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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019405
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】コンテナハウス
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/348 20060101AFI20220120BHJP
   B60P 3/325 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
E04B1/348 P
E04B1/348 H
E04B1/348 N
B60P3/325
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123218
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】520267406
【氏名又は名称】株式会社ALDO
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100221006
【弁理士】
【氏名又は名称】金澤 一磨
(72)【発明者】
【氏名】菅原 千明
(57)【要約】
【課題】建築基準法を満たすことができるコンテナハウスを提供する。
【解決手段】基礎2の上に設置されている単数もしくは複数のコンテナ3を含む。コンテナ3は、鋼材からなり上下方向に延びる縦架材11と、鋼材からなり前後方向又は左右方向に延びる横架材12A,12Bとを有し六面体状である枠体13と、枠体13の壁面、天井面に設けられている壁面材4(鋼板パネル)とを備える。なお,雨除けとしての屋根が不要の場合は、天井面の壁面材4は省略してもよい。縦架材11は、第1縦板部分11aと、第1縦板部分11aに対し直交する方向に延びる第2縦板部分11bとを有する山型の鋼材で、第1及び第2縦板部分11a,11bに横架材12A,12Bの端部が溶接により接合されている。縦架材11の上下端部に、取付穴を有し縦架材11の断面形状に対応する大きさの矩形状鋼板21が、縦架材11の長手方向に直交するように、溶接により取り付けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のコンテナが基礎または土台の上に設置されてなるコンテナハウスであって、
前記コンテナは、六面体状である枠体を備え、
前記枠体は、鋼材からなり上下方向に延びる縦架材と、鋼材からなり前後方向又は左右方向に延びる横架材と、該枠体の壁面、天井面又は床面となる部分に設けられる鋼板パネルとを有し、
前記縦架材は、第1縦板部分と、前記第1縦板部分に対し直交する方向に延びる第2縦板部分とを有する山型の鋼材であり、前記第1及び第2縦板部分に前記横架材の端部が溶接により接合されているものであり、
前記縦架材の下方端部に、取付穴を具備し該縦架材の断面形状に対応する大きさの矩形状鋼板が、該縦架材の長手方向に直交するように取り付けられていることを特徴とする、
コンテナハウス。
【請求項2】
さらに、前記縦架材の上方端部に、取付穴を具備し該縦架材の断面形状に対応する大きさの矩形状鋼板が、該縦架材の長手方向に直交するように取り付けられている、
請求項1記載のコンテナハウス。
【請求項3】
前記床面に対応する横架材と、前記天井面に対応する横架材とは、平行に延びる第1及び第2横板部分と、前記第1及び第2横板部分に直交する方向に延びそれらに結合されて両側に溝部を形成している連結板部分とを有するH型の鋼材である、
請求項1又は2記載のコンテナハウス。
【請求項4】
前記床面に対応する横架材と、前記天井面に対応する横架材とは、角型鋼管である、
請求項1又は2記載のコンテナハウス。
【請求項5】
前記床面に対応する横架材と、前記天井面に対応する横架材とが、同じ大きさの断面を有するH型の鋼材である、
請求項3記載のコンテナハウス。
【請求項6】
前記横架材は、前記溝部にガセットプレートが取り付けられている、
請求項3記載のコンテナハウス。
【請求項7】
前記縦架材と前記横架材とは、フルペネ溶接により結合されている、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコンテナハウス。
【請求項8】
