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<図1>
  • 特開-フィルムチューブ容器 図1
  • 特開-フィルムチューブ容器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019236
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】フィルムチューブ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/02 20060101AFI20220120BHJP
   G01N 21/90 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
B65D35/02 R
G01N21/90 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122958
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三好 征記
【テーマコード(参考)】
2G051
3E065
【Fターム(参考)】
2G051AA11
2G051AA13
2G051AB07
2G051AB13
2G051CA04
2G051CA06
2G051CB01
2G051CB05
2G051EA08
2G051EA11
2G051EB01
2G051ED08
2G051ED21
3E065AA02
3E065BA11
3E065DA04
3E065DB05
3E065DC01
3E065DD05
3E065EA04
3E065FA20
3E065HA02
3E065HA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外観検査方式によるトップシール部の折り込み不良や成形不良の検査において、正確且つ信頼性のある検査精度を可能にするフィルムチューブ容器を提供する。
【解決手段】一端が閉塞され、内容物を収容することができる筒状の胴部2と、前記胴部の他端に取り付けられた、内容物を注出する筒部と筒部の下方に連設するフランジ部とを含むスパウトと、前記スパウトに螺合によって嵌合するキャップ23と、からなるフィルムチューブ容器で1あって、前記胴部の他端に、内側へ折り曲げてなる胴端部接合部を形成し、前記胴端部接合部を内側へ折り曲げて前記フランジ部の外周面に融着して前記胴部の他端を閉塞しており、前記胴端部接合部には、端縁より0mm~10mm内側に帯状の印刷がなされ、前記帯状の印刷は、前記スパウトとのコントラスト差をイメージセンサで検出可能である光学濃度を有することを特徴とするフィルムチューブ容器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が閉塞され、内容物を収容することができる筒状の胴部と、前記胴部の他端に取り付けられた前記胴部の他端を閉塞可能な、内容物を注出する筒部と筒部の下方に連設するフランジ部とを含むスパウトと、前記スパウトに螺合あるいは打栓によって嵌合するキャップと、からなるフィルムチューブ容器であって、
前記胴部の前記他端に、内側へ折り曲げてなる胴端部接合部を形成し、
前記胴端部接合部を内側へ折り曲げて前記フランジ部の外周面に融着して前記胴部の前記他端を閉塞しており、
前記胴端部接合部には、端縁より0mm~10mm内側に帯状の印刷がなされ、
前記帯状の印刷は、前記スパウトとのコントラスト差を二次元イメージセンサで検出可能である光学濃度を有することを特徴とするフィルムチューブ容器。
【請求項2】
一端が閉塞され、内容物を収容することができる筒状の胴部と、前記胴部の他端に取り付けられた前記胴部の他端を閉塞可能な、内容物を注出する筒部と筒部の下方に連設するフランジ部とを含むスパウトと、前記スパウトに螺合あるいは打栓によって嵌合するキャップと、からなるフィルムチューブ容器であって、
前記胴部の前記他端に、内側へ折り曲げてなる胴端部接合部を形成し、
前記胴端部接合部を内側へ折り曲げて前記フランジ部の外周面に融着して前記胴部の前記他端を閉塞しており、
前記胴端部接合部には、端縁より0mm~10mm内側にまで印刷絵柄が形成され、前記印刷絵柄は、前記スパウトとのコントラスト差を二次元イメージセンサで検出可能な光学濃度を有することを特徴とするフィルムチューブ容器。
