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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020022
(43)【公開日】2022-01-28
(54)【発明の名称】包被食品成形方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A23P 20/20 20160101AFI20220121BHJP
   A21C 9/06 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
A23P20/20
A21C9/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123342
(22)【出願日】2020-07-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】390013941
【氏名又は名称】株式会社コバード
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】特許業務法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 博紀
(72)【発明者】
【氏名】吹上 透
【テーマコード(参考)】
4B031
4B048
【Fターム(参考)】
4B031CA09
4B031CB02
4B031CG25
4B031CJ12
4B048PE12
4B048PM16
4B048PP01
(57)【要約】
【課題】本発明は、外皮材のサイズ及び特性に対応して封着動作に用いる生地量を容易に調整することができる包被食品の成形方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る包被食品成形方法は、第一シャッタを開いた状態とし第一シャッタの下方に取り付けられたる第二シャッタを閉じた状態として第二シャッタのシャッタ片上にシート状の外皮材を載置する載置工程と、前記第二シャッタを開く方向に動作させて外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲工程と、湾曲させた外皮材に対して第二シャッタを閉じる方向に動作させて外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程と、第一シャッタ及び第二シャッタを閉じる方向に動作させて内材を包み込むように外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着工程とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシャッタ片からなる第一シャッタを開いた状態とするとともに第一シャッタの下方に取り付けられた複数のシャッタ片からなる第二シャッタを閉じた状態として第二シャッタのシャッタ片上にシート状の外皮材を載置する載置工程と、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲工程と、湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程と、前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着工程とを含む包被食品成形方法。
【請求項2】
前記載置工程では、前記第一シャッタ及び前記第二シャッタの間に取り付けられたシート状の受け部材の開口内で第二シャッタを閉じた状態として前記外皮材を載置する請求項1に記載の包被食品成形方法。
【請求項3】
前記載置工程では、前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて載置された前記外皮材の周縁部を位置調整する請求項1又は2に記載の包被食品成形方法。
【請求項4】
前記湾曲工程では、前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材の周縁部を中央部分に向かって寄せるように移動させる請求項1から3のいずれかに記載の包被食品成形方法。
【請求項5】
複数のシャッタ片からなる第一シャッタと、前記第一シャッタの下方に取り付けられるとともに複数のシャッタ片からなる第二シャッタと、シート状の外皮材に内材を配置する内材送給部と、前記内材送給部を動作させて前記外皮材に前記内材を配置するとともに前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材に配置された前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する制御部とを備える包被食品成形装置であって、
前記制御部は、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させるとともに湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材の中央部分に内材を配置するように動作制御する包被食品成形装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて前記第二シャッタの前記シャッタ片上に載置されたシート状の外皮材の周縁部を位置調整する請求項4に記載の包被食品成形装置。
【請求項7】
