(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019344
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】液体ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
B67D3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123124
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100174942
【弁理士】
【氏名又は名称】平方 伸治
(72)【発明者】
【氏名】峯崎 秀之
(72)【発明者】
【氏名】向 勇一朗
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082DD05
3E082EE01
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】液体の注出量を一定に維持することができる液体ディスペンサを提供すること。
【解決手段】液体ディスペンサ1は、ユーザの操作に応じて開いて液体を供給するように構成された注出口75であって、容器2よりも下方に位置し、容器2と流体連通する、注出口75と、容器2と流体連通するエアポンプ72と、容器2の口部に接続されるように構成された接続具71であって、注出口75と容器2とを流体連通する第1の接続口71cと、エアポンプ72と容器2とを流体連通する第2の接続口71dと、を有する、接続具71と、注出口75及びエアポンプ72と通信可能に接続された制御装置50であって、ユーザの操作に応じて注出口75が開くと、一定量で空気を容器2に供給するようにエアポンプ72を制御するように構成された、制御装置50と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な容器から液体を供給するための液体ディスペンサにおいて、
ユーザの操作に応じて開いて液体を供給するように構成された注出口であって、前記容器よりも下方に位置し、前記容器と流体連通する、注出口と、
前記容器と流体連通するエアポンプと、
前記容器の口部に接続されるように構成された接続具であって、前記注出口と前記容器とを流体連通する第1の接続口と、前記エアポンプと前記容器とを流体連通する第2の接続口と、を有する、接続具と、
前記注出口及び前記エアポンプと通信可能に接続された制御装置であって、前記ユーザの操作に応じて前記注出口が開くと、一定量で空気を前記容器に供給するように前記エアポンプを制御するように構成された、制御装置と、
を備える、液体ディスペンサ。
【請求項2】
前記接続具は、液体中の電気の伝導を検出するための一対の電極を有する、請求項1に記載の液体ディスペンサ。
【請求項3】
前記容器は、長手軸に沿って延在しかつ一端部に口部を有し、かつ、500ml以上2000ml以下の容量を有する、請求項1又は2に記載の液体ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、液体ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの操作に応じて容器内の液体を供給するための液体ディスペンサが知られている。例えば、特許文献1は、飲料水を供給するための飲料サーバが開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器内の液体が無くなると、ユーザは、空の容器を液体ディスペンサから取り出し、かつ、新しい容器を液体ディスペンサに補充する必要がある。また、リサイクルのために空の容器を効率的に回収するためには、容器の容積を小さくする必要がある。このため、空の容器は、ユーザによって潰されることが望ましい。しかしながら、これらの動作はユーザに対して負担となり得る。また、液体ディスペンサは家庭に配置される場合もあることから、液体ディスペンサは小型であることが望ましい。
【0005】
また、液体ディスペンサは、液体の注出に伴って収縮しない非収縮性の容器を使用し得る。この場合、液体の注出に伴って容器に空気が流入する。様々な要因、例えば、容器の大きさ、容器の軟らかさ、及び/又は、容器から注出口までの流路の構造によっては、容器に空気が一定に流入せず(又は、大きな脈動が発生し)、したがって、液体の注出量が変動する場合があり得る。
【0006】
上記のような課題を考慮して、本開示の1つの目的は、ユーザが容器を容易に補充することができかつ小型な液体ディスペンサを提供することである。
【0007】
本開示の他の目的は、容器を潰すことができる小型な液体ディスペンサを提供することである。
【0008】
本開示のさらに他の目的は、液体の注出量を一定に維持することができる液体ディスペンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一側面は、交換可能な容器から液体を供給するための液体ディスペンサにおいて、長手軸に沿って延在しかつ一端部に口部を有する1つ又は複数の容器を収容するためのストッカであって、各容器は、ストッカ内で長手軸が水平向きになるように収容される、ストッカと、ストッカよりも下方に位置しかつストッカから落下する容器を受け止める支持機構であって、長手軸が斜め向きにかつ口部が下向きになるように容器を保持する、支持機構と、長手軸が斜め向きにかつ口部が下向きになるようにストッカから支持機構への容器の移動を案内する案内部材と、支持機構によって保持された容器の口部に接続される液体供給機構と、を備える、液体ディスペンサである。
【0010】
この液体ディスペンサでは、長手軸に沿って延在しかつ一端部に口部を有する容器(すなわち、一般的なプラスチックボトルのような形状を有する容器)が使用される。このような容器が、水平向きになるようにストッカに収容される。したがって、ユーザは、容器を補充する際に、容器をストッカに水平に挿入することができる。上記のような容器の形状(一般的なプラスチックボトルのような形状)及び水平な挿入の組み合わせは、ユーザが容器を容易に補充することを可能にする。また、この液体ディスペンサでは、ストッカ内の容器が下方の支持機構に落下し、液体供給機構に接続される。支持機構では、容器は、長手軸が斜め向きにかつ口部が下向きになるように保持される。したがって、容器に液体が残留することを防止することができ、かつ、液体ディスペンサの高さ方向において、液体供給機構に接続される容器の設置面積を低減させることができる。よって、高さ方向において、液体ディスペンサを小型にすることができる。したがって、ユーザが容器を容易に補充することができかつ小型な液体ディスペンサを提供することができる。
