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特開2022-19487バックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019487
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】バックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/04 20060101AFI20220120BHJP
   F16H 55/24 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
F16H25/04
F16H55/24
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142793
(22)【出願日】2020-08-26
(31)【優先権主張番号】109123946
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】520326895
【氏名又は名称】邱垂財
【氏名又は名称原語表記】Chui-Tsai CHIU
【住所又は居所原語表記】No. 213, Chongde 3rd Rd., Zhongli Dist., Taoyuan City 320, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】邱垂財
【テーマコード(参考)】
3J030
3J062
【Fターム(参考)】
3J030AB02
3J030BA03
3J062AA60
3J062AB02
3J062AB32
3J062AC01
3J062BA15
3J062CC03
3J062CC14
(57)【要約】
【課題】バックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置を提供する。
【解決手段】本発明は、2個の受動輪と、1本の伝動カム軸とを備え、2つの受動輪上にそれぞれローラが環状に沿って配置され、伝動カム軸上に螺旋凸部が設置され、2つの受動輪上に設置されたローラ列は、列ごとにそれぞれ伝動カム軸の螺旋凸部の両側表面に当接して伝動操作を行うことができ、スライド楔調整原理を利用して両ローラ列間の逆向き推力を発生させることにより、ローラ列と螺旋凸部との間のバックラッシュを除去でき、かつローラ列における全てのローラを螺旋凸部全体に当接することができる。これにより、構造剛性、伝動負荷を増加させ、及び使用寿命を延長すると共に、カムの自動ロック機能を有利に実現することができる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1受動輪と、第2受動輪と、前記第1受動輪と前記第2受動輪との間に連結される伝動カム軸とを備えるバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置であって、
前記第1受動輪は、第1基部を有する第1回転盤と、環状に沿って配置される第1ローラ列とを含み、前記第1ローラ列は、前記第1基部の中心から遠く離れる第1外縁部位に枢着設置され、
前記第2受動輪は、第2基部を有する第2回転盤と、環状に沿って配置される第2ローラ列とを含み、前記第2ローラ列は、前記第2基部の中心から遠く離れる第2外縁部位に枢着設置され、
前記伝動カム軸上に螺旋凸部が設置され、前記螺旋凸部の両側には、相対する内表面と外表面とがそれぞれ形成され、前記内表面が前記第1受動輪の前記第1ローラ列に当接し、前記外表面が前記第2受動輪の前記第2ローラ列に当接し、前記伝動カム軸を駆動するとき、前記第1受動輪と前記第2受動輪とを相対枢転可能にさせ、スライド楔調整原理を利用して前記第1ローラ列と前記第2ローラ列との逆向き推力を発生させることにより、前記第1ローラ列と前記内表面との間のバックラッシュ、及び前記第2ローラ列と前記外表面との間のバックラッシュを除去することを特徴とする、バックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置。
【請求項2】
前記第1受動輪と前記第2受動輪とが互いに接しており、前記第1ローラ列は、前記第1基部の前記第1外縁部位の第1外周縁に枢着設置され、前記第2ローラ列は、前記第2基部の前記第2外縁部位の第2外周縁に枢着設置され、前記第1回転盤の前記第1基部と前記第2回転盤の前記第2基部との間の断面が平行状をなすことで、前記第1ローラ列と前記第2ローラ列とを並列に設置することを特徴とする、請求項1に記載のバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置。
【請求項3】
前記第1回転盤の側面に第1軸部が突設され、前記第2回転盤の側面に軸孔が設けられ、前記第1軸部は、前記軸孔に対応して枢着固定されることを特徴とする、請求項2に記載のバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置。
【請求項4】
