(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019380
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】シリカ膜付き基板
(51)【国際特許分類】
C09D 1/02 20060101AFI20220120BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20220120BHJP
C23C 20/08 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
C09D1/02
C09D7/63
C23C20/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123180
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
(71)【出願人】
【識別番号】516018810
【氏名又は名称】NT&I株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100121393
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(72)【発明者】
【氏名】村上 泰
(72)【発明者】
【氏名】細尾 昇平
【テーマコード(参考)】
4J038
4K022
【Fターム(参考)】
4J038AA011
4J038HA441
4J038JC30
4J038NA04
4J038NA11
4J038PB05
4J038PB06
4J038PB07
4J038PC02
4J038PC03
4J038PC08
4K022AA02
4K022AA04
4K022AA13
4K022BA15
4K022BA20
4K022BA33
4K022BA34
4K022DA09
4K022DB01
(57)【要約】
【課題】耐アルカリ性および耐摩耗性に優れたシリカ膜付き基板の提供。
【解決手段】本発明のシリカ膜付き基板は、シリカ膜形成用組成物を用いて形成されたシリカ膜を有し、組成物が加水分解性化合物等およびシリカ粒子を含み、組成物が、加水分解性化合物として、テトラアルコキシシラン、式I(R3-p(L)pSi-Q-Si(L)pR3-p)で表される化合物および任意で用いる加水分解性基を有するフルオロアルキルシランのみを含み、テトラアルコキシシラン、式Iで表される化合物およびシリカ粒子のSiO2換算での含有量がそれぞれ、テトラアルコキシシラン、式Iで表される化合物およびシリカ粒子のSiO2換算での合計量に対して、2~35質量%、15~88質量%、10~60質量%である。式I中、Rは水素原子等、Lは加水分解性基、Qは炭素数2~6の2価の炭化水素基等、R1は水素原子等、pは1~3の整数を表す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に配置されており、シリカ膜形成用組成物を用いて形成されたシリカ膜と、を有する、シリカ膜付き基板であって、
前記基板が、樹脂基板、金属基板、セラミックス基板またはこれらの基板の積層体であり、
前記シリカ膜形成用組成物が、加水分解性化合物、その加水分解物、および、その加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種と、シリカ粒子と、を含み、
前記シリカ膜形成用組成物が、前記加水分解性化合物として、テトラアルコキシシランと、式Iで表される化合物と、任意で用いられる加水分解性基を有するフルオロアルキルシランと、のみを含み、
前記テトラアルコキシシランのSiO2換算での含有量が、前記テトラアルコキシシランと、前記式Iで表される化合物と、前記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、2~35質量%であり、
前記式Iで表される化合物のSiO2換算での含有量が、前記テトラアルコキシシランと、前記式Iで表される化合物と、前記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、15~88質量%であり、
前記シリカ粒子のSiO2換算での含有量が、前記テトラアルコキシシランと、前記式Iで表される化合物と、前記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、10~60質量%である、シリカ膜付き基板。
R3-p(L)pSi-Q-Si(L)pR3-p 式I
前記式I中、
Rは、水素原子、または、炭素-炭素原子間に-O-、-S-、-C(O)-および-N(R1)-からなる群から選択される1つ以上の基を有していてもよい1価の炭化水素基であり、R1は、水素原子または1価の炭化水素基であり、
Lは、加水分解性基であり、
Qは、炭素-炭素原子間に-O-、-S-、-C(O)-および-N(R2)-からなる群から選択される1つ以上の基を有していてもよい、炭素数2~6の2価の炭化水素基であり、R2は、水素原子または1価の炭化水素基であり、
