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特開2022-19628ワークステーション、エアジェット織機、ならびにワークステーションの保守及び/又は調整方法
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  • 特開-ワークステーション、エアジェット織機、ならびにワークステーションの保守及び/又は調整方法 図1
  • 特開-ワークステーション、エアジェット織機、ならびにワークステーションの保守及び/又は調整方法 図2
  • 特開-ワークステーション、エアジェット織機、ならびにワークステーションの保守及び/又は調整方法 図3
  • 特開-ワークステーション、エアジェット織機、ならびにワークステーションの保守及び/又は調整方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019628
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ワークステーション、エアジェット織機、ならびにワークステーションの保守及び/又は調整方法
(51)【国際特許分類】
   D01H 1/115 20060101AFI20220120BHJP
   D01H 1/16 20060101ALI20220120BHJP
   D01H 13/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
D01H1/115 Z
D01H1/16
D01H13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021115667
(22)【出願日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】20186158.0
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】512013754
【氏名又は名称】マスチネンファブリック ライター アーゲー
【氏名又は名称原語表記】MASCHINENFABRIK RIETER AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstr. 20, 8406 Winterthur Swizerland
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ルボミール モラック
(72)【発明者】
【氏名】ジリ スタンクル
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA19
4L056BA03
4L056BC01
4L056BD12
4L056EA34
4L056ED01
4L056FB01
4L056FB18
4L056FB20
4L056FC01
4L056FC06
(57)【要約】
【課題】動作位置にあるワークステーション(1)の機枠(4)に配置された巻取ユニット(10)及び紡績ユニット(2)を含む、エアジェット織機のワークステーション(1)を提供すること。
【解決手段】紡績ユニット(2)は、少なくとも1つのドラフトユニット(6)と1つのエアジェット紡績ノズル(7)とが配置された支持枠(3)を含む。紡績ユニット(2)は、紡績ユニット(2)を動作位置から保守位置に変位させるため、特に枢動させるために、支持枠(3)によって機枠(4)上に変位可能に、好ましくは枢動可能に配置されている。本発明はさらに、少なくとも1つのワークステーション(1)を有するエアジェット織機、ならびにエアジェット織機のワークステーション(1)の保守及び/又は調整方法を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアジェット織機のワークステーション(1)であって、
動作位置にあるワークステーション(1)の機枠(4)に配置された巻取ユニット(10)及び紡績ユニット(2)を備え、
前記紡績ユニット(2)は、少なくとも1つのドラフトユニット(6)と1つのエアジェット紡績ノズル(7)とが配置された支持枠(3)を含むワークステーション(1)において、
前記紡績ユニット(2)が、前記紡績ユニット(2)を前記動作位置から保守位置に変位させるため、特に枢動させるために、前記支持枠(3)によって前記機枠(4)上に変位可能に、好ましくは枢動可能に配置されることを特徴とするワークステーション(1)。
【請求項2】
