(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019449
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】アレイ基板の検査方法、表示装置及び検査治具
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20220120BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220120BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220120BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20220120BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220120BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 348Z
G09G3/20 670Q
G09G3/3233
H01L33/00 H
G01R31/28 K
G01R31/28 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123300
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅延
(72)【発明者】
【氏名】青木 義典
(72)【発明者】
【氏名】小川 耀博
【テーマコード(参考)】
2G132
5C080
5C094
5C380
5F142
【Fターム(参考)】
2G132AA20
2G132AB01
2G132AF02
2G132AL25
5C080AA07
5C080BB05
5C080DD15
5C080EE17
5C080FF11
5C080FF12
5C080HH10
5C080JJ03
5C080JJ06
5C080JJ07
5C094AA42
5C094AA55
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA09
5C094DB02
5C094EA03
5C094GA10
5C094GB10
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB28
5C380AB46
5C380BA29
5C380CA57
5C380CB01
5C380CB02
5C380CC01
5C380CC27
5C380CC33
5C380CC39
5C380CC65
5C380CD025
5C380DA02
5C380DA46
5C380FA02
5C380FA21
5C380GA13
5F142BA32
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142DB54
5F142EA34
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】発光素子が未実装のアレイ基板の特性を良好に検査することができるアレイ基板の検査方法、表示装置及び検査治具を提供する。
【解決手段】アレイ基板の検査方法は、複数の発光素子が未実装のアレイ基板を用意するステップと、第1接続端子と、第2接続端子と、第1接続端子と第2接続端子との間に設けられた検査用容量とを含む検査治具を用い、第1接続端子を実装電極に接続し、第2接続端子を画素カソード電極に接続するステップと、アレイ基板の検査を制御する検査用制御回路からの制御信号に基づいて、トランジスタに検査信号が供給され、検査信号に応じてトランジスタから出力された出力信号を検出するステップと、を有する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子が実装されるアレイ基板の検査方法であって、
前記アレイ基板は、
複数の画素に対応して設けられた複数のトランジスタと、
前記トランジスタに電気的に接続され、前記発光素子が実装される複数の実装電極と、
複数の前記実装電極と隣り合って設けられ、基準電位に電気的に接続される画素カソード電極と、を有し、
複数の前記発光素子が未実装の前記アレイ基板を用意するステップと、
第1接続端子と、第2接続端子と、前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に設けられた検査用容量とを含む検査治具を用い、前記第1接続端子を前記実装電極に接続し、前記第2接続端子を前記画素カソード電極に接続するステップと、
前記アレイ基板の検査を制御する検査用制御回路からの制御信号に基づいて、前記トランジスタに検査信号が供給され、前記検査信号に応じて前記トランジスタから出力された出力信号を検出するステップと、を有する
アレイ基板の検査方法。
【請求項2】
前記検査治具は、前記第1接続端子に接続された第1電極と、誘電体層を挟んで前記第1電極と対向し、前記第2接続端子に接続された第2電極と、を有し、
前記第1電極は、複数の前記実装電極と対向し、前記第2電極は、複数の前記実装電極及び前記画素カソード電極と対向して配置される
請求項1に記載のアレイ基板の検査方法。
【請求項3】
前記検査用制御回路は、前記出力信号に基づいて前記画素ごとの特性を取得し、複数の前記発光素子の特性と、前記画素ごとの特性とに基づいて、前記画素に適合した前記発光素子を選択する
請求項1又は請求項2に記載のアレイ基板の検査方法。
【請求項4】
前記検査用制御回路は、前記出力信号に基づいて前記画素ごとの補正データを取得する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアレイ基板の検査方法。
【請求項5】
複数の前記トランジスタは、前記発光素子に電流を供給する駆動トランジスタと、前記発光素子にリセット電位を供給するリセットトランジスタと、を含み、
前記検査信号は、前記駆動トランジスタのゲートに供給され、
前記出力信号は、前記リセットトランジスタを介して検出回路に出力される
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアレイ基板の検査方法。
【請求項6】
アレイ基板と、
前記アレイ基板に実装された複数の発光素子と、
前記アレイ基板に実装され、複数の発光素子に映像信号を供給する駆動ICと、を有し、
前記駆動ICは、複数の前記発光素子が未実装の前記アレイ基板から取得された画素ごとの補正データを有し、外部から供給された前記映像信号に、前記補正データに基づく補正映像信号を加えた信号を、前記発光素子に供給する
表示装置。
【請求項7】
発光素子が未実装であるアレイ基板に対して検査を行うための検査治具であって、
第1接続端子と、第2接続端子と、前記第1接続端子に接する第1電極と、前記第2接続端子に接する第2電極と、を備え、
前記第1電極と前記第2電極は、誘電体層を挟んで向かい合っており、
前記誘電体層は、前記第1電極と重ならない位置において開口部を有し、前記開口部において前記第2電極と前記第2接続端子が接触する
検査治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ基板の検査方法、表示装置及び検査治具に関する。
【背景技術】
【0002】
