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特開2022-19574着脱可能な二層手袋およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019574
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】着脱可能な二層手袋およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/00 20060101AFI20220120BHJP
   A41D 19/04 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A41D19/00 P
A41D19/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021103046
(22)【出願日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】PI2020003651
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MY
(71)【出願人】
【識別番号】520100088
【氏名又は名称】トップ・グローブ・インターナショナル・スンディリアン・ブルハド
(74)【代理人】
【識別番号】100113365
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 雅晴
(74)【代理人】
【識別番号】100209336
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100218800
【弁理士】
【氏名又は名称】河内 亮
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・チョンバン
(72)【発明者】
【氏名】リン・シュウツェン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ・メンライ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・ソニア・ハウミン
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AC01
3B033BA01
3B033BA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】接着剤層によって分離された少なくとも2つの層を含む着脱可能な手袋に関し、接着剤層は、湿潤剤、ラテックス凝固剤、合成有機ポリマー、および水を含む。本発明はまた、塩素化した着脱可能な二層手袋およびその製造方法に関する。本発明はさらに、ポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋およびその製造方法を提供する。
【解決手段】着脱可能な二層手袋を剥がす方法に関し、この方法は、(i)外側手袋層の袖口部分を、その周囲が内側手袋層から外れるまで引っ張ることと、(ii)一旦外側手袋層の全周が内側手袋層から外れたら、外側手袋層を剥がして、さらなる使用のために内側手袋層を得ることと、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤層によって分離された外側手袋層および内側手袋層から構成されている、着脱可能な二層手袋であって、前記接着剤層が、湿潤剤、ラテックス凝固剤、合成有機ポリマー、および水を含み、前記湿潤剤が、前記接着剤層の0.40重量%~0.80重量%の範囲の量で使用され、前記ラテックス凝固剤が、前記接着剤層の17.00重量%~20.00重量%の範囲の量で使用され、前記合成有機ポリマーが、前記接着剤層の10.00重量%~14.00重量%の範囲の量で使用され、水が、前記接着剤層の65.20重量%~72.60重量%の範囲の量で使用される、着脱可能な二層手袋。
【請求項2】
前記湿潤剤が、前記接着剤層の0.60重量%~0.70重量%の範囲の量で使用される、請求項1に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項3】
前記湿潤剤が、非イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のブレンド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項4】
前記非イオン性界面活性剤が、脂肪酸エトキシレート、ラウリン酸エトキシレート、オレイン酸エトキシレート、他の類似の化合物、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項5】
前記非イオン性界面活性剤のブレンドが、メチル(プロピルヒドロキシドエトキシル化)ビス(トリメチルシロキシ)シラン、他の類似の化合物、およびそれらの混合物からなる群から選択されるポリシロキサン界面活性剤である、請求項3に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項6】
前記ラテックス凝固剤が、前記接着剤層の17.50重量%~19.50重量%の範囲の量で使用される、請求項1に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項7】
前記ラテックス凝固剤が、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、塩化カルシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項8】
前記合成有機ポリマーが、前記接着剤層の12.00重量%~13.00重量%の範囲の量で使用される、請求項1に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項9】
前記合成有機ポリマーが、スチレンアクリルコポリマーエマルジョン、ポリメチルメタクリレートエマルジョン、低密度ポリエチレンエマルジョン、高密度ポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレンエマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項10】
水が、前記接着剤層の66.80重量%~69.90重量%の範囲の量で使用される、請求項1に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項11】