前記内材送給部は、前記内材を吐出する吐出管を備えており、前記制御部は、前記吐出管を前記外皮材の中央部分に当接させた状態で前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて位置調整を行う請求項6に記載の包被食品成形装置。
【請求項8】
前記第一シャッタ及び前記第二シャッタの間に取り付けられるとともに開口が形成されたシート状の受け部材を備えている請求項5から7のいずれかに記載の包被食品成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パン生地、饅頭生地等の外皮材により餡、総菜等の内材を包み込むように成形する包被食品成形方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の外皮材上に内材を配置して、外皮材の周縁部をシャッタ手段により寄せ集めて内材を包み込むように封着成形する成形方法が実用化されており、多数の包被食品を安定して成形することが行われている。
【0003】
こうした成形方法では、外皮材の周縁部を封着する前に寄せ集める生地量を調整することで、封着部分を確実に封鎖して内材の漏出を防止するとともに、封着部分に余分な生地が集まって厚みが不均一となることなく高品質の成形品を得ることができる。
【0004】
こうした封着の際の生地量を調整する方法としては、例えば、特許文献1では、載置部材上の外皮材の周囲を複数のシャッタ片によって形成されたシャッタ開口部の閉動作により外皮材を載置部材の開口部内に自重によって下方に窪ませ、シャッタ開口部の開口径を縮径する閉動作を調整し自重によって載置部材の開口部内へ窪ませて、載置部材の開口部の周りに配置された外皮材の周縁部の生地量を調整する包被食品の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5750350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、載置部材の開口内に外皮材を自重で窪ませて載置部材の開口の周囲に残留する外皮材の周縁部の生地量を調整しているが、載置部材の開口が所定の形状に設定されているため、外皮材のサイズ及び特性が変化した場合にそれに応じたサイズの開口を有する載置部材に交換することが必要となる。また、載置部材の開口のサイズが複数種類に予め設定されている場合、設定サイズの中間のサイズに対応した生地量の調整が難しくなるといった課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、外皮材のサイズ及び特性に対応して封着動作に用いる生地量を容易に調整することができる包被食品の成形方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る包被食品の成形方法は、複数のシャッタ片からなる第一シャッタを開いた状態とするとともに第一シャッタの下方に取り付けられた複数のシャッタ片からなる第二シャッタを閉じた状態として第二シャッタのシャッタ片上にシート状の外皮材を載置する載置工程と、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲工程と、湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程と、前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着工程とを含む。
【0009】
本発明に係る包被食品成形装置は、複数のシャッタ片からなる第一シャッタと、前記第一シャッタの下方に取り付けられるとともに複数のシャッタ片からなる第二シャッタと、シート状の外皮材に内材を供給する内材供給部と、前記内材供給部を動作させて前記外皮材に前記内材を配置するとともに前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材に配置された前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する制御部とを備える包被食品成形装置であって、前記制御部は、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させるとともに湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材の中央部分に内材を配置するように動作制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような構成を有することで、第二シャッタのシャッタ片上に載置されたシート状の外皮材に対して第二シャッタを開く方向に動作させて外皮材の中央部分の湾曲させる際に湾曲する領域を調整することで、第二シャッタ上に残留する生地量を調整することができ、外皮材のサイズ及び特性に対応して封着動作に用いる生地量を容易に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態に関する概略正面図である。
図2】第一シャッタに関する平面図である。
図3】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図4】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図5】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図6】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図7】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図8】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図9】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図10】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図11】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
