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特開2022-19364医療データ評価活用システム、および、医療データ評価活用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019364
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】医療データ評価活用システム、および、医療データ評価活用方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/20 20180101AFI20220120BHJP
【FI】
G16H30/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123152
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】特許業務法人 山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 欣欣
(72)【発明者】
【氏名】艾尼瓦尓 買合甫熱提
(72)【発明者】
【氏名】白旗 崇
(72)【発明者】
【氏名】山口 浩司
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】膨大な医療データの中から、効率よく利用者の用途に合わせたデータを特定、収集、管理する事が可能な医療データ評価活用システムを提供する。
【解決手段】医療データ評価活用システム1において、内部施設20のデータ評価・利用端末12は、ある医療画像を表示させてた際に、データ評価・利用者32が評価の価値ありと考えると、「いいね」を付与する操作を行うと、表示されている医療画像に「いいね」を付書した状態で医療情報データベース14へ保存する。データベース生成部24は、医療ストレージ14に記憶されている「いいね」のマークが付けられた医療画像を、検索し、画像データおよび関連情報を取り出して、データベース格納部15のデータベース格納領域51の該当する項目を更新する。この処理を、「いいね」を付与する捜査が行われるたびに繰り返すことによりデータベースを構築する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されているユーザ端末を介して、前記ユーザ端末を操作しているユーザから所定の医療データについての評価結果を受け取る通信部と、予め医療データが蓄積された医療情報ストレージに接続されたデータベース生成部と、記憶部とを有し、
前記データベース生成部は、前記通信部が前記評価結果を受け取った医療データを、前記医療情報ストレージに蓄積されている医療データから選択的に読み出して前記記憶部に格納する処理を、前記評価結果を受け取るたびに繰り返すことにより、データベースを生成することを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項2】
請求項1に記載の医療データ評価活用システムであって、前記評価結果には、評価を行った前記ユーザの情報が含まれ、
前記データベース生成部は、前記医療データに対応させて、前記ユーザの情報を前記データベースのデータの一部として前記記憶部に格納することを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項3】
請求項1に記載の医療データ評価活用システムであって、前記医療データは、患者の画像と、撮像部位、撮像装置の種類および撮像機種のうちの1以上の情報とを含むことを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項4】
請求項1に記載の医療データ評価活用システムであって、データ利用請求処理部とデータマッチング部とをさらに有し、
前記通信部は、前記ユーザ端末を介して、ユーザからデータ利用請求を1以上の検索キーワードと共に受け付け、
前記データ利用請求処理部は、前記通信部が前記データ利用請求を受け付けた場合、前記データマッチング部に前記検索キーワードに一致する文言を含む医療データを前記データベースから抽出させ、前記データマッチング部によって抽出された前記医療データを前記通信部から前記ユーザ端末に対して出力することを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項5】
請求項4に記載の医療データ評価活用システムであって、前記通信部は、前記データ利用請求とともに、当該データ利用請求をしているユーザの情報を受け付け、
前記データ利用請求処理部は、前記抽出された前記医療データを出力する前に、前記ユーザの情報に基づいて、出力する前記医療データに含まれる情報の一部を秘匿化する処理をすることを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項6】
請求項4に記載の医療データ評価活用システムであって、フィードバック処理部をさらに有し、
前記通信部は、抽出した前記医療データを前記ユーザ端末に出力した後、前記データ利用請求をしたユーザから、前記データ利用請求とともに受け付けた1以上の前記検索キーワードが有用であったかどうかの評価を受け付け、
前記フィードバック処理部は、有用であったと評価された前記検索キーワードに有用性ありのラベルを付し、有用ではなかったと判定された前記検索キーワードには非有用のラベルを付して前記データベースのデータの一部として、前記医療データに対応させて前記記憶部に格納することを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項7】
請求項6に記載の医療データ評価活用システムであって、前記データマッチング部は、前記検索キーワードに一致する文言を含む医療データを前記データベースから抽出する際に、一致する検索キーワードに前記有用のラベルが付されて格納されている場合、前記有用のラベルが付された検索キーワードに対応付けられている医療データを一致度が高いとして優先的に抽出することを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項8】
請求項7に記載の医療データ評価活用システムであって、前記データマッチング部は、前記検索キーワードに一致する文言を含む医療データを前記データベースから抽出する際に、一致する検索キーワードに前記非有用のラベルが付されて格納されている場合、前記非有用のラベルが付された検索キーワードに対応付けられている医療データのマッチング度を低下させ、抽出しないようにすることを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項9】
