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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020041
(43)【公開日】2022-01-31
(54)【発明の名称】収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/36 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
B65D5/36 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123355
(22)【出願日】2020-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】598133643
【氏名又は名称】東京アート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100200263
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 圭二郎
(72)【発明者】
【氏名】杉野 雄二
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB13
3E060BA06
3E060BA08
3E060CD10
3E060DA11
3E060DA25
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】ユーザーの作業負担を抑制しながら、底部強度を向上させることができる収納箱を提供することを目的としている。
【解決手段】第1底部フラップ部は、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、第2底部フラップ部及び第2面部に係合している、又は、第1及び第2底部フラップ部は、立ち上げられて互いに重なっている状態において、互いに係合している、収納箱が提供される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み自在に構成された収納箱であって、
側面部と、底部フラップ部とを備え、
前記側面部は、筒状に構成され、且つ、互いに向かい合う第1及び第2面部を有し、
前記底部フラップ部は、第1及び第2底部フラップ部を有し、
第1底部フラップ部は、第1面部の下端部に接続され、且つ、前記側面部とともに折り畳み可能に構成され、且つ、第1面部と第2面部とが離間するに伴って第1面部に対して立ち上がり、第2底部フラップ部に重なるように構成され、
第2底部フラップ部は、第2面部の下端部に接続され、且つ、前記側面部とともに折り畳み可能に構成され、且つ、第1面部と第2面部とが離間するに伴って第2面部に対して立ち上がり、第1底部フラップ部に重なるように構成され、
第1底部フラップ部は、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、第2底部フラップ部及び第2面部に係合している、又は、第1及び第2底部フラップ部は、立ち上げられて互いに重なっている状態において、互いに係合している、収納箱。
【請求項2】
請求項1に記載の収納箱であって、
第1底部フラップ部は、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、第2底部フラップ部及び第2面部に係合する場合において、
第1底部フラップ部は、第1底基部と、第1折畳部と、係合凸部とを有し、
第1底基部は、第1面部の下端部に接続され、
第1折畳部は、折り曲げられることで前記側面部とともに折り畳み可能に構成され、且つ、第1面部と第2面部とが離間するに伴い、第1底基部を立ち上げ、
前記係合凸部は、第1底基部の縁部に接続され、
第2底部フラップ部は、第2底基部と、第2折畳部とを有し、
第2底基部は、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、第1底部フラップ部よりも下側に配置され、且つ、第2面部の下端部に接続され、
第2折畳部は、折り曲げられることで前記側面部とともに折り畳み可能に構成され、且つ、第1面部と第2面部とが離間するに伴い、第2底基部を立ち上げ、