pは、1~3の整数である。
【請求項2】
前記式Iで表される化合物のSiO2換算での含有量が、前記テトラアルコキシシランと、前記式Iで表される化合物と、前記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、30~50質量%である、請求項1に記載のシリカ膜付き基板。
【請求項3】
前記シリカ膜形成用組成物が、金属触媒をさらに含む、請求項1または2に記載のシリカ膜付き基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ膜付き基板に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の保護や所望の機能を付与することを目的として、基板の表面に膜を形成する方法が知られている。
例えば、特許文献1では、テトラアルコキシシランおよびビス(トリメトキシシリル)アルカン等のシリカ前駆体と、シリカ粒子と、溶媒と、を含む塗布液を化学強化ガラス板の表面に塗布し、乾燥して、ガラス基板の表面に機能膜を形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、樹脂基板、金属基板およびセラミックス基板等の基板の表面に配置される膜について更なる性能向上が求められており、例えば、耐アルカリ性および耐摩耗性に優れた膜が求められている。
本発明者らが、特許文献1に記載の塗布液を用いて、基板上に膜を形成したところ、膜の耐摩耗性には優れるものの、耐アルカリ性については改善の余地があることを知見した。
【0005】
そこで、本発明は、耐アルカリ性および耐摩耗性に優れたシリカ膜付き基板の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、テトラアルコキシシラン、後述の式Iで表される化合物およびシリカ粒子のSiO2換算での含有量がそれぞれ所定範囲内にあるシリカ膜形成用組成物を用いれば、耐アルカリ性および耐摩耗性に優れたシリカ膜付き基板が得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] 基板と、上記基板上に配置されており、シリカ膜形成用組成物を用いて形成されたシリカ膜と、を有する、シリカ膜付き基板であって、
上記基板が、樹脂基板、金属基板、セラミックス基板またはこれらの基板の積層体であり、
上記シリカ膜形成用組成物が、加水分解性化合物、その加水分解物、および、その加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種と、シリカ粒子と、を含み、
上記シリカ膜形成用組成物が、上記加水分解性化合物として、テトラアルコキシシランと、式Iで表される化合物と、任意で用いられる加水分解性基を有するフルオロアルキルシランと、のみを含み、
上記テトラアルコキシシランのSiO2換算での含有量が、上記テトラアルコキシシランと、上記式Iで表される化合物と、上記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、2~35質量%であり、
上記式Iで表される化合物のSiO2換算での含有量が、上記テトラアルコキシシランと、上記式Iで表される化合物と、上記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、15~88質量%であり、
上記シリカ粒子のSiO2換算での含有量が、上記テトラアルコキシシランと、上記式Iで表される化合物と、上記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、10~60質量%である、シリカ膜付き基板。
R3-p(L)pSi-Q-Si(L)pR3-p 式I
上記式I中、
Rは、水素原子、または、炭素-炭素原子間に-O-、-S-、-C(O)-および-N(R1)-からなる群から選択される1つ以上の基を有していてもよい1価の炭化水素基であり、R1は、水素原子または1価の炭化水素基であり、
Lは、加水分解性基であり、
Qは、炭素-炭素原子間に-O-、-S-、-C(O)-および-N(R2)-からなる群から選択される1つ以上の基を有していてもよい、炭素数2~6の2価の炭化水素基であり、R2は、水素原子または1価の炭化水素基であり、
pは、1~3の整数である。
[2] 上記式Iで表される化合物のSiO2換算での含有量が、上記テトラアルコキシシランと、上記式Iで表される化合物と、上記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、30~50質量%である、[1]のシリカ膜付き基板。
[3] 上記シリカ膜形成用組成物が、金属触媒をさらに含む、[1]または[2]のシリカ膜付き基板。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐アルカリ性および耐摩耗性に優れたシリカ膜付き基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のシリカ膜付き基板の一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0011】