前記第1受動輪と前記第2受動輪とが互いに接しており、前記第1ローラ列は、前記第1基部の前記第1外縁部位の第1外周縁に枢着設置され、前記第2ローラ列は、前記第2基部の前記第2外縁部位の第2外周縁に枢着設置され、前記第1回転盤の前記第1基部と前記第2回転盤の前記第2基部との間の断面に180度よりも小さい夾角をなすことで、前記第1ローラ列と前記第2ローラ列との間は対応的に180度の夾角をなして設置されることを特徴とする、請求項1に記載のバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置。
【請求項5】
前記第1回転盤の側面に第1軸部が突設され、前記第2回転盤の側面に軸孔が設けられ、前記第1軸部は、前記軸孔に対応して枢着固定されることを特徴とする、請求項4に記載のバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置。
【請求項6】
前記第1回転盤の前記第1ローラ列と前記第2回転盤の前記第2ローラ列との間に間隔を有し、前記第1ローラ列は、前記第1基部の前記第1外縁部位の第1側縁に枢着設置され、前記第2ローラ列は、前記第2基部の前記第2外縁部位の第2側縁に枢着設置され、前記第1回転盤の前記第1基部は、前記第2回転盤の前記第2基部と平行に配置され、前記伝動カム軸は、前記第1受動輪と前記第2受動輪の側方の前記間隔中に位置することを特徴とする、請求項1に記載のバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置。
【請求項7】
前記第1回転盤の側面に第1軸部が突設され、前記第2回転盤の側面に第2軸部が突設され、前記第1軸部は、前記第2軸部に対応すると共に、前記第1軸部と前記第2軸部とを、軸部材を用いて軸接させて互いに固定することを特徴とする、請求項6に記載のバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置。
【請求項8】
前記第1基部の前記第1外縁部位の第1側縁に第1傾斜面を有し、前記第1ローラ列は前記第1傾斜面に枢設設置され、前記第2基部の前記第2外縁部位の第2側縁に第2傾斜面を有し、前記第2ローラ列は前記第2傾斜面に枢設設置され、前記第1基部の前記第1傾斜面と前記第2基部の前記第2傾斜面は真向かいに対向して配置され、前記第1回転盤の前記第1ローラ列と前記第2回転盤の前記第2ローラ列との間に間隔を有し、前記伝動カム軸は、前記第1受動輪と前記第2受動輪の側方の前記間隔中に位置することを特徴とする、請求項1に記載のバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置に係り、特に、2個の受動輪は、1本の伝動カム軸を共用し、かつ2個の受動輪のローラ列は、それぞれ伝動カム軸の螺旋凸部に設置される内、外表面にぴったり密着することにより、バックラッシュを除去するバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カム機構は、高速運転のもとで、慣性荷重が大きいため、負荷トルクを容易に発生させ、この時、もしカムとローラとの間にバックラッシュ(Backlash)が存在すれば、ガタつきに起因する振動が発生するから、伝動効率及び精度を低減する以外に、カム及びローラの寿命をさらに短縮することになる。関連業者は、カムを2つに分割すると共に、二分割構造とするカムが異なる方向に向かって相互に離間しているので、回転盤上のローラの両側をそれぞれ異なるカムの二分割構造に当接させることにより、バックラッシュを除去するものを提案している。しかしながら、カムを2つに分割した後、二分割構造のカムの同時動作と相対位置を保持するために、二分割構造のカムを連結するための軸継手やキー溝機構を使用する必要があり、そしてバックラッシュを調整除去する際に比較的に不便となり、かつカムを2つに分割した後、カムに受ける慣性荷重をさらに増加させ、及び剛性をさらに弱めるので、カムの寿命を有効に延長することができなくなる。このほか、全体の構造設計も比較的に薄弱となり、剛性及び受容可能な伝動負荷も比較的に小さくなり、カムの自動ロック機能の効果を達成することが困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主要な目的は、2つの受動輪は、1本の伝動カム軸を共用することにより、簡単な構造設計で2つの受動輪上に設置されたローラと螺旋凸部との間のバックラッシュの除去を達成できることにより、螺旋凸部の慣性荷重を低減し、かつ構造剛性、伝動負荷を増加させることができ、及び使用寿命を延長することができ、カムの自動ロックなどの多くの効果をさらに有利に実現することができる、バックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置を提供することにある。
【0004】
