(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019731
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】設計支援装置、設計支援方法、設計支援プログラム及び設計支援システム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/36 20060101AFI20220120BHJP
G06F 9/451 20180101ALI20220120BHJP
G06F 8/38 20180101ALI20220120BHJP
G10L 19/00 20130101ALI20220120BHJP
【FI】
G06F11/36 164
G06F9/451
G06F8/38
G10L19/00 312Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176322
(22)【出願日】2021-10-28
(62)【分割の表示】P 2019220508の分割
【原出願日】2019-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】398034168
【氏名又は名称】株式会社アクセル
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】川口 英世
(57)【要約】
【課題】複数のレイヤーからなる動画像の実機での表示を容易に検証可能な設計支援装置を提供する。
【解決手段】表示部23は、画像を構成するレイヤーの数に対応する数の値を有する目盛り画像を画像表示装置15に表示し、複数のレイヤーのうち指定された目盛り画像が有する値に応じた数のレイヤーを重ね合せた動画像のフレームを表示し、通知部25は、指定された目盛り画像が有する値に応じた数のレイヤーを重ね合せた動画像のフレームを表示するように実機50に指示する。重ねて表示するレイヤー数を変えながら設計支援装置10上での表示と実機での表示を見比べ、不具合がありそうなレイヤーを特定することが出来る。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の音声トラックの指定を受け付ける受付部と、
音声トラックに応じて作成した音声コマンドに基づく波形データによって音声再生を行う外部装置である情報処理装置に音声コマンドを作成させるために、前記受付部が受け付けた音声トラックの指定を指示コマンドとして通知する通知部と、
前記指示コマンドによって指定された音声トラックに応じて波形データを作成するために前記情報処理装置が作成した第1音声コマンドを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1音声コマンドを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする設計支援装置。
【請求項2】
前記取得部が取得した前記第1音声コマンドを実行することにより第1波形データを生成する生成部
を備え、
前記表示部は、さらに、
前記生成部が生成した前記第1波形データを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項3】
前記生成部は、さらに、
前記指示コマンドに応じて第2音声コマンドを作成し、前記第2音声コマンドを実行することにより第2波形データを生成し、
前記表示部は、さらに、
前記生成部が生成した前記第2波形データを表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の設計支援装置。
【請求項4】
前記受付部は、さらに、
前記取得部が取得した前記第1音声コマンドの位置の選択を受け付け、
前記生成部は、
前記受付部が受け付けた位置まで前記第1音声コマンドを実行することにより前記第1波形データを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の設計支援装置。
【請求項5】
前記生成部は、さらに、
前記指示コマンドに応じて第2音声コマンドを作成し、前記受付部が受け付けた位置まで前記第2音声コマンドを実行することにより第2波形データを生成し、
前記表示部は、さらに、
前記生成部が生成した前記第2波形データを表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の設計支援装置。
【請求項6】
前記表示部は、
前記生成部が複数生成した前記第1波形データ又は前記第2波形データを夫々合成して表示する
ことを特徴とする請求項3又は5に記載の設計支援装置。
【請求項7】
前記受付部は、さらに、
前記受付部が受け付けた1以上の音声トラックを含むトラック群の選択を受け付け、
前記指示コマンドは、選択されたトラック群に含まれる1以上の音声トラックに基づく波形データの生成を指示する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の設計支援装置。
【請求項8】
前記表示部は、
前記音声トラックに対応する目盛り値を有する目盛り画像を表示し、
前記受付部は、
前記目盛り画像が有する目盛り値の指定を受け付け、
前記通知部は、
前記受付部が受け付けた前記目盛り画像の目盛り値に応じた数の波形データの生成を指示する前記指示コマンドを通知する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の設計支援装置。
【請求項9】
前記取得部は、さらに、
前記情報処理装置において前記第1音声コマンドを実行することにより生成された第1波形データを取得し、
前記設計支援装置は、さらに、
前記取得部が前記情報処理装置から取得した前記第1波形データを表示する表示部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項10】
設計支援装置のプロセッサによって実行される設計支援方法であって、
1以上の音声トラックの指定を受け付け、
音声トラックに応じて作成した音声コマンドに基づく波形データによって音声再生を行う外部装置である情報処理装置に音声コマンドを作成させるために、前記受付部が受け付けた音声トラックの指定を指示コマンドとして通知し、
前記指示コマンドによって指定された音声トラックに応じて波形データを作成するために前記情報処理装置が作成した第1音声コマンドを前記情報処理装置から取得し、
取得した前記第1音声コマンドを表示する、
ことを特徴とする設計支援方法。
【請求項11】
設計支援装置のプロセッサによって実行される設計支援プログラムであって、
1以上の音声トラックの指定を受け付け、
音声トラックに応じて作成した音声コマンドに基づく波形データによって音声再生を行う外部装置である情報処理装置に音声コマンドを作成させるために、前記受付部が受け付けた音声トラックの指定を指示コマンドとして通知し、
前記指示コマンドによって指定された音声トラックに応じて波形データを作成するために前記情報処理装置が作成した第1音声コマンドを前記情報処理装置から取得し、
取得した前記第1音声コマンドを表示する、
処理をプロセッサに実行させることを特徴とする設計支援プログラム。
【請求項12】
設計支援装置と、情報処理装置と、を備えた設計支援システムであって、
前記設計支援装置は、
1以上の音声トラックの指定を受け付け、
音声トラックに応じて作成した音声コマンドに基づく波形データによって音声再生を行う外部装置である情報処理装置に音声コマンドを作成させるために、前記受付部が受け付けた音声トラックの指定を指示コマンドとして通知し、
前記情報処理装置は、
前記指示コマンドによって指定された音声トラックに応じて波形データを作成するために第1音声コマンドを作成し、
前記設計支援装置は、
前記情報処理装置が作成した第1音声コマンドを前記情報処理装置から取得し、
前記情報処理装置から取得した前記第1音声コマンドを表示する、
ことを特徴とする設計支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像や音声の設計、検証の支援を行う設計支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機において、表示装置に表示する画像は複雑になっている。
表示装置に表示される画像は、背景画像や図柄画像といった主要な画像に加え、遊技結果を示唆する多種多様な予告画像を含み、非常に複雑な構成及び構造を有するに至っている。
また、遊技機に限らず、ゲーム機などにおいても映像表現はより複雑となってきている。ゲーム機の高性能化によって、大量の画像を高速に処理出来るようになった結果、表示装置に表示される画像に含まれるオブジェクトの数も劇的に増加している。
このため、遊技機及びゲーム機などの実機で表示される画像の設計及び作成を支援する設計支援装置は、画像を構成する様々なオブジェクトを含む複数のレイヤーを編集し、編集後の各レイヤーを重ねることによって画像を作成する。
実機は、画像を表示するとき、プログラムROMに格納されている描画プログラムを実行することにより、描画コマンドを作成する。そして、実機は、描画コマンドに従ってCGROMから複数の画像データを読みだし、各画像データに対応する画像を合成したフレームを生成し、表示装置に表示する。
【0003】
設計支援装置で作成した画像は、画像自体が実機の環境に合わない、描画コマンドを作成する描画プログラムに不具合があるなどの理由で、実機で想定通りに表示されない場合がある。従って、設計支援装置の利用者は、設計支援装置で作成した画像が実機で正常に表示されるか検証する必要がある。
また、設計支援装置は、画像のみならず、実機で使用する楽曲の設計及び作成を、画像と同様の処理によって支援することが出来る。設計支援装置は、楽曲を構成する複数の音声トラックを編集し、編集後の各音声トラックを重ねることによって楽曲データ(波形データ)を作成する。
設計支援装置で作成した楽曲データも、想定通りに実機で再生されない場合がある。従って、利用者は、設計支援装置で作成した楽曲データが実機で正常に再生されるか検証する必要がある。
【0004】
画像の設計支援において、従来知られる設計支援装置は、作成画像が実機の表示装置で想定通りに表示されるか検証するために、実機に作成画像のデータを用いた表示処理を実行させることが知られている。
例えば、特許文献1乃至3には、画像の表示指示に応じて表示装置に表示される画像を取得し、表示指示に対応付けられた画像と表示装置に表示された画像とを比較し、比較結果を出力する技術が開示されている。
また特許文献4には、フレームに含まれる各レイヤーを視覚的に把握可能にするために、表示装置に表示する各レイヤーの表示方向及び重ね合わせの順番を利用者からの指示に応じて切り替える処理を実行することが開示されている。
画像作成に用いられるレイヤーの数が多くなると、従来知られる設計支援装置では、作成画像が表示装置で想定通りに表示されるか否かを完全に検証することは困難である。
特に作成画像がレイヤー単位で想定通りに表示されているかどうかの確認が難しく、作成画像と、実機での表示画像との間に不一致の部分があるとき、どのレイヤーが想定通りに表示されていないかの確認をすることは困難である。
それに対して、特許文献1乃至4の開示に基づいて、表示指示に対応付けられた画像と表示装置に表示された画像とを比較することで、利用者は、想定通りに表示されないフレームに含まれる不具合のあるレイヤーを発見することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-328509公報
