた状態に保持するための封止部と、前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、前記立体部は、前記封止部の封止を解除して前記表シート及び裏シートが開かれた場合に内面から立体状に展開し情報を提示する。
【0008】
本態様にあっては、広告媒体の受取人が封止を解除し表シート及び裏シートを開くと、立体部が立体状に展開される。広告媒体は、受取人に視覚的に強いインパクトを与えることができる。さらに、広告媒体は、封止部により閉じた状態を保持することができ郵送に適するため、郵便物として利用され得る。本態様にあっては、広告媒体は建物の情報を含んでおり、例えば不動産情報として利用され得る。立体的に情報が表されるため、建物のイメージがわきやすい。
【0009】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記表シート及び裏シートは夫々の周縁の他部で連続し、連続部を中心として開閉可能であり、前記立体部は、前記表シート及び裏シートが見開かれた場合に前記内面から立体状に展開する。
【0010】
本態様にあっては、表シート及び裏シートは連続部で連続するため1枚のシートから形成が容易であり、広告媒体は、見開きで多くの情報を提示することができる。
【0011】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記表シート及び裏シートは、夫々の一辺で連続する矩形のシートであり、前記封止部は、少なくとも前記一辺に対向する辺を封止している。
【0012】
本態様にあっては、矩形の表シート及び裏シートの連続部に対向する一辺が封止されるため、カード状又は冊子状の形状を有する広告媒体を得ることができる。
【0013】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記封止部は、再粘着が可能な粘着剤により前記表シート及び裏シートを閉じた状態に保持している。
【0014】
本態様にあっては、一旦開いた広告媒体を再び閉じて封じることができるため、繰り返し使用することが可能である。
【0015】
本開示の一態様に係る広告媒体は、夫々の周縁の一部で連続し、連続部を中心として開閉可能な表シート及び裏シートと、前記表シート及び裏シートを閉じた状態で封入する袋体と、前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、前記立体部は、前記袋体から取り出され前記表シート及び裏シートが開かれた場合に前記内面から立体状に展開し情報を提示する。
【0016】
本態様にあっては、広告媒体の受取人が開閉を解除し表シート及び裏シートを開くと、立体部が立体状に展開される。広告媒体は袋体に封入されるため、表シート及び裏シートに封止部を設けなくてもよく、表シート及び裏シートの形状の自由度が高い。
【0017】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記立体部には、一部が取外しできるようミシン目が形成されており、取外された前記立体部の一部が商品又はサービスのクーポン券となる。
【0018】
本態様にあっては、広告媒体の受取人は、立体部の一部をクーポン券として利用することができ、広告媒体の利用用途を広げることができる。
【0019】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記立体部は、スポンジ製である。
【0020】
本態様にあっては、スポンジ製の立体部は軽量であり、三次元的に広がるため形状の自由度が高い。
【0021】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記表シートと前記裏シートとの間に複数の中間シートを備え、各内面には、相異なる情報を提示する前記立体部が形成されている。
【0022】
本態様にあっては、内面毎に相異なる情報を提示する立体部が立ち上がるため、広告媒体は多くの情報を提示することができる。
【0023】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記表シートと前記裏シートとの間に設けられる中間シートを備え、前記表シート及び前記裏シート並びに前記中間シートにおける第1の内面に前記建物における所定の部屋の間仕切りを表す前記立体部が形成され、前記表シート及び前記裏シート並びに前記中間シートにおける第2の内面に前記建物の全体を表す立体部が形成されている。
【0024】
本態様にあっては、広告媒体は建物全体及び部屋の情報を含んでおり、例えば不動産情報として利用され得る。立体的に情報が表されるため、不動産のイメージがわきやすい。
【0025】
本開示の一態様に係る広告媒体は、出版物に添付されている。
【0026】
本態様にあっては、広告媒体は出版物に添付され、例えば雑誌の付録として広告媒体を付随させることができる。
【0027】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記表シート及び裏シートは、前記出版物の本文ページよりも硬質である。
【0028】
本態様にあっては、表シート及び裏シートが硬質であるため、出版物に綴じ込まれていても広告媒体の存在感が増し、立体部を立てる時に安定する。
【0029】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記立体部が提示する情報は、1次元コード又は2次元コードを含む。
【0030】
本態様にあっては、1次元コード又は2次元コードが読み取られることにより、広告媒体は、より多くの情報を受取人に与えることができる。
【0031】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記内面又は前記立体部に関連するAR映像が表示される。
【0032】
本態様にあっては、広告媒体はAR(Augmented Reality:拡張現実)映像と共に利用が可能である。AR映像と連携した広告媒体の映像は視覚的なインパクトが強いので、広告媒体が提示する情報を受取人に強くアピールすることができる。
【0033】
本開示の一態様に係る広告媒体は、電源部を備え、前記立体部は前記電源部による電力を用いて音声又は光を発生する。
【0034】
本態様にあっては、広告媒体は、音声又は光の連動を伴うことで、受取人にさらなる視覚的又は聴覚的に強いインパクトを与えることができる。
【0035】
本開示の一態様に係る広告媒体セットは、上述のいずれかの広告媒体を複数備える。本態様にあっては、複数の広告媒体を備えるため、広告内容に対する受取人の興味をより強く惹き起こすことができる。
【0036】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、開閉可能な表シート及び裏シートと、前記表シート及び裏シート夫々の周縁の一部を封止し、前記表シート及び裏シートを閉じた状態に保持するための封止部と、前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、前記立体部は、前記封止部の封止を解除して前記表シート及び裏シートが開かれた場合に前記内面から立体状に展開し情報を提示する広告媒体の前記内面又は前記立体部の映像を取得し、取得した前記内面又は前記立体部の映像と共に、前記立体部に関連するAR映像を表示する処理をコンピュータに実行させる。
【0037】
本態様にあっては、広告媒体と共にAR映像が表示される。AR映像と連携した広告媒体の映像は視覚的なインパクトが強いので、広告媒体が提示する情報を受取人に強くアピールすることができる。また、AR映像の表示によって、広告媒体は多くの情報を受取人に与えることができる。
【0038】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、夫々の周縁の一部で連続し、連続部を中心として開閉可能な表シート及び裏シートと、前記表シート及び裏シートを閉じた状態で封入する袋体と、前記表シートと裏シートとの内面に記載された建物に関する間取り図に応じて前記建物の間仕切りを表す立体部とを備え、前記立体部は、前記袋体から取り出され前記表シート及び裏シートが開かれた場合に前記内面から立体状に展開し情報を提示する広告媒体の前記内面又は前記立体部の映像を取得し、取得した前記内面又は前記立体部の映像と共に、前記内面又は前記立体部に関連するAR映像を表示する
処理をコンピュータに実行させる。
【0039】
本態様にあっては、広告媒体と共にAR映像が表示される。AR映像と連携した広告媒体の映像は視覚的なインパクトが強いので、広告媒体が提示する情報を受取人に強くアピールすることができる。また、AR映像の表示によって、広告媒体は多くの情報を受取人に与えることができる。
