(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019690
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ホイールハブ用カバーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60B 7/04 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
B60B7/04
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021118004
(22)【出願日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】109124283
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】515219285
【氏名又は名称】廖志賢
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】廖 志賢
(57)【要約】
【課題】ホイールリムのハブとの取り付け、取り外しが容易であり、ハブへのほこりや水分の侵入を効果的に防止することができる改良されたカバーアセンブリを提供する。
【解決手段】ホイールリム6のハブ60を取り外し可能に覆うためのカバーアセンブリは、カバー中心孔101を画成するリング状の外側カバー1と、コネクタ2と、を含み、コネクタ2は、コネクタ外側環状壁21と、ハブ60のハブ内側周壁62と繋がるようにカバー中心孔101を通って延び、ハブ60の第1の内ねじ63と螺接するための第1の外ねじ24を備えたコネクタ内側環状壁23と、前記コネクタ内側環状壁23と前記コネクタ外側環状壁21との連接部から延びる環状フランジ25と、を有する。第1の弾性リング3は、コネクタ内側環状壁23にスリーブ状に配置されており、コネクタ内側環状壁23とハブ内側周壁62との間に配置されてこれらに当接するように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールリム(6)のハブ(60)を取り外し可能に覆うためのカバーアセンブリであって、前記ハブ(60)は、ハブ中心孔(61)を画成すると共に第1の内ねじ(63)を有するハブ内側周壁(62)と、前記ハブ内側周壁(62)から間隔を空けて配置されたハブ外側周壁(66)と、前記ハブ内側周壁(62)と前記ハブ外側周壁(66)との間に接続され、前記ハブ中心孔(61)を囲む複数のボルト孔(641)が形成された径方向周壁(64)と、を含み、
当該カバーアセンブリは、カバー中心孔(101)を画成し、前記ボルト孔(641)を覆うように構成されたリング状の外側カバー(1)と、
コネクタ外側環状壁(21)と、前記コネクタ外側環状壁(21)と繋がっていて、前記コネクタ外側環状壁(21)から内側に延びるコネクタ内側環状壁(23)と、前記コネクタ内側環状壁(23)と前記コネクタ外側環状壁(21)との連接部から径方向外側に延びる環状フランジ(25)と、を含むコネクタ(2)であって、前記コネクタ内側環状壁(23)は、前記ハブ内側周壁(62)と繋がるように前記カバー中心孔(101)に通されていると共に、前記第1の内ねじ(63)と螺接するための第1の外ねじ(24)が設けられた外壁面(231)を有し、前記環状フランジ(25)は、前記ボルト孔(641)とは反対側で前記リング状の外側カバー(1)に当接している、コネクタ(2)と、
前記コネクタ内側環状壁(23)にスリーブ状に配置され、前記コネクタ内側環状壁(23)と前記ハブ内側周壁(62)との間に配置され、前記コネクタ内側環状壁(23)と前記ハブ内側周壁(62)とに当接するように構成された第1の弾性リング(3)と、
を含む、カバーアセンブリ。
【請求項2】
前記コネクタ内側環状壁(23)の前記外壁面(231)は、前記第1の弾性リング(3)を受け入れるための環状溝(26)が更に設けられていて、前記第1の弾性リング(3)は、前記環状溝の溝画成壁と前記ハブ内側周壁(62)との間に配置され前記環状溝の溝画成壁と前記ハブ内側周壁(62)とに当接するように構成されている、請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項3】