【特許文献2】特開2007-86899公報
【特許文献3】特開2018-190324公報
【特許文献4】特許6532094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した設計支援技術では、レイヤーの表示の不具合が、画像データが実機の環境に合わないことに起因する不具合か、実機で実行される描画プログラムに起因する不具合か、の判別をすることが難しい。
不具合の原因を切り分けるために、まずは描画プログラムに問題があると仮定して描画コマンドの不具合箇所を探すことになる。
このとき利用者は、設計支援装置上に表示される描画コマンドを目で追いながら、想定通りに表示されないフレームにおける不具合のあるレイヤーに対応する描画コマンドを特定する。このような方法による描画コマンドの不具合箇所の特定は、表示する画像の複雑化に伴って描画コマンドの規模が増大しているため困難である。
演出音の設計支援に関しても同様に、再生する音声の複雑化に伴って音声再生コマンドの規模が増大しているため、音声再生コマンドの不具合箇所の特定は困難である。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、一側面として、画像や音声を実機で表示させるためのコマンドやプログラムにおいて、不具合が起きている箇所を容易に特定可能な設計支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で開示する設計支援装置のひとつに、受付部と、通知部と、取得部と、表示部とを備える設計支援装置がある。受付部は、1以上の音声トラックの指定を受け付ける。通知部は、音声トラックの指定に基づいて音声コマンドを作成し、作成した音声コマンドに応じた波形データの作成を行う外部装置である情報処理装置に音声コマンドを作成させるために、受付部が受け付けた音声トラックの指定を指示コマンドとして通知する。取得部は、指示コマンドによって指定された音声トラックに応じて波形データを作成するために情報処理装置で作成された第1音声コマンドを取得する。表示部は、取得部が情報処理装置から取得した第1音声コマンドを表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一側面として、画像や音声を実機で表示させるためのコマンドやプログラムにおいて、不具合が起きている箇所を容易に特定可能な設計支援装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るシステムを説明する図である。
【
図2】パチンコ機等、遊技機の実機の構成を示す図である。
【
図3】本実施形態の設計支援装置における情報表示画面を示す図である。
【
図5】
図4に示す情報表示画面において、レイヤー選択ボタンが操作された場合の表示を示す図である。
【
図6】ポインタの移動に応じて変更されるレイヤーの表示数を説明する図である。
【
図7】ポインタの移動に応じて変更されるレイヤーの表示数を説明する図である。
【
図8】表示対象レイヤーの数が、目盛り画像に表示可能な目盛り数の上限を超える場合の表示態様を示す図である。
【
図9】本実施形態の設計支援装置で作成した動画像の表示を検証する態様を説明する図である。
【
図10】設計支援装置上の情報表示画面の変遷を示す図である。
【
図11】設計支援装置上の情報表示画面の変遷を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る設計支援装置の機能構成を示す図である。
【
図13】本実施形態の設計支援装置が実行する初期表示処理を説明するフローチャートである。
【
図14】本実施形態の設計支援装置が実行するポインタ移動時処理を説明するフローチャートである。
【
図15】実機における描画コマンド出力処理を説明するフローチャートである。
【
図16】設計支援装置におけるフレームバッファ表示処理を説明するフローチャートである。
【
図17】実機で作成される描画コマンドを例示する図である。
【
図18】実機で作成される描画コマンドを例示する図である。
【
図19】本実施形態の設計支援装置で作成したサウンドの再生出力を検証する態様を説明する図である。
【
図20】実機で作成される音声再生コマンドを例示する図である。
【
図21】実機で作成される音声再生コマンドを例示する図である。
【
図22】コンピュータ装置の一実施例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るシステムを説明する図である。
図1を参照して、本実施形態に係る設計支援装置による設計支援処理を説明する。
システム100は、設計支援装置10と、実機50と、を備える。そして、設計支援装置10と、実機50とは、通信可能に接続される。
【0011】
設計支援装置10は、例えば、画像の設計を支援する装置である。以下の説明において、設計支援装置10は、画像の設計を支援するものとして説明する。また、画像は、動画像に含まれるフレームであるものとして説明する。
実機50は、例えば、遊技機、ゲーム機、カーナビゲーション装置、携帯端末、及び車載メータなどの情報処理装置である。
【0012】
設計支援装置10は、利用者によるフレームの指定を受け付ける。
設計支援装置10は、利用者により指定されたフレームを描画する描画コマンドを実機50に作成させる作成指示コマンドを実機50に出力する。
【0013】
実機50は、設計支援装置10から作成指示コマンドが入力されると、描画プログラムを実行して作成指示コマンドに応じた描画コマンドを作成する。そして、実機50は、設計支援装置10に作成した描画コマンドを出力する。
設計支援装置10は、実機50から描画コマンドが入力されると、描画コマンドに応じて記憶装置から画像データを読み出してフレームを生成する。そして、設計支援装置10は、表示装置に生成したフレームを表示する。すなわち、設計支援装置10は、実機50で生成されるフレームを再現し、その内容を表示装置に表示する。以下の説明では、実機50で作成された描画コマンドを用いて生成されたフレームのことを実機画像ともいう。
さらに、設計支援装置10は、利用者により指定されたフレームを描画する描画コマンドを自ら作成する。そして、設計支援装置10は、自ら作成した描画コマンドに応じて記憶装置から画像データを読み出してフレームを生成し、生成したフレームを表示装置に表示する。以下の説明では、設計支援装置10が自ら作成した描画コマンドを用いて生成したフレームのことを、作成画像ともいう。本明細書において、設計支援装置10は、利用者やデザイナーが作成した画像の画像データを用いて、作成した画像を利用者やデザイナーの想定通りに表示装置に表示する機能を有する。すなわち、作成画像は、利用者やデザイナーの作成した画像と同じ画像である。
【0014】
以上により、設計支援装置10の利用者は、表示装置に表示された作成画像と実機画像とを比較することで、実機50においてフレームが想定通りに表示されるか否かの確認をすることができる。
設計支援装置10は、作成画像と実機画像とが一致しないとき、実機50においてフレームが想定通りに表示されないと判定する。すると、設計支援装置10は、実機50から入力された描画コマンドを表示装置に表示する。そして、設計支援装置10は、描画コマンド内の位置の指定を受け付ける。設計支援装置10は、指定された位置までの描画コマンドを実行したときの画像を表示装置に表示する。
【0015】
利用者は、意図通り表示出来ていない実機画像があるとき、表示装置に表示された描画コマンドの指定箇所を順次変更しながら表示される画像を確認する。これにより、利用者は、描画コマンド内のどの位置に不具合があるかを容易に確認することができる。さらに、利用者は、描画コマンドの不具合の位置に応じて、描画プログラムの不具合箇所を特定することができる。
【0016】
以上のように、設計支援装置10は、描画コマンド及びそれを作成する描画プログラムの不具合の検証を容易にすることができる。
【0017】
設計支援装置10についてより詳しく説明するが、それに先立ち、検証の対象となる実機50の一例として、遊技機の構成について概説する。
図2は、パチンコ機等、遊技機の実機の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、遊技機の実機50は、主制御基板51、演出制御基板52、画像制御基板53を備えている。これらの他に、電源基板、ランプ制御基板、払出制御基板、発射制御基板等を含むが、ここでは表示及び説明を省略している。
全体としては、主制御基板51に対して演出制御基板52が接続され、演出制御基板52に対して画像制御基板53が接続されている。また、画像制御基板53には画像表示装置60が接続されている。
主制御基板51は、CPU51a、ROM51b、RAM51cを備えている。
CPU51aは、ROM51bに格納された制御プログラムをRAM51cに展開して実行することにより、遊技機の制御を行う。
【0018】
CPU51aは、図示しない発射ハンドルを遊技者が回転操作することによって発射された遊技球が、図示しない始動口に入賞したことを契機に所定の大当たり乱数の抽選を行い、大当たりかを否かを判定する。
CPU51aは、大当たり判定結果に基づいて、変動パターンを決定する。変動パターンは、遊技球の入賞を契機とした特別図柄の変動表示の継続時間や、特別図柄の変動に対応して画像表示装置60で行われる演出内容を規定している。
【0019】
演出制御基板52は、CPU52a、ROM52b、RAM52cを備えている。
CPU52aは、ROM52bに格納された制御プログラムをRAM52cに展開して実行することによって演出制御を行う。
CPU52aは、主制御基板51で決定された変動パターンに基づいて演出パターンを規定する演出指定コマンドを選択し、画像制御基板53に対して出力する。
画像制御基板53は、CPU53a、ROM53b、RAM53c、VDP(Video Display Processor)55、CGROM(Character Generator ROM)56、VRAM57を備えている。
CPU53aは、例えば演出制御基板52から入力される演出指定コマンドに基づく動画像を再生出力させるために、画像制御基板53の制御を統括する。
ROM53bは、例えばフレームの表示に用いるプログラムコード(描画プログラム)を記憶する。
CPU53aはROM53bに記憶されている描画プログラムに基づいて、各種パラメータを演算して描画コマンドを作成する。描画コマンドはディスプレイリストとも言う。
各種パラメータとは、オブジェクトを表示する際の座標データ、色情報、及びテクスチャ値などである。CPU53aは、作成した描画コマンドをRAM53cに書き込む。
【0020】
VDP55はいわゆる画像プロセッサであり、VRAM57を用いて画像表示装置60に画像を表示するため制御を行う。
VRAM57は、メインフレームバッファ57a(第1バッファ)と、サブフレームバッファ57b(第2バッファ)と、を備える。
VDP55は、RAM53cに書き込まれた描画コマンドに従って、CGROM56から読み出した画像データを用いてレイヤーを描画し、透明化等の処理を施したレイヤーをサブフレームバッファ57bに格納する。すなわち、サブフレームバッファ57bには、効果を付与するレイヤー(第2レイヤー)が格納される。
VDP55は、サブフレームバッファ57b上のレイヤーを合成してフレームを生成し、メインフレームバッファ57aに格納する。
VDP55は、メインフレームバッファ57a上のフレームを画像表示装置60に表示させる。すなわち、メインフレームバッファ57aには、フレームを構成するレイヤー(第1レイヤー)が格納される。