本発明の副次的な目的は、2つの受動輪は、1本の伝動カム軸を共用し、かつ伝動カム軸は2つの受動輪の間の内側に位置し、全体の体積空間を有効に節約できる、バックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のバックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置は、第1受動輪と、第2受動輪と、伝動カム軸とを備える。第1受動輪は、第1回転盤と、第1ローラ列とを含み、第1回転盤は、第1基部を有し、第1ローラ列は、環状に沿って配置され、第1基部の中心から遠く離れる第1外縁部位に枢着設置される。第2受動輪は、第2回転盤と、第2ローラ列とを含み、第2回転盤は、第2基部を有し、第2ローラ列は、環状に沿って配置され、第2基部の中心から遠く離れる第2外縁部位に枢着設置される。伝動カム軸は、第1受動輪と第2受動輪との間に連結され、伝動カム軸上に螺旋凸部が設置され、螺旋凸部の両側には、相対する内表面と外表面とがそれぞれ形成され、内表面が第1受動輪の第1ローラ列に当接し、外表面が第2受動輪の第2ローラ列に当接し、伝動カム軸を駆動するとき、第1受動輪と第2受動輪とを相対枢転可能にさせ、スライド楔調整原理を利用して第1ローラ列と第2ローラ列との逆向き推力を発生させることにより、第1ローラ列と内表面との間のバックラッシュ、及び第2ローラ列と外表面との間のバックラッシュを除去する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第1受動輪と第2受動輪という2つの受動輪は、1本の伝動カム軸を共用することにより、簡単な構造設計で伝動過程において2つの受動輪上に設置されたローラと螺旋凸部との間のバックラッシュの除去を達成できるように確保し、そのうち、伝動カム軸が時計回り回転駆動しても、反時計回り回転駆動しても、いずれも相対的に枢転が可能となり、スライド楔調整原理を利用して第1ローラ列と第2ローラ列との逆向き推力を発生させることにより、第1ローラ列と内表面との間のバックラッシュ、及び第2ローラ列と外表面との間のバックラッシュを除去し、産業の需要に柔軟的に対応するために多種の応用設計を有し、螺旋凸部の慣性荷重の低減だけでなく、構造剛性の増加、伝動負荷の増加、及び使用寿命の延長などの多くの効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態の構造模式図である。
図2図1の側面図である。
図3】調整後のローラを螺旋凸部に当接させる状態を示す図である。
図4】本発明の第2実施形態の構造模式図である。
図5図4の側面図である。
図6】本発明の第3実施形態の構造模式図である。
図7図6の側面図である。
図8】本発明の第4実施形態の構造模式図である。
図9図8の側面図である。
図10図8の前面図である。
図11】本発明の第5実施形態の構造模式図である。
図12図11の側面図である。
図13図11の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の目的、技術内容、特徴及び達成される効果をより容易に理解するため、以下に具体的な実施形態を挙げて詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
【0009】
図1図2図3を同時に参照して説明する。バックラッシュの無い複列式ローラカム伝動装置は、第1受動輪1と、第2受動輪2と、伝動カム軸3とを備える。第1受動輪1は、第1回転盤11と、第1ローラ列12とを含み、第1回転盤11は、第1基部111を有し、第1ローラ列12は、環状に沿って配置され、第1基部111の中心から遠く離れる第1外縁部位1111に枢着設置される。第2受動輪2は、第2回転盤21と、第2ローラ列22とを含み、第2回転盤21は、第2基部211を有し、第2ローラ列22は、環状に沿って配置され、第2基部211の中心から遠く離れる第2外縁部位2111に枢着設置される。伝動カム軸3は、第1受動輪1と第2受動輪2の側方に設置され、伝動カム軸3上に螺旋凸部31が設置され、螺旋凸部31の両側には、相対する内表面311と外表面312とがそれぞれ形成される。第1実施形態において、第1回転盤11の側面に第1軸部112が突設され、第2回転盤21の側面に軸孔212が設けられ、第1軸部112は、軸孔212に対応して枢着固定されることで、第1受動輪1と第2受動輪2とが互いに接するようになる。第1ローラ列12は、第1基部111の第1外縁部位1111の第1外周縁113に枢着設置され、第2ローラ列22は、第2基部211の第2外縁部位2111の第2外周縁213に枢着設置される。第1回転盤11の第1基部111と第2回転盤21の第2基部211との間の断面が平行状をなすことで、第1ローラ列12と第2ローラ列22とを並列に設置する。螺旋凸部31の内表面311が第1受動輪1の第1ローラ列12に当接し、螺旋凸部31の外表面312が第2受動輪2の第2ローラ列22に当接し、伝動カム軸3を駆動するとき、第1受動輪1と第2受動輪2とを相対枢転可能にさせ、スライド楔調整原理を利用して第1ローラ列12と第2ローラ列22との逆向き推力を発生させることにより、第1ローラ列12と内表面311との間のバックラッシュ、及び第2ローラ列22と外表面312との間のバックラッシュを除去する。
〔第2実施形態〕
【0010】