前記ハブ内側周壁(62)は、前記第1の内ねじ(63)の外側に位置する非ねじ部(65)を更に有し、前記コネクタ内側環状壁(23)の前記外壁面(231)は、前記第1の外ねじ(24)と、前記コネクタ内側環状壁(23)と前記コネクタ外側環状壁(21)との前記連接部と、の間に位置する非ねじ部(28)が更に設けられていて、前記環状溝(26)は、前記コネクタ内側環状壁(23)の前記非ねじ部(28)に形成されていると共に、前記環状溝(26)の前記溝画成壁と前記ハブ内側周壁(62)の前記非ねじ部(65)との間に配置され、前記環状溝(26)の前記溝画成壁と前記ハブ内側周壁(62)の前記非ねじ部(65)とに当接するように構成されている、請求項2に記載のカバーアセンブリ。
【請求項4】
前記リング状の外側カバー(1)は、前記カバー中心孔(101)を画成する中央板部(10)と、前記中央板部(10)から斜めに外側に延びる外側板部(11)と、前記中央板部(10)と前記外側板部(11)との連接部から外側かつ軸線方向に延びて前記環状フランジ(25)を取り囲む環状突出部(12)と、を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のカバーアセンブリ。
【請求項5】
前記環状フランジ(25)は、軸方向の厚さが、前記中央板部(10)と前記外側板部(11)との前記連接部から突出する前記環状突出部(12)の長さよりも小さく、前記環状フランジ(25)は、前記環状突出部(12)の内周面に当接する外周面を有する、請求項4に記載のカバーアセンブリ。
【請求項6】
前記コネクタ外側環状壁(21)は、少なくとも1つの凹形状グリップ部(27)が形成された外壁面(211)を有する、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のカバーアセンブリ。
【請求項7】
前記コネクタ外側環状壁(21)は、前記コネクタ内側環状壁(23)とは反対側の開口(213)を画成し、前記カバーアセンブリは、前記開口(213)を着脱可能に覆う装飾カバー(5)を更に含む、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のカバーアセンブリ。
【請求項8】
前記コネクタ外側環状壁(21)は、第2の内ねじ(22)が形成された内壁面(212)を有し、前記装飾カバー(5)は、前記開口(213)を覆う基壁(51)と、前記基壁(51)の周縁部に繋がり横方向に延びる周壁(52)と、を含み、前記周壁(52)は、前記第2の内ねじ(22)に螺接された第2の外ねじ(53)が形成された外壁面(521)を有する、請求項7に記載のカバーアセンブリ。
【請求項9】
前記外側板部(11)は、環状溝(13)が形成された外周面(111)を有し、前記カバーアセンブリは、前記外側板部(11)の前記環状溝(13)に配置され、前記外側板部(11)の前記環状溝(13)の溝画成壁と前記ハブ(60)の前記ハブ外側周壁(66)との間に配置されて前記外側板部(11)の前記環状溝(13)の溝画成壁と前記ハブ(60)の前記ハブ外側周壁(66)とに当接するように構成された第2の弾性リング(4)を更に含む、請求項4に記載のカバーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーアセンブリに関し、より詳細には、ホイールリムのハブ用のカバーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールリムのハブに用いる従来のカバーアセンブリは、特許文献1に開示されているように、メインカバー体とサイドカバー体とを含む。ハブの中心孔には、複数の第1の耳部が設けられている。メインカバー体の中心孔には、第1の耳部に対応して複数の第2の耳部が設けられていて、複数のねじにより第2の耳部が第1の耳部に緊密に固定される。また、サイドカバー体は、その外側に延びる複数の係合脚部と、係合脚部の位置決め溝に配置された弾性リングと、を有する。サイドカバー体は、係合脚部をメインカバー体の中心孔の奥にある環状の凹部に係合させることで、メインカバー体の中心孔を覆っている。
【0003】