【0021】
CPU53aは、演出制御基板52からの演出指定コマンドの入力によらず、設計支援装置10から入力された作成指示コマンドに基づいて、同コマンドで指定された動画像を表示するための描画コマンドを作成する。
CPU53aは、VDP55に対して描画コマンドを用いたフレームの生成を命令することが出来る。
【0022】
上記したように、設計支援装置10は、複数のレイヤーを含むフレームについて、レイヤーの重なり状態を指定して、指定情報を含む作成指示コマンドを実機50に対して出力する。指定情報とは、例えば、重ねて表示するレイヤーの数を指定する情報である。以下の説明では、レイヤーの数のことを単にレイヤー数ともいう。
CPU53aは、設計支援装置10から実機50に指定情報を含む作成指示コマンドが入力されたとき、指定情報に応じて、指定された数のレイヤーを最下層から重ねたフレームを生成する描画コマンドを作成する。
実機50は、生成した描画コマンドを設計支援装置10に対して出力する。
設計支援装置10は、指定したレイヤーの重なり状態に応じて実機50で作成された描画コマンドが入力されたとき、描画コマンドに応じてフレームを展開し、展開したフレームを実機画像として表示装置に表示する。
以上により、設計支援装置10は、レイヤーの重なり状態が同じフレームの、作成画像と実機画像との比較を可能にし、不具合があるレイヤーの特定を容易にする。
【0023】
図3は、本実施形態の設計支援装置における情報表示画面を示す図である。
図3に示す情報表示画面1は、設計支援装置10と接続される表示装置に表示される。
情報表示画面1は、目盛り画像5と、ポインタ画像6と、作成画像表示領域11と、コマンド表示領域70と、実機画像表示領域80と、実機画像選択領域90と、を備えている。
作成画像表示領域11は、1以上のレイヤーを含む画像を表示する。作成画像表示領域11は、検証の対象となる対象レイヤーの選択を受け付けるインターフェイスとして機能する。また、作成画像表示領域11は、目盛り画像5及びポインタ画像6を用いて指定されたレイヤー数に応じたレイヤーを表示する。
【0024】
コマンド表示領域70は、対象レイヤーとレイヤー数の指定に基づいて実機50で作成された描画コマンドを表示する。
実機画像表示領域80は、実機50で作成されてコマンド表示領域70に表示されている描画コマンドに基づいて生成されたフレームを表示する。
なお、実機画像表示領域80に表示されるフレームは、実機50で作成された描画コマンドに基づいて設計支援装置10が生成したものでもよい。また、実機画像表示領域80に表示されるフレームは、描画コマンドに基づいて実機50で生成され、設計支援装置10に入力されたフレームでもよい。いずれの場合でも、実機画像表示領域80に表示されるフレームは、実機50におけるフレームバッファの状態を再構築したものである。
【0025】
実機画像表示領域80に表示されているフレームを確認することで、作成画像表示領域11で作成した画像が、想定通り実機50で表示されているか、確認することが出来る。
なお、上記コマンド表示領域70では、表示されている描画コマンドの部分を指定可能である。実機画像表示領域80では、指定された部分までの描画コマンドが実機50で実行されたときのフレームを表示する。
これにより、利用者は、想定通りに表示されていないフレームがあるときに、描画コマンドのどの部分に不具合があるかを容易に特定することが出来る。
実機画像選択領域90は、実機50のフレームバッファのうち実機画像表示領域80に表示するフレームバッファの選択を受け付けるインターフェイスとして機能する。
表示するフレームバッファは、実機50が有する1つのメインフレームバッファ、1以上のサブフレームバッファから選択することが出来る。図中、フレームバッファ1がメインフレームバッファ、フレームバッファ2、3がサブフレームバッファである。
上記したように、メインフレームバッファは、レイヤーを合成した後のフレームが格納されており、サブフレームバッファには、フレームに合成する前の、各種の効果を施されたレイヤーが格納されている。
メインフレームバッファの内容は、1以上のレイヤーを合成したフレームとしてのレイヤー群であり、サブフレームバッファの内容は、フレームに合成する前の1以上のレイヤーからなるレイヤー群である。
実機画像選択領域90において、メインフレームバッファが選択されているときには、合成後のフレームについて不具合の有無を確認することが出来る。従って、必要なレイヤーが合成されていないなど、合成処理に起因する不具合の有無を確認することが出来る。
実機画像選択領域90において、サブフレームバッファが選択されている場合には、合成前のレイヤーについて不具合の有無を詳しく確認することが出来る。
例えば、あるレイヤーについて、必要な効果処理が施されていない、などの効果処理に起因する不具合の有無を確認することが出来る。
【0026】
設計支援装置10において、動画像のフレームを構成するレイヤーの中から、重ねて表示するレイヤーの指定を受け付ける操作を説明する。
図4は、作成画像表示領域を示す図である。
図4以降において、説明の便宜上、目盛り画像5、ポインタ画像6が
図3とは異なり画像表示領域14内に表示されている場合がある。
作成画像表示領域11は、プロジェクト選択ボタン12と、フレーム表示領域40と、レイヤー選択ボタン13と、画像表示領域14と、を備えている。プロジェクト選択ボタン12は、複数のフレームを含む画像データの選択を受け付ける。
フレーム表示領域40は、選択された画像データに含まれるフレームを時系列順に並べて表示し、フレームの選択を受け付ける。レイヤー選択ボタン13は、選択されたフレームに含まれるレイヤーから表示する表示対象レイヤーの選択を受け付ける。画像表示領域14は、選択された表示対象レイヤーを重ねて表示する。以下の説明では、画像データのことをプロジェクトデータともいう。
【0027】
図4は、設計支援装置10において、プロジェクト選択ボタン12が操作されて一のプロジェクトデータが読み込まれ、フレーム表示領域40で選択されたフレームが画像表示領域14に表示されている状態を示している。
設計支援装置10において、レイヤー選択ボタン13による選択が行われない場合、フレームを構成する全てのレイヤーを重ねた画像が画像表示領域14に表示される。
さらに、設計支援装置10は、フレーム表示領域40にプロジェクトデータに含まれるフレームを表示して、利用者によるフレームの選択を受け付ける。そして、設計支援装置10は、選択されたフレームを画像表示領域14に表示させる。これにより、設計支援装置10は、プロジェクトデータに含まれる各フレームについて、表示検証を行うことが出来る。
【0028】
図5は、
図4に示す情報表示画面において、レイヤー選択ボタンが操作された場合の表示を示す図である。以下の説明では、一例として、レイヤー数が「10」のフレームが読み込まれているものとして説明する。
レイヤー選択ボタン13がマウス等の入力手段を用いて選択されると、例えばレイヤー選択領域13aとしてのドロップダウンリストが表示されて、現在、画像表示領域14に表示されているフレームを構成するレイヤー群が一覧表示される。なお、レイヤー選択領域13aは、情報表示画面1内に常に表示されていてもよい。その場合、レイヤー選択ボタン13は不要である。
【0029】
図5に示すように、レイヤー選択領域13aは、例えば、各レイヤーに対応するチェックボックスを有し、各レイヤーの表示の有無の選択を受け付け可能になっている。
図5(a)は、初期状態におけるレイヤーの選択状態を示している。初期状態とは、フレームに含まれるレイヤー群を読み込んだ直後の状態である。
図5(a)に示すように、初期状態とは、例えば、フレームに含まれる全てのレイヤー(レイヤーL1からレイヤーL10)が選択されている状態でもよい。
図5(a)に示す状態では、ドロップダウンリスト13aにおいて全てのチェックボックスにチェックが入っており、全てのレイヤーが表示対象となっている。その結果、画像表示領域14には、レイヤーL1からL10が、奥行き方向から順に、全て重ねられた作成画像が表示される。
設計支援装置10の利用者は、表示対象としないレイヤーについてはチェックボックスのチェックを外すことで、表示させるレイヤーのみを含む作成画像を画像表示領域14に表示させる。
あるいは、初期状態では、全てのレイヤーが非表示対象となっており、全てのチェックボックスにチェックが入っていない状態となっていてもよい。
この場合、設計支援装置10の利用者は、表示対象としたいレイヤーについてチェックボックスにチェックを入れていくことで、表示させたいレイヤーのみを含む作成画像を画像表示領域14に表示させることが出来る。
【0030】
図5(b)は、利用者による選択後のレイヤーの選択状態を示している。
図5(b)に示す状態では、レイヤー選択領域としてのドロップダウンリスト13aにおいて、レイヤーL4、レイヤーL5、レイヤーL10のチェックボックスのチェックが外され、レイヤーL1、レイヤーL2、レイヤーL3、レイヤーL6、レイヤーL7、レイヤーL8、レイヤーL9のチェックボックスにチェックが入っている。
その結果、画像表示領域14には、レイヤーL1、レイヤーL2、レイヤーL3、レイヤーL6、レイヤーL7、レイヤーL8、レイヤーL9が、奥行き方向から手前側に順に、全て重ねられた作成画像が表示される。
【0031】
設計支援装置10は、情報表示画面1における画像表示領域14内に、あるいは画像表示領域14に隣接して、スケール状の目盛り画像5を有する。
この目盛り画像5は、読み込まれたレイヤー群、あるいはそこから表示のためにさらに選択されたレイヤー数に応じた目盛り数を有する。
例えば、
図5(a)のチェックボックスで選択されているレイヤー数が「10」である場合、目盛り画像5の目盛りは「0」から「10」までである。
なお、表示対象となるレイヤー数が多い場合には、表示される目盛りの数も、非常に多くなってしまう。その場合、
図7を参照して後述するように、目盛り画像5の一部のみが表示されるようにしてもよい。
【0032】
また、
図5(b)のチェックボックスで選択されたレイヤー数が「7」である場合、目盛り画像5の目盛りは、「0」から「7」までである。
さらに、目盛り画像5に隣接して、目盛りの値を指定するためのポインタ画像6が表示されている。
設計支援装置10では、目盛り画像5においてポインタ画像6で示される目盛りの値に応じた数のレイヤーが、画像表示領域14に表示される。
そして、設計支援装置10では、下記に説明するように、ポインタ画像6をマウス操作等によって目盛り画像5に対して移動させることで、表示するレイヤー数を増減させることが出来る。
上記のように、設計支援装置10は、重ねる画像(レイヤー)の数に対応する目盛り値を有する目盛り画像5を表示装置に表示させ、目盛り画像5の目盛り値の指定を受け付ける。そして、設計支援装置10は、指定された目盛りの値に応じた数のレイヤーを並べた作成画像を表示装置に表示させる。
【0033】
さらに、設計支援装置10は、目盛り画像5の目盛り値を指定するためのポインタ画像6を、画像表示領域14に表示させる。
そして、設計支援装置10はマウス等の入力装置の操作に応じたポインタ画像6の移動表示を受け付け、目盛り画像5に対するポインタ画像6の位置に基づいて目盛り画像5の目盛り値の指定を受け付ける。
設計支援装置10は、指定された目盛り画像5の目盛り値に応じた数のレイヤーを並べて情報表示画面1に表示させる。
これにより、重ねて表示された各レイヤーの確認をGUI(Graphics User Interface)を用いた直感的な操作によってより容易に行うことが出来る。
