(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019656
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】車両のデータアクセス能力を向上するための方法とシステム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20220120BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20220120BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20220120BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20220120BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20220120BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G06Q20/06 300
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021116849
(22)【出願日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】16/931,138
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】519092129
【氏名又は名称】トヨタ モーター ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ランダル エム.ハリス
【テーマコード(参考)】
5H181
5L055
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5L055AA15
(57)【要約】
【課題】車両のデータアクセス能力を向上するための方法を提供すること。
【解決手段】本方法は、第1レベルの自律性を有する第1車両により、第1フォーマットのデータを取得することと、第2レベルの自律性を有する第2車両から、該データに対する要求を受信することと、該データを、第1フォーマットから、第2レベルの自律性に基づく第2フォーマットに変換することと、第2フォーマットのデータを第2車両に送信することを含んでいる。第2フォーマットのデータは、第2レベルの自律性に対応している。第2レベルの自律性は、第1レベルの自律性よりも低い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両間のデータアクセス能力を向上するためのシステムであって、
能力の第1セットに対応する第1レベルの自律性を有し、第1コントローラと、センサの第1セットを備えている第1車両を備え、前記第1コントローラは、
前記センサの第1セットを使用してデータを取得し、
第2車両から前記データに対する要求を受信し、
前記データを第1フォーマットから、前記能力の第1セットより低い、能力の第2セットに対応する第2レベルの自律性を有する前記第2車両に対応する第2フォーマットに変換し、
第2コントローラと、センサの第2セットを備えている前記第2車両により送信された報酬と引き換えに、前記変換されたデータを前記第2車両に送信するように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記第1車両と前記第2車両は、分散型ネットワークの第1ノードと第2ノードそれぞれとして機能し、
前記報酬は、
前記第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信されたデジタル通貨での支払と、
前記第2車両により、前記管理サーバと関連付けられている前記ネットワークサブスクリプションサービスに送信された追加的データの形式における支払と、
前記第2車両により前記第1車両に送信された追加的データの形式における支払と、
の少なくとも1つを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサの第1セットは、カメラ、イメージセンサ、モーションセンサ、オーディオセンサ、加速度計、およびジャイロスコープの1つ以上を含み、
前記センサの第2セットは、モーションセンサ、オーディオセンサ、加速度計、およびジャイロスコープの1つ以上を含み、
前記第1コントローラは、機能のセットを実現するように構成されており、前記機能のセットの1つ以上は、前記第2コントローラには利用可能でない、
請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記機能のセットは、
車両を取り囲む環境のリアルタイムなオーディオデータ、リアルタイムなモーションデータ、およびリアルタイムなビデオデータを取り込むことと、
前記車両を取り囲む前記環境の前記オーディオデータ、前記リアルタイムなモーションデータ、および前記リアルタイムなビデオデータを読みおよび書くことと、
前記車両を取り囲む前記環境の前記オーディオデータ、前記リアルタイムなモーションデータ、および前記リアルタイムなビデオデータを格納することと、
を含んでいる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1コントローラは更に、
前記第2車両から追加的要求を受信し、
前記追加的要求を少なくとも第3車両に送信し、
前記第3車両から、前記追加的要求に応答して追加的データを受信し、
変換された前記追加的データが、前記第2レベルの自律性を有する前記第2車両に対応するように、前記追加的データを、前記第1フォーマットから前記第2フォーマットに変換し、
前記変換された追加的データを前記第2車両に送信するように構成されている、
請求項1から4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
能力の第1セットに対応する第1レベルの自律性を有する車両であって、
センサの第1セットを備え、
コントローラは、
第1フォーマットのデータを取得し、
前記能力の第1セットよりも低い、能力の第2セットに対応する第2レベルの自律性を有し、第2コントローラと、センサの第2セットを備えている第2車両から要求を受信し、
前記データを第1フォーマットから、前記第2レベルの自律性を有する前記第2車両に対応する第2フォーマットに変換し、
前記第2フォーマットの前記変換されたデータを前記第2車両に送信するように構成されている、
車両。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記第2フォーマットの前記変換されたデータを、前記第2車両により送信された報酬と引き換えに、前記第2車両に送信するように構成されており、
前記報酬は、
前記第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信されたデジタル通貨の形式における支払と、
前記第2車両により、前記管理サーバと関連付けられている前記ネットワークサブスクリプションサービスに送信された追加的データの形式における支払と、
前記第2車両により前記車両に送信された追加的データの形式における支払と、
の少なくとも1つを含んでいる、請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記コントローラは更に、
前記第2車両から追加的要求を受信し、
前記追加的要求を少なくとも第3車両に送信し、
前記第3車両から、前記追加的要求に応答して追加的データを受信し、
変換された前記追加的データが、前記第2レベルの自律性を有する前記第2車両に対応するように、前記追加的データを、前記第1フォーマットから前記第2フォーマットに変換し、
前記第2フォーマットに変換された前記追加的データを前記第2車両に送信するように構成されている、
請求項6または請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記コントローラは更に、
前記第2車両から追加的データに対する追加的要求を受信し、
前記追加的要求を、第3車両および第4車両に送信し、
前記第3車両から、前記追加的要求に応答して前記追加的データの一部分を受信し、
前記第4車両から、前記追加的要求に応答して前記追加的データの異なる部分を受信し、
前記部分と前記異なる部分を組み合わせ、
前記部分と前記異なる部分の前記組み合わせを、前記第1フォーマットから前記第2フォーマットに変換し、
前記第2車両に、前記変換された前記部分と前記異なる部分の前記組み合わせを送信するように構成されている、
請求項6または請求項7に記載の車両。
【請求項10】
車両のデータアクセス能力を向上するための方法であって、
能力の第1セットに対応する第1レベルの自律性を有し、第1コントローラと、センサの第1セットを有する第1車両により、第1フォーマットのデータを取得することと、
前記能力の第1セットよりも低い、能力の第2セットに対応する第2レベルの自律性を有する第2車両から、前記データに対する要求を受信することと、
前記データを前記第1フォーマットから、前記第2レベルの自律性に対応する第2フォーマットに変換することと、
前記第2フォーマットの前記変換されたデータを、第2コントローラと、センサの第2セットを備える前記第2車両により送信された報酬と引き換えに、前記第2車両に送信することと、
を有している、方法。
【請求項11】
前記第2レベルの自律性は、前記第1レベルの自律性よりも低く、
前記報酬は、
前記第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信されたデジタル通貨での支払と、
前記第2車両により、前記管理サーバと関連付けられている前記ネットワークサブスクリプションサービスに送信された追加的データの形式における支払と、
前記第2車両により前記第1車両に送信された追加的データの形式における支払と、 の少なくとも1つを含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2車両から追加的要求を受信することと、
