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  • 特開-選果管理システム及び選果管理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019408
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】選果管理システム及び選果管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20220120BHJP
   G16Y 10/05 20200101ALI20220120BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20220120BHJP
【FI】
G06Q50/02
G16Y10/05
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123223
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】391017207
【氏名又は名称】三井金属計測機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】天野 啓二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】箱詰めなど梱包された青果物であっても、集荷者がその青果物の品質などを正確に把握し、青果物の品質などに基づいて選果された状態で市場に出荷することができる選果管理システム及び選果管理方法を提供する。
【解決手段】青果物を選果するための選果装置と、該選果装置とネットワークを介して接続される管理端末とを有する選果管理システムであって、選果装置は、青果物の品質を検査する検査機能を備え、少なくとも青果物の品質を含む青果物の検査に関する情報を、管理端末が受信可能に構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青果物を選果するための選果装置と、該選果装置とネットワークを介して接続される管理端末と、を有する選果管理システムであって、
前記選果装置は、前記青果物の品質を検査する検査機能を備え、
少なくとも前記青果物の品質を含む青果物の検査に関する情報を、前記管理端末が受信可能に構成されることを特徴とする選果管理システム。
【請求項2】
前記選果装置は、使用許可情報を受信することで、前記検査機能が利用可能となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の選果管理システム。
【請求項3】
前記ネットワークに、管理サーバを含み、
前記管理サーバは、前記選果装置から送信される使用許可要求信号を受信した際に、当該選果装置に対して使用許可情報を送信するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の選果管理システム。
【請求項4】
前記青果物の検査に関する情報が、検査状況、出来高のうち少なくともいずれかをさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の選果管理システム。
【請求項5】
検査された青果物に対応する識別情報を発行する識別情報発行手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の選果管理システム。
【請求項6】
前記識別情報が、前記青果物の品質を含むことを特徴とする請求項5に記載の選果管理システム。
【請求項7】
前記管理端末が、前記識別情報に関連付けて前記青果物の品質に関する情報が登録される青果物情報データベースを備えることを特徴とする請求項5または6に記載の選果管理システム。
【請求項8】
前記ネットワークに、データベースサーバを含み、
前記データベースサーバが、前記識別情報に関連付けて前記青果物の品質に関する情報が登録される青果物情報データベースを備えることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の選果管理システム。
【請求項9】
青果物を選果するための選果装置と、該選果装置とネットワークを介して接続される管理端末と、を用いて青果物の選果作業を管理する選果管理方法であって、
前記選果装置は、前記青果物の生産者が利用するものであり、
前記管理端末は、前記生産者が前記青果物を出荷する集荷者が利用するものであり、
前記選果装置から送信される前記青果物の検査に関する情報を、前記管理端末によって管理することを特徴とする選果管理方法。
【請求項10】
前記生産者は、前記選果装置によって前記青果物の選果を行った後、前記青果物を梱包し、梱包された状態で前記青果物を前記集荷者に出荷することを特徴とする請求項9に記載の選果管理方法。
【請求項11】
