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特開2022-20191レバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法
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  • 特開-レバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020191
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】レバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/06 20060101AFI20220125BHJP
   G05G 1/04 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
G05G5/06 F
G05G1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123552
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】金田 直己
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA03
3J070BA07
3J070CB01
3J070CD03
3J070CD05
3J070CD06
3J070DA11
3J070DA21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レバーの一方向回動にはディテント機能を持たせ、これと逆の他方向回動にはディテント機能なしとする。
【解決手段】複数のディテント凹部A~Eを有すると共にディテント体20の一部をなすディテント板1と、各ディテント凹部A~Eに対して選択的に係合できるディテントピン25と、往復回動自在に設けられたレバー22と、ディテント板1に所定角度のみ回動自在に設けられたゲート部材4と、ゲート部材4の外周に形成され、互いに異なる方向に突出したストッパ用突起8及びゲート片9と、ゲート部材4とディテント板1の係止部6との間に張設されたばね7と、ディテント板1に形成されストッパ用突起8が当接するための段部10と、を備え、レバー22の往復動作における一方向M1のみに対して、ディテントピン25がゲート片9に当接した後にゲート片9の下方に位置する前記ディテント凹部Cに係合しレバー22の回動が一時的に中断となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のディテント凹部(A~E)を有すると共にディテント体(20)の一部をなすディテント板(1)と、前記各ディテント凹部(A~E)に対して選択的に係合できるディテントピン(25)と、前記ディテントピン(25)を移動させるため往復回動自在に設けられたレバー(22)と、前記ディテント板(1)に所定角度のみ回動自在に設けられたゲート部材(4)と、前記ゲート部材(4)の外周に形成され、互いに異なる方向に突出したストッパ用突起(8)及びゲート片(9)と、前記ゲート部材(4)と前記ディテント板(1)の係止部(6)との間に張設されたばね(7)と、前記ディテント板(1)に形成され、前記ストッパ用突起(8)が当接するための段部(10)と、を備え、
前記レバー(22)の往復動作における一方向(M1)のみに対して、前記ディテントピン(25)が、前記ゲート片(9)に当接した後に前記ゲート片(9)の下方に位置する前記ディテント凹部(C)に係合し、前記レバー(22)の回動が一時的に中断となるように構成したことを特徴とするレバー装置用ディテント機構。
【請求項2】
前記レバー(22)を前記一方向(M1)とは逆の他方向(M2)に回動する場合に、前記ゲート部材(4)の前記ゲート片(9)が前記ディテントピン(25)との当接によって回動し、前記ディテントピン(25)は停止されることなく連続移動できるように構成したことを特徴とする請求項1記載のレバー装置用ディテント機構。
【請求項3】
前記ディテント体(20)は、前記レバー(22)の両側に配設され、1本のみの前記ディテントピン(25)は、長手形状よりなると共に前記各ディテント体(20、20)の前記各ディテント凹部(A~E)に係合できるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のレバー装置用ディテント機構。
【請求項4】
複数のディテント凹部(A~E)を有すると共にディテント体(20)の一部をなすディテント板(1)と、前記各ディテント凹部(A~E)に対して選択的に係合できるディテントピン(25)と、前記ディテントピン(25)を移動させるため往復回動自在に設けられたレバー(22)と、前記ディテント板(1)に所定角度のみ回動自在に設けられたゲート部材(4)と、前記ゲート部材(4)の外周に形成され、互いに異なる方向に突出したストッパ用突起(8)及びゲート片(9)と、前記ゲート部材(4)と前記ディテント板(1)の係止部(6)との間に張設されたばね(7)と、前記ディテント板(1)に形成され、前記ストッパ用突起(8)が当接するための段部(10)と、を備え、
前記レバー(22)の往復動作における一方向(M1)のみに対して、前記ディテントピン(25)が、前記ゲート片(9)に当接した後に前記ゲート片(9)の下方に位置する前記ディテント凹部(C)に係合し、前記レバー(22)の回動が一時的に中断となることを特徴とするレバー装置用ディテント機構のディテント方法。
【請求項5】