前記紡績ユニット(2)が、特に前記支持枠(3)の領域において、ヒンジ(17)によって前記機枠(4)上に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のワークステーション(1)。
【請求項3】
前記機枠(4)及び/又は前記紡績ユニット(2)が、特に前記支持枠(3)の領域において、前記紡績ユニット(2)を前記動作位置及び/又は前記保守位置に係止できる係止要素(18、19)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のワークステーション(1)。
【請求項4】
前記機枠(4)及び/又は前記紡績ユニット(2)が、特に前記支持枠(3)の領域においてガイド要素(20)を含み、前記紡績ユニット(2)が前記動作位置から前記保守位置へ、及び/又はその逆に前記保守位置から前記動作位置へ変位するときに、それによってガイドされることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のワークステーション(1)。
【請求項5】
前記機枠(4)及び/又は前記紡績ユニット(2)が、特に前記支持枠(3)の領域において、前記紡績ユニット(2)の位置を監視するために実装された位置センサー(21)を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のワークステーション(1)。
【請求項6】
前記機枠(4)及び/又は前記紡績ユニット(2)は、特に前記支持枠(3)の領域において駆動要素(22)及び/又は減衰要素(23)を含み、前記紡績ユニット(2)が前記動作位置から前記保守位置へ、及び/又はその逆に前記保守位置から前記動作位置へ変位するときに、それによって駆動及び/又は減衰されることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のワークステーション(1)。
【請求項7】
前記紡績ユニット(2)が、前記支持枠(3)上に配置された糸モニター(12)及び/又は品質センサー(13)を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のワークステーション(1)。
【請求項8】
前記ワークステーション(1)及び/又は前記紡績ユニット(2)が、特に前記紡績ユニット(2)の制御ユニット(14)の領域において、少なくとも1つの結合要素(16)を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のワークステーション(1)。
【請求項9】
少なくとも1つのワークステーション(1)を有するエアジェット織機であって、
前記ワークステーション(1)が、請求項1~8のいずれかに記載のワークステーション(1)であることを特徴とするエアジェット織機。
【請求項10】
エアジェット織機のワークステーション(1)の保守及び/又は調整方法であって、
前記ワークステーション(1)が、動作位置にある前記ワークステーション(1)の機枠(4)に配置された巻取ユニット(10)及び紡績ユニット(2)を含み、
前記紡績ユニット(2)が、少なくとも1つのドラフトユニット(6)と1つのエアジェット紡績ノズル(7)とが配置された支持枠(3)を含む方法において、
前記紡績ユニット(2)が、支持枠(3)によって、前記動作位置から保守位置に変位され、特に枢動されることを特徴とする方法。
【請求項11】
エアジェット織機のワークステーション(1)の保守及び/又は調整方法であって、
前記ワークステーション(1)が、動作位置にある前記ワークステーション(1)の機枠(4)に配置された巻取ユニット(10)及び紡績ユニット(2)を含み、
前記紡績ユニット(2)が、少なくとも1つのドラフトユニット(6)と1つのエアジェット紡績ノズル(7)とが配置された支持枠(3)を含む方法において、
前記紡績ユニット(2)が、支持枠(3)によって、前記動作位置から保守位置に変位され、特に枢動され、
前記エアジェット織機の前記ワークステーション(1)が、請求項1~8のいずれかに記載のワークステーション(1)であることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作位置にあるワークステーションの機枠に配置された巻取ユニット及び紡績ユニットを含む、エアジェット織機のワークステーションに関し、紡績ユニットは、少なくとも1つのドラフトユニットと1つのエアジェット紡績ノズルとが配置された支持枠を含む。本発明はさらに、少なくとも1つのワークステーションを有するエアジェット織機、及びエアジェット織機のワークステーションを保守及び/又は調整する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエアジェット織機は、一般に設計が非常にモジュール化されている。当該機械は、一般的に、複数の同一のワークステーションを含み、当該ワークステーションは、個々のモジュール、特に少なくとも1つの紡績ユニット及び1つの巻取ユニットで構成される。