着脱可能な多層手袋であって、前記多層手袋が、少なくとも3層であり、前記層が、接着剤層によって分離され、前記接着剤層が、湿潤剤、ラテックス凝固剤、合成有機ポリマー、および水を含み、前記湿潤剤が、前記接着剤層の0.40重量%~0.80重量%の範囲の量で使用され、前記ラテックス凝固剤が、前記接着剤層の17.00重量%~20.00重量%の範囲の量で使用され、前記合成有機ポリマーが、前記接着剤層の10.00重量%~14.00重量%の範囲の量で使用され、水が、前記接着剤層の65.20重量%~72.60重量%の範囲の量で使用される、着脱可能な多層手袋。
【請求項12】
前記着脱可能な二層手袋が、塩素化した手袋である、請求項1~10のいずれか一項に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項13】
塩素化した着脱可能な二層手袋を製造する方法であって、前記方法が、
i.浸漬型を凝固剤溶液に浸漬して、前記浸漬型上にコーティングされた凝固剤層を生成する工程と、
ii.工程(i)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記凝固剤層を乾燥させて、前記浸漬型上にコーティングされた乾燥した凝固剤層を生成する工程と、
iii.工程(ii)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記乾燥した凝固剤層を第1のラテックス配合物に浸漬して、前記浸漬型上にコーティングされた第1のラテックス層を生成する工程と、
iv.工程(iii)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記第1のラテックス層を乾燥させて、前記浸漬型上にコーティングされた乾燥した第1のラテックスフィルムを生成する工程と、
v.工程(iv)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記乾燥した第1のラテックスフィルムをビーディングして、前記浸漬型上にコーティングされたビーズ状のラテックスフィルムを生成する工程と、
vi.工程(v)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記ビーズ状のラテックスフィルムを硬化させて、前記浸漬型上にコーティングされた硬化ラテックスフィルムを生成する工程と、
vii工程(vi)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記硬化ラテックスフィルムを接着剤溶液に浸漬して、前記第1のラテックスフィルム上にコーティングされた接着剤層を生成する工程と、
viii.工程(vii)で得られた前記第1のラテックスフィルム上にコーティングされた前記接着剤層を乾燥させて、前記第1のラテックスフィルム上にコーティングされた乾燥した接着剤層を生成する工程と、
ix.工程(viii)で得られた前記第1のラテックスフィルム上にコーティングされた前記乾燥した接着剤層を第2のラテックス配合物に浸漬して、前記接着剤層上にコーティングされた第2のラテックス層を生成する工程と、
x.工程(ix)で得られた前記接着剤層上にコーティングされた前記第2のラテックス層を乾燥させて、前記接着剤層上にコーティングされた乾燥した第2のラテックスフィルムを生成する工程と、
xi.工程(x)で得られた前記接着剤層上にコーティングされた前記乾燥した第2のラテックスフィルムを事前浸出して、前記浸漬型上にコーティングされた事前浸出した着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程と、
xii.工程(xi)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記事前浸出した着脱可能な二層ラテックスフィルムをビーディングして、前記浸漬型上にコーティングされたビーズ状の着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程と、
xiii.工程(xiii)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記ビーズ状の着脱可能な二層ラテックスフィルムを硬化させて、前記浸漬型上にコーティングされた硬化した着脱可能な二層手袋を生成する工程と、
xiv.工程(xiii)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記硬化した着脱可能な二層手袋を冷却して、前記浸漬型上にコーティングされた冷却した着脱可能な二層手袋を生成する工程と、
xv.工程(xiv)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記冷却した着脱可能な二層手袋を塩素化して、前記浸漬型上にコーティングされた塩素処理した着脱可能な二層手袋を生成する工程と、
xvi.工程(xv)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記塩素処理した着脱可能な二層手袋を後浸出して、前記浸漬型上にコーティングされた、後浸出した着脱可能な二層手袋を生成する工程と、
xvii.工程(xvi)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた、前記後浸出した着脱可能な二層手袋を乾燥させて、前記塩素化した着脱可能な二層手袋を生成する工程と、を含み、
前記工程(vii)で生成された前記接着剤層が、湿潤剤、ラテックス凝固剤、合成有機ポリマー、および水を含み、前記湿潤剤が、前記接着剤層の0.40重量%~0.80重量%の範囲の量で使用され、前記ラテックス凝固剤が、前記接着剤層の17.00重量%~20.00重量%の範囲の量で使用され、前記合成有機ポリマーが、前記接着剤層の10.00重量%~14.00重量%の範囲の量で使用され、水が、前記接着剤層の65.20重量%~72.60重量%の範囲の量で使用されることを特徴とする、方法。
【請求項14】
前記着脱可能な二層手袋が、ポリマーコーティングした手袋である、請求項1~10のいずれか一項に記載の着脱可能な二層手袋。
【請求項15】
ポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋を製造する方法であって、前記方法が、
i.前記浸漬型を凝固剤溶液に浸漬して、前記浸漬型上にコーティングされた凝固剤層を生成する工程と、