前記生産者は、選果作業前に前記選果装置に選果予定量を入力し、該選果予定量は、前記ネットワークを介して前記管理端末に送信され、
前記集荷者は、前記選果予定量に基づき、出来高予測を行うことを特徴とする請求項9または10に記載の選果管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物の選果作業を管理するための選果管理システム及び選果管理方法に関し、より具体的には、例えば、箱詰めされた状態で集荷される青果物について、その品質を正確に把握することができる選果管理システム及び選果管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、シャインマスカットやピオーネなどのぶどうや、いちご、マンゴー、ビワなどといった比較的高級な青果物は、生産者によって収穫後に目視検査と重量測定による選別が行われ、選別された青果物は、大きさやランクごとに生産者によって箱詰めされる。そして、箱詰めされた状態で農業協同組合や出荷組合、産地仲買人などの集荷者に出荷される。集荷者は、集められた青果物に対して改めてランク付けを行い、市場に出荷している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-47106号公報
【特許文献2】特開2008-128821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、目視検査だけでは確認することのできない青果物の糖度などの青果物の品質に関して、市場に流通した時点で問題となってしまうことがあった。
青果物の糖度などの品質に関しては、例えば、特許文献1,2などに開示されているような内部品質検査装置を用いることによって測定することができるが、導入コストが高額となってしまうことから、全ての生産者が導入することは現実的ではなかった。
【0005】
一方で、集荷者が内部品質検査装置を導入したとしても、箱の外部からの検査となるため、青果物の検査範囲が非常に狭くなってしまう可能性が高く、青果物の糖度などの品質を正確に検査することができない。
【0006】
また、1箱に1つの青果物が梱包されている場合もあれば、1箱に複数の青果物が梱包されている場合もある。さらには、青果物が個別に包装されている場合などもある。このため、箱の外部から青果物の品質を正確に検査することは困難であり、もし、そのような検査装置を開発したとしても、とても高価な検査装置となってしまう。
【0007】
さらには、このような検査装置を導入したとしても、例えば、既に箱詰めされた状態の複数の青果物について、その一部が求められている糖度を下回っていたとしても、青果物の入れ替え作業などを行うことは現実的ではない。
【0008】
本発明では、このような現状に鑑み、箱詰めなど梱包された青果物であっても、集荷者がその青果物の品質などを正確に把握し、青果物の品質などに基づいて選果された状態で市場に出荷することができる選果管理システム及び選果管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述するような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、本発明の選果管理システムは、
青果物を選果するための選果装置と、該選果装置とネットワークを介して接続される管理端末と、を有する選果管理システムであって、
前記選果装置は、前記青果物の品質を検査する検査機能を備え、
少なくとも前記青果物の品質を含む青果物の検査に関する情報を、前記管理端末が受信可能に構成されることを特徴とする。
【0010】
このような選果管理システムでは、前記選果装置は、使用許可情報を受信することで、前記検査機能が利用可能となるように構成することができる。
【0011】
また、前記ネットワークに、管理サーバを含み、
前記管理サーバは、前記選果装置から送信される使用許可要求信号を受信した際に、当該選果装置に対して使用許可情報を送信するように構成されることができる。
【0012】
また、前記青果物の検査に関する情報が、検査状況、出来高のうち少なくともいずれかをさらに含むことができる。
【0013】
また、検査された青果物に対応する識別情報を発行する識別情報発行手段をさらに備えることができる。
この場合、前記識別情報が、前記青果物の品質を含むことができる。
【0014】
また、前記管理端末が、前記識別情報に関連付けて前記青果物の品質に関する情報が登録される青果物情報データベースを備えることができる。
【0015】
また、前記ネットワークに、データベースサーバを含み、
前記データベースサーバが、前記識別情報に関連付けて前記青果物の品質に関する情報が登録される青果物情報データベースを備えることができる。
【0016】
また、本発明の選果管理方法は、
青果物を選果するための選果装置と、該選果装置とネットワークを介して接続される管理端末と、を用いて青果物の選果作業を管理する選果管理方法であって、
前記選果装置は、前記青果物の生産者が利用するものであり、