【0003】
例えば、EP1422323B1には、複数の紡績現場を有する繊維機械が提案されており、各紡績現場は、ケンス給繊装置、紡績ユニット、及び巻上げユニットを含む。これにより、紡績ユニット及び巻上げユニットは、モジュール式の設計であり、交換可能であり、架台内又は架台上に取り付けられている。紡績ユニットのダウンタイム又は故障が発生した場合、該ユニットを簡単かつ迅速に交換することができる。しかし、紡績ステーションの接近しにくい領域における軽微な保守及び/又は調整作業によってダウンタイムが発生した場合には、影響を受けた紡績ユニットを架台から取り外して取り除く必要がある。通常、紡績ユニットの重量のため、紡績ユニットを架台から取り外すことができるようにするためには、追加の固定具が必要である。これにより、保守及び/又は調整作業が困難になり、労力が多大となる。また、保守及び/又は調整作業の後に紡績ユニットを再度取り付け、かつ取り除いた繊維機械への接続を元に戻す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1422323号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、最新技術から知られている欠点を排除することを目的とする。本発明は、特に、ワークステーションの保守及び/又は調整を簡素化し、ワークステーションの接近しにくい領域へ接近しやすくするための、ワークステーション、エアジェット織機、ならびにワークステーションの保守及び/又は調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項の特徴を有するワークステーション、エアジェット織機、ならびにワークステーションを保守及び/又は調整する方法によって達成される。
【0007】
本発明は、動作位置にあるワークステーションの機枠に配置された巻取ユニット及び紡績ユニットを含む、エアジェット織機のワークステーションを提案する。当該紡績ユニットは、少なくとも1つのドラフトユニットと1つのエアジェット紡績ノズルとが配置された支持枠を含む。したがって、当該支持枠は、紡績ユニットの個々の構成要素、特にドラフトユニット及びエアジェット紡績ノズルを支持する枠である。機枠は、ワークステーション及び/又はエアジェット織機の固定枠である。動作位置とは、ワークステーションを動作させ、特に繊維ストランドから糸を製造し、続いてボビンに巻き取るために設けられた巻取ユニット及び紡績ユニットの位置であると理解される。この目的のために、繊維ストランドをドラフトユニットによってドラフトし、次にエアジェット紡績ノズルに供給する。ドラフトされた繊維ストランドをエアジェット紡績ノズルによって紡績して糸にする。そして、取出装置によって糸を取り出し、巻取ユニットにおいてボビンに巻き取ることができる。
【0008】
本発明によれば、紡績ユニットは、紡績ユニットを動作位置から保守位置に変位させるため、特に枢動させるために、支持枠によって機枠上に変位可能に、好ましくは枢動可能に配置されている。保守位置とは、紡績ユニット及び/又はワークステーションを保守及び/又は調整するために設けられた紡績ユニットの位置であると理解される。支持枠が機枠上に変位可能に、特に枢動可能に配置されているため、支持枠の領域は、保守位置において機枠に固定接続されており、これによって、紡績ユニットの重量の少なくとも一部を機枠で支持することができる。動作位置において接近しにくいワークステーションの構成要素及び/又は領域については、これにより、作業員及び/又はサービスロボットの接近性を向上させることができる。上述の構成要素及び/又は領域は、そのような動き、特に紡績ユニットを枢動させることによって、接近を簡単にする紡績ユニット、巻取ユニット、及び/又はワークステーションの構成要素及び/又は領域であってよい。
【0009】
紡績ユニットが、特に支持枠の領域において、ヒンジによって機枠上に支持されていると有利である。紡績ユニットは、ヒンジによって動作位置から保守位置に枢動することができる。さらに、ヒンジは、紡績ユニットの重量負荷を機枠に伝達することができる。このようなヒンジを設けることにより、紡績ユニットを機枠に簡単かつ安全に支持することができる。
【0010】
