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特開2022-20029補強型コンクリートブロック・それを使用して組積した壁体・その組積方法
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  • 特開-補強型コンクリートブロック・それを使用して組積した壁体・その組積方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020029
(43)【公開日】2022-01-28
(54)【発明の名称】補強型コンクリートブロック・それを使用して組積した壁体・その組積方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/50 20060101AFI20220121BHJP
   E04C 1/40 20060101ALI20220121BHJP
   E04B 2/48 20060101ALI20220121BHJP
   E04B 2/02 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
E04B2/50
E04C1/40
E04B2/48
E04B2/02 130
E04B2/02 232
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119162
(22)【出願日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】202010702188.X
(32)【優先日】2020-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521263629
【氏名又は名称】温嶺市智営電子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100115303
【氏名又は名称】岩永 和久
(72)【発明者】
【氏名】張麗麗
(57)【要約】      (修正有)
【課題】補強型コンクリートブロック・それを使用して組積した壁体・その組積方法に関して、施工の面倒を軽減する。
【解決手段】補強型コンクリートブロックは、主フェイスシェル1と従フェイスシェル2との間に鋼構造の軸組が設けられ、軸組はT字型をなす中空ラーメン構造であり、軸組は、主固定板3と従固定板4と邪魔板5と主接続板6と従接続板7とを含み、邪魔板は、主固定板との間隔が同じであり、邪魔板の従固定板との間隔より小さく、主接続板の外側面と従接続板の外側面には、それぞれ縦位置決め溝61と縦位置決め棒71とが設けられ、主フェイスシェルの上面と従フェイスシェルの上面にそれぞれ横位置決め棒11が設けられ、主フェイスシェルの下面と従フェイスシェルの下面とにそれぞれ横位置決め溝が形成され、従接続板の上側辺には、横向きに開いた筋溝72が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強型コンクリートブロックであって、
コンクリート材料から作られる矩形板状の主フェイスシェルと従フェイスシェルとを含み、
前記主フェイスシェルの外側面と前記従フェイスシェルの外側面とは、互いに平行して設けられ、
前記主フェイスシェルと前記従フェイスシェルとの間には、鋼構造の軸組が設けられ、
前記軸組は、横断面がT字型をなす中空ラーメン構造であり、
前記軸組の横断面に垂直する前記軸組の縦向き高さは、前記主フェイスシェルの縦向き高さと前記従フェイスシェルの縦向き高さと同じであり、
前記軸組は、いずれも矩形板状構造をなす主固定板と、従固定板と、二枚の邪魔板と、二枚の主接続板と、二枚の従接続板と、を含み、
前記主固定板の外側面と前記従固定板の外側面とは、それぞれ前記主フェイスシェルの内側面と前記従フェイスシェルの内側面と位置合わせて密着固定され、
二枚の前記主接続板の外側辺は、それぞれ前記主固定板の左右両側辺と垂直に接続され、
二枚の前記従接続板の外側辺は、それぞれ前記従固定板の左右両側辺に垂直に接続され、
二枚の前記邪魔板の外側辺は、それぞれ二枚の前記主接続板の内側面に垂直に接続され、
二枚の前記邪魔板の内側辺は、それぞれ二枚の前記従接続板の内側辺と垂直に接続され、