ii.工程(i)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記凝固剤層を乾燥させて、前記浸漬型上にコーティングされた乾燥した凝固剤層を生成する工程と、
iii.工程(ii)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記乾燥した凝固剤層を第1のラテックス配合物に浸漬して、前記浸漬型上にコーティングされた第1のラテックス層を生成する工程と、
iv.工程(iii)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記第1のラテックス層を乾燥させて、前記浸漬型上にコーティングされた乾燥した第1のラテックスフィルムを生成する工程と、
v.工程(iv)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記乾燥した第1のラテックスフィルムをビーディングして、前記浸漬型上にコーティングされたビーズ状のラテックスフィルムを生成する工程と、
vi.工程(v)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記ビーズ状のラテックスフィルムを硬化させて、前記浸漬型上にコーティングされた硬化ラテックスフィルムを生成する工程と、
vii.工程(vi)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記硬化ラテックスフィルムを接着剤溶液に浸漬して、前記第1のラテックスフィルム上にコーティングされた接着剤層を生成する工程と、
viii.工程(vii)で得られた前記第1のラテックスフィルム上にコーティングされた前記接着剤層を乾燥させて、前記第1のラテックスフィルム上にコーティングされた乾燥した接着剤層を生成する工程と、
ix.工程(viii)で得られた前記第1のラテックスフィルム上にコーティングされた前記乾燥した接着剤層を第2のラテックス配合物に浸漬して、前記接着剤層上にコーティングされた第2のラテックス層を生成する工程と、
x.工程(ix)で得られた前記接着剤層上にコーティングされた前記第2のラテックス層を乾燥させて、前記接着剤層上にコーティングされた乾燥した第2のラテックスフィルムを生成する工程と、
xi.工程(x)で得られた前記接着剤層上にコーティングされた前記乾燥した第2のラテックスフィルムを事前浸出して、前記浸漬型上にコーティングされた事前浸出した着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程と、
xii.工程(xi)で得られた前記事前浸出した着脱可能な二層ラテックスフィルムをポリマー溶液に浸漬して、ポリマーコーティングした着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程と、
xiii.工程(xii)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記ポリマーコーティングした着脱可能な二層ラテックスフィルムをビーディングして、前記浸漬型上にコーティングされたビーズ状の着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程と、
xiv.工程(xiii)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記ビーズ状の着脱可能な二層ラテックスフィルムを硬化させて、前記浸漬型上にコーティングされた硬化した着脱可能な二層手袋を生成する工程と、
xv.工程(xiv)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記硬化した着脱可能な二層手袋を後浸出して、浸漬型上にコーティングされた、後浸出した着脱可能な二層手袋を生成する工程と、
xvi.工程(xvi)で得られた前記浸漬型上にコーティングされた前記後浸出した着脱可能な二層手袋を乾燥させて、前記ポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋を生成する工程と、を含み、
前記工程(vii)で生成された前記接着剤層が、湿潤剤、ラテックス凝固剤、合成有機ポリマー、および水を含み、前記湿潤剤が、前記接着剤層の0.40重量%~0.80重量%の範囲の量で使用され、前記ラテックス凝固剤が、前記接着剤層の17.00重量%~20.00重量%の範囲の量で使用され、前記合成有機ポリマーが、前記接着剤層の10.00重量%~14.00重量%の範囲の量で使用され、水が、前記接着剤層の65.20重量%~72.60重量%の範囲の量で使用されることを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項に記載の着脱可能な二層手袋を剥がす方法であって、前記方法が、
i.前記外側手袋層の袖口部分を、その全周が前記内側手袋層から外れるまで引っ張る工程と、
ii.一旦前記外側手袋層の前記全周が前記内側手袋層から外れたら、前記外側手袋層を剥がして、さらなる使用のために前記内側手袋層を得る工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能な二層手袋およびその製造方法に関するものであり、汚染のリスクがなく、また二度脱ぎ捨てや着用の手間がかからず、同じ手袋を二度使用する便利さを使用者に提供する。
【背景技術】
【0002】
ヘルスケア、製薬、食品などの多くの業界では、二重手袋をするのが慣例である。簡単に言えば、使用者が高いリスクのある化学物質を扱う場合、二重層の保護が好ましい選択肢になっている。追加の保護を提供し、汚染のリスクを低減するため、単一の手袋ではなく二重の手袋が望ましい。さらに、単一の手袋は大きな欠点を有し、それによって、使用者は使用済みの単一層手袋を脱ぎ捨て、汗をかいた手に新しい手袋を着用する傾向があり、それは、実際に負担が重く、また不快を引き起こす。
【0003】
一方、ヘルスケア分野での二重手袋の実装は、手術手技、患者のリスク状況、手術チームの手の摩耗、個人の好みなどがあるが、これらに限定されない様々な要因によって影響を受けた。同様に、人間の手と食品との交差汚染は、食品業界での二重手袋の実装の主な理由であった。
【0004】
