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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019489
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/50 20060101AFI20220120BHJP
   E06B 9/174 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
E06B9/50
E06B9/174
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144212
(22)【出願日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】P 2020121895
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】阿坂 翼
(72)【発明者】
【氏名】小川 昌輝
(72)【発明者】
【氏名】川上 将史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
(57)【要約】
【課題】ブラケットに対する巻取パイプの取付において、施工不良の発生を抑制可能にしたロールスクリーンを提供する。
【解決手段】スクリーンを巻き取る巻取パイプ16と、巻取パイプ16を軸支する軸受側ブラケット15と、巻取パイプ16に対して相対回転不能な第1位置から、巻取パイプ16に対して相対回転可能な第2位置に移動するキャッチカバー27と、を備え、巻取パイプ16は、キャッチカバー27が第1位置にあるとき、キャッチカバー27を介して軸受側ブラケット15に対する回転がロックされ、キャッチカバー27が第2位置に移動することで、軸受側ブラケット15に対して回転可能とされる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンを巻き取る巻取パイプと、
前記巻取パイプを軸支する軸受部を備えるブラケットと、
前記巻取パイプの前記軸受部に対する回転がロックされる第1位置から、前記巻取パイプの前記軸受部に対する回転が可能となる第2位置に移動する移動部材とを備え、
前記軸受部は、操作コードの操作に応じた回転に従って前記巻取パイプを回転するプーリーと、
前記プーリーを回転可能に支持する支軸部とを備え、
前記移動部材は、前記プーリーに対して回転不能であり、前記第1位置において、前記支軸部に対して直接的にロックされ、前記巻取パイプに押されることで、前記第1位置から前記第2位置に移動し、前記巻取パイプを回転可能とする
ロールスクリーン。
【請求項2】
前記移動部材は、前記第1位置に位置するとき、前記支軸部が備える連結部と係合する被連結部を備え、前記第1位置において、前記プーリーを回転不能な状態とする
請求項1に記載のロールスクリーン。
【請求項3】
前記プーリーは、前記移動部材の前記第1位置と前記第2位置との間の移動を案内するとともに前記プーリーに対して回転不能とする案内部を備え、前記移動部材の外周端は、前記案内部と係合する被案内部を備える
請求項1または2に記載のロールスクリーン。
【請求項4】
スクリーンを巻き取る巻取パイプと、
前記巻取パイプを軸支する軸受部を備えるブラケットと、
前記巻取パイプが前記軸受部に対して回転しない第1位置から、前記巻取パイプの前記軸受部に対する回転が可能となる第2位置に移動する移動部材とを備える
ロールスクリーン。
【請求項5】
前記軸受部は、操作コードの操作に応じた回転に従って前記巻取パイプを回転するプーリーと、
前記プーリーを回転可能に支持する支軸部とを備え、
前記移動部材は、前記プーリーに対して回転可能であり、かつ、前記巻取パイプの回転軸線方向に移動可能であって、前記巻取パイプに押されることで、前記プーリーに対して空転する前記第1位置から前記プーリーと共に回転可能となる前記第2位置に移動する
請求項4に記載のロールスクリーン。
【請求項6】
前記巻取パイプは、前記移動部材と接続される接続軸部とを備え、
前記接続軸部は、筒形状を有し、内側に嵌合凹部を備え、前記嵌合凹部は、前記巻取パイプの回転軸線方向に直交する方向の断面視において、非円形形状を有しており、
前記移動部材は、前記接続軸部に嵌合可能な形状を有する本体部を備える
請求項1または5に記載のロールスクリーン。
【請求項7】
前記軸受部は、前記移動部材を前記第1位置の方向に付勢する付勢部材をさらに備える
請求項1または4に記載のロールスクリーン。
【請求項8】
スクリーンを巻き取る巻取パイプと、
前記巻取パイプを軸支する軸受部を備えるブラケットと、
前記巻取パイプに対して相対回転不能な第1位置から、前記巻取パイプに対して相対回転可能な第2位置に移動する移動部材とを備え、
前記巻取パイプは、前記移動部材が前記第1位置にあるとき、前記移動部材を介して前記軸受部に対する回転がロックされ、前記移動部材が前記第2位置に移動したとき、前記軸受部に対して回転可能とされる
ロールスクリーン。
【請求項9】
前記移動部材は、前記第1位置において、前記軸受部から外れた状態であり、前記第2位置において、前記軸受部に装着された状態である
請求項8に記載のロールスクリーン。
【請求項10】
前記巻取パイプは、前記巻取パイプの端部から突出する突出部を備え、
前記移動部材は、前記突出部と係合する開口部を備え、
前記移動部材が前記第1位置にあるとき、前記開口部が前記突出部に係合し、
前記移動部材が前記第2位置にあるとき、前記開口部が前記突出部から外れる
請求項8または9に記載のロールスクリーン。
【請求項11】
前記突出部は、その周面に、前記巻取パイプの回転軸線方向に延びる係合部を備え、
前記開口部は、その開口端に、前記係合部に係合する被係合部を備える
請求項10に記載のロールスクリーン。
【請求項12】
前記軸受部に対する前記移動部材の回転をロックするロック機構を備える
請求項8ないし11のうち何れか1項に記載のロールスクリーン。
【請求項13】
前記軸受部は、前記ロック機構として、前記巻取パイプの回転軸線方向に変位可能であるロック部を備え、
前記移動部材は、前記ロック機構として、前記ロック部と係合する切欠部を備え、
前記ロック部が前記切欠部に係合することで、前記軸受部に対する前記移動部材の回転をロックする
請求項12に記載のロールスクリーン。
【請求項14】
前記ロック部は、
前記軸受部に対して回動可能に取り付けられる基端部と、
前記切欠部と係合する先端部と、
前記先端部が前記切欠部の方向に傾倒するように付勢する付勢部とを備える
請求項13に記載のロールスクリーン。
【請求項15】
前記ロック部は、前記軸受部に対して回動可能であり、前記切欠部側に重心が偏倚している
請求項13に記載のロールスクリーン。
【請求項16】
スクリーンを巻き取る巻取パイプと、
前記巻取パイプの第1端部を軸支する第1軸受部を備える操作部側ブラケットと、
前記巻取パイプの第2端部を軸支する第2軸受部を備える軸受側ブラケットと、
前記巻取パイプの前記第2軸受部に対する回転がロックされる第1位置から、前記巻取パイプの前記第2軸受部に対する回転が可能となる第2位置に移動する移動部材と
を備えるロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