表示素子として微小サイズの発光ダイオード(マイクロLED(micro LED))を用いた表示装置が注目されている(例えば、特許文献1、2参照)。発光ダイオードを用いた表示装置は、発光ダイオードのサイズが小さいなどの理由により、発光ダイオードの基板への搭載など、製造が難しく、発光ダイオードの不良を招き易い。特許文献1には、サファイア基板に形成された複数のLEDの検査方法について記載されている。また、特許文献2には、画素の閾値電圧をリアルタイムで検出する検査方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-78685号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0103702号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の発光素子をアレイ基板に実装した後に検査を行う場合、アレイ基板の回路や配線に不具合が発見されると、すでに実装済みの多数の発光素子も廃棄される場合がある。特許文献1、2には、発光素子が未実装のアレイ基板の電気特性の検査方法について記載されていない。
【0005】
本発明は、発光素子が未実装のアレイ基板の電気特性を良好に検査することができるアレイ基板の検査方法、表示装置及び検査治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のアレイ基板の検査方法は、複数の発光素子が実装されるアレイ基板の検査方法であって、前記アレイ基板は、複数の画素に対応して設けられた複数のトランジスタと、前記トランジスタに電気的に接続され、前記発光素子が実装される複数の実装電極と、複数の前記実装電極と隣り合って設けられ、基準電位に電気的に接続される画素カソード電極と、を有し、複数の前記発光素子が未実装の前記アレイ基板を用意するステップと、第1接続端子と、第2接続端子と、前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に設けられた検査用容量とを含む検査治具を用い、前記第1接続端子を前記実装電極に接続し、前記第2接続端子を前記画素カソード電極に接続するステップと、前記アレイ基板の検査を制御する検査用制御回路からの制御信号に基づいて、前記トランジスタに検査信号が供給され、前記検査信号に応じて前記トランジスタから出力された出力信号を検出するステップと、を有する。
【0007】
本発明の一態様の表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板に実装された複数の発光素子と、前記アレイ基板に実装され、複数の発光素子に映像信号を供給する駆動ICと、を有し、前記駆動ICは、複数の前記発光素子が未実装の前記アレイ基板から取得された画素ごとの補正データを有し、外部から供給された前記映像信号に、前記補正データに基づく補正映像信号を加えた信号を、前記発光素子に供給する。
【0008】
本発明の一態様の検査治具は、発光素子が未実装であるアレイ基板に対して検査を行うための検査治具であって、第1接続端子と、第2接続端子と、前記第1接続端子に接する第1電極と、前記第2接続端子に接する第2電極と、を備え、前記第1電極と前記第2電極は、誘電体層を挟んで向かい合っており、前記誘電体層は、前記第1電極と重ならない位置において開口部を有し、前記開口部において前記第2電極と前記第2接続端子が接触する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、複数の画素カソード電極の接続構成の一例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る表示装置の検査システムの構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、検査治具を模式的に示す断面図である。
【
図9】
図9は、検査治具を模式的に示す平面図である。
【
図10】
図10は、アレイ基板の検査方法を説明するための回路図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係るアレイ基板の検査方法を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図12は、画素に適合する発光素子の選択方法の一例を説明する説明図である。
【
図13】
図13は、発光素子の点灯検査を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0012】
図1は、実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図である。
図1に示すように、表示装置1は、アレイ基板2と、画素Pixと、駆動回路12と、駆動IC(Integrated Circuit)210と、カソード配線60と、を含む。アレイ基板2は、各画素Pixを駆動するための駆動回路基板であり、バックプレーン又はアクティブマトリクス基板とも呼ばれる。アレイ基板2は、基板21、複数のトランジスタ、複数の容量及び各種配線等を有する。
【0013】
図1に示すように、表示装置1は、表示領域AAと、周辺領域GAとを有する。表示領域AAは、複数の画素Pixと重なって配置され、画像を表示する領域である。周辺領域GAは、複数の画素Pixと重ならない領域であり、表示領域AAの外側に配置される。
【0014】
複数の画素Pixは、基板21の表示領域AAにおいて、第1方向Dx及び第2方向Dyに配列される。なお、第1方向Dx及び第2方向Dyは、基板21の表面に対して平行な方向である。第1方向Dxは、第2方向Dyと直交する。ただし、第1方向Dxは、第2方向Dyと直交しないで交差してもよい。第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向である。第3方向Dzは、例えば、基板21の法線方向に対応する。なお、以下、平面視とは、第3方向Dzから見た場合の位置関係を示す。
【0015】
駆動回路12は、駆動IC210からの各種制御信号に基づいて複数のゲート線(例えば、リセット制御信号線L5、出力制御信号線L6、画素制御信号線L7、初期化制御信号線L8(
図3参照))を駆動する回路である。駆動回路12は、複数のゲート線を順次又は同時に選択し、選択されたゲート線にゲート駆動信号を供給する。これにより、駆動回路12は、ゲート線に接続された複数の画素Pixを選択する。
【0016】
駆動IC210は、表示装置1の表示を制御する回路である。駆動IC210は、基板21の周辺領域GAにCOG(Chip On Glass)として実装される。これに限定されず、駆動IC210は、基板21の周辺領域GAに接続されたフレキシブルプリント基板やリジット基板の上にCOF(Chip On Film)として実装されてもよい。
【0017】
カソード配線60は、基板21の周辺領域GAに設けられる。カソード配線60は、表示領域AAの複数の画素Pix及び周辺領域GAの駆動回路12を囲んで設けられる。複数の発光素子3のカソードは、共通のカソード配線60に接続され、基準電位(例えば、グランド電位)が供給される。より具体的には、発光素子3のカソード端子32(
図4参照)は、カソード電極22を介して、カソード配線60に接続される。
【0018】
図2は、複数の画素を示す平面図である。
図2に示すように、1つの画素Pixは、複数の画素49を含む。例えば、画素Pixは、画素49Rと、画素49Gと、画素49Bとを有する。画素49Rは、第1色としての原色の赤色を表示する。画素49Gは、第2色としての原色の緑色を表示する。画素49Bは、第3色としての原色の青色を表示する。
