(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020072
(43)【公開日】2022-01-31
(54)【発明の名称】遭難防止装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20220124BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2021184105
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】501204868
【氏名又は名称】安形 雄三
(74)【代理人】
【識別番号】100078776
【弁理士】
【氏名又は名称】安形 雄三
(74)【代理人】
【識別番号】100121887
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 好章
(72)【発明者】
【氏名】安形 雄三
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB21
2F129BB27
2F129BB28
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD21
2F129EE02
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE94
2F129HH12
5H181AA21
5H181FF03
5H181FF10
5H181FF11
5H181FF22
5H181FF33
5H181MB11
(57)【要約】
【課題】電波やアンテナ等の外部施設に依存せず、身体に装着した装置自身のナビゲーションで往路と同一ルートで出発地に帰還できると共に、電源の充電が可能であり、万が一電源を喪失した場合でも救助隊への報知手段を具備した自律ナビゲーション型の遭難防止装置を提供する。
【解決手段】身体に装着可能な筐体で成ると共に、表示部を備え、加速度センサ及び方位センサと、加速度センサ及び方位センサの出力データを処理する処理回路とを有し、加速度センサから算出される位置データ及び方位センサから算出される方位データを時間順序でメモリに記憶し、ナビ動作時に、メモリに記憶された位置データ及び方位データを時間的に逆に読み出した配列の逆位置データ及び逆方位データを求め、逆位置及び逆方位データと現在の位置データ及び方位データとの比較結果を順次表示部に表示して案内する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着可能な矩形薄型の筐体で成ると共に、表示部を備え、
前記筐体内に、加速度センサ及び方位センサと、前記加速度センサ及び前記方位センサの出力データを処理する処理回路とを有し、
前記加速度センサから算出される位置データ及び前記方位センサから算出される方位データを時間順序でメモリに記憶し、ナビ動作時に、前記メモリに記憶された前記位置データ及び前記方位データを時間的に逆に読み出した配列の逆位置データ及び逆方位データを求め、前記逆位置データ及び前記逆方位データと現在の位置データ及び現在の方位データとの比較を順次前記表示部に表示するようになっていることを特徴とする遭難防止装置。
【請求項2】
前記加速度センサがxy2軸であり、前記方位センサがxy2軸である請求項1に記載の遭難防止装置。
【請求項3】
前記表示部が折り畳み構造に設けられている請求項1又は2に記載の遭難防止装置。
【請求項4】
前記筐体に鏡を収納する収納部が設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載の遭難防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元(xy軸)の加速度センサ及び2次元(xy軸)の方位センサを内蔵した自律ナビゲーション型の遭難防止装置に関し、特に登山、ハイキング等で山中を歩行している間に、道に迷った場合などに、他のシステムや外部装置に依存することなく、往路と同一ルートを復路として案内(ナビゲーション)し、遭難を防止(無事に帰還)することができる自律ナビゲーション型の遭難防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