なお、図4図5は、本発明の第2実施形態の構造模式図を示している。図示のように、第2実施形態では、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付けてその重複説明は省略する。第2実施形態において、第1回転盤11の側面に第1軸部112が突設され、第2回転盤21の側面に軸孔212が設けられ、第1軸部112は、軸孔212に対応して枢着固定されることで、第1受動輪1と第2受動輪2とが互いに接するようになる。第1ローラ列12は、第1基部111の第1外縁部位1111の第1外周縁113に枢着設置され、第2ローラ列22は、第2基部211の第2外縁部位2111の第2外周縁213に枢着設置される。第1回転盤11の第1基部111と第2回転盤21の第2基部211との間の断面に180度よりも小さい夾角をなすことで、第1ローラ列12と第2ローラ列22との間は対応的に180度の夾角をなして設置される。伝動カム軸3は、第1受動輪1と第2受動輪2の側方に設置され、伝動カム軸3上に螺旋凸部31が設置され、螺旋凸部31の両側には、相対する内表面311と外表面312とがそれぞれ形成されることは、図3を同時に参照して示される。螺旋凸部31の内表面311が第1受動輪1の第1ローラ列12に当接し、螺旋凸部31の外表面312が第2受動輪2の第2ローラ列22に当接し、伝動カム軸3を駆動するとき、第1受動輪1と第2受動輪2とを相対枢転可能にさせ、スライド楔調整原理を利用して第1ローラ列12と第2ローラ列22との逆向き推力を発生させることにより、スライド楔調整原理とは、第1受動輪1と第2受動輪2との傾斜操作である。第1ローラ列12と第2ローラ列22との間は対応的に180度の夾角をなして設置されることにより、この複列設置方式は、第1受動輪1、第2受動輪2と伝動カム軸3の間の相対位置の安定化に役立ち、かつ互いに協力し合うように調整することができ、実際の製造と組立上において、様々な誤差による影響を回避することにより、第1ローラ列12と内表面311との間のバックラッシュ、及び第2ローラ列22と外表面312との間のバックラッシュを除去し、最も理想的な態様の線接触を実現することができる。
〔第3実施形態〕
【0011】
次に、図6図7は、本発明の第3実施形態の構造模式図を示している。図示のように、第3実施形態では、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付けてその重複説明は省略する。第3実施形態において、第1回転盤11の側面に第1軸部112が突設され、第2回転盤21の側面に第2軸部214が突設される。第1軸部112は、第2軸部214に対応すると共に、第1軸部112と第2軸部214とを、軸部材4を用いて軸接させて互いに固定する。例を挙げて言えば、軸部材4は、固定片とラッチ錠であってもよく、固定片を第1軸部112と第2軸部214との間に装着してから、ラッチ錠により固定片を貫通して第1軸部112または第2軸部214のうちのいずれか1つに錠止固定され、第1軸部112と第2軸部214とを連結固定するようになっている。勿論、第1軸部112と第2軸部214とを固定するための軸部材4の種類について、本発明はこれに限定されない。注意に値することは、第1回転盤11の第1ローラ列12と第2回転盤21の第2ローラ列22との間に間隔を有し、第1ローラ列12は、第1基部111の第1外縁部位1111の第1側縁114に枢着設置され、第2ローラ列22は、第2基部211の第2外縁部位2111の第2側縁215に枢着設置される。第1回転盤11の第1基部111は、第2回転盤21の第2基部211と平行に配置されることによって、第1ローラ列12と第2ローラ列22とを平行にさせる。伝動カム軸3は、第1受動輪1と第2受動輪2の側方の間隔中に位置し、この間隔は、すなわち、第1回転盤11の第1軸部112と第2回転盤21の第2軸部214との間の距離であり、かつ第1軸部112及び第2軸部214の直径は、第1回転盤11及び第2回転盤21の直径より小さく、従って、伝動カム軸3は、第1回転盤11と第2回転盤21の内側に位置することができる。図3を同時に参照して示すように、螺旋凸部31の両側には、相対する内表面311と外表面312とがそれぞれ形成され、螺旋凸部31の内表面311が第1受動輪1の第1ローラ列12に当接し、螺旋凸部31の外表面312が第2受動輪2の第2ローラ列22に当接する。伝動カム軸3を駆動するとき、第1受動輪1と第2受動輪2とを相対枢転可能にさせ、スライド楔調整原理を利用して第1ローラ列12と第2ローラ列22との逆向き推力を発生させることにより、第1ローラ列12と内表面311との間のバックラッシュ、及び第2ローラ列22と外表面312との間のバックラッシュを除去する。このようにすると、伝動カム軸3の駆動によれば、運動と動力をより円滑かつ確実に第1受動輪1と第2受動輪2上に伝達することができ、安定的な動力伝達によって、全体の寿命を延長し得るものである。
〔第4実施形態〕
【0012】
