(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019792
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】トイレ選定プログラム、トイレ選定装置、トイレ選定システム及びトイレ選定方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20220120BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20220120BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20220120BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/13
G08G1/005
G09B29/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187837
(22)【出願日】2021-11-18
(62)【分割の表示】P 2018218379の分割
【原出願日】2018-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】515134863
【氏名又は名称】トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】正森 良輔
(72)【発明者】
【氏名】村木 洋介
(57)【要約】
【課題】ユーザの状況に応じてユーザに推奨するトイレを選定することが可能なプログラムを提供すること。
【解決手段】コンピュータに、トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報と、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間と、に基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定ステップを実行させるための、トイレ選定プログラム。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
排泄予測装置から送信されたユーザの排泄予測に関する情報を受信する受信ステップと、
トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報とに基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定ステップとを実行させ、
前記ユーザの排泄に関する情報は、前記排泄予測に関する情報を含むトイレ選定プログラム。
【請求項2】
前記ユーザの排泄に関する情報は、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間をさらに含む請求項1に記載のトイレ選定プログラム。
【請求項3】
前記トイレ選定ステップにおいて、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間を前記排泄予測に関する情報に基づいて演算する、請求項2に記載のトイレ選定プログラム。
【請求項4】
前記トイレ選定ステップにおいて、前記排泄到達時間から前記排泄不可時間を差し引いた余裕時間に基づいてトイレを選定する、請求項3に記載のトイレ選定プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
選定されたトイレの情報をユーザ端末の表示部に表示する表示ステップを実行させるための、請求項1から4のいずれか一項に記載のトイレ選定プログラム。
【請求項6】
前記表示ステップにおいて、前記選定されたトイレの情報を地図上に表示する、請求項5に記載のトイレ選定プログラム。
【請求項7】
前記トイレ選定ステップにおいて、前記トイレに関する情報に含まれるトイレの属性に基づいてトイレを選定する、請求項1から6のいずれか一項に記載のトイレ選定プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
ユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップを実行させ、
前記トイレ選定ステップにおいて、前記位置情報に基づいてトイレを選定する、請求項1から7のいずれか一項に記載のトイレ選定プログラム。
【請求項9】
排泄予測装置から送信されたユーザの排泄予測に関する情報を受信する受信部と、
トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報とに基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定部とを備え、
前記ユーザの排泄に関する情報は、前記排泄予測に関する情報を含むトイレ選定装置。
【請求項10】
ユーザ端末とサーバ装置とがネットワークを介して通信可能に接続されたトイレ選定システムであり、
前記ユーザ端末又は前記サーバ装置のいずれか一方が、
排泄予測装置から送信されたユーザの排泄予測に関する情報を受信する受信部と、
トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報とに基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定部とを備え、
前記ユーザの排泄に関する情報は、前記排泄予測に関する情報を含むトイレ選定システム。
【請求項11】
コンピュータが備えるトイレ選定部が、
トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報とに基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定ステップを実行し、