前記レバー(22)を前記一方向(M1)とは逆の他方向(M2)に回動する場合に、前記ゲート部材(4)の前記ゲート片(9)が前記ディテントピン(25)との当接によって回動し、前記ディテントピン(25)は停止されることなく連続移動できることを特徴とする請求項4記載のレバー装置用ディテント機構のディテント方法。
【請求項6】
前記ディテント体(20)は、前記レバー(22)の両側に配設され、1本のみの前記ディテントピン(25)は、長手形状よりなると共に前記各ディテント体(20、20)の前記各ディテント凹部(A~E)に係合できることを特徴とする請求項4又は5記載のレバー装置用ディテント機構のディテント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法に関し、特に、往復動作を行うレバーの一方向のみに対してディテント凹部を用いたディテント機能を持たせるための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のレバー装置のディテント機構としては、例えば、特許文献1に開示された構成を挙げることができる。
すなわち、特許文献1の操作レバー装置は、タンクローリーの生コンクリートの排出の制御を行うためのレバーであり、ディテントプレートに設けられた一対のストッパ一部を用いることによって、生コンクリートの排出の阻止等を確実に行うことができる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7-29614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレバー装置のディテント機構は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、一方向及び他方向、すなわち、双方向のレバー操作を制限するためのストッパ一部を有するディテント機構であるため、レバーの往復動作のうちの何れか一方のみをディテント機能を有しない構成とすることはできなかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、往復動作を行うレバーの一方向のみに対してディテント機能を作用させ、一方向とは逆の他方向にレバーを回動させた場合には、ディテント機能をなくしてレバーの連続回動を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるレバー装置用ディテント機構は、複数のディテント凹部を有すると共にディテント体の一部をなすディテント板と、前記各ディテント凹部に対して選択的に係合できるディテントピンと、前記ディテントピンを移動させるため往復回動自在に設けられたレバーと、前記ディテント板に所定角度のみ回動自在に設けられたゲート部材と、前記ゲート部材の外周に形成され、互いに異なる方向に突出したストッパ用突起及びゲート片と、前記ゲート部材と前記ディテント板の係止部との間に張設されたばねと、前記ディテント板に形成され、前記ストッパ用突起が当接するための段部と、を備え、前記レバーの往復動作における一方向のみに対して、前記ディテントピンが、前記ゲート片に当接した後に前記ゲート片の下方に位置する前記ディテント凹部に係合し、前記レバーの回動が一時的に中断となるようにした構成であり、また、前記レバーを前記一方向とは逆の他方向に回動する場合に、前記ゲート部材の前記ゲート片が前記ディテントピンとの当接によって回動し、前記ディテントピンは停止されることなく連続移動できるようにした構成であり、また、前記ディテント体は、前記レバーの両側に配設され、1本のみの前記ディテントピンは、長手形状よりなると共に前記各ディテント体の前記各ディテント凹部に係合できるようにした構成である。
また、本発明によるレバー装置用ディテント機構のディテント方法は、複数のディテント凹部を有すると共にディテント体の一部をなすディテント板と、前記各ディテント凹部に対して選択的に係合できるディテントピンと、前記ディテントピンを移動させるため往復回動自在に設けられたレバーと、前記ディテント板に所定角度のみ回動自在に設けられたゲート部材と、前記ゲート部材の外周に形成され、互いに異なる方向に突出したストッパ用突起及びゲート片と、前記ゲート部材と前記ディテント板の係止部との間に張設されたばねと、前記ディテント板に形成され、前記ストッパ用突起が当接するための段部と、を備え、前記レバーの往復動作における一方向のみに対して、前記ディテントピンが、前記ゲート片に当接した後に前記ゲート片の下方に位置する前記ディテント凹部に係合し、前記レバーの回動が一時的に中断となる方法であり、また、前記レバーを前記一方向とは逆の他方向に回動する場合に、前記ゲート部材の前記ゲート片が前記ディテントピンとの当接によって回動し、前記ディテントピンは停止されることなく連続移動できる方法であり、また、前記ディテント体は、前記レバーの両側に配設され、1本のみの前記ディテントピンは、長手形状よりなると共に前記各ディテント体の前記各ディテント凹部に係合できる方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるレバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、複数のディテント凹部を有すると共にディテント体の一部をなすディテント板と、前記各ディテント凹部に対して選択的に係合できるディテントピンと、前記ディテントピンを移動させるため往復回動自在に設けられたレバーと、前記ディテント板に所定角度のみ回動自在に設けられたゲート部材と、前記ゲート部材の外周に形成され、互いに異なる方向に突出したストッパ用突起及びゲート片と、前記ゲート部材と前記ディテント板の係止部との間に張設されたばねと、前記ディテント板に形成され、前記ストッパ用突起が当接するための段部と、を備え、前記レバーの往復動作における一方向のみに対して、前記ディテントピンが、前記ゲート片に当接した後に前記ゲート片の下方に位置する前記ディテント凹部に係合し、前記レバーの回動が一時的に中断となることにより、レバーの回動動作を一気に行って所定の位置にレバーを到達させるのではなく、レバーの回動動作を途中で止めた後に、所定の位置に回動して、動作の安全性を確保できる。