前記追加的要求を少なくとも第3車両に送信することと、
前記第3車両から、前記追加的要求に応答して追加的データを受信することと、
変換された前記追加的データが、前記第2レベルの自律性を有する前記第2車両に対応するように、前記追加的データを、前記第1フォーマットから第2フォーマットに変換することと、
前記変換された追加的データを前記第2車両に送信することと、
を更に有している、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、車両間でデータを転送するためのシステムと方法に関し、より特別には、広い地理的領域全体にわたる交通、ナビゲーション、および注目地点に関するデータを取得することと、このデータを種々のレベルの自律性を有する車両に対応するフォーマットに変換することと、変換されたデータをこれらの車両に送信することに関する。
【背景技術】
【0002】
広大な地理的領域全体にわたる交通状況、ナビゲーション、および注目地点に関する正確でリアルタイムなデータを提供することは、自律車両システムの1つの重要な側面である。従来は、そのようなデータにリアルタイムでアクセルする能力は、これらの車両に設置されているセンサと、これらの車両における種々の構成要素の機能により制限されていた。従来のシステムは、移動している交通の流れ、歩いている歩行者、駐車の可能性、および会場の営業時間などのような、広大な地理的領域全体にわたる、動的および構造化された情報を含む交通情報にリアルタイムでアクセスする能力に欠けていた。例えば、低いレベルの自律性を有する車両は、そのようなデータを得ることが可能なセンサがなかったので、そのようなデータにアクセスできなかった。更に、低いレベルの自律性を有する車両は、そのようなデータを他の装置から受信したとしても、そのようなデータを処理するハードウェアおよびソフトウェア機能に欠けていた。
【0003】
従って、これらの車両が、広大な地理的領域全体にわたる交通状況、ナビゲーション、および注目地点に関するデータへのリアルタイムなアクセスを有するように、車両のデータアクセス能力を向上するための方法とシステムを提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、車両のデータアクセス能力を向上するためのシステムと方法を提供する。実施形態においては、高いレベルの自律性を有する車両が、報酬(consideration)と引き換えに、リアルタイムなデータを、低いレベルの自律性を有する車両に対応するフォーマットで送信することを可能にすることにより、これらのシステムと方法は、低いレベルの自律性の車両のデータアクセス能力を向上する。本開示によれば、高いレベルの自律性を有する車両は、種々のセンサ、例えば、イメージセンサ、オーディオセンサなどを使用して、広大な地理的領域全体にわたる交通状況、ナビゲーション、および注目地点のデータを取得できる。代替的または追加的に、高いレベルの自律性を有する車両はまた、そのようなデータを、他の車両および/または1つ以上の管理サーバ(例えば、ローカルサーバまたはリモートサーバ)から取得できる。これらの車両は、無線ネットワークを介して、他の車両および管理サーバと通信するように構成されている。
【0005】
実施形態においては、低いレベルの自律性を有する車両から、データに対するクエリ(query)を受信すると、高いレベルの自律性を有する車両は、種々のセンサにより取得されたデータを検索し、クエリに関連するデータを識別し、そのデータを、クエリを出した車両のフォーマットに対応するフォーマットに変換し、変換されたデータを、クエリを出した車両に送信することができる。実施形態においては、高いレベルの自律性を有する車両はクエリを受信し、自身は、受信したクエリに適切なデータを有していないと決定することができる。従って、高いレベルの自律性を有する車両は、受信したクエリを他の車両および/または1つ以上の管理サーバに送信し、多数の応答を受信することができる。実施形態においては、これらの応答の1つ以上は、最初に受信したクエリに関連するデータを含んでいる可能性がある。
【0006】
高いレベルの自律性を有する車両は、関連のあるデータを、クエリを出した車両(例えば、低いレベルの自律性を有する車両)に対応し、その車両がアクセス可能なフォーマットに変換できる。クエリは、例えば、広大な地理的領域全体にわたる交通状況、ナビゲーション、および注目地点に関することができ、それらは、今度は、クエリを出した車両によりリアルタイムでアクセス可能である。このようにして、低いレベルの車両の能力が向上される。代替的または追加的に、高いレベルの自律性を有する車両は、低いレベルの自律性を有する他の車両と、広大な地理的領域全体にわたる交通状況などに関するデータを容易に共有でき、それにより、これらの車両のアクセス能力を向上できる。
【0007】
1つの実施形態においては、車両間のアクセス能力を向上するためのシステムが提供される。システムは、第1レベルの自律性を有し、第1コントローラと、センサの第1セットを備えている第1車両を含んでいる。第1コントローラは、センサの第1セットを使用してデータを取得し、第2車両からの、そのデータに対する要求を受信し、第2車両により送信された報酬と引き換えに、そのデータを第2車両に送信するように構成されている。システムは更に、第2レベルの自律性を有する第2車両を含んでいる。第2車両は、第2コントローラと、センサの第2セットを有している。第2レベルの自律性は、第1レベルの自律性より低い。
【0008】
他の実施形態においては、第1レベルの自律性を有する車両が記述される。車両は、センサの第1セットと、第1フォーマットのデータを取得し、第2レベルの自律性を有する第2車両から要求を受信し、そのデータを、第1フォーマットから、第2レベルの自律性に基づく第2フォーマットに変換し、第2フォーマットのデータを第2車両に送信するように構成されているコントローラを含んでいる。追加的に、第2レベルの自律性は第1レベルの自律性よりも低い。
【0009】
更なる他の実施形態においては、車両のデータアクセス能力を向上するための方法が記述される。方法は、第1レベルの自律性を有する第1車両により、第1フォーマットのデータを取得することと、第2レベルの自律性を有する第2車両から、そのデータに対する要求を受信することと、そのデータを、第1フォーマットから、第2レベルの自律性に基づく第2フォーマットに変換することと、第2車両により送信された報酬と引き換えに、第2フォーマットのデータを第2車両に送信することを含んでいる。第2フォーマットのデータは、第2レベルの自律性に対応している。追加的に、第2レベルの自律性は第1レベルの自律性よりも低い。
【0010】
本開示の実施形態により提供されるこれらの、および追加的特徴は、図面と連携して下記の詳細な記述を考慮することにより、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面において詳述される実施形態は、本質的には例示および例であり、開示を制限することは意図されていない。例としての実施形態の下記の詳細な記述は、類似の構造は、類似の参照番号で示されている下記の図面と連携して読むことにより理解できる。
【0012】
【
図1】ここにおいて示され、および記述される1つ以上の実施形態に係る、無線ネットワークを介して、互いにデータを通信でやりとりするように構成されている、高いレベルの自律性と、低いレベルの自律性を有する車両を含んでいるシステムを模式的に示している図である。
【
図2】ここにおいて示され、および記述される1つ以上の実施形態に係る、種々のレベルの自律性を有する車両における非制限的な例としての構成要素を模式的に示している図である。
【
図3】他の車両に対応し、その車両がアクセス可能なフォーマットに変換されたデータを車両が送信するためのフローチャートを示している図である。
【
図4A】ここにおいて示され、または記述される1つ以上の実施形態に係る、第2車両からクエリを受信したことに応答して、第2車両に第1車両から、変換されたデータを送信することを示している図である。
【
図4B】ここにおいて示され、または記述される1つ以上の実施形態に係る、第2車両から複数のクエリを受信したことに応答して、第2車両に第1車両から、変換されたデータを送信することを示している図である。
【
図5A】ここにおいて示され、または記述される1つ以上の実施形態に係る、変換されたデータを受信することと引き換えに、車両により送信される報酬の例を示している図である。
【
図5B】ここにおいて示され、または記述される1つ以上の実施形態に係る、変換されたデータを受信することと引き換えに、車両により送信される報酬の他の例を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここにおいて開示される実施形態は、広大な地理的領域全体にわたる交通状況、ナビゲーション、および注目地点に関するデータへのリアルタイムなアクセスを車両が有するように、それらの車両のデータアクセス能力を向上するためのシステムと方法を含んでいる。具体的には、車両の能力を向上することは、それらの車両の構成要素に対応し、それらの構成要素によりアクセス可能なフォーマットでそれらの車両にデータを送信することを含んでいる。
図1、4A、および4Bを参照すると、本システムは、無線ネットワークを介して互いに通信するように構成されている車両と管理サーバを含んでいる。
図1において示されている実施形態においては、これらの車両の幾つかは高いレベルの自律性を有し(例えば、
図1における車両102、104、106、108、および110)、一方、他の車両は低いレベルの自律性を有している(例えば、
図1における車両112、114、116、および118)。高いレベルの自律性を有する車両は、センサおよび、例えば、データの読み書き、ライブビデオストリーム、ライブオーディオストリーム、および高精細デジタル画像の取り込み、種々の地理的領域の高精細三次元マッピングの生成などを含む機能を有する構成要素を含んでいる。これらの車両はまた、モーションセンサ、オーディオセンサなども有することができる。対照的に、低いレベルの自律性を有する車両は、より少ないセンサおよび、高いレベルの自律性を有する車両の構成要素に対して、限られた能力および/または機能を有する構成要素を有することしかできない。実施形態においては、低いレベルの自律性を有する車両は、モーションセンサ、オーディオセンサ、および、データの読み書きを容易にするだけの機能(例えば、1つ以上のプロセッサおよび/またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせ)を有することしかできない。