【請求項3】
一端が閉塞され、内容物を収容することができる筒状の胴部と、前記胴部の他端に取り付けられた前記胴部の他端を閉塞可能な、内容物を注出する筒部と筒部の下方に連設するフランジ部とを含むスパウトと、前記スパウトに螺合あるいは打栓によって嵌合するキャップと、からなるフィルムチューブ容器であって、
前記胴部の前記他端に、内側へ折り曲げてなる胴端部接合部を形成し、
前記胴端部接合部を内側へ折り曲げて前記フランジ部の外周面に融着して前記胴部の前記他端を閉塞しており、
前記胴部材として、前記スパウトとのコントラスト差を二次元イメージセンサで検出可能な光学濃度を有するフィルム材を用いることを特徴とするフィルムチューブ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム材からなるチューブ容器に関する。特にトップシール部の検査精度を向上させたフィルムチューブ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品、化粧品、食品等を充填して包装することができるフィルムチューブ容器が知られている。フィルムチューブ容器は、軟質合成樹脂等のフィルム材から構成される筒状の胴部を備える。胴部の一端は、熱シールにより封止され、胴部の開口他端(肩部)には、溶着等により取り付けられた、スパウト部が設けられ、チューブ容器の使用者は胴部を押し潰すことにより、スパウト部から内容物を絞り出すことができる。
【0003】
フィルムチューブ容器の充填包装工程の一例では、内外層に熱可塑性材料層を有しロール状に巻かれた包装材料ウェブを巻き出し、ローラにより充填機内を搬送し、包装材料の両端部を重ねてオーバーラップを形成し、オーバーラップでチューブ縦方向にシール(サイドシール部)することで筒状の胴部が得られ、そのチューブ内に内容物を充填し、胴部の一端は、熱シールにより封止され、胴部の開口他端(肩部)には、胴部端部を折り曲げて溶着等により取り付けられた、スパウト部が設けられ(トップシール部)、最終形態のフィルムチューブ容器に成形される。
【0004】
各シール部において、容器に収容された内容物が漏れたり、外気に触れたりすることがないように、十分なシールが行われなければならない。しかし、上記のトップシール工程において、胴端部が折り曲げられシールされる際に、しばしば折り込み長さの過不足や、熱シールの温度及び圧力が適切でない場合に成形不良によるシール不良が発生し、内容物の保護性が損なわれ、品質不良の原因となることがある。
【0005】
その為に、製造工程中にトップシール部の検査が必要になる。検査に際して、製造装置のオペレータ、検査員は、チューブ容器を定期的に抜き取り、抜き取られた容器について、トップシール部のシール強度測定及び目視による外観検査を行ってきた。
【0006】
ところで、製造コスト削減などを目的に目視に代えて、画像処理により、シール部の品質を検査する検査技術が提案されている(特許文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-132935号公報
【特許文献2】特開2004-132853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
目視による検査に比べて、画像処理により、目視で不可能であった微小な凹凸欠陥も確実に捉えることができ、個人差による検査のバラツキがなく、より正確且つ信頼性のある外観検査が可能になった。
【0009】
このような外観検査としては、例えば、二次元イメージセンサにより検査対象物を撮像し、撮像した画像に画像処理を行い、基準画像(たとえば良品を撮像した画像)や基準画像から作成したモデル画像と比較して、検査対象物にキズや欠陥等が存在するか否かの判定を行ったりまた、検査対象物を二次元で捕らえ、エッジを検出することで、位置や幅、
角度を計測することも可能である。
【0010】
二次元イメージセンサは、撮像素子CCDの1画素毎の濃度(明暗)データを使って、濃度の変化をキズ/エッジとして検出するため、正確且つ信頼性のある外観検査をするには、画像内に生じる明るい部分と暗い部分の境界(コントラスト差)が必要となる。
【0011】