第2面部の下端部には、係合穴部が形成され、
前記係合穴部には、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、前記係合凸部が挿入されている、収納箱。
【請求項3】
請求項1に記載の収納箱であって、
第1及び第2底部フラップ部が、立ち上げられて互いに重なっている状態において、互いに係合する場合において、
第1底部フラップ部は、第1底基部と、第1折畳部とを有し、
第1底基部は、第1面部の下端部に接続され、且つ、係合穴部が形成され、
第1折畳部は、折り曲げられることで前記側面部とともに折り畳み可能に構成され、且つ、第1面部と第2面部とが離間するに伴い、第1底基部を立ち上げ、
第2底部フラップ部は、第2底基部と、第2折畳部と、係合凸部を有し、
第2底基部は、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、第1底基部よりも下側に配置され、且つ、第2面部の下端部に接続され、
第2折畳部は、折り曲げられることで前記側面部とともに折り畳み可能に構成され、且つ、第1面部と第2面部とが離間するに伴い、第2底基部を立ち上げ、
前記係合凸部は、第2底基部の縁部に接続され、且つ、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、前記係合穴部に挿入されている、収納箱。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の収納箱であって
上部フラップ部を更に備え、
前記上部フラップ部は、第1及び第2封止部と、ミシン目部とを有し、
第1封止部は、第1面部又は第2面部に接続され、且つ、第1封止部には、第1封止部を第2面部又は第1面部に接着させるための第1接着部が設けられ、
第2封止部は、前記ミシン目部を介して第1封止部に接続され、且つ、第2封止部には、第2封止部を第2面部又は第1面部に接着させるための第2接着部が設けられている、収納箱。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の収納箱であって、
前記側面部は、互いに向かい合う第3及び第4面部を更に備え、
第3及び第4面部のそれぞれは、上下折目部と、一対の傾斜折目部とを有し、
前記上下折目部は、上下方向に延びており、
前記一対の傾斜折目部は、前記上下折目部から分岐するように設けられ、且つ、下方に向かうにしたがって互いに離間するように設けられている、収納箱。
【請求項6】
請求項5に記載の収納箱であって、
第3及び第4面部のそれぞれは、横折目部を更に有し、
前記一対の傾斜折目部は、前記上下折目部の下端部から分岐しており、
前記横折目部の一方の端部は、前記一対の傾斜折目部のうちの一方の前記傾斜折目部の下端部に設けられ、
前記横折目部の他方の端部は、前記一対の傾斜折目部のうちの他方の前記傾斜折目部の下端部に設けられている、収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み自在に構成された収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、折り畳み自在に構成された収納箱が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の収納箱は、側面を構成する主板等と、底面を構成する底板とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61-153778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の収納箱の底板は1枚の板材で構成されているが、収納箱は底板を複数の板材で構成する場合がある。このような収納箱は、例えば、当該複数の板材同士を粘着テープでとめて底部強度を確保するといった手段が考えられるが、作業負担が増大してしまう。