【0014】
実施形態においては、
図4Aにおいて示されているように、第1車両400は、第2車両402からデータに対する要求を受信できる。これに応答して、第1車両400は、そのデータを第2車両402に送信できる。第1車両400により第2車両402に送信されたデータは、第2車両402により、例えば、第1車両400および/または管理サーバ240に送信された報酬との引き換えによるものであってよい。実施形態においては、報酬は、従来の通貨(例えば、ドル、英貨ポンド、ユーロなど)、またはデジタル通貨(例えば、ビットコイン、ライトコイン、イーサリアムなどの暗号通貨)の形式における支払であってよい。代替的または追加的に、報酬は、第1車両400から受信したデータとの引き換えに、第2車両402から第1車両400に送信された特別なタイプのデータの形式における支払であってよい。
【0015】
実施形態においては、
図4Aにおいて示されているように、第1車両400は、第2車両402からデータに対する要求(例えば、クエリ410)を受信し、第1車両400はそれを、車両404、406、および408、そして管理サーバ240に同時に、または連続して送信することができる。その後、車両404、406、および408、そして管理サーバ240の1つ以上は、応答412、414、416、418、および420それぞれを第1車両400に送信できる。第1車両400は、クエリ410に対して正確およびそれに応答するデータを識別し、このデータを第1フォーマットから、第2車両402の低いレベルの自律性と機能に基づく第2フォーマットに変換し、そして変換されたデータを第2車両402に送信することができる。実施形態においては、第1車両400は、第2車両402により要求されたデータ(例えば、クエリ410を介して)を有している可能性もあり、そのため、クエリを他の車両に送信しなくてもよい。その代わり、第1車両400は、メモリからのデータにアクセスし、そのデータを第1フォーマットから、第2車両402の自律性のレベルと機能に基づく第2フォーマットに変換し、そして、変換されたデータを第2車両402に送信することができる。
【0016】
本開示によれば、ここにおいて記述されるシステムは、広大な地理的領域全体にわたる交通状況、ナビゲーション、および注目地点に関するデータの通信をリアルタイムで可能にする。加えて、データは、種々の車両の能力と機能によりアクセス可能であり、それらに対応しているフォーマットで送信される。本システムは、高いレベルの自律性を有する車両の能力と機能、つまり、交通状況(例えば、道路の障害物、種々の注目地点、交通渋滞、事故、遅延など)、ナビゲーション、種々の注目地点(劇場、モール、駐車場、レストランなど)に関する画像データ、ライブビデオストリームを取り込むことができるセンサを利用する。代替的または追加的に、高いレベルの自律性を有する車両は、このデータを、高いレベルの自律性を有する他の車両から受信できる。高いレベルの自律性を有する車両はまた、種々の地理的領域の高精細三次元マッピングも生成できる。
【0017】
その後、他の車両(例えば、低いレベルの自律性を有する車両)から、交通状況またはこれらの注目地点についての1つ以上のクエリを受信することに応答して、高いレベルの自律性を有する車両は、クエリに対するデータを識別し、それを、クエリを出した車両の構成要素に対応するフォーマットに変換し、そして変換されたデータを、クエリを出した車両に送信することができる。
【0018】
要約すると、種々の車両の能力と機能は、ここにおいて記述されるシステムにより向上され、それは、より高いレベルの自律性を有する車両が、より低いレベルの自律性を有する車両と、広大な地理的領域全体にわたる交通状況、ナビゲーション、および注目地点についてのデータをリアルタイムで共有することを可能にする。具体的には、データを共有することは、高いレベルの自律性を有する車両が、データを、低いレベルの自律性を有する車両によりアクセス可能であり、それに対応するフォーマットに変換することを含んでいる。このようにして、低いレベルの自律性を有する車両は、リアルタイムなデータ、リアルタイムなビデオストリームなどを取り込む能力、または、種々の地理的領域の高精細マッピングを生成する能力を有することができないにも拘わらず、そのような情報にリアルタイムでアクセスできる。
【0019】
図1は、ここにおいて示され、および記述される1つ以上の実施形態に係る、ネットワーク内の車両間でデータを送信するためのシステムを模式的に示している。実施形態においては、システム100は、高いレベルの自律性を有する車両102、104、106、108、および110、低いレベルの自律性を有する車両112、114、116、および118、および管理サーバ240(
図1には示されていないが、
図2において示されている)を含んでいる。自律性のレベルは、レベル0からレベル5の何れか1つであってよい。レベル0は、運転自動化を示さない。レベル1は、自律性の最も低いレベルであり、レベル5は、自律性の最も高いレベル。例えば、レベル1の自律性を有する車両は、例えば、走行制御による速度監視などの単一の自動化システムを特徴とする。レベル2の自律性を有する車両は、操舵と加速を実行する。レベル3の自律性を有する車両は、環境検出能力を含むことができる。レベル4の自律性を有する車両は、特定の状況においては、すべての運転作業を実行できる。レベル5の自律性を有する車両は、すべての状況において、すべての運転作業を実行する完全自動化を有することができる。この例においては、車両102、104、106、108、および110は、レベル4の自律性を有することができ、車両112、114、116、および118は、レベル3またはそれより低いレベルの自律性を有することができる。管理サーバ240は、下記に制限されないが、路側ユニット、エッジサーバなどを含むローカルサーバであってよい。実施形態においては、管理サーバ240は、クラウドサーバなどのようなリモートサーバであってよい。
【0020】
車両102、104、106、108、および110のそれぞれは、例えば、地上、水上(水中)、および/または、空中車両などのような、自動車または任意の他の乗車人用、または非乗車人用車両を含む車両であってよい。実施形態においては、車両102、104、106、108、および110の1つ以上は、通常はドローンとして知られている無人空中車両(UA)であってよい。実施形態においては、車両102、104、106、108、および110の1つ以上は、市街道路、主要幹線道路、道路上などで動作できる無人車両である。対照的に、低いレベルの自律性を有する車両(例えば、112、114、116、および118)は、より少ないセンサおよび、高いレベルの自律性を有する車両の構成要素に対して、限られた能力および/または機能の構成要素を有することしかができない。実施形態においては、低いレベルの自律性を有する車両は、モーションセンサ、オーディオセンサ、および、データの読み書きのみを容易にする1つ以上のプロセッサを有することしかできない。
【0021】
車両102、104、106、108、および110は、1台以上の外部車両および/または装置と通信できる車両である。追加的に、車両102、104、106、108、および110のそれぞれは、限られた人間の入力で、または人間の入力なしで特別な環境を走行できる。車両は、インターネットへのアクセスが装備されており、これらの車両の内部および外部両者の他の装置とデータを共有する。車両はまた、管理サーバ240とも通信できる。実施形態においては、管理サーバ240は、管理サーバ240がカバーする特定の地理的領域内のすべての車両と通信できる。管理サーバ240はまた、異なる地理的領域をカバーしている他のサーバとも通信できる。管理サーバ240(例えば、下記に制限されないが、路側ユニット、エッジサーバなどを含むローカルサーバ)は、リモートサーバと通信し、管理サーバ240が収集した情報をリモートサーバに送信することができる。代替的または追加的に、上記のように、管理サーバ240は、クラウドサーバなどのようなリモートサーバであってよい。
【0022】
図1においては、車両102、104、106、108、および110は、三車線道路上を走行しているように示されている。実施形態においては、車両102、104、106、108、および110は、それらの環境からリアルタイムで種々のタイプのデータを収集でき、取り込まれたデータ他の車両に通信で送ることができる。例えば、実施形態においては、車両102、104、106、108、および110は、ある地理的領域内で、リアルタイムで画像、ライブビデオストリーム、種々の対象物(例えば、車両、歩行者など)のリアルタイムな動きを取り込むために使用されるセンサを含んでいる。例えば、
図1における車両102は、車両の種々の部分に設置されているカメラを含むことができ、それらのカメラは、これらの車両の前方または後方に位置している車両に加えて、隣接する車両における他の車両の画像を取り込む。センサはまた、オーディオデータを取り込むオーディオセンサも含むことができ、このオーディオデータは、道路上の車両の数を決定するために使用でき、その結果として、交通パターンを決定することを支援する。実施形態においては、車両102は、無線ネットワーク250を介して、車両104、106、108、110、112、114、116、および118に、取り込まれたデータを、同時に、または順番に通信で送ることができる。車両102はまた、車両102に設置されているセンサの範囲外の車両または他の対象物に関するデータなどのようなデータを他の車両に要求できる。そしてこのデータを変換して、車両112、114、116、および118の1台以上に送信することができる。
【0023】
