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▶ 近藤 哲弘の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020048
(43)【公開日】2022-01-31
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220124BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2021148970
(22)【出願日】2021-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】319014466
【氏名又は名称】近藤 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】近藤 哲弘
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA08
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】装着者に合わせた最適な形状を保持でき、装着時に鼻筋や鼻筋の両側に隙間が生じることを防止し得る、安価なマスクを提供すること。
【解決手段】本発明のマスクは、不織布からなるマスク本体であって、その上縁部に沿って設けられる一つの袋部を有するマスク本体と、前記マスク本体を装着者の顔面に対し固定する固定部材と、前記マスク本体に設けられた前記一つの袋部に所定の間隔を空けて左右に備えられ、前記マスク本体の形状を部分的に変形させてその状態を保持する、二つの帯状の形状保持部材と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布からなるマスク本体であって、その上縁部に沿って設けられる一つの袋部を有するマスク本体と、
前記マスク本体を装着者の顔面に対し固定する固定部材と、
前記マスク本体に設けられた前記一つの袋部に所定の間隔を空けて左右に備えられ、前記マスク本体の形状を部分的に変形させてその状態を保持する、二つの帯状の形状保持部材と、
を備えるマスク。
【請求項2】
不織布からなるマスク本体であって、その上縁部に沿って左右に離間して設けられる二つの袋部を有するマスク本体と、
前記マスク本体を装着者の顔面に対し固定する固定部材と、
前記マスク本体に設けられた前記二つの袋部に一つずつ備えられ、前記マスク本体の形状を部分的に変形させてその状態を保持する、二つの帯状の形状保持部材と、
を備えるマスク。
【請求項3】
前記袋部に沿って、前記袋部長手方向の位置の目安となる目印が備えられる、請求項1または2に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、眼鏡の曇り防止マスクに関して、マスク本体の形状を部分的に変形させ、その状態を保持する形状保持部材を備えたマスクが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-333972
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マスク本体の形状を、装着者の鼻筋と鼻筋の両側の形状に沿って形状保持部材を変形させて部分的に最適に変形させるには、3つの連続する凹または凸形状を最適に変形させる必要がある。マスク装着時に鼻筋や鼻筋の両側に隙間が生じやすい。
本発明の目的は、装着者に合わせた最適な形状を保持することができ、装着時に鼻筋や鼻筋の両側に隙間が生じることを防止し得るマスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明のマスクは、1つの側面から
不織布からなるマスク本体であって、その上縁部に沿って設けられる一つの袋部を有するマスク本体と、前記マスク本体を装着者の顔面に対し固定する固定部材と、前記マスク本体に設けられた前記一つの袋部に所定の間隔を空けて左右に備えられ、前記マスク本体の形状を部分的に変形させてその状態を保持する、二つの帯状の形状保持部材と、を備えるマスクを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装着者に合わせた最適な形状を保持することができ、装着時に鼻筋や鼻筋の両側に隙間が生じることを防止し得るマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のマスクの第1実施形態の平面図である。
図2】本発明のマスクの装着状態図である。
図3】本発明のマスクの第1実施形態の折りたたみ途中の立体図である。
図4】本発明のマスクの第2実施形態の平面図である。
図5】本発明のマスクの第3実施形態の平面図である。
図6】本発明のマスクの第4実施形態の平面図である。
図7】本発明のマスクの第5実施形態の平面図である。
図8】従来のマスクの装着状態図である。
【発明を実施するための形態】
【第1実施形態】
【0009】
図1に、本発明のマスクの第1実施形態を示す。
【0010】
本実施形態では、マスク1は不織布からなるマスク本体11を備え、前記マスク本体11は、その上縁部に沿って設けられる一つの袋部12を有する。前記マスク本体11は、不織布を襞にしたプリーツ部15を備える。
【0011】
前記マスク1は、前記マスク本体11を装着者の顔面に対し固定する固定部材21を備える。前記固定部材21は、前記マスク本体11の左右両側に溶着により接続された二つの紐である。前記固定部材21は、前記マスク本体11の左右両側に縫合された二つの紐であっても良い。前記固定部材21は、前記マスク本体11と一体で不織布から形成されても良い。
【0012】
前記マスク1は、前記マスク本体11に設けられた前記一つの袋部12に所定の間隔を空けて左右に備えられ、前記マスク本体11の形状を部分的に変形させてその状態を保持する、二つの帯状の形状保持部材13を備える。
【0013】
前記形状保持部材13は塑性変形可能である。前記形状保持部材13は、前記マスク本体11を所望の形状に変形させて、その状態を維持することができる。
【0014】
前記袋部12は、前記溶着部14に周囲を囲まれて形成される。詳しくは、前記溶着部14は、前記マスク本体11の上縁部を折り返した状態で前記マスク本体11同士を溶着して形成される。前記袋部12は、マスク本体11と別の不織布をマスク本体11の上縁部に重ねた状態で前記溶着部14が溶着されて、形成されても良い。