請求項4に記載の医療データ評価活用システムであって、前記データ利用請求処理部は、前記データマッチング部が前記医療データを抽出した際に、当該医療データが抽出された回数を前記データベースのデータの一部として、当該医療データに対応させて前記記憶部に格納し、
前記データマッチング部は、前記検索キーワードに一致する文言を含む医療データを前記データベースから抽出する際に、前記抽出された回数が多い前記医療データを一致度が高いとして優先的に抽出することを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項10】
請求項4に記載の医療データ評価活用システムであって、課金判定部をさらに有し、
前記データ利用請求処理部が前記通信部を介して前記ユーザから前記データ利用請求を受け付けた場合、前記課金判定部は、前記ユーザが外部のユーザである場合、前記データの利用請求に対して課金することを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項11】
請求項1に記載の医療データ評価活用システムであって、前記医療データは、画像、患者、医療従事者、診断レポート、および、医療画像撮像装置の機種のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする医療データ評価活用システム。
【請求項12】
接続されているユーザ端末を介して、所定の医療データについての評価結果を受け取り、
前記評価結果を受け取った前記医療データを、医療情報ストレージに蓄積されている医療データから選択的に読み出して、記憶部に格納する処理を、前記評価結果を受け取るたびに繰り返すことにより、データベースを生成する
ことを特徴とする医療データ評価活用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療データの評価および活用を行うシステムに関するものであり、特に、医療データの提供および利用に関するプロセスの管理と運用を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
膨大な情報があふれる環境とネットワーク技術の進展により、ビッグデータの収集・蓄積とデータの利活用や、人工知能によるデータ分析など、高度な情報処理技術が次々に開発されている。一方、データは多いほど有意義な情報処理が行われるとは限らないことが知られている。こうした技術的背景の下、有意な分析結果を導くために、正確なデータの収集・蓄積は重要になっている。特に、データ利活用が期待されている医療分野では、データの収集、処理プロセス、処理結果、適用範囲などは重要視されている。
【0003】
特許文献1には、一般利用者から専門家までが混在する評価集団によって与えられた投票情報から、商品などの情報に対する評価を分析して、正しい格付情報を提供する格付情報収集システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、一旦画像再構成された医用画像を、画像受領者である医師が、必要に応じて、異なる再構成パラメータ値を用いてもう一度画像再構成する際に用いた再構成パラメータ値を、医師ごとにデータベースに格納しておくシステムが開示されている。これにより、画像を再構成する際に、その画像を受領する医師に対応する再構成パラメータ値をデータベースから読み出して用いることにより、その医師の好む画像を再構成することができ、再構成のやり直しを避けることができる。再構成パラメータは、医師からのフィードバックに基づき更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-316925号公報
【特許文献2】特表2015-510157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医療で求められるデータ収集と活用の利用目的は、多岐にわたる。たとえば、良質の医用画像を収集して研究に使用したい人がいるのに対し、画質の悪い医用画像を収集して、画質向上の研究を行いたい人もいる。このようにどのようなデータを収集して活用したいかは、利用者のデータ利用目的によって大きく異なる。
【0007】
しかしながら、予め分類されたデータを大量に収集しようとすると、手間がかかる。特に、医療従事者は多忙のため、医療従事者自身がデータを収集し、評価し、分類するのは困難である。そのため、医療分野において、目的に合わせてデータを分類し、活用する仕組みは、限られた目的においてのみ行われている。
【0008】
特許文献1に開示されている情報格付システムでは、情報の信頼度が専門家および専門家以外の評価者の投票によって算出されるため、評価者を構成するメンバーによって情報の信頼度に偏りが発生し得るという問題がある。また、投票を行う評価者を集めなければならないという問題もある。
【0009】
特許文献2に開示されている技術は、個々の利用者に対して最適化された医用画像を提供するものであるため、それが他者の利用目的に合致しているかどうかは不明である。
【0010】
本発明の目的は、膨大な医療データの中から、効率よく利用者の用途に合わせたデータを特定し、収集し、また、管理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明によれば、ユーザ端末を操作しているユーザから所定の医療データについての評価結果を受け取る通信部と、予め医療データが蓄積された医療情報ストレージに接続されたデータベース生成部と、記憶部とを有する。データベース生成部は、通信部が評価結果を受け取った医療データを、医療情報ストレージに蓄積されている医療データから選択的に読み出して記憶部に格納する処理を、前記評価結果を受け取るたびに繰り返すことにより、データベースを生成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者によってさまざまに利用目的が異なるなかで、膨大な医療データの中から効率よく利用者の用途に合わせたデータを特定し、収集し、また、管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の医療データ評価活用システム1の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態の医療データ評価活用システム1のハードウェア構成を示す図である。