しかしながら、二重手袋の使用者が直面する大きな問題の1つは、使用者が第1の手袋の上に第2の手袋を着用するための追加の時間を必要とすることで、これは、使用者の効率に直接影響することになる。このように、上記から、手袋製造業界が克服すべきいくつかの課題に直面していることは明らかであり、そのために、使用者が、汚染のリスクがなく、また二度脱ぎ捨てや着用の手間がかからず、便利なことに同じ手袋を二度使用するための、着脱可能な二層手袋および適切な方法を特定するための手法が開発される。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、接着剤層によって分離された少なくとも2つの層を含む着脱可能な手袋に関し、接着剤層は、湿潤剤、ラテックス凝固剤、合成有機ポリマー、および水を含む。本発明はまた、塩素化した着脱可能な二層手袋およびその製造方法に関する。本発明はさらに、ポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋およびその製造方法に関する。またさらに、本発明は、着脱可能な二層手袋を剥がす方法に関し、この方法は、(i)外側手袋層の袖口部分を、その周囲が内側手袋層から外れるまで引っ張る工程と、(ii)一旦外側手袋層の全周が内側手袋層から外れたら、外側手袋層を剥がして、さらなる使用のために内側手袋層を得る工程と、を含む。
【0006】
本発明の追加の態様、特徴、および利点は、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明を考慮すれば、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、例示としてのみ与えられ、したがって本発明を限定するものではない、本明細書の以下の詳細な説明および添付の図面から完全に理解されるであろう。
添付図面では、
【0008】
図1-1】本発明の塩素化した着脱可能な二層手袋を調製するのに伴う工程を示すフローチャートである。
図1-2】本発明の塩素化した着脱可能な二層手袋を調製するのに伴う工程を示すフローチャートである。
図2-1】本発明のポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋を調製するのに伴う工程を示すフローチャートである。
図2-2】本発明のポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋を調製するのに伴う工程を示すフローチャートである。
図3a】本発明の着脱可能な二層手袋の、より短い内側手袋層およびより長い外側手袋層を有する手袋の例示図である。
図3b】本発明の着脱可能な二層手袋の、より短い内側手袋層からより長い外側手袋層を外す方法を示す例示図である。
図3c】本発明の着脱可能な二層手袋の、より短い内側手袋層からより長い外側手袋層を剥がす方法を示す例示図である。
図3d】本発明の二層手袋のより短い内側手袋層を示す例示図である。
図4a】本発明の着脱可能な二層手袋の、より長い内側手袋層およびより短い外側手袋層を有する手袋の例示図である。
図4b】本発明の着脱可能な二層手袋の、より長い内側手袋層からより短い外側手袋層を外す方法を示す例示図である。
図4c】本発明の着脱可能な二層手袋の、より長い内側手袋層からより短い外側手袋層を剥がす方法を示す例示図である。
図4d】本発明の二層手袋のより長い内側手袋層を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明は、本明細書に開示される。しかしながら、これらの実施形態が本発明の単なる例示であり、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲、および本発明の当業者に教示するための基礎として解釈されるべきである。本明細書で使用される数値データまたは範囲は、限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0010】
本発明は、着脱可能な二層手袋およびその製造方法に関するものであり、特に、本発明は、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)手袋、天然ゴム(NR)手袋およびポリクロロプレン(CR)ゴム手袋、ポリイソプレン(PI)ゴム手袋、スチレンブタジエンゴム(SBR)手袋、ブタジエンコポリマーゴム手袋、ポリウレタン(PU)手袋、ポリ塩化ビニル(PVC)手袋、熱可塑性エラストマー(TPE)手袋、酢酸ビニルエチレン(VAE)手袋、およびこれらの混合物からなる群から選択される任意の手袋に限定されない着脱可能な二層手袋、ならびにその製造方法に関し、それらは、汚染のリスクがなく、また二度脱ぎ捨てや着用の手間がかからず、同じ手袋を二度使用する便利さを使用者に提供する。
【0011】
本発明の目的のために、「二層」という用語は、外側手袋層および内側手袋層でできている二層または二重層として解釈することもできる。簡単に言うと、二層手袋は、外側手袋層および内側手袋層で構成されている。本発明の目的のために、「着脱可能」という用語は、取り外し可能および/または剥離可能であると解釈することもできる。また、「着脱可能」とは、外側手袋層を内側手袋層から剥がす行為に関連付けられる。
【0012】
本発明の第1の実施形態は、着脱可能な二層手袋について議論する。着脱可能な二層手袋は、接着剤層によって分離された外側手袋層および内側手袋層で構成されている。手袋は、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)手袋、天然ゴム(NR)手袋およびポリクロロプレン(CR)ゴム手袋、ポリイソプレン(PI)ゴム手袋、スチレンブタジエンゴム(SBR)手袋、ブタジエンコポリマーゴム手袋、ポリウレタン(PU)手袋、ポリ塩化ビニル(PVC)手袋、熱可塑性エラストマー(TPE)手袋、酢酸ビニルエチレン(VAE)手袋、およびこれらの混合物からなる群から選択される任意の手袋であり得る。
【0013】
追加的に、本発明は、着脱可能な多層手袋にも適用され得る。多層手袋は少なくとも3層である層は接着剤層によって分離される。
【0014】
手袋を製造するためのラテックスは、任意の市販のラテックス供給業者から入手され得る。ラテックスは、100phr(ゴム100部あたりの部とも称される)として使用され、ゴム100部あたりの部は、他の成分を量になる基準として使用される。
【0015】
接着剤層は、少なくとも以下のものを含む:
湿潤剤(湿潤剤は、接着剤層の0.40重量%~0.80重量%、好ましくは0.60重量%~0.70重量%の範囲の量で使用され、湿潤剤は、非イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のブレンド、およびそれらの混合物からなる群から選択される。非イオン性界面活性剤は、脂脂肪酸エトキシレート、ラウリン酸エトキシレート、オレイン酸エトキシレート、他の類似化合物、およびそれらの混合物からなる群から選択される。非イオン性界面活性剤のブレンドは、メチル(プロピルヒドロキシドエトキシル化)ビス(トリメチルシロキシ)シラン、他の類似の化合物、およびそれらの混合物からなる群から選択されるポリシロキサン界面活性剤である。湿潤剤は、好ましくは、脂肪酸エトキシレートである。湿潤剤は、接着剤層の濡れ性を改善する働きをする。)、
