(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019477
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】省スペース可搬手洗器
(51)【国際特許分類】
A47K 1/00 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
A47K1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020136027
(22)【出願日】2020-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】519320055
【氏名又は名称】クイック・プロ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野坂 三樹
(57)【要約】 (修正有)
【課題】手洗器の殆どは固定据付用、可搬移動用を問わず嵩張る立方体ゆえ、使用場所で臨時に設置される後者の場合は、都度の輸送費及び保管コストが嵩むので、躯体を給水具共々コンパクトに折畳める手洗器を提供する。
【解決手段】角度変換具1を金属フレームの一部分に取付けてカラン3をシンク2内に前倒しに収納すると共に、金属フレームについても、より省スペースとすべく、取付けるカラン3の数によって構造の異なる2種類を提供し、夫々の脚が至って簡便に折畳める構造とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬式手洗器であって、金属フレームと、シンク(水槽)と、給水ユニットで構成され、前記金属フレームは前記シンクを乗せる台枠と、それを支える脚と、脚の折畳み機構部で構成され、前記給水ユニットは給水具と、それを取付ける桁又は金属板と、それらを連結する角度変換具で構成され、それらの作用で前記給水具中のカランが回転して前記シンク内に収納出来る事を特徴とする手洗器。
【請求項2】
前記金属フレームが長机の如き四つ足立方体であって、反転、横倒し、立掛けや、前記シンクの取外し等を要せず、前記脚を簡便かつコンパクトに折畳める事を特徴とする請求項1記載の手洗器。
【請求項3】
前記金属フレームが折椅子の如き形状であって、シンクを乗せたまま、折椅子感覚で簡便かつコンパクトに折畳める事を特徴とする請求項1記載の手洗器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主として工事現場やイベント会場や店舗等で使用される仮設用手洗器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の手洗器は、金属フレームとシンク(水槽)が一体か、シンクのみ取り外せるのが一般的である。ただ、フレーム中の脚が折り畳めたり、給水器具部分が取り外せるものも一部で考案、使用されているがそれらは脚の開閉にはシンクを取り外したり、全体の反転や横倒し、または立掛けを要する物である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一定場所で常時使用される場合ではさほど問題ないが、工事現場やイベント会場等で臨時的に使用される物に於いては、嵩張り、その保管や輸送上の省スペース性、並びに搬入即使える利便性が特に要求される処である。
【0004】
本発明は、斯様なニーズに応じ、毎回の設営手間を最小限に抑えながら、コンパクトに仕舞え、即席に使用できる手洗器を提供するする事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、発明品は請求項1に記載の如くシンクと、それを乗せるフレームと、給水ユニットで構成され、後2者が夫々至って簡便かつ省スペースに折り畳める手洗い器を提供する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1と、請求項2または請求項3記載の機構により通常品立方体比で容積が約4分の1になり、運搬費と保管費がそれだけ軽減出来るうえ、使用現場での設置・給水も簡便で、水道からの距離分のホースさえ有れば即使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)は請求項2記載の手洗器の斜視図、(b)は(a)中の脚と給水具を折畳んだ状態での短辺側面図、(c)は同長辺側面図。
【0008】
【
図2】(d)は請求項3記載の手洗器の正面図、(e)は(d)の側面図、(f)と(g)は夫々でのフレームと給水具を折畳んだ状態の模式図。
【0009】
【
図3】(h)は請求項1記載の手洗器中の角度変換具の側面図、(i)は本体と蓋を閉じた状態の平面図で破線部は
図1(a)への取付け状態を表す。(j)は(i)の正面図で、破線部は
図2(e)での取付け状態を表す。(j-1)(j-2)は(h)の穴20内での開閉時夫々のピン23頭部位置を表す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は普遍的四つ脚立方形状で、カラン3個を備えた請求項2記載の手洗器であって、角度変換具1を台枠5のコーナーに
図3(i)に示す如く本体17の後端面で溶接し、蓋18の側面にはカラン3を取付けた桁4を溶接することにより、複数のカランをワンタッチで前倒しにシンク2内に収納出来る構造とする。
【0011】
脚6も高さ途中で折畳める構造とし、脚の開閉には一般折机に使用されるバネ折機構を用いるが、この機構は通常脚の横桟と机裏の桟間を繋ぎ、両方の桟が密着状態に畳まれる構造ゆえ、手洗器の場合はシンクが有る為そのままでは使えないので、本発明では台枠5からシンク下に回すU字形の頬杖受け7を左右に設けてバネ折機構8を使用可としたのみならず、折机でも裏向けか横倒し、又は立て掛けねば出来ない脚の開閉が、連結位置の違いで立ち姿のまま可能となるので、格段の省力性を発揮する。
【0012】
図2はカラン1個を備えた請求項3記載の手洗器であって、前脚12-1の上端には、角度変換具1が
図3(j)図の如く本体17の側面に物置台9を溶接、一方蓋18にはU字形プレート10を溶接した状態で取付けてあり、同10に組付けたカラン3が蓋18を閉じることによってシンク2内に倒れ込む構造とする。
【0013】
図2は一見折椅子形状フレームながら、各部材の接続方法や位置関係は大きく異り、椅子の座面に相当するシンク受枠11は高所・後方に取付く関係で頬杖13で前方を支え、後方は後脚12-2との連結板15で受け、前・後脚は0両脚連結板14の1点で連結し至極簡便に折畳める構造とする。
【0014】
図3は角度変換具1の部品構成と機構を表すもので、本体17と蓋18がリベット21を基点に開閉するが、(j)図の如く18内部にコイルバネ22に通した有頭ピン23が左右壁面間で突っ張る形にセットされ、一方17の片側面には19の弧形溝と、その末端に繋がる穴20があり、18の同位置にも同径の穴が有るので、閉じた状態では(j-1)図の様に22で押された23の頭部が20の位置で突出し、23の首下に直角方向に打込まれたストッパーピン24で止まりロックされる一方、開く時は出張った23の頭を一旦押込んで開くと(j-2)図の様に頭下のくびれ部が19の溝に沿って移動し、閉じる仕組みに成っている。
【0015】
本角度変換具1を
図1及び
図2に示す2方式の手洗器に使用するにあたり、取付け位置、接続方法、開閉方向等に工夫を凝らして、
図3(i)及び(j)中の破線で示す模式図の如く組込み、
図1方式では使用時は閉じ仕舞時は開く一方、
図2方式では逆に使用時は開き仕舞時には閉じる方法を採用し、水道配管も回転の便宜上全てフレキシブルホース接続を採用し給水面の省力化も図る。
【符号の説明】
【0016】
1 角度変換具
2 シンク
3 カラン
4
図1タイプ用複数カラン取付け桁
5
図1タイプ用台枠
6
図1タイプ用脚
9
図2タイプ用カラン取付板兼物置台
11
図2タイプ用台枠
12
図2タイプ用脚