しかしながら、胴部フィルム材は材質上透明であることが多く、画像中で欠陥部と正常部のコントラスト差を精度よく認識できないため、シール部の折り込み不良や成形不良を検出することは困難であり、検査精度の低下を招く。特に製造速度が高速になったときに、製造工程中に被検体(サンプル)のサンプリングの頻度が大幅に増え、正確且つ信頼性のある検査が実現できていない。
【0012】
本発明は、上記の必要性、切望に応えるものであり、フィルムチューブ容器の製造速度が高速になったときにでも、二次元イメージセンサを用いた外観検査方式によるトップシール部の折り込み不良や成形不良の検査において、正確且つ信頼性のある検査精度を可能にするフィルムチューブ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、一端が閉塞され、内容物を収容することができる筒状の胴部と、前記胴部の他端に取り付けられた前記胴部の他端を閉塞可能な、内容物を注出する筒部と筒部の下方に連設するフランジ部とを含むスパウトと、前記スパウトに螺合あるいは打栓によって嵌合するキャップと、からなるフィルムチューブ容器であって、
前記胴部の前記他端に、内側へ折り曲げてなる胴端部接合部を形成し、
前記胴端部接合部を内側へ折り曲げて前記フランジ部の外周面に融着して前記胴部の前記他端を閉塞しており、
前記胴端部接合部には、端縁より0mm~10mm内側に帯状の印刷がなされ、
前記帯状の印刷は、前記スパウトとのコントラスト差を二次元イメージセンサで検出可能である光学濃度を有することを特徴とするフィルムチューブ容器である。
【0014】
請求項2に記載の発明は、一端が閉塞され、内容物を収容することができる筒状の胴部と、前記胴部の他端に取り付けられた前記胴部の他端を閉塞可能な、内容物を注出する筒部と筒部の下方に連設するフランジ部とを含むスパウトと、前記スパウトに螺合あるいは打栓によって嵌合するキャップと、からなるフィルムチューブ容器であって、
前記胴部の前記他端に、内側へ折り曲げてなる胴端部接合部を形成し、
前記胴端部接合部を内側へ折り曲げて前記フランジ部の外周面に融着して前記胴部の前記他端を閉塞しており、
前記胴端部接合部には、端縁より0mm~10mm内側にまで印刷絵柄が形成され、前記印刷絵柄は、前記スパウトとのコントラスト差を二次元イメージセンサで検出可能な光学濃度を有することを特徴とするフィルムチューブ容器である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、一端が閉塞され、内容物を収容することができる筒状の胴部と、前記胴部の他端に取り付けられた前記胴部の他端を閉塞可能な、内容物を注出する筒部と筒部の下方に連設するフランジ部とを含むスパウトと、前記スパウトに螺合あるいは打栓によって嵌合するキャップと、からなるフィルムチューブ容器であって、
前記胴部の前記他端に、内側へ折り曲げてなる胴端部接合部を形成し、
前記胴端部接合部を内側へ折り曲げて前記フランジ部の外周面に融着して前記胴部の前記他端を閉塞しており、
前記胴部材として、前記スパウトとのコントラスト差を二次元イメージセンサで検出可能な光学濃度を有するフィルム材を用いることを特徴とするフィルムチューブ容器である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、製造速度が高速になったときにでも、二次元イメージセンサを用いた外観検査方式によるトップシール部の折り込み不良や成形不良の検査において、正確且つ信頼性のある検査精度を可能にするフィルムチューブ容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るフィルムチューブ容器の一例を示す側面図である。
図2】本発明に係るスパウトの斜視図と胴端部接合部がフランジの外周面に融着した概略断面図である。
図3】実施形態1のトップシール部を上方から見た図および胴部正面図である。
図4】実施形態2のトップシール部を上方から見た図および胴部正面図である。
図5】実施形態3のトップシール部を上方から見た図および胴部正面図である。
図6】実施形態1のトップシール部を上方から見た良品図および不良品図である。