例えば、車両102は、他の車両104~110のそれぞれの近傍内(例えば、すべての隣接する車線、直後など)の車両数のカウントを要求するメッセージ(例えば、同報信号)を同時に送信できる。代替的または追加的に、車両102は車両110に対して、ある距離だけ前方の道路状況について問い合わせるメッセージを送信できる。
図1においては、車両110は、車両102のある距離だけ前方に位置しているので、車両110は、車両110のある距離だけ前方に交通渋滞があるかどうかを決定するために、これらの車両すべての中で最も良好な位置にいる。同様に、車両102は、車両104のある距離だけ後方で事故または交通渋滞が起こったかを問い合わせることができ、車両104は、この車両集団における車両のすべてが車両104の前方にいるので、車両102~110のすべての中で車両104がこの情報を決定するのに最も適切である。車両104、106、108、および110の1つ以上から応答を受信すると、車両102は、受信した応答に含まれているデータを変換し、このデータを車両112、114、116、および118の1つ以上に送信することができる。
【0024】
図2は、ここにおいて示され、および記述される1つ以上の実施形態に係る、種々の車両のデータアクセス能力を向上するためのシステムを模式的に示している。1つの実施形態においては、車両間でデータを送信するためのシステムは、第1高レベル自律車両システム200、第2高レベル自律車両システム220、管理サーバ240、および低レベル自律車両システム252を含んでいる。この実施形態においては、第1高レベル自律車両システム200、第2高レベル自律車両システム220、管理サーバ240、および低レベル自律車両システム252のそれぞれは、無線ネットワーク250を介して互いにデータを共有できる。
【0025】
2つの高レベル自律車両システム200と220、および1つの低レベル自律車両システム252が示されているが、実施形態は、無線ネットワーク250を介して互いに、および/または管理サーバ240と通信できる多数の高レベル自律車両システムおよび/または低レベル自律車両システムを含むことができるということに言及しておく。実施形態においては、高レベルおよび低レベル自律車両システムと管理サーバは、それぞれのノードが、無線ネットワーク250を介して他のノードの1つ以上とデータを共有できるように、接続されている分散型ネットワークにおけるノードとして機能する。
【0026】
第1高レベル自律車両システム200と第2高レベル自律車両システム220は、孤立して示されているが、これらのシステムのそれぞれは、実施形態における車両内に、例えば、
図1の車両102、104、106、108、および110のそれぞれ内に含めることができるということにも更に言及しておく。追加的に、低レベル自律車両システム252は、
図1の車両112、114、116、および118のそれぞれ内に含めることができる。これらのシステムを含むことができる車両は、例えば、地上、水上(水中)、および/または空中車両などのような、自動車、または任意の他の乗車人または非乗車人車両であることができる。実施形態においては、これらの車両は、限られた人間の入力または人間の入力なしで種々の環境を走行する。
【0027】
第1高レベル自律車両システム200は、1つ以上のプロセッサ202を含んでいる。1つ以上のプロセッサ202のそれぞれは、機械読取り可能および実行可能命令を実行できる任意の装置であってよい。従って、1つ以上のプロセッサ202のそれぞれは、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または、任意の他の演算装置であってよい。1つ以上のプロセッサ202は、システムの種々のモジュール間の信号相互接続性を提供する通信経路204に結合されている。従って、通信経路204は、任意の数のプロセッサ202を互いに通信可能に結合でき、通信経路204に結合されているモジュールが、分散型演算環境において動作することを可能にする。具体的には、モジュールのそれぞれは、データを送るおよび/または受信することができるノードとして動作できる。ここにおいて使用されているように、「通信可能に結合される」という用語は、結合されている構成要素が、例えば、導体媒体を介して電気信号を、空中を介して電磁信号を、光導波管を介して光信号をなどのように、互いに、データ信号を交換できるということを意味している。
【0028】
従って、通信経路204は、例えば、導体ワイヤ、導体トレース、光導波管などのような、信号を送信できる任意の媒体から形成できる。実施形態においては、通信経路204は、WiFi、ブルートゥース(登録商標)、近距離通信(NFC)などのような無線信号の送信を容易にできる。更に、通信経路204は、信号を送信可能な媒体の組み合わせから形成できる。1つの実施形態においては、通信経路204は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力装置、出力装置、および通信装置などのような構成要素への、電気データ信号の送信を可能にすることにおいて協働する導体トレース、導体ワイヤ、コネクタ、およびバスの組み合わせを備えている。従って、通信経路204は、例えば、LINバス、CANバス、VANバスなどのような車両バスを備えることができる。追加的に、「信号」という用語は、媒体を通して伝わることが可能な、DC、AC、正弦波、三角波、矩形波、振動などのような波形(例えば、電気的、光学的、磁気的、機械的、または電磁的)を意味するということに言及しておく。
【0029】
第1高レベル自律車両システム200は、通信経路204に結合されている1つ以上のメモリモジュール206を含んでいる。1つ以上のメモリモジュール206は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または、機械読取り可能および実行可能命令に、1つ以上のプロセッサ202がアクセスできるように、機械読取り可能および実行可能命令を格納できる任意の装置を備えることができる。機械読取り可能および実行可能命令は、例えば、機械読取り可能および実行可能命令にコンパイルまたはアセンブルでき、1つ以上のメモリモジュール206に格納できる、プロセッサにより直接実行できる機械言語、アセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング、スクリプト言語、マイクロコードなどのような任意の世代(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL、または5GL)の任意のプログラミング言語で記述されたロジックまたはアルゴリズムを備えることができる。代替的に、機械読取り可能および実行可能命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成、または特定用途向け集積回路(ASIC)またはそれらの等価物の何れかを介して実現されるロジックなどのような、ハードウェア記述言語(HDL)において記述できる。従って、ここにおいて記述される方法は、予めプログラムされているハードウェア要素として、または、ハードウェアとソフトウェア構成要素の組み合わせとして、任意の従来のコンピュータプログラミング言語において実現できる。
【0030】
1つ以上のメモリモジュール206は、機械読取り可能命令を含むことができ、機械読取り可能命令は、1つ以上のプロセッサ202により実行されると、第1高レベル自律車両システム200のセンサを使用してデータを取得し、データに対する要求を低レベル自律車両システム252からの受信し、そのデータを、報酬と引き換えに低レベル自律車両システム252に送信する。実施形態においては、データが第1高レベル自律車両システム200から低レベル自律車両システム252に送信される方法の詳細が、
図4Aと4Bにおいて詳しく記述されている。
【0031】
更に
図2を参照すると、第1高レベル自律車両システム200は、1つ以上のセンサ208を備えている。1つ以上のセンサ208は、紫外線波長帯、可視光波長帯、または、赤外線波長帯における放射を検出できる感知装置のアレイを有している任意の装置であってよい。1つ以上のセンサ208は、任意の解像度を有することができる。実施形態においては、鏡、魚眼レンズ、または任意の他のタイプのレンズなどのような1つ以上の光学的構成要素を、1つ以上のセンサ208に光学的に結合できる。ここにおいて記述される実施形態においては、1つ以上のセンサ208は、1つ以上のプロセッサ202、または、通信経路204に通信可能に結合されている他の構成要素に画像データを提供できる。画像データは、リアルタイムな画像データ、ライブビデオストリームデータなどを含むことができる。例えば、画像データおよび/またはライブビデオストリームデータは、隣接する車線、および、第1高レベル自律車両システム200を有する車両の前方および後方の車両の位置と速度に関するデータを含むことができる。実施形態においては、1つ以上のセンサ208はまた、ナビゲーションサポートも提供できる。つまり、1つ以上のセンサ208により取り込まれたデータは、車両のナビゲーション(例えば、車両102、104、106、108、110、112、114、116、および118のナビゲーション)を支援するために使用できる。
【0032】
実施形態においては、1つ以上のセンサ208は、可視および/または赤外線光を感知するために、可視および/または赤外線スペクトルにおいて動作するように構成されている1つ以上のイメージングセンサを含んでいる。追加的に、ここにおいて記述されている特別な実施形態は、可視および/または赤外線スペクトルにおける光を感知するためのハードウェアに関して記述されているが、他のタイプのセンサも考えられるということは理解されるべきである。例えば、ここにおいて記述されているシステムは、1つ以上のLIDARセンサ、レーダーセンサ、ソナーセンサ、または他のタイプのセンサを含むことができ、そのようなデータは、より完全なリアルタイムな交通画像を創り出すために、ここにおいて記述されているデータ集積体に統合でき、またはそのデータ集積体を補完できる。レーダーのような測距センサは、第1高レベル自律車両システム200の視野のためのおおまかな深度および速度情報を取得するために使用できる。第1高レベル自律車両システム200は、1つ以上のイメージングセンサを使用して、車両の周囲の環境、または車両のある近路内の領域のリアルタイムな画像データ、ライブビデオストリームデータなどを取り込むことができる。1つ以上のプロセッサ202は、高精細三次元マッピングを生成するために、取り込まれたデータを解析できる。