遮蔽装置としてのロールスクリーンは、一対のブラケットに端部が支持された巻取パイプにスクリーンが巻回され、手動または電動でスクリーンが昇降される。施工時において、巻取パイプは、一端部が一方のブラケットに取り付けられ、次いで、他端部が他方のブラケットに取り付けられる。例えば、特許文献1では、移動部材としてのキャッチカバーに巻取パイプを挿通させた状態から、キャッチカバーをブラケットの軸受部に移動させて装着することで、巻取パイプの軸部が軸受部から外れないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3593318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなロールスクリーンでは、設置時やメンテナンス時において、一対のブラケットに対して巻取パイプの取付作業が行われる。そして、取付作業において、巻取パイプがブラケットに正しく取り付けられたかどうかを施工者に認識できるようにすることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、ブラケットに対する巻取パイプの取付において、施工不良の発生を抑制可能にしたロールスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのロールスクリーンは、スクリーンを巻き取る巻取パイプと、前記巻取パイプを軸支する軸受部を備えるブラケットと、前記巻取パイプの前記軸受部に対する回転がロックされる第1位置から、前記巻取パイプの前記軸受部に対する回転が可能となる第2位置に移動する移動部材とを備える。そして、前記軸受部は、操作コードの操作に応じた回転に従って前記巻取パイプを回転するプーリーと、前記プーリーを回転可能に支持する支軸部とを備え、前記移動部材は、前記プーリーに対して回転不能であり、前記第1位置において、前記支軸部に対して直接的にロックされ、前記巻取パイプに押されることで、前記第1位置から前記第2位置に移動し、前記巻取パイプを回転可能とする。このような構成は、一例として、操作部側ブラケットの軸受構造に対して適用可能である。
【0007】
上記ロールスクリーンにおいて、前記移動部材は、前記第1位置に位置するとき、前記支軸部が備える連結部と係合する被連結部を備え、前記第1位置において、前記プーリーを回転不能な状態とする構成してもよい。
【0008】
上記ロールスクリーンにおいて、前記プーリーは、前記移動部材の前記第1位置と前記第2位置との間の移動を案内するとともに前記プーリーに対して回転不能とする案内部を備え、前記移動部材の外周端は、前記案内部と係合する被案内部を備える構成してもよい。
【0009】
上記課題を解決するためのロールスクリーンは、スクリーンを巻き取る巻取パイプと、前記巻取パイプを軸支する軸受部を備えるブラケットと、前記巻取パイプが前記軸受部に対して回転しない第1位置から、前記巻取パイプの前記軸受部に対する回転が可能となる第2位置に移動する移動部材とを備える。このような構成は、一例として、操作部側ブラケットの軸受構造に対して適用可能である。
【0010】
上記ロールスクリーンにおいて、前記軸受部は、操作コードの操作に応じた回転に従って前記巻取パイプを回転するプーリーと、前記プーリーを回転可能に支持する支軸部とを備え、前記移動部材は、前記プーリーに対して回転可能であり、かつ、前記巻取パイプの回転軸線方向に移動可能であって、前記巻取パイプに押されることで、前記プーリーに対して空転する前記第1位置から前記プーリーと共に回転可能となる前記第2位置に移動する構成してもよい。
【0011】
上記ロールスクリーンにおいて、前記巻取パイプは、前記移動部材と接続される接続軸部とを備え、前記接続軸部は、筒形状を有し、内側に嵌合凹部を備え、前記嵌合凹部は、前記回転軸線方向に直交する方向の断面視において、非円形形状を有しており、前記移動部材は、前記接続軸部に嵌合可能な形状を有する本体部を備える構成してもよい。
【0012】
上記ロールスクリーンにおいて、前記軸受部は、前記移動部材を前記第1位置の方向に付勢する付勢部材をさらに備える構成してもよい。
上記課題を解決するためのロールスクリーンは、スクリーンを巻き取る巻取パイプと、前記巻取パイプを軸支する軸受部を備えるブラケットと、前記巻取パイプに対して相対回転不能な第1位置から、前記巻取パイプに対して相対回転可能な第2位置に移動する移動部材とを備え、前記巻取パイプは、前記移動部材が前記第1位置にあるとき、前記移動部材を介して前記軸受部に対する回転がロックされ、前記移動部材が前記第2位置に移動したとき、前記軸受部に対して回転可能とされる。このような構成は、一例として、軸受側ブラケットの軸受構造に対して適用可能である。
【0013】
上記ロールスクリーンにおいて、前記移動部材は、前記第1位置において、前記軸受部から外れた状態であり、前記第2位置において、前記軸受部に装着された状態であるようにしてもよい。
【0014】
上記ロールスクリーンにおいて、前記巻取パイプは、前記巻取パイプの一方の端部から突出する突出部を備え、前記移動部材は、前記突出部と係合する開口部を備え、前記移動部材が前記第1位置にあるとき、前記開口部が前記突出部に係合し、前記移動部材が前記第2位置にあるとき、前記開口部が前記突出部から外れるようにしてもよい。
【0015】
上記ロールスクリーンにおいて、前記突出部は、その周面に、前記巻取パイプの回転軸線方向に延びる係合部を備え、前記開口部は、その開口端に、前記係合部に係合する被係合部を備えるようにしてもよい。
【0016】
上記ロールスクリーンにおいて、前記軸受部に対する前記移動部材の回転をロックするロック機構を備えるようにしてもよい。
上記ロールスクリーンにおいて、前記軸受部は、前記ロック機構として、前記巻取パイプの回転軸線方向に変位可能であるロック部を備え、前記移動部材は、前記ロック機構として、前記ロック部と係合する切欠部を備え、前記ロック部が前記切欠部に係合することで、前記軸受部に対する前記移動部材の回転をロックするようにしてもよい。
【0017】
上記ロールスクリーンにおいて、前記ロック部は、前記軸受部に対して回動可能に取り付けられる基端部と、前記切欠部と係合する先端部と、前記先端部が前記切欠部の方向に傾倒するように付勢する付勢部と、を備えるようにしてもよい。
【0018】
上記ロールスクリーンにおいて、前記ロック部は、前記軸受部に対して回動可能であり、前記切欠部側に重心が偏倚しているようにしてもよい。
上記課題を解決するためのロールスクリーンは、スクリーンを巻き取る巻取パイプと、前記巻取パイプの第1端部を軸支する第1軸受部を備える操作部側ブラケットと、前記巻取パイプの第2端部を軸支する第2軸受部を備える軸受側ブラケットと、前記巻取パイプの前記第2軸受部に対する回転がロックされる第1位置から、前記巻取パイプの前記第2軸受部に対する回転が可能となる第2位置に移動する移動部材とを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、巻取パイプのブラケットに対する取付において、施工不良の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ロールスクリーンの構成を示す正面図。
図2】巻取パイプの第1軸部、操作部側ブラケット、および、第1軸受部の斜視図。
図3】巻取パイプの第1軸部、操作部側ブラケット、および、第1軸受部の分解斜視図。
図4】第1軸受部の断面図。
図5】第1軸受部の要部側面図。
図6】第1軸受部に第1軸部を接続する直前の状態を示す断面図。
図7】第1軸受部に第1軸部を接続した状態を示す断面図。
図8】巻取パイプの第2軸部、軸受側ブラケット、および、キャッチカバーの分解斜視図。
図9】軸受側ブラケットおよびキャッチカバーの要部側面図。
図10図2に示す切断線の断面構造であって、軸受側ブラケットに巻取パイプの軸部が挿入される前の状態を示す要部断面図。
図11図8に示す切断線の断面構造であって、軸受側ブラケットに巻取パイプの軸部が挿入された状態を示す要部断面図。
図12】第2軸部を軸受側ブラケットに取り付ける工程を示す正面図であって、キャッチカバーを第2軸部に係合する工程を示す要部拡大図。
図13】第2軸部を軸受側ブラケットに取り付ける工程を示す正面図であって、キャッチカバーが係合された第2軸部を軸受側ブラケットに挿入する工程を示す要部拡大図。
図14】第2軸部を軸受側ブラケットに取り付ける工程を示す正面図であって、キャッチカバーが第1位置にある状態の要部拡大図。