登山、トレッキング、ハイキング等の際、ガイドが付いている場合や、グループで行動する場合などには道に迷うようなケースは少ないが、単独で行動したり、天候が急変した場合などはガイドが付いているケースでも、山中を歩行している間に道に迷うことは多くある。このような場合を想定し、従来は携帯電話やスマートフォンを携帯し、携帯電話やスマートフォンで救助を求めている。また、スマートフォンのGPSなどで位置を計測し、登山や下山の道案内をしたりする場合も多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-170769号公報
【特許文献2】特開2014-216000号公報
【特許文献3】特開2016-73366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話やスマートフォンで救助を求める場合は、近くにアンテナが設置されていて電波が相互に届くことが前提であり、電波が届かない地域では連絡もできず、自分の現在位置を知ることができず、また、どちらに移動したら良いかを的確に判断できず、正しくスムーズに出発地等に帰還することができない。
【0005】
また、携帯電話やスマートフォンではバッテリの電力消耗があり、山中では充電できない問題がある。電源が切れた場合には、電話連絡できず、救助のヘリコプターが近くに飛来したとしても、救助員らに遭難場所を報知することができない。
【0006】
更には、救助のヘリコプターが近くに飛来しても、遠くからの視認のため、遭難場所を救助隊に報知できないことも多い。遭難時には、遭難者の居場所を早く救助隊に知らせることが極めて重要である。
【0007】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、電波やアンテナ等の外部施設に依存せず、身体に装着した装置自身の案内(ナビゲーション)で往路と同一ルートで出発地に帰還できると共に、電源の充電が可能であり、万が一電源を喪失した場合でも救助隊への報知手段を具備した自律ナビゲーション型の遭難防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、自律ナビゲーション型の遭難防止装置に関し、本発明の上記目的は、身体に装着可能な矩形薄型の筐体で成ると共に、表示部を備え、前記筐体内に、加速度センサ及び方位センサと、前記加速度センサ及び前記方位センサの出力データを処理する処理回路とを有し、前記加速度センサから算出される位置データ及び前記方位センサから算出される方位データを時間順序でメモリに記憶し、ナビ動作時に、前記メモリに記憶された前記位置データ及び前記方位データを時間的に逆に読み出した配列の逆位置データ及び逆方位データを求め、前記逆位置データ及び前記逆方位データと現在の位置データ及び現在の方位データとの比較を順次前記表示部に表示することにより達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る遭難防止装置によれば、登山、ハイキング等をする人の身体(例えば腰部)に装着してボタン操作するだけで、往路の位置及び方位の記憶データを遡って読み出して確認しながら復路の案内に利用できるので、道に迷っても、出発地に無事に帰還することができる。GPSや電波等を利用することなく、自己の装置内で確認しながら復路を歩行(帰還)できるので、電波等の届かない秘境や未開地であっても、インフラの整備なく利用できる。
【0010】
また、鏡を内蔵しているので、光の反射でヘリコプター等の救助隊に遭難場所を報知することができる。太陽光は昼間しか利用できないが、救助は夜間ではなく昼間に行われることが多いので、遭難時における鏡の利用意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る遭難防止装置の構成例を示す斜視図である。
【
図3】遭難防止装置の折り畳み構造を示す斜視図ある。
【
図4】遭難防止装置の表示部の一例を示す平面図である。
【
図5】
図3のX-X’の断面構造例を示す断面図である。
【
図6】本発明で使用する薄型板状の鏡の一例を示す斜視図である。
【
図7】本発明に係る回路部の構成例を示すブロック図である。
【
図8】本発明の動作例(通常動作時)を示すフローチャートである。
【
図9】通常動作時のデータの記憶例を示すタイムチャートである。
【
図10】ナビ動作時の動作例を示すフローチャートである。
【
図11】記憶データの反転を説明するためのタイムチャートである。
【