【0033】
動作中は、1つ以上のセンサ208は画像データを取り込み、その画像データを、1つ以上のプロセッサ202、および/または通信経路204に通信可能に結合されている他のシステムに通信で送る。画像データは、1つ以上のプロセッサ202により受信でき、1つ以上のプロセッサ202は、1つ以上の画像処理アルゴリズムを使用して、画像データを処理できる。任意の既知の、またはまだ開発されていないビデオおよび画像処理アルゴリズムを、アイテムまたは状況を識別するために画像データに適用できる。例としてのビデオおよび画像処理アルゴリズムとしては、下記に制限されないが、カーネルベーストラッキング(例えば、平均シフトトラッキングなどのような)および輪郭処理アルゴリズムがある。一般的には、ビデオおよび画像処理アルゴリズムは、画像データの連続または個々のフレームから対象物と動きを検出できる。1つ以上の対象物認識アルゴリズムを、対象物を抽出し、それらの互いの相対的位置を決定するために画像データに適用できる。任意の既知の、または、まだ開発されていない対象物認識アルゴリズムを、画像データから、対象物、または光学的特性および画像さえも抽出するために使用できる。例としての対象物認識アルゴリズムには、下記に制限されないが、スケール不変特徴変換(「SIFT」)、加速ロバスト特徴(「SURF」)、およびエッジ検出アルゴリズムがある。追加的に、1つ以上のセンサ208は、含む。
【0034】
第1高レベル自律車両システム200は、通信経路204が、第1高レベル自律車両システム200の他のモジュールに衛星アンテナ214を通信可能に結合するように通信経路204に結合されている衛星アンテナ214を備えている。衛星アンテナ214は、全地球測位システム衛星から信号を受信するように構成されている。具体的には、1つの実施形態においては、衛星アンテナ214は、全地球測位システム衛星により送信される電磁信号と相互作用する1つ以上の導体要素を含んでいる。受信された信号は、1つ以上のプロセッサ202により、衛星アンテナ214の位置(例えば、緯度と経度)または衛星アンテナ214の近くに位置している対象物を示すデータ信号に変換される。
【0035】
第1高レベル自律車両システム200は、1つ以上の車両センサ212を備えている。1つ以上の車両センサ212のそれぞれは通信経路204に結合され、1つ以上のプロセッサ202に通信可能に結合されている。1つ以上の車両センサ212は、車両の動きおよび車両の動きにおける変化を検出および測定するための1つ以上のモーションセンサを含むことができる。モーションセンサは、慣性測定ユニットを含むことができる。1つ以上のモーションセンサのそれぞれは、1つ以上の加速度計と1つ以上のジャイロスコープを含むことができる。1つ以上のモーションセンサのそれぞれは、車両の感知された物理的動きを、車両の向き、回転、速度、または加速度を示す信号に変換する。追加的に、1つ以上の車両センサ212は、車両の所定の近傍内の種々の音、周囲のノイズなどを検出できるオーディオセンサを含むことができる。
【0036】
更に
図2を参照すると、第1高レベル自律車両システム200は、第1高レベル自律車両システム200を、第2高レベル自律車両システム220、管理サーバ240、および/または低レベル自律車両システム252に通信可能に結合するためのネットワークインタフェースハードウェア216を備えている。ネットワークインタフェースハードウェア216は、通信経路204に通信可能に結合させることができ、ネットワークを介してデータを送信および/または受信できる任意の装置であってよい。従って、ネットワークインタフェースハードウェア216は、任意の有線または無線通信を送る、および/または受信するための通信トランシーバを含むことができる。例えば、ネットワークインタフェースハードウェア216は、データ通信モジュール(DCM)の一部として構成でき、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、モバイル通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、および/または、他のネットワークおよび/または装置との通信のための任意の有線または無線ハードウェアを含むことができる。1つの実施形態においては、ネットワークインタフェースハードウェア216は、ブルートゥース(登録商標)無線通信プロトコルに従って動作するように構成されているハードウェアを含んでいる。第1高レベル自律車両システム200のネットワークインタフェースハードウェア216は、そのデータを管理サーバ240に送信できる。例えば、第1高レベル自律車両システム200のネットワークインタフェースハードウェア216は、取り込まれた画像、ライブビデオストリーム、1つ以上の領域の高精細三次元マッピングなどを、他の車両および/または管理サーバ240に送信できる。
【0037】
第1高レベル自律車両システム200は、直接接続を介して、1台以上の外部車両および/または外部処理装置(例えば、管理サーバ240)と接続できる。直接接続は、ビークルツ-ビークル接続(「V2V」接続)またはビークルツ-エブリシンング接続(「V2X」接続)であってよい。V2VまたはV2X接続は、上記で検討した任意の適切な無線通信プロトコルを使用して確立できる。車両間の接続は、時間に基づく、および/または、位置に基づくセッションを利用できる。実施形態においては、車両間、または車両とインフラ要素との間の接続は、接続するために1つ以上のネットワーク(例えば、無線ネットワーク250)を利用でき、それは車両間、または車両とインフラとの間の直接接続(V2VまたはV2Xなどのような)の代わりであってよく、またはそれに加えることができる。非制限的な例として、車両は、メッシュネットワークを形成するためにインフラノードとして機能でき、場当たり的に動的に接続できる。このように、車両は、メッシュネットワークが時間の経過と共に、自己構成でき、自己修正できるように、ネットワークに自由に出入りできる。他の非制限的なネットワークの例は、他の車両とピアツーピアネットワークを形成する車両、または、ある車両および/またはインフラ要素に依存する集中型ネットワークを利用する他の車両を含んでいる。更に他の例は、車両間の情報を格納、および/または中継するために、集中型サーバと他の中央演算装置を使用するネットワークを含んでいる。
【0038】
更に
図2を参照すると、第1高レベル自律車両システム200は、無線ネットワーク250により管理サーバ240に通信可能に結合できる。1つの実施形態においては、無線ネットワーク250は、1つ以上のコンピュータネットワーク(例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、またはワイドエリアネットワーク)、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、および/または全地球測位システム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。従って、第1高レベル自律車両システム200は、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、パーソナルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワークなどを介して、無線ネットワーク250に通信可能に結合できる。適切なローカルエリアネットワークは、有線イーサネット(登録商標)および/または、例えば、ワイヤレスフィディティ(Wi-Fi)などのような無線技術を含むことができる。適切なパーソナルエリアネットワークは、例えば、IrDA、ブルートゥース(登録商標)、ワイヤレスUSB、Z-Wave、ZigBee、および/または他の近距離通信プロトコルなどのような無線技術を含むことができる。適切なセルラーネットワークは、下記に制限されないが、LTE、WiMAX、UMTS、CDMA、およびGSM(登録商標)などの技術を含むことができる。
【0039】
更に
図2を参照すると、管理サーバ240は、1つ以上のプロセッサ242、1つ以上のメモリモジュール246、ネットワークインタフェースハードウェア248、および通信経路244を含んでいる。1つ以上のプロセッサ242は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または任意の他の演算装置であってよい。1つ以上のメモリモジュール246は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または、機械読取り可能および実行可能命令が、1つ以上のプロセッサ242によりアクセスできるように、機械読取り可能および実行可能命令を格納できる任意の装置を備えることができる。通信経路244は、幾つかの実施形態における通信経路204と類似してよい。
【0040】
更に
図2を参照すると、第2高レベル自律車両システム220は、1つ以上のプロセッサ222、1つ以上のメモリモジュール226、1つ以上のセンサ228、1つ以上の車両センサ232、衛星アンテナ234、ネットワークインタフェースハードウェア236、および、第2高レベル自律車両システム220の他の構成要素に通信可能に接続されている通信経路224を含んでいる。第2高レベル自律車両システム220の構成要素は、第1高レベル自律車両システム200の対応する構成要素と構造的に類似してよく、それらの対応する構成要素としての類似の機能を有することができる(例えば、1つ以上のプロセッサ222は1つ以上のプロセッサ202に対応し、1つ以上のメモリモジュール226は1つ以上のメモリモジュール206に対応し、1つ以上のセンサ228は1つ以上のセンサ208に対応し、1つ以上の車両センサ232は1つ以上の車両センサ212に対応し、衛星アンテナ234は衛星アンテナ214に対応し、ネットワークインタフェースハードウェア236はネットワークインタフェースハードウェア216に対応し、そして通信経路224は通信経路204に対応している)。
