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特開2022-19603電子注入器における情報管理のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019603
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】電子注入器における情報管理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/24 20060101AFI20220120BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A61M5/24 500
A61M5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021113222
(22)【出願日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】63/052,562
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】オジ・ベン-アリ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE14
4C066HH11
4C066LL21
4C066QQ48
4C066QQ54
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ92
(57)【要約】
【課題】改善された電子注入器を提供すること。
【解決手段】本発明は、薬剤カートリッジを受容するように構成されるハウジングと、薬剤を注入するための、前記薬剤カートリッジ内のピストンを駆動するためのコンピュータ制御モータを含む注入駆動機構と、前記薬剤カートリッジに取着可能なデータタグと、前記ハウジング内に配設され、前記ハウジングの中への前記薬剤カートリッジの実装時にデータタグに連結可能である電磁検出器であって、前記電磁検出器がデータを前記データタグから読取り又はそれに書込みするのを可能にする、電磁検出器と、を含むコンピュータ制御注入器に関する。電磁検出器は、前記コンピュータ制御注入器内の前記薬剤カートリッジの回転配向に無関係に、データを読取り又は書込みするように構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ制御注入器であって、
長手軸線に沿って配置され、薬剤カートリッジを受容するように構成されるハウジングと、
薬剤を注入するための、前記薬剤カートリッジの一部を形成するピストンを駆動するためのコンピュータ制御モータを含む注入駆動機構と、
前記薬剤カートリッジに取着可能なデータタグと、
前記ハウジング内に配設され、前記ハウジングの中への前記薬剤カートリッジの実装時に前記データタグに連結可能である電磁検出器であって、前記電磁検出器がデータを前記データタグから読取り又はそれに書込みするのを可能にする、電磁検出器と、を含み、
前記電磁検出器は、前記コンピュータ制御注入器内の前記薬剤カートリッジの回転配向に無関係に、前記データタグに対してデータを読取り又は書込みするように構成される、コンピュータ制御注入器。
【請求項2】
薬剤送達システムであって、
長手軸線に沿って配置され、ハウジングとその中に収容される電磁検出器とを有するコンピュータ制御注入器と、
それに形成されたデータタグを有する薬剤カートリッジと、を含み、
前記電磁検出器は、前記データタグが前記電磁検出器に近接して配設されるように、前記コンピュータ制御注入器の中への前記薬剤カートリッジの実装時に前記データタグと通信するために動作し、
前記電磁検出器は、前記コンピュータ制御注入器内の前記薬剤カートリッジの回転配向に無関係に、前記データタグに対してデータを読取り又は書込みするように構成される、薬剤送達システム。
【請求項3】
その中に収容される薬剤とそれに取着されるデータタグとを有する薬剤カートリッジと共に使用するためのコンピュータ制御注入器であって、前記コンピュータ制御注入器は、
薬剤を注入するための、前記薬剤カートリッジの一部を形成するピストンを駆動するためのコンピュータ制御モータを含む注入駆動機構と、
前記電磁検出器を支持するように構成される薬剤カートリッジ実装部分と、を含み、
前記電磁検出器は、前記薬剤カートリッジが前記薬剤カートリッジ実装部分に実装されるときに、前記データタグに対してデータを読取り又は書込みするように構成され、
前記電磁検出器は、前記コンピュータ制御注入器内の前記薬剤カートリッジの回転配向に無関係に、前記データタグに対してデータを読取り又は書込みするように構成される、コンピュータ制御注入器。
【請求項4】
前記電磁検出器は、単一のアンテナを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータ制御注入器。
【請求項5】
前記電磁検出器は、環状のアンテナを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータ制御注入器。
【請求項6】
前記ハウジングは、それの前方端部に開口を含み、
前記薬剤カートリッジは、前記開口を通した前記ハウジングの中への軸方向挿入のために適合される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ制御注入器。
【請求項7】
旋回する開動可能及び閉動可能な実装部分は、前記ハウジングに設けられ、前記薬剤カートリッジを受容するために適合される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ制御注入器。
【請求項8】
前記ハウジングは、それの前方端部に開口を含み、
