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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019423
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】コンタクト
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
H01R13/11 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123248
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 勇紀
(72)【発明者】
【氏名】竹松 幸介
(57)【要約】
【課題】弾性片部の過度な変形を抑制することができるコンタクトを提供する。
【解決手段】コンタクト1が、板状の相手側コンタクトが挿入方向X1に挿入される中空ボックス状の本体部10を含む。本体部10の挿入開口10aの一対の対向縁部10b,10cから、本体部10内へ、挿入方向X1に向かって内向き傾斜状の一対の弾性片部(第1弾性片部20及び第2弾性片部30)が延設される。本体部10に設けられた一対の規制部R(規制溝15,16)が、相手側コンタクトが挿入されるときに、弾性片部20,30の変形量をそれぞれ規制する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の相手側コンタクトが挿入方向に挿入される挿入開口を形成する中空ボックス状の本体部と、
前記挿入開口の一対の対向縁部から前記本体部内へ前記挿入方向に向かって内向き傾斜状に延設され、互いに近接する部分に接触部が配置された片持ち状の一対の弾性片部と、
前記本体部に設けられ、前記相手側コンタクトが挿入されるときに、対応する前記弾性片部の変形量をそれぞれ規制する一対の規制部と、を備えるコンタクト。
【請求項2】
前記一対の弾性片部が、前記挿入方向に向かって内向き傾斜状をなす一対の主体片部と、前記一対の主体片部から挿入方向に向かって外向き傾斜状に延設された一対の延設片部と、各前記延設片部の一対の側縁部から外側方に突出する一対の第1外向突起と、を含み、
前記接触部が、前記主体片部と前記延設片部とのなす山形の頂部に配置され、
各前記規制部が、前記本体部の一対の側壁部に形成され、対応する前記弾性片部の前記一対の第1外向突起がそれぞれ挿入された一対の第1規制溝を含む、請求項1に記載のコンタクト。
【請求項3】
各前記第1外向突起の断面が矩形であり、
各前記第1規制溝が、対応する前記第1外向突起が延設された前記延設片部の延設方向に向かって拡がる扇形状である、請求項2に記載のコンタクト。
【請求項4】
各前記弾性片部の前記接触部の一対の側縁部から外側方に延設された一対の第2外向突起を備え、
各前記規制部が、前記本体部の一対の側壁部に形成され、対応する前記弾性片部の前記一対の第2外向突起がそれぞれ挿入された一対の第2規制溝を含む、請求項1に記載のコンタクト。
【請求項5】
各前記規制部が、前記本体部の一対の側壁部に突出形成され、対応する前記弾性片部と係合する規制突起を含む、請求項1に記載のコンタクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるコンタクトアセンブリでは、電気回路基板に固定される収容部材に対して、導体ロッド(相手側コンタクト)が接続される。前記収容部材は、前記電気回路基板に固定されるベースリングと、前記ベースリングから一側に突出し前記導体ロッドの周りに環状に配置され、外部に露出する複数の弾性変形可能な舌部とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2019-145504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
相手側コンタクト(導体ロッド)が前記収容部材に対して斜め挿入された場合に、前記舌部が過度に変形して、コンタクトとしての機能が阻害されるおそれがある。