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーの作業負担を抑制しながら、底部強度を向上させることができる収納箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、折り畳み自在に構成された収納箱であって、側面部と、底部フラップ部とを備え、前記側面部は、筒状に構成され、且つ、互いに向かい合う第1及び第2面部を有し、前記底部フラップ部は、第1及び第2底部フラップ部を有し、第1底部フラップ部は、第1面部の下端部に接続され、且つ、前記側面部とともに折り畳み可能に構成され、且つ、第1面部と第2面部とが離間するに伴って第1面部に対して立ち上がり、第2底部フラップ部に重なるように構成され、第2底部フラップ部は、第2面部の下端部に接続され、且つ、前記側面部とともに折り畳み可能に構成され、且つ、第1面部と第2面部とが離間するに伴って第2面部に対して立ち上がり、第1底部フラップ部に重なるように構成され、第1底部フラップ部は、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、第2底部フラップ部及び第2面部に係合している、又は、第1及び第2底部フラップ部は、立ち上げられて互いに重なっている状態において、互いに係合している、収納箱が提供される。
【0007】
本発明によれば、第1底部フラップ部は、第1及び第2底部フラップ部が立ち上げられて互いに重なっている状態において、第2底部フラップ部及び第2面部に係合している、又は、第1及び第2底部フラップ部は、立ち上げられて互いに重なっている状態において、互いに係合しているので、ユーザーの作業負担を抑制しながら、底部強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る収納箱100の斜視図である。図1では、収納箱100が組み立てられた状態を示している。
図2図2は、図1に示す収納箱100の展開図である。図2では、第1面部1a等の各部材の内面が示されている。また、図2において、第1及び第2接着部3a1,3b1は図示省略している。
図3図3Aは、図1に示す収納箱100の開放口を絞り、この開放口を上部フラップ部3で封止した状態を示している。図3Bは、図3Aに示す3つの点Aを通る断面図である。
図4図4は、上部フラップ部3の平面図である。図4は、収納箱100が折り畳まれた状態を示している。
図5図5は、図3Aに示す収納箱100の第1封止部3aから、第2封止部3b及びミシン目部3cを分離した状態を示している。
図6図6Aは、折り畳まれた状態の収納箱100を示している。図6Bは、図6Aに示す収納箱100を起こした状態を示している。図6Bは、係合凸部2a3が係合穴部Sに挿入される直前の状態を示している。図6Cは、図6Bに示す収納箱100を起こし、収納箱100を組み立てた状態を示している。
図7図7Aは、第2実施形態に係る収納箱100の第2底基部2b1の平面図である。図7Bは、第2実施形態に係る収納箱100の第1底基部2a1の平面図である。
図8図8Aは、折り畳まれた状態の収納箱100を示している。図8Bは、図8Aに示す収納箱100を起こした状態を示している。図8Bは、係合凸部2a3が係合穴部Sに挿入される直前の状態を示している。図8Cは、図8Bに示す収納箱100を起こし、収納箱100を組み立てた状態を示している。
図9図7Aは、第2実施形態に係る収納箱100の側面図である。
図10図10は、第2実施形態に係る収納箱100の変形例である。
図11図11は、図10に示す収納箱100の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0010】
1.第1実施形態
1-1.第1実施形態の構成説明
第1実施形態に係る収納箱100は、折り畳み自在に構成されている。図1図2及び図3Bに示すように、収納箱100は、側面部1と、底部フラップ部2と、上部フラップ部3とを備えている。
【0011】
1-1-1.側面部1
図1に示すように、側面部1は、筒状に構成されている。図1図2及び図3Aに示すように、側面部1は、第1面部1aと、第2面部1bと、第3面部1cと、第4面部1dと、貼付面部1eとを有する。第1面部1a、第2面部1b、第3面部1c及び第4面部1dは、矩形状の板状部材である。第1面部1aと第2面部1bとは、互いに向かい合っており、第3面部1cと第4面部1dとは、互いに向かい合っている。
【0012】