前記薬剤カートリッジは、前記開口を通した前記ハウジングの中への回転挿入のために適合される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ制御注入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
参照は、ここで、2013年9月3日に出願されて米国特許出願公開第2015/0202367号として刊行された「ELECTRONIC AUTO-INJECTION DEVICE」と題する米国特許出願第14/423,834号に対してなされ、その開示内容は、参照によってそれ全体が組み込まれる。
【0002】
参照は、ここで、2016年6月6日に出願されて「Electronic auto-injection device for drugs in cartridges」と題する米国仮特許出願第62/345,897号に対して追加的になされ、その開示内容は、参照によってそれ全体が組み込まれる。
【0003】
参照は、ここで、2017年6月1日に出願されてWO2017212473として刊行された「Multiple use computerized injector」と題するPCT特許出願PCT/IL2017/050607に対してなされ、その開示内容は、参照によってそれ全体が組み込まれる。
【0004】
参照は、ここで、2020年2月18日に出願されて「Multiple use computerized injector」と題する米国仮特許出願第62/977,746号に対して追加的になされ、その開示内容は、参照によってそれ全体が組み込まれる。
【0005】
本発明は、一般に電子注入器に関し、より詳細には、患者への薬剤の投与のために適合された電子注入器における情報管理のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0006】
患者への薬剤の投与のために適合された多くの電子注入器が、知られている。多用途型の電子注入器における情報管理のための様々なシステム及び方法も知られている。
患者に放出されるべき薬剤を収容する薬剤カートリッジは、それに取着されたデータタグを有することがある。多用途型の電子注入器の中に挿入される薬剤カートリッジを識別することは有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、改善された電子注入器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯くして本発明の実施形態に従って提供されるのは、コンピュータ制御注入器であり、長手軸線に沿って配置され、薬剤カートリッジを受容するように構成されるハウジングと、薬剤を注入するための、薬剤カートリッジの一部を形成するピストンを駆動するためのコンピュータ制御モータを含む注入駆動機構と、薬剤カートリッジに取着可能なデータタグと、ハウジング内に配設され、ハウジングへの薬剤カートリッジの実装時にデータタグに連結可能である電磁検出器であって、電磁検出器がデータをデータタグから読取り又はそれに書込みするのを可能にする、電磁検出器と、を含み、電磁検出器は、コンピュータ制御注入器内の薬剤カートリッジの回転配向に無関係に、データタグに対してデータを読取り又は書込みするように構成される。
【0009】
更に、本発明の実施形態に従って、薬剤送達システムは、長手軸線に沿って配置され、ハウジングとその中に収容される電磁検出器とを有するコンピュータ制御注入器と、それに形成されたデータタグを有する薬剤カートリッジと、を含み、電磁検出器は、データタグが電磁検出器に近接して配設されるように、コンピュータ制御注入器への薬剤カートリッジの実装時にデータタグと通信するために動作し、電磁検出器は、コンピュータ制御注入器内の薬剤カートリッジの回転配向に無関係に、データタグに対してデータを読取り又は書込みするように構成される。
【0010】
更にまた、本発明の実施形態に従って、その中に収容される薬剤とそれに取着されるデータタグとを有する薬剤カートリッジと共に使用するためのコンピュータ制御注入器であって、コンピュータ制御注入器は、薬剤を注入するための、薬剤カートリッジの一部を形成するピストンを駆動するためのコンピュータ制御モータを含む注入駆動機構と、電磁検出器を支持するように構成される薬剤カートリッジ実装部分と、を含み、電磁検出器は、薬剤カートリッジが薬剤カートリッジ実装部分に実装されるときに、データタグに対してデータを読取り又は書込みするように構成され、電磁検出器は、コンピュータ制御注入器内の薬剤カートリッジの回転配向に無関係に、データタグに対してデータを読取り又は書込みするように構成される。
【0011】
電磁検出器は、単一のアンテナを含むことが好ましい。電磁検出器は、環状のアンテナを含むことが更に好ましい。
ハウジングは、それの前方端部に開口を含むこと、及び、薬剤カートリッジは、開口を通したハウジングの中への軸方向挿入のために適合されることが好ましい。代替的に、旋回する開動可能及び閉動可能な実装部分は、ハウジングに設けられ、薬剤カートリッジを受容するために適合される。更に代替的に、ハウジングは、それの前方端部に開口を含み、薬剤カートリッジは、開口を通したハウジングの中への回転挿入のために適合される。
【0012】
本発明は、図面と併せて解釈される次の詳細な説明からより完全に理解され認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の実施形態に従って構築されて動作する多用途型の電子注入器(MUCI)と併せて使用されるべき薬剤カートリッジの様々な簡略化された図解的な例証図である。
図1B】本発明の実施形態に従って構築されて動作する多用途型の電子注入器(MUCI)と併せて使用されるべき薬剤カートリッジの様々な簡略化された図解的な例証図である。