二枚の前記邪魔板は、位置合わせて設けられ、
二枚の前記邪魔板は、前記主固定板との間隔が同じであり、且つ二枚の前記邪魔板の前記従固定板との間隔より小さく、
前記主接続板の外側面には、縦位置決め溝が形成され、
前記従接続板の外側面には、縦位置決め棒とが設けられ、
前記縦位置決め溝と前記縦位置決め棒とは、それぞれ縦向きに設けられる開き溝状構造と棒状構造をなし、
前記主フェイスシェルの上面と前記従フェイスシェルの上面には、それぞれ横位置決め棒が設けられ、
前記主フェイスシェルの下面と前記従フェイスシェルの下面とには、それぞれ横位置決め溝が形成され、
前記横位置決め溝と前記横位置決め棒とは、それぞれ横向きに設けられる開き溝状構造と棒状構造をなし、
前記従接続板の上側辺には、横向きに開いた筋溝が形成される、
ことを特徴とする補強型コンクリートブロック。
【請求項2】
前記主固定板と前記従固定板には、それぞれ主固定穴と従固定穴とが開けられ、
前記軸組は、内端の開口が外端の開口より大きいラッパー状構造をなす主固定スリーブと従固定スリーブとをさらに含み、
前記主固定スリーブの外端と前記従固定スリーブの外端は、それぞれ前記主固定穴と前記従固定穴に固定され、
前記主フェイスシェルの内側面と前記従フェイスシェルの内側面とには、それぞれ主固定ブロックと従固定ブロックが設けられ、
前記主固定ブロックと前記従固定ブロックとは、それぞれ前記主固定スリーブと前記従固定スリーブ内に係合される、
ことを特徴とする請求項1に記載の補強型コンクリートブロック。
【請求項3】
前記主フェイスシェルと前記主固定ブロックとは、一体構造であり、
前記従フェイスシェルと前記従固定ブロックとは、一体構造であり、
前記縦位置決め溝と前記縦位置決め棒とは、それぞれ前記主接続板と前記従接続板とが一体折曲げられて形成され、
前記主固定スリーブと前記従固定スリーブとは、それぞれ前記主固定板と前記従固定板とが一体切断されて折り曲げられて形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の補強型コンクリートブロック。
【請求項4】
前記フェイスシェルの左右両側面と前記従フェイスシェルの左右両側面には、それぞれ縦向きに開いたモルタルかけ溝が形成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の補強型コンクリートブロック。
【請求項5】
前記従接続板の上側辺には、少なくとも二つの筋溝が形成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の補強型コンクリートブロック。
【請求項6】
請求項5に記載の前記補強型コンクリートブロックで組積した壁体であって、
最下層の台座と前記台座に固定される複数組の鉄筋かごを含み、
前記鉄筋かごは、縦向きに設けられる複数の縦鉄筋を含み、
前記縦鉄筋の底端は、前記台座に固定され、
複数の前記縦鉄筋は、クローズドループ構造の鉄筋リングでラッシングされて一組の鉄筋かごを形成し、
複数の前記鉄筋かごが横向きに等間隔に配列され、
前記台座には、複数層のコンクリートブロックが備わり、
同じ層の前記コンクリートブロックは、前記縦位置決め棒と前記縦位置決め溝との組み合わせにより位置決められ、
隣接する層のコンクリートブロックは、前記横位置決め棒と前記横位置決め溝との組み合わせにより位置決められ、
任意のコンクリートブロックの前記主フェイスシェルの外側面と、横縦に隣接する四枚のコンクリートブロックにおける前記従フェイスシェルの外側面と、は、位置合わせて設けられ、
任意のコンクリートブロックにおける前記従フェイスシェルの外側面と、横縦に近接する四枚のコンクリートブロックにおける前記主フェイスシェルの外側面とは、位置合わせて設けられ、
隣接するコンクリートブロックにおける前記従接続板と前記邪魔板とが囲むことにより、
縦向きに設けられ且つ横向きに等間隔に配列される複数のコンクリート注入区域が形成され、
各前記コンクリート注入区域内には、一組の鉄筋かごが設けられ、
隣接する層のコンクリートブロックの間には、横向きに設けられる横鉄筋が設けられ、
前記横鉄筋は、前記筋溝に係着され且つ前記鉄筋リングとラッシング固定され、
前記軸組内には、保温注入区域が形成され、