【0040】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、前記AR映像は動画像であり、動画像の再生指示を受け付け、前記再生指示を受け付けた場合、前記動画像を表示する処理をコンピュータに実行させる。
【0041】
本態様にあっては、動画像のAR映像が表示される。AR映像と連携した広告媒体の映像は視覚的なインパクトが強いので、広告媒体が提示する情報を受取人に強くアピールすることができる。また、AR映像の表示によって、広告媒体は多くの情報を受取人に与えることができる。
【0042】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、前記AR映像が表示された場合に、閲覧しているユーザのユーザ情報又は閲覧履歴を送信する処理をコンピュータに実行させる。
【0043】
本態様にあっては、AR映像が表示された場合に所定の情報が送信されるので、コンピュータの外部にて例えば閲覧履歴を収集することができる。
【0044】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、GPSによる位置情報を取得し、取得した位置情報に応じた前記AR映像を表示する処理をコンピュータに実行させる。
【0045】
本態様にあっては、GPSによる位置情報に応じたAR映像が表示されるので、広告媒体の受取人の現在地に対応する情報を提示することができる。
【0046】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記内面に地図が提示され、施設の所在地に対応する前記地図の上の位置に前記施設の立体物が形成されている。
【0047】
本態様にあっては、広告媒体は地図情報を含んでおり、例えば店舗への道案内のための地図として利用され得る。地図の上に立体物が形成されているため視覚的に分かりやすく、情報が伝わりやすい。
【0048】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記内面には、商品の情報が記載され、前記立体部の形状は、前記商品の形状を表わしている。
【0049】
本態様にあっては、広告媒体には商品の情報が記載され、例えば商品のパンフレット(案内状、説明書)として利用され得る。立体部は商品の形状を表わしており、当該商品を強く印象付けることができる。
【0050】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記内面には、複数の競技施設で分散して競技が開催される競技に関する情報が記載され、前記立体部の形状は、前記複数の競技施設中の一の競技施設を表している。
【0051】
本態様にあっては、広告媒体には競技施設の情報が記載され、例えば競技施設のパンフレットとして利用され得る。立体的に情報が表されるため、競技施設のイメージがわきやすい。
【0052】
本開示の一態様に係る広告媒体は、競技施設毎に異なる競技施設の前記立体部が形成され、複数種類の競技の内、前記立体部が形成された競技施設にて開催される競技に関する情報が前記内面に記載されている。
【0053】
本態様にあっては、広告媒体には競技施設及び競技に関する情報が記載され、例えば競技のパンフレットとして利用され得る。立体的に情報が表されるため、競技施設及び競技のイメージがわきやすい。
【0054】
本開示の一態様に係る広告媒体は、前記内面には、娯楽施設に関する情報が記載され、前記立体部の形状は、前記娯楽施設内に設置される複数の建築物又は設備を表している。
【0055】
本態様にあっては、広告媒体は、娯楽施設に関する情報が記載され、例えば娯楽施設のパンフレットとして利用され得る。立体的に情報が表されるため、娯楽施設のイメージがわきやすい。
【0056】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、前記内面には、複数の競技施設で分散して競技が開催される競技に関する情報が記載され、前記立体部の形状は、前記複数の競技施設中の一の競技施設を表しており、立ち上がった競技施設中の位置情報を取得し、取得した位置情報に対応する前記競技施設の情報を表示する処理をコンピュータに実行させる。
【0057】
本態様にあっては、位置情報に応じた競技施設の情報が表示されるので、広告媒体の受取人の現在地に対応する情報を提示することができる。
【0058】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、前記内面には、複数の競技施設で分散して競技が開催される競技に関する情報が記載され、前記立体部の形状は、前記複数の競技施設中の一の競技施設を表しており、日時情報に対応する前記競技施設で開催される競技に関する情報を表示する処理をコンピュータに実行させる。
【0059】
本態様にあっては、日時情報に応じた競技に関する情報が表示されるので、広告媒体の受取人に日時情報に対応する情報を提示することができる。
【発明の効果】
【0060】
本開示に係る広告媒体、広告媒体セット及びコンピュータプログラムによれば、広告の内容を強くアピールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】実施の形態1に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図2】実施の形態1に係る広告媒体の閉じた状態を示す説明図である。
【
図3】実施の形態1に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図5】実施の形態2に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図6】実施の形態3に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図7】第1部分と、第2部分とが取外された状態を示す説明図である
【
図8】実施の形態4に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図9】一ページ目の見開き面を模式的に示す説明図である。
【
図10】二ページ目の見開き面を模式的に示す説明図である。
【
図11】三ページ目の見開き面を模式的に示す説明図である。
【
図12】実施の形態5に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図13】実施の形態5におけるAR表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】AR表示システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】実施の形態6におけるAR表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図17】データベースに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図18】データベースに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図19】実施の形態6におけるAR表示システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図20】実施の形態6におけるAR映像の表示例を示す説明図である。
【
図21】実施の形態7におけるデータベースに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図22】実施の形態7におけるAR表示システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図23】ユーザによる領域の選択方法の一例を説明する説明図である。
【
図24】実施の形態7におけるAR映像の表示例を示す説明図である。
【
図25】実施の形態8におけるAR映像の表示例を示す説明図である。
【
図26】実施の形態9に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図27】実施の形態9における端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図28】実施の形態10に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図29】実施の形態11に係る広告媒体を示す説明図である。
【
図30】実施の形態12に係る広告媒体1を示す説明図である。