図1C】本発明の実施形態に従って構築されて動作する多用途型の電子注入器(MUCI)と併せて使用されるべき薬剤カートリッジの様々な簡略化された図解的な例証図である。
図1D】本発明の実施形態に従って構築されて動作する多用途型の電子注入器(MUCI)と併せて使用されるべき薬剤カートリッジの様々な簡略化された図解的な例証図である。
図1E】本発明の実施形態に従って構築されて動作する多用途型の電子注入器(MUCI)と併せて使用されるべき薬剤カートリッジの様々な簡略化された図解的な例証図である。
図1F】本発明の実施形態に従って構築されて動作する多用途型の電子注入器(MUCI)と併せて使用されるべき薬剤カートリッジの様々な簡略化された図解的な例証図である。
図1G】本発明の実施形態に従って構築されて動作する多用途型の電子注入器(MUCI)と併せて使用されるべき薬剤カートリッジの様々な簡略化された図解的な例証図である。
図2A】MUCIの中への旋回可能実装前の薬剤カートリッジを示す、簡略化された平面的な前面の例証図である。
図2B】MUCIの中への旋回可能実装前の薬剤カートリッジを示す、簡略化された異なった断面の例証であって、図2Aの直交線B-Bに沿って取った断面図である。
図2C】MUCIの中への旋回可能実装前の薬剤カートリッジを示す、簡略化された異なった断面の例証であって、図2Aの直交線C-Cに沿って取った断面図である。
図2D】MUCIの中への旋回可能実装前の薬剤カートリッジを示す、簡略化された図解的な切抜きの例証図である。
図3A】MUCIの中に旋回可能に実装された薬剤カートリッジを示す、簡略化された平面的な前面の例証図である。
図3B】MUCIの中に旋回可能に実装された薬剤カートリッジを示す、簡略化された異なった断面の例証であって、図3Aの直交線B-Bに沿って取った断面図である。
図3C】MUCIの中に旋回可能に実装された薬剤カートリッジを示す、簡略化された異なった断面の例証であって、図3Aの直交線C-Cに沿って取った断面図である。
図3D】MUCIの中に旋回可能に実装された薬剤カートリッジを示す、簡略化された図解的な切抜きの例証図である。
図4図4Aは、MUCIの中への軸方向実装前の薬剤カートリッジを示す、簡略化された平面的な側面の例証図である。 図4Bは、MUCIの中への軸方向実装前の薬剤カートリッジを示す、簡略化された断面の例証であって、図4Aの線B-Bに沿って取った断面図である。
図5A】MUCIの中に軸方向に実装された薬剤カートリッジを示す、簡略化された平面的な前面の例証図である。
図5B】MUCIの中に軸方向に実装された薬剤カートリッジを示す、簡略化された異なった断面の例証であって、図5Aの直交線B-Bに沿って取った断面図である。
図5C】MUCIの中に軸方向に実装された薬剤カートリッジを示す、簡略化された異なった断面の例証であって、図5Aの直交線C-Cに沿って取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
多用途型の電子注入器(MUCI)は、長手軸線に沿って配置され、薬剤カートリッジを受容するように構成されるハウジングと、薬剤を注入するための、薬剤カートリッジの一部を形成するピストンを駆動するためのコンピュータ制御モータを含む注入駆動機構と、薬剤カートリッジに取着可能なデータタグと、ハウジング内に配設され、ハウジングへの薬剤カートリッジの実装時にデータタグに連結可能である電磁検出器であって、電磁検出器がデータをデータタグから読取り又はそれに書込みするのを可能にする、電磁検出器と、を含む。
【0015】
参照は、ここで図1A図1Gに対してなされ、それらは、本発明の実施形態に従って構築されて動作する多用途型の電子注入器(MUCI)と併せて使用されるべき薬剤カートリッジの様々な簡略化された図解的な例証図である。
【0016】
薬剤カートリッジ100は、図1A図1Gに示される。薬剤カートリッジ100は、略筒状のバレル102を有し、弾力性中隔103を含む前方端部と略周方向の後方縁部104とを備える。筒状バレル102は、外側面106及び内側面108を規定する。薬剤110は、筒状バレル102の中に収容され、ピストン112によってその中にシールされる。筒状バレル102は、長手軸線114に沿って配置される。
【0017】
留意されるのは、任意のタイプの薬剤容器が本発明の実施形態の一部として採用できる、ということであり、例えば、液体の薬剤を収容する事前充填カートリッジ、粉末の調製薬物を収容する二重室カートリッジ、溶剤や任意の他の適切な薬剤カートリッジ100などである。
【0018】
データタグ120は、筒状バレル102の外側面106に取着され、薬剤カートリッジ100は、多用途型の電子注入器(MUCI)130に実装されるように適合される。そういったMUCI130の例は、図2A図3Dを参照して特に示されて説明される。MUCI130は、明確にする目的のために、図1A図10に示されていない。データタグ120は、2つの長い側壁122及び2つの垂直な短い側壁124を有する略矩形の基板と、それに埋め込まれたアンテナ126と、を好ましく含む。
【0019】
電磁検出器140は、図1A図1Gに見られるように、薬剤カートリッジ100に形成されたデータタグ120のアンテナ126と連通するように構成される。留意されるのは、電磁検出器140がMUCI130の一部を形成する、ということである。理解されるのは、電磁検出器140がデータタグ120のアンテナ126と無線で連通する、ということである。
【0020】
留意されるのは、データタグ120が、薬剤の名称、成分、粘度及び有効期限日など、様々なデータ分野を包含できる、ということである。更に留意されるのは、バレル102内でのピストンの行程、注入率、薬剤の残量等々など、様々なデータ分野が注入中にデータタグ120に記録できる、ということである。
【0021】
