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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020108
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23B 90/04 20110101AFI20220125BHJP
   F23B 60/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
F23B90/04
F23B60/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123399
(22)【出願日】2020-07-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】593190928
【氏名又は名称】株式会社モキ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟
(72)【発明者】
【氏名】奥山 ラファエル 考一
【テーマコード(参考)】
3K046
【Fターム(参考)】
3K046AA06
3K046AC01
3K046AD01
3K046BA02
3K046CA10
(57)【要約】
【課題】燃焼効率が高く大きな熱量の発生ができると共に、設置のための床面積を小さくできるようにコンパクトに構成できる燃焼装置を提供する。
【解決手段】天板15の一方の側壁部12の近傍に該天板15の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口17と、該煙突口17の下方の燃焼室10の一部空間を、該燃焼室10を形成する本体11の内壁面13と共に区画するように、天板15の下面から下方に向かって燃焼室10の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部21、及び該有孔側板部21によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部22を備える角部区画燃焼促進部材20と、有孔底板部22の上面から上方へ向かって筒状に延設されて煙突口17の内側に隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成された筒状燃焼促進部材30とを具備する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薪を燃焼できる燃焼室を形成するように、本体の上面部分である天板を備え、該天板における平面位置として前記本体の一方の側壁部に近接する位置で上下方向に開口するように、該天板の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口を備える燃焼装置であって、
該煙突口の下方の前記燃焼室の一部である空間を、該燃焼室を形成する本体の内壁面と共に区画するように、有孔板によって形成されて前記天板の下面から下方に向かって前記燃焼室の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部、及び該有孔側板部によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部を備え、過熱されることで燃焼を促進させる角部区画燃焼促進部材と、
前記有孔底板部の上面から上方へ向かって筒状に延設されて前記煙突口の内側に該煙突口の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材とを具備することを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
薪を燃焼できる平面形態が多角形の燃焼室を形成するように、平面形態が多角形の天板を備える燃焼装置であって、
前記天板の一つの角部の近傍に上下方向に開口するように該天板の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口と、
該煙突口の下方の前記燃焼室の一部である角部近傍の空間を、該燃焼室を形成する本体の内壁面と共に区画するように、有孔板によって形成されて前記天板の下面から下方に向かって前記燃焼室の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部、及び該有孔側板部によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部を備え、過熱されることで燃焼を促進させる角部区画燃焼促進部材と、
前記有孔底板部の上面から上方へ向かって筒状に延設されて前記煙突口の内側に該煙突口の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材とを具備することを特徴とする燃焼装置。
【請求項3】