図15】第2軸部を軸受側ブラケットに取り付ける工程を示す正面図であって、キャッチカバーが第2位置にある状態の要部拡大図。
図16図15に示す切断線における断面構造であって、キャッチカバーが第2位置にある状態の上面図。
図17図15に示す切断線における断面構造であって、キャッチカバーが軸受側ブラケットに正しく装着されていない状態の上面図。
図18】ロック部の変形例として、ロック部が付勢部を備える場合の軸受側ブラケットの構成を示す要部正面図。
図19】ロック部の変形例として、ロック部が付勢部を備える場合において、キャッチカバーが第2位置にある状態で取付作業が中断された状態を示す要部正面図。
図20】変形例としてウェイトバーにプルコードを設けた場合の構成を示すロールスクリーンの正面図。
図21】第1軸受部の変形例であって、巻取パイプの第1軸部、操作部側ブラケット、および、第1軸受部の分解斜視図。
図22】移動部材の斜視図。
図23】第1軸受部の断面図。
図24】第1軸受部に第1軸部を接続した状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明が適用されたロールスクリーンについて図面を参照して説明する。
図1に示すように、ロールスクリーン10は、一例として、窓枠に取り付けられ、日射などを遮蔽する遮蔽装置として使用され、また、部屋と階段といった第1空間と第2空間とを仕切り、空気の流れなどを遮蔽する遮蔽装置として使用される。ロールスクリーン10は、窓枠や天井に設けられた設置部に取り付けられる。
【0022】
ロールスクリーン10は、設置部に取り付けられるヘッド部11と、ヘッド部11から垂下される遮蔽材としてのスクリーン12と、スクリーン12の下端に設けられ、スクリーン12に張力を付与するウェイトバー13とを備えている。ヘッド部11は、幅方向の一方の端部に操作部側ブラケット14を備え、他方の端部に軸受側ブラケット15を備えている。操作部側ブラケット14および軸受側ブラケット15は、ヘッド部11を設置部に取り付けるためのサイドブラケットである。ヘッド部11は、スクリーン12を巻回する巻取軸としての巻取パイプ16を備えている。巻取パイプ16は、ヘッド部11の幅方向に延在しており、その両端としての第1端部17と第2端部18とを備えている。巻取パイプ16は、操作部側ブラケット14および軸受側ブラケット15によって、回転可能に支持される。巻取パイプ16内には、スプリングモータなどの駆動機構が内蔵されており、操作コードとしてのボールチェーン14cの操作力を補助するようにしてもよい。
【0023】
操作部側ブラケット14は、巻取パイプ16の第1端部17から突出する第1軸部を支持する第1軸受部14aと、第1軸受部14aと連結するプーリー14bと、プーリー14bから垂下するボールチェーン14cとを備える。プーリー14bおよびボールチェーン14cは、操作ユニット14dを構成する。ボールチェーン14cは、巻取パイプ16を回転させるための部材であり、複数の球状部が円筒状の連結部によって連結されることで環状に構成される。ボールチェーン14cは、プーリー14bに掛け合わされている。プーリー14bは、ボールチェーン14cが回転されるように操作されたとき、第1軸受部14aを介して、ボールチェーン14cを操作する力を第1軸部に伝達することで巻取パイプ16を回転する。換言すると、ボールチェーン14cを操作することで、プーリー14bおよび第1軸受部14aを介して、巻取パイプ16が回転する。
【0024】
巻取パイプ16を操作部側ブラケット14および軸受側ブラケット15に取り付ける場合、巻取パイプ16の第1端部17を操作部側ブラケット14の第1軸受部14aに取り付けてから、第2端部18を軸受側ブラケット15の第2軸受部23に取り付けることになる。
【0025】
〔操作部側ブラケットの軸受構造〕
図2に示すように、巻取パイプ16において、第1端部17は、端面中央部に突出した固定軸61と、固定軸61の周囲に接続軸部62とを備えている。固定軸61および接続軸部62は、第1軸部を構成する。固定軸61は、角軸であって、一例として、ここでは、四角柱の軸が用いられている。また、固定軸61の先端部は、固定軸61の中心を通る回転軸線60の方向に向かって傾斜しており、軸孔部73への案内面が構成されている。固定軸61は、スクリーン12の巻取部分に対して回転し、軸孔部73に対して回転不能な状態で挿入される。
【0026】
接続軸部62は、固定軸61の周囲において、固定軸61に対して離間した筒形状を有している。一例として、接続軸部62は、巻取部分と一体的な筒形状を有している。接続軸部62の内周は、嵌合凹部62aを構成している。嵌合凹部62aの形状は、回転軸線60の方向に対して直交する方向の断面視において、非円形形状を有している。ここでは、同じ大きさの2つの正六角形のうち一方を中心を一致させて30度回転させた複合正六角形形状を有している。すなわち、12個の角を持つ星型多角形であって、十二芒星形状である。嵌合凹部62aは、移動部材68の本体部88が嵌合される部分であって、本体部88が嵌合されることで、移動部材68と一体的に回転可能となる。
【0027】
操作部側ブラケット14は、設置部に固定するための取付片63と、第1端部17を支持する支持片64とを備えている。支持片64には、第1端部17を軸支するための第1軸受部14aが構成されている。具体的に、図3に示すように、第1軸受部14aは、軸部材66と、軸部材66に回転可能に支持されるプーリー14bと、プーリー14b内に配置される移動部材68とを備えている。
【0028】
軸部材66は、ベース71と、ベース71の中央から立設された支軸部72とを備えている。ベース71は、支持片64に対して取付ピンやカシメなどによって固定される。支軸部72は、その頂面に、軸孔部73を備えている。軸孔部73は、固定軸61の形状に対応した孔形状を有しており、ここでは、四角形状を有した孔部であり、固定軸61が挿入される。したがって、固定軸61は、軸部材66に対して回転しない。
【0029】
支軸部72は、その先端部に、複数の連結突起74を備えている。複数の連結突起74は、支軸部72の先端部において、周回方向に等間隔であって、かつ、間欠的に設けられている。複数の連結突起74は、外周方向に突出している。複数の連結突起74は、選択的に移動部材68の連結凹部93が係合される。すなわち、複数の連結突起74は、移動部材68と連結される被連結部であり、さらに、支軸部72は、複数の連結突起74の位置よりもさらに先端側に係止溝75を備えている。係止溝75には、S形止め輪などの抜け止め部材76が係止される。
【0030】
支軸部72は、プーリー14bの回転軸となるものであり、ベース71における支軸部72の基端部周囲には、プーリー14bを、支軸部72を回転軸として円滑に回転可能とするためのベアリング77が配設されている。
【0031】
プーリー14bは、仕切板81と、仕切板81に対してベース71側に設けられる円筒形状の引掛部82と、仕切板81に対して引掛部82とは反対側に設けられる筒状部83とを備えている。引掛部82は、操作コードとしてのボールチェーン14cが掛け合わされる。引掛部82は、その周回方向に、ボールチェーン14cのボール部が掛け合わされる複数の凹部が周回方向に並んで設けられている。
【0032】
筒状部83は、仕切板81に突出した円筒形状を有している。筒状部83は、底板部84と、底板部84の中央に形成された中央開口部85とを備えている。中央開口部85には、支軸部72が挿通される。筒状部83の内周面には、案内部としての案内溝86が支軸部72の回転軸線60の方向と平行な方向に延びている。案内溝86は、移動部材68のプーリー14bに対する支軸部72の回転軸線60の方向の移動を案内する。筒状部83の内側は、中央部に支軸部72が位置し、その周囲に移動部材68が配置される環状空間部である接続凹部87を構成する。