本発明の実施形態の特定の特徴は、電磁検出器140が単一の環状のアンテナである、ということである。承知されるのは、環状アンテナの電磁力線が線150などによって示されたドーナツ様の形状を有する、ということである。
【0022】
本発明の実施形態の更に特定の特徴は、環状アンテナの形式の電磁検出器140とデータタグ120のアンテナ126との間の電気通信が可能にされる、ということであり、それは薬剤カートリッジ100の回転配向に無関係であり、その起因は、実質上環状のアンテナによって形成される電磁力線の形状である。
【0023】
薬剤カートリッジ100は、MUCI130内に配設されることが好ましく、したがって、薬剤カートリッジ100の後方縁部104は、電磁検出器140に極めて接近して配設され、斯くして、電磁検出器140からの電磁磁束の最大量がデータタグ120に達するのを可能にする。
【0024】
データタグ120は、好ましく高周波IDタグであり、また、バレル102の外側面106に好ましく取着される。データタグ120のアンテナ126と電磁検出器140との間の最適の電気通信のために、データタグ120は、後方縁部104に隣接して好ましく配置される。代替的に、データタグ120は、バレル102の外側面106の任意の他の場所に取着できる。
【0025】
本発明のこの実施形態に見られるのは、図1A図1Gに見られるように、電磁検出器140が薬剤カートリッジ100の後方縁部104から僅かに後方に離隔される、ということである。本発明の別の実施形態に従って、電磁検出器140は、薬剤カートリッジ100の外側面106のまわりに配置されてそこから前方に離隔されることがあり、データタグ120は、次いでバレル102の外側面106に取着され、したがって、電磁検出器140の前方又は後方のいずれかに離隔されるが、それと重なることはなく、電磁力線150間の干渉を回避する。
【0026】
留意されるのは、データタグが、それ自体の電源を包含しない受動的であり得るか又はそれ自体の電源を包含する能動的であり得る、ということである。
データタグ120は、全体的に細長い要素である。図1A及び図1C図1Gに示された例では、データタグ120は、バレル102に取着され、長手軸線114に垂直に配置され、したがって、長い側壁122は、薬剤カートリッジ100の後方縁部104に実質上平行に配設される。図1Bに示された例では、データタグ120は、バレル102に取着され、長手軸線114に沿って配置され、したがって、長い側壁122は、薬剤カートリッジ100の後方縁部104に実質上垂直に配設される。
【0027】
本発明の実施形態の特定の特徴は、データタグ120が好ましく配設される、ということであり、したがって、長い側壁122は、図1C図1Gに明瞭に示されるように薬剤カートリッジ100の後方縁部104に実質上平行に配設される。この電磁検出器140に対するデータタグ120の配向は、薬剤カートリッジの後方縁部104に平行に配置されるべきアンテナ126の最大面を提供し、斯くして、アンテナ126の最大面は、電磁検出器140の電磁力線150に垂直に配設される。この事実は、電磁磁束に曝露されるアンテナ126の表面積を最大化することによって、データタグ120のアンテナ126に達する電磁磁束の最大化を可能にする。
【0028】
本発明の実施形態の特定の特徴は、データタグ120が電磁検出器140の面に略垂直である面に配設される、ということであり、斯くして、電磁検出器140の電磁力線150に対するデータタグ120の曝露を容易化し、それは薬剤カートリッジ100の回転配向に無関係である。
【0029】
留意されるのは、電磁検出器140が好ましく環状である、ということである。代替的に、任意の周方向又は殆ど周方向のアンテナ形状は採用できる。更に代替的に、電磁検出器140は、環状様の形状付けアンテナを形成する複数の半径方向離間セグメントで形成できる。電磁検出器140の異なった形状は、例えば、閉ループアンテナや開ループアンテナなど、MUCI130と関連付けされることがある。
【0030】
環状アンテナの形式の単一の電磁検出器140は、本発明の実施形態に従って好ましく採用される。代替的に、任意の数の電磁検出器140は採用できる。
電磁検出器140の直径は、バレル102の直径に好ましく等しいか又は僅かに大きい。代替的に、電磁検出器140の直径は、バレル102の直径よりも僅かに小さくできる。
【0031】
理解されるのは、電磁検出器140のサイズ及び形状が選ばれる、ということであり、したがって、データタグ120のアンテナ126と電磁検出器140との間の最適な電気通信は、可能にされる。
【0032】
参照は、ここで図2A図2Dに対してなされ、それらは、MUCI130の中への実装前の薬剤カートリッジ100を示す、簡略化されたそれぞれ平面的な前面、2つの異なった断面及び図解的な切抜きの例証図であり、断面図は、図2Aの直交線C-C及びD-Dに沿って取られている。参照は、追加的に図3A図3Dに対してなされ、それらは、MUCI130の中に実装された薬剤カートリッジ100を示す、簡略化されたそれぞれ平面的な前面、2つの異なった断面及び図解的な切抜きの例証図であり、断面図は、図3Aの直交線C-C及びD-Dに沿って取られている。
【0033】
留意されるのは、図2D及び図3Dが、明確にする目的のためにMUCI130の残余構成要素を省略しつつ、薬剤カートリッジ100を備えたカートリッジエンクロージャ組立体の一部だけを例証している、ということである。
【0034】
本発明の実施形態に従ったMUCI130の1つの例示的な構成は、薬剤容器100が図2A図3Dに示されるようにMUCI130に旋回可能に実装される、というようなものである。図2A図2Dは、動作配向を示しており、薬剤カートリッジ100は、まだMUCI130に実装されていない。図3A図3Dは、動作配向を示しており、薬剤カートリッジ100は、MUCI130に実装されている。代替的に、他のMUCI130は、薬剤カートリッジ100の軸方向実装又は回転実装を可能にし、本発明の範囲内にあると同じく考察される。
