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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020237
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/50 20060101AFI20220125BHJP
【FI】
B65D5/50 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123625
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】515133028
【氏名又は名称】柿原 秀己
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】柿原 秀己
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB01
3E060BC04
3E060CC05
3E060CC18
3E060CC43
3E060DA04
3E060DA23
3E060DA30
3E060EA06
3E060EA20
(57)【要約】
【課題】内部に収容される物品に関する物品情報を記載する適切なスペースを確保するとともに、その物品情報の不正な改ざんを防止し、組立および解体が容易である包装箱を提供する。
【解決手段】胴部構成体(側部形成片110、120、130、140)の胴部方向の一側の端辺(側部形成片110の折目線111の辺)と、胴部構成体の胴部方向の他側の端辺(側部形成片140の折目線142の辺)とが突き合わされてなる四角形の多角胴部の内方に、抑制片170及び挟圧片180が折り込まれる。これにより、多角胴部の内壁と抑制片170との間に形成された空間が物品収容空間220となり、多角胴部の内壁と挟圧片180との間隙が係止片挟持空間230となる。そして、係止片挟持空間230に挿入された蓋体係止片151と底体係止片161とにより、蓋体150及び底体160が閉じられ、包装箱100が構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n角形(但し、nは3以上の整数)の多角胴部を有する筒型で有蓋有底の包装箱であって、
n個の側部形成片を胴部方向へ谷折り状に連設される胴部構成体と、
前記胴部構成体の胴部方向の一側の端辺に谷折り状に連設される抑制片と、
前記胴部構成体の胴部方向の他側の端辺に谷折り状に連設される挟圧片と、
前記側部形成片のいずれかの上辺に谷折り状に連設されるn角形の蓋体と、
前記蓋体の一辺であって閉蓋状態で前記挟圧片が連設される前記側部形成片の上辺と対応する辺に連設される蓋体係止片と、
前記蓋体が連設される前記側部形成片の下辺に谷折り状に連設されるn角形の底体と、
前記底体の一辺であって閉底状態で前記挟圧片が連設される前記側部形成片の下辺と対応する辺に連設される底体係止片と、を備え、
前記一側の端辺と前記他側の端辺とが突き合わされてなる前記n角形の多角胴部の内方に前記抑止片及び前記挟圧片が折り込まれ、前記多角胴部の内壁と前記抑制片との間に形成される空間を物品収容空間とし、前記多角胴部の内壁と前記挟圧片との間隙を係止片挟持空間とする共に、
前記係止片挟持空間に挿入された前記蓋体係止片と前記底体係止片とにより前記蓋体及び前記底体を閉蓋閉底すべく構成したことを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記挟圧片には蓋底方向に山折り部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品等の物品を収容する包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧品等の物品を販売する際には、その物品を専用の包装箱に収容して販売されることが多い。この場合には、その物品に関する説明文や注意書の物品情報等は、その物品を収容する包装箱の外側の表面に印刷されたり、その物品とともに包装箱に収納される「取扱説明書」等に印刷されたりすることが多い。
【0003】
化粧品等の物品を収容する包装箱として、例えば、糊代と第1乃至第4の側壁とが折曲線を介して折り曲げ可能に連設され、第4の側壁には、第1の側壁と略同一形状の表示片が折曲線を介して折り曲げ可能に連設された表示片付包装用箱が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-104433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、第1乃至第4の側壁により構成される表示片付包装用箱の側面の外側に設けられる表示片に、表示片付包装用箱に収容される物品に関する説明文や注意書の物品情報等を記載することができる。
【0006】
しかし、上述の従来技術では、糊代と各側壁とを接着する必要があるため、その組立作業が煩雑となる。また、糊代と各側壁とが接着されるため、物品を取り出した後に、表示片付包装用箱を解体する解体作業が煩雑となる。
【0007】