複数の前記保温注入区域は、互いに連通して設けられ、
前記コンクリート注入区域と前記保温注入区域内には、それぞれコンクリートモルタルと保温モルタルとが注入される、
ことを特徴とする壁体。
【請求項7】
四本の前記縦鉄筋は、矩形クローズドループ構造をなす前記鉄筋リングによりラッシングされて一組の前記鉄筋かごを形成し、
前記コンクリート注入区域は、矩形穴状構造をなし、
四本の前記縦鉄筋は、それぞれ前記コンクリート注入区域の四角に当接して設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の壁体。
【請求項8】
前記台座内には、前記鉄筋かごが予め埋め込まれ、
前記縦鉄筋の底端は、前記台座内に予め埋め込まれた前記鉄筋かごと接続される、
ことを特徴とする請求項7に記載の壁体。
【請求項9】
前記台座は、コンクリートモルタルが一体注入されることにより形成される、
ことを特徴とする請求項8に記載の壁体。
【請求項10】
請求項5に記載の前記補強型コンクリートブロックで組積した壁体の組積方法であって、ステップIとステップIIとステップIIIとを含み、
前記ステップIは、前記縦鉄筋の底端を前記鉄筋かごに固定し、複数本の前記縦鉄筋を前記鉄筋リングで一組の前記鉄筋かごにラッシングし、前記鉄筋かごの外側に型枠を囲ませ、型枠内にコンクリートモルタルを注入して台座を形成し、
前記ステップIIは、一層ずつコンクリートブロックを積み重ねる過程に、コンクリートブロックを同一層の隣接するコンクリートブロックより高くし、そしてコンクリートブロックを隣接する二組の前記鉄筋かごの間に係着し、コンクリートブロックの前記モルタルかけ溝にモルタルを塗布し、そして下方へコンクリートブロックを移動することで、同一層のコンクリートブロックにおける前記縦位置決め棒と前記縦位置決め溝とを係合して位置決めし、隣接する層のコンクリートブロックにおける前記横位置決め棒と前記横位置決め溝とを係合位置決めし、一層のコンクリートブロックを積み重ねるたびに、コンクリートブロックにおける上方の前記筋溝に前記横鉄筋を敷設し且つ前記鉄筋リングとラッシング固定し、
前記ステップIIIは、前記従接続板と前記邪魔板とが囲んで形成した前記コンクリート注入区域内にコンクリートモルタルを注入し、軸組内に形成した前記保温注入区域内に保温モルタルを注入する、
ことを特徴とする組積方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートブロック技術分野に関し、具体的には、補強型コンクリートブロック・それを使用して組積した壁体・その組積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中空プレハブコンクリートブロックは、本体が一般にコンクリートから作られ、内部の空洞区域に鉄筋を通して壁体の強度を向上させる。中国特許出願201910834694.1には、コンクリートブロック及びその製造モールド及びその製造方法及びそれで組積した壁体に関するものが開示され、コンクリート本体を含み、本体が二枚のフェイスシェルと、ウェブと、二枚の側板と、を含み、ウェブと二枚の側板により二枚のフェイスシェルの間が二つの保温穴に分けられ、組積中、保温ブロック内に鉄筋かごを取り付け、高強度の壁体構造を形成する。しかし、上記発明に下記の問題が存在する:
組積中に、鉄筋かごを取り付けてからコンクリートブロックを鉄筋かごの最上部から嵌めるのも、コンクリートを積み重ねてからコンクリートの最上部から鉄筋かごを装着するのも、組積手順が面倒くさい、
保温穴内に保温モルタルとコンクリートモルタルとのいずれかしか注入できず、保温性能と強度とを兼ね備えられない。
保温穴は横向きに隣接するコンクリートの側板の接続部位を覆うことができず、そのため接続部位にヒートブリッジ現象が起こり、全体の保温効果に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術における上記問題を解決するために、全体的に強度の強く、壁体の組積が高効率になる補強型コンクリートブロック・それを使用して組積した壁体・その組積方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