「SiO2換算での含有量」とは、化合物に含まれる全てのケイ素原子がSiO2に転化したときの質量を意味する。
例えば、テトラエトキシシランには1個のケイ素原子が含まれるので、100gのテトラエトキシシラン(分子量:208.33)のSiO2換算での含有量は、SiO2の1個分の分子量(60.8)に基づいて計算すると、29.2gである。
また、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンには2個のケイ素原子が含まれるので、100gの1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(分子量:326.5)のSiO2換算での含有量は、SiO2の2個分の分子量(60.8×2)に基づいて計算すると、37.3gである。
【0012】
[シリカ膜付き基板]
本発明のシリカ膜付き基板は、基板と、上記基板上に配置されており、シリカ膜形成用組成物を用いて形成されたシリカ膜と、を有する。
また、基板は、樹脂基板、金属基板、セラミックス基板またはこれらの基板の積層体である。
また、上記シリカ膜形成用組成物は、加水分解性化合物、その加水分解物、および、その加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種と、シリカ粒子と、を含む。
また、上記シリカ膜形成用組成物は、上記加水分解性化合物として、テトラアルコキシシランと、後述の式Iで表される化合物(以下、「化合物I」ともいう。)と、任意で用いられる加水分解性基を有するフルオロアルキルシランと、のみを含む。
また、上記テトラアルコキシシラン、上記化合物I、および、上記シリカ粒子のSiO2換算での含有量はそれぞれ、上記テトラアルコキシシランと、上記化合物Iと、上記シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、2~35質量%、15~88質量%、10~60質量%である。
本発明のシリカ膜付き基板は、耐アルカリ性および耐摩耗性に優れる。この理由の詳細は明らかになっていないが、概ね以下の理由によるものと推測される。
【0013】
本発明におけるシリカ膜形成用組成物は、テトラアルコキシシランのSiO2換算での含有量が所定範囲内にある。これにより、シリカ膜の硬度が向上して、耐摩耗性に優れたシリカ膜付き基板が得られたと推測される。
また、本発明におけるシリカ膜形成用組成物は、特許文献1における組成物と比較して、化合物Iの含有量(SiO2換算)が多い。このように、シリカ膜形成用組成物中の化合物Iの含有量が多い場合、式Iの「Q」に由来する炭素-炭素原子の結合が多く含まれるシリカ膜が得られる。炭素-炭素原子の結合は、ケイ素-酸素原子の結合と比較して、アルカリの作用によって切れにくいので、シリカ膜の耐アルカリ性が向上したと推測される。
また、式Iの「Q」に由来する炭素-炭素原子の結合が、シリカ膜に形成される微細な穴を塞ぐ役割を果たすことで、イオンの侵入を抑制し、シリカ膜の耐アルカリ性が向上したと推測される。微細な穴は、残留溶媒の揮発や加水分解縮合反応により形成される。
また、本発明のシリカ膜付き基板は、耐塩水性にも優れる。この理由の詳細は明らかになっていないが、上述の耐アルカリ性に優れる理由と同様であると推測される。
【0014】
本発明における基板が燃焼性(例えば、樹脂)の材質からなる場合、シリカ膜を有することでシリカ膜付き基板の燃焼を抑制できる。この理由としては次のように考えられる。シリカ膜の表面に炎を近づけると、基板表面がシリカ膜によって酸素不足になるので、基板表面に難燃性の炭化層が形成される。これにより、シリカ層および難燃性の炭化層が酸素と熱を遮断して、基板の燃焼を抑制できると推測される。
また、本発明における基板が金属基板である場合において、金属基板の表面に存在するシリカ膜が、水、酸、塩および酸素等が金属基板に接触することを抑制できるので、金属基板の腐食を抑制できる。
また、本発明におけるシリカ膜は緻密な構造を有するため、膜中に汚れが侵入しにくい。そのため、本発明のシリカ膜付き基板は防汚性にも優れる。
【0015】
図1は、本発明のシリカ膜付き基板の一例を模式的に示す断面図である。シリカ膜付き基板1Aは、基板10と、基板10の一方の表面に形成されたシリカ膜20と、を有する。
図1の例では、基板10の一方の表面の全体にシリカ膜20が形成されているが、これに限定されず、基板10の一部の領域のみにシリカ膜20が形成されていてもよい。
図1の例では、基板10の一方の面のみに、シリカ膜20が形成されているが、これに限定されず、基板10の両面にシリカ膜20が形成されていてもよい。
以下において、シリカ膜付き基板1Aが有する各部材について説明する。
【0016】
〔基板〕