従来のカバーアセンブリでもハブの中心孔を覆うことはできるが、サイドカバー体の係合脚部のみがメインカバー体に係合しているため、係合脚部が破損するとサイドカバー体がメインカバー体から容易に脱落してしまい、ハブ内にほこりや水分が侵入しやすくなる。さらに、メインカバー体をハブに緊密に固定するために複数のねじが必要であるため、従来のカバーアセンブリはハブとの取り付け、取り外しが不便であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許出願公開第202010654号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、ホイールリムのハブとの取り付け、取り外しが容易であり、ハブへのほこりや水分の侵入を効果的に防止することができる改良されたカバーアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、カバーアセンブリは、ホイールリムのハブを取り外し可能に覆うように構成される。前記ハブは、ハブ中心孔を画成すると共に第1の内ねじを有するハブ内側周壁と、前記ハブ内側周壁から間隔を空けて配置されたハブ外側周壁と、前記ハブ内側周壁と前記ハブ外側周壁との間に接続され、前記ハブ中心孔を囲む複数のボルト孔が形成された径方向周壁と、を含む。前記カバーアセンブリは、リング状の外側カバーと、コネクタと、第1の弾性リングと、を含む。前記外側カバーは、カバー中心孔を画成すると共に、前記ボルト孔を覆うように構成されている。前記コネクタは、コネクタ外側環状壁と、前記コネクタ外側環状壁と繋がり前記コネクタ外側環状壁から内側に伸びるコネクタ内側環状壁と、前記コネクタ内側環状壁と前記コネクタ外側環状壁との連接部から径方向外側に延びる環状フランジと、を有する。前記コネクタ内側環状壁は、前記ハブ内側周壁と繋がるように前記カバー中心孔に通されていると共に、前記第1の内ねじと螺接するための第1の外ねじが設けられた外壁面を有する。前記環状フランジは、前記外側カバーの前記ボルト孔とは反対側の面に当接している。前記第1の弾性リングは、前記コネクタ内側環状壁にスリーブ状に配置されており、前記コネクタ内側環状壁と前記ハブ内側周壁との間に配置されて前記コネクタ内側環状壁と前記ハブ内側周壁とに当接するように構成されている。
【0007】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照した以下の実施形態の詳細な説明の中で明らかになると考える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態によるカバーアセンブリとホイールリムのハブとの組立斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図4に示されているように、本発明の一実施形態によるカバーアセンブリは、リング状の外側カバー1と、コネクタ2と、第1の弾性リング3と、第2の弾性リング4と、装飾カバー5と、を含む。本実施形態のカバーアセンブリは、ホイールリム6のハブ60を取り外し可能に覆うように構成されている。ハブ60は、ハブ内側周壁62と、ハブ内側周壁62から間隔を空けて配置されたハブ外側周壁66と、ハブ内側周壁62とハブ外側周壁66との間に接続された径方向周壁64と、を含む。ハブ内側周壁62は、軸線(L)を取り囲んでハブ中心孔61を画成すると共に、第1の内ねじ63と、第1の内ねじ63の外側に位置する非ねじ部65と、を有する。径方向周壁64には、ハブ中心孔61を囲むように、角度間隔を空けて配置された5つのボルト孔641が形成されている。ハブ60は、5本のボルト7をそれぞれボルト孔641に通すことで、車両の車軸(図示せず)に接続される。
【0010】
リング状の外側カバー1は、軸線(L)を囲んでカバー中心孔101を画成する中央板部10と、中央板部10から斜めに外側に延び、ボルト孔641を覆うように構成された外側板部11と、中央板部10と外側板部11との連接部から外側かつ軸線方向に延びる環状突出部12と、を含む。外側板部11は、環状溝13が形成された外周面111を有する。
【0011】
コネクタ2は、軸線(L)を取り囲んで開口213を画成するコネクタ外側環状壁21と、コネクタ外側環状壁21と繋がっていて、コネクタ外側環状壁21から内側に延びるコネクタ内側環状壁23と、コネクタ内側環状壁23およびコネクタ外側環状壁21の連接部から径方向外側に延びる環状フランジ25と、を含む。コネクタ外側環状壁21は、角度的に間隔を空けて配置された複数の凹形状グリップ部27が形成された外壁面211と、第2の内ねじ22が形成された内壁面212と、を有する。開口213は、軸線(L)に沿ってコネクタ内側環状壁23とは反対側にある。