図1図3Bに示すように、第2面部1bの下端部には、係合穴部Sが形成されている。具体的には、第2面部1bの下端部には切欠が形成されており、また、第2面部1bの下端部には第2底部フラップ部2b(第2底基部2b1)が設けられている。このため、第2面部1bの下端部の切欠部分には、第2底部フラップ部2b(第2底基部2b1)によって、挿入開口(係合穴部S)が形成されることになる。この係合穴部Sは、後述する第1底部フラップ部2aの係合凸部2a3と係合する部分である。つまり、係合穴部Sには係合凸部2a3が挿入される。係合穴部Sは、収納箱100の横幅方向Dr1における、第2面部1bの中央部に形成されている。
【0013】
図1図3Aに示すように、第3面部1cは、第1面部1aの一方の横側端部及び第2面部1bの一方の横側端部に接続されている。また、第3面部1cは、第1上下折目部1c1と、一対の第1傾斜折目部1c2とを有する。第1上下折目部1c1及び第1傾斜折目部1c2は、ユーザーが収納箱100の上部フラップ部3を封止したり、収納箱100を折り畳んだりしやすいように、予め形成されている折目である。第1上下折目部1c1は、上下方向に延びている。換言すると、第1上下折目部1c1は、第3面部1cの上端から、第3面部1cの下部側の部位まで、下方に延びている。一対の第1傾斜折目部1c2は、第1上下折目部1c1から分岐するように設けられ、且つ、下方に向かうにしたがって互いに離間するように設けられている。具体的には、一方の第1傾斜折目部1c2は、第1上下折目部1c1の下端に接続されており、且つ、第1上下折目部1c1との接続位置から、斜め下方に延びて、第1面部1aの一方の横側端部に至っている。他方の第1傾斜折目部1c2は、一方の第1傾斜折目部1c2の上端に接続されており、且つ、一方の第1傾斜折目部1c2との接続位置から、斜め下方に延びて、第2面部1bの一方の横側端部に至っている。
【0014】
第4面部1dは、第3面部1cと同様の構成を有する。第4面部1dは、第1面部1aの他方の横側端部及び第2面部1bの他方の横側端部に接続されている。また、第4面部1dは、第2上下折目部1d1と、一対の第2傾斜折目部1d2とを有する。第2上下折目部1d1の構成は、第1上下折目部1c1と同様であり、一対の第2傾斜折目部1d2の構成は、一対の第1傾斜折目部1c2と同様である。
【0015】
図2に示すように、貼付面部1eは、第4面部1dに接続されている。貼付面部1eは、第2面部1bの内側面に貼り付けられる。これにより、側面部1は筒状になる。
【0016】
1-1-2.底部フラップ部2
図2及び図6Cに示すように、底部フラップ部2は、第1底部フラップ部2aと、第2底部フラップ部2bとを有する。第1底部フラップ部2a及び第2底部フラップ部2bは、板状部材である。第1実施形態は、第1底部フラップ部2aが立ち上げられて互いに重なっている状態において、第1底部フラップ部2aの係合凸部2a3が係合穴部Sに挿入され、係合凸部2a3が第2底部フラップ部2b及び第2面部1bに係合する。
【0017】
<第1底部フラップ部2a>
図2図3B及び図6Cに示すように、第1底部フラップ部2aは、第1面部1aの下端部に接続されている。また、第1底部フラップ部2aは、側面部1とともに折り畳み可能に構成されている。第1底部フラップ部2aは、第1面部1aと第2面部1bとが離間するに伴って第1面部1aに対して立ち上がり、第2底部フラップ部2bに重なるように構成されている。
【0018】
図2図3B及び図6Cに示すように、第1底部フラップ部2aは、第1底基部2a1と、第1折畳部2a2と、係合凸部2a3とを有する。第1底基部2a1は、第1面部1aの下端部に接続されている略矩形状部材である。第1底基部2a1は、一対の側縁部2a11と、一対の側縁部に接続される先端縁部2a12とを有する。係合凸部2a3は、先端縁部2a12の幅方向の中央部に接続されている。第1折畳部2a2は、折り曲げられることで側面部1とともに折り畳み可能に構成されている。具体的には、第1折畳部2a2の領域は、折目部2a23を境界にして、支持板部2a21と貼付部2a22とに分けて定義することができる。支持板部2a21は、第4面部1dに接続されている。支持板部2a21は、収納箱100が組み立てられた状態(例えば、図1及び図6Cに示す状態)において、後述する第2底部フラップ部2bの第2底基部2b1を支持するように設けられている。図6Cに示すように、貼付部2a22は、第1底基部2a1に貼り付けられている。
