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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019668
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】シートリクライナー
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/225 20060101AFI20220120BHJP
   A47C 1/025 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
B60N2/225
A47C1/025
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117293
(22)【出願日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0088750
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520181434
【氏名又は名称】ヒュンダイ トランシス インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI TRANSYS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】105, Sindang 1-ro, Seongyeon-myeon, Seosan-si, Chungcheongnam-do 31930, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】チャング, セウング フン
【テーマコード(参考)】
3B087
3B099
【Fターム(参考)】
3B087BD03
3B099CA20
3B099CA22
(57)【要約】
【課題】シートリクライナーを提供する。
【解決手段】本発明のシートリクライナーは、内側面に沿って第1内歯が形成された第1フランジと、第1フランジの内部に挿入され、外側面に沿って、第1内歯と噛合される第1外歯が形成され、第1外歯よりも高さ方向にオフセットされた地点に第2外歯が形成されたギヤプレートと、第1フランジに結合して第1フランジの内部をカバーリングし、内側面に沿って、第2外歯と噛合される第2内歯が形成された第2フランジと、ギヤプレートの中央部に位置してギヤプレートを一側に加圧することにより、ギヤプレートが第1フランジ及びフランジに対して偏心し、第1外歯及び第2外歯が一側で第1内歯及び第2内歯と噛合されるようにする偏心カム機構と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面に沿って第1内歯が形成された第1フランジと、
前記第1フランジの内部に挿入され、外側面に沿って、前記第1内歯と噛合される第1外歯が形成され、前記第1外歯よりも高さ方向にオフセットされた地点に第2外歯が形成されたギヤプレートと、
前記第1フランジに結合して前記第1フランジの内部をカバーリングし、内側面に沿って、前記第2外歯と噛合される第2内歯が形成された第2フランジと、
前記ギヤプレートの中央部に位置して前記ギヤプレートを一側に加圧することにより、前記ギヤプレートが前記第1フランジ及び前記第2フランジに対して偏心し、前記第1外歯及び前記第2外歯が一側で前記第1内歯及び前記第2内歯と噛合されるようにする偏心カム機構と、を含み、
前記第1外歯と前記第1内歯、又は前記第2外歯と前記第2内歯は互いに傾斜するように噛合されることにより、前記ギヤプレートと前記第1フランジとの間又は前記ギヤプレートと前記第2フランジとの間の遊びが除去されることを特徴とする、シートリクライナー。
【請求項2】
前記第1外歯と前記第1内歯の噛合される面は傾斜面をなし、前記傾斜面は外側に向かって上昇する方向に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のシートリクライナー。
【請求項3】
前記第2外歯と前記第2内歯の噛合される面は垂直面をなし、前記第1外歯が前記第1内歯を加圧して前記ギヤプレートが傾斜面に沿って外側及び上方にスライドされ、前記第2外歯と前記第2内歯との間の遊びが除去されることを特徴とする、請求項2に記載のシートリクライナー。
【請求項4】
前記ギヤプレートの前記第1外歯が形成された地点の上端は、前記第2フランジの下端に対向して一定間隔離隔し、前記ギヤプレートが前記傾斜面に沿って外側及び上方にスライドされる場合、前記第1外歯が形成された地点の上端は、前記第2フランジの下端に支持されることを特徴とする、請求項2に記載のシートリクライナー。
【請求項5】
前記第2フランジの下端縁は、前記第1フランジの前記第1内歯が形成された地点の上端に支持されることを特徴とする、請求項2に記載のシートリクライナー。
【請求項6】
前記第2外歯が前記第1外歯と同心をなし、前記第2外歯のピッチ円径が前記第1外歯のピッチ円径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のシートリクライナー。
【請求項7】
前記第2内歯が前記第1内歯と同心をなし、前記第2内歯のピッチ円径が前記第1内歯のピッチ円径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のシートリクライナー。