図3】実施形態の記憶部1内の記憶領域の構成を示す図である。
図4】第一実施形態のデータベース生成部24の処理動作を示すフローチャートである。
図5】第一実施形態においてデータ評価・利用端末12に表示される「いいね」が重畳された画面例(画像)の図である。
図6】第二実施形態のデータ利用請求処理部25の処理動作を示すフローチャートである。
図7】第二実施形態に係るデータ検索入力画面の例を示す図である。
図8】第二実施形態に係るフィードバック処理部27の処理動作を示すフローチャートである。
図9】第二実施形態に係るフィードバック画面の例を示す図である。
図10】第二実施形態に係るデータマッチング部の処理動作を示すフローチャートである。
図11】第三実施形態に係るデータ利用者33bによりデータ利用請求がなされた場合の処理動作を示すフローチャートである。
図12】第三実施形態に係るデータ利用者33bによりデータ利用請求がなされた場合の課金判定処理を示すフローチャートある。
図13】第四実施形態に係る評価画面例(患者、担当医)を示す図である。
図14】第四実施形態に係る評価画面例(診断レポート)を示す図である。
図15】第四実施形態に係る評価画面例(読影医、撮影者、機種)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の医療データ評価活用システムについて説明する。
【0015】
<システム構成>
図1は、本実施形態の医療データ評価活用システム1と、それに接続された他のシステムや端末等を含むネットワークの全体構成図であり、図2は、医療データ評価管理装置10の内部構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の医療データ評価活用システム1は、医療データ評価管理装置10と、データベースを格納するための記憶部15と、データ評価・利用端末12と、データ利用端末13aと含む。
【0017】
医療データ評価管理装置10は、図2に示すように通信装置49を含み、通信装置49は、施設内ネットワーク16を介して、データ評価・利用端末12、データ利用端末13a、記憶部15、医療情報システム11および医療情報ストレージ14に接続されている。また、通信装置49は、施設外ネットワーク17を介して、施設外のデータ利用端末13bにも接続されている。
【0018】
一方、医療データ評価管理装置10は、データベース生成部24と、データ利用請求処理部25と、データマッチング部26と、フィードバック処理部27と、課金判定部28とを備えている。これらの各部24~28の機能は、後述する第一~第四実施形態において詳しく説明する。
【0019】
医療データ評価管理装置10のハードウェア構成は、図2に示したように、通信装置49の他に、CPU41とメモリ42と記憶装置43とを含む。記憶装置43には、データベース生成プログラム44と、データ利用請求プログラム45と、データマッチングプログラム46と、フィードバック処理プログラム47と、課金判定プログラム48が予め格納されている。記憶装置43は、SSDやハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。メモリ42は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。CPU41とメモリ42と記憶装置43と通信装置49は、通信インタフェース50により接続されている。
【0020】
CPU41は、記憶装置43に格納されている各プログラムをメモリ42等に読み出して実行することによって、データベース生成部24と、データ利用請求処理部25と、データマッチング部26と、フィードバック処理部27と、課金判定部28の機能をソフトウェアにより実現する。
【0021】
なお、本実施形態において、各部24~28の機能の一部または全部をハードウエアによって実現することも可能である。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いて医療データ評価管理装置10を構成し、各部24~28の機能を実現するように回路設計を行えばよい。
【0022】
記憶部15には、医療データ評価管理装置10のデータベース生成部24が生成したデータベースが格納される。
【0023】
図3は、記憶部15のデータベースの格納領域を説明する図である。記憶部15のデータベースは、データベース格納領域51、検索条件プロファイル格納領域52、ユーザ情報格納領域53およびフィードバック情報格納領域54を含んでいる。
【0024】
一方、本実施形態の医療データ評価活用システム1にネットワークを介して接続されている医療情報システム11は、電子カルテや画像管理システム等の既存のシステムであり、電子カルテのデータや、撮像装置で撮像した画像データ等の医療データを医療情報ストレージ14に格納する。よって、医療情報ストレージ14には、医療データが蓄積されている。ユーザは、端末12、13aを介して、医療情報システム11を操作することにより、医療情報システム11により医療情報ストレージ14内の医療データを読み出して、端末12、13aの表示画面上に表示することができる。
【0025】
さらに詳しく説明すると、医療情報システム11は、病院に使用されている診療に関わる記録や業務の支援に関わるものの総称である。電子カルテ、医事会計システム、検査システム、画像管理システム、健診システム、オーダリングシステム、読影診断システム、レポートシステム、文書作成システムなどは、医療情報システム11に含まれる。
【0026】
医療情報ストレージ14は、医療情報システム11からIHE(Integrating the Healthcare Enterprise)統合に準拠した医療データを受け取って保存するストレージである。保存する医療データの例として、医療画像データ、患者基本情報、保険情報、入退院歴、外来受診歴、病名情報、アレルギー情報、処方・注射オーダ情報、検体検査結果、レポートなどが含まれる。
【0027】
<第一実施形態>
第一実施形態の医療データ評価活用システムについて説明する。
【0028】
第一実施形態では、ユーザがデータ評価・利用端末12を介して医療情報システム11を操作し、医療情報ストレージ14内の医療データを、端末12の表示画面で見ている状態で、ユーザにとって、表示されている医療データのうち特定の医療データが「評価に値するデータである」場合、医療データ評価活用システムの通信装置49は、ユーザから評価結果を受け取る。
【0029】