また、上述の従来技術では、物品に関する説明文や注意書の物品情報等が記載される表示片が、表示片付包装用箱の側面の外側に設けられるため、不正な改ざんが行われるおそれがある。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、内部に収容される物品に関する物品情報を記載する適切なスペースを確保するとともに、その物品情報の不正な改ざんを防止し、組立および解体が容易である包装箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、n角形(但し、nは3以上の整数)の多角胴部を有する筒型で有蓋有底の包装箱であって、n個の側部形成片を胴部方向へ谷折り状に連設される胴部構成体と、前記胴部構成体の胴部方向の一側の端辺に谷折り状に連設される抑制片と、前記胴部構成体の胴部方向の他側の端辺に谷折り状に連設される挟圧片と、前記側部形成片のいずれかの上辺に谷折り状に連設されるn角形の蓋体と、前記蓋体の一辺であって閉蓋状態で前記挟圧片が連設される前記側部形成片の上辺と対応する辺に連設される蓋体係止片と、前記蓋体が連設される前記側部形成片の下辺に谷折り状に連設されるn角形の底体と、前記底体の一辺であって閉底状態で前記挟圧片が連設される前記側部形成片の下辺と対応する辺に連設される底体係止片と、を備え、前記一側の端辺と前記他側の端辺とが突き合わされてなる前記n角形の多角胴部の内方に前記抑止片及び前記挟圧片が折り込まれ、前記多角胴部の内壁と前記抑制片との間に形成される空間を物品収容空間とし、前記多角胴部の内壁と前記挟圧片との間隙を係止片挟持空間とする共に、前記係止片挟持空間に挿入された前記蓋体係止片と前記底体係止片とにより前記蓋体及び前記底体を閉蓋閉底すべく構成したことを特徴とする包装箱である。
【0010】
また、この第1の態様において、前記挟圧片には蓋底方向に山折り部を形成してもよい。
【0011】
このような態様を採ることにより、胴部構成体の胴部方向の一側の端辺と、胴部構成体の胴部方向の他側の端辺とが突き合わされてなるn角形の多角胴部の内方に抑止片及び挟圧片を折り込むことにより、多角胴部の内壁と抑制片との間に物品収容空間が形成され、多角胴部の内壁と挟圧片との間に係止片挟持空間が形成され、蓋体係止片と底体係止片とを係止片挟持空間に挿入することにより、蓋体及び底体の双方が閉じられるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内部に収容される物品に関する物品情報を記載する適切なスペースを確保するとともに、その物品情報の不正な改ざんを防止し、包装箱の組立および解体を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態における包装箱100の構成例を示す展開図である。
図2】本発明の第1の実施の形態における包装箱100の構成例を示す展開図である。
図3】本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
図4】本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
図5】本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
図6】本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
図7】本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
図8】本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
図9】本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
図10】本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
図11】本発明の第2の実施の形態における包装箱300の構成例を示す展開図である。
図12】本発明の第3の実施の形態における包装箱500の構成例を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)を説明する。
【0015】
<1.第1の実施の形態>
[包装箱の構成例]
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態における包装箱100の構成例を示す展開図である。図1には、組立後に包装箱100の表面となる面の展開図を示す。また、図2には、組立後に包装箱100の裏面となる面の展開図を示す。
【0016】
包装箱100は、側部形成片110、120、130、140と、蓋体150と、蓋体係止片151と、底体160と、底体係止片161と、抑制片170と、挟圧片180と、舌片191~194とを備える。
【0017】
また、包装箱100の材質として、例えば、扁平状に折り畳み可能な紙製の素材を用いることができる。なお、包装箱100の材質は、紙に限定されるものではなく、扁平状に折り畳み可能な他の素材(例えば、樹脂製部材、プラスチックシート、合成紙、塩化ビニールシート等の板状部材)とするようにしてもよい。また、包装箱100の材質の厚さは特に限定されるものではなく、収容する物品の重量等に応じた強度を発揮できる程度以上の厚みとするのが好ましい。
【0018】
また、包装箱100は、各折目線111~113、121~123、131~133、141、142、152、162を折り曲げて形成される。
【0019】