前記燃焼室の平面形態が実質的に5角形であって、前記天板の平面形態が実質的に5角形であることを特徴とする請求項2記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記角部区画燃焼促進部材の板厚に比べて前記筒状燃焼促進部材の板厚が薄く、前記角部区画燃焼促進部材に設けられている多数の貫通孔の孔径に比べて前記筒状燃焼促進部材に設けられている多数の貫通孔の孔径が小さいことを特徴とする請求項2又は3記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薪を燃焼できる燃焼室を形成するように、本体の上面部分である天板を備え、該天板における平面位置として前記本体の一方の側壁部に近接する位置で上下方向に開口するように、該天板の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口を備える燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の燃焼装置としては、燃焼室の天井面の一半を開閉自在な蓋体で構成することにより、燃焼物の投入口を兼ねた空気供給口を設け、該空気供給口と反対側の天井面若しくは側面には、煙突が接続する排気口有しており、該排気口と、前記空気供給口との間の天井面からの燃焼促進板を垂設すると共に、該燃焼促進板の下端縁と前記燃焼室の床面との間に燃焼室の高さの1/3~1/4の範囲の空隙を設けることにより、前記空気供給口が開口する一次燃焼室と前記排気口が開口する二次燃焼室とに燃焼室内を分画し、前記燃焼促進板には、一次燃焼室と二次燃焼室とを連通する多数の通孔が該促進板の全体に分散配設されている(特許文献1参照)ものが、本出願人によって提案されている。
【0003】
さらに、従来の燃焼装置としては、燃焼物の投入口や空気供給口を備える一次燃焼室と排気口を備える二次燃焼室とに、天板部の内面から垂下された状態に固定されて下端縁が底板部の内面から所要の間隔を開ける高さとなるように形成されると共に多数の貫通孔を備える燃焼促進板によって、区切られた燃焼空間を有する燃焼装置であって、前記排気口が前記二次燃焼室の天板部に設けられ、該二次燃焼室内で該排気口の開口を横切って分割するように、前記燃焼促進板と同等の多数の貫通孔を備える少なくとももう一枚の燃焼促進板が天板部の内面から垂下された状態に固定されて下端縁が底板部の内面から所要の間隔を開ける高さとなるように形成されて設けられている(特許文献2参照)ものが、本出願人によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3066066号公報(請求項1)
【特許文献2】特許第4785980号公報(請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
燃焼装置に関して解決しようとする課題は、燃焼室の容積が従来のものと同等である場合の比較として、燃焼効率が高く大きな熱量の発生ができると共に、設置のための床面積を小さくできるようにコンパクトに構成できる合理的な形態のものが提案されていない点にある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、燃焼効率が高く大きな熱量の発生ができると共に、設置のための床面積を小さくできるようにコンパクトに構成できる燃焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係る燃焼装置の他の一形態によれば、薪を燃焼できる燃焼室を形成するように、本体の上面部分である天板を備え、該天板における平面位置として前記本体の一方の側壁部に近接する位置で上下方向に開口するように、該天板の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口を備える燃焼装置であって、該煙突口の下方の前記燃焼室の一部である空間を、該燃焼室を形成する本体の内壁面と共に区画するように、有孔板によって形成されて前記天板の下面から下方に向かって前記燃焼室の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部、及び該有孔側板部によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部を備え、過熱されることで燃焼を促進させる角部区画燃焼促進部材と、前記有孔底板部の上面から上方へ向かって筒状に延設されて前記煙突口の内側に該煙突口の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材とを具備する。
【0008】
本発明に係る燃焼装置の他の一形態によれば、薪を燃焼できる平面形態が多角形の燃焼室を形成するように、平面形態が多角形の天板を備える燃焼装置であって、前記天板の一つの角部の近傍に上下方向に開口するように該天板の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口と、該煙突口の下方の前記燃焼室の一部である角部近傍の空間を、該燃焼室を形成する本体の内壁面と共に区画するように、有孔板によって形成されて前記天板の下面から下方に向かって前記燃焼室の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部、及び該有孔側板部によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部を備え、過熱されることで燃焼を促進させる角部区画燃焼促進部材と、前記有孔底板部の上面から上方へ向かって筒状に延設されて前記煙突口の内側に該煙突口の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材とを具備する。
【0009】
また、本発明に係る燃焼装置の一形態によれば、前記燃焼室の平面形態が実質的に5角形であって、前記天板の平面形態が実質的に5角形であることを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明に係る燃焼装置の一形態によれば、前記角部区画燃焼促進部材の板厚に比べて前記筒状燃焼促進部材の板厚が薄く、前記角部区画燃焼促進部材に設けられている多数の貫通孔の孔径に比べて前記筒状燃焼促進部材に設けられている多数の貫通孔の孔径が小さいことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の燃焼装置によれば、燃焼効率が高く大きな熱量の発生ができると共に、設置のための床面積を小さくようにできるようにコンパクトに構成できるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る燃焼装置の形態例を示す(a)平面図及び(b)正面図である。