図2に示すように、1つの画素Pixにおいて、画素49Rと画素49Gは第2方向Dyで並ぶ。また、画素49Rと画素49Bは第1方向Dxで並ぶ。なお、第1色、第2色、第3色は、それぞれ赤色、緑色、青色に限られず、補色などの任意の色を選択することができる。以下において、画素49Rと、画素49Gと、画素49Bとをそれぞれ区別する必要がない場合、単に画素49という。
【0019】
画素49は、それぞれ発光素子3と、実装電極24とを有する。表示装置1は、画素49R、画素49G及び画素49Bにおいて、発光素子3R、3G、3Bごとに異なる光を出射することで画像を表示する。発光素子3は、平面視で、3μm以上、300μm以下程度の大きさを有する無機発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)チップであり、マイクロLED(micro LED)と呼ばれる。各画素にマイクロLEDを備える表示装置1は、マイクロLED表示装置とも呼ばれる。なお、マイクロLEDのマイクロは、発光素子3の大きさを限定するものではない。
【0020】
なお、複数の発光素子3は、4色以上の異なる光を出射してもよい。また、複数の画素49の配置は、
図2に示す構成に限定されない。例えば、画素49Rは画素49Bと第2方向Dyに隣り合っていてもよい。また、画素49R、画素49G及び画素49Bが、この順で第1方向Dxに繰り返し配列されてもよい。
【0021】
画素Pixは、さらに画素カソード電極24Sを有する。画素カソード電極24Sは、複数の実装電極24と隣り合って設けられ画素Pixごとに設けられる。画素カソード電極24Sは、基準電位(例えば、グランド電位)に接続される。より具体的には、画素カソード電極24Sは、カソード電極22(
図4参照)を介して発光素子3のカソード端子32(
図4参照)と電気的に接続される。画素カソード電極24Sは、画素49Gの実装電極24Gと第1方向Dxで並ぶ。画素カソード電極24Sは、画素49Bの実装電極24Bと第2方向Dyで並ぶ。画素カソード電極24Sは、画素49Rの実装電極24Rと、第1方向Dx及び第2方向Dyと交差する斜め方向で並ぶ。
【0022】
図3は、画素回路を示す回路図である。
図3は、1つの画素49に設けられた画素回路PICAを示しており、画素回路PICAは複数の画素49のそれぞれに設けられている。
図3に示すように、画素回路PICAは、発光素子3と、5つのトランジスタと、2つの容量とを含む。具体的には、画素回路PICAは、駆動トランジスタDRT、出力トランジスタBCT、初期化トランジスタIST、画素選択トランジスタSST及びリセットトランジスタRSTを含む。駆動トランジスタDRT、出力トランジスタBCT、初期化トランジスタIST、画素選択トランジスタSST及びリセットトランジスタRSTは、それぞれn型TFT(Thin Film Transistor)で構成される。また、画素回路PICAは、第1容量Cs1及び第2容量Cs2を含む。
【0023】
発光素子3のカソード(カソード端子32)は、カソード電源線L10に接続される。また、発光素子3のアノード(アノード端子33)は、駆動トランジスタDRT及び出力トランジスタBCTを介してアノード電源線L1に接続される。アノード電源線L1には、アノード電源電位PVDDが供給される。カソード電源線L10には、カソード配線60及びカソード電極22を介してカソード電源電位PVSSが供給される。アノード電源電位PVDDは、カソード電源電位PVSSよりも高い電位である。
【0024】
アノード電源線L1は、画素49に、駆動電位であるアノード電源電位PVDDを供給する。具体的には、発光素子3は、理想的にはアノード電源電位PVDDとカソード電源電位PVSSとの電位差(PVDD-PVSS)により順方向電流(駆動電流)が供給され発光する。つまり、アノード電源電位PVDDは、カソード電源電位PVSSに対し、発光素子3を発光させる電位差を有している。発光素子3のアノード端子33は、アノード電極23に電気的に接続され、アノード電極23とアノード電源線L1との間に等価回路として、第2容量Cs2が接続される。
【0025】
駆動トランジスタDRTのソース電極は、アノード電極23を介して発光素子3のアノード端子33に接続され、ドレイン電極は、出力トランジスタBCTのソース電極に接続される。駆動トランジスタDRTのゲート電極は、第1容量Cs1、画素選択トランジスタSSTのドレイン電極及び初期化トランジスタISTのドレイン電極に接続される。駆動トランジスタDRTは、電位差(PVDD-PVSS)に基づいた順方向電流(駆動電流)を発光素子3に供給する。
【0026】
出力トランジスタBCTのゲート電極は、出力制御信号線L6に接続される。出力制御信号線L6には、出力制御信号BGが供給される。出力トランジスタBCTのドレイン電極は、アノード電源線L1に接続される。
【0027】
初期化トランジスタISTのソース電極は、初期化電源線L4に接続される。初期化電源線L4には、初期化電位Viniが供給される。初期化トランジスタISTのゲート電極は、初期化制御信号線L8に接続される。初期化制御信号線L8には、初期化制御信号IGが供給される。すなわち、駆動トランジスタDRTのゲート電極には、初期化トランジスタISTを介して初期化電源線L4が接続される。
【0028】
画素選択トランジスタSSTのソース電極は、映像信号線L2に接続される。映像信号線L2には、映像信号Vsigが供給される。画素選択トランジスタSSTのゲート電極には、画素制御信号線L7が接続されている。画素制御信号線L7には、画素制御信号SGが供給される。
【0029】
リセットトランジスタRSTのソース電極は、リセット電源線L3に接続される。リセット電源線L3には、リセット電源電位Vrstが供給される。リセットトランジスタRSTのゲート電極は、リセット制御信号線L5に接続される。リセット制御信号線L5には、リセット制御信号RGが供給される。リセットトランジスタRSTのドレイン電極は、アノード電極23(発光素子3のアノード端子33)及び駆動トランジスタDRTのソース電極に接続される。リセットトランジスタRSTのリセット動作により、第1容量Cs1及び第2容量Cs2に保持された電圧がリセットされる。言い換えると、リセットトランジスタRSTは、リセット電源電位Vrstを発光素子3に供給する。
【0030】
リセットトランジスタRSTのドレイン電極と、駆動トランジスタDRTのゲート電極との間に、等価回路として、第1容量Cs1が設けられる。画素回路PICAは、第1容量Cs1及び第2容量Cs2により、駆動トランジスタDRTの寄生容量とリーク電流とによるゲート電圧の変動を抑制することができる。
【0031】
なお、以下の説明において、アノード電源線L1及びカソード電源線L10を単に電源線と表す場合がある。映像信号線L2、リセット電源線L3及び初期化電源線L4を信号線と表す場合がある。リセット制御信号線L5、出力制御信号線L6、画素制御信号線L7及び初期化制御信号線L8をゲート線と表す場合がある。
【0032】
駆動トランジスタDRTのゲート電極には、映像信号Vsig(または、階調信号)に応じた電位が供給される。つまり、駆動トランジスタDRTは、出力トランジスタBCTを介して供給されたアノード電源電位PVDDに基づいて、映像信号Vsigに応じた電流を発光素子3に供給する。このように、アノード電源線L1に供給されたアノード電源電位PVDDは、駆動トランジスタDRT及び出力トランジスタBCTによって降下するため、発光素子3のアノード端子33には、アノード電源電位PVDDよりも低い電位が供給される。