【
図31】実施の形態13に係る広告媒体1を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態1に係る広告媒体1は、例えば店舗案内として配布される広告媒体である。広告媒体1は、矩形の表シート11と、裏シート12とを備える。表シート11及び裏シート12の材料は限定されるものではないが、例えば、紙、樹脂、及び金属等の材料であってよい。表シート11及び裏シート12は、夫々の周縁の一辺を連続部13として連続しており、連続部13を中心として開閉可能である。
図1は、表シート11及び裏シート12が開いた状態を示している。表シート11及び裏シート12の見開き面(内面)20には、例えば広告すべき店舗及びその周辺を示す地図が記載されている。見開き面20に記載された地図の上には、立体部21が形成されている。
【0063】
図2は、実施の形態1に係る広告媒体1の閉じた状態を示す説明図である。表シート11及び裏シート12は、連続部13で折り畳まれ、連続部13に対向する側辺を封止部14とし閉じた状態で保持されている。封止部14は、例えば接着剤等による接着によって封止を実現している。封止部14の内側には、側辺に平行に(側辺に沿って)切り離し線
(例えばミシン目等)15が形成されている。封止部14は切り離し線15に沿って切り離すことができ、封止部14を切り離すことで、表シート11及び裏シート12は開くことができる。封止部14は、立体部21の形状及び厚み等に応じて適宜の幅や厚みを有するものであってよい。
【0064】
図2中の破線で示す様に、立体部21は、表シート11と裏シート12との間に折り畳まれた状態で保持されている。表シート11と裏シート12とが開かれると、立体部21は立体的に立ち上がり、地図上に表れる。立体部21の材料は限定されるものではないが、例えば、紙、樹脂及び金属等の材料であってよい。
【0065】
立体部21はそれぞれ、例えば広告すべき店舗及び周辺の施設を表している。
図1の例では、立体部21は、広告すべき店舗の建物、最寄り駅、信号、周辺建物等の模型である。立体部21は、夫々が表している施設の所在地に対応するように、見開き面20に記載された地図上の位置に形成されている。このように、広告媒体1は、見開き面20に記載された平面地図に加えて、立体部21により、それぞれの位置、形状、色、及び大きさ等の様々な情報を提示する。
【0066】
広告媒体1は、例えば出版物に綴じ込まれることで出版物に添付され、出版物に付随し配布される。
図3は、実施の形態1に係る広告媒体1を示す説明図である。広告媒体1は、
図3中に矢印で示されるように出版物3の本文ページ31の間に挿入され、封止された状態で出版物3に一体的に綴じ込まれる。出版物3は、例えば雑誌、書籍等である。
【0067】
本構成によれば、二次元広告媒体を三次元化することができる。立体部21の立ち上がりは視覚的なインパクトが強いので、広告媒体1は、内容を受取人に強くアピールすることができ、有効に伝えることができる。また、広告媒体1は、見開き面20に記載される情報に加えて立体部21により情報を提示するため、多くの情報を提示することができる。ここで、立体部21が伝える情報とは、立体部21が立体的に表しているものに関する様々な情報である。例えば印刷又は書き込み等によって立体部21に記載される情報、あるいは立体部そのものの形状、大きさ等により伝えられる情報である。
【0068】
なお立体部21の構成は限定されるものではなく、見開き面20上に立体的に展開可能であればよい。立体部21は、例えば可動、回転等を伴うよう構成されてもよい。
【0069】
本実施の形態では、広告媒体1は、矩形の表シート11と裏シート12とが、夫々の一辺を連続部13として連続している構成としたが、広告媒体1の構成は限定されるものではなく、表シート11及び裏シート12の形状は矩形に限られない。表シート11及び裏シート12は、例えば円形、多角形等の適宜の形状であってよく、周縁の一部を連続部13として連続し、連続部13と異なる周縁の一部に封止部14を備えていてよい。
図4は、封止部14の異なる形態を示す説明図である。表シート11及び裏シート12は、例えば
図4に示されるように、一辺を連続部13として連続し、他の三辺に封止部14を備えていてよい。
【0070】
また、本実施の形態では、表シート11及び裏シート12は、接着剤による接着によって封止を実現する構成としたが、封止を実現する方法は限定されるものでない。表シート11及び裏シート12は、他の方法、例えば粘着剤、テープ等による粘着によって封止を実現されてよい。
【0071】
また、本実施の形態では、表シート11及び裏シート12は切り離し線15の切り離しによって封止を解除される構成としたが、封止を解除する方法は限定されるものでない。表シート11及び裏シート12は、剥離可能な粘着剤による粘着によって封止を実現し、粘着を剥離することで切り離すことなく封止を解除されることで、開閉可能に構成されてよい。
【0072】
さらに、表シート11及び裏シート12は、再粘着が可能な粘着剤による粘着によって封止を実現されることで、一旦開かれた後に再度閉じた状態を保持することができてよい。広告媒体1は、開かれる時に与えるインパクトが強い。広告媒体1は、受取人が開いた時のインパクトを楽しむため繰り返し開かれることで、提示する情報が繰り返し目に留まり、情報を印象付けることができる。
【0073】
さらに、
図3に示すように広告媒体1が出版物3に綴じ込まれている場合においては、表シート11及び裏シート12は、本文ページ31よりも硬質の材料で構成するのが好ましい。表シート11及び裏シート12が硬質であるため、出版物3内での広告媒体1の存在感が増す。広告媒体1の存在が受取人に気付かれ易く、広告媒体1の綴じ込みを印象付けることができる。さらに硬質のシートは本文ページ31の押さえとして機能し、表シート11及び裏シート12が開いた状態を保ちやすく、立体部21を立てる時に安定する。この場合においては、封止部14には軟らかい材料を用い、封止を解除し易い構成であるのが好ましい。
【0074】
図3では、広告媒体1が出版物3の本文中に一体的に綴じ込まれ、出版物3に添付される例を説明したが、広告媒体1の出版物3への添付方法は
図3の例に限定されない。例えば、広告媒体1は、出版物3の別冊として粘着等により出版物3に取り付けられることで、出版物3に添付されていてもよい。また広告媒体1は、フィルム等を用いて出版物3と一体的に包装されることで、出版物3に添付されていてもよい。広告媒体1は、出版物3に付随するものに限定されず、単独の広告物として構成されるものであってもよいことは勿論である。
【0075】
(実施の形態2)
実施の形態2においては、立体部21が提示する情報は、1次元コード又は2次元コードである情報コード211を含む。
図5は、実施の形態2に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0076】
本実施の形態における広告媒体1は、例えば店舗案内として配布される広告媒体である。広告媒体1は、広告すべき店舗及びその周辺を示す地図の情報が記載されている見開き面20を有し、見開き面20に記載されている地図の上には、地図の各位置に存在する建造物等を立体的に表し、前記建造物等の情報を提示する立体部21が形成されている。一又は複数の立体部21には、情報コード211が記載されている。情報コード211は、例えばQRコード(登録商標)等の1次元コード又は2次元コードを含む。なお情報コード211は、立体部21のみではなく見開き面20にも記載されていてよい。
【0077】
情報コード211には、例えば、広告媒体1に含まれる商品又は役務の電子チラシ、電子クーポン、電子チケット等に関する情報や、広告媒体1に含まれる商品又は役務のためのウォレットサービス、電子決済等に関する情報が含まれてよい。
【0078】
広告媒体1の受取人は、例えばスマートフォン等の情報処理装置を使用して、情報コード211を読み取り、情報コード211に基づいた情報を表示画面に表示させることで、さらに多くの情報を受け取ることができる。また広告媒体1は、立体部21に情報コード211が記載されることで、受取人に情報コード211の存在をよりアピールすることができる。
【0079】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る広告媒体1は、例えば飲食店の新商品の内容を案内するために配布される広告媒体である。
図6は、実施の形態3に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0080】