前記管理端末は、前記生産者が前記青果物を出荷する集荷者が利用するものであり、
前記選果装置から送信される前記青果物の検査に関する情報を、前記管理端末によって管理することを特徴とする。
【0017】
このような選果管理方法では、前記生産者は、前記選果装置によって前記青果物の選果を行った後、前記青果物を梱包し、梱包された状態で前記青果物を前記集荷者に出荷することができる。
【0018】
また、前記生産者は、選果作業前に前記選果装置に選果予定量を入力し、該選果予定量は、前記ネットワークを介して前記管理端末に送信され、
前記集荷者は、前記選果予定量に基づき、出来高予測を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、梱包作業前に青果物の品質を検査するとともに、その検査結果を管理端末で集約するように構成することで、梱包された青果物について、改めて検査を行う必要もなく、青果物の品質に基づいて選果された商品を市場に出荷することができる。
【0020】
また、本発明によれば、生産者が利用する選果装置は、集荷者が利用する管理端末から使用許可情報を受信しない限り、青果物の品質を検査する検査機能を利用することが出来ないようにすることができる。このような構成とすることにより、集荷者が生産者に対して選果装置を貸与し、集荷者に出荷される青果物についてのみ生産者が選果装置を利用して、青果物の品質検査を行えるようにすることもできる。すなわち、全ての生産者に内部品質検査を行うことができる選果装置を導入させることが可能となる。
【0021】
また、このように選果装置を各生産者に導入することによって、集荷者は大規模な選果場を持つ必要がなく、集荷した青果物を保管しておく集荷場のみを有していればよい。また、集荷者は管理端末を用いて生産者により出荷される青果物の品質や出荷量などを把握することができる。このため、集荷者の担当者は、集荷場にいなくとも生産者により出荷される青果物の品質や出荷量などを把握できるため、例えば、別拠点や在宅など遠隔での勤務も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本実施形態における選果管理システムの構成を説明するための模式図である。
図2図2は、別の実施形態における選果管理システムの構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいて、より詳細に説明する。
なお、本発明において青果物としては、例えば、シャインマスカットやピオーネなどのぶどうや、いちご、マンゴー、ビワなどといった、生産者によって箱詰めなどの梱包をされて出荷されるような青果物が想定されるが、生産者から出荷される際に梱包をされずに出荷されるような青果物に利用することもできる。
【0024】
図1は、本実施形態における選果管理システムの構成を説明するための模式図である。
図1に示すように、本実施形態における選果管理システム10は、生産者の作業場に設置される選果装置20と、集荷者が利用する管理端末40とが、ネットワーク60を介して接続されて構成される。
【0025】
選果装置20は、複数の青果物Tを所定方向に搬送する搬送手段22と、搬送手段22の経路上に設けられ、搬送手段22により搬送される青果物Tの品質を検査する検査機能を有する青果物検査装置24と、選果装置20の動作を制御する制御手段28と、を備える。
【0026】
搬送手段22は、特に限定されるものではなく、例えば、PKコンベア、ベルトコンベア、メッシュコンベアなど、青果物Tの種類やサイズに応じて、適宜選択することができる。
【0027】
青果物検査装置24は、青果物Tの品質検査を行うことができるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、分光分析法を用いて青果物Tの糖度や酸度、機能性成分、腐敗や変色などの内部障害などを測定する内部品質検査装置や、デジタルカメラなどを用いて青果物Tの外観(傷や色味、形状、劣果、汚れ、表面の乾燥など)を検査したり、青果物Tのサイズなどを測定する外観品質検査装置、青果物Tの重量を測定する重量検査装置などを用いることができ、また、これらの検査装置を組み合わせて設置することもできる。
【0028】
制御手段28は、搬送手段22、青果物検査装置24の動作を制御したり、青果物検査装置24によって取得された青果物Tの品質や、検査状況、どれだけの青果物Tの品質検査が実施されたかを表す出来高など、青果物Tの検査に関する情報を取得し、後述する管理端末40に送信したりすることが可能に構成されている。このような制御手段28としては、例えば、演算手段、記憶手段、通信手段などを有するコンピュータとすることができ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、汎用サーバなどであってもよいし、マイクロコントローラなどの形態とすることもできる。
【0029】