前記縦架材と前記横架材とは、接合される端部が互いに斜めに切断されて溶接されている、
請求項7記載のコンテナハウス。
【請求項9】
前記縦架材と前記横架材とは、接合部分の一部又は全部がピン接合により接合されている,
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のコンテナハウス。
【請求項10】
前記基礎は、地盤調査によって、直接基礎、又は杭基礎を選択する、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のコンテナハウス。
【請求項11】
前記コンテナは輸送用コンテナの基準を満たしており、かつ、前記コンテナハウスは建築基準法を満たしている、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のコンテナハウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナハウスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
物資を輸送するための容器であるコンテナを、人が生活するために利用する空間・建築として用いることが知られている。
【0003】
近年では、海上輸送用コンテナを活用した建築物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。つまり、船舶用コンテナ外形をなす住宅及び店舗・事務所・工場・倉庫・駐車場などの建築用モジュールであって、住宅を分割した分割単位となる略直方体外形のモジュール本体と、該モジュール本体の一面に着脱自在な吊下アダプタとからなり、吊下アダプタは四隅に吊下金具を設けた略長方形外形で、該吊下アダプタの全吊下金具を頂点として結んだ倣い外形を船舶用コンテナ外形の一面に等しくしてなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-105537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載は、単にモジュール本体の一面に吊下アダプタを着脱自在に設けただけのものであり、建築基準法を満たしていない。また、特許文献1以外にも、コンテナハウスと称して、輸送用コンテナを利用したコンテナハウスが存在しているが、建築としての強度を満たさないなど、建築基準法を満たしていないコンテナハウスが横行しているのが実情である。
【0006】
発明者は、このような現状を鑑み、建築基準法を満たすコンテナハウスを実現すべく鋭意研究を行い、輸送用コンテナを有効に利用した建築基準法を満たすコンテナハウスを発明した。本発明は、建築基準法を満たすコンテナハウスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様に係るコンテナハウスは1または複数のコンテナが基礎または土台の上に設置されてなるコンテナハウスであって、前記コンテナは、六面体状である枠体を備え、前記枠体は、鋼材からなり上下方向に延びる縦架材と、鋼材からなり前後方向又は左右方向に延びる横架材と、該枠体の壁面、天井面又は床面となる部分に設けられる鋼板パネルとを有し、前記縦架材は、第1縦板部分と、前記第1縦板部分に対し直交する方向に延びる第2縦板部分とを有する山型の鋼材であり、前記第1及び第2縦板部分に前記横架材の端部が溶接により接合されているものであり、前記縦架材の下方端部に、取付穴を具備し該縦架材の断面形状に対応する大きさの矩形状鋼板が、該縦架材の長手方向に直交するように取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、建築物としての強度など建築基準法を満たすコンテナハウスとすることができる。また、所定形状の輸送用コンテナを活用しているので、輸送用コンテナの基準を満たし、通常の輸送用コンテナ同様、海上輸送、陸上輸送が可能である。すなわち、輸送や輸出が可能なコンテナハウスである。
【0009】
また、縦架材が山型の鋼材であり、かつ、端部に取付穴を具備する矩形状鋼板が設けられているため、取付穴を用いて基礎や土台にアンカーボルトでしっかりと固定することができる。また、山型の鋼材を用いることで、アンカーボルトで固定する際に、その連結部分がコンテナの外形寸法の外側に突出することがない。また、取付部分が外部から見ることができるので、アンカーボルトの連結作業が容易であるし、メンテナンスも容易である。