【0011】
液体ディスペンサは、支持機構によって保持された容器を、口部が液体供給機構に接続されない第1の位置と、口部が液体供給機構に接続される第2の位置と、の間で長手軸に沿って移動させる接続機構を更に備えてもよく、案内部材は、容器を第1の位置へと案内してもよい。この場合、容器がストッカから支持機構に落下する際に、容器は、液体供給機構から離れた第1の位置に案内される。したがって、容器の口部と液体供給機構との衝突を避けることができ、部品の長寿命化を図ることができる。
【0012】
容器は、首部を有していてもよく、接続機構は、首部を挟むように構成されていてもよい。この場合、接続機構を簡単な構成で実現することができる。
【0013】
案内部材は、容器の口部又はその周辺を保持しかつ下方に向かって曲がって延在するレールを有してもよい。この場合、下向きになるように口部を確実に案内することができる。
【0014】
容器は、500ml以上2000ml以下の容量を有してもよい。この場合、容器は比較的小さいことから、非力なユーザが容器を安全に補充することを可能にする。
【0015】
本開示の他の側面は、交換可能な容器から液体を供給するための液体ディスペンサにおいて、長手軸に沿って延在しかつ一端部に口部を有する容器を長手軸に沿って両側から側方向きに保持する一対の支持部材を有する支持機構と、一対の支持部材によって保持された容器の口部に接続される液体供給機構と、を備え、一対の支持部材の各々は、容器の長手軸に平行な中心軸の周りを回動するように構成されており、一対の支持部材は、容器を保持するように一対の支持部材が互いに離れる開位置と、容器を潰すように一対の支持部材が互いに近づく閉位置と、の間を回動するように構成されている、液体ディスペンサである。
【0016】
この液体ディスペンサでは、長手軸に沿って延在しかつ一端部に口部を有する容器(すなわち、一般的なプラスチックボトルのような形状を有する容器)が使用される。このような容器が、支持機構によって保持され液体供給機構に接続される。したがって、支持機構は、容器を保持する機能を有する。また、支持機構の各支持部材は、容器を保持する開位置と、容器を潰す閉位置と、の間を回動する。したがって、支持機構は、空の容器を潰す機能も有する。このように、本液体ディスペンサでは、支持機構が、容器を保持する機能に加えて、容器を潰す機能も有する。よって、容器を潰すための追加の部材及びそのためのスペースを減らすことができる。したがって、容器を潰すことができる小型な液体ディスペンサを提供することができる。
【0017】
液体ディスペンサは、一対の支持部材を回動させるための軸状の駆動部材を備えてもよく、駆動部材は、容器の長手軸に対して垂直に配置され、駆動部材は、一対の支持部材の一方に螺合する第1の雄ねじ部と、一対の支持部材の他方に逆向きに螺合する第2の雄ねじ部と、を有し、一対の支持部材は、駆動部材を回転することによって、開位置から閉位置へ又は閉位置から開位置へ回動してもよい。この場合、圧潰に起因する容器からの反力を、1本の軸状の駆動部材によって反対向きに効率よく受けることができる。
【0018】
一対の支持部材は、長手軸が斜め向きにかつ口部が下向きになるように容器を保持してもよく、一対の支持部材は、開位置において、容器の口部の下方の領域に、潰された容器よりも広いギャップを有してもよい。この場合、潰された容器は、一対の支持部材の間のギャップから、口部を下向きにして自動的に落下する。したがって、潰された容器を支持機構から取り除くために大掛かりな装置を設ける必要がない。
【0019】
一対の支持部材の各々は、容器の側面の少なくとも一部に沿う凹状表面を有してもよい。この場合、容器は、一対の支持部材の凹状表面によってしっかりと保持され、したがって、容器が潰される際に、容器が一対の支持部材から抜け出すことが防止される。
【0020】
本開示のさらに他の側面は、交換可能な容器から液体を供給するための液体ディスペンサにおいて、ユーザの操作に応じて開いて液体を供給するように構成された注出口であって、容器よりも下方に位置し、容器と流体連通する、注出口と、容器と流体連通するエアポンプと、容器の口部に接続されるように構成された接続具であって、注出口と容器とを流体連通する第1の接続口と、エアポンプと容器とを流体連通する第2の接続口と、を有する、接続具と、注出口及びエアポンプと通信可能に接続された制御装置であって、ユーザの操作に応じて注出口が開くときに、一定量で空気を容器に供給するようにエアポンプを制御するように構成された、制御装置と、を備える、液体ディスペンサである。
【0021】
この液体ディスペンサでは、注出口が開くのに応じて、重力によって容器から注出口に液体が流れると同時に、エアポンプから容器に一定量で空気が強制的に送られる。したがって、容器に空気を一定に供給することができ(又は、大きな脈動を防止することができ)、これによって、容器からの液体の注出量が一定に維持される。
【0022】
接続具は、液体中の電気の伝導を検出するための一対の電極を有してもよい。この場合、容器に液体があると、一対の電極の間に電気の伝導が検出され、容器が空であると、一対の電極の間の電気の伝導が遮断される。したがって、一対の電極の間の電気の伝導状態を検出することによって、容器に液体があるか否かを検出することができる。
【0023】
容器は、長手軸に沿って延在しかつ一端部に口部を有してもよく、かつ、500ml以上2000ml以下の容量を有してもよい。この場合、容器は、一般的なプラスチックボトルのような形状を有しており、かつ、比較的に小さい容量を有している。このような容器では口部は小さいため、空気は口部から容器の中に容易に流入できないかもしれない。したがって、このような容器では、容器に一定量で空気を強制的に供給することは、特に有益であり得る。
【発明の効果】
【0024】
本開示の一側面では、ユーザが容器を容易に補充することができかつ小型な液体ディスペンサを提供することが可能である。
【0025】
本開示の他の側面では、容器を潰すことができる小型な液体ディスペンサを提供することが可能である。