基板10は、樹脂基板、金属基板、セラミックス基板またはこれらの基板の積層体である。
樹脂基板を構成する材料の具体例としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられる。これらの材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
金属基板を構成する材料の具体例としては、アルミニウム、チタン、銅、ニッケル、ステンレス、真鍮、マグネシウム、鉄およびそれらの合金が挙げられる。これらの材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
セラミックス基板を構成する材料の具体例としては、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン酸ジルコン酸鉛、フェライト、窒化ホウ素、炭化ケイ素が挙げられる。これらの材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
基板10が積層体である場合、例えば、金属基板(金属層)上に樹脂基板(樹脂層)が配置された積層体等が挙げられる。
【0017】
基板10は、表面が平滑であってもよく、表面に凹凸を有していてもよく、曲面形状であってもよい。
基板10の厚さは、用途によって適宜選択され、特に限定されないが、50~10,000nmが好ましい。
【0018】
〔シリカ膜〕
シリカ膜20は、後述のシリカ膜形成用組成物を用いて形成され、少なくとも、シリカ膜形成用組成物に含まれる加水分解性化合物の加水分解縮合物、および、シリカ粒子が含まれる。
【0019】
シリカ膜20の厚さは、本発明の効果がより優れる点から、50~10,000nmが好ましく、100~7,000nmがより好ましく、150~5,000nmが特に好ましい。
シリカ膜20の厚さは、後述の実施例欄に記載の方法によって測定される。
【0020】
シリカ膜20の用途の具体例としては、基板10の保護膜(例えば、傷防止膜、防汚膜、難燃膜、アルカリバリア膜、酸化防止膜、吸湿防止膜、腐食防止膜)が挙げられる。
【0021】
<シリカ膜形成用組成物>
シリカ膜形成用組成物は、加水分解性化合物、その加水分解物、および、その加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種(以下、単に[加水分解性化合物類」ともいう。)と、シリカ粒子と、を含む。
シリカ膜形成用組成物は、加水分解性化合物として、テトラアルコキシシランと、化合物Iと、任意で用いられる加水分解性基を有するフルオロアルキルシランと、のみを含む。
【0022】
(加水分解性化合物類)
テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラテトラブトキシシランが挙げられる。
テトラアルコキシシランは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0023】
化合物Iは、下記式Iで表される化合物である。
R3-p(L)pSi-Q-Si(L)pR3-p 式I
【0024】
式I中、Rは、水素原子または1価の炭化水素基である。
1価の炭化水素基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれであってもよい。
1価の炭化水素基の炭素数は、1~10が好ましく、1~6がより好ましい。
1価の炭化水素基は、炭素-炭素原子間に-O-、-S-、-C(O)-および-N(R1)-からなる群から選択される1つ以上の基を有していてもよい。R1は、水素原子または1価の炭化水素基である。
式I中、Rが2個以上ある場合、2個以上のRは、同一であっても異なっていてもよい。
【0025】
式I中、Lは、加水分解性基である。
加水分解性基の具体例としては、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、イソシアネート基、ハロゲン原子等が挙げられる。中でも、化合物Iの安定性と加水分解のしやすさとのバランスの点から、アルコキシ基、イソシアネート基、ハロゲン原子(特に、塩素原子)が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1~3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
式I中、2個以上のLは、同一であっても異なっていてもよい。
【0026】
Qは、炭素数2~6の2価の炭化水素基である。
2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等が挙げられ、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれであってもよい。
2価の炭化水素基は、炭素-炭素原子間に-O-、-S-、-C(O)-および-N(R2)-からなる群から選択される1つ以上の基を有していてもよい。R2は、水素原子または1価の炭化水素基である。