本発明の目的は、弾性片部の過度な変形を抑制することができるコンタクトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、板状の相手側コンタクト(112)が挿入方向(X1)に挿入される挿入開口(10a)を形成する中空ボックス状の本体部(10;10P;10Q)と、前記挿入開口の一対の対向縁部(10b,10c)から前記本体部内へ前記挿入方向に向かって内向き傾斜状に延設され、互いに近接する部分に接触部(23,33)が配置された片持ち状の一対の弾性片部(20,30;20P,30P;20Q,30Q)と、前記本体部に設けられ、前記相手側コンタクトが挿入されるときに、対応する前記弾性片部の変形量をそれぞれ規制する一対の規制部(R)と、を備えるコンタクト(1;1P;1Q)を提供する。
【0006】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、前記一対の弾性片部が、前記挿入方向に向かって内向き傾斜状をなす一対の主体片部(21,31)と、前記一対の主体片部から挿入方向に向かって外向き傾斜状に延設された一対の延設片部(22,32)と、各前記延設片部の一対の側縁部から外側方に突出する一対の第1外向突起(24,34)と、を含み、前記接触部が、前記主体片部と前記延設片部とのなす山形の頂部に配置され、各前記規制部が、前記本体部の一対の側壁部に形成され、対応する前記弾性片部の前記一対の第1外向突起がそれぞれ挿入された一対の第1規制溝(15,16)を含んでいてもよい。
【0007】
請求項3のように、各前記第1外向突起の断面が矩形であり、各前記第1規制溝が、対応する前記第1外向突起が延設された前記延設片部の延設方向に向かって拡がる扇形状であってもよい。
請求項4のように、各前記弾性片部(20P,30P)の前記接触部の一対の側縁部から外側方に延設された一対の第2外向突起(26,36)を備え、各前記規制部が、前記本体部の一対の側壁部に形成され、対応する前記弾性片部の前記一対の第2外向突起がそれぞれ挿入された一対の第2規制溝(17,18)を含んでいてもよい。
【0008】
請求項5のように、各前記規制部が、前記本体部(10Q)の一対の側壁部(13Q)に突出形成され、対応する前記弾性片部(20Q,30Q)と係合する規制突起(50,60)を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明では、相手側コンタクトが本体部内の一対の弾性片部間に挿入されるときに、規制部によって、一対の弾性片部の過度な変形を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、一対の弾性片部の内向き傾斜状の主体片部から挿入方向に向かって外向き傾斜状の一対の延設片部が延設されている。各延設片部の一対の側縁部から外側方に突出する一対の第1外向突起が、それぞれ本体部の一対の側壁部の第1規制溝内に挿入されている。各第1外向突起が対応する第1規制溝の内面に係合することにより、一対の弾性片部の過度な変形が抑制される。
【0010】
請求項3に記載の発明では、第1規制溝が、延設片部の延設方向に向かって拡がる扇形状である。このため、第1規制溝の内面によって、弾性片部の変形に伴って変位する断面矩形の第1外向突起を位置精度良く受けることができる。
請求項4に記載の発明では、各弾性片部の接触部の一対の側縁部から外側方に延設された一対の第2外向突起が、それぞれ、本体部の一対の側壁部の第2規制溝内に挿入されている。各第2外向突起が対応する第2規制溝の内面に係合することにより、一対の弾性片部の過度な変形が抑制される。
【0011】
請求項5に記載の発明では、本体部の一対の側壁部から突出形成された規制突起が、対応する弾性片部と係合することより、弾性片部の過度な変形が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A図1Aは、本発明の第1実施形態に係るコンタクトの使用状態を示す概略斜視図であり、相手側コンタクトの接続前の状態を示している。
図1B図1Bは、コンタクトの使用状態を示す概略斜視図であり、相手側コンタクトが接続された状態を示している。
図2A図2Aは、第1実施形態のコンタクトの概略斜視図である。