【0033】
第2容量Cs2の一方の電極には、アノード電源線L1を介してアノード電源電位PVDDが供給され、第2容量Cs2の他方の電極には、アノード電源電位PVDDよりも低い電位が供給される。つまり、第2容量Cs2の一方の電極には、第2容量Cs2の他方の電極よりも高い電位が供給される。第2容量Cs2の一方の電極は、例えば、
図4に示すアノード電源線L1に接続された対向電極26であり、第2容量Cs2の他方の電極は、
図4に示す駆動トランジスタDRTのソースに接続されたアノード電極23である。
【0034】
表示装置1において、駆動回路12(
図1参照)は、複数の画素行を、先頭行(例えば、
図1中の表示領域AAにおいて、最上部に位置する画素行)から順番に選択する。駆動IC210は、選択された画素行の画素49に映像信号Vsig(映像書き込み電位)を書き込み、発光素子3を発光させる。駆動IC210は、1水平走査期間ごとに、映像信号線L2に映像信号Vsigを供給し、リセット電源線L3にリセット電源電位Vrstを供給し、初期化電源線L4に初期化電位Viniを供給する。表示装置1は、これらの動作が1フレームの画像ごとに繰り返される。
【0035】
次に、表示装置1の断面構成について説明する。
図4は、
図2のIV-IV’線に沿う断面図である。
図4に示すように、発光素子3は、アレイ基板2の上に設けられる。アレイ基板2は、基板21、各種トランジスタ、各種配線及び各種絶縁膜を有する。基板21は絶縁基板であり、例えば、ガラス基板、樹脂基板又は樹脂フィルム等が用いられる。
【0036】
本明細書において、基板21の表面に垂直な方向において、基板21から発光素子3に向かう方向を「上側」又は単に「上」とする。また、発光素子3から基板21に向かう方向を「下側」又は単に「下」とする。
【0037】
駆動トランジスタDRT、出力トランジスタBCTは、基板21の一方の面側に設けられる。半導体層61、65は、基板21の上に設けられる。なお、半導体層61、65と基板21との間にアンダーコート膜が設けられていてもよい。絶縁膜91は、半導体層61、65を覆って基板21の上に設けられる。絶縁膜91は、例えばシリコン酸化膜である。
【0038】
ゲート電極64、66は、絶縁膜91の上に設けられる。
図4に示す例では、各トランジスタは、いわゆるトップゲート構造である。ただし、各トランジスタは、半導体層の下側にゲート電極が設けられたボトムゲート構造でもよく、半導体層の上側及び下側の両方にゲート電極が設けられたデュアルゲート構造でもよい。
【0039】
絶縁膜92は、ゲート電極64、66を覆って絶縁膜91の上に設けられる。絶縁膜92は、例えば、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との積層構造を有する。ソース電極62、ドレイン電極67及びアノード電源線L1は、絶縁膜92の上に設けられる。ソース電極62は絶縁膜91、92を貫通するコンタクトホールを介して半導体層61と電気的に接続される。また、ドレイン電極67は絶縁膜91、92に設けられたコンタクトホールを介して半導体層65と電気的に接続される。
【0040】
複数の絶縁膜(第1有機絶縁膜93、絶縁膜94、絶縁膜95及び第2有機絶縁膜96)は、各トランジスタを覆って設けられる。第1有機絶縁膜93及び第2有機絶縁膜96としては感光性アクリル等の有機材料が用いられる。感光性アクリル等の有機材料は、CVD等により形成される無機絶縁材料に比べ、配線段差のカバレッジ性や、表面の平坦性に優れる。絶縁膜94、絶縁膜95は、無機絶縁膜であり、上述した絶縁膜91、92と同様の材料、例えば、シリコン窒化膜を用いることができる。
【0041】
具体的には、第1有機絶縁膜93は、ソース電極62、ドレイン電極67及びアノード電源線L1を覆って、絶縁膜92の上に設けられる。第1有機絶縁膜93の上に、対向電極26、絶縁膜94、アノード電極23の順に積層される。対向電極26は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料で構成される。対向電極26は、第1有機絶縁膜93に設けられたコンタクトホールCH1の底部でアノード電源線L1と接続される。
【0042】
絶縁膜94は、対向電極26を覆って設けられる。アノード電極23は、絶縁膜94を介して対向電極26と対向する。第1有機絶縁膜93及び絶縁膜94には、ソース電極62を底面とするコンタクトホールCH2、CH3が設けられる。アノード電極23は、コンタクトホールCH2、CH3を介してソース電極62と電気的に接続される。これにより、アノード電極23は、駆動トランジスタDRTと電気的に接続される。
【0043】
アノード電極23は、例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)の積層構造としている。ただし、これに限定されず、アノード電極23は、モリブデン、チタンの金属のいずれか1つ以上を含む材料であってもよい。又は、アノード電極23は、モリブデン、チタンのいずれか1つ以上を含む合金、又は透光性導電材料であってもよい。また、絶縁膜94を介して対向するアノード電極23と対向電極26との間に第2容量Cs2が形成される。
【0044】
絶縁膜95は、アノード電極23を覆って絶縁膜94の上に設けられる。第2有機絶縁膜96は、絶縁膜95の上に設けられる。すなわち、第1有機絶縁膜93は、駆動トランジスタDRTの上に設けられ、第2有機絶縁膜96は、第1有機絶縁膜93の上側に積層される。絶縁膜95は、第1有機絶縁膜93と第2有機絶縁膜96との間に設けられる。第2有機絶縁膜96には、コンタクトホールCH4が設けられる。絶縁膜95には、コンタクトホールCH4と重なってコンタクトホールCH5が設けられる。コンタクトホールCH4、CH5の底部には、アノード電極23が設けられる。また、アノード電極23は、実装電極24の少なくとも一部と対向して設けられる。
【0045】
実装電極24は、第2有機絶縁膜96の上に設けられ、コンタクトホールCH4、CH5を介してアノード電極23と電気的に接続される。すなわち、実装電極24は、アノード電極23を介して駆動トランジスタDRTと電気的に接続され、発光素子3が実装される電極である。実装電極24は、アノード電極23と同様にチタン、アルミニウムの積層構造としている。ただし、実装電極24は、アノード電極23と異なる導電材料が用いられてもよい。また、第2有機絶縁膜96は、第1有機絶縁膜93と異なる有機材料が用いられてもよい。
【0046】
発光素子3R、3G、3Bは、それぞれに対応する実装電極24R、24G、24Bに実装される。各発光素子3は、アノード端子33が実装電極24に接するように実装される。各発光素子3のアノード端子33と実装電極24との間の接合部材25は、両者の間で良好な導通が確保でき、かつアレイ基板2上の形成物を破損しないものであれば特に限定しない。接合部材25は、例えば、はんだや導電ペーストである。アノード端子33と実装電極24との接合として、例えば低温溶融のはんだ材料を用いたリフロー工程や、導電ペーストを介して発光素子3をアレイ基板2上に載せた後に焼成結合する手法が挙げられる。
【0047】