【0034】
ポインタ画像6の移動に応じたレイヤーの表示態様を詳細に説明する。
図6、
図7は、ポインタ画像の移動に応じて変更されるレイヤーの表示数を説明する図である。
ここでは、
図5(b)に示した操作によって、選択されたフレームに含まれる7つのレイヤーが表示対象として選択された場合を説明する。
図6(a)は、初期状態を示しており、ポインタ画像6は、目盛り画像5における整数の目盛り値(以下、整数値)「7」を指し示す位置に表示されている。整数値は、表示対象となるレイヤー数を示す値である。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から(奥行き側から)順に7枚重ねて表示される。
すなわち、画像表示領域14において、奥行き側から手前側(下側から上側)に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6、5枚目のレイヤーL7、6枚目のレイヤーL8、7枚目のレイヤーL9を含む作成画像が表示される。
図6では、各レイヤーをずらして表示する例を示しているが、各レイヤーを同じ位置に重ねて表示してもよい。このことは下記の説明においても同じである。
【0035】
図6(b)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「6」に移動された場合を示している。この場合、表示対象となるレイヤーが、下から順に6枚重ねて表示される。すなわち、画像表示領域14において、奥行き側から手前側に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6、5枚目のレイヤーL7、6枚目のレイヤーL8を含む作成画像が表示される。
図6(c)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「4」に移動された場合を示している。この場合、表示対象となるレイヤーが、下から順に4枚重ねて表示される。すなわち、画像表示領域14において、奥行き側から手前側に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6よりなる作成画像が表示される。
【0036】
図7(d)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「1」に移動された場合を示している。この場合、表示対象となるレイヤーが、下から順に1枚表示される。すなわち、画像表示領域14において、1枚目のレイヤーL1の画像が表示される。
図7(e)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が値「0」に移動された場合を示している。この場合、画像表示領域14に表示されるレイヤーはなくなる。
なお、ポインタ画像6が複数の整数値の間の目盛り値(小数の値)を指し示す場合、何れか近い方の整数値を指し示す位置にポインタ画像6が移動されるようにしてもよい。
また、整数値の前後では、整数値に吸い付くようにポインタ画像6を整数値の位置に移動表示させるマグネット表示をしてもよい。
例えば、ポインタ画像6が、操作によって目盛り画像5の整数値「5」と整数値「6」間の「5」寄りの値を示す位置に移動された場合、ポインタ画像6は整数値「5」を指し示す位置に移動表示される。その一方で、操作によって目盛り画像5の整数値「5」と整数値「6」間の「6」寄りの値を示す位置に移動された場合、ポインタ画像6は整数値「6」を指し示す位置に移動表示される。
【0037】
図8は、表示対象レイヤーの数が、目盛り画像に表示可能な目盛り数の上限を超える場合の表示態様を示す図である。
目盛り画像5に表示可能な目盛り数の上限を「5」とし、表示対象レイヤー数が「10」であるとする。表示可能な部分と、表示不可能な部分を含め、実質的に目盛り画像5の目盛りは「0」から「10」まで存在する。
この場合、
図8(a)に示す初期表示では、目盛り画像5には、「0」から「10」までの値のうち、「0」から「5」が表示されている。「5」より大きい値は非表示である。すなわち、目盛り画像5のうち、「0」から「5」に含まれる部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。この状態で、ポインタ画像6は、「0」から「5」までの目盛り画像5の目盛り値の間で移動表示が可能である。
【0038】
ポインタ画像6が、
図8(a)では非表示とされていた「5」以上の値まで移動された場合、目盛り画像5には、
図8(b)や
図7(c)のような表示が行われる。
例えば、
図8(b)に示すように、目盛り画像5には、「3」から「8」までの目盛り値が表示される。「3」未満の値、「8」より大きい値は非表示である。すなわち、目盛り画像5のうち、「3」から「8」を含む部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。この状態で、ポインタ画像6は「3」から「8」までの目盛りの値間の移動表示が可能である。
【0039】
あるいは
図8(c)に示すように、目盛り画像5には、「5」から「10」までの目盛り値が表示される。「5」未満の目盛り値は非表示である。すなわち、目盛り画像5のうち、「5」から「10」を含む部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。この状態で、ポインタ画像6は「5」から「10」までの目盛りの値間の移動表示が可能である。
【0040】
下記に詳述するが、
図8(a)、
図8(b)、
図8(c)における目盛り画像5の表示領域内でポインタ画像6が移動されている限りは、表示領域は変更されない。
ただし、例えば
図8(a)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限(表示領域の下側)を超えて移動されようとした場合には、下限を超えた分だけ表示領域は下方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した表示領域のスクロール表示がなされる。
下方へのスクロール表示の結果、表示領域は、
図8(b)のような状態となる。新たな表示領域が設定されているので、
図8(b)の表示領域内で上下にポインタ画像6を移動表示しても、表示領域は変更されない(スクロール表示されない)。
【0041】
なお、例えば
図8(a)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限(表示領域の上側)を超えて移動されようとした場合でも、すでに目盛り画像5の最上部を表示しているので、表示領域のスクロール表示は行われない。
図8(b)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限を超えて移動されようとした場合には、下限を超えた分だけ表示領域はさらに下方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した表示領域のスクロール表示が行われる。
また、
図8(b)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限を超えて移動されようとした場合には上限を超えた分だけ表示領域は上方に移動していく。すなわち、ポインタ画像6の移動に追随した表示領域のスクロール表示が行われる。
移動範囲の上限を超えたポインタ画像6の移動表示を続けると、
図8(a)の状態に戻る。
【0042】
移動範囲の下限を超えたポインタ画像6の移動表示を続けると、
図8(c)の状態に至る。
図8(c)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限を超えて移動されようとした場合、すでに目盛り画像5の最下部を表示しているので、表示領域のスクロール表示は行われない。
図8(c)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限を超えて移動されようとした場合には、上限を超えた分だけ表示領域は上方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した、表示領域のスクロール表示がなされ、
図8(b)のような状態に至る。
【0043】
このように、設計支援装置10は、ポインタ画像6の移動に応じて、目盛り画像5の一部を表示装置に表示させる。
これにより、設計支援装置10では、重ねるレイヤー数が多くなっても、目盛り画像5の一部を拡大表示することにより目盛り値の指定を容易にすることが出来る。
設計支援装置10は、例えば、
図5乃至
図7で示す作成画像と同じレイヤー構造の画像を表示するための描画コマンドを実機50から取得し、それに基づくフレームを実機画像表示領域80に表示する。
作成画像表示領域11における表示と、実機画像表示領域80における表示と、を比較することで、意図通りの表示が実機50で行われているか否かを検証することが出来る。
【0044】
図9は、本実施形態の設計支援装置で作成した画像の表示を検証する態様を説明する図である。
図10、
図11に示す設計支援装置の情報表示画面1の変遷とともに説明する。なお、
図10、
図11では、作成画像表示領域11の表示を省略している。
(1)
図10(a)に示すように、設計支援装置10の利用者は、設計支援装置10においてマウス操作等を行ってポインタ画像6を移動させ、重ねて表示するレイヤー数を指定する。
(2)ポインタ画像6の移動によってレイヤー数が決定されると、設計支援装置10は、指定された数のレイヤーを重ねた動画像のフレームを画像表示装置15に表示する。
(3)設計支援装置10は、作成指示コマンドを実機50に対して出力する。
作成指示コマンドは、表示対象レイヤーの情報と、(2)で決定されたフレームに含ませるレイヤー数を指定する指定情報を含む。
(4)実機50は、作成指示コマンド又は指定情報で指定された数のレイヤーを重ねた動画像のフレームを画像表示装置60に表示するための描画コマンドを作成する。
実機50は、
図10(a)で決定されたレイヤー重ね合わせ状態になるまで描画コマンドを作成する。
実機50は、作成した描画コマンドに基づいて画像表示装置60に画像を表示してもよい。
【0045】
(5)実機50は、(4)で作成した描画コマンドを、設計支援装置10に対して出力する。
実機50は、描画コマンドのみならず、フレームバッファに格納されるデータを設計支援装置10に出力してもよい。
フレームバッファに格納されるデータとは、メインフレームバッファ57aに格納されているフレームとサブフレームバッファ57bに格納されている合成前のレイヤーのことである。
(6)設計支援装置10は、実機50から描画コマンドの入力を受け付けると、
図10(b)に示すように、実機50から出力された描画コマンドをコマンド表示領域70に表示する。
初期状態で、描画コマンドの部分を選択する選択線画像7が、例えば描画コマンドの最後尾に表示されている。
選択線画像7は、ポインタ画像6と同様に、マウス等を用いた操作によって動かすことが出来る。
【0046】
(7)
図10(c)に示すように、設計支援装置10は、実機50から入力された描画コマンドに基づくフレームを生成して実機画像表示領域80に表示する。
このとき、設計支援装置10は、描画コマンドに応じて、記憶装置から1以上の画像データを読み出して、各画像データに対応するレイヤーを描画する。
設計支援装置10は、描画コマンドに応じて、描画した1以上のレイヤーを合成することにより実機画像のフレームを生成し、記憶装置に格納する。