ラテックス凝固剤(ラテックス凝固剤は、接着剤層の17.00重量%~20.00重量%、好ましくは17.50重量%~19.50重量%の範囲の量で使用される。ラテックス凝固剤は、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、塩化カルシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは硝酸カルシウムである。ラテックス凝固剤は、ラテックス分散液を凝固する働きをする。)、
合成有機ポリマー(合成有機ポリマーは、接着剤層の10.00重量%~14.00重量%、好ましくは12.00重量%~13.00重量%の範囲の量で使用される。合成有機ポリマーは、スチレンアクリルコポリマーエマルジョン、ポリメチルメタクリレートエマルジョン、低密度ポリエチレンエマルジョン、高密度ポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレンエマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、およびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはスチレンアクリルコポリマーエマルジョンまたはポリメチルメタクリレートエマルジョン、さらに好ましくはスチレンアクリルコポリマーエマルジョンである。合成有機ポリマーは、外側手袋層を内側手袋層から効率的に剥がすためのブロック抵抗を増加させる働きをする)、及び
水(水は、接着剤層の65.20重量%~72.60重量%、好ましくは66.80重量%~69.90重量%の範囲の量で使用される。水は、希釈剤として働く。)。
【0016】
表1は、接着剤層を調製するのに使用した化学成分およびその組成物(前述のとおり)を示している。
【表1】
【0017】
外側手袋層および内側手袋層は、取り外しやすいように長さが異なる。簡単に言えば、外側手袋層がより長い場合、内側手袋層はより短くなり、その逆も同様である。より長い手袋層の標準長さは270mm~290mmであり、より短い手袋層の標準長さは230mm~250mmである。
【0018】
本発明の第2の実施形態は、(上述のように)着脱可能な二層手袋を調製する方法について議論する。着脱可能な二層手袋は、塩素化および/またはポリマーコーティングされた着脱可能な二層手袋であり得る。
【0019】
塩素化した着脱可能な二層手袋
添付の図面を参照すると、図1は、着脱可能な二層手袋を調製する方法を示すフローチャートであり、この方法は、
i.第1に、50℃~70℃の範囲の温度で、3秒~10秒、好ましくは5秒~7秒の範囲の持続時間で、酸性溶液で浸漬型を洗浄/洗滌し、第2に(任意選択的に)、50℃~70℃の範囲の温度で、3秒~10秒、好ましくは5秒~7秒の範囲の持続時間で水すすぎ、続いて、50℃~70℃の範囲の温度で、5秒~15秒、好ましくは10秒~12秒の範囲の継続時間で、アルカリ溶液で洗浄/洗滌し、最後に、55℃~75℃の範囲の温度で、5秒~15秒、好ましくは10秒~12秒の範囲の継続時間ですすいで、洗浄した浸漬型を生成する工程(100)と、
ii.工程(i)で得られた浸漬型を凝固剤溶液に浸漬して、浸漬型上にコーティングされた凝固剤層を生成する工程であって、浸漬は、50℃~70℃、好ましくは60℃~65℃の範囲の温度で、8秒~12秒、好ましくは9秒~10秒の範囲の持続時間で実施され、かつ凝固剤溶液は、任意の従来の凝固剤溶液である、生成する工程(101)と、
iii.工程(ii)で得られた浸漬型上にコーティングされた凝固剤層を乾燥させて、浸漬型上にコーティングされた乾燥凝固剤層を生成する工程であって、乾燥は、100℃~180℃、好ましくは130℃~150℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(102)と、
iv.工程(iii)で得られた浸漬型上にコーティングされた乾燥した凝固剤層を第1のラテックス配合物に浸漬して、浸漬型上にコーティングされた第1のラテックス層(着脱可能な二層手袋の外側手袋層である)を生成する工程であって、浸漬は、50℃~70℃、好ましくは60℃~65℃の範囲の温度で、8秒~12秒、好ましくは9秒~10秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(103)と、
v.工程(iv)で得られた浸漬型上にコーティングされた第1のラテックス層を乾燥させて、浸漬型上にコーティングされた乾燥した第1のラテックスフィルムを生成する工程であって、乾燥は、100℃~150℃、好ましくは120℃~140℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(104)と、
vi.工程(v)で得られた浸漬型上にコーティングされた乾燥した第1のラテックスフィルムをビーディングして、浸漬型上にコーティングされたビーズ状のラテックスフィルムを生成する工程であって、ビーディングは、生産線で見出される任意の従来のビーズ状カーペットまたはビーズ状ブラシを使用して実行される、生成する工程(105)と、
vii.工程(vi)で得られた浸漬型上にコーティングされたビーズ状のラテックスフィルムを硬化させて、浸漬型上にコーティングされた硬化したラテックスフィルムを生成する工程であって、硬化は、100℃~150℃、好ましくは120℃~140℃の範囲の温度で、8分~20分、好ましくは10分~15分の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(106)と、
viii.工程(vii)で得られた浸漬型上にコーティングされた硬化ラテックスフィルムを接着剤溶液に浸漬して、第1のラテックスフィルム上にコーティングされた接着剤層を生成する工程であって、浸漬は、50℃~70℃、好ましくは60℃~65℃の範囲の温度で、8秒~12秒、好ましくは9秒~10秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(107)と、