【請求項8】
前記第1外歯のピッチ円径が前記第1内歯のピッチ円径よりも小さく、前記第2外歯のピッチ円径が前記第2内歯のピッチ円径よりも小さく形成されることにより、前記ギヤプレートが前記第1フランジと前記第2フランジに一側に偏心した状態で噛合されることを特徴とする、請求項1に記載のシートリクライナー。
【請求項9】
前記ギヤプレートに回転力が印加された場合、前記ギヤプレートは、自転及び公転を行い、前記第1フランジ又は前記第2フランジを自転させることを特徴とする、請求項1に記載のシートリクライナー。
【請求項10】
前記第1フランジ又は前記第2フランジのうち、いずれか一つは固定されて回転が起こらず、他の一つは前記ギヤプレートによって自転することを特徴とする、請求項9に記載のシートリクライナー。
【請求項11】
前記第2フランジの側壁が前記第1フランジの側壁の内部に挿入されて嵌合され、前記第1フランジと前記第2フランジとが接する地点の外側にリテーナーが結合したことを特徴とする、請求項1に記載のシートリクライナー。
【請求項12】
前記第1フランジと前記第2フランジとが接する地点の上端には固定溝が形成され、前記リテーナーは前記固定溝に挿入されたことを特徴とする、請求項11に記載のシートリクライナー。
【請求項13】
前記リテーナーは外側端が前記第1フランジと固定され、前記第2フランジは前記リテーナーに支持されて前記第1フランジの外側への離脱が阻止されることを特徴とする、請求項11に記載のシートリクライナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートリクライニングの作動時に振動が発生する問題を解決し、シート角度の精密かつ安定的な制御が可能であり、従来のリクライナーに比べて高強度を実現することができるようにするシートリクライナーに関する。
【背景技術】
【0002】
シートリクライナーは、車両などのシートに装着され、シートクッションを基準にシートバックの角度を調整し且つ特定の角度で止める機能を実現することに使用される。
【0003】
このようなシートリクライナーは、シートクッションに第1フランジが固定され、シートバックに第2フランジが固定され、このような組み合わせは、互いに順序が入れ替わっても関係ない。第1フランジと第2フランジとの間にはギヤプレートが位置し、ギヤプレートは偏心的に第1フランジ又は第2フランジに噛合されて減速を実現する。
【0004】
この過程で、ギヤプレートは、入力された回転力を介して自転を行い、ギヤプレートに偏心的に噛合された第1フランジ又は第2フランジがサイクロイドタイプの回転を成して減速された形でシートバックの角度が調節される。
【0005】
しかし、ギヤプレートとフランジとは偏心的に噛合されてサイクロイド運動が起こりながら、シートバックの角度調整の際に微細な振動が発生しており、これに対する解決が求められる状況である。
【0006】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進するためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け止められてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許第10-1284116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、シートリクライニングの作動時に振動が発生する問題を解決し、シート角度の精密かつ安定的な制御が可能であり、従来のリクライナーに比べて高強度を実現することができるようにするシートリクライナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明によるシートリクライナーは、内側面に沿って第1内歯が形成された第1フランジと、第1フランジの内部に挿入され、外側面に沿って、第1内歯と噛合される第1外歯が形成され、第1外歯よりも高さ方向にオフセットされた地点に第2外歯が形成されたギヤプレートと、第1フランジに結合して第1フランジの内部をカバーリングし、内側面に沿って、第2外歯と噛合される第2内歯が形成された第2フランジと、ギヤプレートの中央部に位置してギヤプレートを一側に加圧することにより、ギヤプレートが第1フランジ及び第2フランジに対して偏心し、第1外歯及び第2外歯が一側で第1内歯及び第2内歯と噛合されるようにする偏心カム機構と、を含み、第1外歯と第1内歯、又は第2外歯と第2内歯は互いに傾斜するように噛合されることにより、ギヤプレートと第1フランジとの間又はギヤプレートと第2フランジとの間の遊びが除去されることができる。
【0010】
第1外歯と第1内歯の噛合される面は傾斜面をなし、傾斜面は外側に向かって上昇する方向に形成される。
【0011】
第2外歯と第2内歯の噛合される面は垂直面をなし、第1外歯が第1内歯を加圧してギヤプレートが傾斜面に沿って外側及び上方にスライドされ、第2外歯と第2内歯との間の遊びが除去される。
【0012】
ギヤプレートの第1外歯が形成された地点の上端は、第2フランジの下端に対向して一定間隔離隔し、ギヤプレートが傾斜面に沿って外側及び上方にスライドされる場合、第1外歯が形成された地点の上端は、第2フランジの下端に支持される。
【0013】
第2フランジの下端縁は、第1フランジの第1内歯が形成された地点の上端に支持される。