実機画像はすなわち、実機50で描画プログラムが実行されたことにより作成された描画コマンドを用いて、設計支援装置10で生成されたフレームのことである。
【0047】
実際には、設計支援装置10は、コマンド表示領域70内の選択線画像7による選択部分までの描画コマンドを実行したときのフレームを生成して、実機画像表示領域80に表示する。
選択部分は、初期状態では例えば、描画コマンドの最後尾である。従って、
図10(c)では、設計支援装置10は、全てのレイヤーが重ねられ、且つ全ての効果が施されたフレームを表示する。
【0048】
以下、
図11を用いて説明する。
図11(d)に示すように選択線画像7が動かされ、描画コマンドの選択部分が変化した。その場合、設計支援装置10は、
図11(e)に示すように、選択部分までの描画コマンドを実行したフレームを生成して実機画像表示領域80に表示する。
描画コマンドに基づくフレームは、実機50から出力された描画コマンドに基づいて設計支援装置10が生成したものでもよいし、実機50から描画コマンドとともに出力されたものでもよい。
【0049】
また、
図11(f)に示すように、実機画像選択領域90においてフレームバッファが選択されると、実機画像表示領域80に表示されるフレームバッファが切り替えられる。
設計支援装置10自らも、作成指示コマンドに応じて描画コマンドを作成し、描画コマンドに応じて作成画像のフレームを生成して記憶装置に格納する。
作成画像はすなわち、デザイナー等が作成した画像データを用いて、設計支援装置10が生成したフレームのことである。
以上の結果、設計支援装置10の画像表示装置15には、利用者が設計支援装置10を用いて作成した作成画像と、実機50が生成した実機画像と、が表示される。
従って、利用者は両者を見比べて想定通りに実機50で作成画像の表示が行われているかを確認することが出来る。
また、表示されている描画コマンドに位置指定を行うことで、指定された位置までの描画コマンドに対応するフレームが画像表示装置15に表示される。従って、利用者は、不具合があった場合には適宜描画コマンド内の指定位置を変えることで、描画コマンドの不具合箇所を特定することが出来る。
上記の検証は、動画像を構成する1フレームの画像ずつ順次行うことが出来る。
【0050】
利用者は、設計支援装置10の情報表示画面1に表示されるポインタ画像6を移動させる操作を行って重ねて表示するレイヤー数を変化させる。
この操作に連動して、設計支援装置10と実機50において同じ状態でレイヤーを重ねた動画像のフレームが表示され、利用者が目視で一致判定を行う。
このようにすることで、設計支援装置10と実機50の検証効率を向上させ時間及び人的コストを削減することが出来る。
さらに設計支援装置10の画像表示装置15上に、設計支援装置10上の作成画像と実機50での表示画像(実機画像)とを両方表示するので、利用者は、設計支援装置10と実機50を見比べる必要がない。
設計支援装置10と実機50とが必ずしも近接した位置に配置されているとは限らないことを考えると、
図8の場合よりも効率的に検証を行うことが出来る。
同じ表示対象レイヤー及び同じ表示レイヤー数の設定で、動画像に含まれる一部又は全部のフレームを、設計支援装置10及び実機50に連続的に自動表示するようにしてもよい。
利用者は、フレームを切り替えることなく、設計支援装置10の画像表示装置15で、所望のシーンにおける描画コマンドの検証を容易に行うことが出来る。
【0051】
なお、特定の一つのレイヤー同士を詳細に検討したい場合には、
図5で説明した表示レイヤーの選択操作を行い、特定のレイヤーを選択する。
そのレイヤーのみの画像、描画コマンドが設計支援装置10に表示されるので、利用者は特定のレイヤーについて正確に検討可能である。
【0052】
特定のオブジェクトに関連するレイヤーのみについて検討したい場合も同様である。
例えば
図4においてキャラクターを構成するレイヤーのみについて一致検証を行いたい場合は、キャラクターに関連するレイヤーL6~L10のみを選択し、これらを重ねた動画像のフレームを設計支援装置10に表示させる。
この状態で、上記に説明した操作によって重ねレイヤー数を減らしながら、設計支援装置10における作成画像、実機50での表示画像(実機画像)を見比べ、不具合があった重ね状態で描画コマンドの検証を行うことが出来る。
複数のレイヤーから構成される動画像のフレームについて全てのレイヤーが選択されている状態では、最下層から重ねるレイヤーを増やしていくのみで、下層側を排した上側のレイヤーについてのみ、あるは特定のオブジェクトに係わるレイヤーについてのみ目視等による検証を行うことは難しい。それに対して、
図4で説明した操作よって特定のレイヤーを選択することで、特定のオブジェクトに係わるレイヤーについてのみ、描画コマンドの検証を行うことが出来る。
【0053】
図12は、本実施形態に係る設計支援装置の機能構成を示すブロック図ある。
設計支援装置10は、制御部10Aと、記憶部10Bと、を備えている。
また設計支援装置10は、実機50とケーブルを介して接続されて信号を入出力するための入出力部16を備えている。入出力される信号は、設計支援装置10で決定した表示レイヤー数、この表示レイヤー数に基づいて実機50で作成された描画コマンドである。
【0054】
制御部10Aは、受付部21と、設定部22と、表示部23と、決定部24と、通知部25と、取得部26と、生成部27とを備える。
記憶部10Bは、対象レイヤー情報記憶部35、記憶部10B、及びレイヤー数情報記憶部37を記憶する。
また、記憶部10Bには、複数のレイヤーを含むフレームを時系列で並べた1以上のプロジェクトデータを記憶する。
プロジェクトデータは、設計支援装置10と通信可能に接続された記憶装置に格納されてもよい。また、プロジェクトデータは、設計支援装置10がネットワークを介して接続可能なサーバ装置に記憶されていてもよい。
【0055】
受付部21は、マウス、及びキーボード等の入力装置17を用いた操作を受け付ける。
表示部23は、プロジェクトデータの選択を受け付けるダイアログを情報表示画面1に表示させる。そして、表示部23は、ダイアログ画面を用いて利用者により選択されたプロジェクトデータを読み出す。ダイアログは、例えば、情報表示画面1の一部の領域に表示されてもよい。
表示部23は、読みだしたプロジェクトデータに含まれるフレームを一覧表示する。また、表示部23は、フレーム表示領域40を画像表示装置1に表示する。そして、受付部21は、フレーム表示領域40に含まれるフレームの選択を受け付ける。受付部21は、フレームが選択されると、選択されたフレームをプロジェクトデータから読み出す。フレーム表示領域40は、例えば、情報表示画面1の一部の領域に表示されてもよい。また、受付部21は、例えば、フレーム表示領域40をユーザインターフェースとして用いて、利用者によるフレームの選択を受け付ける。
表示部23は、読み出されたフレームに含まれるレイヤーのうち、表示対象とするレイヤーを利用者に選択させるダイアログ(
図5のドロップダウンリスト等)を、情報表示画面1に表示させる。
受付部21は、利用者による1以上のレイヤーの選択を受け付ける。
【0056】
設定部22は、読み込まれたフレーム、及び受付部21によって選択された情報に基づいて、表示対象とするレイヤーの情報を対象レイヤー情報記憶部35に格納する。
対象レイヤー情報記憶部35には、表示対象レイヤーの奥行き方向の前後関係(重ね順)の情報も記憶される。
受付部21による表示対象レイヤーの選択の受付が行われなかった場合には、設定部22は、レイヤー群に含まれる全てのレイヤーを表示対象レイヤーとして設定する。また、受付部21による選択が行われた場合には、設定部22は、選択に係るレイヤーを表示対象レイヤーとして設定する。
【0057】
表示部23は、対象レイヤー情報記憶部35に格納された表示対象レイヤー情報に基づく表示対象レイヤー数を参照する。そして、表示部23は、参照した表示対象レイヤー数に応じた目盛り値を有する目盛り画像5を、画像表示装置15に表示する。さらに、表示部23は、目盛り画像5に含まれる目盛り値を指定する、ポインタ画像6を画像表示装置15に表示する。
表示部23は、入力装置17の操作に応じた入力に基づいて、ポインタ画像6を移動させる。そして、受付部21は、ポインタ画像6が指し示す目盛り画像5の目盛り値を、記憶部10Bに格納する。
表示部23は、対象レイヤー情報記憶部35に格納された表示対象レイヤー情報に応じたレイヤーを、レイヤー数情報記憶部37に格納された表示レイヤー数に応じた数だけ画像表示領域4に表示する。
表示部23は、生成部27が表示対象レイヤーを重ねて生成したフレーム(作成画像)を作成画像表示領域11に表示する処理を行う。
表示部23は、取得部26が実機50から取得した描画コマンドを用いて生成部27が表示対象レイヤーを重ねて生成したフレームを、実機画像表示領域80に表示させる処理を行う。
表示部23は、取得部26が実機50から取得したフレームバッファの内容を実機画像表示領域80に表示させる処理を行う。
【0058】
決定部24は、記憶部10Bに格納された目盛り画像5の目盛り値に基づいて、実際に表示する表示レイヤー数を決定し、決定した表示レイヤー数を、レイヤー数情報記憶部37に格納する。
通知部25は、決定部24が決定した、あるいはレイヤー数情報記憶部37に格納された表示レイヤー数を、入出力部16を介して作成指示コマンドとして実機50に対して出力する。通知部25は、レイヤーを重ねた動画像のフレームを生成する描画コマンドを作成させる指示を作成指示コマンドとして実機50に通知する。
取得部26は、作成指示コマンドに基づいて実機50が作成した描画コマンドを、入出力部16を介して取得する処理を行う。
また取得部26は、作成指示コマンドに基づいて実機50が作成した描画コマンドとともに、実機50のフレームバッファの内容を、入出力部16を介して取得する処理を行う。
フレームバッファの内容は、表示されるメインフレームバッファ57aの内容(フレーム)と、オフスクリーンとなるメインフレームバッファ57bの内容を含む。
生成部27は、実機画像表示領域80に表示するために、実機50から取得した描画コマンドを用いて表示対象レイヤーを重ねたフレームを生成する。
生成部27は、作成画像表示領域11に表示するために、表示対象レイヤーを重ねたフレーム(作成画像)を生成する。
受付部21は、選択線画像7による描画コマンドの位置の選択を受け付ける。
また、受付部21は実機画像選択領域90においてフレームバッファの選択を受け付ける。すなわち、受付部21は、実機画像選択領域90において、メインフレームバッファ57aの内容、メインフレームバッファ57bの内容の選択を受け付ける。
メインフレームバッファ57aの内容は、合成された一以上のレイヤーを含むレイヤー群としてのフレームである。
また、サブフレームバッファ57bの内容は、合成前の一以上のレイヤーを含むレイヤー群である。
表示部23は、受付部21によりフレームバッファ(レイヤー群)の選択が受け付けられたとき、選択されたフレームバッファに含まれるレイヤーを1以上重ねて実機画像表示領域80に表示させる。
【0059】
図13は、本実施形態の設計支援装置が実行する初期表示処理を説明するフローチャートである。
なお、ここでは、受付部21によって、プロジェクトデータが読み込まれ、
図3に示す状態でフレームが展開表示されているものとする。
ステップS101において、受付部21は、
図3に示したフレーム表示領域40で一のフレームの選択を受け付けたか否かを判定する。
選択を受け付けたと判定した場合(ステップS101でYes)、受付部21は、ステップS102において、選択されたフレームのデータを読み出す。