データベース生成部24は、通信装置49が受け取った評価結果で評価された医療データを、医療情報ストレージ14に蓄積されている医療データからを選択的に受け取って、記憶部15に格納する。この処理を、通信装置49が評価結果を受け取るたびに繰り返すことにより、記憶部15内に評価されたデータのデータベースを生成する。
【0030】
これにより、ユーザは、医療データを端末12で見ているときに、主観的に「評価に値するデータである」と判断したならば、そのように評価するだけで、その評価結果に基づいて、膨大な医療情報ストレージ内の医療データから、有用な医療データのみを選択して、記憶部15のデータベースに格納することができる。
【0031】
よって、第二実施形態で説明するように、記憶部15のデータベース内の有用な医療データから、利用者が必要とするデータを、受け取った検索キーワードに基づいて抽出し、利用者に提供することが可能になる。
【0032】
なお、記憶部15内に格納する医療データに対応させて、評価を行ったユーザの情報をデータベースのデータの一部として、記憶部15に格納してもよい。
【0033】
以下、具体的に説明する。本実施形態では、内部施設20の従事者である評価者32が、医療画像を評価する例について説明する。
【0034】
図4は、データベース生成部24の動作を示すフローチャートである。
【0035】
ステップ401において、内部施設20の評価者32は、評価・利用端末12を介して医療情報システム11を操作し、医療情報ストレージ14に接続して医療画像を図5のように表示させている状態で、医療画像を評価する。すなわち、評価者32が主観的に「評価に値する医療画像である」と判断し、その医療画像を選択したならば、データベース生成部24は、医療画像を特定するID番号等の情報(評価結果)を通信装置49を介して受け取る。例えば、医療情報システム11には「いいね」の文字列等を表したマークを表示する機能が予め埋め込まれており、ユーザは、医療画像が評価に値すると判断した場合、医用情報システム11を操作して、特定の医用画像に「いいね」のマークを付ける。すなわち、医療情報システム11は自らの制御で「いいね」のマークを医療画像に重畳表示させる。これにより、データベース生成部24は、医用情報システム11を介して、ユーザからの評価結果(「いいね」等のマークが付けられた医用画像の選択)を受け付けることができる。
【0036】
なお、ここで「評価に値する医療画像」とは、ユーザの主観であり、例えば、その画像データは画質がいい、画質が要改善、典型的な疾病画像、希少な疾病画像、自分の研究に使用したい、とりあえずマークして後で確認したい)等である。
【0037】
ステップ402、403において、データベース生成部24は、「いいね」のマークが付けられた医療画像を、医療情報ストレージ14においてサーチし、画像データおよび関連情報(撮像部位、医療画像撮像装置(モダリティ)の種類および機種のデータ)を取り出して、データベース格納部15のデータベース格納領域51の該当する項目に保存する。
【0038】
さらに具体的には、データベース生成部24は、「いいね」がつけられた画像のIDを参照して、医療情報ストレージ14内の該当画像をサーチし、DICOMフォーマットの画像データを医療情報ストレージ14からダウンロードする(ステップ402)。
【0039】
次に、データベース生成部24は、DICOMフォーマットの画像から関連情報(撮像部位、画像種類(撮像装置の種類)、および、撮像機種など)を取り出す(ステップ403)。
【0040】
ステップ404において、データベース生成部24は、端末12に登録されているユーザIDを通信装置49を介して受け取り、医療情報ストレージ14内の該当ユーザをサーチすることにより、評価者氏名、評価者職種、評価者専門分野等の項目の評価者情報を取り出す。
【0041】
ステップ405において、ステップ402,403、404で取り出した画像データと関連情報と評価者情報を記憶部15のデータベース格納領域51内のテーブルの該当箇所にそれぞれ格納する。
【0042】
表1は、データベース格納領域51内の関連情報を格納するテーブルの例である。評価対象である画像データ(評価データ)のIDと、画像の種類と、撮像部位と、撮像機種が対応付けられて格納される。
【0043】
【表1】
【0044】
表2は、データベース格納領域51内の評価者情報を格納するテーブルの例である。
【表2】
【0045】
表2のように、評価者情報のテーブルは、評価対象である画像データ(評価データ)を一意に特定できる評価データIDをキーとして、評価対象、評価日時、評価者氏名、評価者職種、評価者専門分野等の項目についてそれぞれデータを格納する領域を備えている。
【0046】
なお、表2では、評価対象は、画像に限らず、担当撮影者など医療従事者、診断レポート、撮影モダリティ機種、患者等、医療画像以外についても評価可能な構成となっているが、画像以外の評価対象については、第四実施形態で説明する。
【0047】
上述のステップ401~405を繰り返すことにより、データベース生成部24は、データベース格納領域51内に、「いいね」がつけられた画像データを選択して格納するとともに、当該画像データと対応付けて、関連情報と評価者情報の登録が順次なされ、表1および表2のデータベースが生成される。
【0048】
よって、第一実施形態の医療データ評価活用システム1を用いることにより、評価者は簡単に画像を評価できるとともに、「いいね」が付された画像データとその関連情報等を集めたデータベースを容易に生成でき、有用なデータを一括管理できる。
【0049】
なお、内部施設20の評価・利用端末12およびデータ利用端末13aと、外部施設21のデータ利用端末13bは、いずれも情報処理端末として医療データを扱う端末のセキュリティ規則に準拠したものであり、PC、スマートフォン、タブレット端末などが対象である。
【0050】
<第二実施形態>
第二実施形態の医療データ評価活用システムについて説明する。第二実施形態の医療データ評価活用システムは、医療データ評価管理装置10が第一実施形態のデータベース生成部24に加えて、データ利用請求処理部25とデータマッチング部26とフィードバック処理部27とを備えている。
【0051】
データ利用請求処理部25は、ユーザ端末12または13aを介して、ユーザからデータ利用請求を1以上の検索キーワードと共に受け付けた場合、データマッチング部26に検索キーワードに一致する文言を含む医療データを記憶部15のデータベースから抽出させる。データ利用請求処理部25は、抽出された医療データを通信装置49からユーザ端末12,13aに対して出力する。
【0052】