【0026】
本開示のさらに他の側面では、液体の注出量を一定に維持することができる液体ディスペンサを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態に係る液体ディスペンサを示す概略的な正面図である。
【
図2】
図1中のII-II線に沿って得られる断面図であり、液体ディスペンサの内部を概略的に示す。
【
図3】
図2中のIII-III線に沿って得られる断面図であり、液体ディスペンサの内部を概略的に示す。
【
図4a】
図2中のIV-IV矢視図であり、支持機構の動作を概略的に示す。
【
図4b】
図2中のIV-IV矢視図であり、支持機構の動作を概略的に示す。
【
図4c】
図2中のIV-IV矢視図であり、支持機構の動作を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る液体ディスペンサを説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺は変更されている場合がある。
【0029】
図1は、実施形態に係る液体ディスペンサを示す概略的な正面図であり、
図2は、
図1中のII-II線に沿って得られる断面図であり、液体ディスペンサの内部を概略的に示す。
図2を参照して、液体ディスペンサ1は、ユーザの操作に応じて、容器2内の液体をユーザに供給する。このような液体ディスペンサ1は、筐体3と、ストッカ4と、支持機構5と、案内部材6と、液体供給機構7と、接続機構8と、ビン9と、冷却装置10と、制御装置50と、を有している。液体ディスペンサ1は、他の構成要素を更に備えてもよい。
【0030】
図1を参照して、筐体3は、その内部に液体ディスペンサ1の構成要素を有しており、縦長の形状を有している。筐体3は、扉31と、受け部32と、引き出し33と、を有している。
図2を参照して、扉31は、ストッカ4への水平方向からのアクセスを可能にする。ユーザは、扉31を開くことによって、ストッカ4に容器2を補充することができる。また、ユーザは、扉31を介して、ストッカ4から容器2を取り出すこともでき、容器2から液体を直接的に使用することができる。
【0031】
受け部32には、第1の注出口75又は第2の注出口76から供給される液体を受けるために容器(例えば、コップ。不図示)が配置される。引き出し33は、上記のビン9を画定しており、潰された容器2を保管する(詳しくは後述)。ユーザは、ビン9が潰された容器2で満たされると、引き出し33を開いて、ビン9から容器2を取り除くことができる。
【0032】
ストッカ4は、筐体3の上部に画定されており、1本又は複数本の容器2(本実施形態では3本)を収容し保管するように構成されている。本実施形態で使用される容器2は交換可能であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)のようなプラスチックから作製されるプラスチックボトルであることができる。容器2は、プラスチックボトル以外の容器(例えば、紙パック)であってもよい。
【0033】
図5は、容器を示す概略的な正面図である。容器2は、長手軸z1に沿って延在し、長手軸z1に垂直に概ね円形断面を有する。容器2の断面は、他の形状であってもよい(例えば、四角形、六角形、又は、八角形等の多角形)。容器2は、長手軸z1に沿って、一端部の口部21と、胴部22と、他端部の底部23と、を有する。口部21と胴部22との間には、肩24が形成されている。肩24は、口部21に向けて先細りなるように形成されている。本実施形態では、口部21は、キャップによって閉じられている。例えば、キャップは、中栓(不図示)を含んでもよく、中栓は、ニードル71a(
図5において不図示。詳しくは後述)によって開かれ、ニードル71aによって開かれるまでは閉じるように構成されていてもよい。他の実施形態では、口部21は、ニードル71aによって突き破られるように構成されていてもよい。口部21と肩24との間には、首部25が形成されている。首部25の径は、肩24の最小径よりも大きく寸法決めされている。容器2は、例えば、500ml~2000ml、好ましくは700ml~1000mlの容量を有する。容器2は、一般的なプラスチックボトルのような形状を有することができる。容器2内の液体は、例えば、飲料(例えば、水、コーヒー、ジュース、又は、お茶)であることができる。液体は、水以外の液体(例えば、薬品)であってもよい。
【0034】
図2を参照して、ストッカ4は、上記のような容器2を、長手軸z1が水平向きになるように収容する。したがって、ユーザは、扉31を開いて、容器2を水平にストッカ4に挿入することができる。このような動作は、BIB(Bag In Box)のような大きな容器を補充する場合に比較して、より容易である。特に、本実施形態では、容器2が比較的小さな容量(500ml~2000ml)を有するため、このような容器2の水平な挿入は、非力なユーザが容器2を容易に補充することを可能にする。
【0035】
図3は、
図2中のIII-III線に沿って得られる断面図であり、液体ディスペンサの内部を概略的に示す。
図3では、より良い理解のために、いくつかの構成要素(例えば、支持機構5)は示されていない点に留意されたい。ストッカ4は、ボトル2を通すための拡張可能な開口41を有している。例えば、ストッカ4は、筐体3の上部の内壁と、第1のパーティション42と、第2のパーティション43と、によって画定されている。第1のパーティション42は、例えば筐体3に対して回動可能に取り付けられており、容器2を支持するための第1の位置(
図3において実線で示される)と、容器2を通すための第2の位置(
図3において破線で示される)と、の間を回動するように構成されている。
図2を参照して、第1のパーティション42は、例えばモータ等の駆動装置M1によって操作される。駆動装置M1は、制御装置50と有線又は無線で通信可能に接続されており、したがって、第1のパーティション42の位置(開口41の間隔)は、制御装置50によって制御される。