前記ユーザの排泄に関する情報は、排泄予測装置から送信されたユーザの排泄予測に関する情報を含むトイレ選定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定プログラム、トイレ選定装置、トイレ選定システム及びトイレ選定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地図データとトイレの位置情報を組み合わせることにより、地図上にトイレの位置を表示する技術がある。また、この技術と携帯電話のGPS(Global Positioning System)機能を組み合わせることにより、ユーザの現在位置の付近にあるトイレをユーザに提示する技術がある。
【0003】
特許文献1には、便器の周囲にパーティションが設けられて成るブースが少なくとも1つずつ配置されている複数のトイレの中から、前記ブースの使用を意図するユーザの求めに応じて、少なくとも1つの前記トイレを選択するトイレ選択システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているトイレ選択システムは、ユーザがトイレを使用したいと感じた時に利用する技術であると考えられる。しかしながら、本発明者は、ユーザがトイレを使用したいと感じていなくても、トイレに行っておくことが望ましい場合があることに着目した。例えば、トイレ設備がない電車や車の中に長時間乗らざるを得ない時や、長時間離席することができない会議に出席する時など、ユーザが長時間トイレに行くことができない状況が想定される場合などである。このような状況の場合には、ユーザが現時点でトイレを使用したいか否かに関わらず、ユーザの状況に応じて、トイレを提示する技術が有用であると本発明者は考えた。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザの状況に応じてユーザに推奨するトイレを選定することが可能なプログラムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、
コンピュータに、
トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報と、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間と、に基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定ステップを実行させるための、トイレ選定プログラムを提供する。
前記ユーザの排泄に関する情報は、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間を含んでもよい。
前記トイレ選定ステップにおいて、前記排泄到達時間から前記排泄不可時間を差し引いた余裕時間に基づいてトイレを選定してもよい。
前記トイレ選定プログラムは、選定されたトイレの情報をユーザ端末の表示部に表示する表示ステップを前記コンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。
前記表示ステップにおいて、前記選定されたトイレの情報は地図上に表示されてもよい。
前記排泄不可時間は、ユーザによって入力された時間であってもよい。
前記トイレ選定ステップにおいて、前記トイレに関する情報に含まれるトイレの属性に基づいてトイレが選定されてもよい。
前記トイレ選定プログラムは、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップを前記コンピュータに実行させるプログラムであってもよく、前記トイレ選定ステップにおいて、前記位置情報に基づいてトイレが選定されてもよい。
前記トイレ選定プログラムは、排泄予測装置から送信されたユーザの排泄予測に関する情報を受信する受信ステップを前記コンピュータに実行させるプログラムであってもよく、前記トイレ選定ステップにおいて、前記排泄に関する情報として前記排泄予測に関する情報が用いられてもよい。
【0008】
また、本発明は、
トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報と、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間と、に基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定部を備える、トイレ選定装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、
ユーザ端末とサーバ装置とがネットワークを介して通信可能に接続されたトイレ選定システムであり、
前記ユーザ端末又は前記サーバ装置のいずれか一方が、
トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報と、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間と、に基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定部を備える、トイレ選定システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、
コンピュータが備えるトイレ選定部が、
トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報と、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間と、に基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定ステップを実行することを含む、トイレ選定方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザの状況に応じてユーザに推奨するトイレを選定することが可能なプログラムを提供することが可能である。なお、本発明の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】トイレ選定システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】データ送信サーバ20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ端末10の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】データ送信サーバ20の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】表示部105が表示するトイレの情報の一例を示す図である。