これにより、医療データ評価活用システムは、データ評価・利用者32またはデータ利用者33aが必要とする医療データを、データベースから抽出して提供することができる。
【0053】
以下、具体的に説明する。
【0054】
図6は、データ利用請求処理部25とデータマッチング部26とフィードバック処理部27の動作を示すフローチャートである。
【0055】
施設20は、施設内の認定した従事者との間で、医療データの提供し利用を許可する契約を締結済みである。データ利用者33aまたはデータ評価・利用者32は、この契約を締結済みであり、データ利用権限を持つ者である。なお、施設20は、データ利用権限を多レベルに設定することも可能である。
【0056】
ステップ601において、データ利用者33aは、データ利用端末13aを操作して、データ利用請求処理部25が提供するデータ検索入力画面(図7)にアクセスし、検索条件を入力する。データ利用請求処理部25は、これを受け付ける。
【0057】
図7のように、データ検索入力画面には、検索するデータ種類を選択する領域71と、データの使用用途を入力する領域72と、検索キーワードを入力する領域73とを含む。データ利用者33aは、ステップ601において、これらの領域にそれぞれ入力する。なお、データ検索入力画面には、高度検索用に複数の条件を入力するための領域74も含まれる。データ利用者33aは、より具体的な検索条件を設定する場合、高度検索用の領域74にも検索条件を入力する。
【0058】
ステップ602において、データ利用請求処理部25は、データマッチング部26にステップ601において受け付けた検索条件に一致する医療データを記憶部15のデータベースから抽出させる。具体的には、データマッチング部26は、ステップ601において入力されたデータ種類の医療データであって入力された検索キーワードに一致する文言を含む医療データをデータベースの中から検索して抽出する処理を実行する。
【0059】
ステップ602のデータマッチング処理の結果、検索条件に一致する医療データがデータベース内に存在しない(該当データなし)場合、データ利用請求処理部25は、ステップ604に進む(ステップ603)。ステップ604において、データ利用請求処理部25は、該当データがないことを示す情報をデータ利用者33aの使用する端末13aに通信装置49を介して通知(出力)して終了する。
【0060】
一方、ステップ602の結果、検索条件に一致する医療データがデータベース内に存在する(該当データあり)場合、データ利用請求処理部25は、ステップ605に進む。ステップ605において、データ利用請求処理部25は、データ利用者33aのデータ利用権限レベルに応じて、ステップ602において抽出した医療データの一部秘匿化処理を行う。秘匿化処理とは、例えば、評価者の氏名を匿名化したり、撮像機種を表示しないようにする処理である。秘匿化処理は、データ利用者33aのデータ利用権限レベルに応じて、どの項目を秘匿化するかについて予め定めておいたルールに従って行う。
【0061】
ステップ606において、データ利用請求処理部25は、ステップ602において抽出した医療データをデータ利用者33aの使用する端末13aに通信装置49を介して出力することにより、利用者33aに提供する。
【0062】
ステップ607において、フィードバック処理部27は、データ利用者33aからステップ601で受け付けた1以上の検索キーワードが有用であったかどうかの評価を受け付ける。フィードバック処理部27は、有用であったと評価された検索キーワードに有用のラベルを付し、有用ではなかったと判定された検索キーワードには非有用のラベルを付してデータベースのデータの一部として、ステップ602で抽出した医療データに対応させて記憶部15に格納する。
【0063】
データベースに格納されたフィードバック情報(ラベルが付された検索キーワード)は、後続のデータマッチング処理において使用される。これにより、フィードバック情報を蓄積することができ、データマッチングの精度が向上する。
【0064】
図8を用いて、上記ステップ607のフィードバック処理部27の動作をさらに詳しく説明する。
【0065】
ステップ801において、フィードバック処理部27は、フィードバック画面を端末13aに表示させ、データ利用者33aから評価を受け付ける。
【0066】
フィードバック画面の例を図9に示す。フィードバック画面は、データ利用者33aの端末13aに表示される。この画面には、データ利用請求処理部25がステップ606において利用者に提供した1以上の該当データ(画像データ)71と、利用者33aがそのデータ71の検索条件としてステップ601において入力したキーワード72と、そのキーワードの中から、有用であったキーワードと有用ではなかったキーワードを選択するチェック(マーク等)を入力するための入力欄73とが表示される。
【0067】
利用者33aは、有用性ありのキーワードを選択して、入力欄73にマークを入植する。また、有用性なしのキーワードを選択して、入力欄73に別のマークを入力する。これにより、該当データごとに、有用性ありと有用性なしのキーワードをフィードバックすることができる。例えば、利用者33aが入力欄73に、チェックマークを入力した場合、そのキーワードは有用であり、×マークを入力した場合、そのキーワードは、非有用であり、入力欄73に何も入力しなかった場合、そのキーワードに対してはフィードバックをしないことを、フィードバックする構成とする。
【0068】
図9の例では、利用者33aは、図7の検索条件入力画面において、「データ使用用途」に「研究」と入力し、高度検索の検索条件1に「部位」として「心臓」を、検索条件2に「病名」として「中隔欠損症」と入力して、検索した結果得られた該当データ(画像データ)のフィードバック画面例である。なお、利用者33aは、図9のフィードバック画面において全データに対して一括フィードバックすることも可能である。
【0069】
ステップ802において、フィードバック処理部27は、ユーザによる評価が有用性ありか否かをキーワードごとに判定し、有用性ありと評価されている場合はステップ803に進み、そのキーワードに「有用ラベル」を付して、該当データ(画像データ)に対応させて、記憶部15のデータベースのフィードバック情報格納領域54に格納する。また、フィードバック処理部27は、有用性なしと評価されている場合、ステップ804に進み、そのキーワードに、「非有用ラベル」を付して、該当データ(画像データ)に対応させて、フィードバック情報格納領域54に格納する。
【0070】