図7】撮像画像を用いた外観検査の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のフィルムチューブ容器の実施形態例について、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一例を示すフィルムチューブ容器1の側面図で、キャップ23を閉めた状態である。本発明のフィルムチューブ容器1は、薄肉で可撓性が高く柔軟性を有する胴部2と、胴部2の一端に融着し剛性を有するスパウト20と、スパウト20に螺合あるいは打栓によって嵌合するキャップ23と、からできている。フィルムチューブ容器1は、上記柔軟性のある胴部2を押圧することによって内容物を注出することができる。
【0019】
<胴部>
胴部2は、少なくとも最内層にシーラント層5を有した筒状のシートから形成されている。胴部は異形押出し成形法により長方形、あるいは正方形のフィルムの左右両端を一部重ね合わせて筒状にし、その合わせた端部近傍を融着した胴部であってもかまわない。
【0020】
胴部2は、上端にスパウト20と融着する胴端部接合部2aを形成し、下端は、内容物を充填後、シーラント層5同士を合わせて底シール部3を形成して、フィルムチューブ容器1を形作っている。通常のフィルムチューブ容器1に使用される胴部2は、薄肉で軟らかな胴部にする。このことによって、胴端部接合部2aの部分で内側へ直角方向に押し曲げ易くなり、スパウト20の下方に連接したフランジ22に胴部2を容易に融着可能にする。
【0021】
<スパウト>
スパウト20は、その開口部24の周縁に円筒状に形成した筒部21と、下方に連接された胴部2に融着可能なフランジ22と、からなる構成によって形成されている。
【0022】
この実施態様にて好ましく使用されるスパウト20の一例を図2(a)に示した。また、図2(a)のスパウト20の下方に連接したフランジ22の外周面に内側に折り曲げられた胴端部接合部2aが融着し、トップシール部が形成された概略断面図を図2(b)に示す。
【0023】
図2(a)に示すキャップ23は、スパウト20の円筒状の筒部21に係合して着脱自在である。筒部21は外壁に雄ネジを有し、かつキャップ23は内壁に雌ネジを有し、これらの雄ネジと雌ネジとが互い螺合して滑動することにより、キャップ23がスパウト筒部21から着脱自在であってよい。筒部21は、キャップ23が係合する側とは逆側の端部近傍に、筒部21と同軸に半径方向外側に突出するフランジ部22を有している。
【0024】
フランジ部22は、内面が平滑で平面形状で、均一な厚みを有するフランジで形成されている。胴端部接合部2aを内側へ折り曲げて、胴端部接合部2aの最内層のシーラント層5と、融着フランジ部22の外周面との間で融着し、胴部2の上端を閉塞する(トップシール部)。この時、胴端部接合部2aが融着フランジ22の外側周縁を覆って融着させることで、容器の形状が安定するとともに、胴部2とスパウト20はより強固にシール可能になる。
【0025】
図2(b)を見てわかるように、胴端部接合部2aは内側に折り曲げられ、スパウト20の下方に連接されたフランジ部22の外周面に融着されている。しかしながら、この折り曲げによる折り込み長さの過不足によって、融着による強度が低下し、シール不良を招くことがある。また、熱シールの温度及び圧力が適切でない場合にも成形不良によるシール不良が発生することがあり、製造工程中に二次元イメージセンサを用いた外観検査方式により、トップシール部の折り込み不良や成形不良の有無観察を行っている。
【0026】
具体的には、トップシール工程で、胴端部接合部2aを内側へ折り曲げて、融着フランジ部22の外周面を覆って融着した際に、製造ライン上方から、フィルムチューブ容器のトップシール部を二次元イメージセンサで撮像し、画像処理を行ってシール部の折り込み不良や成形不良の有無を判定している。
【0027】
本発明は、上述したような検査工程において、トップシール部の折り込み不良や成形不良の有無を判定する際に、折り込み部の輪郭(エッジ)やキズ、剥がれなどの欠陥が、スパウトに対してコントラスト差を生じるように胴部2を形成したことを特徴としている。
【0028】
<実施形態1>