【
図7】表示部105が表示するトイレの情報の一例を示す図である。
【
図8】ユーザ端末10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】ユーザ端末10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】ユーザ端末10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】ユーザ端末10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】ユーザ端末10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】ユーザ端末10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】トイレ選定システム1Aのシステム構成の一例を示す図である。
【
図15】ユーザ端末10Aの機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<1.第1実施形態>
(1)システムの構成
まず、
図1を参照して、第1実施形態に係るトイレ選定システム1のシステム構成について説明する。
図1は、トイレ選定システム1のシステム構成の一例を示す図である。トイレ選定システム1は、ユーザ端末10及びデータ送信サーバ20を備える。ユーザ端末10及びデータ送信サーバ20は、インターネットなどのネットワーク30を介して通信可能に接続されている。ネットワーク30は、インターネットに限定されるものではなく、ユーザ端末10とデータ送信サーバ20とを通信可能に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線など)、有線LAN(Local Area Network)、無線LANなどであってもよく、インターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。なお、
図1では1つのユーザ端末10を図示しているが、トイレ選定システム1においてユーザ端末10は2以上でありうる。
【0014】
トイレ選定システム1において、ユーザ端末10は、ネットワーク30を介してデータ送信サーバ20からダウンロードしたトイレ選定プログラムを実行する。当該トイレ選定プログラムは、本発明の一実施形態に係るプログラムである。
【0015】
ユーザ端末10は、本発明におけるコンピュータの一例である。本発明におけるコンピュータは、上記トイレ選定プログラムが実行されることにより、トイレ選定装置として機能する。すなわち、ユーザ端末10は、トイレ選定装置の一例である。
【0016】
(2)ハードウェア構成
次に、
図2及び
図3を参照して、第1実施形態に係るトイレ選定システム1のハードウェア構成について説明する。
図2は、ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3は、データ送信サーバ20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0017】
図2に示すように、ユーザ端末10は、制御装置11、記憶装置12、通信装置13、表示装置14、入力装置15及び位置情報取得装置16を備える。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。
【0018】
制御装置11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成されており、ユーザ端末10が備える各部を制御する。また、制御装置11は、記憶装置12に記憶された情報及びプログラムなどを読み込んで実行する。記憶装置12は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどにより構成されており、OS(Operating System)やユーザ端末10の各種機能を制御するプログラム、データ送信サーバ20からダウンロードされたトイレ選定プログラムなどを記憶する。本実施形態のユーザ端末10は、記憶装置12に記憶されたトイレ選定プログラムが制御装置11によって実行されることにより、トイレ選定装置として機能する。
【0019】
通信装置13は、通信を媒介する通信インタフェースである。表示装置14は、文字や画像などの表示を行う。入力装置15は、ユーザの入力操作に応じた入力信号を生成する。ユーザ端末10にディスプレイ及び操作ボタンなどを設けることにより表示装置14と入力装置15とを別々に構成してもよく、ユーザ端末10にタッチパネルを設けることにより表示装置14と入力装置15とを一体に構成してもよい。
【0020】
位置情報取得装置16は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機などにより構成されており、ユーザ端末10の位置情報を取得する。位置情報取得装置16の他の例としては、無線LANによる測位技術、加速度センサによる測位技術、又は機器が発信した電波を受信することによる測位技術を利用する装置や、電気通信事業者の基地局情報を利用する装置などが挙げられる。
【0021】