【0035】
さて、旋回可能に実装された薬剤カートリッジ100を具体的に参照すると、図2A図3Dに見られるのは、MUCI130が上部ハウジング部分204に固定結合された主ハウジング部分202を含み、双方が共通長手軸線205に沿って配置される、ということである。表示器206は、MUCI130内に好ましく配設される。上部ハウジング部分204は、表示器206に隣接して配設されてボタン規定要素212をその中に受容するように構成された開口210を好ましく有する(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図4A図4Eに詳細に示されて説明された)。
【0036】
開口216は、上部ハウジング要素104の後方端部に形成されて注入ボタン要素220をその中に受容するように構成される(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図5A図5Dに詳細に示されて説明された)。
【0037】
特に図2A図3Dに同じく見られるのは、カートリッジエンクロージャ組立体230(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図15A図15Gに詳細に示されて説明された)が上部ハウジング部分204に設けられて上部ハウジング部分204に対して旋回可能に実装されるように構成される、ということである。
【0038】
主PCB組立体(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図17A図17Dに詳細に示されて説明された)は、ハウジング部分202及び204によって形成されたエンクロージャに着座し、また、動力制御PCB組立体(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図18A図18Cに詳細に示されて説明された)及びバッテリ駆動式の電気モータと動作可能に結合されるように構成される。
【0039】
図2A図3Dに見られるのは、カートリッジエンクロージャ組立体230がハウジング部分202及び204間に存在している、ということである。カートリッジエンクロージャ組立体230は、カートリッジエンクロージャ組立体シャーシ270及び旋回実装要素280を好ましく含み、旋回実装要素280は、薬剤カートリッジ100をその中に受容するように適合され、また、カートリッジエンクロージャ組立体シャーシ270に対して略旋回可能に実装されて、ハウジング部分202及び204に対して開動作配向に付勢されるように構成される。旋回実装要素280は、それとの針組立体の係合のために適合された前方の概ね外ねじ端部284を含む。
【0040】
留意されるのは、ロックサブ組立体が、MUCI130の一部として設けられ、閉動作配向においてカートリッジエンクロージャ組立体230の旋回実装要素280を選択的に保持するように構成される、ということである。
【0041】
ピストン駆動サブ組立体320は、MUCI130の一部として同じく設けられる(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図19A図19Cに詳細に示されて説明された)。
【0042】
ピストンを有する薬剤カートリッジ100がMUCI130の中に挿入されると、MUCI130は、薬剤カートリッジ100を識別するように構成され、その起因は、電磁検出器140とデータタグ120のアンテナ126との間に確立される電気通信であり、その後に、ピストン駆動サブ組立体320は、薬剤カートリッジ100内でピストンを軸方向に変位させるように構成され、その目的は、薬剤110の少なくとも一部をそこから排出することである。
【0043】
ピストン駆動サブ組立体320は、電気モータ328を好ましく含み、それはねじ付きナットを介してプランジャロッド要素330に実装される。電気モータ328は、動力制御PCB組立体254に動作可能に結合されるように適合され、MUCI130のCPUからの適切な信号の受信に続いて、電気モータ328は、ハウジング部分202及び204に対するプランジャロッド要素330の軸方向変位を引き起こす。
【0044】
留意されるのは、MUCI130が、図2A図3Dに示された本発明の実施形態に従って、既に出願されたWO2017212473として刊行された「Multiple use computerized injector」と題する2017年6月1日出願のPCT特許出願PCT/IL2017/050607で説明されたように好ましく稼動する、ということである。
【0045】
本発明の実施形態の特定の特徴は、電磁検出器140がハウジング部分202及び204によって形成されるエンクロージャ内に配置される、ということである。見られるのは、電磁検出器140が長手軸線205に実質上垂直に延びる面に配設される、ということである。
【0046】
電磁検出器140は、カートリッジエンクロージャ組立体230のカートリッジエンクロージャ組立体シャーシ270に固定実装されることが好ましい。代替的に、電磁検出器140は、例えば、プランジャロッド330を囲んでいる又はそれの後方縁部104に隣接する薬剤カートリッジ100の後方端部を囲んでいるなど、ハウジング部分102及び104間に形成されるエンクロージャ内の別の場所に固定実装できる。更に代替的に、電磁検出器140は、旋回実装要素280の内側面に、斯くして薬剤カートリッジ100を囲むように、固定実装できる。
【0047】
図2A図2Dに見られるのは、薬剤カートリッジ100が旋回実装要素280の中に挿入されるが、旋回実装要素280が現在それの開動作配向に配設されている、ということである。見られるのは、この開動作配向では、薬剤カートリッジ100が任意の回転配向で旋回実装要素280の中に挿入でき、斯くして、薬剤カートリッジ100のバレル102に形成されるデータタグ120の配向が事前決定されない、ということである。