【0041】
更に
図2を参照すると、低レベル自律車両システム252は、1つ以上のプロセッサ254、1つ以上のメモリモジュール256、1つ以上の車両センサ262、衛星アンテナ264、ネットワークインタフェースハードウェア258、および、低レベル自律車両システム252の他の構成要素に通信可能に接続されている通信経路260を含んでいる。低レベル自律車両システムの構成要素は、第1および第2高レベル自律車両システム200および220の対応する構成要素と構造的類似性を共有し、それらの構成要素としての幾つかの類似の機能を有しているが、幾つかの基本的な違いを有しているということに言及しておく。
【0042】
特に、低レベル自律車両システム252は、例えば、リアルタイムで画像を、またはライブビデオストリームを取り込み、領域の高精細三次元マッピングを生成するなどの能力および/または機能を有するセンサを有していなくてもよい。その代わり、低レベル自律車両システム252は、車両の動き、および車両の動きにおける変化を検出および測定するための1つ以上のモーションセンサを含んでいる1つ以上の車両センサ262を単に有することができる。モーションセンサは、慣性測定ユニットを含むことができる。追加的または代替的に、1つ以上の車両センサは、1つ以上の加速度計と1つ以上のジャイロスコープを含むことができる。1つ以上のモーションセンサのそれぞれは、車両の感知された物理的動きを、車両の向き、回転、速度、または加速度を示す信号に変換できる。
【0043】
実施形態においては、低レベル自律車両システム252のネットワークインタフェースハードウェア258は、第1高レベル自律車両システム200、第2高レベル自律車両システム220、および/または管理サーバ240からデータを、低レベル自律車両システム252の構成要素に対応するフォーマットで受信できる。実施形態においては、ネットワークインタフェースハードウェア258は、例えば、交通状況に関するデータを、低レベル自律車両システム252の構成要素がアクセスでき、その構成要素に対応しているオーディオフォーマット(例えば、オーディオファイル)またはテキストメッセージで受信できる。
【0044】
実施形態においては、ネットワークインタフェースハードウェア258により受信されたオーディオファイルは、通信経路260を介して1つ以上のプロセッサ254に転送できる。そして、1つ以上のプロセッサ254は、オーディオファイルの内容を、低レベル自律車両システム252が設置されている車両の1つ以上のスピーカ(示されていない)を介して出力できるように、オーディオファイルを処理できる。代替的または追加的に、ネットワークにより受信されたテキストメッセージは、通信経路260を介して1つ以上のプロセッサ254に転送できる。そして、1つ以上のプロセッサ254は、メッセージを車両のユーザインタフェース上に表示できるように、テキストメッセージを処理できる。
【0045】
1つ以上のプロセッサ254の動作は1つ以上のプロセッサ202に対応し、1つ以上のメモリモジュール256は1つ以上のメモリモジュール206に対応し、衛星アンテナ264は衛星アンテナ214に対応し、1つ以上の車両センサ262は1つ以上の車両センサ212に対応し、ネットワークインタフェースハードウェア258はネットワークインタフェースハードウェア216に対応し、そして通信経路260は通信経路204に対応している。
【0046】
図3は、ここにおいて示され、および記述される1つ以上の実施形態に係る、種々の車両のデータアクセス能力を向上するためのフローチャート300を示している。
図4Aと4Bの検討には、
図3の検討がところどころに取り込まれている。
【0047】
ステップ310において、第1高レベル自律車両システム200は、第1フォーマットのデータを取得できる。実施形態においては、
図2と4Aを参照すると、第1車両400に設置されている第1高レベル自律車両システム200は、1台以上のカメラを使用して、第1車両を取り囲む環境、例えば、車両の所定の半径のライブビデオストリームおよび/またはオーディオストリームを取り込むことができる。例えば、第1車両400は、隣接する車線の車両、この車両の後方および前方の車両などの画像を含むライブストリームをリアルタイムで取り込むことができる。実施形態においては、第1車両400におけるシステムは、第1車両を取り囲む環境の人間(例えば、歩行者)、動物、工事中に使用される障壁、緊急時道路キットなどを検出するために、カメラ、モーションセンサ、および/またはオーディオセンサを利用できる。実施形態においては、第1車両400におけるシステムはまた、車両が市内を走行するときの種々の注目地点、例えば、劇場、モール、駐車場、レストランなどに関するデータを取り込むためにもカメラを利用できる。このデータは、取り込まれた後に、特別なフォーマットで格納できる。実施形態においては、第1車両400は、高いレベルの自律性を有する車両である。言い換えれば、第1車両400は、リアルタイムな画像およびライブビデオストリームを取り込むために使用される高精細カメラ、歩行者および動物の動きをリアルタイムで取り込むモーションセンサおよびオーディオセンサ、交通信号灯と通信できるセンサ、および、これらの車両が、例えば、無線ネットワーク250を介して他の車両および管理サーバと通信し、およびそれらとデータを共有することを可能にするハードウェアとソフトウェアの組み合わせなどのような多数の機能を有する車両である。
【0048】
図3に戻って参照すると、ステップ320において、第1車両400におけるシステムは、
図2において示されているように、低レベル自律車両システム252が設置されている低いレベルの自律性を有する車両であってよい第2車両402からクエリを受信できる。第1車両400により受信されるクエリは、第2車両402からある距離離れた、例えば、所定の時間枠内の交通状況に関するクエリであってよい。実施形態においては、第1車両400は、自身がクエリに適切なデータを有しているということを、例えば、第1車両400に含まれるセンサの1つ以上を介して取得されたデータに基づいて決定できる。代替的に、第1車両400は、自身がクエリに対する解答を有していないと決定でき、そのため、第2車両402から受信したクエリを、追加的データを収集するために、他の車両および/または管理サーバ240に送信できる。
【0049】
例えば、
図4Aにおいて示されているように、第1車両400は第2車両402から、無線ネットワーク250を介して、第2車両402からある距離離れている交通状況(例えば、道路上の障害物、交通渋滞、事故、遅延など)について問い合わせるクエリを受信できる。第1車両400は、メモリに格納されているデータにアクセスし、受信したクエリに対する解答を決定するためにこのデータを検索することができる。実施形態においては、第1車両400は、自身は受信したクエリに対する解答を有していないと決定でき、そのため、そのクエリ(または、受信したクエリのあるバージョン)を、第3、第4、および第5車両404、406、および408、および/または管理サーバ240に送信できる。車両404、406、および408のそれぞれは、第1車両400と同等のセンサと機能を有する、高いレベルの自律性を有する車両であってよい。
【0050】
実施形態においては、
図4Aにおいて示されているように、第3車両404は第1車両400から、交通状況についての、つまり、第2車両402からある距離離れている領域における、および/または、第2車両402から更に遠くの地理的領域における交通状況について問い合わせるクエリを受信できる。第3車両404は、メモリに(局所的に、またはクラウドに)格納されているデータを検索し、クエリに対する応答、例えば、
図4Aにおいて示されているような第1応答412を第1車両400に送信することができる。代替的または追加的に、第3車両404は、交通状況を決定するために、1つ以上の追加的車両にクエリを送信できる。第3車両404により提供される応答(「第1応答412」)は、領域の高精細三次元マッピング、領域のライブビデオストリーム、領域の画像、テキスト応答またはオーディオ応答(例えば、「情報を入手できません」、「前方に交通はありません」、「前方に交通渋滞があります」、「前方に道路上の障害物があります」、「事故により遅延が起きています」など)、または、これらの応答の1つ以上の組み合わせであってよい。実施形態においては、第3車両404は、第3車両404の、第2車両402が問い合わせている領域への近接度、第3車両404が、他の車両から情報を収集し、データベースを検索するなどに掛る時間に応じて、リアルタイムで、または、所定の時間枠内で応答を提供できる。
【0051】
第1車両400はまた、第2車両402から受信したクエリを、第4および第5車両406および408と、管理サーバ240にも送信できる。第3車両404と同様に、第4および第5車両406および408と、管理サーバ240は、種々のデータベース(局所的またはクラウドにおける)に格納されているデータを検索し、交通データを取得するための、他の車両および/または管理サーバ240と通信することができる。そして、第4および第5車両406および408と、管理サーバ240により受信された応答は、第1車両400に送信される。実施形態においては、これらの応答は、高精細三次元マッピング、ライブビデオストリームまたは画像、テキストおよび/またはオーディオ応答(例えば、「はい」、「いいえ」、「前方に交通はありません」、「前方に交通渋滞があります」、「前方に道路上の障害物があります」、「事故により遅延が起きています」など)であってよい。
【0052】
実施形態においては、第1車両400は、車両404、406、および408と、管理サーバ240のそれぞれから受信した応答を解析し、クエリに対する最も正確な応答は、第2車両402にから受信したものであると決定することができる。
図4Aにおいて示されているように、最も適切であり正確な応答は、第3車両404から受信した第1応答412であってよい。車両406および408と、管理サーバ240それぞれから受信した第2、第3、および第4応答414、416、および418は、古いデータ、不正確なデータ、エラーを含むデータ、または、適切な交通情報を入手できないことを示すデータであることがあり得る。