また、前記レバーを前記一方向とは逆の他方向に移動する場合に、前記ゲート部材の前記ゲート片が前記ディテントピンとの当接によって回動し、前記ディテントピンは停止されることなく連続移動できることにより、レバーはディテント凹部と係わることなく、連続回動できる。また、前記ディテント体は、前記レバーの両側に配設され、1本のみの前記ディテントピンは、長手形状よりなると共に前記各ディテント体の前記各ディテント凹部に係合できることにより、レバーの両側に位置するディテント体によって、レバーの回動及びディテント動作を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態によるレバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法を示す正面図である。
図2図1の他の形態を示す正面図である。
図3図2の他の形態を示す正面図である。
図4図1のディテント体にレバーを組み合わせた装置を示す構成図である。
図5図4のA-A断面図である。
図6図5の左側面図である。
図7】レバー装置の要部を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明によるレバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法は、往復動作を行うレバーの一方向のみに対してディテント凹部を作用させ、一方向とは逆の他方向にレバーを回動させた場合には、途中のディテント凹部と係わることなく、最終のディテント凹部までレバーの連続回動を行うことである。
【実施例0010】
以下、図面と共に本発明によるレバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法の好適な実施の形態について説明する。
図1において、符号1で示されるものは、図7で示されるように、肉厚の長手形状からなるディテント板であり、このディテント板1の中央位置には、長手形状の抜き穴からなるディテント用孔部2が形成されている。
【0011】
前記ディテント用孔部2の底部2aには、山と谷形状からなる第1~第5ディテント凹部A、B、C、D、Eが連続して形成されている。
前記ディテント板1の上部1aには、ピポットシャフトからなる軸支部3を介してゲート部材4が所定角度のみ回動自在に設けられている。
前記ディテント板1の前記上部1aには、突起形状の係止部6が形成され、この係止部6と前記ゲート部材4の突出端部4aとの間には、ばね7が張設されていることにより、前記ゲート部材4は、前記軸支部3を回転中心として、反時計方向(CCW)に常時付勢されている。
【0012】
前記ゲート部材4の外周には、互いに異なる方向に突出して形成されたストッパ用突起8及びゲート片9が形成され、このストッパ用突起8とゲート片9との角度は、約90度となるように構成されている。
前記ストッパ用突起8は、前記係止部6の近傍に位置する段部10に係合し、前記ゲート部材4は、時計方向(CW)のみ回動可で、その反対方向の反時計方向(CCW)には回動不可であるように構成されている。
【0013】
従って、主として、前記ディテント板1、前記第1~第5ディテント凹部A~E、ゲート部材4、ばね7及び係止部6によって、ディテント体20が構成されており、前記ディテント板1は、前記ディテント体20の一部を構成している。
前記ディテント体20は、図7にも示されているように、本実施の形態に用いられるレバー装置21のレバー22の両側(片側のみでも可)に配設されている。前記レバー22の中空軸23内の内部軸24の下部には、長手形状のディテントピン25が、前記内部軸24を横断するように形成された取付孔26内に固定されている。
前記ディテントピン25は、図5で示されるように、前記各ディテント体20、20の各ディテント板1、1のディテント用孔部2、2内の各ディテント凹部A~Eの何れかに位置できるように構成されている。
【0014】
図5に示すように、前記レバー22の両側に配設された一対の前記ディテント体20、20は、前記レバー装置21を構成するレバー筐体30内に取り付けられており、前記ディテントピン25が下部に取り付けられた内部軸24は、前記中空軸23内に摺動(上下動)自在に設けられている。
【0015】
前記中空軸23の第1頂部31の外周位置には、スペーサ32を介して全体形状が断面T字形をなすハンドル33が図6のビス34によって固定して取り付けられている。
前記中空軸23内の前記スペーサ32と前記内部軸24の第2頂部31Aとの間には、圧縮ばね35が内挿されている。前記ハンドル33の下方に位置する補助ハンドル40は、前記中空軸23の外周に摺動自在に設けられ、この補助ハンドル40は、一対のビス42によって前記内部軸24に固定されると共に、補助ハンドル40と内部軸24とは一体に上下動できるように構成されている。
【0016】
前述の構成において、前記ハンドル33は、前記中空軸23に固定されているため、このハンドル33を握りつつ前記補助ハンドル40を上下動させると、前記中空軸23の下部に形成され所定のストローク分を有する空隙41の長さ分だけ、前記ディテントピン25が前記内部軸24と共に上下動できるように構成されている。