【0014】
第2外歯が第1外歯と同心をなし、第2外歯のピッチ円径が第1外歯のピッチ円径よりも小さい。
【0015】
第2内歯が第1内歯と同心をなし、第2内歯のピッチ円径が第1内歯のピッチ円径よりも小さい。
【0016】
第1外歯のピッチ円径が第1内歯のピッチ円径よりも小さく、第2外歯のピッチ円径が第2内歯のピッチ円径よりも小さく形成されることにより、ギヤプレートが第1フランジと第2フランジに一側に偏心した状態で噛合される。
【0017】
ギヤプレートに回転力が印加された場合、ギヤプレートは自転及び公転を行い、第1フランジ又は第2フランジを自転させる。
【0018】
第1フランジ又は第2フランジのうち、いずれか一つは固定されて回転が起こらず、他の一つはギヤプレートによって自転する。
【0019】
第2フランジの側壁が第1フランジの側壁の内部に挿入されて嵌合され、第1フランジと第2フランジが接する地点の外側にリテーナーが結合することができる。
【0020】
第1フランジと第2フランジが接する地点の上端には固定溝が形成され、リテーナーは固定溝に挿入される。
【0021】
リテーナーは、外側端が第1フランジと固定され、第2フランジは、リテーナーに支持されて第1フランジの外側への離脱が阻止される。
【発明の効果】
【0022】
本発明のシートリクライナーによれば、シートリクライニングの作動時に振動が発生する問題を解決し、シート角度の精密かつ安定的な制御が可能であり、従来のリクライナーに比べて高強度を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態によるシートリクライナーの分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるシートリクライナーの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態によるシートリクライナーの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態によるシートリクライナーのギヤプレートを示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるシートリクライナーを切開して示す図である。
図6】本発明の一実施形態によるシートリクライナーの断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるシートリクライナーの第1外歯と第1内歯とが結合した状態を示す図である。
図8】本発明の一実施形態によるシートリクライナーの第1外歯と第1内歯とが結合した状態を示す図である。
図9】本発明の一実施形態によるシートリクライナーの第2外歯と第2内歯とが結合した状態を示す図である。
図10】本発明の一実施形態によるシートリクライナーの第2外歯と第2内歯とが結合した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの分解斜視図、図2及び図3は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの斜視図、図4は本発明の一実施形態によるシートリクライナーのギヤプレートを示す図、図5は本発明の一実施形態によるシートリクライナーを切開して示す図、図6は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの断面図、図7及び図8は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの第1外歯と第1内歯とが結合した状態を示す図、図9及び図10は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの第2外歯と第2内歯とが結合した状態を示す図である。
【0025】
図1は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの分解斜視図であって、本発明によるシートリクライナーは、内側面に沿って第1内歯142が形成された第1フランジ100;第1フランジ100の内部に挿入され、外側面に沿って、第1内歯142と噛合される第1外歯520が形成され、第1外歯520よりも高さ方向にオフセットされた地点に第2外歯540が形成されたギヤプレート500;第1フランジ100に結合して第1フランジ100の内部をカバーリングし、内側面に沿って、第2外歯540と噛合される第2内歯342が形成された第2フランジ300;及びギヤプレート500の中央部に位置してギヤプレート500を一側に加圧することにより、ギヤプレート500が第1フランジ100及び第2フランジ300に対して偏心し、第1外歯520及び第2外歯540が一側で第1内歯142及び第2内歯342と噛合されるようにする偏心カム機構700;を含み、第1外歯520と第1内歯142、又は第2外歯540と第2内歯342は互いに傾斜するように噛合されることにより、ギヤプレート500と第1フランジ100との間又はギヤプレート500と第2フランジ300との間の遊びが除去されることができる。
【0026】
本発明のリクライナーは、内部のギヤプレート500を2層のギヤセットを持つようにし、第1フランジ100と第2フランジ300においてそれぞれギヤが噛合されるようにすることにより、フランジが偏心によるサイクロイド運動ではなく、同心による自転運動を行うようにして、リクライニング機能の実現の際に振動がないようにすることに大きな特徴がある。