ステップ805において、該当データ(画像データ)が、データマッチング部26によりステップ602において抽出された(検索条件に該当した)回数が何回目かをカウントする。カウント回数は、該当データ(画像データ)に対応させて、フィードバック情報格納領域54に格納する。
【0071】
以上により、フィードバック処理部27の処理は終了である。
【0072】
フィードバック情報を格納するフィードバック情報格納領域54のテーブル例を表3に示す。表3のように、フィードバック情報格納領域54は、テーブル形式で情報が格納される。このテーブルにより、評価データIDと、評価データの種類と、マッチング(検索条件に該当した)回数と、フィードバックされた有用ラベルが付されたキーワードと、非有用ラベルが付されたキーワードとを対応させて格納することができる。
【0073】
【表3】
【0074】
例えば、表3の例において、画像データNo.284748は10回マッチングされた(検索条件に該当した)履歴がある。そのうち、この画像データにおいて、検索のキーワード「脳」と「研究」は、有用ラベルが付されてフィードバックされ、「中隔欠損症」は非有用ラベルが付されてフィードバックされたことがわかる。上述のように、有用ラベルと非有用ラベルが付されたキーワードが順次登録され、表3のフィードバック情報テーブルが形成される。
【0075】
有用ラベルと非有用ラベルの情報は、次回以降の該当データマッチング度評価処理に用いられる。
【0076】
ここで、図6のステップ602において、データマッチング部26がデータマッチング処理により検索キーワードと一致する医療データを抽出するプロセスを、図10を用いて詳しく説明する。
【0077】
ステップ1001において、データマッチング部26は、図6のステップ601において受け取った検索条件(データ種類、検索キーワード)と、検索条件を入力したデータ利用者33aの情報を、記憶部15のデータベースの検索条件プロファイル格納領域52のテーブルの該当項目にそれぞれ登録する。
【0078】
表4は、検索条件プロファイル格納領域52のテーブルの例である。このテーブルには、図7の検索条件入力画面で入力された検索キーワード等の各項目と、ユーザIDとして、データ利用者33aのIDが登録される。
【0079】
【表4】
【0080】
つぎに、ステップ1002において、データマッチング部26は、表4の検索条件プロファイルテーブルの情報と、表3の前回以前のデータマッチングのフィードバック情報のテーブルに格納されている情報を使って、データマッチング度の評価を実行する。
【0081】
ここで、データマッチング度評価処理は、表4の検索条件プロファイルのテーブルの各項目(検索データ種類、検索条件、データ用途、検索キーワード)が、表1の記憶部15のデータベースのテーブルの各項目と、表1の画像データ(評価データ)が過去(前回以前)に抽出された(検索条件に該当した)際にフィードバックされた表3のテーブルの各項目に、文字列検索でヒットする(一致する)数を計数する処理である。
【0082】
例えば、検索データ種類は「画像」、データ用途は「研究」、検索条件1は「心臓」、検索条件2は「中隔欠損症」の場合、データマッチング部26は、同一の画像データ(評価データ)について、データベースに格納されている画像の表1のテーブルと、表3のフィードバック情報のテーブル(種類は画像データ)の各項目に登録されている内容から「研究」、「心臓」、「中隔欠損症」の文字列を検索し、ヒットする(一致する)数を計上する。
【0083】
データマッチング部26は、検索ヒット数は多いほど、データマッチング度(適合度)は高いので、データマッチング度が高い画像データを検索条件に一致する画像データとして優先的に抽出する。
【0084】
なお、データマッチング部26は、非有用ラベルの文字列が、検索条件にヒットする場合、データマッチング度を低下させ、抽出しないようにする。
【0085】
最後に、データマッチング部26は、マッチングする該当データを抽出し、ステップ603以降に進み、データ利用者にマッチング結果を表示する。
【0086】
以上、医療データ評価管理装置10により、特定用途や条件に合わせ、効率よく該当データをまとめて提供し、更には提供データの精度を向上させることができる。
【0087】
第二実施形態では、データ利用者33aによる簡単なフィードバック処理により、有用または非有用な検索キーワードを登録することができるため、ユーザが必要な画像データを提供する精度を向上させることができる。
【0088】
また、第二実施形態では、検索条件に一致する画像データをデータ利用端末13aに対して出力する前に、ステップ605において、データの一部を秘匿化できる。
【0089】
例えば、本実施形態では、内部施設20用の端末13aと外部施設21用の端末13bが、それぞれ異なる施設内ネットワーク(イントラネット)16または施設外ネットワーク(インターネット)17を介して医療データ評価管理装置10に接続されている。よって、データ利用請求処理部25は、医療データを送信するデータ利用端末13a,13bが、内部施設20用のデータ利用端末13aか、外部施設21のデータ利用端末13bによって、匿名化のレベルを変えることができる。
【0090】
また、例えば、内部施設20のデータ利用端末13aを操作するデータ利用者の利用目的(用途)は、臨床研究用のデータの収集、経営管理、人事評価ための情報収集などである。外部施設21のデータ利用者のデータ利用目的は、研究用のデータの収集などである。データ利用請求処理部25は、これらの利用目的(用途)に応じて、医療データ評価管理装置10は、匿名化のレベルを変えることも可能である。
【0091】
上述してきた第一および第二実施形態によれば、ユーザが評価・利用端末12を介して、医療画像を評価し、評価結果として「いいね」等のマークを付加(重畳表示)することにより、ユーザの主観的な評価観点は直接的にはデータベースに記録されないが、利用者がデータを請求する際に入力したキーワードとフィードバックを基に、評価したユーザの主観的な評価観点を把握できるデータベースを生成することができる。
【0092】
例えば、利用者は、画質が要改善の画像を収集したい場合、「画像」、「心臓」、「画質が悪い」などキーワードで検索する。検索結果として、「画質がいい」、「画質が要改善」、「典型的な疾病画像」、「希少な疾病画像」などの画像も含んだ画像が提供されるが、利用者は、提供された画像の中から、画像を選んでフィードバックすると、例えば「画質が悪い」等の情報が対象画像の情報が追加されるため、評価したユーザの主観的な評価観点を追加することができる。
【0093】