【0053】
実施形態においては、
図4Bにおいて示されているように、第2車両402は、複数のクエリを第1車両400に送信できる。例えば、第2車両402は、野球スタジアムの近くで駐車が可能かどうかに関する第2クエリ422と、例えば、スタジアムのチケットカウンタの営業時間に関する第3クエリを送信できる。これら両者のクエリは、第2車両402から第1車両400に同時に、または連続して送信できる。実施形態においては、第1車両400は、自身はこれらのクエリに適切なデータを有していないと決定し、そのため、これらのクエリに関するデータを取得するために、これらのクエリを他の車両に送信できる。
【0054】
図4Bにおいて示されているように、第1車両400は、第2および第3クエリを、車両404、406、および408と、管理サーバ240に送信し、複数の応答を受信することができる。例えば、第2クエリ422に応答して、第3車両404は、複数の利用可能な駐車場を示している、スタジアムに隣接する駐車場のリアルタイムな画像またはライブビデオストリーム(第5応答426)を送信できる。加えて、第4車両406は、スタジアムの入口に隣接する通り上の複数の利用可能な駐車場の画像(第6応答428)を送信できる。第1車両400は、車両404および406からの応答は正確であり適切であると決定できる。管理サーバ240は、スタジアムの近くの駐車場と通りは工事中であるということを示す古いデータを送信する可能性があり、一方、第5車両408は、車両はスタジアムの極近傍ではなく、そのため、第2クエリ422に適切なデータを有していないということを示すデータを送信できる。第1車両400は、車両408と管理サーバ250から受信した第2クエリ422に対する応答は不正確であると決定できる。
【0055】
更に、第3クエリ424に応答して、管理サーバ240は、チケットカウンタの営業時間を示す画像を送信できる。実施形態においては、車両404、406、および408は、このクエリに対する応答を送信しなくてもよく、または、チケットカウンタの営業時間に関する適切なデータ有していないことを示す応答を送信できる。
【0056】
図3に戻って参照すると、ステップ330において、第1車両400は、特別なフォーマット(例えば、第1フォーマット)で受信したデータを、第2フォーマットのデータに変換できる。第1車両400により、第1フォーマットから第2フォーマットにデータを変換する方法は、
図4Aと4Bにおいて示されている例としての実施形態に関して記述されている。
【0057】
図4Aにおいて示されている例を参照すると、第1車両400は、車両404、406、および408と、管理サーバ240それぞれから、第1、第2、第3、および第4応答412、414、416、および418を受信できる。これらの応答は、例えば、領域の高精細三次元マッピング、領域のライブビデオストリーム、領域の画像、テキスト応答またはオーディオ応答などであってよい。実施形態においては、第1車両400は、これらの応答の1つ(例えば、第1応答412)のみが適切な応答であると決定できる。第1車両400は、第3車両404から受信した第1応答412が、第2車両402からある距離離れている交通状況に関する最も正確なデータを提供すると決定できる。しかし、この応答は、第2車両402は、低いレベルの自律性を有している車両である可能性があるので、第2車両402のセンサと機能に対応していない、または、それらがアクセスできない、画像またはライブビデオストリームのフォーマットである可能性がある。そのため、第1車両400は、第1応答412に含まれているデータを、第2車両402の能力と機能に基づく特別なフォーマットに変換する。例えば、第1車両400は、第1応答に含まれているデータを、変換されたデータが、例えば、「2マイルの交通渋滞があります」または「事故による2マイルの遅延があります」を明確に示すことができるように、テキストまたはオーディオフォーマットに変換できる。
【0058】
図4Bにおいて示されている例を参照すると、前述したように、第1車両400は、野球スタジアムの近くの駐車の可能性と、スタジアムにおけるチケットカウンタの営業時間に関する第2および第3クエリに対する複数の応答を受信できる。第1車両400は、第3車両404から受信した応答(第5応答426)と、車両406から受信した応答(第6応答428)が、野球スタジアムの近くの駐車の可能性に関する適切なデータを含んでいると決定できる。そのため、第1車両400は、これらの応答を、第2車両402への送信のために組み合わせる、または連結できる。更に、第1車両400は、第2車両402が低レベルの自律性を有する車両なので、第5および第6応答426および428に含まれているデータを、異なるフォーマット、例えば、第2車両402に含まれているセンサ(および他の構成要素)の能力と機能によりアクセス可能で、それらに対応しているフォーマットに変換しなければならないと決定できる。
【0059】
例えば、駐車の可能性に関する第2クエリ422に関して、第1車両400は、スタジアムの外側の駐車場と道路のライブビデオストリームにおける利用可能な駐車スペースに関するデータをオーディオまたはテキストに変換できる。第1車両400は、車両404および406から受信した第5および第6応答426および428を、オーディオまたはメッセージ、例えば、「駐車は、スタジアムの南東地区の駐車場で可能です」と「駐車は、スミス通りの北東地区において可能です」に変換できる。
【0060】
他の例においては、チケットカウンタの営業時間に関する第3クエリに関して、管理サーバ240は、チケットカウンタの営業時間を示す画像(第7応答430)を送信できる。第1車両400は、第2車両402が低レベルの自律性の車両であるので、営業時間を示す画像(第7応答430)を、第2フォーマット、例えば、テキストまたはオーディオフォーマットに変換しなければならないと決定できる。そのため、第1車両400は、画像に含まれているデータを抽出し、それをテキストまたはオーディオ、例えば、「チケットカウンタは午前8時30分から午後9時まで開いています」に変換することができる。実施形態においては、第1車両400は、第5車両408から何の応答も受信しなくてもよい。
【0061】
図3に戻って参照すると、ステップ340において、第1車両400は、第2車両402により送信された報酬と引き換えに、第1フォーマットから第2フォーマットに変換されたデータを第2車両402に送信できる。
【0062】
図4Aを参照すると、例えば、最も正確であると決定された変換された応答(第3車両404から受信した第1応答であり、第2車両402からある距離離れた交通状況のライブストリーム)を、第2車両402に送信できる。例えば、第1車両400は、応答をオーディオファイルとして第2車両402に送信できる。受信すると、第2車両402は、車両における乗車人が聞くことができるように、そのオーディオファイルを再生するために自身のスピーカを利用できる。実施形態においては、車両における乗車人は、「2マイルの交通渋滞があります」または「事故による2マイルの遅延があります」を聞くことができる。
図5Aと5Bで詳細に示されているが、変換された応答420は、第2車両402により送信された報酬と引き換えに、第2車両402に送信されるということに言及しておく。
【0063】
図4Bを参照すると、例えば、第1車両400は、スタジアムの近くの駐車の可能性に関するクエリ(第2クエリ422)に応答して受信された第5および第6応答426および428は正確であると決定できる。そのため、第1車両400は、これらの応答を連結または組み合わせ、それらをオーディオフォーマット(例えば、オーディオファイル)に変換し、オーディオファイルを第2車両402に送信することができる。受信すると、第2車両402は、車両における乗車人が聞くことができるように、そのオーディオファイルを再生するために自身のスピーカを利用できる。実施形態においては、車両における乗車人は、「駐車は、スタジアムの南東地区の駐車場で可能です」と「駐車は、スミス通りの北東地区において可能です」を聞くことができる。
図4Bを参照すると、第1車両400は、管理サーバ240から受信した第7応答430は正確であると決定できる。そのため、第1車両400はこの応答を、第1フォーマットから第2フォーマットに変換し、例えば、画像ファイルにおけるデータをオーディオファイルに変換し、オーディオファイルを第2車両402に送信することができる。受信すると、第2車両402は、車両の乗車人が聞くことができるように、そのオーディオファイルを再生するために自身のスピーカを利用でき、例えば、乗車人は「チケットカウンタは午前8時30分から午後9時まで開いています」を聞くことができる。
【0064】
第1車両400から受信したデータと引き換えに第2車両402により送信される報酬のタイプと種類は、
図5Aと5Bにおいて詳細に記述される。
【0065】
図5Aにおいて示されているように、第2車両402は、第1車両400から受信したデータと引き換えに、従来の通貨を使用して行われる支払の形式の報酬、例えば、月額サブスクリプション支払(例えば、20ドル)を、管理サーバ240と関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信できる。代替的または追加的に、
図5Bにおいて示されているように、第2車両402は、具体的にはクエリに関するデータに対して、第1車両400に直接支払を送信できる。例えば、第2車両402は、交通状況に関するデータと引き換えに3.50ドルの支払を、そして、スタジアムの近くの駐車の可能性に関するデータに対して、1.0ドルの支払を送信できる。報酬は、例えば、ビットコイン、ライトコイン、イーサリアムなどの暗号通貨を使用して行われる支払いも含むことができるということに更に言及しておく。代替的または追加的に、報酬は、第1車両400からのデータと引き換えに、第2車両402から第1車両400に送信されるデータであってよい。代替的または追加的に、報酬は、第1車両400から第2車両402に受信されたデータと引き換えに、第2車両402から管理サーバ240に送信されるデータであってよい。代替的または追加的に、報酬は、管理サーバ240から受信できるデータと引き換えに、第2車両402から管理サーバ240に送信されるデータであってよい。