ix.工程(viii)で得られた第1のラテックスフィルム上にコーティングされた接着剤層を乾燥させて、第1のラテックスフィルム上にコーティングされた乾燥した接着剤層を生成する工程であって、乾燥は、100℃~180℃、好ましくは130℃~150℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(108)と、
x.工程(ix)で得られた第1のラテックスフィルム上にコーティングされた乾燥した接着剤層を第2のラテックス配合物に浸漬して、接着剤層上にコーティングされた第2のラテックス層(着脱可能な二層手袋の内側手袋層である)を生成する工程であって、浸漬は、50℃~70℃、好ましくは60℃~65℃の範囲の温度で、8秒~12秒、好ましくは9秒~10秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(109)と、
xi.工程(x)で得られた接着剤層上にコーティングされた第2のラテックス層を乾燥させて、接着剤層上にコーティングされた乾燥した第2のラテックスフィルムを生成する工程であって、乾燥は、100℃~150℃、好ましくは120℃~140℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(110)と、
xii.工程(xi)で得られた接着剤層上にコーティングされた乾燥した第2のラテックスフィルムを事前浸出して、浸漬型上にコーティングされた事前浸出した着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程であって、事前浸出は、50℃~70℃、好ましくは55℃~60℃の範囲の温度で、15秒~40秒、好ましくは20秒~30秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(111)と、
xiii.工程(xii)で得られた浸漬型上にコーティングされた事前浸出した着脱可能な二層ラテックスフィルムをビーディングして(ビーディングは、生産線で見出される任意の従来のビーズ状カーペットまたはビーズ状ブラシを使用して実行される)、表面上にビーズ状の着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程(112)と、
xiv.工程(xiv)で得られた浸漬型上にコーティングされたビーズ状の着脱可能な二層ラテックスフィルムを硬化して、浸漬型上にコーティングされた硬化した着脱可能な二層手袋を生成する工程であって、硬化は、110℃~150℃、好ましくは120℃~140℃の範囲の温度で、8分~20分、好ましくは10分~15分の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(113)と、
xv.工程(xiv)で得られた浸漬型上にコーティングされた硬化した着脱可能な二層手袋を冷却して、浸漬型上にコーティングされた冷却した着脱可能な二層手袋を生成する工程であって、冷却を実施して、温度を23℃~23℃、好ましくは25℃~27℃の範囲の温度に、8秒~20秒、好ましくは10秒~15秒の範囲の持続時間で下げる、生成する工程(114)と、
xvi.工程(xv)で得られた浸漬型上にコーティングされた冷却した着脱可能な二層手袋を塩素化して、浸漬型上にコーティングされた塩素処理した着脱可能な二層手袋を生成する工程であって、塩素化は、23℃~30℃、好ましくは25℃~27℃の範囲の温度で、8秒~20秒、好ましくは10秒~15秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(115)と、
xvii.工程(xvi)で得られた浸漬型上にコーティングされた塩素処理した着脱可能な二層手袋を後浸出して、浸漬型上にコーティングされた後浸出した着脱可能な二層手袋を生成する工程であって、後浸出は、50℃~70℃、好ましくは55℃~60℃の範囲の温度で、15秒~40秒、好ましくは20秒~30秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(116)と、
xviii.工程(xvii)で得られた浸漬型上にコーティングされた、後浸出した着脱可能な二層手袋を乾燥させて、塩素化した着脱可能な着脱二層手袋を生成する工程であって、乾燥は、100℃~180℃、好ましくは130℃~150℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(117)と、
xix.塩素化した着脱可能な二層手袋を浸漬型から剥がす工程(118)と、を含み、
第1および第2のラテックス配合物およびその結果として得られる手袋は、同一の配合物のものであり、その詳細は以下に記載され、第1および第2の手袋は異なる長さであり、より長い手袋は、270mm~290mmの範囲の標準長さを有し、より短い手袋は、230mm~250mmの範囲の標準長さを有する。
【0020】
ポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋
添付図面を参照すると、図2は、ポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋を調製する方法を示すフローチャートであり、この方法は、
i.第1に、50℃~70℃の範囲の温度で、3秒~10秒、好ましくは5秒~7秒の範囲の持続時間で、酸性溶液で浸漬型を洗浄/洗滌し、第2に(任意選択的に)、50℃~70℃の範囲の温度で、3秒~10秒、好ましくは5秒~7秒の範囲の持続時間で水すすぎ、続いて、50℃~70℃の範囲の温度で、5秒~15秒、好ましくは10秒~12秒の範囲の継続時間で、アルカリ溶液で洗浄/洗滌し、最後に、55℃~75℃の範囲の温度で、5秒~15秒、好ましくは10秒~12秒の範囲の継続時間ですすいで、洗浄した浸漬型を生成する工程(200)と、
ii.工程(i)で得られた洗浄した浸漬型を凝固剤溶液に浸漬して、浸漬型上にコーティングされた凝固剤層を生成する工程であって、浸漬は、50℃~70℃、好ましくは60℃~65℃の範囲の温度で、8秒~12秒、好ましくは9秒~10秒の範囲の持続時間で実施され、かつ凝固剤溶液は、任意の従来の凝固剤溶液である、生成する工程(201)と、
iii.工程(ii)で得られた浸漬型上にコーティングされた凝固剤層を乾燥させて、浸漬型上にコーティングされた乾燥凝固剤層を生成する工程であって、乾燥は、100℃~180℃、好ましくは130℃~150℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(202)と、