【0033】
移動部材68は、本体部88と、本体部88の周囲に広がるフランジ部89とを備えている。本体部88は、正六角筒形状を有しており、内側に内側空間部91を備えている。すなわち、本体部88は、接続軸部62の嵌合凹部62aに嵌合し得る形状を有している。内側空間部91の底部には、開口部92を備えている。開口部92の開口端は、支軸部72の先端部に設けられた複数の連結突起74が選択的に係合される連結凹部93を備えている。連結凹部93は、支軸部72の連結突起74に係合される連結部である。
【0034】
フランジ部89の外周端は、案内溝86に係合する被案内部としての案内突起94を備えている。案内突起94が案内溝86に係合されることで、移動部材68は、プーリー14bに対する回転軸線60の方向に移動が案内される。また、移動部材68は、案内溝86に案内突起94が係合することで、プーリー14bに対する回転軸線60を中心とした回転を不能とする。
【0035】
移動部材68とプーリー14bとの間には、コイルバネなどの付勢部材95が配置される。具体的に、付勢部材95は、内側空間部91内に配置され、一端部は、本体部88の係止段部に係止され、他端部は、底板部84の中央開口部85の周囲に突き当てられる。
【0036】
以上のように構成される第1軸受部14aは、次のように組み立てられる。
取付片63には、軸部材66のベース71が固定される。また、プーリー14bの接続凹部87、または、移動部材68の内側空間部91には、付勢部材95が配置される。そして、図4に示すように、プーリー14bは、支軸部72が中央開口部85に挿通される。さらに、付勢部材95は、移動部材68とプーリー14bとの間に配置される。この際、支軸部72は、開口部92に挿通され、案内溝86および案内突起94が係合される。この後、支軸部72の係止溝75には、抜け止め部材76が係止され、軸部材66からプーリー14bが外れないようにする。これにより、移動部材68は、付勢部材95によって支軸部72の先端部の方向に常時付勢されることでロック位置としての第1位置に位置する。そして、図5に示すように、連結凹部93に対して連結突起74が係合された状態となる。この状態では、連結突起74が連結凹部93に係合されることで、プーリー14bは、軸部材66に対して回転不能な状態である。
【0037】
次に、操作部側ブラケット14の第1軸受部14aに巻取パイプ16の第1端部17を取り付ける施工手順を説明する。
図6に示すように、固定軸61を軸孔部73に対して挿入する。次いで、接続軸部62をプーリー14bの筒状部83と支軸部72のとの間の環状形状となった接続凹部87に挿入する。この際、移動部材68の本体部88は、嵌合凹部62aに嵌合される。ここで、本体部88が六角形形状を有しており、嵌合凹部62aが十二芒星形状を有している。したがって、本体部88は、嵌合凹部62aに対する位置合わせが容易となり、嵌挿が容易となる。図7に示すように、その後、接続軸部62の先端部は、フランジ部89を付勢部材95の付勢力に抗して押圧し、移動部材68を、底板部84に近接するアンロック位置としての第2位置まで移動させる。第2位置において、支軸部72の先端部に設けられた連結突起74と移動部材68の連結凹部93との係合が外れる。これにより、プーリー14bに対して回転不能な移動部材68に接続された巻取パイプ16は、プーリー14bの回転に従って回転可能となる。
【0038】
また、接続軸部62が接続凹部87に挿入されていないとき、移動部材68は、接続軸部62の先端部に押されて第1位置から第2位置に移動されておらず、支軸部72の連結突起74が移動部材68の連結凹部93に係合したままの状態となる。したがって、ボールチェーン14cを操作しても、プーリー14bは回転できない状態となる。これにより、取付作業において、施工者は、巻取パイプ16の回転がロックされていることに基づいて、巻取パイプ16が操作部側ブラケット14に正しく取り付けられていないことを認識できる。なお、ここで、接続軸部62が接続凹部87に挿入されていないときとは、接続軸部62が接続凹部87に未挿入のときや正しく接続軸部62が嵌合凹部62aに嵌挿されていないときである。
【0039】
〔軸受側ブラケットの軸受構造〕
軸受側ブラケット15側は、巻取パイプ16の第1端部17が第1軸受部14aに正しく取り付けられた後、第2端部18の側が取り付けられる。
【0040】
図8に示すように、巻取パイプ16は、第2端部18から巻取パイプ16の回転軸線60の方向に突出する突出部19と、突出部19の先端から突出する第2軸部20とを備えている。突出部19は、巻取パイプ16よりも小径の円柱形状を有しており、その周面に複数の凸条19aを備えている。凸条19aは、第2端部18から巻取パイプ16の回転軸線60の方向に延在している。本実施形態では、突出部19の周面において、4つの凸条19aが90度毎に設けられている。凸条19aは、後述のキャッチカバー27に設けられた凹部28aと係合する係合部である。第2軸部20は、突出部19よりも小径の円筒形状を有しており、その周回方向に、軸受側ブラケット15に係合される溝部20aを備えている。
【0041】
軸受側ブラケット15は、ヘッド部11を天井面に固定するための取付片21と、第2軸部20を支持する支持片22とを備えている。支持片22には、第2軸受部23が取り付けられる。第2軸受部23は、円形形状の外形を有するベース部24と、ベース部24の中央部および下部から突出する支持壁25と、ベース部24の上部であって、支持壁25の上方に設けられるロック部26とを備えている。
【0042】
ベース部24は、リベットによって支持片22に取り付けられている。ベース部24は、外周端面において、その周回方向に設けられる係合溝24aと、係合溝24aの一部に設けられる案内部24bとを備えている。案内部24bは、キャッチカバー27の係合爪31(図9参照)を係合溝24aに案内する。
【0043】
支持壁25は、支持壁25の下方に設けられる挿入口25aと、第2軸部20を支持する支持溝25bとを備えている。第2軸部20は、挿入口25aを通じて支持溝25bに挿入される。支持溝25bは、その内部に、第2軸部20の溝部20aと係合するシャフトブロック25cと、ロックばね25dとを備えている。支持溝25bに挿入された第2軸部20は、溝部20aがシャフトブロック25cおよびロックばね25dと係合することで、支持溝25bに取り付けられる。
【0044】
図10に示すように、具体的に、シャフトブロック25cは、ベース部24に回動可能に取り付けられ、回動支点から挿入口25aに向かって下方に延在する主板と、回動支点から上方に延在する支持部とを備えている。シャフトブロック25cは、板ばねやねじりコイルばねなどのばね部材によって、主板がベース部24側に向かって常に付勢されている。ロックばね25dは、支持溝25b内部に取り付けられており、上下方向に変位可能な線状ばね部材である。シャフトブロック25cは、挿入口25aから挿入された第2軸部20によって支持部が押圧され、主板がベース部24から離間する方向に回動する。図10において、このときのシャフトブロック25cの状態を二点鎖線で示している。そして、第2軸部20がロックばね25dに当接する位置まで挿入されることで、第2軸部20が支持部を乗り越える。これにより、図11に示すように、シャフトブロック25cのばね部材によって、主板がベース部24に近づく方向に回動して元の位置に戻ることで、支持部の先端が溝部20aの下方に位置し、支持部によって溝部20aが支持される。このようにして、第2軸部20の溝部20aと、シャフトブロック25cの支持部およびロックばね25dとが係合することで、第2軸部20が支持溝25bに取り付けられる。なお、図10および図11では、便宜上、キャッチカバー27を図示していない。
【0045】