前述の場合、前記補助ハンドル40を手から放すと、前記圧縮ばね35の復帰力によって、前記内部軸24が元の位置に戻り、図5のように、前記ディテントピン25も元の位置に戻るように構成されている。すなわち、前記内部軸24と前記ディテントピン25とは、前記圧縮ばね35の復帰力によって、図5のように、下方に向けて常時付勢されている。
【0017】
次に、本実施の形態によるレバー装置用ディテント機構の動作について述べる。
まず、図1及び図2に示されるように、補助ハンドル40をハンドル33側に引き上げてレバー22を、往復回動動作のうちの一方向(図の左から右側)M1に向けて回動して倒そうとすると、前記ゲート部材4は、すでに前記ばね7によって反時計方向(CCW)に回動し、前記ストッパ用突起8が段部10に当接し、かつ、前記ゲート片9が前記第3ディテント凹部Cに対応した位置に来ているため、前記ディテントピン25は前記ゲート片9に当接して回動が不可能となると共に、前記レバー22の回動が一時的に中断する。
【0018】
そこで、前記ハンドル33側に引き上げていた補助ハンドル40を手から離して自由状態とすると、前記ディテントピン25は第3ディテント凹部Cに係合される。
次に、前記ハンドル33を手で持ちつつ前記補助ハンドル40を上方、すなわち、前記ハンドル33側へ引き上げると、前記ディテントピン25は前記第3ディテント凹部Cから離脱し、前記ゲート片9の裏に沿って上昇し、第4ディテント凹部Dに係合せずに通過して、補助ハンドル40の手を離すことにより、第5ディテント凹部Eに前記ディテントピン25が係合する。
従って、前記レバー21は、図2の第1ディテント凹部Aから第5ディテント凹部Eに回動する間に、前記ゲート片9でその回動動作を一旦止められるため、一方向M1のみでのストッパ機能(ディテント機能)を有しているため、レバー22の操作の安全性を得ることができる。
【0019】
次に、前述のように、第5ディテント凹部Eで位置決めされた前記レバー22を、前記一方向M1とは反対の他方向M2に回動させて、前記第5ディテント凹部Eから前記第1ディテント凹部Aにディテントピン25を戻す場合、図3及び図5で示されるように、前記レバー22の前記補助ハンドル40を上方に持ち上げると、前記ディテントピン25も第5ディテント凹部Eから持ち上げられて離脱し、この状態で、前記レバー22を前記他方向M2に沿って回動させると、前記ディテントピン25が前記ゲート片9に当接するが、前記ゲート片9は、時計方向(CW)に回動するため、前記ストッパ用突起8は前記段部10から離脱する。
【0020】
従って、前記ディテントピン25は、時計方向(CW)に回動する前記ゲート片9を押しのける(すなわち、ゲート片9が前述のようなストッパの役割をしない)ため、そのままの状態で前記レバー22は回動でき、前記補助ハンドル40から手を放すことにより、前記圧縮ばね35の作用により、前記内部軸24と共にディテントピン25が前記第1ディテント凹部A内に係合し、前記レバー22は、図1の最も左側に回動した状態で位置決めされる。
【0021】
以上の前記レバー22の動作は、従来構成のディテント機構と異なり、レバー22の往復回動動作のうち、一方向M1のみに対して、ディテントピン25がゲート片9に当接した後に、前記ゲート片9の下方に位置する前記ディテント凹部Cに係合し、前記レバー22の回動が一時的に中断となり、ディテント動作となる。
【0022】
また、前記レバー22を前記一方向M1とは逆の他方向M2に移動する場合に、前記ゲート部材4の前記ゲート片9が前記ディテントピン25との当接によって回動し、前記ディテントピン25は停止されることなく連続移動できるように構成されている。
すなわち、本発明によるレバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法においては、レバー22の一方向M1のみの回動においては、ディテントピン25がゲート片9に当接して、レバー22の回動が一旦停止することにより、レバー22の一方向のみにディテント機能を有し、これと反対の他方向のみには、ディテント機能が設けられていないので、レバー22を前記一方向の時よりも速く回動することができ、さらに、レバー22の回動状態をみることにより、一方向M1への回動か、又は他方向M2への回動であるかの感触も得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明によるレバー装置用ディテント機構及びそのディテント方法は、レバーの一方向のみにディテント機能が設けられ、前記一方向とは反対方向の他方向のみは、ディテント機能が設けられていないため、レバー装置のレバー機能を従来よりも大幅に向上させ、例えば、航空機用途のレバーディテントの利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 ディテント板
1a 上部
2 ディテント用孔部
2a 底部
3 軸支部
4 ゲート部材
4a 突出端部
6 係止部
7 ばね
8 ストッパ用突起
9 ゲート片
10 段部
20 ディテント体
21 レバー装置
22 レバー
23 中空軸
24 内部軸
25 ディテントピン
26 取付孔
30 レバー筐体
31 第1頂部
31A 第2頂部
32 スペーサ
33 ハンドル
34 ビス
35 圧縮ばね
40 補助ハンドル
41 空隙
42 ビス
A 第1ディテント用凹部
B 第2ディテント用凹部
C 第3ディテント用凹部
D 第4ディテント用凹部
E 第5ディテント用凹部
M1 一方向
M2 他方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7