【0027】
具体的には、本発明によるシートリクライナーは大きく、第1フランジ100と第2フランジ300から構成される。第1フランジ100と第2フランジ300は、それぞれシートクッション又はシートバックに結合し、互いに相対的な回転が可能であってシートのリクライニングが実現されるようにする。
【0028】
第1フランジ100がシートクッションに結合する場合には、第2フランジ300は、シートバックに結合して回転することによりリクライニングされるものであり、第2フランジ300がシートクッションに結合する場合には、第1フランジ100はシートバックに結合して第2フランジ300を基準に回転することによりリクライニングを実現する。
【0029】
図1は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの分解斜視図、図4はその切開図である。第1フランジ100は、内側面に沿って第1内歯142が形成される。第1フランジ100は、円形の底面120、及び底面120の縁に沿って上昇したリング状の側壁140で構成される。そして、その側壁140の内部面に沿って図示の如く第1内歯142が形成される。
【0030】
ギヤプレート500は、第1フランジ100の内部に挿入される。ギヤプレートの外側面に沿って、第1内歯142と噛合される第1外歯520が形成され、第1外歯520よりも高さ方向にオフセットされた地点に第2外歯540が形成される。このようなギヤプレート500の第1外歯520と第1フランジ100の第1内歯142は一側から偏心的に噛合され、ギヤプレート500の自転と公転の際に、第1フランジ100はその場で自転を行う。
【0031】
第2フランジ300は、第1フランジ100に結合して第1フランジ100の内部をカバーリングする。そして、第2フランジ300は、内側面に沿って、ギヤプレート500の第2外歯540と噛合される第2内歯342が形成される。第2フランジ300の第2内歯342もギヤプレート500の第2外歯540と一側で偏心的に結合して、ギヤプレート500の自転の際に、ギヤプレート500が第2フランジ300に支持されて公転を一緒に行うようにする。
【0032】
つまり、本発明の実施形態では、外部の回転力がギヤプレート500にインプットメンバー710によって伝達され、ギヤプレート500の自転の際に、ギヤプレート500は、回転が禁止されるように位置が固定された第2フランジ300を基準に自転と同時に公転を行う。そして、ギヤプレート500の自転及び公転によって、第1フランジ100はその場で自転を行う。したがって、内部では、偏心結合によって減速が起こるが、外部的には、第1フランジ100が自転のみを行い、結合したシートバックをリクライニングさせるので、リクライニングによる第1フランジ100のサイクロイド運動がなく、それにより振動がなくなる。
【0033】
一方、リクライナーの内部には、ギヤプレート500の中央部に位置してギヤプレート500を一側に加圧することにより、ギヤプレート500が第1フランジ100及び第2フランジ300と偏心し、第1外歯520及び第2外歯540が一側で第1内歯142及び第2内歯342と噛合されるようにする偏心カム機構700が含まれる。
【0034】
偏心カム機構700は、図1に示されている通りである。ギヤプレート500の中央部には空間が形成され、その円形の空間にインプットメンバー710が設けられて外部の回転力が伝達される。インプットメンバー710は、偏心リング750と結合して一緒に回転する。偏心リング750には、一対のウェッジ730が縁部の一側に結合し、そのウェッジ730がベアリング770に挿入され、ベアリング770を介してギヤプレート500に挿入される。したがって、インプットメンバー710の回転の際に偏心リング750とウェッジ730が回転し、それによりインプットメンバー710に対して偏心したギヤプレート500が回転し、ギヤプレート500の偏心回転の際にギヤプレート500の第2外歯540が第2フランジ300の第2内歯342に噛合されてギヤプレート500の自転と公転が起こり、それにより第1フランジ100が回転してリクライニングが実現されるのである。
【0035】
特に、本発明は、第1外歯520と第1内歯142、又は第2外歯540と第2内歯342が互いに傾斜するように噛合されることにより、ギヤプレート500と第1フランジ100との間又はギヤプレート500と第2フランジ300との間の遊びが除去されることができる。
【0036】
図7及び図8は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの第1外歯520と第1内歯142とが結合した状態を示す図であり、図9及び図10は本発明の一実施形態によるシートリクライナーの第2外歯540と第2内歯342とが結合した状態を示す図であって、微細に形成された傾斜面Rが現れている。
【0037】
図7図8のA-A線に沿って切開した状態を示す図、図9図10のB-B線に沿って切開した状態を示す図である。そして、図7図9は、第1外歯520と第1内歯142とが互いに傾斜面Rを介して結合した状態を示す。もちろん、他の図面においても、第2外歯と第1内歯には傾斜面が設定されているが、微細な傾斜面であるのでよく見えない。しかし、このような微細な傾斜面Rの構造は、図7図9の拡大図からよく確認できる。
【0038】