ここで、アレイ基板2に第2有機絶縁膜96及び実装電極24を設けずに、アノード電極23上に発光素子3を直接実装することも可能である。ただし、第2有機絶縁膜96及び実装電極24を設けることにより、発光素子3の実装時に加えられる力によって絶縁膜94が破損することを抑制できる。つまり、第2容量Cs2を形成するアノード電極23と対向電極26との間の絶縁破壊が生ずることを抑制できる。
【0048】
発光素子3は、フェイスアップ型の発光素子であり、発光素子3の下部がアノード電極23に接続され、発光素子3の上部がカソード電極22に接続される。発光素子3は、半導体層31、カソード端子32及びアノード端子33を有する。半導体層31は、n型クラッド層37、活性層36及びp型クラッド層35(
図6参照)が積層された構成を採用することができる。半導体層31は、例えば、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウムインジウム燐(AlInP)、窒化インジウムガリウム(InGaN)等の化合物半導体が用いられる。半導体層31は、発光素子3R、3G、3Bごとに異なる材料が用いられてもよい。また、活性層として、高効率化のために数原子層からなる井戸層と障壁層とを周期的に積層させた多重量子井戸構造(MQW構造)が採用されてもよい。また、発光素子3として、半導体基板上に半導体層31が形成された構成でもよい。
【0049】
複数の発光素子3の間に素子絶縁膜97が設けられる。素子絶縁膜97は樹脂材料で形成される。素子絶縁膜97は、発光素子3の側面を覆っており、発光素子3のカソード端子32は、素子絶縁膜97から露出する。素子絶縁膜97の上面と、カソード端子32の上面とが同一面を形成するように、素子絶縁膜97は平坦に形成される。ただし、素子絶縁膜97の上面の位置は、カソード端子32の上面の位置と異なっていてもよい。
【0050】
カソード電極22は、複数の発光素子3及び素子絶縁膜97を覆って、複数の発光素子3に電気的に接続される。カソード電極22は、例えばITO等の透光性を有する導電性材料が用いられる。これにより、発光素子3からの出射光を効率よく外部に取り出すことができる。カソード電極22は、表示領域AAに実装された複数の発光素子3のカソード端子32と電気的に接続される。カソード電極22は、表示領域AAの外側に設けられたコンタクト部で、アレイ基板2側に設けられたカソード配線60と接続される。
【0051】
以上のように、表示素子として発光素子3を用いた表示装置1が構成される。なお、表示装置1は、必要に応じてカソード電極22の上に、オーバーコート層やカバー基板が積層されてもよい。さらに、表示装置1は、カソード電極22の上側に、保護用絶縁膜、円偏光板やタッチパネル等を設けてもよい。
【0052】
次に、発光素子3のカソード端子32と、各画素Pixに設けられた画素カソード電極24Sとの接続構成について説明する。
図5は、複数の画素カソード電極の接続構成の一例を示す平面図である。
【0053】
図5に示すように、アレイ基板2には、画素カソード配線LVSSが設けられる。画素カソード配線LVSSは第1方向Dxに延在し、第1方向Dxに配列された複数の画素Pixに亘って設けられる。ここで、第1方向Dxに配列された複数の画素Pixを含む1行の画素群を、画素行PixLとする。複数の画素行PixLは、第2方向Dyに配列される。画素カソード配線LVSSは、画素行PixLごとに設けられ、第2方向Dyに配列される。
【0054】
複数の画素カソード配線LVSSは、それぞれ、画素行PixLに属する複数の画素カソード電極24Sと電気的に接続される。複数の画素カソード配線LVSSは、それぞれ、周辺領域GAに設けられたカソード配線60に接続され、カソード電源電位PVSSが供給される。また、複数の画素カソード配線LVSSは、画素Pixごとに設けられたコンタクトホールCH6を介してカソード電極22と接続される。
【0055】
図6は、
図5のVI-VI’線に沿う断面図である。なお、
図6は、カソード電極22と、発光素子3(発光素子3R)と、画素カソード電極24Sとの接続構成を説明するために模式的に示した図である。
【0056】
図6に示すように、発光素子3Rは、実装電極24R及び接合部材25の上に、p型電極34、p型クラッド層35、活性層36、n型クラッド層37の順に積層される。さらに、発光素子3Rは、n型クラッド層37の上に積層された高抵抗層38を有する。高抵抗層38は、例えば、不純物がドープされていない窒化ガリウム(GaN)で形成される。高抵抗層38のシート抵抗値は、n型クラッド層37のシート抵抗値よりも大きい。
【0057】
高抵抗層38は、平面視でn型クラッド層37よりも小さい面積を有しており、n型クラッド層37の周縁部には、高抵抗層38は積層されていない。カソード電極22は、高抵抗層38及びn型クラッド層37を覆って設けられる。n型クラッド層37上面の周縁部で、n型クラッド層37とカソード電極22とが接続される。言い換えると、n型クラッド層37上面の周縁部が、カソード端子32(
図4参照)として機能する。また、p型クラッド層35、活性層36、n型クラッド層37は、半導体層31(
図4参照)に対応し、p型電極34は、アノード端子33(
図4参照)に対応する。
【0058】
画素カソード電極24Sは、実装電極24と同層に、第2有機絶縁膜96の上に設けられる。また、接合部材25Sは、画素カソード電極24Sの上に設けられる。素子絶縁膜97には、画素カソード電極24Sと重畳する領域にコンタクトホールCH6が設けられる。カソード電極22は、コンタクトホールCH6の底部で、接合部材25Sを介して画素カソード電極24Sと電気的に接続される。
【0059】
以上のように複数の発光素子3は画素Pixごとに設けられた画素カソード電極24Sに電気的に接続される。そして、複数の画素カソード電極24Sは、画素行PixLに共通して設けられた画素カソード配線LVSSに接続される。これにより、複数の発光素子3には、画素Pixごとに画素カソード電極24Sを介してカソード電源電位PVSS(基準電位)が供給されるので、各画素Pixに供給されるカソード電源電位PVSSのばらつきを抑制することができる。
【0060】
次に、アレイ基板2の検査方法について説明する。
図7は、実施形態に係る表示装置の検査システムの構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態の検査システム100は、発光素子3が未実装のアレイ基板2と、検査治具7と、検査用制御回路101と、検査用駆動回路104と、検出回路105と、演算回路102と、記憶回路103と、を有する。
【0061】
検査システム100の検査対象となるアレイ基板2は、発光素子3が未実装のアレイ基板2、すなわち、発光素子3が実装される前のアレイ基板2が使用される。発光素子3が未実装のアレイ基板2では、実装電極24及び画素カソード電極24Sが最表面に設けられる。
【0062】
検査用制御回路101は、アレイ基板2の各種検査を制御する回路である。検査用制御回路101は、駆動IC210(
図1参照)に含まれていてもよいし、駆動IC210とは別の検査用のICとして個別に設けられていてもよい。検査用駆動回路104は、検査用制御回路101からの制御信号に基づいて、映像信号線L2を介して、アレイ基板2の各画素Pixに検査信号VTGを供給する回路である。検査信号VTGは、表示の際に映像信号線L2に供給される映像信号Vsigに対応する電圧信号である。
【0063】
検出回路105は、アレイ基板2から出力された出力信号Voを検出する回路である。検出回路105は、出力信号Voに基づいて、各画素Pixの電気特性を検出する。電気特性は、例えば、駆動トランジスタDRTに流れる電流Idsの電流値等である。検査用制御回路101は、検出回路105からの出力信号Voに基づいて、発光素子3が未実装の状態で、各画素Pixの特性を取得する。