【0060】
設定部22は、ステップS103において、該当のフレームに含まれる全てのレイヤーを表示対象として設定した対象レイヤー情報を、対象レイヤー情報記憶部35に格納する。
次に決定部24は、ステップS104において、表示対象として設定されたレイヤー数を表示レイヤー数情報として設定し、レイヤー数情報記憶部37に格納する。
表示部23は、ステップS105において、表示レイヤー数に応じた目盛り数の目盛りを表示する。
表示部23は、ステップS106において、目盛りの初期表示位置にポインタ画像6を表示する。初期表示位置は、例えば目盛り画像5の最大の目盛り値である。
表示部23は、ステップS107において、表示対象として設定されている全てのレイヤーを、最も奥行き側の1枚目から手前側に重ねて画像表示領域14に表示させる。
通知部25は、ステップS108において、表示対象として設定されている全てのレイヤーを重ねた動画像のフレームを生成する描画コマンドを作成する指示(作成指示コマンド)を実機50に通知する。
【0061】
受付部21においてフレームの選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS101でNo)、設定部22は、ステップS109において、受付部21によってレイヤー選択領域13aを用いた表示対象レイヤーの選択が受け付けられたか否かを判定する。
表示対象レイヤーの選択が受け付けられたと判定した場合(ステップS109でYes)、設定部22は、ステップS110において、選択が受け付けられたレイヤーを表示対象として設定した対象レイヤー情報を、対象レイヤー情報記憶部35に格納する。
その後、表示部23は、対象レイヤー情報に基づいて、ステップS104~S107の処理を実行する。すなわち、表示部23は、選択されたレイヤー数に応じた目盛り数の目盛り画像5を表示し、ポインタ画像6を初期表示位置に表示し、選択されたレイヤーを1枚目から手前側に重ねて表示する。
表示対象レイヤーの選択が受け付けられなかったと判定した場合(ステップS109でNo)、設定部22は何もせずに処理を終了する。あるいは設定部22はフレームの選択を待機する。
【0062】
図14は、本実施形態の設計支援装置が実行するポインタ移動時処理を説明するフローチャートである。
設計支援装置10では、
図6、
図7に示したように、ポインタ画像6の移動に伴って、ポインタ画像6が指し示す目盛り画像5の目盛り値に応じた数の表示対象レイヤーを重ねて表示する。
そして、目盛り画像5は、
図8で説明したように、その一部が拡大されて表示されており、ポインタ画像6の移動に応じて、表示する領域を変化させていく。
表示部23は、ステップS201において、マウス等の入力装置17によるポインタ画像6の移動操作がなされたか否かを判定する。
ポインタ画像6の移動操作がされていないと判定した場合(ステップS201でNo)、表示部23は、そのまま処理を終了する。あるいは、表示部23は、ポインタ画像6の移動操作を待機する。
【0063】
ポインタ画像6の移動操作がなされたと判定した場合(ステップS201でYes)、表示部23は、ステップS202において、移動操作に追随したポインタ画像6の移動表示を開始する。
そして、表示部23は、ステップS203において、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の上限以上であるか否か、すなわち、
図5、
図6における上方向に行われたマウス等操作によるポインタ画像6の移動が、
図8に示した目盛り画像5の表示領域の上限を超えたか否かを判定する。
【0064】
ポインタ画像6の移動量が移動範囲の上限以上でないと判定した場合(ステップS203でNo)、表示部23は、ステップS204の処理を実行する。なお、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の上限以上でないとは、ポインタ画像6の移動先が現在の目盛り画像5の表示領域内に留まっている状態である。
表示部23は、ステップS204において、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の下限以下であるか否かを判定する。すなわち、表示部23は、
図5、
図6における下方向に行われたマウス等操作によるポインタ画像6の移動が、
図7に示した目盛り画像5の表示領域の下限を超えたか否かを判定する。
【0065】
表示部23において、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の下限以下ではないと判定された場合(ステップS204でNo)、決定部24は、ステップS205の処理を実行する。なお、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の下限以下でないとは、ポインタ画像6の移動先が、
図8(a)、
図8(b)、
図8(c)に示す現在の目盛り画像5の表示領域内に留まっている状態である。
決定部24は、S205において、表示領域内で移動した後のポインタ画像6の目盛り画像5に対する位置情報(目盛り値)に基づいて表示レイヤー数を決定する。
そして、表示部23は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
通知部25は、ステップS207において、決定した表示レイヤー数を、実機50に出力し、表示レイヤー数に基づいて重ねたフレームを生成する描画コマンドを作成する指示を実機50に通知する。
【0066】
ステップS203において、ポインタの移動量が移動範囲上限以上の移動量であると判定した場合(ステップS203でYes)、表示部23は、ステップS208の処理を実行する。なお、ポインタの移動量が移動範囲上限以上の移動量であるとは、ポインタ画像6の移動が、
図8に示した目盛り画像5の表示領域の上限を超えた状態である。
表示部23は、S208において、移動範囲(表示領域)の上限を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、目盛り画像5の表示領域を上側に移動する。
すなわち、ポインタ画像6が現在の表示領域を超えて移動表示されようとすると、目盛り画像5は、それに追随し、表示領域を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、スクロール表示される。
【0067】
表示部23は、ステップS209において、目盛り画像5の表示領域が、目盛り画像5の上限に到達したか否かを判定する。
表示領域が目盛り画像5の上限に到達したと判定した場合(ステップS209でYes)、表示部23は、ステップS210において、目盛り画像5の表示領域の移動を固定する。これは、
図8(a)の状態に相当する。
決定部24は、ステップS205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対する位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定する。そして、表示部23は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいてレイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0068】
表示部23において、
図8(b)に示されるように表示領域が目盛り画像5の上限に到達していないと判定された場合(ステップS209でNo)、決定部24は、ステップS205の処理を実行する。
決定部24は、S205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対するポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定する。そして、表示部23は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0069】
ステップS204において、ポインタの移動量が移動範囲下限以上の移動量であると判定した場合(ステップS204でYes)、表示部23は、ステップS211の処理を実行する。なお、ポインタの移動量が移動範囲下限以上の移動量であるとは、ポインタ画像6の移動が、
図8に示した目盛り画像5の表示領域の下限を超えた状態である。
表示部23は、S211において、移動範囲の下限を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、目盛り画像5の表示領域を下側に移動する。
すなわち、ポインタ画像6が現在の表示領域を超えて移動表示されようとすると、目盛り画像5は、それに追随し、表示領域を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、スクロール表示される。
【0070】
表示部23は、ステップS212において、目盛り画像5の表示領域が、目盛り画像5の下限に到達したか否かを判定する。
表示領域が目盛り画像5の下限に到達したと判定した場合(ステップS212でYes)、表示部23は、ステップS210において、目盛り画像5の表示領域の移動を固定する。これは、
図8(c)の状態に相当する。
決定部24は、ステップS205において、ポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定する。そして、表示部23は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0071】
図8(b)に示されるように表示領域が目盛り画像5の下限に到達していないと判定した場合(ステップS212でNo)、決定部24は、ステップS205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対するポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定する。そして、表示部23は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
表示部23は、上記の処理により、ポインタ画像6の移動に合わせて逐次出力されるポインタ画像6の目盛り画像5に対する位置情報に合わせて、表示レイヤー数を順次変化させる。
【0072】
なお目盛り画像5は、図示したものに限らず、横方向に長い態様であってもよい。
目盛り画像5は、図示したスケール状のものに限らず、ダイヤル状のものであってもよい。その場合、利用者は、マウス等の入力装置17を用いて、ダイヤルを回転させる操作を行うことにより、表示されるレイヤー数を変更することが出来る。
レイヤー上の画像は、静止画像であっても、動画像又はそのフレームであってもよい。
【0073】
図4~
図7において、各レイヤーは互いにずれて表示されているが、これはレイヤーの重なり、及び重ねられているレイヤーを説明するための便宜上の表示である。
実際には、必ずしも
図4~
図7のように各レイヤーがずれて表示される必要は無い。
ただし、設計支援装置10を実現する場合に、レイヤーの重なり具合を強調表示するために
図4~
図7のように各レイヤーを互いにずらして表示するようにしてもよい。
【0074】
上記に説明したように、設計支援装置10によれば、複数のレイヤーを含む画像について、目盛り画像に対するポインタ画像の移動表示を行うことによって表示レイヤー数を増減させることが出来る。
利用者が選択した複数のレイヤーを含む動画像のフレームを実機50に表示させた状態で、ポインタの移動表示を行うことで、重ねて表示するレイヤー数を変更した作成画像の実機50での表示態様を確認することが出来る。