図7の状態はギヤプレートの偏心状態での回転によって第1外歯520が第1内歯142に加圧され、噛合の際に傾斜面Rによってギヤプレート500自体がやや外側に同時に上方にスライドされる様子を示す。そして、そのような微細なスライドによって、図9に示すようにギヤプレート500の第2外歯540が第2フランジ300の第2内歯342に密着しながら、二つのギヤの間に存在していた微細な遊びGがなくなる。したがって、操作のスムーズさと製造の誤差のために存在するしかない遊びGが作動時にはすぐに除去され、作動することによりがたつく現象がなくなり、振動の抑制に役立つ。
【0039】
具体的には、第1外歯520と第1内歯142の噛合される面は傾斜面Rをなし、傾斜面Rは外側に向かって上昇する方向に形成できる。一方、図示された実施形態の場合には、第2外歯540と第2内歯342の噛合される面は垂直面をなすが、これにより遊びGを除去するとともに、ギヤプレート500がもはや外側に離脱しないように阻止するのである。そして、このような作用によって第1外歯520が第1内歯142を加圧し、ギヤプレート500が傾斜面Rに沿って外側及び上方にスライドされ、第2外歯540と第2内歯342との間の遊びが除去されることができる。
【0040】
ギヤプレート500の第1外歯520が形成された地点の上端は、第2フランジ300の下端に対向して一定間隔離隔し、ギヤプレート500が傾斜面Rに沿って外側及び上方にスライドされる場合、第1外歯520が形成された地点の上端は、第2フランジ300の下端に支持されることができる。すなわち、図7に示すように、第1外歯520と第2内歯342との間には上下方向に微細な隙間があるが、これはギヤプレート500の上昇のために形成した空間であり、ギヤプレート500のスライドの際に、図9に示すようにこの隙間も除去され、ギヤプレート500が第2フランジ300に密着するのである。これにより遊び及び隙間が除去され、安定的に動力が伝達されるうえ、ラトル音(rattling noise)や振動が低減される。
【0041】
また、第2フランジ300の下端縁は、第1フランジ100の第1内歯142が形成された地点の上端に支持されることができる。これにより、基本的に、第1フランジ100と第2フランジ300は互いに堅く支持された状態で組み立てられるのである。
【0042】
併せて、このような原則の実現のために、第2外歯540が第1外歯520と同心をなし、第2外歯540のピッチ円径が第1外歯520のピッチ円径よりも小さいことができる。そして、第2内歯342が第1内歯142と同心をなし、第2内歯342のピッチ円径が第1内歯142のピッチ円径よりも小さいことができる。
【0043】
また、第1外歯520のピッチ円径が第1内歯142のピッチ円径よりも小さく、第2外歯540のピッチ円径が第2内歯342のピッチ円径よりも小さく形成されることにより、ギヤプレート500が第1フランジ100と第2フランジ300に一側に偏心した状態で噛合されることができる。これによりギヤプレート500に回転力が印加された場合、ギヤプレート500は自転及び公転を行い、第1フランジ100又は第2フランジ300を自転させることができる。
【0044】
一方、第1フランジ100又は第2フランジ300のうち、いずれか一つは固定されて回転が起こらず、他の一つはギヤプレート500によって自転することができる。そして、第2フランジ300の側壁が第1フランジ100の側壁の内部に挿入されて嵌合され、第1フランジ100と第2フランジ300とが接する地点の外側にリテーナー900が結合することができる。特に、第1フランジ100と第2フランジ300とが接する地点の上端には固定溝Hが形成され、リテーナー900は固定溝Hに挿入されることができる。
【0045】
これにより、リテーナー900は、図5に示すように外側端が第1フランジ100と溶接W1によって固定され、第2フランジ300は、リテーナー900に支持されて第1フランジ100の外側への離脱が阻止されることができる。
【0046】
その状態で、第1フランジ100と第2フランジ300はそれぞれブラケットB2、B3に溶接W2、W3され、それぞれのブラケットB2、B3はシートクッションとシートバックにそれぞれ固定される。
【0047】
一方、本発明のギヤプレート500は、2層構造のギヤ歯を持つ。したがって、ファインブランキングではなく、冷間鍛造の工法によって製造が可能であり、これにより十分な歯形の高さを確保することにより、全体的なリクライナーの剛性を高めることができる。また、サイクロイド運動ではなく、同心回転を実現するので、第1フランジと第2フランジのいずれでもシートバック又はシートクッションに結合可能である。
【0048】
本発明のシートリクライナーによれば、シートリクライニングの作動の際に振動が発生する問題を解決し、シート角度の精密且つ安定的な制御が可能であり、従来のリクライナーに比べて高強度を実現することができる。
【0049】
本発明の特定の実施形態に関連して図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良及び変化を加え得るのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0050】
100 第1フランジ
300 第2フランジ
500 ギヤプレート
900 リテーナー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10