なお、ユーザ端末は、トイレ選定プログラムを実行するコンピュータの一例であるが、トイレ選定プログラムを実行するコンピュータはユーザ端末に限定されない。後述するユーザ端末の機能の一部又は全部を有するサーバ装置をコンピュータとして用いてもよい。つまり、本発明におけるコンピュータは、ユーザ端末であってもよく、サーバ装置であってもよく、相互に通信するユーザ端末及びサーバ装置であってもよい。
【0022】
データ送信サーバ20は、サーバ装置の一例である。
図3に示すように、データ送信サーバ20は、制御装置21、記憶装置22、通信装置23を備える。制御装置21は、例えばCPU、ROM、RAMなどにより構成されており、データ送信サーバ20が備える各部を制御する。また、制御装置21は、記憶装置22に記憶された情報及びプログラムなどを読み込んで実行する。記憶装置22は、例えばハードディスクドライブなどにより構成されており、OS及びトイレ選定プログラムなどを記憶する。通信装置23は、通信を媒介する通信インタフェースである。
【0023】
(3)機能構成
次に、
図4及び
図5を参照して、第1実施形態に係るトイレ選定システム1の機能構成について説明する。
図4は、ユーザ端末10の機能構成の一例を示す図である。
図5は、データ送信サーバ20の機能構成の一例を示す図である。
【0024】
図4に示すように、ユーザ端末10は、トイレ情報記憶部101、排泄情報記憶部102、設定部103、トイレ選定部104、表示部105、入力部106及び位置情報取得部107を備える。これらの各機能部は、基本的に、ユーザ端末10の制御装置11が本発明の一実施形態に係るトイレ選定プログラムを実行することにより実現されるものである。
【0025】
トイレ情報記憶部101は、記憶装置12により実現され、トイレに関する情報を記憶する。排泄情報記憶部102は、記憶装置12により実現され、ユーザの排泄に関する情報を記憶する。設定部103は、制御装置11により実現され、ユーザの排泄に関する情報を扱う処理などを実行する。トイレ選定部104は、制御装置11及び記憶装置12などにより実現され、記憶装置12に記憶されている情報を参照し、ユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定ステップを実行する。表示部105は、表示装置14により実現され、選定されたトイレの情報を表示する表示ステップを実行する。入力部106は、入力装置15により実現され、ユーザの入力操作に応じた入力信号を生成する。位置情報取得部107は、位置情報取得装置16により実現され、ユーザ端末10の位置情報を取得する位置情報取得ステップを実行する。
【0026】
なお、本実施形態におけるユーザは、トイレ選定システム1から情報を取得する者であればよく、ユーザ端末の所有者に限定されるものではない。すなわち、トイレ選定システム1から情報を取得する者とユーザ端末の所有者は、同一でもよく異なってもよい。
【0027】
図5に示すように、データ送信サーバ20は、制御装置21により実現される制御部201、記憶装置22により実現される記憶部202及び通信装置23により実現される通信部23を備える。制御部201は、ユーザ端末10からの要求に応じて、記憶部202に記憶されているトイレ選定プログラムを、通信部203及びネットワーク30を介してユーザ端末10へ送信する機能を備える。
【0028】
次に、
図4に戻り、ユーザ端末10の機能構成について、更に詳細に説明する。
【0029】
トイレ情報記憶部101は、トイレに関する情報を記憶する。トイレに関する情報には、トイレの位置情報が含まれる。トイレの位置情報は、例えば、緯度及び経度により表されてもよく、予め設定された座標により表されてもよい。
【0030】
トイレに関する情報には、トイレの属性が含まれることが好ましい。トイレの属性は、トイレ選定部104がトイレを選定する際の指標として用いられうる。トイレの属性としては、例えば、便器の形状(和式又は洋式)、温水洗浄便座の有無、トイレットペーパーの備え付けの有無、ベビーチェアの有無、便器の個数、トイレの設置場所、トイレが設置されている建物の階数、有料か無料か、使用中か否か、清潔度、トイレに入る際の心理的抵抗の大小、使用日時や使用回数などのユーザのトイレ使用履歴などが挙げられる。
【0031】
トイレに入る際の心理的抵抗について具体的な例を挙げる。例えば、レストランに設置されているトイレの場合、一般的に、レストランを利用せずにトイレだけを利用することには抵抗を感じる人が多いと考えられるため、当該トイレの属性としての心理的抵抗は大きい。一方、無料の公衆トイレであれば、上述したレストランに設置されているトイレの場合のような抵抗を感じにくいと考えられるため、当該トイレの属性としての心理的抵抗は小さい。
【0032】
ユーザのトイレ使用履歴は、例えば、ユーザが好んで使用するトイレをトイレ選定部104が選定する際の指標となりうる。例えば、トイレの使用履歴として洋式トイレの使用回数と和式トイレの使用回数を保持し、和式トイレの使用回数よりも洋式トイレの使用回数の方が多ければ、ユーザは洋式トイレを好んで使用すると判断できる。また、例えば、トイレの使用履歴として温水洗浄便座付きトイレの使用回数と温水洗浄便座なしのトイレの使用回数を保持し、温水洗浄便座付きトイレの使用回数が温水洗浄便座なしのトイレの使用回数よりも多ければ、ユーザは温水洗浄便座付きトイレを好んで使用すると判断できる。
【0033】
排泄情報記憶部102は、ユーザの排泄に関する情報を記憶する。排泄に関する情報としては、例えば、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間、体内に存在する排泄物の量、膀胱の容量、消化管の状態などが挙げられる。
【0034】
消化管の状態としては、例えば、蠕動運動の動き、直腸の便量、直腸の膨らみなどが挙げられる。
【0035】
排泄不可時間としては、例えば、トイレ設備がない乗り物に乗っている時間、離席することができない会議に出席している時間などが挙げられるが、これらに限定されるものではなくユーザの状況に応じた時間とすればよい。