【0064】
記憶回路103は、検出回路105で検出された出力信号Voに基づいて、各画素Pixの電気特性を記憶する回路である。演算回路102は、各画素Pixの電気特性に基づいて、各画素Pixの補正値を演算する回路である。また、演算回路102は、各画素Pixの電気特性と、発光素子検査装置200から取得した発光素子3の特性とを比較して、各画素Pixに適合する発光素子3を選択することができる。
【0065】
検査治具7は、画素Pixの特性を検査するための治具である。より具体的には、
図8は、検査治具を模式的に示す断面図である。
図9は、検査治具を模式的に示す平面図である。
図8に示すように、検査治具7は、検査用基板71と、第1接続端子72と、第2接続端子73と、第1電極74と、第2電極75と、誘電体層76と、を含む。検査用基板71は、絶縁基板であり、アレイ基板2と対向して配置される。検査用基板71のアレイ基板2と対向する面に、第2電極75、誘電体層76、第1電極74の順に積層される。第1電極74と、第2電極75とは、誘電体層76を挟んで対向して設けられ、第1電極74と、第2電極75との間に検査用容量Canが形成される。誘電体層76は、第1電極74に重ならない位置で第2電極75を露出する開口部76aを有し、開口部76aにおいて第2電極75と第2接続端子73が接触して繋がっている。
【0066】
第1接続端子72及び第2接続端子73は、それぞれ、検査用基板71のアレイ基板2と対向する面に垂直な方向に突出する柱状に形成される。第1接続端子72は、第1電極74に接続される。第2接続端子73は、第2電極75に接続される。このような構成により、第1接続端子72と第2接続端子73との間に検査用容量Canが形成される。検査システム100は、第1接続端子72をアレイ基板2の実装電極24に電気的に接続し、第2接続端子73を画素カソード電極24Sに電気的に接続する。
【0067】
また、
図8において実装電極24と第1接続端子72の間に接合部材25が設けられており、画素カソード電極24Sと第2接続端子73の間に接合部材25Sが設けられているが、この例に限らず、接合部材25、25Sが実装電極24及び画素カソード電極24S上に形成される前に、アレイ基板2に検査用基板71を当てるものであってもよい。その場合、第1接続端子72は実装電極24に直接接触し、第2接続端子73は画素カソード電極24Sに直接接触することになる。そして、検査治具7による検査後に、実装電極24及び画素カソード電極24S上に接合部材25、25Sが塗布形成され、各発光素子3が実装される。
【0068】
図9に示すように、検査治具7がアレイ基板2に接続された場合に、第1電極74は、複数の実装電極24と対向して設けられる。例えば、第1電極74は、複数の実装電極24R、24G、24Bと重畳するようにL字状に形成され、画素カソード電極24Sとは非重畳に設けられる。1つの第1電極74は、複数の実装電極24R、24G、24Bと電気的に接続される。
【0069】
また、実装電極24にはそれぞれ、検査用の接続部24aが設けられている。接続部24aは、発光素子3と重畳しない位置に設けられ、実装電極24の1辺から突出して形成される。複数の接続部24aが設けられているので、検査治具7とアレイ基板2との位置ずれが生じた場合であっても、実装電極24と第1接続端子72との接続を確保することができる。
【0070】
第2電極75は、複数の実装電極24及び画素カソード電極24Sと対向して配置される。第2電極75は、第1電極74と重畳し、かつ、第1電極74よりも大きい面積を有する。このような構成により、検査治具7は、検査用容量Canの容量値を、画素回路PICAの第1容量Cs1及び第2容量Cs2よりも大きくすることができる。また、検査治具7は、実装電極24及び画素カソード電極24Sの形状が異なる場合であっても、検査治具7を用いてアレイ基板2の検査を行うことができる。
【0071】
また、
図8及び
図9では、検査治具7は、1つの画素Pixに接続されている。ただし、これに限定されず、検査治具7は、複数の画素Pixに接続されていてもよい。すなわち、検査用基板71が複数の画素Pixを覆って大きい面積を有して設けられ、第1接続端子72、第2接続端子73、第1電極74、第2電極75及び誘電体層76が、画素Pixごとに分離して検査用基板71に配列されていてもよい。この場合であっても、検査システム100は、画素回路PICAを画素Pixごとに駆動することで、画素Pixごとの特性を取得することができる。
【0072】
また、第1電極74は1つの画素Pixが有する複数の実装電極24に電気的に接続されているが、これに限定されない。第1電極74は実装電極24ごとに分離して設けられていてもよく、検査システム100は、画素49(副画素)ごとに特性を検出することもできる。すなわち、以下の説明では、「画素Pixごと」を「画素49(副画素)ごと」と読み替えることもできる。
【0073】
図10は、アレイ基板の検査方法を説明するための回路図である。
図10に示すように、アレイ基板2の検査において、発光素子3が未実装のアレイ基板2に検査治具7が接続される。すなわち、
図3に示した画素回路PICAにおいて、発光素子3に換えて検査用容量Canが接続される。
図10に示すように、検査用容量Canの一端側(第1接続端子72)は、アノード電極23を介して、駆動トランジスタDRT及びリセットトランジスタRST等に電気的に接続される。検査用容量Canの他端側(第2接続端子73)は、カソード電源線L10を介して、カソード電源電位PVSSに接続される。
【0074】
発光素子3が未実装のアレイ基板2は、仮に検査治具7を接続しない状態では、アノード側(実装電極24)と、カソード側(画素カソード電極24S)との間がオープン(開放状態)にされる。このため、発光素子3が未実装のアレイ基板2では、画素Pixの特性(例えば、駆動トランジスタDRTの特性)を検出することが困難である。本実施形態では、発光素子3が未実装のアレイ基板2に検査治具7を接続することで、発光素子3が実装される実装電極24と、画素カソード電極24Sとの間が電気的に接続され、画素Pixの特性を検査することが可能になる。
【0075】
アレイ基板2の検査方法の一例として、検査用制御回路101(
図7参照)は、アレイ基板2の駆動回路12を動作させて、駆動回路12から出力トランジスタBCT、初期化トランジスタIST、画素選択トランジスタSST及びリセットトランジスタRSTに駆動信号を供給する。これにより、検査用制御回路101は、画素Pixの各トランジスタのオン、オフを制御する。例えば、検査用制御回路101は、書き込み期間T1に、出力トランジスタBCT及び画素選択トランジスタSSTをオン(導通状態)とし、初期化トランジスタIST及びリセットトランジスタRSTをオフ(非導通状態)とする。
【0076】
そして、検査用駆動回路104は、書き込み期間T1に、映像信号線L2に検査信号VTGを供給する。検査信号VTGは、画素選択トランジスタSSTを介して駆動トランジスタDRTのゲートに供給される。この際、出力トランジスタBCTはオンとなっているので、駆動トランジスタDRTには、検査信号VTGに応じた電流Idsが流れる。電流Idsは、アノード電極23を介して検査治具7の検査用容量Canに流れ、検査用容量Canに電荷が蓄積される。
【0077】