図12】ナビ動作の原理を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、2次元であるxy軸(地球面の水平方向)の加速度センサと、2次元であるxy軸(地球面の水平方向)の方位センサセンサとを内蔵した自律ナビゲーション型の遭難防止装置であり、特に登山、ハイキング、トレッキング等で山中を歩行している間に道に迷った場合などに、インフラを要する他のシステムや外部装置に依存することなく、往路と同一ルートを復路として案内(ナビゲーション)し、遭難を防止(出発地に無事に帰還)することができるような自律ナビゲーション型で、身体に装着可能な遭難防止装置である。
【0013】
即ち、本発明に係る遭難防止装置は、身体に装着可能な矩形薄型の筐体で成ると共に、折り畳み構造の表示部を備え、表示部の表示内容を目で見ることができる構造になっている。そして、筐体内に、xy2軸(水平方向)の加速度センサ及び方位センサと、加速度センサ及び方位センサの各出力データを処理する処理回路とを有し、加速度センサから算出される位置データ及び方位センサから算出される方位データを時間順序(例えば1分毎)でメモリに記憶し、遭難してナビ動作が必要となった時に、メモリに記憶された位置データ及び方位データを時間的に逆に読み出した配列の逆位置データ及び逆方位データを求め、逆位置データ及び逆方位データと現在の位置データ及び現在の方位データとの比較を順次表示部に表示する。遭難者は表示部に表示された表示の方向(位置)に歩行し、順次現在位置を確認しながら歩行することを繰り返し、自律ナビゲーション形式によって、最終的に、最初の位置(出発地)に帰還することができる。
【0014】
以下に、本発明に係る遭難防止装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係る遭難防止装置10の外観構成例を示しており、薄型の矩形状で折り畳み構造の装置本体20を備え、装置本体20の左右両側には、
図2に示すように身体(例えば腰部)に巻回して装着するバンド11A及び11Bが接続されている。遭難防止装置10はハイキング等をする人の身体に装着して使用されるが、人の水平方向の動線を検知できることが必要であり、身体自体の振動や微小な動きの少ない部位が好ましく、表示部を見ながらナビゲーション案内をするので、
図2に示すように腰部、或いは胸部に巻回して装着することが望ましい。身体に直接ではなく、衣服の上に巻回しても良い。バンド11A及び11Bは、遭難防止装置10を身体の腰部等に装着する部材であり、ゴム部材、布材、合成樹脂等の可撓性材料で形成され、落下ないし脱落しないようにする留め具(フック、ボタン、マジックテープ(登録商標)など)を備えていれば良く、ベルトや紐類であっても良い。
【0016】
遭難防止装置10の装置本体20は折り畳み構造であり、
図3に示すようにバンド11A及び11Bを装着された装着側本体21と、装着側本体21の底部においてヒンジ等を介して90°前方側に折れる表示筐体22とで構成されている。装着側本体21の左右両側にはバンド11A及び11Bが接続されており、装着側本体21の適宜な位置に電源スイッチ21-1、本装置の動作開始(記憶開始)を指示する動作指示ボタン21-2及びナビ動作を開始するためのナビ指示ボタン21-3が設けられている。表示筐体22には、歩行する方向を指示する方向表示部22-1と、位置の確認を行う位置表示部22-2とが設けられている。
【0017】
通常時(データの記憶を行う動作時)は
図1に示すように、表示筐体22を閉じた形態で使用し、遭難してナビ動作が必要になった時に、表示筐体22を前方に開けて、
図3に示すように表示部22-1及び22-2が見える形態で使用する。この状態であれば、遭難者は、表示筐体22の方向表示部22-1及び位置表示部22-2の表示を見ながら歩行することができる。
【0018】
また、
図5は
図3のX-X’線の断面構造例を示しており、本発明では装着側本体21に、薄型板状の鏡30を上部から出し入れ自在に収納して保持する空洞の収納部31が設けられており、収納部31に収納した鏡30を上部で押圧して保持する開閉蓋32が設けられている。収納部31に収納される薄型板状の鏡30は、金属製で破損しない構造であり、
図6に示すような薄型板状の矩形構造であり、山中で遭難した場合に、収納部31から取り出して、救助のヘリコプター等に太陽の反射光で居場所を報知する。また、装着側本体21には、処理回路100及びバッテリ40が内蔵されており、バッテリ40は接触若しくは非接触で充電可能なものが望ましい。例え救助員に電話連絡ができる場合でも、上空の遠方から遭難者を探すのは容易ではなく、鏡30の光反射を利用すれば報知は比較的に容易である。