【0010】
また、このコンテナハウスは、さらに、前記縦架材の上方端部に、取付穴を具備し該縦架材の断面形状に対応する大きさの矩形状鋼板が、該縦架材の長手方向に直交するように取り付けられている。この構成によれば、コンテナを上下につなげて2階建てのコンテナハウスとする場合に、下側のコンテナの上方端部の矩形状鋼板と、上側のコンテナの下方端部の矩形状鋼板とを、その取付穴を利用して上下のコンテナをボルト等により確実に連結することができる。
【0011】
また、このコンテナハウスは、前記床面に対応する横架材と、前記天井面に対応する横架材とは、平行に延びる第1及び第2横板部分と、前記第1及び第2横板部分に直交する方向に延びそれらに結合されて両側に溝部を形成している連結板部分とを有するH型の鋼材であることが望ましい。この場合、前記床面に対応する横架材と、前記天井面に対応する横架材とが、同じ大きさの断面を有するH型の鋼材であることが望ましい。
【0012】
この構成によれば、横架材にH型の鋼材を用いることで、強度を高めることができ、建築物としての強度など建築基準法を満たすコンテナハウスとすることができる。また、H型の鋼材を用いることで、例えば、コンテナを離間して横に並べて、両コンテナ間をH型の鋼材の溝部を利用して、鋼材の橋を渡すことで、両コンテナ間の空間を部屋として構成することが可能となる。すなわち、少ないコンテナ数で広い空間を確保することが可能となる。
【0013】
また、上記のようにH型の鋼材を用いることが望ましいが,構造計算などによって安全が確認された場合には、横架材を角型鋼管とすることも可能である。
【0014】
また、従来輸送用コンテナは、下側に用いられる鋼材が150の鋼材であるのに対し、上側に用いられる鋼材が80の鋼材を用いることが一般的であるところ、上下の鋼材を同じ大きさの断面を有する鋼材、すなわち上下ともに150の鋼材とすることで、強度を高めることができる。
【0015】
また、このコンテナハウスは、前記横架材が前記溝部にガセットプレートが取り付けられていることが望ましい。この構成によれば、コンテナを離間して横に並べて、両コンテナ間をH型の鋼材の溝部を利用して、鋼材の橋を渡す際に、このガセットプレート間を鋼材等でつなげて容易に連結することが可能となる。
【0016】
また、このコンテナハウスは、前記縦架材と前記横架材とがフルペネ溶接により結合されていることが望ましい。この構成によれば、縦架材と横架材をフルペネ溶接により強固に接合することが可能となり、強度を高めることができる。
【0017】
また、このコンテナハウスは、前記縦架材と前記横架材とが、接合される端部が互いに斜めに切断されて溶接されていることがより望ましい。この構成によれば、溶接される部分が大きくなり、より強固に接合することができる。
【0018】
また、このコンテナハウスは、前記縦架材と前記横架材とが、接合部分の一部又は全部がピン接合により接合されている。この構成によれば,例えば構造計算等により上記したフルペネ溶接より望ましい場合,接合方法としてピン接合を用いてもよい。
【0019】
また、前記基礎は、地盤調査によって、直接基礎、又は杭基礎を選択することが望ましい。よって、コンテナハウスは適切に選択された直接基礎、又は杭基礎に確実に緊結される。
【0020】
また、このコンテナハウスは、 前記コンテナは輸送用コンテナの基準を満たしており、かつ、前記コンテナハウスは建築基準法に規定される建築基準を満たしている。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、建築基準法を満たすコンテナハウスとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態のコンテナハウスを示す斜視図である。
図2】コンテナハウスに用いるコンテナの基本となるコンテナの一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は屋根パネルを除く平面図、(d)は屋根パネルのみの平面図である。
図3】矩形状鋼板の説明図である。
図4】(a)~(c)はアンカーボルトとの締結状態を示す図である。