このように、包装箱100は、四角形の胴部(側部形成片110、120、130、140)と、四角形の蓋体150と、四角形の底体160とを有する筒型の組立箱である。なお、包装箱100は、収容箱、包装資材、容器、容器体等と称することができる。
【0020】
側部形成片110、120、130、140は、包装箱100の胴部を構成する側板であり、側部形成片110、120、130、140の順に同一方向(胴部方向)に並べて連設されている。また、側部形成片110、120、130、140は、略同じサイズの矩形(例えば、長方形)である。
【0021】
また、側部形成片110には、側部形成片120が形成されている端部とは反対方向の端部に抑制片170が形成されている。抑制片170は、側部形成片110から離れるのに応じてその長手方向(胴部方向に直交する方向)の長さが短くなるように、台形状に形成される。また、抑制片170の長手方向に直交する方向(胴部方向)の長さは、その方向の側部形成片110における長さと略同一となるように(または、少しだけ短くなるように)形成される。
【0022】
また、側部形成片110には、その長手方向(胴部方向に直交する方向)の両端部に舌片191、193が形成されている。舌片191、193は、側部形成片110、120、130、140により構成される開口部(図7に示す上部の開口部200、図5に示す下部の開口部210)の矩形サイズよりも小さくなるように形成される。例えば、舌片191、193の側部形成片110側の端部(折目線112、113)の一辺の長さは、その端部に接する側部形成片110の端部の一辺の長さよりも短くすることができる。これにより、折目線111、121で側部形成片110および抑制片170を折り曲げた場合でも、舌片191、193を適切に折り曲げることができる。また、例えば、舌片191、193の折目線112、113に隣接する端部(図1図2において蓋体150に隣接する端部および底体160に隣接する端部とこれに対向する端部)の一辺の長さは、その端部に隣接する蓋体150、底体160の端部の一辺の長さよりも短くすることができる。
【0023】
また、側部形成片120には、その長手方向の両端部に蓋体150、底体160が形成されている。蓋体150、底体160は、四角形(正方形)であり、側部形成片110、120、130、140により構成される開口部(図7に示す上部の開口部200、図5に示す下部の開口部210)の矩形サイズと略同一のサイズである。また、蓋体150には、側部形成片120が形成されている端部とは反対方向の端部に蓋体係止片151が形成されている。また、底体160には、側部形成片120が形成されている端部とは反対方向の端部に底体係止片161が形成されている。
【0024】
また、側部形成片120の表面は、物品が収容された包装箱100が陳列販売される場合に、お客から見て正面に配置される面とすることができる。このため、図1に示すように、側部形成片120の表面には、包装箱100に収容される物品の商品名(図1では、ABC化粧水)等が記載される。
【0025】
また、側部形成片130には、その長手方向の両端部に舌片192、194が形成されている。また、舌片192、194は、舌片191、193と同様に、側部形成片110、120、130、140により構成される開口部(図7に示す上部の開口部200、図5に示す下部の開口部210)の矩形サイズよりも小さくなるように形成される。
【0026】
また、図1に示すように、側部形成片130の表面には、包装箱100に収容される物品に関する識別情報(図1では、簡略化したバーコード)等が記載される。
【0027】
また、側部形成片140には、側部形成片130が形成されている端部とは反対方向の端部に挟圧片180が形成されている。挟圧片180は、矩形状に形成される。また、挟圧片180の長手方向に直交する方向(胴部方向)の長さは、その方向の側部形成片140における長さと略同一となるように(または、少しだけ短くなるように)形成される。
【0028】
なお、側部形成片140を構成する矩形については、その長手方向の両端部143、144のうちの少なくとも一部が欠けているように形成される。このように、両端部143、144のうちの少なくとも一部を欠けるように形成することにより、包装箱100の組立時において、上部の開口部200(図7に示す)を蓋体150で閉じる場合に、開口部200に蓋体係止片151を差し込み易い。同様に、包装箱100の組立時において、下部の開口部210(図5に示す)を底体160で閉じる場合に、開口部210に底体係止片161を差し込み易い。
【0029】
また、側部形成片140は、物品が収容された包装箱100が陳列販売される場合に、お客から見て裏面に配置される面とすることができる。このため、図1に示すように、側部形成片140には、包装箱100に収容される物品に関する説明文や注意書等の物品情報が記載される物品情報記載部146が設けられる。
【0030】
また、図2に示すように、側部形成片140の裏面にも、包装箱100に収容される物品に関する説明文や注意書等の物品情報等が記載される物品情報記載部145が設けられる。また、図2に示すように、側部形成片130の裏面には、包装箱100に収容される物品に関する説明文や注意書等の物品情報が記載される物品情報記載部134が設けられる。なお、図1図2では、包装箱100に収容される物品に関する説明文や注意書等の物品情報の具体的な図示を省略するが、例えば、物品の成分、物品の使用方法、物品に関する注意書き、物品の使用上の注意等が記載される。
【0031】