【0019】
<第2底部フラップ部2b>
図2図3B及び図6Cに示すように、第2底部フラップ部2bは、第2面部1bの下端部に接続されている。また、第2底部フラップ部2bは、側面部1とともに折り畳み可能に構成されている。第2底部フラップ部2bは、第1面部1aと第2面部1bとが離間するに伴って第2面部1bに対して立ち上がり、第1底部フラップ部2aに重なるように構成されている。具体的には、第2底部フラップ部2bは、第1及び第2底部フラップ部2a,2bが立ち上げられて互いに重なっている状態において、第1底部フラップ部2aよりも下側に配置される。つまり、第2底部フラップ部2bは、第1底部フラップ部2aを支持するように構成されている。
【0020】
図2図3B及び図6Cに示すように、第2底部フラップ部2bは、第2底基部2b1と、第2折畳部2b2とを有する。収納箱100の横幅方向Dr2において、第2底基部2b1の幅は、第1底基部2a1の幅よりも短い。第2底基部2b1は、第2面部1bの下端部に接続されている略矩形状部材である。第2折畳部2b2は、折り曲げられることで側面部1とともに折り畳み可能に構成されている。具体的には、第2折畳部2b2の領域は、折目部2b23を境界にして、支持板部2b21と貼付部2b22とに分けて定義することができる。支持板部2b21は、第3面部1cに接続されている。支持板部2b21は、収納箱100が組み立てられた状態において、第1底部フラップ部2aの第1底基部2a1を支持するように設けられている。図6Aに示すように、貼付部2b22は、第2底基部2b1に貼り付けられている。
【0021】
1-1-3.上部フラップ部3
図1及び図4に示すように、上部フラップ部3は、第1及び第2封止部3a,3bと、ミシン目部3cとを有する。第1封止部3aは、第1面部1aに接続されている。なお、第1封止部3aは、第2面部1bに接続されていてもよい。第1封止部3aには、第1封止部3aを第2面部1bに接着させるための第1接着部3a1が設けられている。第2封止部3bは、ミシン目部3cを介して第1封止部3aに接続されている。第2封止部3bには、第2封止部3bを第2面部1bに接着させるための第2接着部3b1が設けられている。第1及び第2接着部3a1,3b1は、接着テープと被覆テープとを有する2層構造となっている。第1接着部3a1を使用しないときには、接着テープは被覆テープに被覆されている。ミシン目部3cには、第1封止部3aから、第2封止部3bを分離するためのミシン目が形成されている。
【0022】
1-2.第1実施形態の動作説明
1-2-1.組み立て動作
組み立て動作において、収納箱100は、図6Aの状態、図6Bの状態及び図6Cの状態へ順番に遷移する。ユーザーが、図6Aに示す収納箱100の側面部1を持ち、側面部1を起こそうとすると、第2面部1bが第1面部1aから離間する。ここで、第1折畳部2a2,2b2は、第1及び第2面部1a,1bに接続された第1底基部2a1,2b1に貼り付けられている。このため、第2面部1bが第1面部1aから離間すると、折り畳まれた状態の第1折畳部2a2,2b2が自動的に広がる。具体的には、貼付部2a22は折目部2a23を軸として回動し、貼付部2a22は支持板部2a21から遠ざかる。同様に、貼付部2b22は折目部2b23を軸として回動し、貼付部2b22は支持板部2b21から遠ざかる。つまり、第1折畳部2a2,2b2は、ユーザーが収納箱100の側面部1を起こそうと力を作用させると、第1底基部2a1,2b1を立ち上がらせるように作用する。
【0023】
そして、第1底基部2a1が立ち上がることで、係合凸部2a3は回動しながら係合穴部Sに近づいていき、係合穴部Sに係合する。このように、係合凸部2a3が係合穴部Sに係合することで、底部フラップ部2の強度が向上する。このとき、収納箱100の底部に粘着テープをはる等の手段は必要でないので、作業者の負担も抑制することができる。
また、係合凸部2a3が係合穴部Sに係合している状態において、第1底基部2a1は、第2底基部2b1及び第1折畳部2a2,2b2の3部材に支持され、第2底基部2b1は、第1折畳部2a2,2b2の2部材に支持される。このように、第1実施形態は、上述した係合構造に加えて、複数部材が連携しあう支持構造を有するので、底部フラップ部2の強度が大幅に向上している。また、ユーザーが収納箱100内の奥に手指を差し込まなくても、係合凸部2a3が自動的に係合穴部Sに導かれることになるので、第1実施形態は、ユーザーの組み立て動作の負担を抑制することが可能である。