【0036】
排泄到達時間及び排泄不可時間などの排泄に関する情報は、設定部103から出力される情報でもよく、入力部106を介してユーザにより入力された情報でもよい。また、ユーザ端末10は、データ送信サーバ20又は他の装置から送信された情報を受信してもよく、設定部103は、受信された当該情報を排泄に関する情報として利用してもよい。上記他の装置としては、例えば、後段の第2実施形態で説明する排泄予測装置が挙げられる。
【0037】
設定部103は、ユーザの排泄に関する情報を扱う処理などを実行する。例えば、設定部103は、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間を設定する。排泄到達時間の設定方法は、特に限定されない。設定部103は、記憶装置22に記憶されている情報に基づいて排泄到達時間を演算し設定してもよく、データ送信サーバ20又は他の装置(例えば排泄予測装置)から送信された情報に基づいて排泄到達時間を演算し設定してもよい。より具体的な例としては、設定部103は、ユーザの膀胱の容量と膀胱内の残尿量とに基づいて残尿量が膀胱の容量に到達する時間を演算し、当該時間を排泄到達時間として設定してもよい。設定部103は、消化管の生体活動性に関する計測情報から蠕動運動の活動性に関する情報を抽出することで蠕動運動の活動性の度合いを示す活動性スコアを演算し、当該活動性スコアに基づいて算出される便の移動速度を用いて排泄到達時間を演算し設定してもよい。
【0038】
なお、排泄物が尿の場合、膀胱に徐々に尿が溜まるため、排泄到達時間は時間の経過とともに徐々に減少していく傾向にある。一方、排泄物が便の場合、大きな蠕動運動(大蠕動運動)が発生すると突発的に便意を感じる場合があることから、排泄到達時間が急激に短くなる場合がある。つまり、排泄到達時間は、必ずしも経過時間と相関するように変動するとは限らず、排泄物が尿であるか便であるかによって変動の態様が異なる。
【0039】
上述した具体例における膀胱の容量に到達する時間や便の移動速度は、データ送信サーバ20又は他の装置(例えば排泄予測装置)からユーザ端末10が受信したものであってもよい。
【0040】
また、設定部103は、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間を設定することができる。排泄不可時間の設定方法は、特に限定されない。例えば、設定部103は、入力部106を介してユーザにより入力された値を排泄不可時間として設定してもよい。設定部103は、記憶装置22に記憶されている情報や、記憶装置22に記憶されている他のプログラムから出力される情報、位置情報取得部107が取得した情報などに基づいて排泄不可時間を演算し設定してもよい。設定部103は、データ送信サーバ20又は他の装置(例えば排泄予測装置)から送信された情報に基づいて排泄不可時間を演算し設定してもよい。
【0041】
排泄不可時間の設定方法について、より具体的な例を挙げて説明する。例えば、ユーザが目的地までの移動中にトイレへ行くことができない状況の場合、設定部103は、ユーザ端末10の現在位置の情報と目的地までの距離の情報と移動手段の情報とに基づいて、排泄不可時間を演算し設定してもよい。ユーザが車で高速道路を移動する場合、設定部103は、ユーザ端末10に予めインストールされている地図情報を管理するソフトウェアと連携して現在位置から最も近いサービスエリアまでの所要時間を取得し、当該所要時間を排泄不可時間として設定してもよい。ユーザが電車を利用する場合、設定部103は、ユーザ端末10に予めインストールされている電車の乗換経路を検索するソフトウェアと連携してユーザの乗車時間を取得し、当該乗車時間を排泄不可時間として設定してもよい。設定部103は、ユーザ端末10に予めインストールされているユーザの行動予定を管理するソフトウェアと連携してユーザが会議に出席する予定の時間を取得し、当該時間を排泄不可時間として設定してもよい。
【0042】
トイレ選定部104は、トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報と、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間と、に基づいてユーザに推奨するトイレを選定する。より詳細には、トイレ選定部104は、トイレに関する情報と、ユーザの排泄に関する情報及び排泄不可時間から予測されるユーザの状況と、に基づいて、ユーザに推奨するトイレを選定する。選定されるトイレの数は、1つでもよく2つ以上でもよい。
【0043】
トイレ選定部104は、ユーザの排泄に関する情報の中から、例えば、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間を取得し、当該排泄到達時間と、排泄不可時間と、を比較することによりユーザの状況を予測する。例えば、トイレ選定部104は、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引くことにより算出される余裕時間に基づいて、ユーザの状況を予測することができる。
【0044】
余裕時間は、排泄不可時間が経過した後でもユーザがトイレに行くことが可能な時間を示す。例えば、排泄到達時間が3時間であり、排泄不可時間が2時間である場合、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引いた余裕時間は1時間である。この場合、排泄不可時間が経過した後でも、トイレに行く時間的余裕が1時間あることを意味する。一方、例えば、排泄到達時間が2時間であり、排泄不可時間が3時間である場合、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引いた余裕時間はマイナス1時間である。余裕時間がマイナスであることは、排泄不可時間が経過する前に排泄到達時間が到来することを意味する。この場合、ユーザはトイレに行くことができない時間帯に尿意や便意を催す可能性が高いため、排泄不可時間が到来する前にできる限り早めにトイレへ行くことが望ましい。また、余裕時間が短いと、排泄不可時間が経過した後、排泄到達時間までの間に、ユーザがトイレに行けない可能性がある。このため、余裕時間が所定の値より短い場合、ユーザは排泄不可時間が到来する前にトイレに行くことが望ましい。このように、余裕時間の値は、ユーザの状況を予測するための指標の1つとなりうる。