【0012】
コネクタ内側環状壁23は、ハブ内側周壁62と繋がるようにカバー中心孔101に通されていると共に、第1の内ねじ63と螺接するための第1の外ねじ24が設けられた外壁面231を有する。外壁面231は、更に、第1の外ねじ24とコネクタ内側環状壁23およびコネクタ外側環状壁21の連接部との間に位置する非ねじ部28と、非ねじ部28に形成された環状溝26と、が設けられている。環状フランジ25は、中央板部10のボルト孔641とは反対側の面に当接し、環状突出部12に囲まれ、そして環状突出部12の内周面に当接する外周面を有する。
【0013】
環状フランジ25は、軸方向の厚さが、中央板部10と外側板部11との連接部から突出する環状突出部12の長さよりも小さい。凹形状グリップ部27は、ユーザが容易にコネクタ2を把持して軽い力でコネクタ2を回転できるようにするためのものである。
【0014】
第1の弾性リング3は、コネクタ内側環状壁23にスリーブ状に取り付けられている。具体的には、第1の弾性リング3は、環状溝26に受け入れられており、環状溝26の溝画成壁とハブ内側周壁62の非ねじ部65との間に配置されてこれらに当接している。
【0015】
第2の弾性リング4は、外側板部11の環状溝13に配置されており、環状溝13の溝画成壁とハブ外側周壁66との間に配置されてこれらに当接するように構成されている。
【0016】
装飾カバー5は、コネクタ外側環状壁21の開口213を着脱可能に覆うものであり、開口213を覆う基壁51と、基壁51の周縁部に繋がり横方向に延びる周壁52と、を含む。周壁52は、第2の内ねじ22に螺接された第2の外ねじ53が形成された外壁面521を有する。
【0017】
本実施形態のカバーアセンブリがハブ60に組み付けられるときには、外側カバー1の外側板部11がハブ60に当接してボルト孔641を覆い、第2の弾性リング4が環状溝13の溝画成壁とハブ外側周壁66との間に当接し、第1の外ねじ24が第1の内ねじ63に螺接し、第1の弾性リング3は環状溝26の溝画成壁とハブ内側周壁62の非ねじ部65との間に当接し、環状フランジ25は中央板部10に当接し、環状突出部12は環状フランジ25を取り囲む。さらに、外側カバー1とコネクタ2とハブ60とは、ボルト孔641と連通する内部空間8を共に画成する。
【0018】
本実施形態では、環状フランジ25の外周面が環状突出部12の内周面に当接することで、外部のほこりや水分が環状フランジ25と中央板部10との当接部分を介して内部空間8に侵入することを効果的に防止することができる。
【0019】
本開示の利点は、以下のようにまとめられる。
【0020】
1.コネクタ内側環状壁23の第1の外ねじ24とハブ60の第1の内ねじ63とが螺接されていること、および、第1の弾性リング3が環状溝26の溝画成壁とハブ内側周壁62の非ねじ部65とに当接していること、によって、ハブ中心孔61内のほこりや水分がハブ内側周壁62に沿って内部空間8に侵入することを防止することができる。
【0021】
2.環状フランジ25を囲む環状突出部12により、ハブ60の外側または外周からのほこりや水分の一部が、環状フランジ25と中央板部10との当接部分に侵入するのを遮断することができる。
【0022】
3.ハブ60に対する外側カバー1の当接と、環状溝13の溝画成壁とハブ外側周壁66との間の第2の弾性リング4の当接と、により、外側カバー1とハブ60との当接部分を介した外部から内部空間8へのほこりや水分の侵入を低減することができる。
【0023】
4.ハブ60に対して外側に突出し、且つ凹形状グリップ部27が形成されているコネクタ外側環状壁21によって、ユーザが凹形状グリップ部27を握って、軽い力でコネクタ2を回転できるので、工具を使わずにコネクタ2をハブ60に容易にかつ迅速に組み付けたり、取り外したりすることができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態の例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。また、上述した各実施例及び各種態様は、それぞれ組み合わせて本発明を実施することも当然可能である。
【外国語明細書】