図3を参照して、第2のパーティション43は、筐体3の内壁に固定されている。開口41は、ボトル2の長手軸z1に沿って、第1のパーティション42と、第2のパーティション43と、の間に画定されている。第1のパーティション42が第1の位置にあるとき、開口41は、容器2を通さないように寸法決めされている。すなわち、第1のパーティション42が第1の位置にあるとき、第1のパーティション42及び第2のパーティション43は、ストッカ4内で最も下方の容器2を保持する。第1のパーティション42が第2の位置にあるとき、開口41は、容器2を通すように寸法決めされている。すなわち、第1のパーティション42が第2の位置にあるとき、ストッカ4内で最も下方の容器2が開口41から落下する。なお、拡張可能な開口41は、上記の実施形態に限らず、様々な態様で実現可能であることに留意されたい(例えば、回動可能な第1のパーティションに代えて、スライド可能なパーティション等)。
【0036】
ストッカ4の幅wは、w<2d(d:容器2の幅(例えば、円形断面では直径))で表されることができる。したがって、2つ目の容器2は、最も下方の容器2に対して斜め上方(
図3において左上)に配置され、最も下方の容器2と、第2のパーティション43と反対側の筐体3の側壁とによって支持される。3つ目の容器2は、2つ目の容器2に対して斜め上方(
図3において右上)に配置され、2つ目の容器2と、第2のパーティション43と同じ側の筐体3の側壁とによって支持される。このような構成によれば、最も下方の容器2が開口41から落下すると、2つ目の容器2は最も下方の位置に自動的に移動し、3つ目の容器2は2つ目の位置に自動的に移動する。ストッカ4は、3つより少ない又は多い容器2を保管してもよい。ストッカ4は、2つ目及び/又は3つ目の容器2を補助的に支持する補助部材を更に有してもよい。また、ストッカ4における容器2の配列は、上記の実施形態に限らず、様々な態様で実現可能である(例えば、容器2は、垂直に1列に配列されてもよい)。
【0037】
図2を参照して、ストッカ4の後方には、冷却装置10が配置されており、ストッカ4の内部及びその下方の空間(支持機構5を含む空間)を冷却するように構成されている。上記のように容器2は比較的小さな容量を有するため、ユーザは、容器2を補充することに加えて、冷えた容器2をストッカ4から容易に取り出して、容器2から冷えた液体を直接的に得ることができる。筐体3の最下部には、冷却装置10のためのコンプレッサー11が配置されている。コンプレッサー11は、制御装置50と有線又は無線で通信可能なように接続されており、したがって、冷却装置10の設定温度(ストッカ4及びその下方の空間の設定温度)は、制御装置50によって制御される。例えば、冷却装置10の設定温度は、10℃以下であることができる。温度のフィードバック制御のために、温度センサがストッカ4及び/又はその下方の空間に設けられてもよい。
【0038】
支持機構5は、ストッカ4の下方の空間に配置されている。支持機構5は、ストッカ4の開口41から落下する容器2を受け止め、かつ、長手軸z1が斜め向きにかつ口部21が下向きになるように容器2を保持するように構成されている。また、支持機構5は、空の容器2を潰すように構成されている(詳しくは後述)。したがって、支持機構5は、容器2を保持することと、空の容器2を潰すことと、の双方の機能を有する。よって、本開示において支持機構5は、圧潰機構とも称され得る。
【0039】
支持機構5において、容器2の長手軸z1と水平方向との間の角度αは、容器2内に液体が残るような部分が無いように、設定されることができる。例えば、角度αは、容器2の肩24が水平方向に対して傾くように、設定されることができる。他の側面では、角度αは、肩24と水平方向との間の角度が0度以上になるように、設定されることができる。したがって、液体ディスペンサ1の高さ方向において、支持機構5における容器2の設置面積は、容器2の長手軸z1が垂直向きにされる場合に比して、小さくなる。よって、容器2内に液体が残ることを防止しつつ、液体ディスペンサ1の高さを低減することができる。例えば、角度αは、30度以上60度以下(例えば、35度)であることができるが、角度αの範囲は、当該範囲に限定されない。
【0040】
図4a~
図4cは、
図2中のIV-IV矢視図であり、支持機構の動作を概略的に示す。
図4a~
図4cでは、支持機構5を、支持機構5に保持された容器2の長手軸z1の方向から見ている。
図4a及び
図4cは、一対の支持部材51の開位置を示しており、
図4bは、閉位置を示している。
図4aを参照して、支持機構5は、一対の支持部材51と、駆動部材52と、歯車53,54と、駆動装置M2と、を有している。
【0041】
一対の支持部材51は、容器2を長手軸z1に沿って両側から側方向きに保持するように構成されている。具体的には、支持部材51の各々は、本体部51aと、一対のリンク部51b(
図4aでは各支持部材51の一方のリンク部51bのみが示されている)と、ナット部51cと、を含んでいる。本体部51aは、容器2の長手軸z1に沿って延在する概ね平板形状を有している。本体部51aは、容器2の幅dよりも大きい高さh(
図4aにおいて上下方向の長さ)を有している。本体部51aは、容器2の側面の少なくとも一部に沿う凹状表面51dを含んでいる。凹状表面51dは、容器2が潰される際に、容器2が一対の支持部材51から抜け出すことを防止する。例えば、容器2は、ストッカ4から落下し、その自重によって一対の支持部材51をわずかに押し開き、続いて、凹状表面51dによって保持されると、その自重によって一対の支持部材51を閉じてもよい。
【0042】
図6a及び
図6bは、
図2中のA部の拡大図である。
図6aを参照して、本体部51aは、格子状に形成されていてもよい。この場合、容器2が潰される際に、容器2の一部が格子の隙間に圧入され、したがって、支持部材51は、容器2が一対の支持部材51から抜け出すことをさらに防止することができる。本体部51aは、格子無しに形成されていてもよい。
【0043】
リンク部51bの各々は、本体部51aの下端から下方に突出している。一対のリンク部51bは、ピンP1によって筐体3に対して回動可能に固定されており、長手軸z1に平行な中心軸z2の周りを回動するように構成されている。
図4aを参照して、リンク部51bには、長孔が形成されており、この長孔をナット部51cから突出するピンP2が通っている。ナット部51cには雌ネジが形成されており、駆動部材52に形成された雄ねじと係合する。
【0044】