iv.工程(iii)で得られた浸漬型上にコーティングされた乾燥した凝固剤層を第1のラテックス配合物に浸漬して、浸漬型上にコーティングされた第1のラテックス層(着脱可能な二層手袋の外側手袋層である)を生成する工程であって、浸漬は、50℃~70℃、好ましくは60℃~65℃の範囲の温度で、8秒~12秒、好ましくは9秒~10秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(203)と、
v.工程(iv)で得られた浸漬型上にコーティングされた第1のラテックス層を乾燥させて、浸漬型上にコーティングされた乾燥した第1のラテックスフィルムを生成する工程であって、乾燥は、100℃~150℃、好ましくは120℃~140℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(204)と、
vi.工程(v)で得られた浸漬型上にコーティングされた乾燥した第1のラテックスフィルムをビーディングして、浸漬型上にコーティングされたビーズ状のラテックスフィルムを生成する工程であって、ビーディングは、生産線で見出される任意の従来のビーズ状カーペットまたはビーズ状ブラシを使用して実行される、生成する工程(205)と、
vii.工程(vi)で得られた浸漬型上にコーティングされたビーズ状のラテックスフィルムを硬化させて、浸漬型上にコーティングされた硬化したラテックスフィルムを生成する工程であって、硬化は、100℃~150℃、好ましくは120℃~140℃の範囲の温度で、8分~20分、好ましくは10分~15分の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(206)と、
viii.工程(vii)で得られた浸漬型上にコーティングされた硬化ラテックスフィルムを接着剤溶液に浸漬して、第1のラテックスフィルム上にコーティングされた接着剤層を生成する工程であって、浸漬は、50℃~70℃、好ましくは60℃~65℃の範囲の温度で、8秒~12秒、好ましくは9秒~10秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(207)と、
ix.工程(viii)で得られた第1のラテックスフィルム上にコーティングされた接着剤層を乾燥させて、第1のラテックスフィルム上にコーティングされた乾燥した接着剤層を生成する工程であって、乾燥は、100℃~180℃、好ましくは130℃~150℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(208)と、
x.工程(ix)で得られた第1のラテックスフィルム上にコーティングされた乾燥した接着剤層を第2のラテックス配合物に浸漬して、接着剤層上にコーティングされた第2のラテックス層(着脱可能な二層手袋の内側手袋層である)を生成する工程であって、浸漬は、50℃~70℃、好ましくは60℃~65℃の範囲の温度で、8秒~12秒、好ましくは9秒~10秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(209)と、
xi.工程(x)で得られた接着剤層上にコーティングされた第2のラテックス層を乾燥させて、接着剤層上にコーティングされた乾燥した第2のラテックスフィルムを生成する工程であって、乾燥は、100℃~150℃、好ましくは120℃~140℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(210)と、
xii.工程(xi)で得られた接着剤層上にコーティングされた乾燥した第2のラテックスフィルムを事前浸出して、浸漬型上にコーティングされた事前浸出した着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程であって、事前浸出は、50℃~70℃、好ましくは55℃~60℃の範囲の温度で、15秒~40秒、好ましくは20秒~30秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(211)と、
xiii.工程(xii)で得られた事前浸出した二層ラテックスフィルムをポリマー溶液に浸漬して、ポリマーコーティングした着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程であって、浸漬は、25℃~45℃、好ましくは35℃~40℃の範囲の温度で、8秒~15秒、好ましくは10秒~12秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(212)と、
xiv.工程(xiii)で得られた浸漬型上にコーティングされたポリマーコーティングした着脱可能な二層ラテックスフィルムをビーディングして(ビーディングは、生産線で見出される任意の従来のビーズ状カーペットまたはビーズ状ブラシを使用して実行される)、表面上にビーズ状の着脱可能な二層ラテックスフィルムを生成する工程(213)と、
xv.工程(xiv)で得られた浸漬型上にコーティングされたビーズ状の着脱可能な二層ラテックスフィルムを硬化して、浸漬型上にコーティングされた硬化した着脱可能な二層手袋を生成する工程であって、硬化は、110℃~150℃、好ましくは120℃~140℃の範囲の温度で、8分~20分、好ましくは10分~15分の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(214)と、
xvi.工程(xv)で得られた浸漬型上にコーティングされた硬化した着脱可能な二層手袋を後浸出して、浸漬型上にコーティングされた後浸出した着脱可能な二層手袋を生成する工程であって、後浸出は、50℃~70℃、好ましくは55℃~60℃の範囲の温度で、15秒~40秒、好ましくは20秒~30秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(215)と、
xvii.工程(xvi)で得られた浸漬型上にコーティングされた、後浸出した着脱可能な二層手袋を乾燥させて、ポリマーコーティングした着脱可能な着脱二層手袋を生成する工程であって、乾燥は、100℃~180℃、好ましくは130℃~150℃の範囲の温度で、50秒~180秒、好ましくは60秒~120秒の範囲の持続時間で実施される、生成する工程(216)と、
xviii.ポリマーコーティングした着脱可能な二層手袋を浸漬型から剥がす工程(217)と、を含み、
第1および第2のラテックス配合物およびその結果として得られる手袋は、同一の配合物のものであり、その詳細は以下に記載され、第1および第2の手袋は異なる長さであり、より長い手袋は、270mm~290mmの範囲の標準長さを有し、より短い手袋は、230mm~250mmの範囲の標準長さを有する。