【0027】
pは、1~3の整数であり、反応速度の点から、2または3が好ましく、3が特に好ましい。
【0028】
化合物Iは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0029】
加水分解性基を有するフルオロアルキルシランは、加水分解性化合物として任意で用いられる成分である。加水分解性基を有するフルオロアルキルシランを用いると、シリカ膜付き基板の耐摩耗性がより向上する。
【0030】
加水分解性基を有するフルオロアルキルシランは、本発明の効果がより優れる点から、式IIで表される化合物であるのが好ましい。
RF-Q10-Si(L10)p1R10
3-p1 式II
【0031】
式II中、RFは、フルオロアルキル基であり、パーフルオロアルキル基であるのが好ましい。フルオロアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれであってもよい。
フルオロアルキル基の炭素数は、1~8が好ましく、4~8が特に好ましい。
【0032】
式II中、Q10は、2価の連結基である。
2価の連結基の具体例としては、炭素-炭素原子間に-O-、-S-、-C(O)-および-N(R11)-からなる群から選択される1つ以上の基を有していてもよい2価の炭化水素基、-O-、-S-、-C(O)O-、-C(O)-、-C(O)-N(R12)-、ならびに、これらの基を2つ以上組み合わせた基が挙げられる。R11およびR12はそれぞれ独立に、水素原子または1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基の定義は、上述の式IにおけるRと同じである。
2価の炭化水素基の好適態様は、上述の式IにおけるQと同じである。ただし、2価の炭化水基の炭素数は、1~6が好ましく、2~6が特に好ましい。
中でも、2価の連結基は、2価の炭化水素基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
【0033】
式II中、L10は、加水分解性基である。加水分解性基の定義は、上述の式IにおけるLと同じである。
式II中、L10が2個以上ある場合、2個以上のL10は、同一であっても異なっていてもよい。
【0034】
式II中、R10は、水素原子または1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基の定義は、上述の式IにおけるRと同じである。
式II中、R10が2個以上ある場合、2個以上のR10は、同一であっても異なっていてもよい。
【0035】
p1は、1~3の整数であり、反応速度の点から、2または3が好ましく、3が特に好ましい。
【0036】
加水分解性基を有するフルオロアルキルシランは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0037】
加水分解性化合物の加水分解物とは、加水分解性化合物中の加水分解性基が加水分解して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解物は、加水分解性基の全てが加水分解されているもの(完全加水分解物)であっても、加水分解性基の一部が加水分解されているもの(部分加水分解物)であってもよい。つまり、上記加水分解物は、完全加水分解物、部分加水分解物、または、これらの混合物であってもよい。
また、加水分解性化合物の加水分解縮合物とは、加水分解性化合物中の加水分解性基が加水分解し、得られた加水分解物を縮合して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解縮合物としては、すべての加水分解性基が加水分解され、かつ、加水分解物がすべて縮合されているもの(完全加水分解縮合物)であっても、一部の加水分解性基が加水分解され、一部の加水分解物が縮合しているもの(部分加水分解縮合物)であってもよい。つまり、上記加水分解縮合物は、完全加水分解縮合物、部分加水分解縮合物、または、これらの混合物であってもよい。また、加水分解縮合物は、加水分解性化合物類のうち2種以上の化合物の加水分解物が互いに縮合して得られた加水分解縮合物であってもよい。
【0038】
(シリカ粒子)
シリカ粒子は、シリカ(SiO2)を含む粒子である。
シリカ粒子の形状の具体例としては、球状、楕円状、針状、板状、棒状、円すい状、円柱状、立方体状、長方体状、ダイヤモンド状、星状、不定形状が挙げられる。
シリカ粒子は、中実粒子、中空粒子、または、多孔質粒子であってもよい。「中実粒子」とは、内部に空洞を有しない粒子を意味する。「中空粒子」は、内部に空洞を有する粒子を意味する。「多孔質粒子」とは、表面に複数の孔を有する粒子を意味する。
シリカ粒子は、各粒子が独立した状態で存在していてもよく、各粒子が鎖状に連結していてもよく、各粒子が凝集していてもよい。
【0039】
シリカ粒子の平均凝集粒子径は、本発明の効果がより優れる点から、5~100nmが好ましく、5~50nmが特に好ましい。