図12】包被食品成形装置の成形工程に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明に係る包被食品成形装置に関する概略正面図である。包被食品成形装置1は、筺体2、内材を供給する供給部3、内材を吐出して外皮材に配置する吐出部4、吐出部4を上下動させる移動部5、外皮材の縁部を押える押え部6、外皮材を搬入する搬入部7、上下二段に取り付けられた第一シャッタ80及び第二シャッタ81を動作させて外皮材に内材を配置した状態で外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着部8、及び、外皮材を支持するとともに成形品を搬出する支持部9を備えている。この例では、供給部3及び吐出部4は、シート状の外皮材に内材を配置する内材送給部に相当する。また、図示されていないが、各部の動作を制御して成形動作を行うように制御する制御装置を備えている。
【0014】
制御装置は、後述するように、供給部3及び吐出部4を動作させて外皮材に内材を配置する配置動作及び封着部8を動作させて外皮材に配置された内材を包み込むように外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着動作を行うように制御する。また、第一シャッタ80を閉じる方向に動作させて第二シャッタ81のシャッタ片上に載置されたシート状の外皮材の周縁部を位置調整する位置調整動作及び第二シャッタ81を開く方向に動作させて載置された外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲動作といった外皮材に対する各シャッタの動作制御を行い、外皮材への内材の配置動作において湾曲させた外皮材に対して第二シャッタ81を閉じる方向に動作させて外皮材の中央部分に内材を配置するように動作制御を行う。
【0015】
成形に用いる内材としては、例えば、粒餡や漉し餡等の豆類の餡、豆腐ペースト、野菜ペースト、カレーペースト、クリームチーズ等のペースト状の食材が挙げられ、こうしたペースト状の食材には固形食材を混ぜ込んで用いることもできる。混ぜ込む固形食材としては、例えば、大栗、アーモンド、マカダミア・ナッツ、ブルーベリー等の果実類、リンゴやオレンジ等の果肉の角切り、甘納豆、乾燥フルーツ、金時豆、ナッツ類の粒状物、ウィンナ、角切り肉、角切りジャガイモ、角切りニンジン等の加工食材といったものが挙げられる。成形に用いる外皮材としては、例えば、パン生地、中華饅頭生地、デニッシュパン生地、ドーナツ生地といった食材が挙げられる。
【0016】
供給部3は、筺体2の上部に設けられており、ペースト状の食材等の内材を収容するホッパ30、ホッパ30内の内材を供給管32に圧送するベーンポンプ31を備えている。供給管32は、吐出部4に接続されており、可撓性を有する管材が用いられ、後述する吐出部4の上下動に対して柔軟に対応することができるようになっている。
【0017】
吐出部4は、供給管32が接続された吐出管40及び吐出管40を支持する支持フレーム41を備えており、吐出管40の内部には円柱状の開閉部材が挿入されている。開閉部材は、駆動ロッドを介してエアアクチュエータ42に接続されており、エアアクチュエータ42を揺動駆動することで、開閉部材を吐出管40内で揺動させることができる。また、支持フレーム41には、開閉部材を上下動させるエアシリンダ43が設けられており、エアシリンダ43を動作させることで、吐出管40内を開閉部材が上下方向に摺動するようになり、開閉手段として機能するようになる。
【0018】
移動部5は、吐出部4の支持フレーム41が固定された作動部材を備えており、作動部材は、筺体2の内面に設けられた駆動機構により上下方向に移動するようになっている。そのため、作動部材が上下動することで、吐出部4全体が上昇及び下降の動作を行うようになる。
【0019】
押え部6は、移動部5の作動部材に取り付けられており、吐出管40の先端部のノズルの周囲に配置されるリング状の押え部材60を備えている。押え部材60は、支持板61に固定されており、支持板61には上面にエアシリンダ62の駆動ロッドが固定されている。エアシリンダ62は、移動部5の作動部材に固定されており、駆動ロッドを上下方向に前進及び後退させるように動作する。そのため、押え部材60は、吐出管40の周囲に配置された状態で上下方向に移動するようになる。
【0020】
搬入部7は、シャトルコンベヤからなり、シート状の外皮材を搬送する搬送ベルト70及び搬送ベルト70を移動させる駆動プーリ71を備えている。シャトル動作を行うための従動プーリ72を搬送方向に移動させることで、搬送ベルト70を吐出部4の下方まで延長させるように動作する。なお、搬入部7の搬送方向上流側には、外皮材を所定の厚さで略円形状に整形する整形機構が配置されており、整形されたシート状の外皮材が搬入部7に移送されるようになっている。
【0021】