補強型コンクリートブロックであって、コンクリート材料から作られる矩形板状の主フェイスシェルと従フェイスシェルとを含み、前記主フェイスシェルの外側面と前記従フェイスシェルの外側面とは、互いに平行して設けられ、前記主フェイスシェルと前記従フェイスシェルとの間には、鋼構造の軸組が設けられ、前記軸組は、横断面がT字型をなす中空ラーメン構造であり、前記軸組の横断面に垂直する前記軸組の縦向き高さは、前記主フェイスシェルの縦向き高さと前記従フェイスシェルの縦向き高さと同じであり、前記軸組は、いずれも矩形板状構造をなす主固定板と、従固定板と、二枚の邪魔板と、二枚の主接続板と、二枚の従接続板と、を含み、前記主固定板の外側面と前記従固定板の外側面とは、それぞれ前記主フェイスシェルの内側面と前記従フェイスシェルの内側面と位置合わせて密着固定され、二枚の前記主接続板の外側辺は、それぞれ前記主固定板の左右両側辺と垂直に接続され、二枚の前記従接続板の外側辺は、それぞれ前記従固定板の左右両側辺に垂直に接続され、二枚の前記邪魔板の外側辺は、それぞれ二枚の前記主接続板の内側面に垂直に接続され、二枚の前記邪魔板の内側辺は、それぞれ二枚の前記従接続板の内側辺と垂直に接続され、二枚の前記邪魔板は、位置合わせて設けられ、二枚の前記邪魔板は、前記主固定板との間隔が同じであり、且つ二枚の前記邪魔板の前記従固定板との間隔より小さく、前記主接続板の外側面には、縦位置決め溝が形成され、前記従接続板の外側面には、縦位置決め棒とが設けられ、前記縦位置決め溝と前記縦位置決め棒とは、それぞれ縦向きに設けられる開き溝状構造と棒状構造をなし、前記主フェイスシェルの上面と前記従フェイスシェルの上面には、それぞれ横位置決め棒が設けられ、前記主フェイスシェルの下面と前記従フェイスシェルの下面とには、それぞれ横位置決め溝が形成され、前記横位置決め溝と前記横位置決め棒とは、それぞれ横向きに設けられる開き溝状構造と棒状構造をなし、前記従接続板の上側辺には、横向きに開いた筋溝が形成される。
【0005】
本発明のコンクリートブロックの主フェイスシェルと従フェイスシェルとの間に鋼構造の軸組が固定され、コンクリート材料と鋼構造材料の長所を兼ね備え、強度が高くなり、靭性が大きくなり、コンクリートブロックが搬送途中又は組積中に脆性破壊することが回避される。
【0006】
前記主固定板と前記従固定板には、それぞれ主固定穴と従固定穴とが開けられ、前記軸組は、内端の開口が外端の開口より大きいラッパー状構造をなす主固定スリーブと従固定スリーブとをさらに含み、前記主固定スリーブの外端と前記従固定スリーブの外端は、それぞれ前記主固定穴と前記従固定穴に固定され、前記主フェイスシェルの内側面と前記従フェイスシェルの内側面とには、それぞれ主固定ブロックと従固定ブロックが設けられ、前記主固定ブロックと前記従固定ブロックとは、それぞれ前記主固定スリーブと前記従固定スリーブ内に係合される。
【0007】
主フェイスシェルと従フェイスシェルとは、直接に主固定ブロックと従固定ブロックとにより軸組に係着され、別に固定具を利用する必要がなく、また、モールドで主フェイスシェルと主固定ブロック、及び従フェイスシェルと従固定ブロックを一体注入形成することができ、製造が便利で強度が高い。
【0008】
前記主フェイスシェルと前記主固定ブロックとは、一体構造であり、前記従フェイスシェルと前記従固定ブロックとは、一体構造であり、前記縦位置決め溝と前記縦位置決め棒とは、それぞれ前記主接続板と前記従接続板とが一体折曲げられて形成され、前記主固定スリーブと前記従固定スリーブとは、それぞれ前記主固定板と前記従固定板とが一体切断されて折り曲げられて形成される。
【0009】
構造が簡単で強度が高い。
【0010】
前記フェイスシェルの左右両側面と前記従フェイスシェルの左右両側面には、それぞれ縦向きに開いたモルタルかけ溝が形成される。
【0011】
前記従接続板の上側辺には、少なくとも二つの筋溝が形成される。
【0012】