なお、本実施形態においては、制御手段28に識別情報発行手段30が接続されている。
識別情報発行手段30は、青果物Tを識別するための識別情報を発行するものであって、青果物Tを梱包した際に、その梱包材に識別情報を付与することによって、梱包された青果物Tの品質などを容易に特定することが出来るようになる。
【0030】
識別情報としては、例えば、一意な文字列(ID)を含むことができる。また、識別情報としては、青果物Tの品質を含むこともできる。このような識別情報は、例えば、1次元バーコード、2次元バーコード、RFID(radio frequency identifier)などのICタグなどとすることができる。なお、識別情報として1次元バーコードや2次元バーコードを利用する場合には、例えば、梱包材に対して直接印刷するようにしてもよいし、ラベルシールなどに印刷して、作業者が梱包材に貼付できるようにしてもよい。なお、1次元バーコードや2次元バーコードを印刷する場合には、青果物Tに直接印刷するようにしてもよい。この場合、青果物Tにおいて、消費者が直接口にしない、例えば、果皮やヘタ部などに印刷することが好ましい。また、印刷用のインクには、植物性由来インクを用いることもできる。
【0031】
管理端末40は、ネットワーク60を介して選果装置20から送信された青果物Tの検査に関する情報を、集荷者の担当者が閲覧したり、管理したりすることが出来るように構成されている。このような管理端末40としては、演算手段、記憶手段、通信手段、入出力手段などを有するコンピュータとすることができ、パーソナルコンピュータやワークステーションなどであってもよいし、スマートフォンやタブレット端末などとすることもできる。
【0032】
ネットワーク60は、インターネットなどを利用することができる。なお、選果装置20と管理端末40とを専用線で直接接続するように構成することもできる。
【0033】
このように構成される本実施形態の選果管理システム10を利用して、以下のように青果物Tの選果作業を管理することができる。
【0034】
生産者は、青果物Tを収穫した後、目視検査を行うとともに、青果物Tのトリミングなどを行う。その後、選果装置20を用いて、青果物Tの品質検査を行う。このとき、選果装置20には、生産者によって青果物Tの選果予定量が入力されるとともに、選果作業を開始するための開始操作がなされる。
【0035】
入力された選果予定量は、制御手段28によって、ネットワーク60を介して、管理端末40に送信される。また、開始操作に応じて、制御手段28は、管理端末40に対して、使用許可要求信号を送信する。
【0036】
管理端末40は使用許可要求信号を受信した際、ディスプレイなどの出力手段に、使用許可要求信号を受信した旨の表示を行う。集荷者は、生産者に対する選果装置20の使用許可の可否を判断し、許可する場合には、管理端末40から選果装置20に対して、使用許可情報を送信する。
【0037】
選果装置20は、使用許可情報を受信することによって、品質検査を行う青果物検査装置24(検査機能)が利用可能となるように構成されている。
【0038】
生産者は、搬送手段22に青果物Tを載置して、青果物Tを搬送することによって、青果物検査装置24により青果物Tの品質検査を行う。そして、品質検査の結果と、事前に定められた階級に基づいて、青果物Tの選別を行うとともに、青果物Tを梱包する。また、生産者は、識別情報発行手段30により発行された識別情報を、青果物Tを梱包した梱包材に付与する。
【0039】
本実施形態において、このような選果作業の際、選果装置20の制御手段28は、品質検査を行った青果物Tの情報を少なくとも含む青果物Tの検査に関する情報を、ネットワーク60を介して管理端末40に送信する。
【0040】
ここで、青果物Tの情報としては、青果物Tの糖度や酸度、機能性成分、腐敗や変色などの内部障害などの内部品質、青果物Tの表面に現れる傷や色味、形状、劣果、汚れ、表面の乾燥などの外部品質、青果物Tのサイズや重量などの青果物Tの品質が挙げられる。
【0041】
また、青果物Tの検査に関する情報としては、検査状況や出来高に関する情報を含むことができる。
【0042】
また、制御手段28は、識別情報発行手段30を用いて、品質検査を行った青果物Tの識別情報を発行する。発行された識別情報は、自動的にもしくは作業者の操作によって、梱包材やラベルシールなどに印刷されるか、青果物Tに直接印刷される。識別情報がラベルシールに印刷される場合、生産者は識別情報が印刷されたラベルシールを、青果物Tが梱包された梱包材に貼付する。
【0043】
生産者は、このように識別情報が付与された梱包材によって梱包された状態の青果物Tを、集荷者に出荷する。
【0044】
なお、制御手段28は、識別情報発行手段30によって発行された識別情報に含まれる青果物TのIDを、青果物Tの品質に関連付けて青果物Tの情報に含めて、ネットワークを介して管理端末40に送信するようにすることもできる。
【0045】