機枠及び/又は紡績ユニットが、特に支持枠の領域において、紡績ユニットを動作位置及び/又は保守位置に係止できる係止要素を含むと、さらに有利である。これにより、紡績ユニットが動作位置及び/又は保守位置に留まることを保証することができる。また、係止要素は、保守位置において、紡績ユニットの重量を機枠に伝達することができる。また、保守位置にある係止要素は、ワークステーションの保守及び/又は調整中に、作業員及び/又はサービスロボットが、安全に及び/又は妨害されることなく作業できるように保証することができる。
【0011】
機枠及び/又は紡績ユニットが、特に支持枠の領域においてガイド要素を含み、紡績ユニットが動作位置から保守位置へ、及び/又はその逆に保守位置から動作位置へ変位するときに、それによってガイドされると、さらに有利である。そのようなガイド要素は、変位中、特に枢動中に、紡績ユニットの安定性を大幅に向上させることができる。したがって、紡績ユニットが、望ましくない方向、特に枢動に対して横方向に傾くことを防止することができる。ガイド要素は、例えば、リニアガイド、ラジアル軸受、及び/又は連結歯車箱であってよい。ガイド要素は、ガイド溝にガイドされるピンであってもよい。
【0012】
機枠及び/又は紡績ユニットが、特に支持枠の領域において、紡績ユニットの位置を監視するために実装された位置センサーを含むと、さらに有利である。したがって、位置センサーによって、紡績ユニットが動作位置にあるか、保守位置にあるか、及び/又は動作位置と保守位置との間で変位、特に枢動しているかを検出することができる。これにより、特にワークステーション、サービスロボット、及び/又は作業員による、紡績ユニットの位置の検出及び/又は監視を容易にすることができる。位置センサーは、例えば、光学センサー、接触センサー、傾斜計、加速度センサー、及び/又は磁気センサーであってよい。
【0013】
機枠及び/又は紡績ユニットが、特に支持枠の領域において駆動要素及び/又は減衰要素を含み、紡績ユニットが動作位置から保守位置へ、及び/又はその逆に保守位置から動作位置へ変位するときに、それによって駆動及び/又は減衰されると、有利である。したがって、紡績ユニットの重量の少なくとも一部は、動作位置から保守位置へ、及び/又はその逆に変位する間に消失し得る。要素が有利にも駆動要素である場合、その動きを、特にワークステーションによって制御して、自律的に行うこともできる。
【0014】
紡績ユニットが、支持枠上に配置された糸モニター及び/又は品質センサーを含むと、特に有利である。これにより、糸モニター及び/又は品質センサーを保守位置に変位させることができる。したがって、糸モニター及び/又は品質センサーの保守及び/又は調整を容易にすることができる。
【0015】
ワークステーション及び/又は紡績ユニットが、特に紡績ユニットの制御ユニットの領域において、少なくとも1つの結合要素を含むと、さらに有利である。紡績ユニットを動作させるために、当該ユニットに電力、圧縮空気及び/又は制御信号を供給する必要がある。少なくとも1つの結合要素は、特に動作位置において、繊維機械からの供給ライン、特に機枠上に配置された繊維機械の領域からの供給ラインを接続することができるため、紡績ユニットへの供給を保証することができる。また、少なくとも1つの結合要素は、保守位置で互いに接続された2つの供給ラインを分離することができる。これにより、ワークステーションの保守及び/又は調整中に、紡績ユニットに必要な電力、圧縮空気、及び/又は制御信号を供給することをさらに保証することができる。
【0016】
エアジェット紡績ノズルが動作位置の第1の位置に配置され、保守位置の第2の位置をとると、さらに有利である。エアジェット紡績ノズルの第1の位置及び第2の位置は、水平方向及び/又は垂直方向に離間されている。エアジェット紡績ノズルは、特に、保守位置及び/又は第2の位置よりも、動作位置及び/又は第1の位置において、機枠に水平に近い位置に配置されている。エアジェット紡績ノズルは、特に、保守位置及び/又は第2の位置よりも、動作位置及び/又は第1の位置において、巻取ユニットに垂直に近い位置に配置されている。
【0017】
本発明は、少なくとも1つのワークステーションを有するエアジェット織機をさらに提案する。ワークステーションは、前述及び/又は以下の説明に従って実施され、示された特徴は、個別に又は任意の組み合わせで存在することができる。
【0018】
本発明はさらに、エアジェット織機のワークステーションの保守及び/又は調整方法に関し、当該ワークステーションは、動作位置にあるワークステーションの機枠に配置された巻取ユニット及び紡績ユニットを含み、紡績ユニットは、少なくとも1つのドラフトユニットと1つのエアジェット紡績ノズルとが配置された支持枠を含む。紡績ユニットは、支持枠によって、動作位置から保守位置に変位され、特に枢動される。