これにより、複数レイヤー含む動画像のフレームにおいて、どのレイヤーが意図通りに実機50で表示できていないかを簡単な操作で検証することが出来る。
【0075】
図15は、実機における描画コマンド出力処理を説明するフローチャートである。
例えば画像制御基板53のCPU53aは、ステップS301において、実機50が作成指示コマンドの入力を受け付けたか否かを判定する。
すなわちCPU53aは、作成指示コマンドを設計支援装置10から入力されたか否かを判定する。
作成指示コマンドを入力されたと判定した場合(ステップS301でYes)、ステップ302において、CPU53aは、作成指示コマンドに応じて描画コマンドを作成する。詳しくは、CPU53aは、作成指示コマンドで指定されている表示対象レイヤーを結合した動画像のフレームを生成するための描画コマンドを作成する。
ステップS305において、CPU53aは、作成した描画コマンドを設計支援装置10に対して出力する。
作成指示コマンドを入力されなかったと判定した場合(ステップS301でNo)、CPU53aは、ステップS303において、レイヤー数を指定するコマンド(指定情報)を入力されたか否かを判定する。
【0076】
レイヤー数を指定するコマンドを入力されたと判定した場合(ステップS303でYes)、CPU53aは、ステップS304において、対象レイヤーのうち、コマンドで指定された数のレイヤーを結合した動画像のフレームを生成する描画コマンドを作成する。
ステップS305において、CPU53aは、ステップS304で作成した描画コマンドを設計支援装置10に対して出力する制御を行って処理を終了する。
レイヤー数を指定するコマンドは、作成指示コマンドとともに出力されてもよく、表示レイヤー数の指定(指定情報)は、作成指示コマンド内で行われてもよい。
【0077】
図16は、設計支援装置におけるフレームバッファ表示処理を説明するフローチャートである。
ステップS401において、取得部26は、実機50から描画コマンドを入力されたかを判定する。
取得部26において、描画コマンドを入力されたと判定された場合(ステップS401でYes)、表示部23は、ステップS402において、入力された描画コマンドをコマンド表示領域70に表示する。
生成部27は、ステップS403において描画コマンドを用いたフレームを生成する。
表示部23は、ステップS404において描画コマンドを用いて生成したフレームを実機画像表示領域80に表示し、フレームバッファ表示処理は終了する。
取得部26において、描画コマンドを入力されなかったと判定された場合(ステップS401でNo)、受付部21は、ステップS405において、コマンド表示領域70において、選択線画像7による選択位置の変更を受け付けたか否かを判定する。
受付部21において、選択線画像7による選択位置の変更を受け付けたと判定された場合(ステップS405でYes)、生成部27は、ステップS406において、移動後の選択位置までの描画コマンドに基づくフレームを生成する。
表示部23は、ステップS407において、ステップS407で生成したフレームを実機画像表示領域80に表示し、フレームバッファ表示処理は終了する。
受付部21において、選択線画像7による選択位置の変更を受け付けなかったと判定された場合(ステップS405でNo)、受付部21は、ステップS408において、実機画像選択領域90でフレームバッファの選択を受け付けたか否かを判定する。
受付部21において、選択を受け付けたと判定した場合(ステップS408でYes)、表示部23は、実機画像表示領域80に表示するフレームバッファを切り替え、フレームバッファ表示処理は終了する。
受付部21において、選択を受け付けなかったと判定した場合(ステップS408でNo)、フレームバッファ表示処理は終了する。
【0078】
設計支援装置10上の分析ツールからのレイヤー重ね合わせ情報の操作に連動して、実機50側から、指定されたレイヤー重ね合わせ段階までの描画コマンド及びその時点のフレームバッファの情報を設計支援装置10に対して出力する。
レイヤー重ね合わせ段階までの描画コマンド及びフレームバッファの分析を行う事が容易である。これにより、映像を構成する描画コマンド及びフレームバッファの遷移分析を容易に行うことが可能となり、時間及び人的コストを大幅に削減することが出来る。
CGROMに記憶した画像データを用いて描画される画像が、実機50の表示装置に想定通りに表示できない原因となる、描画コマンドの不具合箇所を特定することが出来る。
設計支援装置10の利用者である開発者は、特定した描画コマンドの不具合箇所に係る描画プログラムの部分を見るだけで、描画プログラムの不具合箇所を特定できる。従って、開発者は、描画プログラムの不具合箇所の発見に係る時間を削減し、プログラムの修正に係る工数を減らすことができる。
【0079】
図17、
図18は、実機で作成される描画コマンドを例示する図である。いずれも、不具合箇所を含んでいる。
図17では、矩形描画(SPRITE)のX座標が画面外の(4096)であり、何も表示されない。
図18のSETROMASKコマンドにおいて、Aは透明度を規定するα値を適用するかを設定するためのパラメータである。A:0であり、マスクOFFに設定されている。
RGBは、色を出すか否かを設定するパラメータである。RGB:0でありマスクONであるため、何も出力されない。
図17、
図18に示す描画コマンドにおいて、上記不具合箇所の前後に選択線画像7を移動させて、実機画像表示領域80の表示を切り替えることによって、利用者はコマンドの誤りを特定しやすくなる。
【0080】
設計支援装置10は、例えば、排他的論理などを用いて、作成画像表示領域1に表示されている作成画像と、実機画像表示領域80に表示される実機画像と、をレイヤーごとに確認する。
設計支援装置10は、互いの画像の対応するレイヤー間で許容範囲外の違いがある場合には、画像を不一致と判定する。設計支援装置10は、不一致と判定された実機画像の描画に係る描画コマンドの位置を示すように、選択線画像7を表示してもよい。
また設計支援装置10は、作成画像と実機画像の対応レイヤー感で許容範囲外の違いがあるとき、そのようなレイヤーの描画に関連する描画コマンドの位置を示すように、選択線画像7を表示してもよい。
また設計支援装置10は、コマンド表示領域70で描画コマンドをスクロールするときに、不一致と判定された実機画像の描画に係る描画コマンドの部分でスクロールが引っ掛かる機能を有しても良い。
設計支援装置10は、不一致と判定された実機画像の描画に係る描画コマンドの範囲をハイライト表示してもよい。
また設計支援装置10は、描画コマンドをスクロールするときに、作成画像に含まれるレイヤーと対応する実機画像に含まれるレイヤーとの間に許容範囲外の違いがある、不具合レイヤーの描画に係る描画コマンドの部分で引っ掛かる機能を有しても良い。
設計支援装置10は、作成画像に含まれるレイヤーと対応する実機画像に含まれるレイヤーとの間に許容範囲外の違いがある、不具合レイヤーの描画に係る描画コマンドの範囲をハイライト表示してもよい。
【0081】
上記のように設計支援装置10は、実機50で作成された描画コマンドを取得し、この描画コマンドに基づいて設計支援装置10又は実機50で生成したフレームに不具合箇所がないかどうかを検証するものである。
設計支援装置10は、描画コマンドに限らず、実機50で作成される音声再生コマンドを検証することが出来る。設計支援装置10は、実機50において音声再生コマンドを作成するプログラムに生じている不具合を検証することが出来る。
【0082】
図19は、本実施形態の設計支援装置で作成したサウンドの再生出力を検証する態様を説明する図である。
図19の場合、情報表示装置1に表示される情報は
図9とは異なる。
図19に示すように、作成画像表示領域11には、設計支援装置10で作成される1以上の音声トラックを合成した楽曲の波形データが表示される。作成画像表示領域11に表示される波形データは、楽曲の一部であり、例えば数小節含むフレーズである。
フレーズは、楽曲を時間的に分割し、楽曲を構成する一単位である。上記に説明した動画像における1フレームと同等に考えられる。
1フレーズの楽曲データは、複数の音声トラックが合成されて構成される。設計支援装置10の利用者としての開発者は、エコーやフェイドなど、音声トラック別に異なる効果を付与することが出来る。
そして開発者は、
図4に示したフレームと同様に、フレーズを一つ一つ選択しながら編集や作成を加え、楽曲全体を作成することが出来る。
また開発者は、
図19の場合において、目盛り画像5、ポインタ画像6を用いて、作成画像表示領域11に表示する表示トラック数を指定することが出来る。
図5乃至
図7で説明した表示対象レイヤーの選択と同様に、各フレーズにおいて、表示対象トラックを、利用者が設定することが出来る。
設定された表示対象トラック及び指定された表示トラック数(指定情報)を含む作成指示コマンドの実機50への出力が、
図13、
図14と同様の処理を設計支援装置10が実行することで行われる。
作成指示コマンドに対する設計支援装置10への音声再生コマンドの出力が、
図15と同様の処理を実機50が実行することで行われる。
【0083】
図19に示すように、コマンド表示領域70には、フレーズにおける音声トラックの重ね合わせの情報に基づいて実機50で作成された音声再生コマンドの内容が表示される。
再生コマンドは、描画コマンドと同様の働きを有する。
再生コマンドは、VDP55が、指定される音声トラックに指定された効果を施したうえで合成し、波形画像を生成するためのコマンドである。
図19に示すように、実機画像表示領域80には、音楽再生コマンドに基づいて合成されたフレーズの波形画像が表示される。
図19では、ポインタ画像6が目盛り画像5の目盛り「1」を指しているので、フレーズを構成する一つの波形画像のみが実機画像表示領域80に表示されている。
図19に示すように、実機画像選択領域90には、実機画像表示領域80に表示される波形画像に含まれる音声トラック情報を選択可能なリストが表示される。
リストから選択することで、設計支援装置10、フレーズに含まれる任意の音声トラックの波形画像を、実機画像表示領域80に表示することが出来る。
【0084】
サウンドの再生出力を検証する流れを説明する。
(1)
図10(a)に示す場合と同様に、設計支援装置10の利用者は、設計支援装置10においてマウス操作等を行ってポインタ画像6を移動させ、重ねて表示する表示トラック数を指定する。
(2)ポインタ画像6の移動によって表示トラック数が決定されると、設計支援装置10は、指定された数の音声トラックを重ねたフレーズの波形画像を画像表示装置15に表示する。
(3)設計支援装置10は、決定された表示トラック数の情報を含む作成指示情報を実機50に対して出力する。
(4)実機50は、指定された数の音声トラックを重ねた波形データをスピーカーから再生出力するための音声再生コマンドを作成する。
実機50は、(1)で決定された音声トラック重ね合わせ状態になるまでの音声再生コマンドを作成する。
(5)実機50は、(4)で作成した音声再生コマンドを設計支援装置10に対して出力する。実機50は、音声再生コマンドとともに波形データを設計支援装置10に出力してもよい。
(6)設計支援装置10は、
図10(b)に示す場合と同様に、出力された音声再生コマンドをコマンド表示領域70に表示する。
(7)
図10(c)に示すように、設計支援装置10は、音声再生コマンドに基づく波形画像を生成し、実機画像として実機画像表示領域80に表示する。