次に、検査用制御回路101は、読み出し期間T2に、出力トランジスタBCT、初期化トランジスタIST及び画素選択トランジスタSSTをオフ(非導通状態)とし、リセットトランジスタRSTをオン(導通状態)とする。また、検出回路105は、リセット電源線L3に接続される。これにより、カソード電源線L10、検査用容量Can、アノード電極23、リセットトランジスタRST及びリセット電源線L3を経由する信号取り出し経路が形成される。書き込み期間T1で検査用容量Canに蓄積された電荷は、読み出し期間T2で、出力信号VoとしてリセットトランジスタRST及びリセット電源線L3を介して検出回路105に出力される。
【0078】
以上のように、検査システム100は、アレイ基板2から出力された出力信号Voを検出することで、画素Pixごとの特性(例えば、駆動トランジスタDRTを流れる電流Idsに関する特性)を取得することができる。言い換えると、検査システム100は、発光素子3が未実装の状態で、アレイ基板2(画素回路PICA)のみに起因する画素Pixの特性のばらつきを取得することができる。あるいは、検査用駆動回路104は、異なる電圧の検査信号VTGを供給して、駆動トランジスタDRTの閾値電圧Vthや、検査信号VTGと電流Idsとの関係を取得してもよい。また、検査システム100は、出力信号Voに基づいて、アレイ基板2のアノード-カソード間のショートの有無(実装電極24と画素カソード電極24S間のショート)を検出することもできる。
【0079】
また、検査システム100は、アレイ基板2に検査治具7を接続して、画素Pixの表示に用いられる画素回路PICAを、検査用回路として共用することで、画素Pixごとの特性を取得することができる。したがって、検査治具7には検査用容量Canが形成されるのみであり、検査治具7に検査用のトランジスタ等の検査用素子を設ける場合に比べて、検査治具7の構成を簡易にすることができる。
【0080】
図11は、実施形態に係るアレイ基板の検査方法を説明するためのフローチャートである。
図11に示すように、検査システム100は、アレイ基板2の検査方法として、アレイ基板検査工程(ステップST11からステップST14)と、発光素子検査工程(ステップST15からステップST17)とを有する。
【0081】
アレイ基板検査工程では、検査システム100は、発光素子3が未実装のアレイ基板2を用意する(ステップST11)。
【0082】
次に、検査システム100は、アレイ基板2を検査する(ステップST12)。具体的には、検査システム100は、
図8から
図10に示したように、第1接続端子72と、第2接続端子73と、第1接続端子72と第2接続端子73との間に設けられた検査用容量Canとを含む検査治具7を用い、第1接続端子72を実装電極24に接続し、第2接続端子73を画素カソード電極24Sに接続する。このように、検査システム100は、発光素子3が未実装のアレイ基板2に検査治具7を接続し、検査用駆動回路104は、画素Pixごとに画素回路PICAを駆動する。検査用駆動回路104は、検査用制御回路101からの制御信号に基づいて、駆動トランジスタDRTに検査信号VTGを供給する。
【0083】
検出回路105は、検査信号VTGに応じて駆動トランジスタDRTから出力された出力信号Voを、画素Pixごとに検出する。これにより、検査システム100は、出力信号Voに基づいて画素Pixごとの特性を取得する(ステップST13)。画素Pixごとの特性は、例えば
図12に示すテーブルTAとして、記憶回路103に記憶される。
【0084】
また、検査用制御回路101は、出力信号Voに基づいて、画素Pixごとの補正データを取得する(ステップST14)。画素Pixごとの補正データは、アレイ基板2に起因するばらつきを補正するデータである。画素Pixごとの補正データは、例えば、補正映像信号ΔVsig(
図12のテーブルTA参照)として記憶回路に記憶される。演算回路102は、出力信号Voに基づいて画素Pixごとの補正映像信号ΔVsigを演算する。補正映像信号ΔVsigは、ホストICから供給される映像信号Vsigを補正する信号であり、出力信号Voに基づいて演算された駆動トランジスタDRTの特性ばらつきを補完するように、画素Pixごとに演算で求められた情報である。
【0085】
検査システム100は、ステップST11からステップST14に示したアレイ基板検査工程に加え、発光素子検査工程を行ってもよい。発光素子検査工程では、まず、支持基板上に発光素子3を形成する(ステップST15)。支持基板は、例えばサファイア基板である。
【0086】
次に、発光素子検査装置200(
図7参照)は、支持基板上の発光素子3の特性を検査する(ステップST16)。発光素子3の特性は、例えば、発光素子3の立ち上がり電圧Vfや主波長等である。
【0087】
検査用制御回路101は、発光素子検査装置200から発光素子3ごとの特性を取得する(ステップST17)。発光素子3ごとの特性は、例えば
図12に示すテーブルTBとして記憶回路103に記憶される。検査用制御回路101は、発光素子3の立ち上がり電圧Vfや、主波長等の情報を個別に記憶回路103に記憶させてもよいし、特性a、b、cのように、発光素子3の特性を所定の範囲でランク分けして記憶してもよい。
【0088】
なお、検査システム100は、発光素子検査工程を行わず、あらかじめ取得された発光素子3の特性に関する情報をテーブルTBとして取得してもよい。また、発光素子3の特性を個別に取得する場合に限定されず、ひとまとまりの複数の発光素子3ごとに特性を取得してもよい。
【0089】
次に、検査システム100は、画素Pixごとの特性と、発光素子3ごとの特性とに基づいて、画素Pixに適合する発光素子3を選択する(ステップST21)。
図12は、画素に適合する発光素子の選択方法の一例を説明する説明図である。
図12のテーブルTAに示すように、画素Pixは、特性(例えば、駆動トランジスタDRTに流れる電流Idsの電流値)に応じて、特性A、B、Cのようにランク分けされている。例えば、特性A、B、Cの順に電流Idsが小さくなるように、ランク分けされているとする。また、特性NGは、画素Pixの不良が発生しており、発光素子3が実装されない画素Pixである。
【0090】
図12のテーブルTBに示すように、発光素子3は、特性(例えば、立ち上がり電圧Vfの電圧値や主波長)に応じて、特性a、b、cのようにランク分けされている。例えば、
図12に示す例では、特性a、b、cの順に立ち上がり電圧Vfが小さくなるように、ランク分けされているとする。
【0091】
検査システム100は、画素Pixごとの表示画質のばらつきが小さくなるように、発光素子3を選択する。例えば、電流Idsが大きい特性Aを有する画素Pix(1、1)には、立ち上がり電圧Vfが大きい特性aの発光素子3-1を選択する。電流Idsが小さい特性Cを有する画素Pix(1、2)には、立ち上がり電圧Vfが小さい特性cの発光素子3-3を選択する。電流Idsが中程度の特性Bを有する画素Pix(m、n)には、立ち上がり電圧Vfが中程度の特性bの発光素子3-2を選択する。NGの画素Pix(2、1)には、発光素子3を非選択とする。
【0092】
次に、
図11に戻って、製造装置は、検査システム100により選択された発光素子3をアレイ基板2に実装する(ステップST22)。これにより、画素Pixごとの特性のばらつきに起因する表示画質のばらつきを抑制することができる。また、NGの画素Pix(2、1)には、発光素子3を実装しないで、滅点処理を施す。これにより、表示装置1の製造コストを抑制することができる。