駆動部材52は、概ね軸形状を有している。駆動部材52は、容器2の長手軸z1に対して垂直に配置されている。駆動部材52は、一方の支持部材51(具体的には、ナット部51c)に螺合する第1の雄ねじ部52aと、他方の支持部材51(具体的には、ナット部51c)に逆向きに螺合する第2の雄ねじ部52bと、を含んでいる。すなわち、互いに逆向きの雄ねじが、それぞれ第1の雄ねじ部52a及び第2の雄ねじ部52bに形成されている。したがって、駆動部材52が一方の方向に回転すると、一対の支持部材51の2つのナット部51cは互いに離れるように移動し、駆動部材52が他方の方向に回転すると、2つのナット部51cは互いに近づくように移動する。
【0045】
歯車53は、駆動部材52に固定されている。歯車54は、例えばモータ等の駆動装置M2によって回転され、歯車53と係合するように構成されている。駆動装置M2は、制御装置50と有線又は無線で通信可能なように接続されており、したがって、一対の支持部材51は、制御装置50によって制御される。
【0046】
図4aを参照して、開位置では、一対の支持部材51の凹状表面51dが、容器2を保持するように互いに離れている。開位置では、一対の支持部材51の一方の端部(上端部)が互いに離れている。
【0047】
図4bを参照して、駆動装置M2によって歯車54が回転され、それによって歯車53及び駆動部材52が一方の方向に回転されると、一対の支持部材51のナット部51cが互いに離れるように移動し、ピンP2を介して一対の支持部材51の他方の端部(下端部(リンク部51b))を互いに押し開く。これによって、各支持部材51がピンP1の周りに回動し、一対の支持部材51は、一対の支持部材51の上端部が互いに近づくように、開位置から閉位置へと回動する。これによって、凹状表面51dが互いに近き、容器2が一対の支持部材51の凹状表面51dによって潰される。
【0048】
図4cを参照して、駆動装置M2によって歯車54が逆向きに回転され、それによって歯車53及び駆動部材52が他方の方向に回転されると、一対の支持部材51のナット部51cが互いに近づくように移動し、ピンP2を介して一対の支持部材51の下端部(リンク部51b)を互いに押し近づける。これによって、各支持部材51がピンP1の周りに回動し、一対の支持部材51は、一対の支持部材51の上端部が互いに離れるように、閉位置から開位置へと回動する。これによって、凹状表面51dが互いに離れ、潰された容器2が一対の支持部材51から解放される。
【0049】
一対の支持部材51は、開位置において、それらの間に、容器2の口部21の下方の領域にギャップ55を有している。ギャップ55の長さは、潰された容器2よりも広く寸法決めされている。上記のように、容器2は、口部21が下方を向くように斜めに支持部材51に支持されていることから、容器2が支持部材51から解放されると、容器2は、ギャップ55から口部21を下向きにして自動的に落下する。液体ディスペンサ1は、潰された容器2がギャップ55から落下することをサポートするために、口部21を下方に押すように構成されたアーム部材56を備えてもよい。アーム部材56は、例えば、長手軸z1に平行な中心軸の周りを回動するように構成されている。アーム部材56は、制御装置50と有線で又は無線で通信可能に接続されており、アーム部材56の動作は、制御装置50によって制御される。
【0050】
図2を参照して、潰された容器2は、口部21を下向きにしてビン9まで落下し(
図2において破線で示される)、容器2はビン9に保管される。
【0051】
案内部材6は、長手軸z1が斜め向きにかつ口部21が下向きになるように、容器2をストッカ4から支持機構5まで落下するように案内する。案内部材6は、下方に向かって曲がって延在している。案内部材6は、筐体3に対して固定されている。
図3を参照して、案内部材6は、一対のレールを含み、容器2の口部21に両側から側方向きに接触する。案内部材6は、口部21に代えて、口部21の周辺(例えば、首部25又は肩24)と接触してもよい。
【0052】
図6a及び
図6bを参照して、詳しくは後述するように、支持機構5において、容器2は、口部21が液体供給機構7に接続されない第1の位置と(
図6a)、口部21が液体供給機構7に接続される第2の位置と(
図6b)、の間で長手軸z1に沿って移動させられる。上記の案内部材6は、容器2をストッカ4から第1の位置(
図6a)に案内する。なお、案内部材6は、上記の実施形態に限定されず、様々な態様で実現可能である。例えば、案内部材6は、口部21の先端を案内する溝を有する1つのレールを含んでもよい。
【0053】
図2を参照して、液体供給機構7は、支持機構5によって保持された容器2の口部21に接続され、ユーザの操作に応じて液体を容器2から受け部32(受け部32に配置された容器)に供給するように構成されている。液体供給機構7は、接続具71と、エアポンプ72と、フィルタ73と、タンク74と、第1の注出口75と、第2の注出口76と、を有している。液体供給機構7は、他の構成要素を更に有していてもよい。
【0054】
図6bを参照して、接続具71は、ニードル71aと、ステイ71bと、を含んでいる。本実施形態では、ニードル71aは、容器2の口部21のキャップと係合し、キャップの中栓を開くように構成されている。ニードル71aは、容器2と流体連通し、かつ、ステイ71bの第1の接続口71c、第2の接続口71d及び第3の接続口71e(
図6bにおいて不図示。詳しくは後述)とも流体連通する。ニードル71aは、第1の接続口71c、第2の接続口71d及び第3の接続口71eの各々と別個に流体接続されてもよく、又は、ニードル71a、第1の接続口71c、第2の接続口71d及び第3の接続口71eが全て互いに流体接続されてもよい。ニードル71aは、ステイ71bに対して取り外し可能に取り付けられている(例えば、ねじ係合)。したがって、ユーザは、扉31を介してステイ71bからニードル71aを取り外すことができ、ニードル71aを洗浄することができる。
【0055】
図3を参照して、ステイ71bは、筐体3に固定されている。ステイ71bは、第1の接続口71cと、第2の接続口71dと、第3の接続口71eと、を含んでいる。
【0056】
図2を参照して、第1の接続口71cは、配管を介して第1の注出口75に接続されている。したがって、第1の注出口75は、第1の接続口71cを介して支持機構5上の容器2と流体連通しており、容器2から液体(すなわち、冷えた液体)を受けて、受け部32に向けて冷えた液体を注出する。第1の注出口75は、容器2及び接続具71よりも下方に位置している。第1の注出口75は、ユーザの操作に応じて開閉するように構成された弁(例えば、電磁弁)を含んでおり(不図示)、制御装置50は、第1の注出口75の弁の開閉状態を検出するように構成されている。例えば、筐体3は、第1の注出口75の弁を操作するためのボタンを有していてもよい。