図2B図2Bは、第1実施形態のコンタクトの別角度からの概略斜視図である。
図3A図3Aは、第1実施形態のコンタクトの正面図である。
図3B図3Bは、第1実施形態のコンタクトの背面図である。
図4A図4Aは、第1実施形態のコンタクトの左側面図である。
図4B図4Bは、第1実施形態のコンタクトの右側面図である。
図5A図5Aは、第1実施形態のコンタクトの平面図である。
図5B図5Bは、第1実施形態のコンタクトの底面図である。
図6図6は、第1実施形態のコンタクトの縦断面図であり、図3AのVI-VI断面図に相当する。
図7A図7Aは、本発明の第2実施形態に係るコンタクトの概略斜視図である。
図7B図7Bは、第2実施形態のコンタクトの別角度からの概略斜視図である。
図8A図8Aは、第2実施形態のコンタクトの左側面図である。
図8B図8Bは、第2実施形態のコンタクトの右側面図である。
図9A図9Aは、本発明の第3実施形態に係るコンタクトの概略斜視図である。
図9B図9Bは、第3実施形態のコンタクトの別角度からの概略斜視図である。
図10A図10Aは、第3実施形態のコンタクトの正面図である。
図10B図10Bは、第3実施形態のコンタクトの背面図である。
図11A図11Aは、第3実施形態のコンタクトの左側面図である。
図11B図11Bは、第3実施形態のコンタクトの右側面図である。
図12A図12Aは、第3実施形態のコンタクトの平面図である。
図12B図12Bは、第3実施形態のコンタクトの底面図である。
図13A図13Aは、本発明の第4実施形態に係るコンタクトの概略斜視図である。
図13B図13Bは、第4実施形態のコンタクトの別角度からの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1A及び図1Bは、本発明の第1実施形態に係るコンタクト1の使用状態を示す概略斜視図である。図1Aは、相手側コンタクトの接続前の状態を示し、図1Bは、相手側コンタクトが接続された状態を示している。
【0014】
図1A及び図1Bに示すように、コンタクト1は、例えば回路基板100に複数が横並びで実装されて使用される。接続対象としての例えばモータ110は、モータ本体111と、モータ本体111から突出する複数の相手側コンタクト112とを含む。
各コンタクト1に対して、それぞれ対応する相手側コンタクト112が、挿入方向X1に挿入接続される。すなわち、本実施形態において、コンタクト1は、モータ接続用のコネクタとして機能する。また、コンタクト1は、樹脂製のハウジングを用いない、いわゆるハウジングレスコネクタを構成するものである。
【0015】
相手側コンタクト112は、挿入方向X1を長手方向とする細長い板状のコンタクトである。相手側コンタクト112は、挿入方向X1に対して直交する左右方向Yを板厚方向とし、挿入方向X1に対して直交する前後方向Zに所定幅を有している。
図2Aは、コンタクト1の概略斜視図であり、図2Bは、コンタクト1の別角度からの概略斜視図である。図2A及び図2Bに示すように、コンタクト1は、本体部10と、一対の弾性片部としての第1弾性片部20及び第2弾性片部30と、一対のリード部40と、規制部Rを構成する第1規制溝15,16とを含む。コンタクト1は、導電性材料、例えば銅合金で形成される。コンタクト1の表面には、例えば錫めっきが施されている。コンタクト1は、1枚の板素材をプレス成形して形成される。
【0016】
本体部10は、中空ボックス状に形成され、挿入開口10aを有している。相手側コンタクト112が、挿入開口10aを通して本体部10内に挿入方向X1に挿入される。具体的には、本体部10は、前壁部11と、後壁部12と、一対の側壁部13と、係止片部14と、一対の第1規制溝15(図4A及び図4Bを参照)と、一対の第1規制溝16(図4A及び図4Bを参照)とを含む。係止片部14は、一方の側壁部13から直交状に延設され、前壁部11の外面に引っ掛け係合されている。
【0017】
図3Aは、コンタクト1の正面図であり、図3Bは、コンタクト1の背面図である。図4Aは、コンタクトの左側面図であり、図4Bは、コンタクト1の右側面図である。図5Aは、コンタクト1の平面図であり、図5Bは、コンタクト1の底面図である。図6は、コンタクト1の縦断面図であり、図3AのVI-VI断面図に相当する。