【0066】
ここにおいて記述されている実施形態は、種々の車両を追尾し、それらと通信するためのシステムと方法に向けられているということは理解されるべきである。本システムは、近くの車両をリアルタイムで監視するために設置されているセンサ(例えば、カメラ、GPS装置、レーダーセンサ、ライダーセンサなど)を利用する。車両に設置されているカメラにより取り込まれた画像から抽出された車両特徴情報。これらの画像は、例えば、無線ネットワークを介してこれらの車両間で共有できる。加えて、所定の近傍内の車両の運転パターンは、種々の車両により監視できる。
【0067】
本開示によれば、種々の車両の能力と機能が向上され、それは、より高いレベルの自律性を有する車両が、より低い自律性を有する車両および他の同様な車両と、広大な地理的領域全体にわたる交通状況、ナビゲーション、および注目地点についてのデータをリアルタイムで共有することを可能にする。具体的には、データを共有することは、高いレベルの自律性を有する車両が、低いレベルの自律性を有する車両がアクセスでき、それに対応するフォーマットにデータを変換することを含んでいる。従って、リアルタイムなデータ、リアルタイムなビデオストリームなどを取り込み、または種々の地理的領域の高精細マッピングを生成する能力を有することができない低いレベルの自律性を有する車両であっても、データのあるバージョン、およびデータにおける内容にリアルタイムでアクセスできる。
【0068】
「ほぼ」および「約」という用語は、ここにおいては、任意の量的比較、値、測定、または他の表現に起因させることができる不確定性の固有の程度を表わすために利用できるということに言及しておく。これらの用語はまた、ここにおいては、検討されている主題の基本的機能における変化という結果になることなく、量的表現が、明確に示された基準から変わり得る程度を表わすためにも利用できる。
【0069】
ここにおいては、特別な実施形態が例示され、および記述されてきたが、種々の他の変更および修正が、主張される主題の精神および範囲から逸脱することなく行うことができるということは理解されるべきである。更に、ここにおいては、主張される主題の種々の態様を記述してきたが、そのような態様は、組み合わせて利用する必要はない。従って、付随する請求項は、主張される主題の範囲内であるすべてのそのような変更および修正をカバーすることが意図されている。
【0070】
〔例1〕
車両間のデータアクセス能力を向上するためのシステムであって、
第1レベルの自律性を有し、第1コントローラと、センサの第1セットを備えている第1車両であって、第1コントローラは、
センサの第1セットを使用してデータを取得し、
第2車両から該データに対する要求を受信し、
第2車両により送信された報酬と引き換えに、該データを第2車両に送信するように構成されている第1車両と、
第2レベルの自律性を有し、第2コントローラと、センサの第2セットを備えている第2車両であって、第2レベルの自律性は、第1レベルの自律性よりも低い第2車両と、
を備えている。
〔例2〕
例1のシステムであって、第1車両と第2車両は、分散型ネットワークの第1ノードと第2ノードそれぞれとして機能する。
〔例3〕
例1のシステムであって、報酬は、
第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信されたデジタル通貨の形式における支払と、
第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信された追加的データの形式における支払と、
第2車両により第1車両に送信された追加的データの形式における支払と、
の少なくとも1つを含んでいる。
〔例4〕
例1のシステムであって、
センサの第1セットは、カメラ、イメージセンサ、モーションセンサ、オーディオセンサ、加速度計、およびジャイロスコープの1つ以上を含み、
センサの第2セットは、モーションセンサ、オーディオセンサ、加速度計、およびジャイロスコープの1つ以上を含んでいる。
〔例5〕
例1のシステムであって、第1コントローラは更に、
データを第2車両に送信する前に、データを第1フォーマットから第2フォーマットに変換するように構成されており、第2フォーマットのデータは、第2レベルの自律性を有する第2車両に対応している。
〔例6〕
例1のシステムであって、第1コントローラは、機能のセットを実現するように構成されており、機能のセットの1つ以上は、第2コントローラには利用可能でない。
〔例7〕
例6のシステムであって、
機能のセットは、
データを読みおよび書くことと、
データを格納することと、
第1車両を取り囲む環境のリアルタイムなオーディオデータを取り込むことと、
第1車両を取り囲む環境のリアルタイムなモーションデータを取り込むことと、
第1車両を取り囲む環境のリアルタイムなビデオデータを取り込むことと、
を含んでいる。
〔例8〕
例1のシステムであって、第1コントローラは更に、
第2車両から追加的要求を受信し、
該追加的要求を少なくとも第3車両に送信し、
第3車両から、該追加的要求に応答して追加的データを受信し、
変換された追加的データが、第2レベルの自律性を有する第2車両に対応するように、該追加的データを、第1フォーマットから第2フォーマットに変換し、
該変換された追加的データを第2車両に送信するように構成されている。
〔例9〕
第1レベルの自律性を有する車両であって、
センサの第1セットを備え、
コントローラは、
第1フォーマットのデータを取得し、
第2レベルの自律性を有する第2車両から要求を受信し、
該データを第1フォーマットから、第2レベルの自律性に基づく第2フォーマットに変換し、
第2フォーマットのデータを第2車両に送信するように構成されており、第2フォーマットのデータは、第2レベルの自律性を有する第2車両に対応し、第2レベルの自律性は、第1レベルの自律性よりも低い。
〔例10〕
例9の車両であって、コントローラは、第2車両により送信された報酬と引き換えに、第2車両に第2フォーマットのデータを送信する。
〔例11〕
例10の車両であって、報酬は、
第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信されたデジタル通貨の形式における支払と、
第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信された追加的データの形式における支払と、
第2車両により車両に送信された追加的データの形式における支払と、
の少なくとも1つを含んでいる。
〔例12〕
例9の車両であって、コントローラは、
データを読みおよび書き、
データを格納し、
車両を取り囲む環境のリアルタイムなオーディオデータを取り込み、
車両を取り囲む環境のリアルタイムなモーションデータを取り込み、
車両を取り囲む環境のリアルタイムなビデオデータを取り込むように構成されている。
〔例13〕
例9の車両であって、コントローラは更に、
第2車両から追加的要求を受信し、
該追加的要求を少なくとも第3車両に送信し、
第3車両から、該追加的要求に応答して追加的データを受信し、
変換された追加的データが、第2レベルの自律性を有する第2車両に対応するように、該追加的データを、第1フォーマットから第2フォーマットに変換し、
該第2フォーマットに変換された追加的データを第2車両に送信するように構成されている。
〔例14〕
例9の車両であって、コントローラは更に、
第2車両から追加的データに対する追加的要求を受信し、
該追加的要求を、第3車両および第4車両に送信し、
第3車両から、該追加的要求に応答して該追加的データの一部分を受信し、
第4車両から、該追加的要求に応答して該追加的データの異なる部分を受信し、
該部分と、該異なる部分を組み合わせ、
該組み合わされた部分と異なる部分を、第1フォーマットから第2フォーマットに変換し、
第2車両に、変換され、組み合わされた部分と異なる部分を送信するように構成されている。
〔例15〕
車両のデータアクセス能力を向上するための方法であって、
第1レベルの自律性を有する第1車両により、第1フォーマットのデータを取得することと、
第2レベルの自律性を有する第2車両から、該データに対する要求を受信することと、
該データを、第1フォーマットから、第2レベルの自律性に基づく第2フォーマットに変換することと、
第2車両により送信された報酬と引き換えに、第2車両に該第2フォーマットのデータを送信することと、
を有し、
該第2フォーマットのデータは第2レベルの自律性に対応し、第2レベルの自律性は、第1レベルの自律性よりも低い。
〔例16〕
例15の方法であって、第1車両と第2車両のそれぞれは、分散型ネットワークの第1ノードと第2ノードそれぞれである。
〔例17〕
例15の方法であって、報酬は、
第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信されたデジタル通貨の形式における支払と、
第2車両により、管理サーバと関連付けられているネットワークサブスクリプションサービスに送信された追加的データの形式における支払と、
第2車両により第1車両に送信された追加的データの形式における支払と、
の少なくとも1つを含んでいる。
〔例18〕
例15の方法であって、
第1車両は、カメラ、イメージセンサ、モーションセンサ、オーディオセンサ、加速度計、およびジャイロスコープの1つ以上を含むセンサの第1セットを含んでおり、
第2車両は、モーションセンサ、オーディオセンサ、加速度計、およびジャイロスコープの1つ以上を含むセンサの第2セットを含んでいる。
〔例19〕
例15の方法であって、更に、
第2車両から追加的要求を受信することと、
該追加的要求を少なくとも第3車両に送信することと、
第3車両から、該追加的要求に応答して追加的データを受信することと、
変換された追加的データが、第2レベルの自律性を有する第2車両に対応するように、該追加的データを、第1フォーマットから第2フォーマットに変換することと、
その変換された追加的データを第2車両に送信することと、
を有している。
〔例20〕
例15の方法であって、第2レベルの自律性は、第1レベルの自律性よりも低い。
【外国語明細書】