【0019】
図7は処理回路100の構成例を示しており、処理回路100には、電源スイッチ21-1を介してバッテリ40から電力が供給されると共に、動作指示ボタン21-2及びナビ指示ボタン21-3の指示信号が入力される。処理回路100は、全体の制御や演算等を行うCPU101(Central Processing Unit)(MPU(Micro Processor Unit)やMCU(Micro Controller Unit)などを含む)を備え、CPU101には、加速度センサ(x)102からのx軸加速度データαxを積分部103及び104で2回積分して得られる位置データPxが入力されると共に、加速度センサ(y)105からのy軸加速度データαyを積分部106及び107で2回積分して得られる位置データPyが入力される。また、CPU101には、方位(地磁気)センサ(x)110からのx軸の方位データDxが入力されると共に、方位(地磁気)センサ(y)111からのy軸の方位データDyが入力される。
【0020】
なお、位置データPx及びPy、方位データDx及びDyはいずれもディジタル値であり、センサ自体若しくはセンサ外部の回路でディジタル値に変換されて入力される。
【0021】
CPU101には、位置データPx及びPyに基づいて現在位置Pcを算出する位置算出部120が接続され、方位データDx及びDyに基づいて現在方位Dcを算出する方位算出部121が接続されている。更に、CPU101には、演算や制御のためにデータや情報を記憶するメモリ130と、メモリ130に記憶されたデータや情報を時間的に反転する反転部140と、ナビ動作時に往路と復路の行路を比較する比較部150と、ナビ動作時に方位と位置の判定を行う判定部160と、時間の経過を計測する計時部108と、表示部(22-1,22-2)の表示を制御する表示制御部109とが相互に接続されている。
【0022】
なお、本例のメモリ130は、FIFO(First-In First-Out)形式となっているため、メモリ130から読み出された記憶内容を反転部140で時間的に反転している。つまり、メモリ130に最初に記憶されてデータを最後に使用し、最後に記憶されてデータを最初に使用するようになっている。また、メモリ130は入力されるデータの全てを記憶することも可能であるが、本発明では往復路のナビを行うので、ある程度の歩行距離を換算した所定時間毎(例えば1分毎)に、離散的に記憶するようになっている。
【0023】
このような構成において、先ず計測データを記憶する動作、つまりハイキングで言えばハイキングスタートから歩行する動作例を、
図8のフローチャートを参照して説明する。この場合、鏡30は収納部31に収納されている。
【0024】
動作開始に先立って、使用者は
図2に示すように遭難防止装置10を身体に装着し、先ず電源スイッチ21-1をONし(ステップS10)、続いて動作指示ボタン21-2をONする(ステップS11)。これにより遭難防止装置10全体が起動される。この状態では、遭難防止装置10は
図1に示すように表示筐体22は装着側本体21に畳まれている。この状態でハイキングやトレーニングなどを行う。
【0025】
動作指示ボタン21-2のONによって起動されると、計時部108が計時動作を開始すると共に(ステップS12)、歩行の開始により加速度センサ102及び105からxy軸の加速度データαx、αyが出力され、それぞれ積分部103及び106で速度データSPx、SPyに変換され、速度データSPx、SPyは更に積分部104及び107に入力されて位置データPx、Pyに変換されて取り込まれる。また、方位センサ110及び111からの方位データDx、Dyはそのまま取り込まれる(ステップS13)。位置算出部120は、取り込まれた位置データPx、Pyに基づいて2次元上の位置データPcを算出し、方位算出部121は、取り込まれた方位データDx、Dyに基づいて2次元上の方位データDcを算出する(ステップS14)。位置データPc及び方位データDcは、計時部108の計時信号に従って、例えば1分毎の時点t0,t1,・・・,t(n-1),tnに、メモリ130に
図9に示すように記憶される(ステップS15)。
図9(A)は位置データPcの記憶例であり、
図9(B)は方位データDcの記憶例である。上記ステップS13以降の動作が、ナビ指示ボタン21-3が押されるまで繰り返される(ステップS16)。
【0026】
一方、山道等で道に迷った場合のナビ動作例を、