シリカ粒子の平均凝集粒子径は、レーザ回折式の粒度分布測定装置を用いて測定される体積基準の累積50%径(D50)を意味する。
【0040】
シリカ粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば、日産化学工業社製のスノーテックスシリーズが挙げられる。
シリカ粒子は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0041】
(金属触媒)
シリカ膜形成用組成物は、加水分解性化合物の加水分解および縮合を促進する点から、金属触媒を含むことが好ましい。
金属触媒の具体例としては、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトナート、アルミニウム-ジ-n-ブトキシド-モノエチルアセトアセテート、アルミニウム-ジ-イソプロポキシド-モノメチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート等のアルミニウムキレート化合物;チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のチタンキレート化合物;銅アセチルアセトナート等の銅キレート化合物;セリウムアセチルアセトナート等のセリウムキレート化合物;クロムアセチルアセトナート等のクロムキレート化合物;コバルトアセチルアセトナート等のコバルトキレート化合物;スズアセチルアセトナート等のスズキレート化合物;鉄(III)アセチルアセトナート等の鉄キレート化合物;マンガンアセチルアセトナート等のマンガンキレート化合物;ニッケルアセチルアセトナート等のニッケルキレート化合物;亜鉛アセチルアセトナート等の亜鉛キレート化合物;ジルコニウムアセチルアセトナート等のジルコニウムキレート化合物;ジアルキル錫等の有機錫化合物;が挙げられる。
中でも、金属触媒は、加水分解性化合物の加水分解および縮合を促進する点から、アルミニウムキレート化合物が好ましく、アルミニウムアセチルアセトナートが特に好ましい。
金属触媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0042】
(液状媒体)
シリカ膜形成用組成物は、液状媒体を含むことが好ましい。液状媒体は、組成物中において、加水分解性化合物を溶解または分散させ、シリカ粒子を分散させる溶媒であるのが好ましい。
【0043】
液状媒体の具体例としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物、含硫黄化合物等の有機溶媒、および、水が挙げられる。
【0044】
アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコールが挙げられる。
ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。
エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンが挙げられる。
セロソルブ類の具体例としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブが挙げられる。
エステル類の具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチルが挙げられる。
グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。
含窒素化合物の具体例としては、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンが挙げられる。
含硫黄化合物の具体例としては、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
【0045】
液状媒体は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
液状媒体は、加水分解性化合物の加水分解の点から、水のみを含むか、または、水と有機溶媒との混合溶媒であるのが好ましい。
水と有機溶媒との混合溶媒を用いる場合、有機溶媒としては、アルコール類が好ましい。
【0046】
(他の成分)
シリカ膜形成用組成物は、上記以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分の具体例としては、シリコーンオイル、界面活性剤、pH調整剤(例えば、酸、アルカリ等)、消泡剤が挙げられる。
【0047】
(含有量)
シリカ膜形成用組成物において、テトラアルコキシシランのSiO2換算での含有量は、テトラアルコキシシランと、化合物Iと、シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、2~35質量%であり、シリカ膜付き基板の耐摩耗性により優れる点から、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましく、シリカ膜付き基板の耐アルカリ性および耐塩水性により優れる点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