図2図1の形態例の側面図である。
図3図1の形態例のA-A断面図である。
図4図1の形態例のB-B断面図である。
図5図1の形態例のC-C断面図である。
図6図1の形態例のD-D断面図である。
図7】本発明に係る燃焼装置の構成部材である角部区画燃焼促進部材及び筒状燃焼促進部材の形態例を示す(a)平面図及び(b)正面図である。
図8図7の形態例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る多角形(5角形)の燃焼装置の形態例を、添付図面(図1~8)に基づいて詳細に説明する。この燃焼装置は、基本形態として、薪を燃焼できる平面形態が多角形の燃焼室10を形成するように、平面形態が多角形の天板15を備えるものである。なお、この多角形とは、実質的な形態であればよく、折り曲げ部や角部16が面取りや丸められた形状になっている場合、或いは本体11の側壁部12が部分的に曲線的になっている形態も含まれ、実質的に角部が形成されて実質的に多角形となっている形態のことを意味する。
【0014】
17は煙突口であり、天板15の一つの角部16の近傍に上下方向に開口するように、その天板15の上面から上方へ向かって延設された円筒状に形成され、煙突用の筒体に接続できるように設けられている。
【0015】
20は角部区画燃焼促進部材であり、煙突口17の下方の燃焼室10の一部である角部近傍の空間を、その燃焼室10を形成する本体11の内壁面13と共に区画するように、有孔板によって形成されて天板15の下面から下方に向かって燃焼室10の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部21、及びその有孔側板部21によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部22を備え、過熱されることで燃焼を促進させるように設けられている。なお、本形態例の有孔底板部22の形状は5角形の天板15と相似形の5角形になっており、有孔側板部21は5角筒の5面のうちの3面に相当する形状になっているが、二次燃焼室を適切に区画できる形状であれば、これに限定されることなく、例えば円弧状でもよい。
【0016】
また、30は筒状燃焼促進部材であり、有孔底板部22の上面から上方へ向かって筒状に延設されて煙突口17の内側にその煙突口17の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させるように設けられている。なお、煙突口17と筒状燃焼促進部材30との間のリング状の隙間によって間隔を置いているため、筒状燃焼促進部材30を加熱した熱が、本体11側へ逃げにくい形態になっている。
【0017】
このように構成された燃焼装置によれば、燃焼効率が高く大きな熱量の発生ができると共に、設置のための床面積を小さくようにできるようにコンパクトに構成できるという特別有利な効果を奏する。すなわち、二次燃焼が、角部区画燃焼促進部材20と筒状燃焼促進部材30とによって構成されるコンパクトな二次燃焼促進部の空間(二次燃焼室)で合理的になされ、高温燃焼が維持されることで燃焼効率を高め、完全燃焼(無煙燃焼)をできる構成となっている。
【0018】
従って、本発明に係る燃焼装置によれば、効率よく熱量を得ることができ、クリーンな排気を実現でき、環境を保全し、持続可能なエネルギー資源の活用として優れた効果を奏する。なお、このように二次燃焼が促進されて、燃焼効率が高くなる原理については、本出願人の先の発明(先行技術文献の欄で挙げた特許文献1及び2を参照)によるものと同等のもので、本発明ではその原理を応用し、二次燃焼促進空間を、燃焼室10の上部の燃焼空気の通り道であって排気口として排気がなされる煙突口17の近傍に合理的且つよりコンパクトに構成したことに特長がある。
【0019】
すなわち、角部区画燃焼促進部材20では、貫通孔が多数のあることで空気の流通が整流される状態で適正になされると共に、高温に過熱されることで発火源として燃焼が促進されことになる。また、筒状燃焼促進部材30でも、貫通孔が多数のあることで空気の流通が整流される状態で適正になされると共に、高温に過熱されることで発火源として燃焼が促進されることに加え、煙突口17に同心状に配置されていることから、その煙突口17と下側で周囲を囲んでいる角部区画燃焼促進部材20との関係おいても、燃焼空気の整流化がなされると共に、燃焼空気の上昇気流によるドラフト効果(煙突効果)で排気の排出流速を高めることができ、吸入・供給される燃焼用の新鮮な空気の流れを適切に促進し、燃焼効率を高める効果がある。
【0020】
また、本形態例では、角部区画燃焼促進部材20の板厚に比べて筒状燃焼促進部材30の板厚が薄く、角部区画燃焼促進部材20に設けられている多数の貫通孔23の孔径に比べて筒状燃焼促進部材30に設けられている多数の貫通孔33の孔径が小さく設けられている。なお、本形態例では、角部区画燃焼促進部材20及び筒状燃焼促進部材30の両者の開口率は同等に設けられている。
【0021】
これによって、排気が適切になされるように、バランス良く形成されていると共に、筒状燃焼促進部材30の方が急激に過熱されて赤熱化し易く、熱量の発生が小さいときでも燃焼が適切になされることになり、燃焼効率をより高めることができる。なお、これに限定されず、使用される条件によって、板厚、貫通孔の大きさや開口率について、適宜選択的に調整・設定できるのは勿論である。さらに、本形態例の角部区画燃焼促進部材20及び筒状燃焼促進部材30の縦方向の長さは、燃焼室10に縦方向の長さの半分程度に達する部位まで下方へ延設された状態に設定されているが、これに限定されるものではなく、燃焼室10のサイズやその燃焼室10とのバランス或いは使用条件などに応じて最適な長さに、適宜に設定できるのは勿論である。