設計支援装置10は、コマンド表示領域70内における選択部分までのコマンドを実行したときの波形画像を生成して実機画像表示領域80に表示する。
選択部分は、初期状態では例えば、コマンドの最後尾であり、全ての音声トラックが重ねられ、全ての効果が施された波形画像が実機画像表示領域80に表示される
コマンド表示領域70内における選択部分が変更されると、設計支援装置10は、
図11(e)に示すように、コマンド表示領域70内における選択部分までのコマンドを実行したときの波形データを生成して実機画像表示領域80に表示する。
また、設計支援装置10自らも、作成指示コマンドに応じて音声再生コマンドを作成し、音声再生コマンドに応じて作成画像としての波形画像を生成する。
従って、利用者は両者を見比べて想定通りに実機50で作成画像の表示が行われているかを確認することが出来る。
音声再生コマンドに基づく波形データは、出力された音声再生コマンドに基づいて設計支援装置が作成したものでもよいし、実機50から音声再生コマンドとともに出力されたものでもよい。
【0085】
フレームの場合と異なり設計支援装置10と実機50との間で入出力される信号は、設計支援装置10で決定した表示トラック数と、この表示トラック数に基づいて実機50が作成した音声再生コマンドである。
また、記憶部10Bには、複数のトラックを含むフレーズを時系列で並べた1以上のプロジェクトデータを格納可能であり、適宜プロジェクトデータを呼び出して、画像表示装置15に表示することが出来る。
プロジェクトデータは、設計支援装置10と通信可能に接続された記憶装置に記憶されてもよい。また、プロジェクトデータは、設計支援装置10がネットワークを介して接続可能なサーバ装置に記憶されていてもよい。
【0086】
受付部21は、マウス等の入力装置17を用いた操作を受け付ける。
表示部23は、プロジェクトデータの選択を受け付けるダイアログを情報表示画面1に表示させる。そして、受付部21は、ダイアログ画面を用いて利用者により選択されたプロジェクトデータを読み出す。ダイアログは、例えば、情報表示画面1の一部の領域に表示されてもよい。
表示部23は、読みだしたプロジェクトデータに含まれるフレーズを一覧表示する。また、表示部23は、フレーズ表示領域40を画像表示装置1に表示する。そして、受付部21は、フレーズ表示領域40に含まれるフレーズの選択を受け付ける。受付部21は、フレーズが選択されると、選択されたフレーズをプロジェクトデータから読み出す。フレーズ表示領域40は、例えば、情報表示画面1の一部の領域に表示されてもよい。また、受付部21は、例えば、フレーズ表示領域40をユーザインターフェースとして用いて、利用者によるフレーズの選択を受け付ける。
受付部21は、読み出されたフレーズに含まれるトラックのうち、表示対象とするトラックを利用者に選択させるダイアログ(
図5のドロップダウンリスト等)を、情報表示画面1に表示させる。そして、受付部21は、利用者によるトラックの選択を受け付ける。
【0087】
設定部22は、読み込まれたフレーズ、及び受付部21によって選択された情報に基づいて、表示対象とするトラックの情報を記憶部10Bに格納する。記憶部10Bには、表示対象トラックの重ね順の情報も記憶される。
受付部21により表示対象トラックの選択が受け付けられなかった場合には、設定部22は、トラック群に含まれる全てのトラックを表示対象トラックとして設定する。また、受付部21により表示対象トラックの選択が受け付けられた場合には、設定部22は、選択に係るトラックを表示対象トラックとして設定する。
【0088】
表示部23は、記憶部10Bに格納された表示対象トラック情報に基づく表示対象トラック数を参照する。そして、表示部23は、参照した表示対象トラック数に応じた目盛り値を有する目盛り画像5を、画像表示装置15に表示する。さらに表示部23は、目盛り画像5に含まれる目盛り値を指定する、ポインタ画像6を画像表示装置15に表示する。
表示部23は、入力装置17の操作に応じた入力に基づいて、ポインタ画像6を移動させる。そして、受付部23は、ポインタ画像6が指し示す目盛り画像5の目盛り値を、記憶部10Bに格納する。
表示部23は、記憶部10Bに格納された表示対象トラック情報に応じたトラックを、記憶部10Bに格納された表示トラック数に応じた数だけ画像表示装置15上の画像表示領域4に表示する。
表示部23は、生成部27が作成した波形画像を、作成画像表示領域11、実機画像表示領域80に表示する処理を行う。表示部23は、取得部26が実機50から取得した波形画像を実機画像表示領域80に表示する処理を行う。
【0089】
決定部24は、記憶部10Bに格納された目盛り画像5の目盛り値に基づいて、実際に表示する表示トラック数を決定し、決定した表示トラック数を記憶部10Bに格納する。
通知部25は、決定部24が決定した、あるいは記憶部10Bに格納された表示トラック数を、入出力部16を介して作成指示コマンドとして実機50に出力し、トラックを重ねた動画像の波形画像を生成する音声再生コマンドを作成させる指示を行う。
取得部26は、作成指示コマンドに基づいて実機50が作成した音声再生コマンドを、入出力部16を介して取得する処理を行う。
生成部27は、表示対象トラックを重ねて、作成画像表示領域11に表示する波形画像を生成する。また、生成部27は、実機50から入力された音声再生コマンドを用いて表示対象トラックを重ね、実機画像表示領域80に表示する波形画像を生成する。
【0090】
図20は、実機で作成される音声再生コマンドを例示する図であり、不具合箇所を含んでいる。
PHRASESTART ORのコマンドで再生をするときに、パラメータSLで音を出すか否かを設定する。音を出すべき箇所でパラメータSLが「1」となっており、音がならないという不具合がある。
図21は、実機で作成される音声再生コマンドを例示する図であり、不具合箇所を含んでいる。
PANのパラメータが水平方向であるべきところ、上下方向と指定されており、意図通りの出力とならない不具合がある。
【0091】
図22は、コンピュータ装置の一実施例を示すブロック図である。
図22を参照して、コンピュータ装置200の構成について説明する。
図22において、コンピュータ装置200は、制御回路201と、記憶装置202と、読書装置203と、記録媒体204と、通信インターフェイス205と、入出力インターフェイス206と、入力装置207と、表示装置208とを含む。また、通信インターフェイス205は、ネットワーク300と接続される。そして、各構成要素は、バス210により接続される。
設計支援装置10は、コンピュータ装置200に記載の構成要素の一部または全てを適宜選択して構成することが出来る。
【0092】
制御回路201は、コンピュータ装置200全体の制御をする。制御回路201は、例えば、Central Processing Unit(CPU)などのプロセッサである。制御回路201は、例えば、
図12における制御部10Aとして機能する。
記憶装置202は、各種データを記憶する。そして、記憶装置202は、例えば、Read Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)などのメモリや、Hard Disk(HD)などである。記憶装置202は、制御回路201を、制御部10Aとして機能させるプログラムを記憶してもよい。記憶装置202は、例えば、
図12における記憶部10Bとして機能する。
【0093】
設計支援装置10は、記憶装置202に記憶されたプログラムをRAMに読み出す。
設計支援装置10は、RAMに読み出されたプログラムを制御回路201で実行することにより、受付処理、設定処理、表示処理、決定処理、通知処理、取得処理、生成処理のいずれか1以上を含む処理を実行する。
なおプログラムは、制御回路201が通信インターフェイス205を介してアクセス可能であれば、ネットワーク300上のサーバが有する記憶装置に記憶されていても良い。
読書装置203は、制御回路201に制御され、着脱可能な記録媒体204のデータのリード/ライトを行なう。
記録媒体204は、各種データを保存する。記録媒体204は、例えば、情報処理プログラムを記憶する。記録媒体204は、例えば、Secure Digital(SD)メモリーカード、Floppy Disk(FD)、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disk(DVD)、Blu-ray(登録商標) Disk(BD)、及びフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ(非一時的記録媒体)である。
【0094】
通信インターフェイス205は、ネットワーク300を介してコンピュータ装置200と他の装置とを通信可能に接続する。
通信インターフェイス205は、入出力部16として機能しネットワークを介してコンピュータ装置200と遊技機の実機50などの外部装置とを接続する。この場合、コンピュータ装置200と遊技機の実機50との間で、作成指示コマンド、描画コマンドを、ネットワークを介して送受信可能である。
入出力インターフェイス206は、例えば、各種入力装置と着脱可能に接続するインターフェイスである。入出力インターフェイス206は、接続された各種入力装置とコンピュータ装置200とを通信可能に接続する。そして、入出力インターフェイス206は、接続された各種入力装置から入力された信号を、バス210を介して制御回路201に対して出力する。また、入出力インターフェイス206は、制御回路201から出力された信号を、バス210を介して入出力装置に対して出力する。入力装置は、例えば、キーボード、及びマウスなどである。入力装置は、例えば、
図12おいて、入力装置17として機能する。また、入出力インターフェイス206は、例えば、
図12において、受付部21として機能する。
また、入出力インターフェイス206は入出力部16として機能しケーブルを介してコンピュータ装置200と遊技機の実機50などの外部装置とを接続する。この場合、コンピュータ装置200と遊技機の実機50との間で、作成指示コマンド、描画コマンドを、ケーブルを介して入出力可能である。
【0095】
表示装置208は、各種情報を表示する。表示される情報は、情報表示画面1と、それに含まれる作成画像表示領域11、コマンド表示領域70、実機画像表示領域80、実機画像選択領域90と、各領域の表示項目を含む。ネットワーク300は、例えば、LAN、無線通信、P2Pネットワーク、またはインターネットなどであり、コンピュータ装置200と他の装置を通信接続する。
なお、本実施形態は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることが出来る。
【符号の説明】
【0096】
1…情報表示画面、5…目盛り画像、6…ポインタ画像、7…選択線画像、10…設計支援装置、10A…制御部、10B…記憶部、11…作成画像表示領域、12…プロジェクト選択ボタン、13…レイヤー選択ボタン、14…画像表示領域、15…画像表示装置、16…入出力部、17…入力装置、21…受付部、22…選択部、23…設定部、24…表示部、25…決定部、26…指示部、27…取得部、28…検証部、31…表示レイヤー情報記憶部、35…対象レイヤー情報記憶部、36…ポインタ位置情報記憶部、37…レイヤー数情報記憶部、40…フレーム表示領域、50…実機、60…画像表示装置、100…システム、200…コンピュータ装置、201…制御回路、202…記憶装置、203…読書装置、204…記録媒体、205…通信インターフェイス、206…入出力インターフェイス、207…表示装置、208…表示装置、210…バス、300…ネットワーク