図5】横架材の溝部にガセットプレートが取り付けられている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテナハウスを示す斜視図、図2はコンテナハウスに用いるコンテナの基本となるコンテナの一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は屋根パネルを除く平面図、(d)は屋根パネルのみの平面図である。
【0025】
図1に示すように、コンテナハウス1は、基礎2の上に2つのコンテナ3A,3Bが設置されてなり、2つのコンテナ3A,3Bの間に、それらの間は、複数の壁面材4でつなぎ、屋根5が設けられている。このようにコンテナハウス1は、2つのコンテナ3A,3Bを利用して、広いスペースを確保できる建築物となっている。1つのコンテナだけを用いて、コンテナハウスとすることができるのはもちろん、3つ以上のコンテナを用いることもできる。また,雨除けとしての屋根が不要の場合は、天井面の壁面材4を省略してもよい。
【0026】
コンテナ3A,3Bの基本となるコンテナ3は、図2(a)(b)(c)(d)に示すように、上下方向に延び鋼材(JIS鋼材)からなる縦架材11と、左右方向に延び鋼材からなる横架材12Aと、前後方向に延び鋼材からなる横架材12Bとで、六面体状に形成されている枠体13と、枠体13の壁面となる部分に設けられている鋼板パネル14A,14B(例えば、波形鋼板パネル)と、天井面となる部分に設けられている鋼板パネル14C(例えば、波形鋼板パネル)とを備える。なお、壁面となる部分に設けられている鋼板パネル14Bは、開閉可能であるドア14Ba,14Baとされている。
【0027】
縦架材11は、図3に示すように、第1縦板部分11aと、第1縦板部分11aに対し直交する方向に延びる第2縦板部分11bとを有する山型の鋼材(アングル)である。そして、第1及び第2縦板部分11a,11bの上下端部に横架材12A,12Bの端部が溶接により接合されている。
【0028】
また、縦架材11は、上下端部に縦架材11(山型の鋼材)の断面形状に対応する大きさの矩形状鋼板21が、縦架材11の長手方向に直交するように、かつそれの角部が縦架材11の上端部における角部と一致するように溶接により取り付けられている。矩形状鋼板21は、中央に第1取付穴21a(ISO輸送用の取付穴にもなる)を、その周囲に4つの第2取付穴22bが設けられている。
【0029】
下端部の矩形状鋼板21の中央部分は、図4(a)(b)に示すように、第1取付穴21aに接合板21aaを介して、基礎2から鉛直方向に突出して延びるアンカーボルト22の上端部に無収縮モルタル23を挟んで締結され、コンテナ3A(3B)を基礎2に固定するようになっている。なお、24は固定ナット、11cは補強板である。
【0030】
下端部の矩形状鋼板21の四隅部分は、図4(a)(c)に示すように、第1取付穴21bに、基礎2から鉛直方向に突出して延びるアンカーボルト22の上端部に無収縮モルタル23を挟んで締結され、コンテナ3A(3B)を基礎2に固定するようになっている。なお、24は固定ナット、11cは補強板である。
【0031】
横架材12Aは、図5に示すように、平行に延びる第1及び第2横板部分12a,12aと、第1及び第2横板部分12a,12aに直交する方向に延びそれらに結合されて両側に溝部12b,12bを形成している連結板部分12cとを有するH型の鋼材である。横架材12Bも、基本的に同じ構造である。ただし、構造計算により安全が確認された場合には、横架材12A,12Bは角型鋼管に代替することもできる。
【0032】
床面となる下面を構成する横架材12A,12Bと、天井面となる上面を構成する横架材12A,12Bとは、同じ大きさのH型の鋼材(例えば幅150mm)が用いられている。また、横架材12は、H型の鋼材の溝部12bに、他の部材の取り付けに利用できるガセットプレート12dが取り付けられている。ただし、構造計算により安全が確認された場合には、横架材12A,12Bは角型鋼管に代替することもできる。
【0033】
従来は、前記上面を構成する横架材のサイズ(例えば幅80mm)を、前記下面を構成する横架材のサイズ(例えば幅150mm)より小さくしていたが、サイズ(例えば幅150mm)を同じにすれば、コンテナ3全体の剛性を高くすることができる。なお、縦架材11は、山型の鋼材に代えて、コラム(角型鋼管)を用いることもできる。
【0034】
コンテナ3とは、壁全体で建築物の重さを支える壁構造ではなく、縦架材11と横架材12A,12Bとで建築物の重さを支えるラーメン構造を採用したものである。よって、閉鎖性を回避するために、例えば、壁に開口部を設け、ガラス張りにすることができ、そのようにしても、耐久性が損なわれることなく、必要な強度を維持することができる。