広告媒体1は、半楕円形の表シート11と裏シート12とを備える。表シート11及び裏シート12は、夫々の弦を連続部13として連続しており、連続部13を中心として開閉可能である。表シート11及び裏シート12夫々の円周に沿って封止部14及び切り離し線15が形成されている。
【0081】
表シート11及び裏シート12の見開き面20には、例えば広告すべき飲食店の店舗情報及び新商品であるハンバーガーの情報が記載されており、立体部21は、ハンバーガーの形状を立体的に表している。立体部21は、押し付けられたときに充分に圧縮し、その力が除かれると立ち上がりもとの形状に復元する性質を有する素材、例えばスポンジ、ウレタン等の樹脂等で形成されている。なお立体部21の構成は限定されるものではなく、折り畳み形状で形成されていてよい。
【0082】
立体部21は、第1部分213、第2部分214、第3部分215から構成され、夫々の境界部にはミシン目216が形成されている。
図6の例では、第1部分213はハンバーガーのバンズ部分、第2部分214は具材であるチーズ、第3部分215は肉等の他の具材及びバンズを表すように形成されている。第1部分213及び第2部分214、第2部分214及び第3部分215は、例えばミシン目216が切り離されることによって、相互に取外しが可能である。
【0083】
図7は、第1部分213と、第2部分214とが取外された状態を示す説明図である。立体部21には、受取人が第1部分213を取外すと、例えば商品の優待情報(クーポン券)が記載されている第2部分214が設けられている。受取人は、第2部分214を第3部分215から取外し、店舗にてクーポン券として利用することができる。
【0084】
本構成によれば、立体部21の一部を取外して利用可能なため、広告媒体1の利用価値が高まる。また広告媒体1は、開封時のインパクトに加えて、立体部21の提示する情報に対する受取人の期待感を膨らませることができ、より情報を印象付けることができる。
【0085】
また、上記のように立体部21が商品の形状を表す場合において、表シート11及び裏シート12のサイズ内で形成が可能なときは、立体部21は前記商品の原寸大に形成されるのが好ましい。受取人は、具体的に商品を想像することができ、情報が正確に伝わる。
【0086】
図7では、商品のクーポン券が第2部分214に記載されている例を説明したが、第2部分214に記載される情報は商品のクーポン券に限定されるものでなく、例えば各種サービス(役務)に係るクーポン券であってよい。また商品又はサービスの説明、チケット等であってよい。
なお本実施の形態では、第1部分213及び第2部分214が取外し可能としたが、取外し可能な部分の数は限定されるものでない。また、立体部21は、一部が取外される構成でなく、全体が取外される構成であってよい。また、立体部21の取外し方法は上記に限定されるものでなく、例えば剥離可能な粘着剤で粘着しておく、あるいは力を加えることで容易に千切ることが可能な素材を用いる等によって実現されてよい。
【0087】
本実施形態によれば、広告媒体1は、受取人に広告対象となる商品を強くアピールすることができるため、例えば商品のチラシ、リーフレット、パンフレット、カタログ等として好適に利用できる。
【0088】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る広告媒体1は、例えば不動産(例えばタワーマンション、テナントビル等)情報を案内する広告媒体であり、袋体に封入されている。
図8は、実施の形態4に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0089】
広告媒体1は、表シート11と裏シート12との間に、複数の中間シート19をさらに備え、閉じた状態で袋体4に封入されている。表シート11、裏シート12、及び中間シート19は袋体4から取り出すことにより開くことができ、夫々の見開き面20から立体部21が立ち上がる。袋体4は、例えば封筒等であり、折り返し部分41の一部を閉じ部42とし、例えば接着剤等による接着によって封止を実現している。
【0090】
各見開き面20には相異なる情報を提示する立体部21が形成されている。
図9は、一ページ目の見開き面20を模式的に示す説明図である。見開き面20には例えば広告すべき不動産であるタワーマンションに関する詳細情報及び周辺の地図が記載され、前記タワーマンション及び周辺施設の立体形状を表す立体部21が形成されている。
【0091】
他のページの見開き面20には、前記不動産をより詳しく説明する情報が記載されている。
図10は、二ページ目の見開き面20を模式的に示す説明図である。
図11は、三ページ目の見開き面20を模式的に示す説明図である。
図10に示すように、二ページ目の見開き面20には、例えばタワーマンションの1室である2LDKの部屋のリビングや第1洋室等の配置を示す間取り図が記載され、間取り図の上には、間仕切りを立体的に表す立体部21が形成されている。
図11に示すように、三ページ目の見開き面20には、二ページ目で提示されている部屋とは異なる間取りを有する、例えば3LDKの部屋のリビングや第3洋室等の配置を示す間取り図が記載され、間取り図の上には、間仕切りを立体的に表す立体部21が形成されている。
【0092】
本構成によれば、広告媒体1は、複数の見開き面20を有し、見開き面20毎に相異なる情報を表す立体部21が形成されている。従って、広告媒体1は、受取人に多くの情報を与えることができるとともに、ページをめくる期待感を与えることができる。また広告媒体1は、袋体4に封入されることで閉じた状態を保持するため、表シート11及び裏シート12の形状の自由度が高まる。
【0093】
(実施の形態5)
実施の形態5においては、広告媒体1はAR映像と共に利用される。
図12は、実施の形態5に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0094】
実施の形態5における広告媒体1は、例えばスポーツ競技大会の試合の開催情報を案内する広告媒体である。前記競技大会は、例えば複数の競技施設で分散して開催される。
図12に示されるように、見開き面20には競技に関する情報が記載され、競技が開催される一の施設を表す立体部21が形成されている。見開き面20と立体部21との少なくとも一方には、例えばARマーカー218が記載されており、AR映像を表示させるための情報として認識される。なお広告媒体1は、ARマーカー218が記載されている構成に限定されるものでなく、見開き面20と立体部21との少なくとも一方がARマーカー218として機能する(認識される)構成であってよい。
【0095】
図13は、実施の形態5におけるAR表示システムの構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態におけるAR表示システムは、AR映像配信装置6、端末装置7及びネットワークNを含む。
【0096】
AR映像配信装置6は、本システムで広告媒体1の受取人(ユーザ)に提供するAR映像を管理する管理装置であり、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ等である。なお、AR映像配信装置6は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。端末装置7は、ユーザの管理する例えばスマートフォン又はタブレット端末など、種々の情報処理、情報の送受信が可能な汎用装置である。
【0097】
ネットワークNは、公衆網N1、キャリアネットワークN2を含む。公衆網N1は所謂インターネットである。キャリアネットワークN2は、次世代又は次々世代高速携帯通信規格等の規格に基づく無線通信を実現する通信キャリアが提供するネットワークである。公衆網N1はアクセスポイントAPを含む。キャリアネットワークN2は基地局BSを含む。端末装置7は無線通信機能により、アクセスポイントAP又は基地局BSにより、公衆網N1に通信接続されているAR映像配信装置6との通信接続が可能である。
【0098】
AR映像配信装置6は、制御部61、通信部62、及び記憶部63を備える。制御部61は、CPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサと、メモリ等を用いる。
【0099】
通信部62は、通信に関する処理を行うための処理回路等を含み、端末装置7等と情報の送受信を行う。
【0100】