前記補強型コンクリートブロックで組積した壁体であって、最下層の台座と前記台座に固定される複数組の鉄筋かごを含み、前記鉄筋かごは、縦向きに設けられる複数の縦鉄筋を含み、前記縦鉄筋の底端は、前記台座に固定され、複数の前記縦鉄筋は、クローズドループ構造の鉄筋リングでラッシングされて一組の鉄筋かごを形成し、複数の前記鉄筋かごが横向きに等間隔に配列され、前記台座には、複数層のコンクリートブロックが備わり、同じ層の前記コンクリートブロックは、前記縦位置決め棒と前記縦位置決め溝との組み合わせにより位置決められ、隣接する層のコンクリートブロックは、前記横位置決め棒と前記横位置決め溝との組み合わせにより位置決められ、任意のコンクリートブロックの前記主フェイスシェルの外側面と、横縦に隣接する四枚のコンクリートブロックにおける前記従フェイスシェルの外側面と、は、位置合わせて設けられ、任意のコンクリートブロックにおける前記従フェイスシェルの外側面と、横縦に近接する四枚のコンクリートブロックにおける前記主フェイスシェルの外側面とは、位置合わせて設けられ、隣接するコンクリートブロックにおける前記従接続板と前記邪魔板とが囲むことにより、縦向きに設けられ且つ横向きに等間隔に配列される複数のコンクリート注入区域が形成され、各前記コンクリート注入区域内には、一組の鉄筋かごが設けられ、隣接する層のコンクリートブロックの間には、横向きに設けられる横鉄筋が設けられ、前記横鉄筋は、前記筋溝に係着され且つ前記鉄筋リングとラッシング固定され、前記軸組内には、保温注入区域が形成され、複数の前記保温注入区域は、互いに連通して設けられ、前記コンクリート注入区域と前記保温注入区域内には、それぞれコンクリートモルタルと保温モルタルとが注入される。
【0013】
コンクリート材料に比べ、鋼構造の精度がより高く、そのため、組積中に、まず主接続板の外側面と従接続板の外側面における縦位置決め溝と縦位置決め棒との組み合わせによりコンクリートブロックを精確に位置決め、そして主フェイスシェルと従フェイスシェルにおける横位置決め棒と横位置決め溝との組み合わせによりコンクリートブロックを調整し、これで組積した壁体の構造が安定になる。壁体の組積中に、鉄筋かごの両側からコンクリートブロックを取り付け、鉄筋かごを隣接する二つのコンクリートブロックが囲んで形成したコンクリート注入区域内に位置させればよく、組積が高効率で便利になる。一層のコンクリートブロックを積み重ねるたび、横鉄筋で複数の鉄筋かごを接続し、そしてコンクリート注入区域と保温注入区域内にそれぞれコンクリートモルタルと保温モルタルを注入し、壁体の強度を向上させることができるとともに、より優れた保温効果がある。横縦に隣接するコンクリートブロックがいずれも位置をずらして積み重ねられるため、横位置決め棒と横位置決め溝との組み合わせにより横縦に隣接するコンクリートブロックを安定に接続し、壁体の強度を更に向上させることができる。保温注入区域には垂直壁面の隙間がないため、保温注入区域内に保温モルタルを注入したあと、ヒートブリッジ現象を有効に解消することができる。
【0014】
四本の前記縦鉄筋は、矩形クローズドループ構造をなす前記鉄筋リングによりラッシングされて一組の前記鉄筋かごを形成し、前記コンクリート注入区域は、矩形穴状構造をなし、四本の前記縦鉄筋は、それぞれ前記コンクリート注入区域の四角に当接して設けられる。
【0015】
壁体の構造が安定で強度が高い。
【0016】
前記台座内には、前記鉄筋かごが予め埋め込まれ、前記縦鉄筋の底端は、前記台座内に予め埋め込まれた前記鉄筋かごと接続される。
【0017】
鉄筋かごの安定性が向上する。
【0018】
前記台座は、コンクリートモルタルが一体注入されることにより形成される。
【0019】
補強型コンクリートブロックで組積した壁体の組積方法であって、ステップIとステップIIとステップIIIとを含む。
【0020】
前記ステップIは、前記縦鉄筋の底端を前記鉄筋かごに固定し、複数本の前記縦鉄筋を前記鉄筋リングで一組の前記鉄筋かごにラッシングし、前記鉄筋かごの外側に型枠を囲ませ、型枠内にコンクリートモルタルを注入して台座を形成する。
【0021】
前記ステップIIは、一層ずつコンクリートブロックを積み重ねる過程に、コンクリートブロックを同一層の隣接するコンクリートブロックより高くし、そしてコンクリートブロックを隣接する二組の前記鉄筋かごの間に係着し、コンクリートブロックの前記モルタルかけ溝にモルタルを塗布し、そして下方へコンクリートブロックを移動することで、同一層のコンクリートブロックにおける前記縦位置決め棒と前記縦位置決め溝とを係合して位置決めし、隣接する層のコンクリートブロックにおける前記横位置決め棒と前記横位置決め溝とを係合位置決めし、一層のコンクリートブロックを積み重ねるたびに、コンクリートブロックにおける上方の前記筋溝に前記横鉄筋を敷設し且つ前記鉄筋リングとラッシング固定する。