青果物TのIDと、それに関連付けられた青果物Tの品質を含む青果物Tの情報を受信した管理端末40は、青果物情報データベースに登録するように構成することもできる。このように、青果物TのID(識別情報)に関連付けて青果物Tの品質に関する情報を登録しておくことによって、後述するように、集められた青果物Tの品質などを確認する際に、迅速かつ容易に情報を確認することができる。
【0046】
一方で、集荷者は、管理端末40が受信した選果予定量に基づき、出来高予測を行うことができる。このように、出来高予測を行うことによって、市場への出荷計画などを、青果物Tの集荷前に行うことが可能となり、集荷した青果物Tを早急に市場へ出荷することができるようになる。
【0047】
また、集荷者は、管理端末40が受信した青果物Tの検査に関する情報に含まれる検査状況や出来高に基づいて、上述する市場への出荷計画などの見直しを行うようにすることもできる。
【0048】
また、集荷者は、集められた青果物Tの梱包材に付与された識別情報と、管理端末40が受信した青果物Tの検査に関する情報に含まれる青果物Tの情報とに基づいて、青果物Tのランク付けを行い、市場に出荷することができる。
【0049】
このように集荷者は、集められた青果物Tについて、梱包を解くことなく、その品質を把握することができ、青果物Tの品質などに基づいて選果された状態で市場に出荷することができ、市場において、例えば、青果物Tの糖度の低さなどが問題になるようなことを防止することができる。
【0050】
なお、上述した実施形態においては、選果装置20から管理端末40に対して、青果物Tの検査に関する情報を送信し、管理端末40によって青果物Tの検査に関する情報を保管するように構成しているが、青果物Tの検査に関する情報を選果装置20に保管するように構成し、管理端末40から選果装置20に保管されている情報を閲覧できるように構成するようにしてもよい。
【0051】
図2は、別の実施形態における選果管理システムの構成を説明するための模式図である。この実施形態における選果管理システム10は、図1に示した選果管理システム10と基本的には同様であり、同じ構成要素には、同じ符合を付して、その詳細な説明を省略する。
【0052】
本実施形態の選果管理システム10は、複数の選果装置20a~20cを含み、各選果装置20a~20cから送信される青果物Tの検査に関する情報を、管理端末40によって閲覧したり、管理したりすることが出来るように構成されている。
【0053】
また、本実施形態においては、ネットワーク60に、データベースサーバ62及び選果装置管理サーバ64が含まれる。
データベースサーバ62は、識別情報に関連付けて青果物Tの品質に関する情報が登録される青果物情報データベースを備える。
【0054】
図1に示す実施形態では、選果装置20から管理端末40に対して青果物Tの検査に関する情報を送信するように構成しているが、本実施形態では、選果装置20a~20cからデータベースサーバ62に対して青果物Tの検査に関する情報を送信するように構成されている。
【0055】
このようにネットワーク60に含まれるデータベースサーバ62に青果物Tの検査に関する情報を保管しておくことにより、集荷者は、管理端末40を用いて、いつでも、どこからでも青果物Tの検査に関する情報を閲覧したり、管理したりすることができる。
【0056】
また、選果装置管理サーバ64は、選果装置20a~20cから送信される使用許可要求信号を受信した際に、当該選果装置20a~20cに対して使用許可情報を送信するように構成される。
【0057】
選果装置20a~20cは、使用許可情報を受信することによって、品質検査を行う青果物検査装置24(検査機能)が利用可能となるように構成されている。
【0058】
図1に示した選果管理システム10では、管理端末40を用いて集荷者が使用許可情報を送信するように構成しているが、本実施形態のように、複数の選果装置20a~20cを管理しなければならない場合などにおいては、選果装置管理サーバ64を用いて、自動的に、使用許可情報を送信することができるように構成することが好ましい。
【0059】
なお、選果装置管理サーバ64において、生産者に対する選果装置20の使用許可の可否を判断するように構成することが好ましい。使用許可の可否の判断は、例えば、ユーザー認証によって行うように構成してもよいし、また、選果装置に選果予定の青果物Tの種類などを生産者に入力させ、この青果物Tが生産者から集荷者に出荷される予定があるか否かを判断することによって、生産者による正規な利用か否かを判断するように構成することもできる。
【0060】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0061】
10 選果管理システム
20 選果装置
20a 選果装置
20b 選果装置
20c 選果装置
22 搬送手段
24 青果物検査装置
28 制御手段
30 識別情報発行手段
40 管理端末
60 ネットワーク
62 データベースサーバ
64 選果装置管理サーバ
T 青果物
図1
図2