記憶部63は、例えば大容量メモリ、ハードディスク等であり、制御部61が処理を実行するために必要なサーバプログラム6Pを含むコンピュータプログラム、その他のデータを記憶している。記憶部63は、例えば各AR映像コンテンツを識別する識別情報に対応付けて、静止画像又は動画像を含む複数のAR映像コンテンツを記憶している。サーバプログラム6Pは、記録媒体69にコンピュータ読み取り可能に記録されている態様であってもよい。記憶部63は、図示しない読出装置によって記録媒体69から読み出されたサーバプログラム69Pを記憶する。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからサーバプログラム6Pをダウンロードし、記憶部63に記憶させたものであってもよい。
【0101】
端末装置7は、制御部71、通信部72、表示部73、撮影部74、操作部75、音声出力部76、位置情報取得部77及び記憶部78を備える。制御部71は、CPU、GPU等のプロセッサと、メモリ等を用いる。なお制御部71は、プロセッサ、メモリ、更には通信部72及び記憶部78を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてよい。
【0102】
通信部72は、通信に関する処理を行うための処理回路等を含み、AR映像配信装置6等と情報の送受信を行う。
【0103】
表示部73は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置であり、制御部71から与えられた画像を表示する。
【0104】
撮影部74は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )、又はCCD
(Charge Coupled Device )等のイメージセンサを備えた撮影装置である。制御部71は、撮影部74で撮影された映像を取得し、記憶部78に映像データとして記憶させることが可能である。
【0105】
操作部75は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス等を用いる。操作部75は、物理ボタン又はタッチパネルにて表示部73で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、図示しないマイクロフォン等を用いて音声で操作を受け付けてもよい。
【0106】
音声出力部76は、音声を再生するための音声出力デバイスであり、スピーカ等を用いる。音声出力部76は、制御部71からの音声出力制御に従い、AR映像の表示内容に則した音声を出力する。
【0107】
位置情報取得部77は、例えばGPS(Global Positioning System)に基づく信号を受信するアンテナを含んで端末装置7の位置を測定する。位置情報取得部77は、ネットワークNに含まれる複数のアクセスポイントAP、基地局BSとの通信により位置を特定してもよい。位置情報取得部77は、測定した位置を示す位置情報(例えば緯度経度)を制御部71へ出力する。また位置情報取得部77は、ジャイロセンサを用いて回転角速度の測定情報を制御部71へ出力する。さらに位置情報取得部77は、加速度センサを用いて加速度を示す信号を制御部71へ出力する。
【0108】
記憶部78は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。記憶部78は制御部71が処理を実行するために必要なアプリプログラム7Pを含むコンピュータプログラム、その他のデータを記憶している。アプリプログラム7Pは、記憶媒体79に記憶されたアプリプログラム79Pを制御部71が通信部72又は図示しない読出装置を介して読み出して記憶部78に複製したものであってもよい。制御部71は、アプリプログラム7Pを読み出して実行することにより、広告媒体1の映像を撮影する端末装置7をAR映像表示装置として機能させる。
【0109】
図14は、AR表示システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。端末装置7の制御部71は、撮影部74で広告媒体1の撮影を開始し(ステップS11)、撮影映像を取得する(ステップS12)。撮影映像には、見開き面20と立体部21との少なくとも一方が含まれており、制御部71は、ARマーカー218を認識する(ステップS13)。なお、制御部71がARマーカー218を認識することで、自動的に撮影が開始されてもよい。制御部71は、認識したARマーカー218に基づくAR映像リクエストを通信部72を介してAR映像配信装置6へ送信する(ステップS14)。
【0110】
AR映像配信装置6の制御部61は、通信部62により端末装置7からのAR映像リクエストを受信し(ステップS21)、ARマーカー218に応じたAR映像を特定する。ARマーカー218には、例えば広告媒体1に応じたAR映像コンテンツを識別するためのAR映像IDが含まれている。制御部61は、通信部62を介して端末装置7へ特定したAR映像を送信する(ステップS22)。
【0111】
制御部71は、AR映像配信装置6から送信されるAR映像を通信部72により取得する(ステップS15)。なお制御部71は、ARマーカー218に対応するAR映像を予めAR映像配信装置6からダウンロードしておき、記憶部78に記憶されるAR映像を読み出すことにより、AR映像を取得してもよい。制御部71は、撮影映像及びAR映像を表示部73に表示し(ステップS16)、ユーザによる再生指示を受け付ける(ステップS17)。再生指示は、例えば表示部73に表示される再生ボタンの操作を、操作部75を介して受け付けられる。再生指示を受け、制御部71は、例えば動画像であるAR映像を再生させ(ステップS18)、一連の処理を終了する。制御部71は、AR映像と共に音声を取得し、音声出力部76から出力してもよい。なお、AR映像が静止画像である場合においては、制御部71は、ステップS17の再生指示を受け付けることなく、映像を再生させてよい。
【0112】
表示部73には、ユーザが撮影部74で撮影する見開き面20及び立体部21の少なくとも一方の映像と共に、文字情報又は画像情報の少なくとも一方を含む静止画像又は動画像であるAR映像が表示される。AR映像には、見開き面20又は立体部21に情報が提示されている競技施設の情報と該競技施設で開催される競技に関する情報との少なくとも一方が含まれている。
【0113】
図15は、AR映像の表示例を示す説明図である。表示部73には、例えば競技施設を表す立体部21の撮影映像と共に、当該競技施設で行われる競技の模擬試合の静止画像又は動画像のAR映像が表示される。ユーザは、AR映像により、立体部21が表す競技施設で開催される競技をより具体的に想像することができる。
【0114】
なおAR映像配信装置6の制御部61は、複数のAR映像コンテンツからユーザの選択に応じたコンテンツを読み出し、端末装置7に送信する構成であってもよい。例えば、競技施設で複数の競技が開催される場合においては、ユーザが興味のある競技、選手のAR映像が表示されることが好ましい。
【0115】
端末装置7の制御部71は、アプリプログラム7Pにより、表示内容の選択を受け付ける情報を含む画面を表示部73に表示させる。ユーザは、表示部73に表示された例えばサッカー、陸上競技等の複数の競技から、AR映像の表示を希望する競技を操作部75により選択する。制御部71は、通信部72により選択された競技の情報をAR映像配信装置6に送信する。AR映像配信装置6の制御部61は、予め記憶されるAR映像コンテンツから、取得した競技の情報に対応付けられたコンテンツを特定して端末装置7へ送信する。これにより、ユーザは興味のある競技のAR映像を閲覧することができる。
【0116】
端末装置7の制御部71は、選手名等のキーワードの入力を受け付けることで表示内容の選択を受け付けてもよい。AR映像配信装置6の制御部61は、予め記憶されるAR映像コンテンツから、取得したキーワードに対応付けられたコンテンツを特定して端末装置7へ送信する。
【0117】
AR映像コンテンツは、選択受付、検索受付、問い合わせ受付、アンケート受付、メッセージ受付、ポイント付与等の各種機能を備えるものであってもよい。
【0118】
本構成によれば、広告媒体1はAR映像と共に利用される。広告媒体1はAR映像を表示する度利用されるため、広告媒体1の利用価値が高められる。また、AR映像と共に利用されるため、広告媒体1はより多くの情報をユーザに提示することができる。
【0119】
なお本実施の形態では、見開き面20には一の競技施設を表す立体部21が形成されているが、立体部21の数は一つに限定されないのは勿論である。見開き面20には、複数の競技施設それぞれに対応する異なる立体部21が形成されていてよい。また、これら複数の競技施設で複数種類の競技(種目)が開催されるような場合おいては、見開き面20には、立体部21が形成された競技施設にて開催される競技の情報が記載されているのが好ましい。
【0120】