図8に示すように、ロック部26は、レバー形状を有した片であり、ベース部24に取り付けられる基端部26aと、基端部26aから上方に向かって延在する先端部26bを備えている。基端部26aは、ロック部26がベース部24に対して所定の角度まで回動可能となるように取り付けられている。本実施形態では、基端部26aは、先端部26bが上方に向かって延在する状態から、ベース部24とロック部26とのなす角が略45度となるまで回動可能である。先端部26bは、支持片22と反対側、すなわち、巻取パイプ16側に凸部26cを備えている。ロック部26は、先端部26bに凸部26cが設けられることで、その重心が巻取パイプ16側に偏倚している。これにより、ロック部26は、自重によって、巻取パイプ16側に所定の角度の分だけ傾いた状態となる。また、ロック部26は、キャッチカバー27に設けられた切欠部29と係合する。換言すると、ロック部26は、切欠部29と共に、キャッチカバー27の回転をロックするロック機構を構成する。
【0046】
第2軸受部23には、第2軸部20が支持溝25bに挿入された状態で、移動部材としてのキャッチカバー27が装着される。キャッチカバー27は、ベース部24の円形形状と対応する円環形状を有した主面部27aと、主面部27aの外周に立設された周壁部27bとを備えている。主面部27aは、中央に円形形状を有した中央開口部28を備えている。中央開口部28は、突出部19の径と対応する径を有している。中央開口部28は、4つの凹部28aを備えている。凹部28aは、中央開口部28の開口端において、90度毎に設けられている。凹部28aは、突出部19に設けられた凸条19aと係合する被係合部である。キャッチカバー27は、凹部28aが凸条19aに係合しているとき、巻取パイプ16の回転が伝達される。すなわち、巻取パイプ16とキャッチカバー27とが相対回転不能となって一体的に回転する。
【0047】
周壁部27bは、その上部であって、ロック部26と対応する位置に切欠部29を備えている。切欠部29は、周壁部27bの先端部から主面部27aの方向に向かって切り欠かれたコ字状を有している。切欠部29は、ロック部26の先端部26bと係合することで、キャッチカバー27の回転をロックする。換言すると、切欠部29は、ロック部26と共に、キャッチカバー27の回転をロックするロック機構を構成する。また、切欠部29は、周壁部27bの周回方向において、ロック部26よりも幅広になっている。したがって、キャッチカバー27は、ロック部26と切欠部29とが係合した状態において、周壁部27bの周回方向における切欠部29の縁部がロック部26の側縁部に突き当たる位置まで回動可能である。
【0048】
図9に示すように、周壁部27bは、その外周面に突起部30を備えている。また、周壁部27bは、その内周面の先端部であって、突起部30の裏側に係合爪31を備えている。キャッチカバー27は、係合爪31の位置と案内部24bの位置とが合わせられた状態でベース部24に装着される。キャッチカバー27がベース部24に装着されることで、支持壁25における挿入口25aが周壁部27bによって閉塞される。これにより、第2軸部20が支持溝25bから外れないようにしている。そして、キャッチカバー27は、係合爪31が案内部24bに挿入された状態である挿入位置から、係合爪31が係合溝24aの終端に達した状態である取付完了位置まで回転される。これにより、係合爪31が係合溝24aに係合し、キャッチカバー27がベース部24に固定される。このとき、突起部30は、キャッチカバー27を回転させる際のすべり止めとして機能する。
【0049】
次に、軸受側ブラケット15に巻取パイプ16を取り付ける施工手順を説明する。
先ず、その準備として、操作部側ブラケット14および軸受側ブラケット15を、巻取パイプ16の幅と対応する間隔を設けた状態で、天井面などの設置部にビス止めする。次いで、上述のように、巻取パイプ16の第1端部17から突出する接続軸部62を操作部側ブラケット14の第1軸受部14aに取り付ける。すなわち、上述のように、接続軸部62の先端部が移動部材68を付勢部材95の付勢力に抗して押圧し、移動部材68を第2位置まで移動させて、巻取パイプ16が第1軸受部14aに対して回転可能な状態とする(図6および図7参照)。
【0050】
図12に示すように、切欠部29を上方に位置させ、かつ、凸条19aの位置と凹部28aの位置とが合わせられた状態で、キャッチカバー27の中央開口部28に巻取パイプ16の突出部19を挿入する。これにより、図13に示すように、凸条19aと凹部28aとが係合し、巻取パイプ16とキャッチカバー27とが相対回転不能となって、一体的に回転する伝達状態となる。なお、例えば、ロールスクリーン10の出荷段階で、予め凸条19aと凹部28aとを係合させた状態としてもよい。この場合、取付作業において、キャッチカバー27の中央開口部28に巻取パイプ16の突出部19を挿入する作業は省略される。
【0051】
次いで、巻取パイプ16の突出部19をキャッチカバー27の中央開口部28に挿通させた状態で、第2軸部20を挿入口25aから支持溝25b内に挿入する。このとき、第2軸部20の溝部20aがシャフトブロック25cおよびロックばね25dと係合することで、支持溝25bに第2軸部20が取り付けられる。
【0052】
図14に示すように、第2軸部20を支持溝25b内に挿入することで、ロック部26が切欠部29に係合した状態となる。このとき、キャッチカバー27は、凹部28aが凸条19aに係合し、巻取パイプ16とキャッチカバー27とが一体となって回転する伝達状態、かつ、ロック部26が切欠部29に係合した状態となるロック位置としての第1位置に位置する。キャッチカバー27が第1位置にあるとき、ボールチェーン14cが操作されて巻取パイプ16に回転が加わると、巻取パイプ16とキャッチカバー27とが一体となって回転しようとする。すると、ロック部26の側縁部が、切欠部29における周回方向の両縁部のうちの一方に突き当たる。このように、キャッチカバー27が第1位置にあるとき、ロック部26によってキャッチカバー27の回転がロックされることで、巻取パイプ16の回転がロックされる。
【0053】
次いで、図15に示すように、キャッチカバー27をベース部24に装着する。具体的に、キャッチカバー27は、係合爪31の位置と案内部24bの位置とが合わせられた状態で、係合爪31が案内部24bに位置する状態となる挿入位置としての第2位置まで移動される。キャッチカバー27が挿入位置に位置することで、キャッチカバー27によって第2軸受部23が覆われて挿入口25aが閉塞される。また、ロック部26は、キャッチカバー27が第1位置から第2位置に移動されたとき、キャッチカバー27の切欠部29に押圧されて、支持片22側に回動する。
【0054】
また、挿入位置としての第2位置は、凸条19aと凹部28aとの係合が外れるアンロック位置でもある。したがって、キャッチカバー27がアンロック位置としての第2位置に位置しているとき、巻取パイプ16からキャッチカバー27への回転が伝達されず、巻取パイプ16がキャッチカバー27に対して相対回転可能な非伝達状態となる。換言すると、キャッチカバー27は、第1位置から第2位置に移動可能な移動部材であって、キャッチカバー27が第1位置から第2位置に移動することで、巻取パイプ16およびキャッチカバー27が伝達状態から非伝達状態に切り換わる。また、キャッチカバー27の凹部28aおよび突出部19の凸条19aは、キャッチカバー27が第1位置から第2位置に移動したときに、伝達状態から非伝達状態に切り換える切換機構である。
【0055】
図16に示すように、切欠部29は、周壁部27bの周回方向において、ロック部26よりも幅広になっている。そのため、キャッチカバー27は、切欠部29における周回方向の縁部とロック部26の側縁部とが当接する位置まで回動可能である。
【0056】