【0057】
第2の接続口71dは、配管を介してエアポンプ72に接続されている。したがって、エアポンプ72は、第2の接続口71dを介して支持機構5上の容器2と流体連通している。エアポンプ72は、制御装置50と通信可能に接続されており、エアポンプ72の操作は制御装置50によって制御される。エアポンプ72は、配管を介してフィルタ(例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタ)73と接続されており、フィルタ73から取り込まれて浄化された空気を、第2の接続口71dを介して容器2に供給するように構成されている。接続具71は、容器2からエアポンプ72への液体の流れを防止するための逆止弁を含んでいてもよい。
【0058】
第3の接続口71eは、配管を介してタンク74に接続されている。したがって、タンク74は、第3の接続口71eを介して支持機構5上の容器2と流体連通しており、容器2からの液体を貯留する。タンク74は、支持機構5上の容器2及び接続具71よりも下方に位置している。タンク74は、加熱装置74aを含んでおり、タンク74内の液体は加熱装置74aによって設定温度(例えば、80℃以上)に加熱される。加熱装置74aは、制御装置50と有線又は無線で通信可能に接続されており、加熱装置74aの設定温度(タンク74内の液体の設定温度)は制御装置50によって制御される。タンク74は、配管を介して第2の注出口76に接続されている。第2の注出口76は、タンク74から液体(すなわち、加熱された液体)を受けて、受け部32に向けて加熱された液体を注出する。第2の注出口76は、容器2及び接続具71よりも下方に位置している。第2の注出口76は、ユーザの操作に応じて開閉するように構成された弁(例えば、電磁弁)を含んでおり(不図示)、制御装置50は、第2の注出口76の弁の開閉状態を検出するように構成されている。例えば、筐体3は、第2の注出口76の弁を操作するためのボタンを有していてもよい。
【0059】
図3を参照して、ステイ71bは、ステイ71b内の液体中の電気の伝導を検出するための一対の電極71fを備える。ステイ71b内に液体がある場合(すなわち、接続具71に接続された容器2が空でない場合)、一対の電極71fの間に電気の伝導が検出される。ステイ71b内に液体がない場合(すなわち、接続具71に接続された容器2が空である場合)、一対の電極71fの間の電気の伝導は遮断される。したがって、一対の電極71fの間の電気の伝導状態を検出することによって、接続具71に接続された容器2が空であるか否かを検出することができる。一対の電極71fの間の電気の伝導状態は、制御装置50によって検出される。
【0060】
図6a及び
図6bを参照して、接続機構8は、支持機構5によって保持された容器2を、容器2の口部21が液体供給機構7に接続されない第1の位置(
図6a)と、口部21が液体供給機構7に接続される第2の位置(
図6b)と、の間で長手軸z1に沿って移動させるように構成されている。
図6aを参照して、接続機構8は、ネックホルダ81と、直動装置82と、を有している。接続機構8は、他の構成要素を更に備えてもよい。ネックホルダ81は、容器2の首部25を両側から側方向きに保持するように構成されている。直動装置82は、ネックホルダ81を長手軸z1に沿って並進させるように構成されており、例えばボールねじ及びモータ等の構成要素を含むことができる。代替的に、直動装置82は、エアシリンダ又はソレノイド等の構成要素を含んでもよい。直動装置82は、制御装置50と通信可能に接続されており、ネックホルダ81の位置は、制御装置50によって調整される。
【0061】
図2を参照して、制御装置50は、液体ディスペンサ1のいくつかの構成要素と通信可能に接続されており、これらのいくつかを制御するように構成されている。制御装置50は、例えば、プロセッサ、記憶装置、表示装置、入力装置、インターフェース等の構成要素を含むことができる。
【0062】
続いて、液体ディスペンサ1の動作について説明する。
【0063】
図2を参照して、ユーザの操作に応じて第1の注出口75が開くと、制御装置50は、エアポンプ72に信号を送信して、エアポンプ72が支持機構5上の容器2に一定量で空気を供給する。したがって、重力によって容器2内の液体(冷えた液体)が第1の注出口75に供給されると同時に、エアポンプ72から容器2に強制的に一定量で空気が供給される。これによって大きな脈動が防止され、第1の注出口75から冷えた液体が一定量で注出される。
【0064】
同様に、ユーザの操作に応じて第2の注出口76が開くと、制御装置50は、エアポンプ72に信号を送信して、エアポンプ72が容器2に一定量で空気を供給する。したがって、重力によって容器2内の液体がタンク74に供給され、かつ、タンク74内の液体(加熱された液体)が第2の注出口76から供給されると同時に、エアポンプ72から容器2に強制的に一定量で空気が供給される。これによって、第2の注出口76から加熱された液体が一定量で注出される。なお、加熱された液体の流路には、比較的大きな容量を有するタンク74が設けられているため、エアポンプ72から容器2に空気が供給されなくても、第2の注出口76からの加熱された液体の注出量は一定に維持されるかもしれない。この場合、エアポンプ72から容器2に空気が供給されなくてもよい。
【0065】
支持機構5上の容器2が空になると、接続具71の一対の電極71fの間の電気の伝導が遮断される。この遮断が検出されると、制御装置50は、接続機構8の直動装置82に信号を送信して、直動装置82がネックホルダ81を第2の位置から第1の位置に移動させる。これによって、ネックホルダ81は、支持機構5上の容器2を第2の位置から第1の位置に移動させる。したがって、容器2の口部21が接続具71から取り外される。
【0066】
続いて、
図4aを参照して、制御装置50は、支持機構5の駆動装置M2に信号を送信して、駆動装置M2が歯車54,53を介して駆動部材52を一方の方向に回転させる。これによって、
図4bに示されるように、容器2が一対の支持部材51によって潰される。続いて、