図2A及び図6に示すように、第1弾性片部20及び第2弾性片部30は、本体部10から片持ち状に延設され、互いに対向している。第1弾性片部20及び第2弾性片部30は、概略形状として、挿入開口10aの一対の対向縁部10b,10cから本体部10内へ挿入方向X1に向かって内向き傾斜状に延設されている。
【0018】
具体的には、第1弾性片部20は、主体片部21と、延設片部22と、接触部23と、一対の第1外向突起24とを含む。
主体片部21は、挿入開口10aの一方の対向縁部10bから挿入方向X1に向かって内向き傾斜状に延設されている。延設片部22は、主体片部21の延設端から挿入方向X1に向かって外向き傾斜状に延設されている。主体片部21と延設片部22とで内向きの山形をなす。主体片部21と延設片部22とのなす山形の頂部に接触部23が配置されている。
【0019】
図3A図5A及び図5Bに示すように、一対の第1外向突起24は、延設片部22の一対の側縁部から外側方に突出する突起である。図4A及び図4Bに示すように、一対の第1外向突起24は、本体部10の一対の側壁部13にそれぞれ形成された第1規制溝15内にそれぞれ挿入されている。第1外向突起24の断面は矩形である。第1外向突起24が挿入される第1規制溝15は、延設片部22の延設方向に向かって拡がる扇形状である。
【0020】
第1弾性片部20の各第1外向突起24が、対応する側壁部13の第1規制溝15(規制部R)の内面15aに係合することにより、第1弾性片部20の変形量が規制される。すなわち、第1規制溝15(規制部R)は、相手側コンタクト112が挿入されるときに、第1弾性片部20の変形量を所定量以下に制限するように規制する機能を果たす。
また、図6に示すように、第2弾性片部30は、主体片部31と、延設片部32と、接触部33と、一対の第1外向突起34とを含む。
【0021】
第2弾性片部30の主体片部31は、挿入開口10aの他方の対向縁部10cから挿入方向X1に向かって内向き傾斜状に延設されている。延設片部32は、主体片部31の延設端から挿入方向X1に向かって外向き傾斜状に延設されている。主体片部31と延設片部32とで内向きの山形をなす。
主体片部31と延設片部32とのなす山形の頂部に接触部33が配置されている。第1弾性片部20の接触部23及び第2弾性片部30の接触部33は、第1弾性片部20及び第2弾性片部30が互いに近接対向する部分に配置されている。
【0022】
図6に示すように、中空の本体部10に挿通された相手側コンタクト112が、両弾性片部20,30の接触部23,33間に挿入されて弾性的に挟持される。図3A図3B及び図6に示すように、各接触部23,33には、相手側コンタクト112に対する接触圧力を高めるために、内向きに突出する縦リブ25,35が複数設けられている。
図3B図5A及び図5Bに示すように、第2弾性片部30の一対の第1外向突起34は、延設片部32の一対の側縁部から外側方に突出する突起である。図4A及び図4Bに示すように、一対の第1外向突起34は、本体部10の一対の側壁部13にそれぞれ形成された第1規制溝16内に挿入されている。第1外向突起34の断面は矩形である。第1外向突起34が挿入される第1規制溝16は、延設片部32の延設方向に向かって拡がる扇形状である。
【0023】
第2弾性片部30の各第1外向突起34が、対応する第1規制溝16(規制部R)の内面16aに係合することにより、第2弾性片部30の変形量が規制される。第1規制溝16(規制部R)は、相手側コンタクト112が挿入されるときに、第2弾性片部30の変形量を所定量以下に制限するように規制する機能を果たす。
図6に示すように、一対のリード部40は、本体部10の前壁部11の開口11a及び後壁部12の開口12aの挿入方向X1の反対側の縁部から、それぞれ外向き直交状に延設された一対の板部である。一対のリード部40が、回路基板100の表面100aの導体パッド100b(図4Aを参照)に半田接続される(いわゆるSMTタイプ)。リード部40の平坦面の面積は、コンタクト1を回路基板100に自動実装するときに用いられる吸引パッドで吸引可能な広さであることが好ましい。
【0024】