最後に、第2位置にあるキャッチカバー27を回動することで、係合爪31が係合溝24aの終端に達した状態となる取付完了位置としての第3位置まで移動する。これにより、係合爪31と係合溝24aとが係合し、キャッチカバー27がベース部24に固定される。また、第3位置は、凸条19aと凹部28aとの係合が外れるアンロック位置に位置する状態でもある。すなわち、キャッチカバー27が第3位置にあるときも、巻取パイプ16がキャッチカバー27に対して相対回転可能な非伝達状態となる。以上の工程により、軸受側ブラケット15に対する巻取パイプ16の取付が完了する。
【0057】
また、図17に示すように、キャッチカバー27が第2軸受部23のベース部24に正しく装着されなかったとき、キャッチカバー27は、凹部28aが凸条19aに係合し、巻取パイプ16とキャッチカバー27とが一体となって回転する伝達状態、かつ、ロック部26が切欠部29に係合した状態となる。すなわち、この場合も、キャッチカバー27は、ロック位置に位置する状態である。このように、キャッチカバー27が第2軸受部23に正しく装着されなかった場合、巻取パイプ16に回転が加えられても、切欠部29に係合したロック部26によって、キャッチカバー27の回転がロックされているため、巻取パイプ16およびキャッチカバー27が回転できない状態となる。したがって、取付作業において、施工者は、巻取パイプ16の回転がロックされていることに基づいて、巻取パイプ16が軸受側ブラケット15に正しく取り付けられていないことを認識できる。
【0058】
〔ロールスクリーンの操作〕
ロールスクリーンにおいて、ボールチェーン14cが一方向に引かれると、プーリー14bが一方向に回転し、これに合わせて、巻取パイプ16も一方向に回転することで、スクリーン12およびウェイトバー13が降下される。また、ボールチェーン14cが他方向に引かれると、プーリー14bが他方向に回転し、これに合わせて、巻取パイプ16も他方向に回転することで、スクリーン12およびウェイトバー13が上昇される。
【0059】
以上のように構成されたロールスクリーン10は、以下に列挙する効果を得ることができる。
〔操作部側ブラケットの軸受構造の効果〕
(1-1)移動部材68が第1位置にあるとき、プーリー14bは、移動部材68を通じて支軸部72にロックされているため、正しく接続軸部62が嵌合凹部62aに挿入されていないと、巻取パイプ16が回転できない状態となる。これにより、取付作業において、巻取パイプ16の回転がロックされていることに基づいて、操作部側ブラケット14に対する巻取パイプ16の取付施工が正しく行われていないことを認識できる。したがって、操作部側ブラケット14に対する巻取パイプ16の取付における施工不良の発生を抑制できる。
【0060】
(1-2)巻取パイプ16は、接続軸部62をプーリー14b側の接続凹部87に挿入することで、プーリー14bと一体的に回転する移動部材68の本体部88が接続軸部62の嵌合凹部62aに嵌合される。このように、巻取パイプ16の接続軸部62を、第1軸受部14aに対して容易に接続することができる。
【0061】
(1-3)プーリー14bは、プーリー14bと一体的に回転する移動部材68を介して、操作部側ブラケット14に対して一体的な支軸部72にロックすることができる。このロックは、支軸部72の連結突起74を移動部材68の連結凹部93に係合させることで実現できる。
【0062】
(1-4)移動部材68の内側空間部91に付勢部材95を配置することで、移動部材68を、プーリー14bの底板部84に対して第1位置の方向に付勢することができる。したがって、接続軸部62が接続凹部87に正しく挿入されていないときには、連結突起74と連結凹部93とを係合させて、プーリー14bの回転をロックできる。
【0063】
(1-5)フランジ部89の案内突起94と筒状部83の案内溝86とを係合させることで、第1位置と第2位置との移動を確実に案内することができる。
(1-6)嵌合凹部62aの形状は、非円形形状であって、移動部材68の本体部88も、嵌合凹部62aに嵌合可能な非円形形状である。これにより、プーリー14bの回転力を巻取パイプ16に回転力を伝達することができる。また、嵌合凹部62aの形状が複合正六角形形状であって、本体部88が六角形形状である。したがって、嵌合凹部62aに対して本体部88の挿入を容易にすることができる。
【0064】
〔軸受側ブラケットの軸受構造の効果〕
(2-1)操作部側ブラケット14側において、巻取パイプ16の接続軸部62が第1軸受部14aに正しく取り付けられていたとしても、軸受側ブラケット15において、巻取パイプ16の取付施工が正しく行われていなければ、それを認識できる。
【0065】
(2-2)キャッチカバー27が第1位置にあるとき、凹部28aと凸条19aとが係合することで、巻取パイプ16とキャッチカバー27とが一体となって回転しようとする。しかし、ロック部26と切欠部29とが係合することで、軸受側ブラケット15に対するキャッチカバー27の回転がロックされているため、巻取パイプ16およびキャッチカバー27が回転できない状態となる。これにより、取付作業において、巻取パイプ16の回転がロックされていることに基づいて、軸受側ブラケット15に対する巻取パイプ16の取付施工が正しく行われていないことを認識できる。したがって、軸受側ブラケット15に対する巻取パイプ16の取付における施工不良の発生を抑制できる。
【0066】
(2-3)キャッチカバー27が第1位置から第2位置に移動することで、凹部28aと凸条19aとの係合が外れ、巻取パイプ16がキャッチカバー27に対して相対回転可能な非伝達状態となる。このような構成を備えることで、伝達状態と非伝達状態とを切り換えるための特別な切換操作等を必要とせず、一連の取付作業の中で、伝達状態と非伝達状態とを切り換えることができる。
【0067】
(2-4)凹部28aと凸条19aとの係合が外れるアンロック位置である第2位置は、キャッチカバー27が第2軸受部23に装着された挿入位置でもある。これに対して、キャッチカバー27が第2軸受部23に対して斜めに装着されるなどして正しく装着されない第1位置にあるとき、軸受側ブラケット15に対して巻取パイプ16が回転できない状態となる。したがって、キャッチカバー27が第2軸受部23に正しく装着されていない状態における巻取パイプ16の回転をロックすることで、施工不良の発生した状態のままロールスクリーン10が使用されることを防止できる。
【0068】
(2-5)凹部28aおよび凸条19aを設けることで、例えば、凹部28aおよび凸条19aを設けずに、突出部19と中央開口部28とが直接係合する構成よりも、巻取パイプ16とキャッチカバー27とを確実に係合できる。
【0069】
(2-6)ロック機構として、回動可能なロック部26および切欠部29を備えることで、ロック部26と切欠部29とが係合した状態を維持したまま、移動部材としてのキャッチカバー27を第1位置から第2位置に移動できる。したがって、ロック機構を設けた場合であっても、キャッチカバー27を第2軸受部23に装着することが容易となる。
【0070】
(2-7)切欠部29がロック部26よりも幅広であることで、ロック部26の側縁部が切欠部29における周回方向の縁部に突き当たる位置までキャッチカバー27を回動できる。これにより、係合爪31が案内部24bに挿入された挿入位置から、係合爪31が係合溝24aの終端に達した状態となる取付完了位置までキャッチカバー27を回動できる。したがって、キャッチカバー27を確実に第2軸受部23のベース部24に固定できる。
【0071】
(2-8)ロック部26が、軸受側ブラケット15に対して回動可能であり、切欠部29側に重心が偏倚していることで、ロック部26が自重で切欠部29側に倒れるようになるため、複雑な構成を設けずとも、簡単な構成でロック部26と切欠部29とを確実に係合できる。
【0072】
(2-9)ロック部26において、基端部26aが軸受側ブラケット15に回動可能に取り付けられ、先端部26bが切欠部29側に凸部26cを備えることで、より簡単な構成で、ロック部26の重心を切欠部側に偏倚させることができる。
【0073】