【0024】
1-2-1.封止動作
ユーザーは、図1に示す収納箱100内に被収納物を収納した後に、第1面部1aと第2面部1bとが近づくように収納箱100の開放口を絞り、収納箱100を変形させる。なお、収納箱100には第1及び第2上下折目部1c1,1d1と、第1及び第2傾斜折目部1c2,1d2と、が形成されているので、ユーザーは、容易に収納箱100を変形させることができる。次に、ユーザーは、第2封止部3bの被覆テープを剥がして接着テープを露出させ、上部フラップ部3を第2面部1b側に折り曲げ、第2封止部3bの粘着テープを第2面部1bに貼り付ける。このときの収納箱100の状態が、図3A及び図3Bに示されている。
【0025】
ユーザーが封止された収納箱100を開封し、第2封止部3bが第2面部1bから剥がされた場合にあっても、ユーザーは、収納箱100を再度使用することができる。具体的には、ユーザーは、ミシン目部3cを引っ張って第1封止部3aからミシン目部3c及び第2封止部3bを分離させるとともに、第1封止部3aの被覆テープを剥がして接着テープを露出させる。そして、ユーザーは、第1封止部3aを第2面部1b側に折り曲げ、第1封止部3aの粘着テープを第2面部1bに貼り付ける。このときの収納箱100の状態が、図5に示されている。
【0026】
1-3.変形例
なお、係合穴部Sの形成位置は、これに限定されるものではなく、第2面部1bの中央部からずれた位置でもよい。また、係合穴部Sは、横幅方向Dr1に複数形成されていていてもよい。
【0027】
2.第2実施形態
2-1.第2実施形態の構成説明
以下、第2実施形態では、第1実施形態との差異点を中心に説明する。第2実施形態において、第1及び第2底部フラップ部2a,2bが立ち上げられて互いに重なっている状態において、第1及び第2底部フラップ部2a,2bは互いに係合している。また、第2実施形態において、第3面部1c及び第4面部1dの折目部の形状が、第1実施形態における形状と異なっている。
【0028】
2-1-1.側面部1
図9に示すように、第4面部1dの第2上下折目部1d1は、第4面部1dの上端から、第4面部1dの高さ幅の中間位置より上の位置まで延びている。また、第4面部1dには、一対の第2傾斜折目部1d2が上下に2組形成されている。図示は省略するが、第3面部1cも、第4面部1dと同様に折目部が形成されている。第2実施形態では、一対の第2傾斜折目部1d2が上下に複数形成されているので、ユーザーは、被収納物の大きさに応じて、いずれの組の第2傾斜折目部1d2で折り目をつけるかを自由に選択することができる。例えば被収納物がさほど大きくない場合には、ユーザーは、下段の組の第2傾斜折目部1d2で折り目をつけ、収納箱100をコンパクトにすることができる。
【0029】
2-1-2.底部フラップ部2
第1実施形態では、係合穴部Sは、第2底部フラップ部2b及び第2面部1bに形成されている形態であった。図7Bに示すように、第2実施形態は、第1底部フラップ部2aの第1底基部2a1に係合穴部Sが形成されている。
また、第1実施形態では、図7Aに示すように、係合凸部2a3は、第1底部フラップ部2aの第1底基部2a1に形成されていたが、第2実施形態では、第2底部フラップ部2bの第2底基部2b1に形成されている。係合凸部2a3は、第2底基部2b1の先端縁部に接続されている。
【0030】
2-2.第2実施形態の動作説明(組み立て動作)
第2実施形態の組み立て動作は、第1実施形態の組み立て動作と同様である。組み立て動作において、収納箱100は、図8Aの状態、図8Bの状態及び図8Cの状態へ順番に遷移する。ユーザーが、図8Aに示す収納箱100の側面部1を持ち、側面部1を起こそうとすると、第2面部1bが第1面部1aから離間する。第2面部1bが第1面部1aから離間すると、折り畳まれた状態の第1折畳部2a2,2b2が自動的に広がる。つまり、第1折畳部2a2,2b2は、ユーザーが収納箱100の側面部1を起こそうと力を作用させると、第1底基部2a1,2b1を立ち上がらせるように作用する。第1底基部2a1,2b1が立ち上がることで、係合凸部2a3及び係合穴部Sは回動しながら互いに近づいていき、係合凸部2a3と係合穴部Sとが係合する。第2実施形態も、第1実施形態と同様の効果を有する。