なお、本実施形態では、評価された画像に、「いいね」の文字列等を表したマークが表示される例について説明したが、本実施形態は「いいね」の文字列のマークに限定されるものではなく、ユーザの設定により、ほかの形式のマークに変更することも可能である。
【0094】
<第三実施形態>
医療データ評価活用システム1の第三実施形態として、外部施設データ利用者33bがデータを利用請求した場合のデータ利用請求処理部25とデータマッチング部26とフィードバック処理部27の処理について図11を用いて説明する。利用者が、外部施設データ利用者33bである場合、さらに課金判定部28が課金するかどうかを判定する。
【0095】
図11は、第三実施形態のデータ利用請求処理部25とデータマッチング部26とフィードバック処理部27と課金判定部28の処理動作を示すフローチャートである。図11のように、外部利用者認証と課金判定の動作を加わる他は、図6のフローと同様であるので、同様の動作には、図6と同じ符号を付し、簡単に説明する。
【0096】
まず、ステップ601において、データ利用者33bは、検索条件を入力し、データ利用請求処理部25は、これを受け付ける。
【0097】
次のステップ1101において、データ利用請求処理部25は、データ利用者33bが、当該施設20の認証を所持しているかどうか確認する。内部施設20が、外部のデータ利用者33bとサービスを提供する契約を締結している場合、医療データ評価管理装置10を経由して内部施設20の記憶部15のデータ利用請求が可能である。
【0098】
ステップ1102において、外部のデータ利用者33bが認証を所持しておらず、利用を許可しない場合、ステップ1103に進み、認証確認結果を利用者33bに通知しプロセスを終了する。
【0099】
一方、利用を許可する場合、図6と同様にステップ602~607を行う。ただし、ステップ603とステップ605の間に、データ利用者33bに対して課金するかどうかを判定する処理を行う(ステップ1104)。課金判定部28は、記憶部15のユーザ情報格納領域53に格納されているユーザ情報の課金契約の有無、過去の課金履歴の有無、さらには、提供データのフィードバック情報の提出の履歴の有無に基づいて、課金の対象であるかを判定する。
【0100】
課金が必要な場合、ステップ1105へ進み、データ利用者33bに課金する(ステップ1105)。
【0101】
ユーザ情報格納領域53に格納されているユーザ情報のテーブルの例を表5に示す。表5のように、本システム1を利用するユーザ情報がユーザ情報テーブルに事前に格納してある。
【表5】
【0102】
表5は、内部施設20と契約済のユーザ情報が入力されている。また、外部施設21が本システムに初回登録する際に、外部施設21のユーザ情報を表5に入力する。これにより、表5のユーザ情報テーブルは形成される。
【0103】
本システム1を利用するユーザには、一意のユーザIDが振られる。表5のユーザ情報テーブルのデータ構造は、ユーザIDをキーに、氏名、職種、所属施設、専門分野といったデータから成り、更には本システムの利用履歴から課金契約の有無も記録されたレコードの集合体になっている。
【0104】
ステップ1104の課金判定を、図12のフローを用いて説明する。
【0105】
課金判定部28は、表5のユーザ情報テーブルを参照して、該当する外部施設21のデータ利用者33bの情報をサーチし、課金契約の有無を判定する(ステップ1201)。
【0106】
ステップ1201において、表5に該当するデータ利用者33bに課金契約のあると記録されている場合、ステップ1204に進み、課金は不要とする。ステップ1201において、課金契約のない場合、ステップ1202に進み、過去課金履歴のある場合、さらにステップ1203に進み、フィードバック情報提出ありの場合、ステップ1204に進み、課金が不要と判定する。
【0107】
一方、外部のデータ利用者33bは、過去に課金履歴がない場合、または過去に課金履歴があるもののフィードバックの提出がない場合、課金が必要と判定する(ステップ1205)。
【0108】
上述により、課金が必要と判定する場合、ステップ1105において、課金判定部28は、利用者に課金を行う。課金が不要と判定する場合、図6と同様にステップ605~607をおこなう。
【0109】
なお、本システム1は、当該内部施設20の個別設定する課金運用形態により、課金条件を変更して、より複雑な課金判定プロセスを設定することが可能な構成とすることもできる。例えば、課金契約のない利用者が一回のフィードバックした場合(図8のステップ801)、次の利用において、100件データのダウンロードを無料にしたり、課金契約のある利用者に対し、フィードバックが多いほど、次の契約で割引されるといった運用も可能とする。
【0110】
上述の医療データの利用に課金するデータ利用料は、データ利用者の契約内容により決められるように構成してもよい。例えば、内部施設20のデータ利用者33aは、データ評価・利用者32によって評価されたデータを利用する場合、データ利用料は不要であり、外部施設21のデータ利用者は、内部評価者32によって評価されたデータを利用する場合、データ利用料が課金される構成にすることが可能である。
【0111】
これにより、システム1を運用している内部施設20の管理者は、外部施設21の管理者との間でデータ提供契約を締結し、内部施設20として、データ提供により得られる利益を原資としてシステム1を運用する、といったビジネスモデルが成立する。
【0112】
上述ビジネスモデルを想定した場合、データ情報の収集と利用に関する利害関係者は、内部施設20の評価者32及び利用者33aとして、内部施設20の医療従事者が想定される。また、外部施設21の利用者33bとして、他医療施設の医療従事者、治験機構や医療製薬会社の従業員などが想定される。例えば、当該内部施設20である病院Aは、人工知能による画像診断支援ソフトウェアを開発するIT会社(外部施設21)と契約を締結した場合、システム1は、病院Aの評価者32が評価した医療画像のなかから、IT会社(外部施設21)が必要な画質レベルの医療画像をIT会社に提供することができる。
【0113】
なお、上述の第二実施形態において、フィードバック処理部27は、フィードバック画面を内部施設20の端末13aに表示させ、データ利用者33aから評価を受け付ける構成について説明したが、第三実施形態の外部施設21のデータ利用者33bから端末13bを介して評価を受け付ける構成にすることももちろん可能である。
【0114】
<第四実施形態>
第一実施形態から第三実施形態では、評価対象を画像データとする例について説明したが、第四実施形態は、評価対象が画像以外である場合について説明する。