なお、上記実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
〔操作部側ブラケットの軸受構造の変形例〕
・移動部材68の本体部88の形状と接続軸部62の嵌合凹部62aの形状は、互いに係合し得る形状であれば特に限定されるものではない。すなわち、本体部88の形状と嵌合凹部62aの形状は、互いに係合し得る非円形形状であればよい。また、本体部88の形状がn角形の場合、嵌合凹部62aの形状は、n角形、または、n×2、n×3、n×4、…n×x(x=自然数)の星型多角形であることが好ましい。
【0074】
・本体部88に係合突起または係合凹部を設け、嵌合凹部62aに係合突起または係合凹部の相手となる係合凹部または係合突起を設けるようにしてもよい。
・移動部材68のフランジ部89に案内溝を設け、筒状部83の内周面に案内突起を設けるようにしてもよい。また、プーリー14b内での移動部材68の移動部材68の移動案内は、筒状部83の内周面を多角形形状として、フランジ部89の外形形状をこれと同形状としてもよい。これにより、プーリー14bに対して移動部材68を回転不能としながら回転軸線60の方向に移動可能とすることができる。
【0075】
・付勢部材95は、コイルバネ以外の部材であってもよい。例えば、ゴムなどの弾性部材で構成することもできるし、伸長方向の付勢力を有する蛇腹形状などを有した弾性部材で構成することもできる。
【0076】
・移動部材68において、開口部92の開口端には、連結凹部を設け、支軸部72の先端部には、連結突起を設けるようにしてもよい。また、開口部92の開口端を非円形形状を有した係合孔とし、支軸部72の先端部を係合孔と同じ非円形形状のフランジで構成された係合部としてもよい。このような形状によっても、移動部材68が第1位置にあるとき、プーリー14bを、軸部材66に対して回転不能とすることができる。
【0077】
・操作部側ブラケット14の第1軸受部14aは、図21図24のように構成することもできる。第1軸受部14aは、軸部材66と、軸部材66に回転可能に支持されるプーリー14bと、プーリー14b内に配置される移動部材68とを備えている。なお、図2図7に示した第1軸受部14aと同様な部分はその説明を省略する。
【0078】
ここでの軸部材66は、先端部に、複数の連結突起74を備えていない。また、プーリー14bは、筒状部83の内周面に案内部としての案内溝86を備えていない。さらに、移動部材68は、連結突起74が選択的に係合される連結凹部93を備えていない。さらに、案内溝86に係合する被案内部としての案内突起94も備えていない(図3参照)。
【0079】
そして、プーリー14bは、筒状部83内であって、底板部84の中央開口部85の周囲に第1係合段部96を備えている。また、図22に示すように、移動部材68は、底板部84と対向する面に、第2係合段部97を備えている。移動部材68とプーリー14bとの間は、付勢部材95によって、移動部材68は、底板部84に対して支軸部72の先端部の方向に常時付勢されている。また、移動部材68は、フランジ部89の外周端にプーリー14bの筒状部83の内面に摺接する筒状の案内壁98を備えている。
【0080】
巻取パイプ16の接続軸部62に移動部材68の本体部88が挿入されていないとき、移動部材68は、接続軸部62の先端部に押されて第1位置から第2位置に移動されておらず、第1係合段部96と第2係合段部97は係合していない。したがって、ボールチェーン14cが操作されプーリー14bが回転されても、移動部材68は回転せず、プーリー14bだけが空転する状態となっている。これにより、取付作業において、施工者は、巻取パイプ16が回転しないことに基づいて、巻取パイプ16が操作部側ブラケット14に正しく取り付けられていないことを認識できる。なお、ここで、接続軸部62が接続凹部87に挿入されていないときとは、接続軸部62が接続凹部87に未挿入のときや正しく接続軸部62が嵌合凹部62aに嵌挿されていないときである。
【0081】
そして、固定軸61を軸孔部73に対して挿入し、次いで、接続軸部62に移動部材68の本体部88が挿入され嵌合される。その後、接続軸部62の先端部は、フランジ部89を付勢部材95の付勢力に抗して押圧し、移動部材68を、底板部84に近接する第2位置まで移動させる。すると、第1係合段部96と第2係合段部97とが係合し、プーリー14bと一体に移動部材68が回転する状態となる。これにより、巻取パイプ16は、プーリー14bと一体的に回転可能となる。
【0082】
以上のような構成によっても、図2図7に示した第1軸受部14aと同様な効果を得ることができる。すなわち、移動部材68が第1位置にあるとき、プーリー14bは、移動部材68と非接続であるため、正しく接続軸部62が嵌合凹部62aに挿入されていないと、巻取パイプ16が回転しない状態となる。これにより、取付作業において、巻取パイプ16が回転しないことに基づいて、操作部側ブラケット14に対する巻取パイプ16の取付施工が正しく行われていないことを認識できる。
【0083】
また、巻取パイプ16の接続軸部62が接続される移動部材68とボールチェーン14cにより操作されるプーリー14bとは、正しく移動部材68に接続軸部62が嵌挿され第1係合段部96と第2係合段部97とが係合したときに接続される。すなわち、プーリー14bと移動部材68とが一体的に回転し得る状態にできる。
【0084】
さらに、移動部材68は、付勢部材95によってプーリー14bに対して第1係合段部96と第2係合段部97とが非係合な状態とされる。これにより、接続軸部62が接続凹部87に正しく挿入されていないときには、プーリー14bを空転させることができる。
【0085】
〔軸受側ブラケット側の軸受構造の変形例〕
・ロック部26は、切欠部29側に凸部26cを備える構成を例示した。しかし、ロック部26の形状は、切欠部29側に重心が偏倚し、かつ、切欠部29と好適に係合する形状であれば特に限定されるものではなく、凸部26cを備えなくてもよい。
【0086】
・ロック部26は、切欠部29側に重心が偏倚する構成に限定されず、例えば、ばねやゴム等の弾性を有する付勢部によってロック部26が切欠部29側に傾倒する構成であってもよい。この場合、ロック部26に付勢部を設けることで、ロック部26が切欠部29内に位置するようになるため、ロック部26と切欠部29とを確実に係合できる。
【0087】
具体的に、図18に示すように、ロック部26は、その内部に付勢部26dを備える。付勢部26dは、例えば、コイル部と、コイル部から延出した2本のアーム部とを備えたねじりコイルばねであり、コイル部がロック部26の回転軸に取り付けられ、一方のアーム部がロック部26に係止され、他方のアーム部がベース部24に係止されている。付勢部26dは、ロック部26をベース部24に対して切欠部29側に傾倒するように付勢する。図19に示すように、ロック部26に付勢部26dを設けることで、キャッチカバー27が挿入位置にある状態で取付作業が中断された場合であっても、付勢部26dがキャッチカバー27を第2位置から第1位置に押し戻すことで、巻取パイプ16の回転がロックされる。すなわち、ロック部26に付勢部26dを設けることで、軸受側ブラケット15に対する巻取パイプ16の取付施工が正しく行われていないことをより確実に認識できる。
【0088】
・ロック部26が軸受側ブラケット15に対して回動可能である構成に限定されず、ロック部26が少なくとも巻取パイプ16の軸線方向に変位可能であればよい。この場合でも、ロック部26と切欠部29とが係合した状態を維持したまま、キャッチカバー27を第1位置から第2位置に移動させることができる。
【0089】