実施形態1は、図3(b)のように、胴端部接合部2aの端縁より0mm~10mm、好ましくは0mm~3mm内側に帯状の印刷が形成されている。また、胴端部接合部2aを内側に折り曲げて、融着フランジ22の外周面を覆って融着させたものを、製造ライン上方に設置された二次元イメージセンサによって撮影すると、帯状の印刷部分は図3(a)のように、胴部外周縁と同心円状の円環として画像化される。そして、胴端部接合部2aの表面に強く焦点を合わせて撮像することにより、環状の印刷部分では高いコントラスト差を有する画像が得られる。この高いコントラスト差を有する画像を用いて画像処理することにより、正確かつ信頼性のある検査が可能になる。
【0029】
スパウトに対して帯状の印刷色は、二次元イメージセンサで検出可能な高いコントラスト差を有することが必要であるが、高いコントラスト差を得るために、例えば、印刷インキが、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の単色のいずれか、或いは、白色、その他特色のインキであって、網点面積率が20%~100%であることが好ましい。
【0030】
図6に、製造ライン上方に設置された二次元イメージセンサによって撮影されたフィルムチューブ容器のトップシール部の良否画像を示す。図6(a)は良品図、図6(b)は、折り込み長さが長い場合の成形不良品図、図6(c)は折り込み長さが短い場合の成形不良品図、図6(d)は熱シールの温度及び圧力が適切でない場合などに発生する成形不良品図である。これらの、折り込み長さの過不足およびキズ、剥がれなどの欠陥による成形不良によって、シール強度が低下し、品質の低下を招く。
【0031】
図6(b)および図6(c)の不良品図は、図6(a)の良品図に比べて、帯状の印刷の最大外径寸法が異なることによって良否を判定できる。また、真円度によっても良品と不良品は区別できることがわかる。
【0032】
次に、上述したように帯状の印刷の最大外径寸法や真円度を、撮像画像を用いた画像処理技術で求める一例を図7を用いて説明する。まず、トップシール部を上方から撮像すると、キズ有りの撮像画像(図7(a))が得られる。画像はカラーの場合、グレー画像にしてからノイズを除去した後、画像の特徴(キズや輪郭の部分)を抽出するために二値化が行われる(図7(b))。コントラスト差が明確に出ることで精度の良い二値化処理が可能になる。そして、二値化画像からエッジを抽出し(図7(c))、帯状の印刷部分の最大外径や真円度などを計測する。最大外径や真円度を計測することで折り込み長さの過不足や成形不良を判定できる。また、基準画像との差分をとることで(図7(d))、欠陥を抽出することができ、欠陥の大きさを算出できる。
【0033】
<実施形態2>
実施形態2は、図4に示すように、実施形態1の帯状の印刷を一般的な印刷絵柄にしたことによるもので、それ以外は、実施形態1と同様である。スパウト部20に対し、コントラスト差がある絵柄を形成することが必要である。
【0034】
<実施形態3>
実施形態3は、図5に示すように、実施形態1の胴部材質を変更したことによるもので、それ以外は、実施形態1と同様である。スパウト部20に対し、コントラスト差がある材質を選定することが必要である。
【実施例0035】
胴端部接合部2aの端縁より5mm内側に帯状の印刷を、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の単色または掛け合わせで、網点面積率が20%以上、且つ、白裏打ち印刷で形成し、フィルムチューブ容器を成形し、トップシール部を上方から撮像し、自動検査を行った。検査後正常品のトップシール部を目視で確認したところシール強度は適切なものであることが分かった。
【0036】
本発明のフィルムチューブ容器は、検査工程において、トップシール部の折り込み不良や成形不良の有無を判定する際に、折り込み部の輪郭(エッジ)やキズ、剥がれなどの欠陥が、スパウトに対してコントラスト差を生じるように胴部2を形成したことによって、シール部の検査精度を向上させることが可能になった。
【符号の説明】
【0037】
1・・・・・・・フィルムチューブ容器
2・・・・・・・胴部
2a・・・・・・胴端部接合部
3・・・・・・・底シール部
5・・・・・・・シーラント層
20・・・・・・スパウト
21・・・・・・筒部
22・・・・・・フランジ
23・・・・・・キャップ
24・・・・・・開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7