続いて、図8図9図10は、本発明の第4実施形態の構造模式図を示している。図示のように、第4実施形態では、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付けてその重複説明は省略する。第4実施形態において、第1受動輪1の第1回転盤11と第2受動輪2の第2回転盤21とが平行に設置される。第1基部111の第1外縁部位1111の第1側縁114に第1傾斜面115を有し、第1ローラ列12は第1傾斜面115に枢設設置される。第2基部211の第2側縁215に第2傾斜面216を有し、第2ローラ列22は第2傾斜面216に枢設設置される。第1基部111の第1外縁部位1111の第1傾斜面115と第2基部211の第2傾斜面216は真向かいに対向して配置され、第1回転盤11の第1ローラ列12と第2回転盤21の第2ローラ列22との間に間隔を有し、伝動カム軸3は、第1受動輪1と第2受動輪2の側方の間隔中に位置し、すなわち、伝動カム軸3は、第1回転盤11と第2回転盤21の内側に位置することができる。螺旋凸部31の両側には、相対する内表面311と外表面312とがそれぞれ形成され、螺旋凸部31の内表面311が第1受動輪1の第1ローラ列12に当接し、螺旋凸部31の外表面312が第2受動輪2の第2ローラ列22に当接する。伝動カム軸3を駆動するとき、第1受動輪1と第2受動輪2とを相対枢転可能にさせ、スライド楔調整原理を利用して第1ローラ列12と第2ローラ列22との逆向き推力を発生させることにより、第1ローラ列12と内表面311との間のバックラッシュ、及び第2ローラ列22と外表面312との間のバックラッシュを除去する。
〔第5実施形態〕
【0013】
そして、図11図12図13は、本発明の第5実施形態の構造模式図を示している。図示のように、第5実施形態では、第4実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付けてその重複説明は省略する。第5実施形態において、第1受動輪1の第1回転盤11と第2受動輪2の第2回転盤21とが平行に設置される。注意に値することは、第1基部111の第1傾斜面115及び第2基部211の第2傾斜面216は、第4実施形態における傾斜角度に比べてさらに大きくなり、その原因としては、第1傾斜面115と第2傾斜面216との傾斜角度の設計が伝動カム軸3の取付設計に合わせられることが考えられる。詳細に言えば、第1ローラ列12は第1傾斜面115に枢着設置され、第2ローラ列22は第2傾斜面216に枢着設置され、第1基部111の第1傾斜面115と第2基部211の第2傾斜面216が向かいに対向して配置される場合、第1受動輪1、第2受動輪2と伝動カム軸3の間の相対位置には、さらに調整余地があることで、第1回転盤11の第1ローラ列12と第2回転盤21の第2ローラ列22との間に間隔を有させ、伝動カム軸3は、第1受動輪1と第2受動輪2の側方の間隔中に位置し、すなわち、伝動カム軸3は、第1回転盤11と第2回転盤21の内側に完全に位置することができることにより、全体の体積空間を最も有効に節約できることを達成する。螺旋凸部31の両側には、相対する内表面311と外表面312とがそれぞれ形成され、螺旋凸部31の内表面311が第1受動輪1の第1ローラ列12に当接し、螺旋凸部31の外表面312が第2受動輪2の第2ローラ列22に当接する。伝動カム軸3を駆動するとき、第1受動輪1と第2受動輪2とを相対枢転可能にさせ、スライド楔調整原理を利用して第1ローラ列12と第2ローラ列22との逆向き推力を発生させることにより、第1ローラ列12と内表面311との間のバックラッシュ、及び第2ローラ列22と外表面312との間のバックラッシュを除去する。
【0014】
上記を総合すると、本発明は、第1受動輪1と第2受動輪2という2つの受動輪は、1本の伝動カム軸3を共用することにより、簡単な構造設計で伝動過程において2つの受動輪上に設置されたローラと螺旋凸部31との間のバックラッシュの除去を達成できるように確保し、そのうち、伝動カム軸3が時計回り回転駆動しても、反時計回り回転駆動しても、いずれも相対的に枢転が可能となり、スライド楔調整原理を利用して第1ローラ列12と第2ローラ列22との逆向き推力を発生させることにより、第1ローラ列12と内表面311との間のバックラッシュ、及び第2ローラ列22と外表面312との間のバックラッシュを除去し、産業の需要に柔軟的に対応するために多種の応用設計を有し、螺旋凸部31の慣性荷重の低減だけでなく、構造剛性の増加、伝動負荷の増加、及び使用寿命の延長などの多くの効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0015】
1:第1受動輪
11:第1回転盤
111:第1基部
1111:第1外縁部位
112:第1軸部
113:第1外周縁
114:第1側縁
115:第1傾斜面
12:第1ローラ列
2:第2受動輪
21:第2回転盤
211:第2基部
2111:第2外縁部位
212:軸孔
213:第2外周縁
214:第2軸部
215:第2側縁
216:第2傾斜面
22:第2ローラ列
3:伝動カム軸
31:螺旋凸部
311:内表面
312:外表面
4:軸部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13