【0021】
凝固剤層は、次のものを含む。
湿潤剤(脂肪酸エトキシレートなどであるが、これに限定されない)、
浸漬型離型剤(ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどであるが、これらに限定されない)。
ラテックス凝固剤(硝酸カルシウムなどであるが、これに限定されない)、
pH調整剤(アンモニアなどであるが、これに限定されない)、および
希釈剤(水などであるが、これに限定されない)。
【0022】
表3、5、7は、化学成分(上記のような)およびそれらの組成物(調製されるラテックス配合物に応じた凝固剤層を調製するのに使用される)を示す。
【0023】
第1および第2のラテックス配合物は、次のものを含む。
ラテックス(アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ポリクロロプレン(CR)であるが、これらに限定されない)、
分散剤(例えば、N-オクタデシルスルホスクシン酸二ナトリウム、ナフタレンスルホン酸の塩、およびけいフッ化ナトリウムの水性分散液などであるが、これらに限定されない)、
安定剤(ラウリル硫酸ナトリウム、および硫酸化オレイン酸メチルの一ナトリウム塩などであるが、これらに限定されない)、
pH調整剤(アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどであるが、これらに限定されない)、
促進剤(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛およびジエチルジチオカルバミン酸亜鉛などであるが、これらに限定されない)、
架橋剤(硫黄(一次)および/または酸化亜鉛(二次)などであるが、これらに限定されない)、
顔料(二酸化チタンなどであるが、これに限定されない)、
充填剤、強化剤(シリケート系充填剤または炭酸カルシウムなどであるが、これらに限定されない)、
酸化防止剤(ポリマーフェノールなどであるが、これに限定されない)、
離型剤(パラフィンワックスエマルジョンのブレンドなどであるが、これに限定されない)、
消泡剤(メチルシクロテトラシロキサンおよび/またはジメチルシロキサンなどであるが、これらに限定されない)、ならびに
湿潤剤(例えば、t-オクチルフェノキシポリエトキシエタノールおよび/またはポリエチレングリコールソルビタンモノステアレートなどであるが、これらに限定されない)。
【0024】
表2、4~6は、第1および第2のラテックス配合物を調製する際に使用される化学成分(上に列挙したもの)およびそれらの組成物を示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0025】
本発明の第3の実施形態は、着脱可能な二層手袋の外側手袋層を着脱可能な二層手袋の内側手袋層から剥離する方法について議論する。添付図面を参照すると、図3a~3dおよび図4a~4dは、着脱可能な二層手袋の内側手袋層から着脱可能な二層手袋の外側手袋層を剥がす方法を示す例示図であり、この方法は、
i.外側手袋層の袖口部分を、その全周が内側手袋層から外れるまで引っ張る工程と、
ii.一旦外側手袋層の全周が内側手袋層から外れたら、外側手袋層を剥がして、さらなる使用のために内側手袋層を得る工程と、を含む。
【0026】
以下の実施例は、本発明を非限定的な意味で例示するために構成されたものである。
【0027】
本発明の着脱可能な二層手袋は、接着剤層によって分離された外側手袋層および内側手袋層から構成されており、手袋は、手袋製造業界で一般的に知られている方法を採用する表2、4、および6に記載のラテックス配合物を使用して調製され、接着剤層は、表1に記載されているとおりであり、外側および内側手袋は異なる長さであり、より長い手袋は、270mm~290mmの範囲の標準長さを有し、より短い手袋は、230mm~250mmの範囲の標準長さを有する。
【0028】
全手袋の試験結果
表8は、本発明の着脱可能な二層手袋の剥離効率についての20名の回答者からの調査結果を示す。
【表8】
【0029】
使用者の経験に基づいて、使用者が、NR着脱可能な二層手袋と比較して、NBRおよびCRの両方で剥離効率が非常に良好であることを見出していることは明らかである。
【0030】
表9および10は、内層と外層の長さが異なり、かつ異なる接着剤層が本発明の着脱可能な二層手袋の間に適用された場合、本発明の着脱可能な二層手袋の剥離効率についての20名の回答者から得られた調査結果を示す。剥離効率を1~3で評価し、1は剥離が易しいことを示し、2は剥離が普通であることを示し、3は剥離が難しいことを示す。
【表9】
【表10】
【0031】
使用者の経験に基づいて、使用者が、本発明の接着剤層が着脱可能な二層手袋の間に適用された全ての着脱可能な二層手袋について、剥離効率が良好であることを見出していることは明らかである。
【0032】
全体として、本発明の着脱可能な二層手袋は、本発明の手袋が、汚染のリスクがなく、また二度脱ぎ捨てや着用の手間がかからず、便利なことに同じ手袋を二度使用する使用者の要求に応えることができるので、従来の欠点を克服することができる。
【0033】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態例を説明することのみを目的としており、限定的なもの意図するものではない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も含むことを意図し得る。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって、記載された機能、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、それらの1つ以上の他の機能、整数、工程、動作、要素、構成要素、および/もしくは群の存在または追加を排除するものではない。
【0034】
本明細書に記載されている方法工程、プロセス、および動作は、実行順序として具体的に特定されていない限り、議論または図示した特定の順序で実行する必要があるとは必ずしも解釈されない。追加のまたは代替の工程が使用され得ることも理解されたい。「少なくとも」または「少なくとも1つ」という表現の使用は、1つ以上の要素の使用を示唆している。これは、1つ以上の所望の目的または結果を達成するために、1つ以上の実施形態で使用され得るからである。
図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図4d
【外国語明細書】