【0022】
前記ステップIIIは、前記従接続板と前記邪魔板とが囲んで形成した前記コンクリート注入区域内にコンクリートモルタルを注入し、軸組内に形成した前記保温注入区域内に保温モルタルを注入する。
【0023】
上記の手順により、壁体を高効率で便利に組積できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のコンクリートブロックの主フェイスシェルと従フェイスシェルとの間に鋼構造の軸組が固定され、コンクリート材料と鋼構造材料の長所を兼ね備え、強度が高くなり、靭性が大きくなり、コンクリートブロックが搬送途中又は組積中に脆性破壊することが回避される。
【0025】
コンクリート材料に比べ、鋼構造の精度がより高く、そのため、組積中に、まず主接続板の外側面と従接続板の外側面における縦位置決め溝と縦位置決め棒との組み合わせによりコンクリートブロックを精確に位置決め、そして主フェイスシェルと従フェイスシェルにおける横位置決め棒と横位置決め溝との組み合わせによりコンクリートブロックを調整し、これで組積した壁体の構造が安定になる。
【0026】
壁体の組積中に、鉄筋かごの両側からコンクリートブロックを取り付け、鉄筋かごを隣接する二つのコンクリートブロックが囲んで形成したコンクリート注入区域内に位置させればよく、組積が高効率で便利になる。
【0027】
一層のコンクリートブロックを積み重ねるたび、横鉄筋で複数の鉄筋かごを接続し、そしてコンクリート注入区域と保温注入区域内にそれぞれコンクリートモルタルと保温モルタルを注入し、壁体の強度を向上させることができるとともに、より優れた保温効果がある。
【0028】
横縦に隣接するコンクリートブロックがいずれも位置をずらして積み重ねられるため、横位置決め棒と横位置決め溝との組み合わせにより横縦に隣接するコンクリートブロックを安定に接続し、壁体の強度を更に向上させることができる。
【0029】
保温注入区域には垂直壁面の隙間がないため、保温注入区域内に保温モルタルを注入したあと、ヒートブリッジ現象を有効に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】コンクリートの俯瞰図及び局部断面図である。
図2】コンクリートブロックの正面図である。
図3】コンクリートブロックの後面図である。
図4】コンクリートブロックで組積した壁体の正面図である。
図5】コンクリートブロックで組積した壁体の俯瞰図である。
図6図5の局部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
下記、図面を参照しながら本発明の技術手段をさらに説明する。本発明は下記の実施例に限られない。
【0032】
図1?6に示すように、補強型コンクリートブロックであって、コンクリート材料から作られる矩形板状の主フェイスシェル1と従フェイスシェル2とを含み、前記主フェイスシェル1の外側面と前記従フェイスシェル2の外側面とは、互いに平行して設けられ、前記主フェイスシェル1と前記従フェイスシェル2との間には、鋼構造の軸組が設けられ、前記軸組は、横断面がT字型をなす中空ラーメン構造であり、前記軸組の横断面に垂直する前記軸組の縦向き高さは、前記主フェイスシェル1の縦向き高さと前記従フェイスシェル2の縦向き高さと同じであり、前記軸組は、いずれも矩形板状構造をなす主固定板3と、従固定板4と、二枚の邪魔板5と、二枚の主接続板6と、二枚の従接続板7と、を含み、前記主固定板3の外側面と前記従固定板4の外側面とは、それぞれ前記主フェイスシェル1の内側面と前記従フェイスシェル2の内側面と位置合わせて密着固定され、二枚の前記主接続板6の外側辺は、それぞれ前記主固定板3の左右両側辺と垂直に接続され、二枚の前記従接続板7の外側辺は、それぞれ前記従固定板4の左右両側辺に垂直に接続され、二枚の前記邪魔板5の外側辺は、それぞれ二枚の前記主接続板6の内側面に垂直に接続され、二枚の前記邪魔板5の内側辺は、それぞれ二枚の前記従接続板7の内側辺と垂直に接続され、二枚の前記邪魔板5は、位置合わせて設けられ、二枚の前記邪魔板5は、前記主固定