封着部8は、上下二段の第一シャッタ80及び第二シャッタ81を備えており、第一シャッタ80及び第二シャッタ81の間には、中心部に円形の開口が形成されたシート状の受け部材82が挿入されている。第一シャッタ80及び第二シャッタ81は、吐出管40の下方に配置されており、シャッタ片により形成される開口領域の中心が吐出管40の中心軸とほぼ一致するように筺体2に取り付けられている。また、受け部材82についてもその中心部に形成された開口の中心が吐出管40の中心軸とほぼ一致するように配置されている。
【0022】
第一シャッタ80及び第二シャッタ81は、それぞれ支持基板に複数のシャッタ片が回動可能に取り付けられており、各シャッタ片の回動軸が連結されて一体化している。そして、下段の第二シャッタ81の下側に設けられた支持バーを筐体2に取り付けるようになっている。
【0023】
なお、受け部材82は、必要に応じて取り付けることができ、成形に用いる外皮材のサイズや特性に合わせて用いるとよい。
【0024】
図2は、上段の第一シャッタ80に関する平面図である。第一シャッタ80は、6枚のシャッタ片80aを備えており、各シャッタ片80aは、中心軸を中心とする円周に等間隔で配置された回動軸に回動可能に取り付けられている。各回動軸には、回動板80bがシャッタ片80aと係合ピン等の係合部材により取り外し可能に連結されて装着されており、回動板80b及びシャッタ片80aが回動軸を中心に一体的に回動するようになっている。回動板80bの回動軸よりも外側の外周縁部には、上面側にリンク部材80cの端部が枢支されており、隣り合う回動板80b同士がリンク部材80cにより連結されている。そのため、6枚の回動板80bは、連動して回動動作を行うようになっており、回動板80bの回動動作によりシャッタ片80aが回動動作を行うようになっている。シャッタ80の筐体2側に配置された回動板80bには、連結ロッド80dの一方の端部が揺動可能に取り付けられており、他方の端部は連結ナットにより駆動ロッド83と着脱可能に連結されるようになっている。駆動ロッド83は、筐体2内に配置された駆動機構に連結されており、駆動機構を往復動作させることで、回動板80bを回動軸を中心に揺動させてシャッタ片80aを開閉動作させている。
【0025】
この例では、6枚のシャッタ片80aを時計回りに回動させることで開く方向に動作し、反時計回りに回動させることで閉じる方向に動作するようになっている。そして、回動する角度を調整することで、シャッタ片80aにより囲まれた開口領域の面積を調整することができる。
【0026】
下段の第二シャッタ81についても上段の第一シャッタ80と同様に構成されており、6枚のシャッタ片を開閉動作させて封着動作を行うようになっている。
【0027】
上述した封着部8の例では、6枚シャッタを用いているが、シャッタのシャッタ片の枚数は6枚に限定されることはなく、2枚以上のシャッタ片を用いたシャッタであれば使用することができる。また、第一シャッタ及び第二シャッタのシャッタ片の枚数が異なるように設定することも可能で、第一シャッタ及び第二シャッタのどちらか一方を省略した一段シャッタ及び受け部材で構成することもできる。
【0028】
支持部9は、成形品を搬出する搬送ベルト90を備えており、搬送ベルト90は、従動プーリ91及び92に張架されるとともに駆動機構93の駆動プーリに巻回されて張設されている。そして、搬送ベルト90の従動プーリ91側は、シャッタ81の下方に延設されており、受け部材82の開口のほぼ直下の位置に支持部材94が設けられている。支持部材94は、搬送ベルト90の上側の下面に当接するように配置されている。
【0029】
支持部材94は、筺体2の内部に設けられた支持部9の作動部材に作動フレームを介して固定されており、作動部材は、筺体2の内部に設けられた駆動機構により上下動するようになっている。作動部材が上下動することで支持部材94が上昇及び下降の動作を行うようになり、後述するように、封着部8において成形動作を行う際に支持部材94が搬送ベルト90とともに上昇して外皮材を支持し、外皮材に内材が包み込まれた成形品を搬送ベルト90上に載置した状態で支持部材94を下降させて搬送ベルト90を駆動することで、成形品を搬出することができる。
【0030】
図3から図12は、包被食品成形装置1の成形工程に関する説明図である。説明図では、成形動作に関連する吐出部4、押え部6、封着部8及び支持部9の動作を示している。図3は、初期設定の状態を示している。吐出部4及び押え部6は、予め上昇して待機位置に設定されている。封着部8は、第一シャッタ80が開いた状態に設定されており、第二シャッタ81が閉じた状態又はわずかに開いた状態に設定されている。支持部材94は、上昇して湾曲した外皮材を支持可能な位置に設定されている。
【0031】
図4は、搬入部7からシート状の外皮材Fが第二シャッタ81及び受け部材82上に投入されて載置された状態を示している。第二シャッタ81の各シャッタ片81aは閉じた状態に設定されているため、上面は平面状に形成されており、外皮材Fはほぼ平面状に載置されるようになる。吐出部4及び押え部6は、載置された外皮材Fに対向する下降した位置に設定される。
【0032】
図5は、載置された外皮材Fの位置調整を行う工程を示している。第二シャッタ81上に載置された外皮材Fに対して、第一シャッタ80を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部に接触させ、吐出管40の中心軸に対して位置調整を行う。この例では、受け部材82上に配置された外皮材Fの周縁部を第一シャッタ80のシャッタ片80aにより中心に向かって寄せるようにずらして位置調整を行う。位置調整により、載置された外皮材Fの周縁形状が円形でない場合でも第一シャッタ80の中心軸を中心とする円周に沿って外皮材Fの周縁部を揃えることができる。