【0019】
エアジェット織機のワークステーションは、前述及び/又は以下の説明に従って実施されると有利であり、示された特徴は、個別に又は任意の組み合わせで存在することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明のさらなる利点は、以下の例示的な実施形態において説明される。
【0021】
図1図1は、動作位置にあるエアジェット織機のワークステーションの概略側面図である。
図2図2は、保守位置にある図1のワークステーションの概略側面図である。
図3図3は、代替の実施形態の例に係る、動作位置にあるエアジェット織機のワークステーションの概略側面図である。
図4図4は、保守位置にある図3のワークステーションの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の図面の説明では、異なる図面において同一の及び/又は少なくとも同等の特徴に対して同じ参照番号が用いられている。個々の特徴とその設計及び/又はその機能は、最初に述べたときのみ典型的かつ詳細に説明される。個々の特徴がさらに詳細に説明されない場合、その設計及び/又は機能は、前述の機能的に同一又は同一の名称の特徴の設計及び機能に対応する。
【0023】
図1は、動作位置にある紡績ユニット2を有するエアジェット織機のワークステーション1の概略側面図を示す。紡績ユニット2は、支持枠3によって、ワークステーション1の機枠4上の動作位置に配置されている。動作位置では、ドラフトユニット6に供給される繊維ストランド5が、エアジェット紡績ノズル7によって紡績されて糸8となる。そして、糸8は取出装置9によって取り出され、巻取ユニット内のボビンに巻き取られる。
【0024】
図示の実施形態の例では、取出装置9は、紡績ユニット2の支持枠3上に配置されている。ワークステーション1は、糸モニター12及び品質センサー13をさらに含む。糸モニター12は、糸8の存在を記録及び/又は決定することができ、及び/又は品質センサー13は、糸8の品質、特に太さ、均一性及び/又は毛羽を記録及び/又は決定することができる。品質センサー13は、エアジェット紡績ノズル7と取出装置9との間、つまり紡績ユニット2の支持枠3上に配置されている。糸モニター12は、取出装置9とボビン11との間に配置されている。品質センサー13に加えて、又はその代わりに、糸モニター12が支持枠3上に配置されることも考えられる。
【0025】
紡績ユニット2は、これを制御する制御ユニット14を含む。当該制御ユニット14は、図示の実施形態の例では、機枠4の切り欠き15を通って突出している。結合要素16は、制御ユニット14の領域に配置され、ワークステーション1から紡績ユニット2への供給ラインを接続する。供給ラインは、電力、圧縮空気、及び/又は制御信号を転送することができる。
【0026】
紡績ユニット2は、支持枠3の領域において、ヒンジ17によって、機枠4上に枢動可能に支持されている。このときの第1の係止要素18は、紡績ユニット2が動作位置に係止されることを保証する。図示の実施形態の例では、第1の係止要素18は、固定的に、直接、及び/又は軸受によって機枠4上に配置されている。紡績ユニット2の支持枠3は、第1の係止要素18のアンダーカットが支持枠3の所定の位置にスナップ及び/又はラッチされるように、動作位置で第1の係止要素18に接続されている。紡績ユニット2は、アンダーカットにより動作位置に保持されている。第1の係止要素18が支持枠3から解放されると、紡績ユニット2は、保守位置に枢動することができる。この目的のために、第1の係止要素18のアンダーカットは、軸受によって、及び/又は塑性及び/又は弾性変形によって、機枠4から解放することができる。
【0027】
図2は、そのような保守位置にある図1のワークステーション1の概略側面図を示す。図2のワークステーション1は、図1のワークステーション1と同様又は同一の設計であり、紡績ユニット2の位置によって実質的に異なる。紡績ユニット2は、ヒンジ17によって機枠4上に支持されている。図2に示すように、紡績ユニット2を保守位置に枢動させることにより、ワークステーション1及び/又は紡績ユニット2をより容易に保守及び/又は調整することができる。したがって、保守位置においては、例えば紡績ユニット2と共に枢動する構成要素への接近が容易になる。それらは、図示の実施形態の例では、特にドラフトユニット6、エアジェット紡績ノズル7、品質センサー13、及び制御ユニット14である。品質センサー13に加えて、又はその代わりに、糸モニター12が枢動されることも考えられる。結合要素16が完全に又は部分的に枢動されることも考えられる。紡績ユニット2の制御ユニット14が機枠4を貫通して突出しているため、切り欠き15は、動作位置から保守位置への枢動、及びその逆の枢動が問題なく、特に機枠4と制御ユニット14とが接触することなく行われるように、実施されるべきである。また、紡績ユニット2を枢動させることにより、及び/又は切り欠き15により、ワークステーション1の保守及び/又は調整は、特に巻取ユニット10及び/又は機枠4内で容易になる。