板3との間隔が同じであり、且つ二枚の前記邪魔板5の前記従固定板4との間隔より小さく、前記主接続板6の外側面には、縦位置決め溝61が形成され、前記従接続板7の外側面には、縦位置決め棒71とが設けられ、前記縦位置決め溝61と前記縦位置決め棒71とは、それぞれ縦向きに設けられる開き溝状構造と棒状構造をなし、前記主フェイスシェル1の上面と前記従フェイスシェル2の上面には、それぞれ横位置決め棒11が設けられ、前記主フェイスシェル1の下面と前記従フェイスシェル2の下面とには、それぞれ横位置決め溝12が形成され、前記横位置決め溝12と前記横位置決め棒11とは、それぞれ横向きに設けられる開き溝状構造と棒状構造をなし、前記従接続板7の上側辺には、横向きに開いた筋溝72が形成される。
【0033】
更に、前記主固定板3と前記従固定板4には、それぞれ主固定穴と従固定穴とが開けられ、前記軸組は、内端の開口が外端の開口より大きいラッパー状構造をなす主固定スリーブ31と従固定スリーブ41とをさらに含み、前記主固定スリーブ31の外端と前記従固定スリーブ41の外端は、それぞれ前記主固定穴と前記従固定穴に固定され、前記主フェイスシェル1の内側面と前記従フェイスシェル2の内側面とには、それぞれ主固定ブロックと従固定ブロックが設けられ、前記主固定ブロックと前記従固定ブロックとは、それぞれ前記主固定スリーブ31と前記従固定スリーブ41内に係合される。前記主フェイスシェル1と前記主固定ブロックとは、一体構造であり、前記従フェイスシェル2と前記従固定ブロックとは、一体構造であり、前記縦位置決め溝61と前記縦位置決め棒71とは、それぞれ前記主接続板6と前記従接続板7とが一体折曲げられて形成され、前記主固定スリーブ31と前記従固定スリーブ41とは、それぞれ前記主固定板3と前記従固定板4とが一体切断されて折り曲げられて形成される。前記フェイスシェル1の左右両側面と前記従フェイスシェル2の左右両側面には、それぞれ縦向きに開いたモルタルかけ溝13が形成される。前記従接続板7の上側辺には、少なくとも二つの筋溝72が形成される。
【0034】
本発明のコンクリートブロックの主フェイスシェル1と従フェイスシェル2との間に鋼構造の軸組が固定され、コンクリート材料と鋼構造材料の長所を兼ね備え、強度が高くなり、靭性が大きくなり、コンクリートブロックが搬送途中又は組積中に脆性破壊することが回避される。
【0035】
前記補強型コンクリートブロックで組積した壁体であって、最下層の台座と前記台座に固定される複数組の鉄筋かごを含み、前記鉄筋かごは、縦向きに設けられる複数の縦鉄筋8を含み、前記縦鉄筋8の底端は、前記台座に固定され、複数の前記縦鉄筋8は、クローズドループ構造の鉄筋リング81でラッシングされて一組の鉄筋かごを形成し、複数の前記鉄筋かごが横向きに等間隔に配列され、前記台座には、複数層のコンクリートブロックが備わり、同じ層の前記コンクリートブロックは、前記縦位置決め棒71と前記縦位置決め溝61との組み合わせにより位置決められ、隣接する層のコンクリートブロックは、前記横位置決め棒11と前記横位置決め溝12との組み合わせにより位置決められ、任意のコンクリートブロックの前記主フェイスシェル1の外側面と、横縦に隣接する四枚のコンクリートブロックにおける前記従フェイスシェル2の外側面と、は、位置合わせて設けられ、任意のコンクリートブロックにおける前記従フェイスシェル2の外側面と、横縦に近接する四枚のコンクリートブロックにおける前記主フェイスシェル1の外側面とは、位置合わせて設けられ、隣接するコンクリートブロックにおける前記従接続板7と前記邪魔板5とが囲むことにより、縦向きに設けられ且つ横向きに等間隔に配列される複数のコンクリート注入区域9が形成され、各前記コンクリート注入区域9内には、一組の鉄筋かごが設けられ、隣接する層のコンクリートブロックの間には、横向きに設けられる横鉄筋82が設けられ、前記横鉄筋82は、前記筋溝72に係着され且つ前記鉄筋リング81とラッシング固定され、前記軸組内には、保温注入区域91が形成され、複数の前記保温注入区域91は、互いに連通して設けられ、前記コンクリート注入区域9と前記保温注入区域91内には、それぞれコンクリートモルタルと保温モルタルとが注入される。
【0036】