【0031】
2-3.第2実施形態の変形例
図10及び図11に示すように、第2実施形態に係る収納箱100の第3面部1cは、第1上下折目部1c1及び第1傾斜折目部1c2に加えて、第1横折目部1c3を備えている。図11に示すように、第3面部1cは、2組の一対の第1傾斜折目部1c2を備えている。ここで、当該2組のうちの1組である下段の一対の第1傾斜折目部1c2は、第1上下折目部1c1の下端部から分岐している。なお、この構成は、第2実施形態の収納箱100と同様である。
【0032】
第1横折目部1c3の一方の端部は、上述した下段の一対の第1傾斜折目部1c2のうちの一方の第1傾斜折目部1c2の下端部に設けられている。第1横折目部1c3の他方の端部は、上述した下段の一対の第1傾斜折目部1c2のうちの他方の第1傾斜折目部1c2の下端部に設けられている。第1横折目部1c3は、図11に示すように、例えば、収納箱100の底面を水平な床面に設置した状態において、床面(水平面)に平行である。なお、第1横折目部1c3は、床面に対して平行でなくてもよい。
【0033】
なお、図示は省略しているが、収納箱100の第4面部1dは、上述した第3面部1cと同様の構成を備えている。つまり、第4面部1dも、第2上下折目部1d1及び第2傾斜折目部1d2に加えて、第2横折目部を備えている。第2横折目部の一方の端部は、下段の一対の第2傾斜折目部1d2のうちの一方の第2傾斜折目部1d2の下端部に設けられている。第2横折目部の他方の端部は、上述した下段の一対の第2傾斜折目部1d2のうちの他方の第2傾斜折目部1d2の下端部に設けられている。
【0034】
第2実施形態の変形例に係る収納箱100において、第3面部1cが、上述した第1横折目部1c3を備え、第4面部1dもまた、第2横折目部を備えている。このため、図11に示すように、ユーザーが第1横折目部1c3で第3面部1cを折り曲げることで、第3面部1cには、第1横折目部1c3を境にして、平面部1t1及び凹状部1t2が形成される。第4面部1dにも、同様に平面部及び凹状部が形成される。図11に示すように、平面部1t1は、鉛直方向に立ち上がるように設けられ、凹状部1t2は、収納箱100の内側に凹むように形成されている。第2実施形態で説明したように、例えば被収納物がさほど大きくない場合には、ユーザーは、下段の組の第1傾斜折目部1c2及び第2傾斜折目部1d2で折り目をつけ、収納箱100をコンパクトにすることができる。ここで、収納箱100が第1横折目部1c3及び第2横折目部を備えていることで、ユーザーが収納箱100を閉じようとしたときに、第3面部1cの平面部1t1の上端の位置が第1横折目部1c3によって確実に定められ、同様に、第4面部1dの平面部の上端の位置が第2横折目部によって確実に定められる。このため、本変形例は、閉じた状態の収納箱100の形状をより安定化させることができる。 なお、本変形例では、第3面部1cの第1傾斜折目部1c2が、上段の一対の第1傾斜折目部1c2を備えているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、上段の一対の第1傾斜折目部1c2が無くてもよい。第4面部1dの第2傾斜折目部1d2についても同様である。
【符号の説明】
【0035】
1:側面部、1a:第1面部、1b:第2面部、1c:第3面部、1c1:第1上下折目部、1c2:第1傾斜折目部、1d:第4面部、1d1:第2上下折目部、1d2:第2傾斜折目部、1e:貼付面部、2:底部フラップ部、2a:第1底部フラップ部、2a1:第1底基部、2a11:側縁部、2a12:先端縁部、2a2:第1折畳部、2a21:支持板部、2a22:貼付部、2a23:折目部、2a3:係合凸部、2b:第2底部フラップ部、2b1:第2底基部、2b2:第2折畳部、2b21:支持板部、2b22:貼付部、2b23:折目部、3:上部フラップ部、3a:第1封止部、3a1:第1接着部、3b:第2封止部、3b1:第2接着部、3c:ミシン目部、100:収納箱、Dr1:横幅方向、Dr2:横幅方向、S:係合穴部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11