【0015】
図2は、前記マスク1の装着図を示す。装着者は、顔、詳しくは、鼻筋および鼻筋の両側の形状に沿うように、前記形状保持部材13を変形させる。
【0016】
図8は、従来のマスク101の装着図を示す。形状保持部材113を鼻筋の両側二箇所と、鼻筋一箇所の計三箇所を装着者の顔に沿って変形させることが必要である。
【0017】
本発明では、図2に示すように、鼻筋付近には、前記形状保持部材13が存在しないので、二つの形状保持部材13の計二箇所を変形させるだけで済む。装着者の顔の形状に合わせた変形が容易となる。マスク1の装着状態では、マスク1の鼻筋付近は固定部材21により軽く引っ張られるので、マスク本体11は装着者の鼻筋の形状に合致するように自然に変形する。
【0018】
従来のマスク101では、前記マスク101を変形させるべく、鼻筋の両側を押さえると、固定部材113が鼻筋に当たる(図8参照)こととなり、装着者は鼻筋に痛みが生じていた。
【0019】
本発明の前記マスク1では、前記マスク1を変形させるために、鼻筋の両側を押さえ込んでも、前記マスク1では前記形状保持部材13は鼻筋付近に存在しないので、鼻筋に痛みを生じない。前記マスク1では、二つの前記固定部材21によって鼻筋が引っ張られても鼻筋に痛みが生じることを防止できる。
【0020】
図3は、前記マスク1の長辺を二つ折りにして折りたたむときの立体図を示す。本発明によれば、前記マスク1の長辺を、顔に接触する側の面を内側にして二つ折りに折り曲げることが容易に可能である。前記マスク1を短時間ポケットに収容するときなどに、顔に接触する面同士が内側になるように衛生的に折りたたむことができる。
【0021】
長辺を二つ折りできるので前記マスク1はコンパクトになる。前記マスク1を折りたたむ際に、前記形状保持部材13を変形させる必要がないので、前記マスク1を元の形状に復元する際に、前記形状保持部材13を再変形(復元)させる必要がなく、前記マスク1は元の形状への復元が容易である。
【第2実施形態】
【0022】
図4に、本発明の第2実施形態のマスク1Aの平面図を示す。本実施形態において第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
本実施形態では、マスク1Aは、不織布からなるマスク本体11を備え、前記マスク本体11は、その上縁部に沿って左右に離間して設けられる二つの袋部16を有する。
【0024】
前記マスク1Aは、前記マスク本体11を装着者の顔面に対し固定する固定部材21を備える。
【0025】
前記マスク1Aは、前記マスク本体11に設けられた前記二つの袋部16に一つずつ備えられ、前記マスク本体11の形状を部分的に変形させてその状態を保持する、二つの帯状の形状保持部材13を備える。
【0026】
前記マスク本体11の二つの袋部16の間には、形状保持部材のずれ止め19を左右に備える。前記ずれ止め19は、保持部材13が、許容値以上にずれることを防止する。
【第3実施形態】
【0027】
図5に、本発明の第3実施形態のマスク1Bの平面図を示す。本実施形態において第1、第2実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0028】
本実施形態では、マスク本体11の前記袋部16に沿って、前記袋部長手方向の位置の目安となる目印31が備えられる。本実施形態では、前記目印31はマスク本体上縁部の袋部の上側の溶着部14と、中央部付近に溶着が施されない非溶着部17を備える。前記溶着部14のステッチ(それぞれの溶着スポット)の数を、前記非溶着部17から外側に向かって数えることで、装着者は前記マスク本体11の長手方向の位置を容易に特定できる。
【0029】
装着者は、前記目印31(14、17)を目安に前記形状保持部材13をマスク1Bの装着前に予め変形可能である。装着者は、マスク1Bの装着後にマスク1Bの一部を変形させるために前記マスク1Bを顔に押し付ける必要がない。これにより装着者が化粧をしている場合であっても、前記マスク1Bに化粧が付着して前記マスク1Bが汚れることを防止できる。
【第4実施形態】
【0030】
図6に、本発明の第4実施形態のマスク1Cの平面図を示す。本実施形態において第1~第3実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0031】
本実施形態では、前記マスク本体11の前記袋部16に沿って、前記袋部長手方向の位置の目安となる目印31が備えられる。本実施形態では、前記目印31を、前記マスク本体11の上縁部の袋部の上側の前記溶着部14が兼ねる。溶着のピッチ(各溶着部の中心間距離)は他の溶着のピッチと比較して粗く設定されている。ピッチが粗いので目印31として前記溶着部14のステッチ数を容易に数えられ、前記マスク本体11の長手方向の位置を容易に特定できる。
【第5実施形態】
【0032】
図7に、本発明の第5実施形態のマスク1Dの平面図を示す。本実施形態において第1~第4実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0033】
本実施形態では、前記マスク本体11の前記袋部16に沿って、前記袋部長手方向の位置の目安となる目印32が備えられる。第3、及び第4実施形態では、前記目印31はマスク本体上縁部の袋部の上側の前記溶着部14を兼ねていたが、本実施形態では、前記目印32は、前記溶着部14とは独立して設けられる。装着者は、この目印32の溶着ステッチ数を数えることで、第3、及び第4実施形態と同様に、前記マスク本体11の長手方向の位置を容易に特定できる。
【その他の実施形態】
【0034】
本発明は上述した第1乃至第5実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、前記袋部12、16は縫合により形成されても良い。前記目印31を兼ねる前記溶着部14の溶着ピッチは必ずしも一定である必要はなく、疎密が交互に配置されてもよい。前記マスク本体11は前記プリーツ15を備えなくても良い。
【符号の説明】
【0035】
1,1A,1B,1C,1D マスク
11 マスク本体
12,16 袋部
13 形状保持部材
14 溶着部
21 固定部材(耳紐)
31,32 目印
101 マスク
111 マスク本体
113 形状保持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8