【0048】
シリカ膜形成用組成物において、化合物IのSiO2換算での含有量は、テトラアルコキシシランと、化合物Iと、シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、15~88質量%であり、シリカ膜付き基板の耐アルカリ性および耐塩水性により優れる点から、20質量%以上が好ましく、25質量%以上が特に好ましく、シリカ膜付き基板の耐摩耗性により優れる点から、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
【0049】
シリカ膜形成用組成物において、シリカ粒子のSiO2換算での含有量は、テトラアルコキシシランと、化合物Iと、シリカ粒子とのSiO2換算での合計量に対して、10~60質量%であり、シリカ膜付き基板の耐摩耗性により優れる点から、30質量%以上が好ましく、32質量%以上が好ましく、35質量%以上が特に好ましく、シリカ膜付き基板の耐アルカリ性および耐塩水性により優れる点から、50質量%以下が好ましく、48質量%以下がより好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
【0050】
シリカ膜形成用組成物が加水分解性基を有するフルオロアルキルシランを含む場合、シリカ膜形成用組成物において、加水分解性基を有するフルオロアルキルシランのSiO2換算での含有量は、テトラアルコキシシランと、化合物Iと、シリカ粒子と、加水分解性基を有するフルオロアルキルシランとのSiO2換算での合計量に対して、シリカ膜付き基板の耐摩耗性により優れる点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上が特に好ましく、シリカ膜付き基板の耐アルカリ性および耐塩水性により優れる点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
【0051】
シリカ膜形成用組成物が金属触媒を含む場合、金属触媒の含有量は、テトラアルコキシシランと、化合物Iと、シリカ粒子と、任意で用いられる加水分解性基を有するフルオロアルキルシランと、のSiO2換算での合計量に対して、0.01~5質量%が好ましく、0.1~3質量%が特に好ましい。
【0052】
シリカ膜形成用組成物が上述した他の成分を含む場合、他の成分の含有量は、テトラアルコキシシランと、化合物Iと、シリカ粒子と、任意で用いられる加水分解性基を有するフルオロアルキルシランと、のSiO2換算での合計量に対して、0.1~3質量%が好ましく、0.5~2質量%が特に好ましい。
【0053】
シリカ膜形成用組成物が液状媒体を含む場合、液状媒体の含有量は、シリカ膜形成用組成物の全質量に対して、86.0~99.5質量%が好ましく、88.5~99.0質量%が特に好ましい。
【0054】
(調製方法)
シリカ膜形成用組成物は、加水分解性化合物、シリカ粒子および任意成分(例えば、金属触媒、液状媒体)を混合して製造できる。
【0055】
〔用途〕
シリカ膜付き基板1Aの用途は、特に限定されないが、車両用部品(車体、表示部や操作部等の人と接触する部材。)、産業用機器、建築用外装部材、衛生用部材等が挙げられる。
【0056】
〔シリカ膜付き基板の製造方法〕
シリカ膜付き基板1Aの製造方法としては、基板10上に上述のシリカ膜形成用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥して、基板10上にシリカ膜20を形成する方法が挙げられる。
【0057】
塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スクリーンコート法、インクジェット法、フローコート法、グラビアコート法、バーコート法、フレキソコート法、スリットコート法、ロールコート法等のウェットコート法が挙げられる。
【0058】
乾燥は、加熱により行ってもよく、加熱せずに自然乾燥や風乾により行ってもよい。
乾燥温度は、シリカ膜の硬度が優れる点から、50℃以上が好ましく、100℃以上が特に好ましい。
乾燥時間は、乾燥温度や基板のサイズ等によって適宜設定すればよいが、5分以上が好ましく、10分以上が特に好ましい。
【実施例0059】
以下、例を挙げて本発明を詳細に説明する。例1~例6は実施例であり、例7~例9は比較例である。ただし本発明はこれらの例に限定されない。
【0060】
[シリカ膜の厚さの算出]
シリカ膜の厚さは、シリカ膜形成用組成物の固形分およびバーコーターのNo.で設定される湿潤時の膜の厚さ、および、固形分密度から算出した。
【0061】
[耐アルカリ性の評価試験]
各例のシリカ膜付き基板を、23±2℃に調整した0.1N水酸化ナトリウム水溶液に6時間浸漬した後、純水にて洗浄し、エアブローにて乾燥した。