【0035】
コンテナ3には、20フィートと、40フィートの2種類があり、ともに国際標準であるISO海上輸送コンテナと同じサイズである。20フィートと40フィートのコンテナそれぞれについて、幅・長さはそのままで、高さだけを1フィート(約30cm)高くしたハイキューブコンテナを用いることも可能である。
【0036】
海上輸送コンテナではなくコンテナを利用する理由は、デザイン性、品質、そしてコンプライアンスを両立させるためで、海上輸送コンテナを使ったコンテナハウスは材質の問題で建築基準法をパスできず、また、構造上の理由から、窓やドアを設置するために壁に開口部を設けると強度が大きく損なわれることになるからである。よって、閉鎖性が気になるようであれば壁を取り払ってガラス張りにするなど、様々な工夫が可能である。
【0037】
また、コンテナ3のサイズを、国際標準であるISO海上輸送コンテナのサイズにあわせる理由は、国際的に規定されたサイズであるので、世界で統一されたコンテナ輸送の恩恵を受けることができ、輸送コストを大幅に削減できるからである。
【0038】
基礎2は、底板一面が鉄筋コンクリートになっているベタ基礎としているが、比較的地盤が良好で、階数が低く建物全体の重量が少ない場合(木造や鉄骨造)には、地盤の上に直接基礎を載せた形式の直接基礎とすることもできる。なお、ベタ基礎は、底面一面がコンクリートになっているので、コンテナ全体の重みを底全体で受け止めることができ、安定性に優れている。また、表層地盤(浅い地盤)に良い地盤が出現せず、数十メートル下により深い所に良好地盤がある場合には、地震時の液状化対策ため、杭基礎とすればよい。
【0039】
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。また、本発明のコンテナハウスは、例えば次のようにして実施することもできる。
【0040】
上記した実施形態では、1階建てを想定したコンテナハウスの例を示したが、複数のコンテナを上に積み重ねて、2階建てや3階建ての建築物とすることも可能である。縦架材11の端部に矩形状鋼板21が溶接により取り付けられているので、2階建てや3階建ての場合には、矩形状鋼板21を利用して連結することができる。つまり、矩形状鋼板21の取付穴21a,21bを利用して上下のコンテナ3をボルトなどにて締結固定することで、2階建てや3階建ての建築物の場合における剛性を確保することができる。
【0041】
以上説明したように、本発明は、不動産とされた建築物に、運搬・移設という新たな可能性を開くことで、建設ゴミを大きく削減し、スクラップアンドビルドという経済的無駄の削減に向けて風穴を開ける試みからなされたものである。
【0042】
そのためには、不動産を動産に近づけるべく、コンテナの輸送トラックへの積み下ろし、コンテナ船への積み下ろしなど、日本道交法ばかりか、世界基準の輸送コンテナの基準を満たすことが必要である。加えて、当然ながら日本の建築基準法に則って品質を確保し、建て主の利益と安心を保証する技術をも確保している。
【0043】
それらを達成するための発明のポイントが、コンテナ4隅の縦架材(山形鋼(アングル柱))である。このことにより、海洋輸送基準を最高程度に容易にして、基礎や他のコンテナとの緊結の確かさ(検証しやすい作業環境、メンテナンスの容易さ)や、緊結が外部にあるため、雨漏り対策も容易にしている。
【0044】
また、上記した実施形態では、コンテナを横置きした例を示したが、コンテナを縦置きや斜め置き、90度回転した(横倒し)置きの設置も可能である。よって、設計の自由度が高くなり、いろいろなデザインの建築物を得ることができ、いろいろな間取りを実現することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 コンテナハウス
2 基礎
3,3A,3B コンテナ
4 壁面材
5 屋根
11 縦架材
11a 第1縦板部分
11b 第2縦板部分
11c 補強板
12A,12B 横架材
12a 横板部分
12b 溝部
12c 連結板部分
12d ガセットプレート
13 枠体
14A,14B,14C,14D 鋼板パネル
14Ba ドア
21 矩形状鋼板
21a,21b 取付穴
22 アンカーボルト
23 無収縮モルタル
24 固定ナット
図1
図2
図3
図4
図5