上記では、広告対象が競技施設である例を説明したが、本実施形態は限定されるものではなく、例えばテーマパーク、美術館、博物館等の展示施設、学校、図書館、イベントホール等の文化施設、ホテル、寺院、記念館等の観光施設、駅、病院、公園等の公共施設、百貨店、地下街、ショッピングモール等の商業施設等にも好適に使用できる。
【0121】
(実施の形態6)
実施の形態6におけるAR表示システムの構成は、AR映像配信装置6の記憶部63にデータベース631が記憶されている点を除いては、実施の形態5における構成と同様である。実施の形態1または実施の形態5における構成と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0122】
図16は、実施の形態6におけるAR表示システムの構成の一例を示すブロック図である。実施の形態6では、
図16に示すように、AR映像配信装置6の記憶部63にはデータベース631が記憶されている。なお、データベース631は、AR映像配信装置6に接続された図示しないデータベースサーバに記憶されていてもよい。
【0123】
図17及び
図18は、データベース631に記憶される情報の内容例を示す図である。
図17は、データベース631に記憶されるAR映像情報の内容例を示す図である。AR映像情報は、映像ID列、位置情報列、及び日時情報列を含む。映像ID列は、AR映像を識別するための映像IDを記憶している。位置情報列及び日時情報列は、位置の情報及び日時の情報をそれぞれ映像IDと対応付けて記憶している。位置の情報は、例えば緯度経度に基づき、いくつかのエリアに分類され記憶されている。
図17の例では、位置情報は東京、千葉、…、のように都道府県でエリア分けされている。なお、
図17は一例であって、データベース631に記憶される内容は限定されるものではない。
【0124】
図18は、データベース631に記憶されるユーザ情報及び閲覧情報の内容例を示す図である。ユーザ情報は、ユーザを識別するユーザID列及び属性情報列を含む。属性情報列は、例えばユーザの年齢、性別、居住地域等を含む属性情報をユーザIDと対応付けて記憶している。閲覧情報は、ユーザを識別するユーザID列、映像ID列、及び閲覧日時列を含む。映像ID列は、ユーザが閲覧したAR映像の情報をユーザIDと対応付けて記憶している。閲覧日時列は、ユーザがAR映像を閲覧した日時情報をユーザIDと対応付けて記憶している。なお、
図18は一例であって、データベース631に記憶される内容は限定されるものではない。
【0125】
実施の形態6におけるAR表示システムでは、
図17及び
図18に示したデータベース631の情報を参照した処理が行われる。
図19は、実施の形態6におけるAR表示システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14と同一の手順については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0126】
端末装置7の制御部71は、撮影部74で広告媒体1の撮影を開始し(ステップS11)、撮影映像を取得する(ステップS12)。制御部71は、ARマーカー218を認識する(ステップS13)。なお、制御部71がARマーカー218を認識することで、自動的に撮影が開始されてもよい。
【0127】
制御部71は、位置情報取得部77より出力される位置情報を取得し(ステップS31)、ついで日時情報を取得する(ステップS32)。なお、制御部71が取得する情報は、位置情報又は日時情報のいずれか一方であってもよい。制御部71は、位置情報及び日時情報を含むAR映像リクエストを、通信部72を介してAR映像配信装置6へ送信する
(ステップS33)。
【0128】
AR映像配信装置6の制御部61は、通信部62により位置情報及び日時情報を含むAR映像リクエストを受信する(ステップS41)。なお、日時情報の取得はAR映像配信装置6の制御部61が行ってもよい。制御部61は、例えば取得したGPSによる緯度経度の測定値に基づき、分類される位置情報エリアを特定し、データベース631から位置情報及び日時情報に対応するAR映像を読み出し(ステップS42)、読み出したAR映像を通信部62により端末装置7へ送信する(ステップS43)。なお位置情報の取得はGPSを用いるものに限定されない。制御部61は、ネットワークNに含まれる複数のアクセスポイントAP、基地局BSのアドレスを取得して位置情報を特定してもよい。
【0129】
端末装置7の制御部71は、AR映像配信装置6から送信されるAR映像を通信部72により取得し(ステップS15)、撮影映像及びAR映像を表示部73に表示する(ステップS16)。制御部71は、ユーザによる再生指示を受け付け(ステップS17)、AR映像を再生させる(ステップS18)。制御部71は、AR映像と共に音声を取得し、音声出力部76から出力してもよい。表示部73には、映像を閲覧する日時や位置に対応したAR映像が表示される(
図20参照)。
【0130】
さらに制御部71は、AR映像を表示した場合に、該AR映像を閲覧したユーザの属性を含むユーザ情報を取得し(ステップS34)、あわせてAR映像の閲覧情報を取得する
(ステップS35)。ユーザ情報の取得方法は限定されないが、例えばあらかじめ端末装置7に記憶されているユーザ情報や生体認証に伴う情報を取得してよく、ステップS17で再生指示を受け付けるときに、ユーザ情報の入力画面を表示して取得してもよい。制御部71は、取得したユーザ情報及び閲覧情報を通信部72によりAR映像配信装置6へ送信する(ステップS36)。
【0131】
AR映像配信装置6の制御部61は、通信部62により端末装置7からのユーザ情報及び閲覧情報を受信し(ステップS44)、データベース631に記憶する(ステップS45)。制御部61は、データベース631を参照して所定期間(例えば1日)分の個人情報を除くユーザ情報(ユーザID、年齢、性別、居住地域)及び閲覧情報(映像ID)を読み出す。制御部61は、読み出した閲覧履歴を外部装置へ送信する(ステップS46)。外部装置は、例えばマーケティング会社の管理するサーバ装置等である。なお、ステップS34からステップS46の処理は必須ではない。
【0132】
図20は、実施の形態6におけるAR映像の表示例を示す説明図である。表示部73には、例えば
図20に示すように、立体部21で形成された競技施設の撮影映像と共に、当該競技施設で開催される競技の試合内容の詳細がAR映像で表示されている。試合内容の詳細は、例えば試合の開催時間、開催時の施設周辺の天気、出場予想選手の紹介等である。出場予想選手の紹介は、例えば夫々のポジションに対応する位置に合わせて、立体部21の撮影映像上にAR映像で表示される。
【0133】
本構成によれば、ユーザは、日時情報及び位置情報の一方又は両方に応じた情報を受け取ることができるため、広告媒体1の利用価値が高められる。
【0134】
さらに、AR映像が表示された場合にユーザ情報及び閲覧情報が送信される。これらの閲覧履歴の情報はマーケティング情報としての利用価値が高いため、広告媒体1の付加価値を高めることができる。
【0135】
(実施の形態7)
実施の形態7におけるAR表示システムでは、データベース631に記憶される内容が異なる点を除いては、実施の形態6における構成と同様である。実施の形態1または実施の形態6における構成と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0136】
図21は、実施の形態7におけるデータベース631に記憶される情報の内容例を示す図である。
図21に示されるように、データベース631に記憶されるAR映像情報は、AR映像を識別する映像ID列及び位置情報列を含む。位置情報列は、見開き面20及び立体部21の少なくとも一方に設けられる領域を映像IDと対応付けて記憶している。見開き面20及び立体部21の少なくとも一方は、例えば座席位置などにより、Aブロック、Bブロック、…、のように複数領域に分けられ記憶されている。なお
図21は一例であり、位置情報の内容は限定されない。位置情報は、ブロックではなく座席番号が記憶されていてもよい。また位置情報の内容は座席位置に限られず、例えばトイレ、出入り口等の情報であってもよい。
【0137】
図21に示したデータベース631の情報を参照し、AR表示システムの処理手順が行われる。
図22は、実施の形態7におけるAR表示システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14及び
図19と同一の手順については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0138】