乾燥後、試験箇所に光を照射し、目視にて白濁の発生度合いを確認して、以下の基準によって耐アルカリ性を評価した。結果を表1に示す。
◎:白濁が全く認められない。
○:一部白濁が認められる。
×:全面に白濁が認められる。
【0062】
[耐塩水性の評価試験]
各例のシリカ膜付き基板を、50±2℃に調整した5%塩化ナトリウム水溶液に24時間浸漬した後、純水にて洗浄し、エアブローにて乾燥した。
乾燥後のシリカ膜付き基板を目視して観察して、以下の基準によって耐塩水性を評価した。結果を表1に示す。
○:外観変化なし
×:外観変化あり(光点やムラ、白濁が発生)
【0063】
[耐摩耗性の評価試験]
デッキブラシを500gの荷重にて、各例のシリカ膜付き基板におけるシリカ膜の表面を水平往復運動させた。
100回の往復運動後、デッキブラシで摩擦した部分に光を照射して、目視によって傷の有無を確認し、以下の基準によって耐摩耗性を評価した。結果を表1に示す。
○:傷の発生なし
×:傷の発生あり
【0064】
〔シリカ膜形成用組成物Aの調製〕
変性エタノール(日本アルコール販売社製、商品名「ソルミックス AP-11」)22.10gを撹拌しながら、イオン交換水6.41gとアルミニウムアセチルアセトナート0.01gを加え、5分間攪拌した。
これに、テトラエトキシシラン0.17gと、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン0.81gと、シリカ粒子分散液(日産化学工業社製,商品名「スノーテックスOS」,SiO2換算量:20質量%)1.75gとを加え、室温で30分攪拌して、シリカ膜形成用組成物Aを作製した。
シリカ膜形成用組成物Aにおいて、テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンおよびシリカ粒子のSiO2換算での含有量はそれぞれ、テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンおよびシリカ粒子のSiO2換算での合計量に対して、7質量%、43質量%、50質量%であった。
【0065】
〔シリカ膜形成用組成物B~Fの調製〕
テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンおよびシリカ粒子のSiO2換算での合計量に対する、テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンおよびシリカ粒子のSiO2換算での含有量がそれぞれ、表1に記載の値となるように、各成分の使用量を調節した以外は、シリカ膜形成用組成物Aの調製と同様にして、シリカ膜形成用組成物B~Fを得た。
【0066】
[例1]
アルミニウム基板(サイズ:50mm×100mm)を純水にて洗浄後、風乾した。
風乾後、上記シリカ膜形成用組成物Aを基板の表面に滴下し、バーコート法(バーコーター No.12)にてシリカ膜形成用組成物Aの塗膜が形成された塗膜付き基板を作製した。
炉内温度を120℃に調整した熱風炉内に塗膜付き基板を投入し、15分間加熱して塗膜を硬化した後、室温下で冷却を行うことで、例1のシリカ膜付き基板を得た。
【0067】
[例2]
アルミニウム基板の代わりに易接着PETフィルム(東洋紡社製、商品名「コスモシャイン(登録商標) A4100」、サイズ:50mm×100mm)を用いたこと、バーコーター No.24を用いたこと、および、加熱時間を60分にしたこと以外は、例1と同様にして、例2のシリカ膜付き基板を作製した。
【0068】
[例3]
アルミニウム基板の代わりにステンレス基板(SUS304、サイズ:100mm×100mm)を用いたこと、バーコーター No.24を用いたこと、および、加熱時間を60分にしたこと以外は、例1と同様にして、例3のシリカ膜付き基板を作製した。
【0069】
[例4~9]
シリカ膜形成用組成物Aの代わりに、表1に記載のシリカ膜形成用組成物を用い、シリカ膜の厚さが表1の値になるように塗布条件を調節した以外は例1と同様にして、例4~9のシリカ膜付き基板を作製した。
【0070】
[評価結果]
例1~9のシリカ膜付き基板を用いて、上述の各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、表1中、「SiO2換算での含有量(質量%)」とは、テトラエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサンおよびシリカ粒子のSiO2換算での合計量に対する、テトラエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサンおよびシリカ粒子のSiO2換算での含有量を意味する。
【0071】
【0072】
表1に示す通り、テトラアルコキシシラン、化合物Iおよびシリカ粒子のSiO2換算での含有量がそれぞれ所定範囲内にあるシリカ膜形成用組成物を用いれば、耐アルカリ性、耐塩水性および耐摩耗性に優れたシリカ膜付き基板が得られるのが確認された(例1~6)。