【0048】
電気通信は、この動作配向では電磁検出器140とデータタグ120のアンテナ126との間に依然確立されておらず、電磁検出器140は、MUCI130に固定結合され、それとの電気通信を惹起するためにその中への薬剤カートリッジ100の実装を引き延ばす。
【0049】
図3A図3Dを具体的に参照すると、見られるのは、薬剤カートリッジ100が旋回実装要素280の中に挿入され、旋回実装要素280が現在それの閉動作配向に配設される、ということであり、したがって、薬剤カートリッジ100の長手軸線114は、MUCI130の長手軸線205に略平行であり、また、カートリッジエンクロージャ組立体230は、ロックされる。この動作配向では、薬剤カートリッジ100の後方縁部104は、斯くして、入れ替わって、データタグ120は、電磁検出器140に極めて接近して配設され、また、電磁検出器140の面に略垂直に配設される。
【0050】
留意されるのは、本発明の実施形態に従って、データタグ120が電磁検出器140から前方に僅かに離隔される、ということである。代替的に、データタグ120は、電磁検出器140から後方に離隔できる。
【0051】
留意されるのは、MUCI130の中への薬剤カートリッジ100の実装時に、旋回実装要素280の閉動作配向をもたらして、電磁検出器140が、MUCI130の制御器によって好ましく作動され、また、データタグ120に電磁信号を送信することによってデータタグ120を励起させるために及び応答信号をそこから受信するために動作する、ということである。このプロセスは、薬剤カートリッジ100に取着されたデータタグ120に対するデータの読取り又は書込みを可能にする。
【0052】
本発明の実施形態に従って、電磁検出器140は、或る程度の周波数の電磁場を使用してデータを送信し、データタグ120は、結果的に給電され、受信データは、処理されて電磁検出器140に送信し戻される。
【0053】
承知されるのは、データタグ及びアンテナが2つの実質上平行面に配設されると、最強信号がそれらの間に伝達され、角度がデータタグの面とアンテナとの間に存在する場合、それらの間に伝達される信号の強度が減少する、ということである。この事実は、アンテナに対するデータタグの回転配向の重要性を通常もたらす。
【0054】
本発明の実施形態の特定の特徴は、データタグ120が電磁検出器140の面に対して略垂直に配設され、好ましく環状に形状付けされる、ということであり、斯くして、電磁検出器140の電磁力線150がデータタグ120に達するのを可能にし、それはデータタグ120の回転配向に無関係である。この効果が可能にされる起因は、環状アンテナとして形成される電磁検出器140によって形成される電磁力線150のドーナツ様の形状である。環状アンテナは、薬剤カートリッジ100の全周まわりに延びるアンテナ実効面積を提供し、斯くして、データタグ120のアンテナ126と電磁検出器140との間の最適な信号強度が達成され、それはMUCI130の中に薬剤カートリッジ100が実装される回転配向に無関係である。
【0055】
データタグ120は、薬剤カートリッジ100に配置されることが好ましく、したがって、データタグ120の長い側壁122は、バレル102の後方縁部104に平行に延び、斯くして、電磁検出器140の電磁磁束に曝露されるアンテナ126の実効面を増加させる。
【0056】
電気通信は、MUCI130の中への薬剤カートリッジ100の実装時に、データタグ120のアンテナ126と電磁検出器140との間に確立され、データタグ120に対するデータの読取り及び/又は書込みを可能にする。MUCI130のCPUは、データタグ120から受信するデータに基づいてピストン駆動サブ組立体320の動作を制御する。
【0057】
参照は、ここで図4A図4Bに対してなされ、それらは、MUCI130の中への軸方向実装前の薬剤カートリッジ100を示す、簡略化されたそれぞれ平面的な側面及び断面の例証図であり、断面図は、図4Aの線B-Bに沿って取られている。参照は、追加的に図5A図5Cに対してなされ、それらは、MUCI130の中に軸方向実装された薬剤カートリッジ100を示す、簡略化されたそれぞれ平面的な側面及び2つの異なった断面の例証図であり、断面図は、図5Aの直交線B-B及びC-Cに沿って取られている。
【0058】
本発明の別の実施形態に従ったMUCI130の別の例示的な構成は、薬剤容器100が図4A図4Bに示されるようにMUCI130に軸方向実装される、というようなものである。図4A図4Bは、動作配向を示しており、薬剤カートリッジ100は、まだMUCI130に実装されていない。図5A図5Cは、動作配向を示しており、薬剤カートリッジ100は、MUCI130に実装されている。代替的に、他のMUCI130は、薬剤カートリッジ100の旋回可能実装又は回転実装を可能にし、本発明の範囲内にあると同じく考察される。
【0059】
さて、軸方向実装された薬剤カートリッジ100を具体的に参照すると、図4A図5Cに見られるのは、MUCI130が上部ハウジング部分404に固定結合された主ハウジング部分402を含み、双方が共通長手軸線405に沿って配置される、ということである。表示器406は、MUCI130内に好ましく配設される。上部ハウジング部分404は、表示器206に隣接して配設されてボタン規定要素412をその中に受容するように構成された開口410を好ましく有する(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図4A図4Bに詳細に示されて説明された)。
【0060】
開口416は、上部ハウジング要素404の後方端部に形成されて注入ボタン要素420をその中に受容するように構成される(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図5A図5Dに詳細に示されて説明された)。