本実施形態では、図6に示すように、相手側コンタクト112が本体部10内の第1弾性片部20及び第2弾性片部30間(図6を参照)に挿入されるときに、規制部Rによって、第1弾性片部20及び第2弾性片部30の過度な変形を抑制することができる。
特に、第1弾性片部20及び第2弾性片部30が、挿入方向X1に向かって内向き傾斜状をなす主体片部21,31と、主体片部21,31から挿入方向X1に向かって外向き傾斜状に延設された延設片部22,32とを含む。各弾性片部20,30の延設片部22,32の一対の側縁部から外側方に突出する第1外向突起24,34(図5Bを参照)が、本体部10の一対の側壁部13の第1規制溝15,16(規制部R)内にそれぞれ挿入されている(図4A及び図4Bを参照)。各弾性片部20,30の一対の第1外向突起24,34が対応する第1規制溝15,16の内面15a,16aに係合することにより、各弾性片部20,30の過度な変形が抑制される。
【0025】
また、各第1規制溝15,16(規制部R)の形状が、対応する延設片部22,32の延設方向に向かって拡がる扇形状である。このため、各第1規制溝15,16の内面15a,16aが、対応する弾性片部20,30の変形に伴って変位する断面矩形の第1外向突起24,34を位置精度良く受けることができる。ひいては、各弾性片部20,30の変形量を精度良く規制することができる。
(第2実施形態)
図7Aは、本発明の第2実施形態に係るコンタクト1Pの概略斜視図であり、図7Bは、コンタクト1Pの別角度からの概略斜視図である。図8Aは、コンタクト1Pの左側面図であり、図8Bは、コンタクト1Pの右側面図である。
【0026】
図7A図7B図8A及び図8Bに示される第2実施形態のコンタクト1Pが、図2A図2B図4A及び図4Bに示される第1実施形態のコンタクト1と主に異なるのは、下記である。すなわち、コンタクト1Pが、一対の側壁部13Pを有する本体部10Pと、第1弾性片部20Pと、第2弾性片部30Pとを備える。
第1弾性片部20Pが、接触部23の一対の側縁部から外側方に延設された一対の第2外向突起26を含む。一対の第2外向突起26は、本体部10Pの一対の側壁部13Pにそれぞれ形成された第2規制溝17(規制部R)内に挿入されている。接触部23が山形部の頂部に設けられる関係上、各第2外向突起26は、断面屈曲状、具体的には、外側方から見て、くの字状に形成されている。第2規制溝17は、略矩形に形成されている。
【0027】
第2弾性片部30Pが、接触部33の一対の側縁部から外側方に延設された一対の第2外向突起36を備える。一対の第2外向突起36は、本体部10Pの一対の側壁部13Pにそれぞれ形成された第2規制溝18(規制部R)内にそれぞれ挿入されている。接触部33が山形部の頂部に設けられる関係上、各第2外向突起36は、断面屈曲状、具体的には、外側方から見て、くの字状に形成されている。第2規制溝18は、略矩形に形成されている。
【0028】
図7A図7B図8A及び図8Bの第2実施形態において図2A図2B図4A及び図4Bの第1実施形態と共通する構成要素には、共通の参照符号を付してある。
本実施形態では、各弾性片部20P,30Pの接触部23,33の一対の側縁部から外側方に延設された一対の第2外向突起26,36が、本体部10Pの一対の側壁部13Pの対応する第2規制溝17,18(規制部R)内にそれぞれ挿入されている。相手側コンタクト112(図1A図1Bを参照)が本体部10P内の第1弾性片部20P及び第2弾性片部30P間に挿入されるときに、各第2外向突起26,36が対応する第2規制溝17,18の内面17a,18aに係合することにより、各弾性片部20P,30Pの過度な変形が抑制される。
【0029】
また、第2外向突起26,36が断面屈曲状(くの字状)に形成されるため、強度が向上される。このため、各弾性片部20P,30Pの過度な変形を確実に抑制することができる。
(第3実施形態)
図9Aは、本発明の第3実施形態に係るコンタクト1Qの概略斜視図であり、図9Bは、コンタクト1Qの別角度からの概略斜視図である。図10Aは、コンタクト1Qの正面図であり、図10Bは、コンタクト1Qの背面図である。図11Aは、コンタクト1Qの左側面図であり、図11Bは、コンタクト1Qの右側面図である。図12Aは、コンタクト1Qの平面図であり、図12Bは、コンタクト1Qの底面図である。
