(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019475
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ゴムシート及びフィルムの梱包方法
(51)【国際特許分類】
B65H 75/24 20060101AFI20220120BHJP
B65H 75/10 20060101ALI20220120BHJP
B65D 57/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
B65H75/24 Z
B65H75/10
B65D57/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020136023
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】591005006
【氏名又は名称】マクセルクレハ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】谷 伸一
(72)【発明者】
【氏名】毛利 信行
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 眞司
(72)【発明者】
【氏名】石田 秀彰
【テーマコード(参考)】
3E066
3F058
【Fターム(参考)】
3E066AA53
3E066CA01
3E066HA01
3E066MA09
3E066NA60
3F058AA00
3F058AA03
3F058AB01
3F058BB11
3F058CA00
3F058DA04
3F058DB05
3F058JA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ゴムシート及びフィルム等の梱包に用いる紙管や樹脂パイプ等の廃棄物の減量とゴムシート及びフィルムの巻き始め(芯に触れる部分)に生ずる段差痕を無くす梱包方法を提供する。
【解決手段】ゴムシート及びフィルム2を巻き取る際に使用する芯材にフィルムバルーン4を用いる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムシート及びフィルム材質を1m以上巻き取る際に使用する芯材にフィルムバルーンを用いることを特徴とする梱包方法。
【請求項2】
ゴムシート及びフィルムは厚さが0.2mm~8.0mmで幅が300mm~3,000mmの範囲であり、長さは500mm以上のものを対象とする梱包方法。
【請求項3】
フィルムバルーンの材質はポリエチレン、EVA、PET等で、バルーン(風船)様に加工でき、リサイクル出来るものが好ましいが、一般廃棄物として扱われる材質を用いることを特徴とする梱包方法。
【請求項4】
フィルムバルーンに用いるフィルムの厚さは0.01mm~1.0mmであることを特徴とする梱包方法。
【請求項5】
フィルムバルーンの形状は円筒形であり、端部は楕円球形であり、円筒の胴部の直径は20mm~300mmで、長さは巻き取る製品に合わせて適宜設定出来ることを特徴とする梱包方法。
【請求項6】
フィルムバルーンはポリエチレン等の熱融着またはその他の方法で接着され、また空気等の気体を封入できる機能部を有した棒状の風船であり、フィルムバルーンに封入する気体は空気あるいは窒素ガスを用いることを特徴とする梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ゴムシート及びフィルム等の梱包に用いる紙管や樹脂パイプ等の廃棄物の減量とゴムシート及びフィルムの巻き始め(芯に触れる部分)に生ずる段差痕を無くす梱包方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ゴムシート及びフィルムの梱包には通常、紙管や樹脂製または木製の比較的真円を保ち易い材質を用いることが多く、使用後にはリサイクル・リユース出来るものもあるが、主には産業廃棄物となってしまうものが多い。また、製品を大量に消費する加工業者、メーカーの負担となっている。
さらに材質が硬い為にある程度厚みを有するゴムシート及びフィルムゴムシート及びフィルムを巻き付け、梱包すると巻き始めに、その厚み分の段差が梱包時の巻き取りテンションによって製品であるゴムシート及びフィルムの1周目の位置に段差による痕(スジ状)の不具合が発生してしまい、製品の提供側はその分の補償目的で余尺を付ける対策を行ったり、使用者側はその分が不良廃棄となり同じく産業廃棄物を生む原因となってしまっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゴムシート及びフィルム類の厚さが10mm以下の製品は紙管等の円筒形の芯体に巻き付けて梱包することが一般的である。紙管等は比較的強度があり、真円を保持することから非常に多く使用されている。ボール紙を使った紙管はリサイクルが可能であるが、回収迄の期間、一定量以上を貯めておく必要があったり、その管理は場所の制約や回収業者との契約、手配など非常に煩雑であり、場合によっては運搬費の関係から本当の意味での有価回収とはならないことが生じているユーザーも多く存在する。
また、紙管等の硬い材質への巻き取りでは巻き始めに段差痕が発生してしまう製品も多く、薄い製品では何周にも影響して不良や歩留まり悪化の要因となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ゴムシート及びフィルムを紙管などの硬い材質では無く柔軟性を有するフィルムバルーン(風船様の棒状のもの)を芯体として製品を巻き取ることで、段差痕の発生及び使用後の紙管などの処分に掛かる管理費用や処分費用などを削減できると同時に、不要になったフィルムバルーンは風船であるがゆえに、その体積および重量は紙管などと比較して大きく削減することが出来る。
【発明の効果】
【0005】
段差痕は硬い紙管に巻き取る際のテンションによりその端部の厚み差によって生じるが、芯体が風船様のフィルムバルーンを用いると端部を抑える力によってフィルムバルーンが変形することにより段差痕を発生しない。一般の紙管内径55φで厚み4mmの長さ約1,000mmの重量は約565gに対して、相当形状のポリエチレン製フィルムバルーンは厚み0.03mmで、重量は約14gで約40分の1であり、その体積は前記紙管が2,733cm3に対してフィルムバルーンは約26.7cm3と約100分の1となり、重量及び体積的な減量効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】本発明のフィルムバルーンを使用した斜視図などである。
【発明を実施するための形態】
【実施例0007】
実施例1
図1に示すフィルムバルーンを従来の巻き芯(紙管)の代わりに用いて巻き取ることで、巻き芯1の従来の紙管などの硬い巻き芯で巻き取った場合、
図2(b)に生じる巻き始め段差部3によって生じる変形(段差痕3a)を防止できる。紙管の代わりに
図3のようなフィルムバルーンを用いる当該発案の梱包方法で、フィルムバルーンは風船である為、巻き始め段差部3はフィルムバルーン側に沈み込み1周目の接触した部分への圧着圧力は極めて低く、段差痕3aは全く発生しない。
【0008】
比較例1
図2は従来の巻き芯でゴムシート及びフィルムを巻き取った例であり巻き取り後の巻き芯は真円性や輸送時の変形などを防止する目的から、形状を保持するように設計されている。従来の巻き芯で巻き取ると、1周目の重なり部分に生じた巻き始め段差部3は巻き取り時のテンション圧力や製品を横置きにした場合は、その自重によって巻き芯側へ押し付けられその状態が保管や運搬等の間、保持されることによって1周目の段差部分にスジ状の凹み痕(段差痕3a)が発生してしまうことがある。