図4cを参照して、制御装置50は、支持機構5の駆動装置M2に信号を送信して、駆動装置M2が歯車54,53を介して駆動部材52を他方の方向に回転させる。また、制御装置50は、アーム部材56の駆動装置に信号を送信して、アーム部材56が回動する。したがって、潰された容器2が一対の支持部材51から解放されかつ口部21がアーム部材56によって下向きに押され、これによって、潰された容器2が口部21を下向きにしてギャップ55からビン9に落下する。なお、
図6aを参照して、接続機構8のネックホルダ81は、容器2が潰された後、容器2が支持機構5から落下することを妨げないために、容器2の首部25を開放するように開くように構成されていてもよい。
【0067】
図2及び
図3を参照して、続いて、制御装置50は、ストッカ4の駆動装置M1に信号を送信して、駆動装置M1が第1のパーティション42を回動させる。これによって、開口41が拡張し、ストッカ4内の最も下方の容器2がストッカ4から落下する。容器2の口部21は、案内部材6によって案内されて、これによって、容器2は、支持機構5上の第1の位置に案内される。続いて、制御装置50は、ストッカ4の駆動装置M1に信号を送信して、駆動装置M1が第1のパーティション42を反対の方向に回動させる。これによって、開口41が狭まる。ストッカ4内の2つ目の容器2は、最も下方の位置に自動的に移動し、3つ目の容器2は、2つ目の位置に自動的に移動する。
【0068】
続いて、制御装置50は、接続機構8の直動装置82に信号を送信して、直動装置82がネックホルダ81を第1の位置から第2の位置に移動させる。これによって、ネックホルダ81は、支持機構5上の容器2を第1の位置から第2の位置に移動させる。したがって、容器2の口部21が接続具71と係合する。容器2が接続具71と係合すると、一対の電極71fの間の電気の伝導が再び検出される。これによって、容器2から再び液体を供給することが可能である。
【0069】
液体ディスペンサ1内の全ての容器2が空になると、接続具71の一対の電極71fの間の電気の伝導が遮断され続ける。したがって、例えば、制御装置50は、支持機構5上の容器2を潰した後に、一対の電極71fの間の電気の伝導が一定の時間以上検出されない場合、ストッカ4が空であることをユーザに報知してもよい。また、例えば制御装置50は、ストッカが空になったことを検知する任意の検知装置から情報を得て、ストッカ4が空であることをユーザに放置しても良い。例えば、報知は、表示又は音声で実行されてもよいし、何本ストックされているかを報知しても良い。この場合、ユーザは、扉31を開けてストッカ4に容器2を補充することができる。また、ユーザは、引き出し33を開けてビン9から潰された容器2を取り除くことができる。
【0070】
以上のような液体ディスペンサ1では、長手軸z1に沿って延在しかつ一端部に口部21を有する容器2(すなわち、一般的なプラスチックボトルのような形状を有する容器)が使用される。このような容器2が、水平向きになるようにストッカ4に収容される。したがって、ユーザは、容器2を補充する際に、容器2をストッカ4に水平に挿入することができる。上記のような容器2の形状(一般的なプラスチックボトルのような形状)及び水平な挿入の組み合わせは、ユーザが容器2を容易に補充することを可能にする。また、この液体ディスペンサ1では、ストッカ4内の容器2が下方の支持機構5に落下し、液体供給機構7に接続される。このときに、容器2は、長手軸z1が斜め向きにかつ口部21が下向きになるように支持機構5によって保持される。したがって、容器2に液体が残留することを防止することができ、かつ、液体ディスペンサ1の高さ方向において、液体供給機構7に接続される容器2の設置面積を低減させることができる。よって、高さ方向において、液体ディスペンサ1を小型にすることができる。したがって、ユーザが容器2を容易に補充することができかつ小型な液体ディスペンサ1を提供することができる。
【0071】
また、液体ディスペンサ1は、支持機構5によって保持された容器2を、口部21が液体供給機構7に接続されない第1の位置と、口部21が液体供給機構7に接続される第2の位置と、の間で長手軸z1に沿って移動させる接続機構8を備え、案内部材6は、容器2を第1の位置へと案内する。したがって、容器2がストッカ4から支持機構5に落下する際に、容器2は、液体供給機構7から離れた第1の位置に案内される。よって、容器2の口部21と液体供給機構7との衝突を避けることができ、部品の長寿命化を図ることができる。
【0072】
また、液体ディスペンサ1では、容器2は、首部25を有しており、接続機構8は、首部25を挟むように構成されている。したがって、接続機構8を簡単な構成で実現することができる。
【0073】
また、液体ディスペンサ1では、案内部材6は、容器2の口部21又はその周辺を保持しかつ下方に向かって曲がって延在するレールを有している。したがって、下向きになるように口部21を確実に案内することができる。
【0074】
また、液体ディスペンサ1では、容器2は、500ml以上2000ml以下の容量を有している。したがって、容器2は比較的小さいことから、非力なユーザが容器2を安全に補充することを可能にする。
【0075】
また、液体ディスペンサ1では、容器2が、支持機構5によって保持され液体供給機構7に接続される。したがって、支持機構5は、容器2を保持する機能を有する。また、支持機構5の各支持部材51は、容器2を保持する開位置と、容器2を潰す閉位置と、の間を回動する。したがって、支持機構5は、空の容器2を潰す機能も有する。このように、液体ディスペンサ1では、支持機構5が、容器2を保持する機能に加えて、容器2を潰す機能も有する。よって、容器2を潰すための追加の部材及びそのためのスペースを減らすことができる。したがって、容器2を潰すことができる小型な液体ディスペンサ1を提供することができる。
【0076】
また、液体ディスペンサ1は、一対の支持部材51を回動させるための軸状の駆動部材52を備え、駆動部材52は、容器2の長手軸z1に対して垂直に配置され、駆動部材52は、一対の支持部材51の一方に螺合する第1の雄ねじ部52aと、一対の支持部材51の他方に逆向きに螺合する第2の雄ねじ部52bと、を有し、一対の支持部材51は、駆動部材52を回転することによって、開位置から閉位置へ又は閉位置から開位置へ回動する。したがって、圧潰に起因する容器2からの反力を、1本の軸状の駆動部材52によって反対向きに効率よく受けることができる。
【0077】