更に、四本の前記縦鉄筋8は、矩形クローズドループ構造をなす前記鉄筋リング81によりラッシングされて一組の前記鉄筋かごを形成し、前記コンクリート注入区域9は、矩形穴状構造をなし、四本の前記縦鉄筋8は、それぞれ前記コンクリート注入区域9の四角に当接して設けられる。前記台座内には、前記鉄筋かごが予め埋め込まれ、前記縦鉄筋8の底端は、前記台座内に予め埋め込まれた前記鉄筋かごと接続される。前記台座は、コンクリートモルタルが一体注入されることにより形成される。
【0037】
コンクリート材料に比べ、鋼構造の精度がより高く、そのため、組積中に、まず主接続板6の外側面と従接続板7の外側面における縦位置決め溝61と縦位置決め棒71との組み合わせによりコンクリートブロックを精確に位置決め、そして主フェイスシェル1と従フェイスシェル2における横位置決め棒11と横位置決め溝12との組み合わせによりコンクリートブロックを調整し、これで組積した壁体の構造が安定になる。壁体の組積中に、鉄筋かごの両側からコンクリートブロックを取り付け、鉄筋かごを隣接する二つのコンクリートブロックが囲んで形成したコンクリート注入区域内に位置させればよく、組積が高効率で便利になる。一層のコンクリートブロックを積み重ねるたび、横鉄筋82で複数の鉄筋かごを接続し、そしてコンクリート注入区域9と保温注入区域91内にそれぞれコンクリートモルタルと保温モルタルを注入し、壁体の強度を向上させることができるとともに、より優れた保温効果がある。横縦に隣接するコンクリートブロックがいずれも位置をずらして積み重ねられるため、横位置決め棒11と横位置決め溝12との組み合わせにより横縦に隣接するコンクリートブロックを安定に接続し、壁体の強度を更に向上させることができる。保温注入区域91には垂直壁面の隙間がないため、保温注入区域91内に保温モルタルを注入したあと、ヒートブリッジ現象を有効に解消することができる。
【0038】
補強型コンクリートブロックで組積した壁体の組積方法であって、ステップIとステップIIとステップIIIとを含む。
【0039】
前記ステップIは、前記縦鉄筋8の底端を前記鉄筋かごに固定し、複数本の前記縦鉄筋8を前記鉄筋リング81で一組の前記鉄筋かごにラッシングし、前記鉄筋かごの外側に型枠を囲ませ、型枠内にコンクリートモルタルを注入して台座を形成する。
【0040】
前記ステップIIは、一層ずつコンクリートブロックを積み重ねる過程に、コンクリートブロックを同一層の隣接するコンクリートブロックより高くし、そしてコンクリートブロックを隣接する二組の前記鉄筋かごの間に係着し、コンクリートブロックの前記モルタルかけ溝13にモルタルを塗布し、そして下方へコンクリートブロックを移動することで、同一層のコンクリートブロックにおける前記縦位置決め棒71と前記縦位置決め溝61とを係合して位置決めし、隣接する層のコンクリートブロックにおける前記横位置決め棒11と前記横位置決め溝12とを係合位置決めし、一層のコンクリートブロックを積み重ねるたびに、コンクリートブロックにおける上方の前記筋溝72に前記横鉄筋82を敷設し且つ前記鉄筋リング81とラッシング固定する。
【0041】
前記ステップIIIは、前記従接続板7と前記邪魔板5とが囲んで形成した前記コンクリート注入区域9内にコンクリートモルタルを注入し、軸組内に形成した前記保温注入区域91内に保温モルタルを注入する。
【0042】
本明細書に記載された具体的な実施例は単に本発明の精神を例に挙げて説明する。本発明の属する技術分野の技術者は説明された具体的な実施例に対して様々な修正又は補充を行うか又は類似する方式で代替することができるが、本発明の精神から逸脱するか又は添付の特許請求の範囲に定義された範囲を超えることはない。
【0043】
本願における部品名称は、本発明の本質を便利に説明且つ解釈するために付けたもので、これらの名称自体には制限性がなく、ほかの用語に置き換えていい。
【符号の説明】
【0044】
1 主フェイスシェル
11 横位置決め棒
12 横位置決め溝
13 モルタルかけ溝
2 従フェイスシェル
3 主固定板
31 主固定スリーブ
4 従固定板
41 従固定スリーブ
5 邪魔板
6 主接続板
61 縦位置決め溝
7 従接続板
71 縦位置決め棒
72 筋溝
8 縦鉄筋
81 鉄筋リング
82 横鉄筋
9 コンクリート注入区域
91 保温注入区域
図1
図2
図3
図4
図5
図6