【0022】
また、角部区画燃焼促進部材20及び本体11の内壁面13と、筒状燃焼促進部材30との間については、所要の間隔が空くように設けられていることで、整流効果を高めることができる。その所要の間隔とは、例えば少なくとも角部区画燃焼促進部材20の貫通孔23の直径以上の寸法とすればよく、本形態例では、貫通孔23の直径の1.5倍から3倍程度に設定されている。さらに、角部区画燃焼促進部材20と、本体11の内壁面13とが、接しないように隙間が設けられており、角部区画燃焼促進部材20を加熱した熱が側壁部12に逃げないように設けられている。
【0023】
また、本形態例では、燃焼室10の平面形態が実質的に5角形であって、天板15の平面形態が実質的に5角形であることで、5角形の角筒が立てられた形態になっている。これによれば、5角形の一つの角の部分に二次燃焼室を適切に設置することができるため、コンパクトに設計することができ、設置のための床面積に比べて、燃焼スペースの大きな容積の燃焼室10を得ることができ、発熱量の大きな燃焼装置を構成することができる。
【0024】
また、本形態例の薪投入口40は、本体11が5角形の筒体を立てた形態に設けられているため、5角筒体の正面となる側面に、十分に大きな開口として設けることができる。そして、本体11が5角形であることで、この正面(前面部)の薪投入口40に対する構成として、後部の一隅である角の部分に、煙突口17及び二次燃焼室を配置することができる形態となっている。この薪投入口40は、開閉扉41によって、その開口が開閉されるにように構成されている。また、本形態例の薪投入口40は、円形に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば四角形でも良いのは勿論である。なお、42は気密部材であり、開閉扉41を閉じた際に煙が洩れないようにシールため、薪投入口40の口縁を形成するリング状の溝に充填された状態に配されている。
【0025】
また、本形態例の5角形の本体11に設けられている給気口50を備える給気調整部は、図1に示すように、本体11の5面の側面のうちの前面側の3側面の下部に配されて設けられている。この給気調整部では、スリット状に複数の縦長に設けられた通気開口によって給気口50が構成され、そのスリット状の複数の通気開口を、同様にスリット状に設けられた給気用の開閉扉が左右に移動することで開閉し、その開口率が調整され、吸入される空気量を調整できるように設けられている。
【0026】
また、60は灰回収箱であり、5角形の本体の下部の底部に設けられたロストルの下側に引き出し可能に配されており、灰を受けて回収することができる。さらに、70は脚部であり、5角形の本体11が適切な高さ位置に保持されるように支持すると共に、灰回収箱60がスライド可能(引き出し可能)に配置されるスペースを設けるように形成されている。
【0027】
本形態例の燃焼装置は、サウナの熱源として利用できるもので、火傷防止用の柵又は網を、本体11の周囲に設置できるのは勿論であり、天板15の上面は、煮炊き用の鍋釜を載せることができるなど、調理用の熱源として用いることもできる。
【0028】
そして、本発明に係る燃焼装置に係る角部区画燃焼促進部材20と筒状燃焼促進部材30とによって構成される二次燃焼促進部は、以上に説明した多角形の薪ストーブに限定されるものではなく、他の形態の燃焼装置にも応用することができる。
【0029】
すなわち、薪を燃焼できる燃焼室10を形成するように、本体11の上面部分である天板15を備え、その天板15における平面位置として本体11の一方の側壁部12に近接する位置で上下方向に開口するように、その天板15の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口17を備える燃焼装置であって、その煙突口17の下方の燃焼室10の一部である空間を、その燃焼室10を形成する本体11の内壁面13と共に区画するように、有孔板によって形成されて天板15の下面から下方に向かって燃焼室10の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部21、及びその有孔側板部21によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部22を備え、過熱されることで燃焼を促進させる角部区画燃焼促進部材20と、有孔底板部22の上面から上方へ向かって筒状に延設されて煙突口17の内側にその煙突口17の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材30とを具備する燃焼装置とすることができる。
【0030】
すなわち、本発明に係る燃焼装置の形態については、多角形に限定されるものではなく、曲線的な形態のものにも適宜応用できる。例えば、天板15の後部が楕円の一部の形状に設けられたものなど、他の部分より狭く設けられた部分に、煙突口17を形成したものについても、角部区画燃焼促進部材20と筒状燃焼促進部材30とによって構成される二次燃焼促進部の空間(二次燃焼室)を合理的に設けることが可能である。
【0031】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【0032】
10 燃焼室
11 本体
12 側壁部
13 内壁面
15 天板
16 角部
17 煙突口
20 角部区画燃焼促進部材
21 有孔側板部
22 有孔底板部
23 貫通孔