図10のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
道に迷った場合、先ずどちらに行ったら良いかが分からないので、遭難防止装置10の表示筐体22を
図3に示すように前側に倒し、表示筐体22の表示部22-1及び22-2が目で見える状態にすると共に、ナビ指示ボタン21-2をONする(ステップS20)。ナビ指示ボタン21-2によりナビ指示が入力されると、上述の記憶動作が停止されると共に、メモリ130から、既に記憶されている1分毎の位置データPc及び方位データDcを読み出し(ステップS21)、反転部140で
図11に示すように時間順序を反転する(ステップS22)。即ち、最初にメモリ130に記憶されたデータを最後に配列し、最後に記憶したデータを最初に配列する。その結果、
図9(A)の位置データPcと
図11(A)に示す反転位置データRPcとは、時間が逆になっている関係であり、同様に、
図9(B)の方位データDcと
図11(B)に示す反転方位データRDcとは、時間が逆になっている関係である。即ち、各データは、時点tn,t(n-1),・・・,t1,t0の配列になる。
【0028】
また、位置データPcについて説明すれば、記憶動作時においては
図12(A)に示すように変化するが、反転することによって
図12(B)に示すように逆方向に変化する。
【0029】
遭難防止装置10はナビ指示ボタン21-2がONされても動作しているので、ナビ指示ボタン21-2がONされた時の現在地の位置データPc(0)及び方位データDc(0)が計測されて取り込まれる(ステップS23)。計測された現在地の位置データPc(0)及び方位データDc(0)は、反転された最初の位置データRPc及び方位データRDc、つまり最後の時点tnにメモリ130に記憶された位置データRPc(n)及び方位データRDc(n)と比較部150で比較される(ステップS24)。比較は先ず方位の比較を行い、どの方向に歩いたら良いかのナビを行う。そのため、現在位置の方位データDc(0)と最後の記憶位置での方位データRDc(n)とを下記数1で比較し、判定部160は方位差Dfがゼロとなるようにする。方位差Dfにより、進むべき方向は表示制御部109を介して、
図4の表示部22-1のように表示されるので、表示された方向に歩行を開始する。つまり、表示部22-1に表示されている方向を向くと、判定部160により表示部22-1の表示は消失するので、その方向が正しい方向(1分前にいた地点の方向)であることが分かる。
(数1)
Dc(0)-RDc(n)=Df
位置に関しては下記数2及び数3に従って、1分前の位置に達したか否かを判定部160が判定する。即ち、最後の記憶位置である位置データPc(n)と現在位置データRPc(0)との位置偏差Pfが所定値ε以上の場合は「NG」を表示部22-2に表示し、未だ1分前の位置に達していないことを遭難者に報知する。そして、更に進むと位置偏差Pfが所定値εより小さくなり、1分前の位置に略達したことになるので、その旨を表示部22-2に「OK」を表示し、遭難者に報知する。
(数2)
Pc(0)-RPc(n)=Pf≧ε → 「NG」
(数3)
Pc(0)-RPc(n)=Pf<ε → 「OK」
このようにして1分前の位置に達した時、その位置で上記動作を繰り返すことによって2分前の位置に戻ることができる。このような動作を繰り返すことにより、自律ナビゲーション形式で、遭難者は最初の出発地に帰還することができる。
【0030】
上述のメモリはFIFO(First-In First-Out)形式として説明しているが、FILO(First-In Last-Out)形式のメモリを使用することができ、この場合には最後に記憶されたデータから出力されるので、反転部は不要となる。
【0031】
また、上述ではデータの記憶間隔を1分で説明しているが、歩行速度との関連で自由に設定することができ、2分、5分等であっても良い。
【符号の説明】
【0032】
10 遭難防止装置
11A、11B バンド
20 装置本体
21 装着側本体
21-1 電源スイッチ
21-2 動作指示ボタン
21-3 ナビ指示ボタン
22 表示筐体
30 鏡
31 収納部
32 開閉蓋
40 バッテリ
100 処理回路
101 CPU(MPU,MCU)
102,105 加速度センサ(xy)
103、104、106,107 積分部(1/s)
109 表示制御部
110、111 方位(地磁気)センサ(xy)
120 位置算出部
121 方位算出部
130 メモリ
140 反転部
150 比較部
160 判定部