【0045】
余裕時間がマイナスの場合、トイレ選定部は、位置情報取得部107が取得したユーザ端末10の現在の位置情報に基づいて、現在の位置から最も近いトイレを選定することが好ましい。また、余裕時間が所定の値より短い場合、トイレ選定部104は、位置情報取得部107が取得したユーザ端末10の現在の位置情報に基づいて、余裕時間の範囲内で行くことが可能なトイレを選定することが好ましい。
【0046】
なお、上記所定の値は、予めトイレ選定部104に設定されていてもよく、ユーザが任意で設定した値であってもよい。また、設定された所定の値はユーザにより変更されてもよい。例えば、所定の値が10分と設定されている場合、近辺に利用可能なトイレが多数存在しており10分以内にトイレに行くことが可能な状況であれば問題ないが、10分以内に行くことが可能なトイレが1つもない場所であると、トイレに行く前に排泄到達時間が到来してしまうおそれが高い。よって、現在位置付近の状況などに応じて、ユーザが上記所定の値を適宜変更してもよい。
【0047】
トイレ選定部104は、ユーザの状況や好みにより適したトイレを推奨するために、トイレに関する情報に含まれるトイレの属性に基づいてトイレを選定することが好ましい。
【0048】
また、トイレ選定部104は、ユーザの好みに応じたトイレを選定すべく、入力部106を介してユーザにより入力されたトイレの選定条件に応じてトイレを選定してもよい。トイレの選定条件の入力方法は、特に限定されない。例えば、下記(a)~(f)に示すように、トイレの属性ごとに選定条件の選択肢を設けて、ユーザに希望する選択肢を入力させる方法を採用してもよい。
【0049】
(a)便器の形状:和式/洋式/どちらでもよい
(b)温水洗浄便座:有/無/どちらでもよい
(c)トイレットペーパーの備え付け:有/無/どちらでもよい
(d)便器の数:1個以上/2個以上/3個以上/いくつでもよい
(e)料金:有料/無料/どちらでもよい
(f)場所:コンビニ/駅構内/デパート/レストラン/ホテル/公園/どこでもよい
【0050】
表示部105は、選定されたトイレの情報を表示する。
図6は、表示部105が表示するトイレの情報の一例を示す図である。表示の方法は特に限定されないが、表示部105は、選定されたトイレの情報を地図上に表示することが好ましい。この際、表示部105は、位置情報取得部107が取得した現在位置の情報をあわせて地図上に表示してもよい。
図6に示す例では、トイレの形状のアイコンと人の形状のアイコンを地図上に表示しており、これによりトイレの位置とユーザ端末10の現在位置とを示している。
図7は、表示部105が表示するトイレの情報の他の一例を示す図である。表示部105は、
図7に示すように、選定されたトイレの推奨順位を示す数字をトイレの形状のアイコンに重ねて表示してもよい。地図の情報は、予めユーザ端末10の記憶装置12に記憶されているものでもよく、インターネット上の地図サービスから提供される情報でもよい。
【0051】
(4)動作
次に、
図8から
図13を参照して、第1実施形態に係るトイレ選定システム1におけるトイレ選定方法について説明する。前提として、排泄情報記憶部102にはユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間が記憶されている。
図8は、ユーザ端末10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
設定部103は、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間を設定し(ステップS11)、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引くことにより算出される時間を余裕時間として設定する(ステップS12)。設定部103は、余裕時間がマイナス又は所定の値より短いか否かを判定する(ステップS13)。余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合(ステップS13:Yes)、トイレ選定部104は、トイレに関する情報と余裕時間とに基づいてユーザに推奨するトイレを選定する(ステップS14)。表示部105は、選定されたトイレの情報を表示する(ステップS15)。
【0053】
余裕時間がマイナスの場合、ユーザは、トイレに行くことができない時間帯にトイレに行きたくなる可能性が高い。余裕時間が所定の時間より短い場合、トイレに行くことができない時間が経過しても、時間的余裕が少ないためにユーザが実際にはトイレへ行けない可能性がある。いずれの場合も、ユーザは、尿意や便意を感じていなくても早めにトイレに行っておくべき状況にあるといえる。ユーザは、トイレ選定システム1を用いることで、尿意や便意に関係なく早めにトイレに行くべきか否かや、トイレに行くことを選択した場合に推奨されるトイレはどこにあるのか、などの情報を取得することができる。
【0054】
図9は、ユーザ端末10が実行する処理の他の一例を示すフローチャートである。次に、
図9を参照して、トイレ選定部104が、トイレに関する情報に含まれるトイレの属性の1つであるトイレ使用履歴に基づいてトイレを選定する例を説明する。
【0055】