・切欠部29がロック部26よりも幅広である構成に限定されず、例えば、切欠部29の幅とロック部26の幅とが同じであってもよい。この場合、ベース部24には案内部24bを設けず係合溝24aのみを設ける構成とし、係合爪31がベース部24の外周端を乗り越えて係合溝24aに係合する構成となる。このような構成であれば、キャッチカバー27が第2軸受部23に正しく装着されなかったとき、ロック機構によってキャッチカバー27の回転がより狭い範囲でロックされる。したがって、キャッチカバー27が正常に装着されていない状態での巻取パイプ16の回転をより確実にロックできる。
【0090】
・ロック機構としてロック部26および切欠部29を備える構成を例示したが、これに限定されず、ロック機構として軸受側ブラケット15に対するキャッチカバー27の回転がロックされる構成であればよい。例えば、キャッチカバー27側に、巻取パイプ16の軸線方向に変位可能な付勢部を設け、軸受側ブラケット15側に当該付勢部と係合する構成を設けてもよい。
【0091】
・切換機構として4つの凹部28aおよび4つの凸条19aを備える構成を例示したが、凹部28aおよび凸条19aの数は特に限定されず、例えば、凹部28aおよび凸条19aをそれぞれ4つよりも多く設けてもよい。このような構成の場合、巻取パイプ16の回転を伝達する際に、凹部28aおよび凸条19aに加わる負荷が分散される。
【0092】
・切換機構として凹部28aおよび凸条19aを備える構成を例示したが、これに限定されず、例えば、凹部28aおよび凸条19aを設けずに、突出部19および中央開口部28が六角形状のような非円形形状を有し、突出部19と中央開口部28とが直接係合する構成であってもよい。この場合、キャッチカバー27および巻取パイプ16を簡単な構成とすることができる。また、突出部19に凹部を設け、中央開口部28に当該凹部と係合する凸部を設ける構成であってもよい。これらの構成であっても、伝達状態と非伝達状態とを切り換えるための特別な切換操作等を必要とせず、一連の取付作業の中で、伝達状態と非伝達状態とを切り換えることができる。
【0093】
・凹部28aと凸条19aとの係合が外れるアンロック位置である第2位置が、キャッチカバー27が第2軸受部23に装着された挿入位置でもある構成を例示した。しかし、これに限定されず、例えば、キャッチカバー27を第1位置から第2位置に移動させる際に所定の操作力が必要な構成とし、かつ、キャッチカバー27が挿入位置に到達する前に凹部28aと凸条19aとの係合が外れる構成として、キャッチカバー27が第2位置まで移動された際の慣性で挿入位置まで到達する構成でもよい。このような構成であっても、巻取パイプ16の回転がロックされていることに基づいて、軸受側ブラケット15に対して巻取パイプ16が正しく取り付けられていないことを認識できる。
【0094】
・移動部材としては、キャッチカバー27に限定されるものではない。例えば、突出部19の径をベース部24と同じ径として、キャッチカバー27に代えて、周壁部27bの形状に相当するリング状部材を用いてもよい。このとき、当該リング状部材には、凸条19aと係合するために、例えば、切欠などの凹部が設けられる。このような構成であっても、当該リング状部材が第1位置にあるとき、ロック部26および凸条19aと係合し、かつ、第2位置に移動したときに、凸条19aとの係合が外れる。したがって、この場合でも、当該リング状部材によって巻取パイプ16の回転をロックできるため、巻取パイプ16の回転がロックされていることに基づいて、軸受側ブラケット15に対して巻取パイプ16が正しく取り付けられていないことを認識できる。
【0095】
・キャッチカバー27は、第3位置に位置したときに第2軸受部23に固定される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、ベース部24に案内部24bを設けず係合溝24aのみを設ける構成とし、係合爪31がベース部24の外周端を乗り越えて係合溝24aに係合する構成でもよい。この場合、キャッチカバー27は、第2位置に移動することで、第2軸受部23に固定される。すなわち、第2位置が取付完了位置となる。このような構成であっても、取付作業において、巻取パイプ16の回転がロックされていることに基づいて、軸受側ブラケット15に対して巻取パイプ16が正しく取り付けられていないことを認識できる。したがって、軸受側ブラケット15に対する巻取パイプ16の取付における施工不良の発生を抑制できる。
【0096】
・本実施形態では、ボールチェーン14cを操作してスクリーン12を昇降する構成を例示した。しかし、これに限定されず、ウェイトバー13にプルコードを設け、当該プルコードを操作してスクリーン12を昇降する構成であってもよい。具体的に、図20に示すように、ロールスクリーン10は、ウェイトバー13における幅方向の中央から垂下するプルコード13aと、持ち手となるプル13bとを備える。また、ヘッド部11は、非幅方向の両端部のそれぞれに軸受側ブラケット15を備える。巻取パイプ16は、両端部が同一形状を有しており、第1端部17から巻取パイプ16の軸線方向に突出する突出部17aと、突出部17aの先端から突出する第1軸部とを備える。すなわち、突出部17aと突出部19とが同一形状であり、第1軸部と第2軸部20とが同一形状である。第1軸部および第2軸部20は、何れか一方の軸部が軸受側ブラケット15に対して回転可能に取り付けられる。また、それぞれの軸受側ブラケット15には、キャッチカバー27が装着されており、第1軸部および第2軸部20が支持溝25bから外れないようにしている。
【0097】
また、巻取パイプ16は、スプリングモータおよびストッパを内蔵している。巻取パイプ16は、一方の軸部が固定で他方の軸部が回転可能であることで、スプリングモータによって回転される。巻取パイプ16に巻き取られた状態のスクリーン12を引き出す際は、プルコード13aもしくはプル13bを下方に引き、巻取パイプ16を回転させて所望の位置までスクリーン12を引き出す。このとき、巻取パイプ16は、スプリングモータによって巻取パイプ16がスクリーン12を巻き取る方向に回転しようとするものの、ストッパによってスクリーン12が引き出された状態で固定される。引き出されたスクリーン12を巻き取る際は、プルコード13aもしくはプル13bを少し下方に引いてストッパを解除してから、プルコード13aもしくはプル13bから手を放す。これにより、スプリングモータによって巻取パイプ16がスクリーン12を巻き取る方向に回転することで、スクリーン12が自動で巻き取られる。このような構成の場合、巻取パイプ16の両端部のうち少なくとも何れか一方が軸受側ブラケット15に対して正しく取り付けられていない場合、巻取パイプ16の回転がロックされる。これにより、取付作業において、巻取パイプ16の回転がロックされていることに基づいて、軸受側ブラケット15に対して巻取パイプ16の両端部のうち少なくとも何れか一方が正しく取り付けられていないことを認識できる。したがって、軸受側ブラケット15に対する巻取パイプ16の取付における施工不良の発生を抑制できる。
【0098】
・操作コードとしては、ボールチェーン14c以外にも、丸紐などであってもよいし、一定幅を有したテープ部材で構成するようにしてもよい。操作コードは、繊維を編んだ紐や繊維を撚った紐などの柔軟性のある線状のコードであればよい。ボールチェーン14cを使用しない場合は、プーリー14bの引掛部82は、コードを周知の構造で保持できればよい。
【0099】
・手動のロールスクリーンの他に、電動のロールスクリーンにも適用可能である。
【符号の説明】
【0100】
10…ロールスクリーン
12…スクリーン
14…操作部側ブラケット
15…軸受側ブラケット
16…巻取パイプ
17…第1端部
18…第2端部
19…突出部
19a…凸条
20…第2軸部
23…第2軸受部
24a…係合溝
26…ロック部
26a…基端部
26b…先端部
26c…凸部
26d…付勢部
27…キャッチカバー
28…中央開口部
28a…凹部
29…切欠部
31…係合爪
図1
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