端末装置7の制御部71は、撮影部74で広告媒体1の撮影を開始する(ステップS11)。制御部71は、撮影映像を取得し(ステップS12)、ARマーカー218を認識する(ステップS13)。
【0139】
制御部71は、取得した撮影映像の画像解析を行う(ステップS51)。制御部71は、例えばパターンマッチング等により、撮影映像上の見開き面20又は立体部21を認識し、さらに撮影映像上の見開き面20又は立体部21の位置及び選択可能な領域を認識する。制御部71は、認識した領域と表示部73上の座標情報との対応付けを行う。
【0140】
ついで、制御部71は、ユーザによる領域の選択を受け付ける(ステップS52)。
図23は、ユーザによる領域の選択方法の一例を説明する説明図である。ユーザは、表示部73に表示されている見開き面20又は立体部21の撮影映像上の任意の位置を、操作部75を介して指定する。例えば、
図23に示すようにユーザは表示部73に表示される競技施設中の一の座席位置をタップ操作により指定する。
【0141】
なお、
図23では表示部73をタップすることにより位置を指定する例を示したが、位置の指定方法はこれに限るものではない。ユーザが見開き面20又は立体部21の所定位置を指差した位置を認識するようにしてもよい。この場合、制御部71は撮影部74を介して撮影映像を取り込む。制御部71は、例えばパターンマッチング又はディープラーニング等により指の先端座標を認識する。制御部71は、ユーザによる入力の受け付け又はチケットコードの読み取り等により取得した座席番号により、位置の指定を受け付けるものであってもよい。
【0142】
図22に戻り、処理手順を説明する。制御部71は、ユーザにより選択されるタップ位置の座標情報を取得する(ステップS53)。制御部71は、撮影映像の座標及びタップ位置の座標から、選択可能な領域のうちいずれが選択されたかを特定し、領域の情報を位置情報として取得する(ステップS54)。
図23の例では、ユーザのタップ位置は、Bブロックと特定される。制御部71は、位置情報を含むAR映像リクエストを、通信部72を介してAR映像配信装置6へ送信する(ステップS55)。なお領域の特定方法は限定されるものではなく、制御部71は、撮影映像の特徴点の座標及びタップ位置の座標を認識することで領域を特定してもよく、ARマーカー218の座標及びタップ位置の座標を認識することで領域を特定してもよい。
【0143】
AR映像配信装置6の制御部61は、通信部62により位置情報を含むAR映像リクエストを受信する(ステップS61)。制御部61は、データベース631から位置情報に対応するAR映像を読み出し(ステップS42)、読み出したAR映像を通信部62により端末装置7へ送信する(ステップS43)。
【0144】
端末装置7の制御部71は、AR映像配信装置6から送信されるAR映像を通信部72により取得し(ステップS15)、撮影映像及びAR映像を表示部73に表示する(ステップS16)。制御部71は、ユーザによる再生指示を受け付け(ステップS17)、AR映像を再生させる(ステップS18)。制御部71は、AR映像と共に音声を取得し、音声出力部76から出力してもよい。表示部73には、ユーザによる選択位置の情報に対応したAR映像が表示される(
図23参照)。端末装置7の制御部71及びAR映像配信装置6の制御部61は、必要に応じてステップS34からステップS45の処理により閲覧情報の取得等を行い、一連の処理を終了する。
【0145】
図24は、実施の形態7におけるAR映像の表示例を示す説明図である。表示部73には、例えばユーザが選択したBブロックの座席からの視線ビューを表すAR映像が表示される。AR映像には、例えば当該ブロックの座席の利点(「シュートの迫力を感じられます」)等を説明する文字情報等が含まれていてもよい。ユーザは、AR映像を参考にして各ブロックからの視線ビューを比較し、着席する座席位置を決定することができる。
【0146】
上記では、AR映像として位置情報に応じた座席からの視線ビューを表示させる例を説明したが、位置情報に応じて表示されるAR映像の内容は限定されるものでないことは勿論である。また、取得される位置情報は、複数であってよく、タップ操作により選択される位置情報とユーザの現在地との情報とであってもよい。例えば、制御部71は、
図22のステップS52において複数の位置情報の選択を受け付け、AR映像配信装置6から複数の位置情報に対応するAR映像を取得する。ユーザが、例えば出入り口及び座席位置、座席位置及びトイレ、トイレ及び出入り口、現在地及び座席位置等の2つの位置情報をタップ操作により選択すると、選択位置間の経路を案内する情報を含むAR映像が表示部73から表示される。これにより、広告媒体1は、所定位置へとユーザを誘導するARナビゲーション機能を有する。
【0147】
本構成によれば、広告媒体1は、ARナビゲーション機能を有し、例えば競技施設の案内パンフレット(案内状、説明書)として分かり易く利用され得る。ユーザは、広い競技施設の位置に対応する情報を得ることができるため、広告媒体1の利用価値が高められる。
【0148】
(実施の形態8)
実施の形態8におけるAR表示システムでは、ユーザの現在地に応じた経路案内情報がAR映像で表示される。
図25は、実施の形態8におけるAR映像の表示例を示す説明図である。実施の形態1から実施の形態7と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0149】
図25に示す様に、端末装置7の表示部73には、ユーザの現在地から競技会場の各施設への経路をAR映像にて案内する画面情報が表示される。画面情報には、例えばユーザの現在地に対応した競技会場内のAR映像と共に、目的となる競技会場の施設(例えば1階トイレ等)へ行くための進行方向を示す矢印等が含まれる。端末装置7の制御部71は、撮影部74によりARマーカー218を認識しアプリプログラム7Pが起動されると、表示部73に経路案内を希望する会場施設の情報を受け付ける内容を含む画面を表示させる。制御部71は、操作部75により会場施設の情報を取得する。さらに制御部71は、位置情報取得部77よりユーザの現在地を示す情報を取得する。制御部71は、取得した現在地及び会場施設の情報に基づき、ユーザの現在地から会場施設までの経路をAR映像で示す表示画面情報を取得し、表示部73に表示させる。具体的には制御部71は、現在地及び目的地となる会場施設と、会場施設のMAP情報とに基づき、ルート探索を行う。制御部71はGPS受信機から現在位置及び端末装置7の撮像方向を取得し、MAP上の探索したルート、撮影位置及び方向を相互に対応付ける。制御部71は当該対応付に基づき、表示部73に
図25の白抜矢印で示すルートガイドを撮像画像上に重畳表示する。
【0150】
端末装置7の表示部73には、ユーザの現在地から競技会場の座席への経路を案内するAR映像が表示されてもよい。端末装置7の制御部71は、例えばユーザの座席チケットに付されたQRコード等を読み取ることによりユーザの座席番号を取得する。制御部71は、ユーザの現在地から座席までの経路をAR映像で示す表示画面情報を取得し、表示部73に表示させる。
【0151】
本構成によれば、広告媒体1は、ARナビゲーション機能を有し、例えば競技施設の案内パンフレット(案内状、説明書)として分かり易く利用され得る。ユーザは、広い競技施設の位置に対応する情報を得ることができるため、広告媒体1の利用価値が高められる。
【0152】
実施の形態5から実施の形態8で表示されるAR映像は、ユーザの属性に応じて異なる映像であってもよい。例えば、オリンピック、ワールドカップのように多数の国籍のユーザがAR映像を閲覧する場合においては、ユーザの国籍等に応じたAR映像コンテンツが表示されることが好ましい。
【0153】
端末装置7の制御部71は、アプリプログラム7Pにより、ユーザの国籍、言語等の選択を受け付ける情報を含む画面を表示部73に表示させる。ユーザは、操作部75により自身の国籍、言語等を選択する。制御部71は、通信部72により選択された国籍、言語等の情報をAR映像配信装置6に送信する。AR映像配信装置6の制御部61は、予め記憶されるAR映像コンテンツから、取得した国籍、言語等の情報に対応するコンテンツを特定し、特定したコンテンツを端末装置7へ送信する。なお、制御部71は、端末装置7のOS(Operating System)から直接ユーザの使用する言語を読み取り、AR映像配信装置6に送信してもよい。表示されるAR映像は、例えばユーザの言語により表示される。また、AR映像は、例えばユーザと同じ国籍である選手の競技情報、競技種目、競技会場等が優先して表示される。
【0154】
(実施の形態9)
実施の形態9では、広告媒体1には2次元コードである情報コード211が含まれ、当該情報コード211には、広告媒体1で提示される競技会場の詳細案内に関する情報が含まれる。