設定部103は、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間を設定し(ステップS21)、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引くことにより算出される時間を余裕時間として設定する(ステップS22)。設定部103は、余裕時間がマイナス又は所定の値より短いか否かを判定する(ステップS23)。余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合(ステップS23:Yes)、トイレ選定部104は、トイレに関する情報に含まれるトイレ使用履歴の情報を参照し、洋式トイレの使用回数と和式トイレの使用回数とを比較する(ステップS24)。洋式トイレの使用回数が和式トイレの使用回数以上の場合(ステップS25:Yes)、トイレ選定部104は、洋式トイレを選定する(ステップS26)。一方、洋式トイレの使用回数が和式トイレの使用回数未満の場合(ステップS25:No)、トイレ選定部104は、和式トイレを選定する(ステップS27)。表示部105は、選定されたトイレの情報を表示する(ステップS28)。
【0056】
このように、トイレ使用履歴をトイレ選定の指標とすることにより、ユーザの好みに応じたトイレを選定することが可能である。
【0057】
図10は、ユーザ端末10が実行する処理の他の一例を示すフローチャートである。次に、
図10を参照して、トイレ選定部104が、ユーザにより入力されたトイレ選定条件に応じてトイレを選定する例を説明する。
【0058】
設定部103は、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間を設定し(ステップS31)、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引くことにより算出される時間を余裕時間として設定する(ステップS32)。設定部103は、余裕時間がマイナス又は所定の値より短いか否かを判定する(ステップS33)。余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合(ステップS33:Yes)、ユーザは入力部106を介して希望するトイレの選定条件を入力し、入力部106はこれを受け付ける(ステップS34)。トイレ選定部104は、受け付けたトイレの選定条件に合致するトイレを選定する(ステップS35)。表示部105は、選定されたトイレの情報を表示する(ステップS36)。
【0059】
このように、トイレの選定条件をユーザに入力させることで、ユーザの好みにより適したトイレを推奨することができる。
【0060】
図11は、ユーザ端末10が実行する処理の他の一例を示すフローチャートである。次に、
図11を参照して、トイレ選定部104が、排泄到達時間が所定の値より短い場合にのみトイレを選定する例を説明する。
【0061】
設定部103は、排泄到達時間を設定し(ステップS41)、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引くことにより算出される時間を余裕時間として設定する(ステップS42)。設定部103は、余裕時間がマイナス又は所定の値より短いか否かを判定する(ステップS43)。余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合(ステップS43:Yes)、トイレ選定部104は、トイレに関する情報と余裕時間とに基づいてユーザに推奨するトイレを選定する(ステップS45)。表示部105は、選定されたトイレの情報を表示する(ステップS46)。一方、余裕時間が所定の値以上の場合(ステップS43:No)、設定部103は、排泄到達時間が所定の値より短いか否かを判定する(ステップS44)。排泄到達時間が所定の値より短い場合(ステップS44:Yes)、トイレ選定部104は、トイレに関する情報と余裕時間とに基づいてユーザに推奨するトイレを選定する(ステップS45)。表示部105は、選定されたトイレの情報を表示する(ステップS46)。一方、排泄到達時間が所定の値以上の場合(ステップS44:No)、トイレ選定部104はトイレを選定せずに処理を終了する。
【0062】
図11に示す例では、排泄到達時間が所定の値より短い場合にトイレを選定し、排泄到達時間が所定の値以上の場合にはトイレを選定しない。排泄到達時間が所定の値以上である場合とは、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間が十分に長い場合を意味する。排泄までの時間が十分にある状況であれば、ユーザにトイレに関する情報を提示してトイレに行くことを検討させるまでもない場合が多いと考えられる。そこで、このような場合にはあえてトイレを選定しないという処理フローを採用してもよい。
【0063】
図12は、ユーザ端末10が実行する処理の他の一例を示すフローチャートである。次に、
図12を参照して、トイレ選定部104が、トイレに関する情報に含まれるトイレの属性の1つである心理的抵抗に基づいてトイレを選定する例を説明する。
【0064】
設定部103は、排泄到達時間を設定し(ステップS51)、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引くことにより算出される時間を余裕時間として設定する(ステップS52)。設定部103は、余裕時間がマイナス又は所定の値より短いか否かを判定する(ステップS53)。余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合(ステップS53:Yes)、トイレ選定部104は、心理的抵抗の大小に関わらずトイレを選定する(ステップS54)。一方、余裕時間が所定の値以上の場合(ステップS53:No)、心理的抵抗が小さいトイレを選定する(ステップS55)。表示部105は、選定されたトイレの情報を表示する(ステップS56)。
【0065】