【0061】
特に図4A図5Cに同じく見られるのは、MUCI130が、主ハウジング部分402及び上部ハウジング部分404間に形成されるエンクロージャの中に、主ハウジング部分402の開口432を通して、薬剤をその中に備えるカートリッジを収容するカセット組立体430を軸方向に受容するように構成される、ということである。カセット430は、主及び上部ハウジング部分402及び404に対して長手軸線405に沿って選択的に摺動可能に軸方向に変位可能であるように構成される。
【0062】
主PCB組立体(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図17A図17Dに詳細に示されて説明された)は、ハウジング部分402及び404によって形成されたエンクロージャに着座し、また、動力制御PCB組立体(PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図18A図18Cに詳細に示されて説明された)及びバッテリ駆動式の電気モータと動作可能に結合されるように構成される。
【0063】
図4Bに見られるのは、カセット案内及びロック要素470が主ハウジング部分402及び上部ハウジング部分404間に囲まれるように適合される、ということである。
本発明の実施形態の特定の特徴は、主及び上部ハウジング部分402及び404によって形成されるエンクロージャの中へのカセット組立体430の軸方向挿入時に、案内及びロック要素470がロック要素480を用いてカセット組立体430を定位置に選択的にロックするように構成される、ということである。
【0064】
本発明の実施形態に従って、典型的に2つの略同一のロック要素480が存在し、それの個々は、カセット案内及びロック要素470に対して旋回可能であるように構成され、また、ばね482の付勢力の下でそれらのロック配向に付勢されるように構成される。
【0065】
ピストン駆動サブ組立体520は、MUCI130の一部として設けられる。留意されるのは、ピストン駆動サブ組立体520が、PCT特許出願PCT/IL2017/050607の図19A図19Cに詳細に示されて説明されたピストン駆動サブ組立体220と類似の様式で機能する、ということである。
【0066】
薬剤カートリッジ100を有するカセット組立体430がMUCI130の中に挿入されると、MUCI130は、薬剤カートリッジ100を識別するように構成され、その起因は、電磁検出器140と薬剤カートリッジ100のバレル102の外面に配設されるデータタグ120のアンテナ126との間に確立される電気通信であり、その後に、ピストン駆動サブ組立体520は、薬剤カートリッジ100内でピストンを軸方向に変位させるように構成され、その目的は、薬剤110の少なくとも一部をそこから排出することである。
【0067】
ピストン駆動サブ組立体520は、電気モータ528を好ましく含み、それはねじ付きナットを介してプランジャロッド要素530に実装される。電気モータ528は、動力制御PCB組立体454に動作可能に結合されるように適合され、MUCI130のCPUからの適切な信号の受信に続いて、電気モータ528は、ハウジング部分402及び404に対するプランジャロッド要素530の軸方向変位を引き起こす。
【0068】
ロック解除要素551は、プランジャロッド要素530の前方端部に実装されるように適合される。ロック解除要素551は、プランジャロッド要素530をロック要素480に動作可能に結合するように構成され、したがって、プランジャロッド要素530の後方変位は、2つのロック要素の外方旋回を引き起こし、その目的は、カセット組立体430をカセット案内及びロック要素470から解除することである。この動作可能結合が起こる起因は、ロック要素480がロック解除要素551と係合し、ロック解除要素がプランジャ要素530に結合されてそれと共に一緒に長手変位可能である、という事実である。
【0069】
留意されるのは、MUCI130のピストン駆動サブ組立体520が、本発明の実施形態に従って、既に出願されたWO2017212473として刊行された「Multiple use computerized injector」と題する2017年6月1日出願のPCT特許出願PCT/IL2017/050607で説明されたように好ましく稼動する、ということである。
【0070】
本発明の実施形態の特定の特徴は、電磁検出器140がハウジング部分402及び404によって形成されるエンクロージャ内に配置される、ということである。見られるのは、電磁検出器140が長手軸線405に実質上垂直に延びる面に配設される、ということである。
【0071】
電磁検出器140は、ハウジング部分402及び404の一方に固定実装されることが好ましい。代替的に、電磁検出器140は、例えば、プランジャロッド530を囲んでいる又はそれの後方縁部104に隣接する薬剤カートリッジ100の後方端部を囲んでいるなど、ハウジング部分402及び404間に形成されるエンクロージャ内の別の場所に固定実装できる。
【0072】
図4A及び図4Bに見られるのは、薬剤カートリッジ100がカセット組立体430の中に挿入されるが、旋回実装要素280がハウジング部分402及び404によって形成されるエンクロージャの中に依然挿入されていない、ということである。薬剤カートリッジ100の長手軸線114は、本発明の実施形態に従ってMUCI130の長手軸線205と整列する。
【0073】
本発明の実施形態の特定の特徴は、薬剤カートリッジ100が任意の回転配向でカセット組立体430の中に挿入でき、斯くして、薬剤カートリッジ100のバレル102に形成されるデータタグ120の配向が事前決定されない、ということである。
【0074】