30 筒状燃焼促進部材
33 貫通孔
40 薪投入口
41 開閉扉
42 気密部材
50 給気口
60 灰回収箱
70 脚部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薪を燃焼できる燃焼室を形成するように、本体の上面部分である天板を備え、該天板における平面視した場合の位置として前記本体の側壁部の一部に近接する位置で上下方向に開口するように、該天板の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口を備える燃焼装置であって、
該煙突口の下方の前記燃焼室の一部である空間を、該燃焼室を形成する前記本体の側壁部の一部における内壁面と共に区画するように、有孔板によって形成されて前記天板の下面から下方に向かって前記燃焼室の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部、及び該有孔側板部によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部を備え、過熱されることで燃焼を促進させる燃焼室区画燃焼促進部材と、
前記有孔底板部の上面から上方へ向かって筒状に延設されて前記煙突口の内側に該煙突口の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材とを具備することを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
薪を燃焼できる平面形態が多角形の燃焼室を形成するように、平面形態が多角形の天板を備える燃焼装置であって、
前記天板の一つの角部の近傍に上下方向に開口するように該天板の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口と、
該煙突口の下方の前記燃焼室の一部である角部近傍の空間を、該燃焼室を形成する本体の内壁面と共に区画するように、有孔板によって形成されて前記天板の下面から下方に向かって前記燃焼室の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部、及び該有孔側板部によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部を備え、過熱されることで燃焼を促進させる角部区画燃焼促進部材と、
前記有孔底板部の上面から上方へ向かって筒状に延設されて前記煙突口の内側に該煙突口の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材とを具備することを特徴とする燃焼装置。
【請求項3】
前記燃焼室の平面形態が実質的に5角形であって、前記天板の平面形態が実質的に5角形であることを特徴とする請求項2記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記角部区画燃焼促進部材の板厚に比べて前記筒状燃焼促進部材の板厚が薄く、前記角部区画燃焼促進部材に設けられている多数の貫通孔の孔径に比べて前記筒状燃焼促進部材に設けられている多数の貫通孔の孔径が小さいことを特徴とする請求項2又は3記載の燃焼装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係る燃焼装置の他の一形態によれば、薪を燃焼できる燃焼室を形成するように、本体の上面部分である天板を備え、該天板における平面視した場合の位置として前記本体の側壁部の一部に近接する位置で上下方向に開口するように、該天板の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口を備える燃焼装置であって、該煙突口の下方の前記燃焼室の一部である空間を、該燃焼室を形成する前記本体の側壁部の一部における内壁面と共に区画するように、有孔板によって形成されて前記天板の下面から下方に向かって前記燃焼室の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部、及び該有孔側板部によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部を備え、過熱されることで燃焼を促進させる燃焼室区画燃焼促進部材と、前記有孔底板部の上面から上方へ向かって筒状に延設されて前記煙突口の内側に該煙突口の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材とを具備する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
すなわち、薪を燃焼できる燃焼室10を形成するように、本体11の上面部分である天板15を備え、その天板15における平面視した場合の位置として本体11の側壁部12の一部に近接する位置で上下方向に開口するように、その天板15の上面から上方へ向かって延設された円筒状の煙突口17を備える燃焼装置であって、その煙突口17の下方の燃焼室10の一部である空間を、その燃焼室10を形成する本体11の側壁部12の一部における内壁面13と共に区画するように、有孔板によって形成されて天板15の下面から下方に向かって燃焼室10の高さ方向の中途部まで延設された有孔側板部21、及びその有孔側板部21によって形成される空間の底部を形成するように有孔板によって形成された有孔底板部22を備え、過熱されることで燃焼を促進させる燃焼室区画燃焼促進部材20と、有孔底板部22の上面から上方へ向かって筒状に延設されて煙突口17の内側にその煙突口17の内周面から隙間を空けて同心円状に配置されるように、有孔であって円筒状に形成されて過熱されることで燃焼を促進させる筒状燃焼促進部材30とを具備する燃焼装置とすることができる。