また、液体ディスペンサ1では、一対の支持部材51は、長手軸z1が斜め向きにかつ口部21が下向きになるように容器2を保持し、一対の支持部材51は、開位置において、容器2の口部21の下方の領域に、潰された容器2よりも広いギャップ55をそれらの間に有している。したがって、潰された容器2は、一対の支持部材51の間のギャップ55から、口部21を下向きにして自動的に落下する。したがって、潰された容器2を支持機構5から取り除くために大掛かりな装置を設ける必要がない。
【0078】
また、液体ディスペンサ1では、一対の支持部材51の各々が、容器2の側面の少なくとも一部に沿う凹状表面51dを有している。よって、容器2は、一対の支持部材51の凹状表面51dによってしっかりと保持され、したがって、容器2が潰される際に、容器2が一対の支持部材51から抜け出すことが防止される。
【0079】
また、液体ディスペンサ1では、第1の注出口75又は第2の注出口76が開くのに応じて、重力によって容器2から第1の注出口75又は第2の注出口76に液体が流れると同時に、エアポンプ72から容器2に一定量で空気が強制的に送られる。したがって、容器2に空気を一定量で供給することができ(又は、大きな脈動を防止することができ)、これによって、容器2からの液体の注出量が一定に維持される。例えば、容器2が軟らかい場合には、液体が容器2から出ていくのに伴って容器2が変形するかもしれず、したがって、空気が一定量で容器2に進入しないかもしれない。さらに、第1の注出口75はタンク無しに容器2と流体連通しているため、液体の脈動が注出量に大きな影響を有するかもしれない。このような液体ディスペンサ1では、容器2に一定量で空気を供給することは、液体の注出量を一定に維持するために特に有益であり得る。
【0080】
また、液体ディスペンサ1では、接続具71は、液体中の電気の伝導を検出するための一対の電極71fを有している。したがって、一対の電極71fの間の電気の伝導状態を検出することによって、容器2に液体があるか否かを検出することができる。
【0081】
また、液体ディスペンサ1では、容器2は、一般的なプラスチックボトルのような形状を有しており、かつ、500ml以上2000ml以下の比較的小さい容量を有している。このような容器2では口部21は小さいため、空気は口部21から容器2へ容易に流入できないかもしれない。このような液体ディスペンサ1では、容器2に一定量で空気を供給することは、液体の注出量を一定に維持するために特に有益であり得る。
【0082】
液体ディスペンサの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能であることを理解するだろう。
【0083】
例えば、上記の実施形態では、支持機構5が、容器2を保持する機能に加えて、容器2を潰す機能を有している。代替的に、他の実施形態では、容器2を潰すための機構が別に設けられていてもよい(例えば、容器2内の空気を吸引するための真空装置等)。例えば、上記の実施形態では、支持機構5は、長手軸z1が斜め向きにかつ口部21が下向きになるように容器2を保持する。代替的に、他の実施形態では、支持機構5は、長手軸z1が垂直向きに又は水平向きになるように容器2を保持してもよい。例えば、上記の実施形態では、液体ディスペンサ1は、エアポンプ72を有しており、接続具71は、第2の接続口71dを有している。代替的に、他の実施形態では、液体ディスペンサ1は、エアポンプ72を有していなくてもよく、接続具71は、第2の接続口71dを有していなくてもよい。例えば、上記の実施形態では、一対の支持部材51は、中心軸z2周りに回転して容器2を潰すように構成されている。代替的に、他の実施形態では、一対の支持部材51は、互いに近づくように平行移動して容器2を潰すように構成されていてもよい。例えば、上記の実施形態では、支持部材51の本体部51aは、概ね平板形状を有している。代替的に、他の実施形態では、支持部材51は、例えば、容器2の長手軸z1に垂直なL字形状の断面を有する等、他の形状を有していてもよい。例えば、上記の実施形態では、容器2は、一対の支持部材51によって潰される。代替的に、他の実施形態では、容器2は、一対の滑り止め付きのローラーの間を通ることによって、潰されてもよい。例えば、上記の実施形態では、液体ディスペンサ1は、ストッカ4を冷却する冷却装置10を備えている。代替的に、他の実施形態では、液体ディスペンサ1は、冷却装置10に代えて、接続具71の第1の接続口71cと、第1の注出口75との間に、冷却装置を備えた冷却タンクを有していてもよい。例えば、上記の実施形態では、接続機構8が、容器2を接続具71に向けて移動させるように構成されている。代替的に、他の実施形態では、接続具71が容器2に向けて移動されるように構成されていてもよい。例えば、上記の実施形態では、支持部材51は、凹状表面51dを有している。他の実施形態では、支持部材51は、凹状表面51dに代えて又は凹状表面51dに加えて、例えば粘着又は摩擦を生じる滑り止めを有していてもよい。また、制御装置50は、第1の注出口75又は第2の注出口76が開かれるかに応じて(すなわち、冷えた液体が供給されるか又は加熱された液体が供給されるかに応じて)、容器2へ送られる空気の圧力(又は流量)を変えるように、エアポンプ72を制御するように構成されていてもよい。例えば、第1の注出口75が開かれるとき(冷えた液体が供給されるとき)、制御装置50は、より高い圧力の空気(又はより大流量の空気)を容器2に送るように、エアポンプ72を制御するように構成されていてもよい。また、例えば、第2の注出口76が開かれるとき(加熱された液体が供給されるとき)、加熱された液体が飛び散ることを防止すべく、制御装置50は、より低い圧力の空気(又はより少流量の空気)を容器2に送るように、エアポンプ72を制御するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 液体ディスペンサ
2 容器
4 ストッカ
5 支持機構
6 案内部材
7 液体供給機構
8 接続機構
21 容器の口部
25 容器の首部
50 制御装置
51 支持部材
51d 凹状表面
52 駆動部材
52a 第1の雄ねじ部
52b 第2の雄ねじ部
55 ギャップ
71 接続具
71c 第1の接続口
71d 第2の接続口
71e 第3の接続口
71f 電極
72 エアポンプ
75 第1の注出口
76 第2の注出口
z1 容器の長手軸
z2 支持部材の回転の中心軸