【0093】
次に、検査システム100は、発光素子3の点灯検査を行う(ステップST23)。ステップST23では、アレイ基板2に発光素子3が実装され、素子絶縁膜97及びカソード電極22(
図4参照)が設けられていない状態で点灯検査が行われる。
【0094】
図13は、発光素子の点灯検査を説明するためのブロック図である。検査システム100は、アレイ基板2に実装された発光素子3の点灯検査を行い、必要に応じて発光素子3のリペアも行ってもよい。
図13に示すように、検査システム100は、さらに点灯検査装置7Aと、光検出装置106と、画像処理回路107と、プレス装置220と、レーザ装置230と、ヒータ電源240とを含む。
【0095】
点灯検査装置7Aは、複数の発光素子3の点灯検査を行うための検査基板である。点灯検査装置7Aは、検査用基板71Aと、検査用電極72Aとを有する。検査用基板71Aは、アレイ基板2と対向する。検査用電極72Aは、検査用基板71Aの、アレイ基板2と対向する面に設けられる。検査用電極72Aは、複数の発光素子3のカソード(n型クラッド層37(
図6参照))に接続される。検査用電極72Aは、点灯検査の際に発光素子3のカソード電極22として機能する。
【0096】
検査用駆動回路104は、検査用制御回路101からの制御信号に基づいて、アレイ基板2にアノード電源電位PVDDを供給し、点灯検査装置7Aにカソード電源電位PVSSを供給する。各発光素子3には、アノード電源電位PVDDとカソード電源電位PVSSとの電位差に応じた電流が流れ、発光する。なお、検査用駆動回路104は、検査用駆動信号として発光素子3が点灯する電位を供給すればよく、表示装置1の表示におけるアノード電源電位PVDD及びカソード電源電位PVSSと異なる電位を供給してもよい。
【0097】
光検出装置106は、複数の発光素子3からそれぞれ出射された光を検出する。光検出装置106は、例えば、CCD等の撮像素子を有する画像センサである。画像処理回路107は、光検出装置106からの検出信号(画像データ)を受け取って、画像処理を行うことで、複数の発光素子3のそれぞれの点灯状態(例えば輝度)を解析する。画像処理回路107は、複数の発光素子3の点灯状態に関する情報を検査用制御回路101に出力する。
【0098】
検査用制御回路101は、画像処理回路107からの情報に基づいて、複数の発光素子3のそれぞれの点灯状態を判断する。例えば、発光素子3から出射された光の輝度が、所定の範囲内であれば、検査用制御回路101は、発光素子3の点灯状態が良好であると判断する。検査用制御回路101は、発光素子3から出射された光の輝度が、基準値よりも小さい場合に、発光素子3が非点灯状態であると判断する。また、検査用制御回路101は、全ての発光素子3の個数に対する、非点灯状態の発光素子3の個数の割合を接続不良率として演算する。また、検査用制御回路101は、点灯状態の発光素子3と非点灯状態の発光素子3のそれぞれの位置を演算する。
【0099】
検査用制御回路101は、接続不良率が所定の基準値よりも大きい場合、すなわち、非点灯状態の発光素子3が所定数存在する場合に、プレス装置220、レーザ装置230及びヒータ電源240の少なくとも一つ以上に制御信号を出力して、発光素子3のリペアを行う。プレス装置220は、不良が発生した複数の発光素子3をアレイ基板2側に加圧して、複数の発光素子3と実装電極24とを接続させる。また、レーザ装置230及びヒータ電源240は、プレス装置220により複数の発光素子3を加圧した状態で、複数の発光素子3及びアレイ基板2を加熱することで、複数の発光素子3と実装電極24とを接続させる。
【0100】
なお、検査システム100は、
図13に示すプレス装置220、レーザ装置230及びヒータ電源240を有していなくてもよく、複数の発光素子3の点灯検査のみを行ってもよい。
【0101】
次に、
図11に戻って、製造装置は、素子絶縁膜97及びカソード電極22(
図4参照)を形成する(ステップST24)。そして、製造装置は、駆動IC210(
図1参照)をアレイ基板2に実装する(ステップST25)。
【0102】
検査システム100は、画素Pixごとの補正データを駆動IC210に書き込み、発光素子3の点灯検査を行う(ステップST26)。駆動IC210は、ホストICから供給された映像信号Vsigに、画素Pixごとの補正データに基づく補正映像信号ΔVsigを加えた信号を、画素回路PICAの各発光素子3に供給する。これにより、表示装置1は、アレイ基板2の画素Pixごとの特性ばらつきに起因する表示画質のばらつきを抑制することができる。
【0103】
なお、
図11に示した検査方法はあくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、検査システム100は、画素Pixごとに発光素子3を選択するステップST21と、補正データを書き込むステップST26のいずれか一方を省略してもよい。
【0104】
以上説明したように、本実施形態のアレイ基板2の検査方法は、複数の発光素子3が実装されるアレイ基板2の検査方法であって、アレイ基板2は、複数の画素Pixに対応して設けられた複数のトランジスタ(駆動トランジスタDRT、リセットトランジスタRST等)と、トランジスタに電気的に接続され、発光素子3が実装される複数の実装電極24と、複数の実装電極24と隣り合って設けられ、基準電位(カソード電源電位PVSS)に電気的に接続される画素カソード電極24Sと、を有する。アレイ基板2の検査方法は、複数の発光素子3が未実装のアレイ基板2を用意するステップST11と、第1接続端子72と、第2接続端子73と、第1接続端子72と第2接続端子73との間に設けられた検査用容量Canとを含む検査治具7を用い、第1接続端子72を実装電極24に接続し、第2接続端子73を画素カソード電極24Sに接続するステップST12と、アレイ基板2の検査を制御する検査用制御回路101からの制御信号に基づいて、駆動トランジスタDRTに検査信号VTGが供給され、検査信号VTGに応じて駆動トランジスタDRTから出力された出力信号Voを検出するステップST13と、を有する。
【0105】
これによれば、アレイ基板2に検査治具7を接続することで、発光素子3が配置されていない状態でのアレイ基板2の特性(例えば駆動トランジスタDRTの特性)を検査することができる。したがって、アレイ基板2の画素Pixごとの特性に応じて発光素子3を選択し、あるいは、画素Pixごとの補正データも取得できるので、画素Pixの表示画質のばらつきを抑制することができる。結果として、パネルの歩留まり向上を図ることができる。また、不良の画素Pixには発光素子3を実装しないことで製造コストを低減することができる。したがって、本実施形態のアレイ基板2の検査方法によれば、発光素子3が未実装のアレイ基板2の特性を良好に検出することができる。
【0106】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0107】
1 表示装置
2 アレイ基板
3、3R、3G、3B、3-1、3-2、3-3 発光素子
7 検査治具
12 駆動回路
21 基板
24、24R、24G、24B 実装電極
24S 画素カソード電極
25、25S 接合部材
60 カソード配線
71 検査用基板
72 第1接続端子
73 第2接続端子
74 第1電極
75 第2電極
76 誘電体層
100 検査システム
210 駆動IC
Can 検査用容量
DRT 駆動トランジスタ
RST リセットトランジスタ