電気通信は、この動作配向では電磁検出器140とデータタグ120のアンテナ126との間に依然確立されておらず、電磁検出器140は、MUCI130に固定結合され、それとの電気通信を始動するためにその中への薬剤カートリッジ100の実装を引き延ばす。
【0075】
図5A図5Cを具体的に参照すると、見られるのは、薬剤カートリッジ100がカセット組立体430の中に挿入され、カセット組立体430がハウジング部分402及び404間のエンクロージャの中に現在挿入されてそこにロックされる、ということである。この動作配向では、薬剤カートリッジ100の後方縁部104は、斯くして、入れ替わって、データタグ120は、電磁検出器140に極めて接近して配設され、また、電磁検出器140の面に略垂直に配設される。
【0076】
留意されるのは、本発明の実施形態に従って、データタグ120が電磁検出器140から前方に僅かに離隔される、ということである。代替的に、データタグ120は、電磁検出器140から後方に離隔できる。
【0077】
留意されるのは、MUCI130の中への薬剤カートリッジ100付きカセット組立体430の実装時に、カセット組立体430のロック動作配向をもたらして、電磁検出器140が、MUCI130の制御器によって好ましく作動され、また、データタグ120のアンテナ126に電磁信号を送信することによってデータタグ120を励起させるために及び応答信号をそこから受信するために動作する、ということである。このプロセスは、薬剤カートリッジ100に取着されたデータタグ120に対するデータの読取り又は書込みを可能にする。
【0078】
本発明の実施形態に従って、電磁検出器140は、或る程度の周波数の電磁場を使用してデータを送信し、データタグ120は、結果的に給電され、受信データは、処理されて電磁検出器140に送信し戻される。
【0079】
承知されるのは、データタグ及びアンテナが2つの実質上平行面に配設されると、最強信号がそれらの間に伝達され、角度がデータタグの面とアンテナとの間に存在する場合、それらの間に伝達される信号の強度が減少する、ということである。この事実は、アンテナに対するデータタグの回転配向の重要性を通常もたらす。
【0080】
本発明の実施形態の特定の特徴は、データタグ120が電磁検出器140の面に対して略垂直に配設され、好ましく環状に形状付けされる、ということであり、斯くして、電磁検出器140の電磁力線がデータタグ120に達するのを可能にし、それはデータタグ120の回転配向に無関係である。この効果が可能にされる起因は、環状アンテナとして形成される電磁検出器140によって形成される電磁力線のドーナツ様の形状である。環状アンテナは、薬剤カートリッジ100の全周まわりに延びるアンテナ実効面積を提供し、斯くして、データタグ120のアンテナ126と電磁検出器140との間の最適な信号強度が達成され、それはMUCI130の中に薬剤カートリッジ100が実装される回転配向に無関係である。
【0081】
データタグ120は、薬剤カートリッジ100に配置されることが好ましく、したがって、データタグ120の長い側壁122は、バレル102の後方縁部104に平行に延び、斯くして、電磁検出器140の電磁磁束に曝露されるアンテナ126の実効面を増加させる。
【0082】
電気通信は、MUCI130の中への薬剤カートリッジ100付き薬剤カートリッジ100の実装時に、データタグ120のアンテナ126と電磁検出器140との間に確立され、データタグ120に対するデータの読取り及び/又は書込みを可能にする。MUCI130のCPUは、データタグ120から受信するデータに基づいてピストン駆動サブ組立体520の動作を制御する。
【0083】
留意されるのは、MUCI130の中への代替の薬剤カートリッジ100挿入方法が、例えば、MUCI130のハウジングの前方端部に開口を設けること、及び、薬剤カートリッジ100をそれに通して回転可能に挿入することなど、本発明の範囲内にあると考察される、ということである。MUCI130の中への薬剤カートリッジ100挿入の他の方法は、本発明の範囲内にあると同じく考察される。
【0084】
当業者によって理解されるであろうことは、本発明が上で特に示されて説明されたものによって限定されない、ということである。むしろ本発明は、本明細書で説明された様々な特徴の組合せ及びサブ組合せの双方を含み、また、前述の説明を読めば当業者には思いつくであろう、先行技術にはない、改善及び変形を含む。
【符号の説明】
【0085】
100 薬剤カートリッジ
102 筒状バレル
103 弾力性中隔
104 後方縁部
106 外側面
108 内側面
110 薬剤
112 ピストン
114 長手軸線
120 データタグ
122 長い側壁
124 短い側壁
126 アンテナ
130 多用途型の電子注入器(MUCI)
140 電磁検出器
150 電磁力線
202 主ハウジング部分
204 上部ハウジング部分
205 長手軸線
206 表示器
210 開口
212 ボタン規定要素
216 開口
220 注入ボタン要素
230 カートリッジエンクロージャ組立体
254 動力制御PCB組立体
270 カートリッジエンクロージャ組立体シャーシ
280 旋回実装要素
284 外ねじ端部
320 ピストン駆動サブ組立体
328 電気モータ
330 プランジャロッド要素
402 主ハウジング部分
404 上部ハウジング部分
405 長手軸線
406 表示器
410 開口
412 ボタン規定要素
416 開口
420 注入ボタン要素
430 カセット組立体
432 開口
454 動力制御PCB組立体
470 カセット案内及びロック要素
480 ロック要素
482 ばね
520 ピストン駆動サブ組立体
528 電気モータ
530 プランジャロッド要素
551 ロック解除要素
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
【外国語明細書】