【0030】
図9A図12Bの第3実施形態のコンタクト1Qが、図1A図6の第1実施形態のコンタクト1と主に異なるのは、下記である。
すなわち、図9A及び図9Bに示すように、コンタクト1Qが、一対の側壁部13Qを有する本体部10Qと、第1弾性片部20Qと、第2弾性片部30Qとを備える。第1弾性片部20Qには、第1実施形態のような第1外向突起24が設けられていない。また、第2弾性片部30Qには、第1実施形態のような第1外向突起34が設けられてない。
【0031】
図10A図12Bに示すように、第1弾性片部20Qの変形量を規制する規制部Rが、本体部10Qの一対の側壁部13Qに内向きに突出形成された一対の規制突起50で構成される。各規制突起50は、各側壁部13Qに形成された開口51の縁部から内向き直交状に延設された板部で形成されている。図10Aに示すように、一対の規制突起50(規制部R)が、第1弾性片部20Qの主体片部21と係合することにより、第1弾性片部20Qの変形量が規制される。
【0032】
図10A図12Bに示すように、第2弾性片部30Qの変形量を規制する規制部Rが、本体部10Qの一対の側壁部13Qに内向きに突出形成された一対の規制突起60で構成される。各規制突起60は、各側壁部13Qに形成された開口61の縁部から内向き直交状に延設された板部で形成されている。図10Bに示すように、一対の規制突起60(規制部R)が、第2弾性片部30Qの主体片部31と係合することにより、第2弾性片部30Qの変形量が規制される。
【0033】
図9A図12Bの第3実施形態において、図1A図6の第1実施形態と共通する構成要素には、共通の参照符号を付してある。
本実施形態では、相手側コンタクト112(図1A図1Bを参照)が本体部10Q内の第1弾性片部20Q及び第2弾性片部30Q間に挿入されるときに、本体部10Qの一対の側壁部13Qから突出形成された規制突起50,60が、対応する弾性片部20Q,30Qと係合することより、各弾性片部20Q,30Qの過度な変形が抑制される。
(第4実施形態)
図13Aは、本発明の第4実施形態に係るコンタクト1Sの概略斜視図であり、図13Bは、コンタクト1Sの別角度からの概略斜視図である。
【0034】
図13A及び図13Bの第3実施形態のコンタクト1Sが図2A及び図2Bの第1実施形態のコンタクト1と異なるのは、リード部40Sが、回路基板100(図4Aを参照)の表面100aに配置される脚部40S1と、脚部40S1から直交状に延設され、回路基板100を貫通して、回路基板100の裏面側に半田付けされるピン状突起40S2を含むことである(いわゆるDIPタイプ)。図13A及び図13Bの第4実施形態において、図2A及び図2Bの第1実施形態と共通する構成要素には、共通の参照符号を付してある。
【0035】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、コンタクトが樹脂製のハウジング内に収容保持されてもよい。また、コンタクトの接続対象は、モータに限らず、一般的な電子機器であってもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0036】
1;1P;1Q;1S コンタクト
10;10P;10Q 本体部
10a 挿入開口
10b,10c 対向縁部
11 前壁部
12 後壁部
13;13P;13Q 側壁部
15 第1規制溝(規制部)
15a 内面
16 第1規制溝(規制部)
16a 内面
17 第2規制溝(規制部)
17a 内面
18 第2規制溝(規制部)
18a 内面
20;20P;20Q 第1弾性片部
21 主体片部
22 延設片部
23 接触部
24 第1外向突起
26 第2外向突起
30;30P;30Q 第2弾性片部
31 主体片部
32 延設片部
33 接触部
34 第1外向突起
36 第2外向突起
50 規制突起(規制部)
60 規制突起(規制部)
100 回路基板
110 モータ
112 相手側コンタクト
R 規制部
X1 挿入方向
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B