余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合、ユーザはできる限り早くトイレに行くべきであり、仮に心理的抵抗が大きいトイレであっても使用するべきと考えられる。つまり、余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合、心理的抵抗の大小はトイレの選定において優先すべき指標になりにくい。一方、余裕時間が所定の値以上の場合、ユーザはトイレに行く時間的な余裕があり心理的抵抗が大きいトイレは避ける傾向にあると考えられるため、心理的抵抗の小さいトイレが選定されることが好ましい。
【0066】
上述した処理の例では、余裕時間が所定の値より短いか否かをトイレ選定の指標としたが、例えば、余裕時間が長くなるほど心理的抵抗がより小さいトイレを選定するなど、余裕時間の長さと1又は2以上のトイレの属性とを組み合わせてトイレを選定する指標としてもよい。
【0067】
図13は、ユーザ端末10が実行する処理の他の一例を示すフローチャートである。次に、
図13を参照して、トイレ選定部104が、位置情報に基づいてトイレを選定する例を説明する。
【0068】
設定部103は、排泄到達時間を設定し(ステップS61)、排泄到達時間から排泄不可時間を差し引くことにより算出される時間を余裕時間として設定する(ステップS62)。設定部103は、余裕時間がマイナス又は所定の値より短いか否かを判定する(ステップS63)。余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合(ステップS63:Yes)、位置情報取得部107は、ユーザ端末の現在の位置情報を取得する(ステップS64)。トイレ選定部104は、現在の位置から近いトイレを選択する(ステップS65)。一方、余裕時間が予定の値以上の場合(ステップS63:No)、心理的抵抗が小さいトイレを選定する(ステップS66)。表示部105は、選定されたトイレの情報を表示する(ステップS67)。
【0069】
余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合、ユーザはできる限り早くトイレに行くべきと考えられる。このため、
図13に示す例では、余裕時間がマイナス又は所定の値より短い場合、トイレ選定部104はユーザ端末10の現在位置から近いトイレを優先的に選定する。
【0070】
図示はしないが、
図13に示す例の変形例として、余裕時間がマイナスの場合、トイレ選定部104はユーザ端末10の現在位置からの距離が近いトイレを優先的に選定し、余裕時間が所定の値より短い場合、余裕時間の範囲内で行くことが可能な距離に位置するトイレを選定してもよい。
【0071】
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態のトイレ選定システム1Aについて説明する。
図14は、トイレ選定システム1Aのシステム構成の一例を示す図である。トイレ選定システム1Aは、ユーザ端末10A、データ送信サーバ20及びネットワーク30に加えて、排泄予測装置40を備える。ユーザ端末10A及びデータ送信サーバ20のハードウェア構成は、基本的に
図2及び
図3に示した第1実施形態の構成と同様である。また、データ送信サーバ20の機能構成は、基本的に
図5に示した第1実施形態の機能構成と同様である。以下、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0072】
排泄予測装置40としは、例えば、排尿予測装置、尿量推定装置、排便予測装置、便量推定装置などが挙げられる。排泄予測装置40は、生体情報を取得するセンサ部、センサ部の出力に基づいて排泄を予測する排泄予測部、排泄予測部から出力されるユーザの排泄予測に関する情報を無線で送信する近距離無線送信部などを備える。近距離無線送信部には、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信技術による通信プロトコルが適用されてもよく、赤外線通信が適用されてもよい。
【0073】
排泄予測装置40から送信されるユーザの排泄予測に関する情報には、例えば、ユーザの体内の内容物が排泄されるまでの時間を示す排泄到達時間、体内に存在する排泄物の量、膀胱の容量、消化管の状態などが含まれうる。
【0074】
図15は、ユーザ端末10Aの機能構成の一例を示す図である。本実施形態のユーザ端末10Aは、
図4で示した第1実施形態に係るユーザ端末10の機能構成に加えて、近距離無線受信部108を備える。近距離無線受信部108は、通信装置13により実現され、排泄予測装置40から送信されたユーザの排泄予測に関する情報を受信する受信ステップを実行する。近距離無線受信部108の通信方式には、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFCなどの近距離無線通信技術による通信や赤外線通信など、排泄予測装置40の近距離無線送信部と同じ通信方式が適用される。
【0075】
第2実施形態のユーザ端末10Aは、上記第1実施形態のユーザ端末10と基本的には同様に機能するものあるが、ユーザの排泄に関する情報として、排泄予測装置40から受信したユーザの排泄予測に関する情報を用いる。すなわち、本実施形態のユーザ端末10Aにおいて、トイレ選定部104は、トイレに関する情報と、排泄予測装置40から受信したユーザの排泄予測に関する情報と、ユーザがトイレに行くことができない時間を示す排泄不可時間と、に基づいてユーザに推奨するトイレを選定するトイレ選定ステップを実行する。上記排泄予測に関する情報には、上記第1実施形態において説明した排泄に関する情報と同様の情報が含まれうる。
【0076】
本実施形態のトイレ選定システム1Aは、排泄予測装置40を備えることにより、ユーザの排泄に関する情報の精度を高めるができるため、ユーザの状況をより正確に予測した上で、ユーザに更に好適なトイレを推奨することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1,1A トイレ選定システム
10 ユーザ端末
20 データ送信サーバ
30 ネットワーク
40 排泄予測装置