【0028】
支持枠3は、保守位置に係止するための第2の係止要素19を含む。第2の係止要素19は、保守位置において紡績ユニット2を機枠4に係止する。また、支持枠3は、動作位置から保守位置へ、及びその逆に保守位置から動作位置へ変位するときに、紡績ユニット2をガイドするガイド要素20を含む。ガイド要素は、例えば、ここに示すように、ガイド溝にガイドされるピンであってもよい。第2の係止要素19は、本実施形態の例では、ガイド要素20に組み込まれており、単に概略的に示されている。したがって、第2の係止要素19は、例えば、紡績ユニット2が保守位置にあるときにガイド要素20のピンをブロックするスナップ要素であってよい。
【0029】
紡績ユニット2は、位置を監視する位置センサー21を含む。この位置センサー21は、紡績ユニット2が、ここに示されているように保守位置にあるか、又は図1に示されているように動作位置にあるかを監視する。2つの位置の間の変位を監視することも考えられる。
【0030】
また、紡績ユニット2は、動作位置から保守位置へ、及び/又はその逆に保守位置から動作位置へ変位するときに、紡績ユニット2を駆動する駆動要素22を含む。駆動要素22は、機枠4上で支持されている。当該要素は、例えば、リニアドライブであってよい。紡績ユニット2は、駆動要素22に加えて、又はその代わりに、その変位を減衰させる減衰要素23を含むことも考えられる。
【0031】
図3図4は、それぞれ代替の実施形態の例に係るエアジェット織機のワークステーション1の概略側面図を示す。図3は、動作位置にある紡績ユニット2を示し、図4は、保守位置にある紡績ユニット2を示す。図1及び2の実施形態の例とは対照的に、図3及び4の実施形態の例における制御ユニット14は静止したままであり、紡績ユニット2が変位するとき、特に枢動するときに、変位しない。共に枢動する構成要素は、ドラフトユニット6、エアジェット紡績ノズル7、及び品質センサー13である。ここでも、品質センサー13に加えて、又はその代わりに、糸モニター12が枢動されることも考えられる。制御ユニット14は、機枠4上に直接又は間接的に配置されている。
【0032】
図1及び2の実施形態の例と同様に、ここでもまた機枠4は、切り欠き15を含むことができる。これにより、制御ユニット14及び/又は結合要素16は、図3に示されるように、機枠4を貫通して突出し、動作位置で紡績ユニット2に動作可能に接続されてよい。図示の実施形態の例では制御ユニット14が枢動されないので、特に図1及び2の実施形態の例と比較して、切り欠き15をより小さくすることができる。
【0033】
図3及び4の実施形態の例において、結合要素16は、ワークステーション1から紡績ユニット2に供給ラインを接続するための切り欠き15の領域に配置されている。上述したように、結合要素16に加えて、制御ユニット14が、ワークステーション1を紡績ユニット2に接続するための切り欠き15を通って突出している。ワークステーション1を紡績ユニット2に接続するために、結合要素16又は制御ユニット14のみが実装されることも考えられる。それにより、ワークステーション1を紡績ユニット2に接続するために実装されていない制御ユニット14又は結合要素16は、特に、完全に機枠4内に配置することができる。
【0034】
本発明は、図示され説明された実施形態に限定されない。異なる実施形態の例で示され説明されていても、特徴の組み合わせと同様に、特許請求の範囲内での変形も可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 ワークステーション
2 紡績ユニット
3 支持枠
4 機枠
5 繊維ストランド
6 ドラフトユニット
7 エアジェット紡績ノズル
8 糸
9 取出装置
10 巻取ユニット
11 ボビン
12 糸モニター
13 品質センサー
14 制御ユニット
15 切り欠き
16 結合要素
17 ヒンジ
18 第1の係止要素
19 第2の係止要素
20 ガイド要素
21 位置センサー
22 駆動要素
23 減衰要素
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】