図26は、実施の形態9に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態1から実施の形態8と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0155】
図26に示す様に、広告媒体1の見開き面20には、例えば競技会場の案内ページへのリンク先の情報を含むQRコード(情報コード)が含まれている。端末装置7の制御部71は、撮影部74によりQRコードを取得し、競技会場の案内情報を含む画面情報を表示部73に表示させる。例えばQRコードにはURLが記述されており、制御部71は取得したURLに基づき、競技会場の案内を示すWebページにアクセスする。
【0156】
図27は、実施の形態9における端末装置7の表示部73に表示される画面の一例を示す図である。端末装置7の表示部73には、例えば競技会場の各施設(1階トイレ、売店中央出口)等の詳細な案内情報を含む画面が表示される。
【0157】
本構成によれば、広告媒体1は、情報コード211によりさらに多くの情報を提示することが可能となり、例えば競技施設の案内パンフレット(案内状、説明書)として分かり易く利用され得る。
【0158】
(実施の形態10)
実施の形態10では、広告媒体1には2次元コードである情報コード211が含まれ、当該情報コード211には、広告媒体1で提示される商品の使用方法に関する情報が含まれる。
図28は、実施の形態10に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態1から実施の形態9と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0159】
図28に示す様に、広告媒体1の見開き面20には、例えば広告対象となる商品である洗濯機を広告する情報及びQRコード(情報コード)211が含まれており、さらに洗濯機を立体的に表す立体部21が形成されている。立体部21には、当該立体部21により示される洗濯機のドア、各ボタン等の部位に対応付けて複数の番号が付されている。
【0160】
端末装置7の制御部71は、撮影部74によりQRコード211を取得し、例えば取得したQRコード211に含まれるURLに基づき、洗濯機の商品案内を示すWebページにアクセスする。制御部71は、洗濯機の商品案内情報を含む画面情報を表示部73に表示させる。画面情報には、タップ操作等により選択可能に構成される複数の番号等を示すオブジェクトが含まれている。各オブジェクトにより示される番号は、立体部21に付された複数の番号に対応付けられている。いずれかのオブジェクトが選択された場合、当該オブジェクトの番号に応じた部位の詳細説明が表示される。例えば、制御部71は、洗濯機のドアに対応付けられる1番を示すオブジェクトのタップ操作を受け付けた場合、ドアに関する詳細な説明を含む画面情報を取得し、取得した画面情報に基づく画面を表示部73に表示する。
【0161】
本構成によれば、広告媒体1は、情報コード211により商品の説明等を含む多くの情報を提示することが可能となり、より多くの内容をユーザにアピールすることができる。
【0162】
(実施の形態11)
図29は、実施の形態11に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態11の広告媒体1は、表シート11及び裏シート12が連続しない別シートであり、すなわち連続部13を備えない。表シート11及び裏シート12は例えば円形状を有する。表シート11及び裏シート12の周縁には、表シート11及び裏シート12に連続する所定幅の帯状の封止部14を有し、当該封止部14により閉じた状態で保持されている。表シート11及び裏シート12それぞれと封止部14との連続部分、すなわち封止部14の両長辺には、切り離し線15,15が形成されている。表シート11及び裏シート12の内面20には、例えば蛇腹状に折り畳んだ状態で保持される立体部21が形成されている。立体部21の形状は一例であり限定されるものではない。
【0163】
図29の上側に示す如く表シート11及び裏シート12が閉じた状態において、切り離し線15,15を切り離すと、表シート11及び裏シート12の封止が解除される。
図29の下側に示す如く表シート11及び裏シート12が離れる方向に開かれると、表シート11及び裏シート12の内側に向けて立体部21が立体的に展開される。なお、封止部14は、例えば長手方向に沿って帯状の中央に設けられた切り離し線15により、表シート11側と裏シート12側とに切り離し可能に構成されてもよい。
【0164】
本構成によれば、広告媒体1の表シート11及び裏シート12、並びに立体部21の形状の自由度が高まる。
【0165】
(実施の形態12)
図30は、実施の形態12に係る広告媒体1を示す説明図である。広告媒体1の見開き面20には、例えば広告対象となる商品である車両を模した立体部21が形成されている。立体部21には、例えばLEDライト等の光源及び/又はスピーカ等の音源を含む発生部219が設けられている。発生部219は、実際の商品に応じて複数設けられてよい。
【0166】
広告媒体1の表シート11及び裏シート12の外側には、外側シートが重ねられている。表シート11及び裏シート12と外側シートとの間には、例えばボタン電池等の電源部5が設けられている。電源部5は、有線により発生部219に接続されており、発生部219を動作させるための電力を供給する。有線は、例えば電線、電子回路基板の導電パターン等を含む。発生部219は、電源部5からの電力により光又は音声を発生する。
【0167】
電源部5は、例えば押しボタンを備え、当該押しボタンの押下に応じて発生部219を作動させるよう制御される。電源部5は、例えば光センサーを備え、当該光センサにより表シート11及び裏シート12の開閉を感知することにより発生部219を作動させるよう制御されるものであってもよい。なお、電源部5は、例えばソーラーセル等を備え、表シート11及び裏シート12、又は外側シートの一部に露出するよう設けられてもよい。
【0168】
本構成によれば、立体的に商品を説明するとともに光又は音声を用いることで、受取人はより商品をイメージし易くなるため、広告媒体1の情報が伝わりやすい。
【0169】
(実施の形態13)
図31は、実施の形態13に係る広告媒体1を示す説明図である。実施の形態13における広告媒体1は、例えば博覧会、遊園地、テーマパーク等の娯楽施設のパンフレットとして機能する。
図31に示されるように、見開き面20には、娯楽施設内に設置される複数の建築物又は設備(例えばアトラクション、パビリオン等)の位置を示す案内図が記載されている。案内図上の対応する位置に、各建築物又は設備を表す複数の立体部21が形成されている。
【0170】
本構成によれば、建築物又は設備を模した立体部21を備える案内図により、広い施設
(会場)内においても目的方向が容易に把握できるため、娯楽施設のパンフレットとして分かり易く利用され得る。広告媒体1は、立体部21を備えることで、通常の印刷物であるパンフレットよりも特別感を与えることができ、記念品としても利用され得る。
【0171】
(実施の形態14)
図32は、広告媒体セット100を示す説明図である。上述の広告媒体1は、一又は複数個を組み合わせて、広告媒体セット100を構成してもよい。例えば広告媒体セット100は、1枚のシート101上の一部に設けられる広告媒体1を一又は複数個備える。広告媒体1はそれぞれ封止部14の封止を解除することで開閉可能であり、内部に立体部21が形成されている。なお、シート101が、広告媒体1の表シート11又は裏シート12として機能するものであってもよい。本構成によれば、広告媒体1の活用度が高まる。
【0172】
今回開示した実施の形態において、広告媒体1に含まれる情報は全て例示であり、限定されるものではない。広告媒体1は、商品、建造物等を広告対象とするものに限定されず、例えば学習塾、美容室等のサービスに関するものであってもよい。また、広告媒体1に含まれる内容は広告情報に限られない。
【0173】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0174】
1 広告媒体
11 表シート
12 裏シート
13 連続部
14 封止部
19 中間シート
20 見開き面(内面)
21 立体部
211 情報コード(1次元コード又は2次元コード)
216 ミシン目
3 出版物
31 本文ページ
4 袋体
5 電源部
6 AR映像配信装置
61 制御部
63 記憶部
6P サーバプログラム
7 端末装置
71 制御部
73 表示部
78 記憶部
7P アプリプログラム
100 広告媒体セット