【0033】
外皮材Fが弾力性を有する生地や厚みのある生地からなる場合には、第一シャッタ80を閉じる方向に動作させた際に上方に反るように変形することがある。そのため、吐出部4を予め下降させて吐出管40の先端のノズルを外皮材Fの中央部分に当接させた状態に設定しておくことで、上方に反らないようにすることができる。
【0034】
図6は、外皮材Fを湾曲形成する工程を示している。外皮材Fを載置した状態で第二シャッタ81を開く方向に動作させることで、シャッタ片81aで囲まれた開口領域を所定の大きさに設定し、設定された開口領域に外皮材Fの中央部分を落ち込ませるようにして湾曲形成する。開口領域のサイズは、外皮材Fのサイズ及び特性に応じて適宜設定することができ、以後の成形動作の仕上がりをみて第二シャッタ81上に残留する外皮材Fの周縁部の生地量を微調整することができる。
【0035】
また、第二シャッタ81を開く方向に動作させる際に第一シャッタ80を閉じる方向に動作させて、外皮材Fの周縁部を中央部分に向かって寄せるように移動させることで、外皮材Fの落ち込みを促進させるようにすることもできる。
【0036】
図7は、吐出部4及び押え部6が下降して押え部材60が外皮材Fの周縁部に当接した状態を示している。吐出部4が下降する際に、第二シャッタ81をさらに閉じる方向に動作させることで、開口領域に落ち込んで湾曲形成された外皮材Fの中央部分に対して開口領域に対応する上部開口を吐出管40の先端のノズルに近いサイズに絞り込むようにする。
【0037】
そのため、湾曲形成部分が自重で垂れ下がるように形成され、外部からの力で引き伸ばされることなく自然な形状に湾曲形成される。
【0038】
吐出部4とともに押え部6も下降して押え部材60が外皮材Fの周縁部に当接し、受け部材82との間で外皮材Fの周縁部を保持するようになる。そのため、第二シャッタ81が閉じる方向に動作した際に外皮材Fの周縁部が不用意にずれ落ちるのを防止することができる。
【0039】
吐出管40内の開閉部材44は上昇した位置に配置されており、供給部3との連結部分よりも上方に配置されている。そのため、供給部3から供給管32を通して供給された内材Gは、連結部分から吐出管40内に導入されるようになる。
【0040】
図8は、吐出管40内の開閉部材44が下降して内材Gを吐出した状態を示している。開閉部材44が下降することで、吐出管40内に導入された内材Gが外皮材Fの湾曲形成部分に向かって押し出されるように吐出する。外皮材Fの湾曲形成部分は、予め内材Gを収容可能な形状に形成されているため、ノズルから内材Gが吐出された場合でも外皮材Fが不用意に伸びることがなく、ダメージをほとんど受けずに内材Gを外皮材Fに配置することができる。
【0041】
この例では、吐出管40の先端のノズルは、湾曲形成された外皮材Fの上部開口の近傍に配置された状態となっているが、ノズルを湾曲形成された外皮材Fの内側に挿入して外皮材Fの中央部分に当接した状態に設定することもできる。この場合には、ノズルを上昇させながら内材を吐出することで、外皮材に与えるダメージをさらに小さくすることができる。
【0042】
図9は、吐出部4が上昇して外皮材Fに内材Gを配置した状態を示している。吐出部4を上昇させて先端のノズル及び開閉部材44の先端を内材Gから離すように動作させる。その際に、開閉部材44を中心軸を中心に揺動させながら上昇させることで内材Gの切れをよくすることができ、内材Gの垂れ等を防止することが可能となる。
【0043】
図10は、外皮材Fの周縁部を寄せ集めて内材Gを包み込むようにした状態を示している。第一シャッタ80を閉じる方向に動作させることで、受け部材82上に保持された外皮材Fの周縁部を中心に向かって寄せ集めるようになる。
【0044】
図11は、寄せ集められた外皮材Fの周縁部を封着する状態を示している。外皮材Fの周縁部を寄せ集めた状態で第二シャッタ81を閉じる方向に動作させることで、寄せ集められた周縁部が圧着して封着されるようになる。
【0045】
図12は、封着して成形品を得た状態を示している。支持部材94の位置を固定した状態で第二シャッタ81を閉じ切るように動作させて封着部分の突起を横方向から押し均すようにすることで、成形品Hの表面を凹凸のないきれいな表面に仕上げることができる。
【0046】
そして、整形された成形品Hは、支持部材94に載置された状態で下降し、搬送ベルト90により搬送されて次の工程に搬出されるようになる。
【0047】
以上説明したように、第二シャッタを閉じた状態で外皮材を載置し、第二シャッタを開く方向に動作させて外皮材の中央部分を開口領域に落とし込んで湾曲形成し、第二シャッタを閉じる方向に動作させて外皮材の湾曲形成部分を内材が収容可能な形状に形成するようにしているので、封着動作に用いる外皮材の周縁部の生地量を容易に調整することができるとともに内材を外皮材に配置する際の外皮材の受けるダメージを小さくすることが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
F・・・外皮材、G・・・内材、h・・・封着品、H・・・成形品、1・・・包被食品成形装置、2・・・筺体、3・・・供給部、4・・・吐出部、40・・・吐出管、44・・・開閉部材、5・・・移動部、6・・・押え部、60・・・押え部材、7・・・搬入部、8・・・封着部、80・・・第一シャッタ、81・・・第二シャッタ、82・・・受け部材、9・・・支持部、94・・・支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12