【0115】
表6は、画像、患者、医療従事者、診断レポートおよび機種という種類の異なる評価対象の例と、その評価目的等、を示す表である。表6のように、評価対象の種類が異なる場合、その属性に差異が存在するため、評価対象の実施画面、評価目的、取り出す情報、データ利用目的は多種多様となる。
【0116】
【表6】
【0117】
また、一般に医療施設の医療情報システム11は、その種類と使用環境が、医用情報システム11の製造メーカや医用情報システム11が使用されている内部施設によって、多種多様である。例えば、担当医情報は、電子カルテと、文書作成システムに表示され(図13図14参照)、撮影者および読影医は、読影診断システムに表示される(図15参照)。そのため、本実施形態の医療データ評価管理装置10は、内部施設が運用している医療情報システム11の多種多様な種類や使用環境に応じて運用ができるように構成することが望ましい。
【0118】
また、医療情報システム11において、第二実施形態のステップ401で説明した「いいね」の文字列等のマークを付ける操作方法も様々な方法があり得る。例えば、「評価対象を右クリック」する方法(図13)や、「メニューにある評価ボタンをクリック」する方法(図14)や、「文字をマークしてからクリック」する方法(図15)などが考えられる。そのため、医療データ評価管理装置10は、それらの様々な操作方法にも対応可能な構成にすることが望ましい。すなわち、本実施形態の医療データ評価管理装置10は、表6に示した実施形態以外にも対応可能な構成とすることが望ましい。
【0119】
次に、評価対象が、患者、医療従事者、診断レポートおよび機種である場合の評価方法の一例について説明する。
【0120】
評価対象が患者の場合、内部施設20のデータ評価・利用者32は、医療情報システム11の表示画面において、評価に値する患者に「いいね」を付ける。これにより、例えば、希少例または典型例の患者を評価することができる。図13は、表示画面例である。この例では、医療情報システム11は電子カルテである。
【0121】
医療データ評価管理装置10は、電子カルテに表示された患者IDを参照して、「いいね」がつけられた患者情報を医療情報ストレージ14においてサーチし、患者ID、年齢、性別、病名、心拍、血圧、診断画像、診断レポートなど患者情報を読み出して、記憶部15内のデータベース格納領域51に保存する。
【0122】
データベース格納領域51に登録される患者情報評価情報テーブルの例を表7に示す。
【0123】
【表7】
【0124】
つぎに、評価対象が医療従事者の場合について説明する。評価対象が医療従事者の場合、内部施設20のデータ評価・利用者32は、医療情報システム11の表示画面において、評価に値する医療従事者に「いいね」を付ける。これにより、例えば、スキルの高い医療従事者を評価することができる。
【0125】
医療データ評価管理装置10は、医療情報システム11に表示された医療従事者情報を参照して、医療情報ストレージ14に保存されている医療従者リスト、または当該内部施設20が事前に用意した医療従事者リストから「いいね」がつけられた医療従事者情報をサーチし、医療従事者ID、勤続年数、所属部門、職種など情報を読み出して、記憶部15のデータベース格納領域51に保存する。
【0126】
図13に担当医に「いいね」がつけられた画面例を、図15に読影医に「いいね」がつけられた画面例を示す。
【0127】
データベース格納領域51に格納される医療従事者評価情報テーブルの例を表8に示す。
【0128】
【表8】
【0129】
つぎに、評価対象が診断レポートの場合について説明する。評価対象が診断レポートである場合、内部施設20の評価者は、医療情報システム11の表示画面において、評価に値する診断レポートに「いいね」を付ける。これにより、構成や文章のよい診断レポートを評価することができる。図14に、診断レポートに「いいね」がつけられた画面例を示す。
【0130】
医療データ評価管理装置10は、医療情報システム11の表示画面の「いいね」がつけられた診断レポートに記載された患者IDを参照して、医療情報ストレージ14において、該当患者をサーチし、診断レポート、診断レポート種類、レポート作成者など情報を取り出して、記憶部15のデータベース格納領域51に保存する。
【0131】
データベース格納領域51に登録される診断レポート評価情報テーブルの例を表9に示す。
【0132】
【表9】
【0133】
最後に、評価対象が、医療画像撮像装置(モダリティ)の機種の場合について説明する。評価対象が、モダリティの機種の場合、内部施設20のデータ評価・利用者32は、医療情報システム11において、評価に値する機種に「いいね」を付ける。これにより、パフォーマンスのよい機種を評価することができる。図15は、機種に「いいね」がつけられ画面例を示している。
【0134】
医療データ評価管理装置10は、医療情報システム11の表示画面に表示された機種名を参照して、医療情報ストレージ14に保存された機種情報リスト、または当該内部施設20が事前に用意した機種情報リストから、「いいね」がつけられた機種をサーチし、モダリティ名、機種、製造年など情報を取り出して、記憶部15のデータベース格納領域51に保存する。
【0135】
データベース格納領域51に登録される機種評価情報テーブルの例を表10に示す。
【0136】
【表10】
【0137】
以上、医療データ評価管理装置10を用いることにより、多種多様な情報インフラ環境において、多岐な使用目的に応じて、医療データを簡単に評価し、評価されたデータを収集してデータベースを作成し、管理することが実現できる。
【符号の説明】
【0138】
1…医療データ評価活用システム、10…医療データ評価管理装置、11…医療情報システム、12…データ評価・利用端末、13a…データ利用端末、13b…データ利用端末(施設外)、14…医療表ストレージ、15…記憶部、16…施設内ネットワーク、20…内部施設、21…外部施設、24…データベース生成部、25…データ利用請求処理部、26…データマッチング部、27…フィードバック処理部、28…課金判定部、32…データ評価・利用者、33a…データ利用者、33b…データ利用者、41…CPU、42…メモリ、43…記憶装置、49…通信装置、50…通信インタフェース、51…データベース格納領域、52…検索条件プロファイル格納領域、53…ユーザ情報格納領域、54…フィードバック情報格納領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15