なお、図1図2では、包装箱100の内部(側部形成片130、140の裏面)に物品情報記載部134、145を設ける例を示すが、他の側部形成片110、120の裏面の少なくとも一部に物品情報記載部を設けるようにしてもよい。また、抑制片170及び挟圧片180の表面及び裏面の少なくとも一部に物品情報記載部を設けるようにしてもよい。
【0032】
抑制片170は、側部形成片110、120、130、140により構成される胴部の内部に配置される紙片であり、胴部の内部において、抑制片170の表面と挟圧片180の表面とが接するように構成される。また、抑制片170は、側部形成片110、120、130、140により構成される胴部の内部に物品が収容された場合に、挟圧片180が物品収容空間220(図8に示す)側に動くことを抑制する。
【0033】
挟圧片180は、側部形成片110、120、130、140により構成される胴部の内部に配置される紙片であり、胴部の内部において、抑制片170の表面と挟圧片180の表面とが接するように構成される。また、挟圧片180は、蓋体150の蓋体係止片151と、底体160の底体係止片161とを挟圧する。
【0034】
[包装箱の組立例]
図3乃至図10は、本発明の第1の実施の形態における包装箱100を組み立てる場合の流れを示す図である。
【0035】
最初に、図3に示すように、側部形成片110、120、130、140を丸めていき、折目線111、121、131、141、142を折り曲げることにより、側部形成片110、120、130、140が四角筒状となるようにする。この場合に、図4に示すように、抑制片170および挟圧片180については、抑制片170の表面と挟圧片180の表面とが接するようにして、側部形成片110、120、130、140により形成される四角筒の内部に折り曲げる。
【0036】
図5には、包装箱100の底部の開口部210(底体160で閉じられる開口部210)を示す。
【0037】
図5に示すように、側部形成片110、120、130、抑制片170により、包装箱100に物品を収容するための物品収容空間220が形成される。また、図5に示すように、側部形成片130、140、挟圧片180により、蓋体係止片151および底体係止片161を係止するための係止片挟持空間230が形成される。
【0038】
次に、包装箱100の底部の開口部210を閉じるように、折目線113、133で舌片193、194を折り曲げる。
【0039】
次に、図6に示すように、包装箱100の底部の開口部210を閉じるように、折目線123で底体160を折り曲げ、底体160の底体係止片161を係止片挟持空間230に差し込むことにより、包装箱100の底が形成される。
【0040】
図7には、図3乃至図6に示す組立作業により形成された包装箱100(上部の開口部200が開いた状態の包装箱100)と、包装箱100に収容する物品10とを示す。なお、第1の実施の形態では、化粧水のボトルを、包装箱100に収容する物品10とする例を示す。なお、包装箱100の高さ(垂直方向の長さ)は、収容される物品10の高さと略同一、または、収容される物品10の高さよりも少しだけ高くなるように形成される。また、包装箱100の幅(開口部200、210を形成する四角形の一辺の長さ)は、収容される物品10の幅と略同一、または、収容される物品10の幅よりも少しだけ長くなるように形成される。
【0041】
図8に示すように、包装箱100に物品10を収容する場合には、包装箱100における物品収容空間220に物品10を挿入する。
【0042】
図8には、物品収容空間220に物品10が収容された状態を示す。このように、物品収容空間220に物品10が収容された場合には、物品10の側面により抑制片170、挟圧片180が側部形成片140側に押されるため、係止片挟持空間230が狭くなる。
【0043】
次に、包装箱100の上部の開口部200を閉じるように、折目線112、132で舌片191、192を折り曲げる。
【0044】
次に、図9に示すように、包装箱100の上部の開口部200を閉じるように、折目線122で蓋体150を折り曲げ、蓋体150の蓋体係止片151を係止片挟持空間230に差し込むことにより、包装箱100の蓋部が形成される。
【0045】
図10には、完成した包装箱100を示す。このように、物品収容空間220に物品10が収容され、蓋体150が閉じられた包装箱100が完成する。
【0046】
なお、包装箱100を熱収縮ラップ等で覆い、加熱処理等を施すことにより、包装箱100の全体を保護することも可能である。
【0047】
このように、第1の実施の形態における4個の側部形成片110、120、130、140は、包装箱100の胴部方向(側部形成片110、120、130、140が並べられた方向)へ谷折り状に連設して胴部構成体を構成する。
【0048】
また、抑制片170は、その胴部構成体の胴部方向の一側の端辺(側部形成片110の折目線111の辺)に谷折り状に連設される。また、挟圧片180は、その胴部構成体の胴部方向の他側の端辺(側部形成片140の折目線142の辺)に谷折り状に連設される。
【0049】
また、蓋体150は、四角形であり、4個の側部形成片110、120、130、140のいずれかの上辺(側部形成片120の折目線122の辺)に谷折り状に連設される。また、蓋体係止片151は、蓋体150の一辺であって、閉蓋状態で挟圧片180が連設されている側部形成片140の上辺と対応する辺(折目線152の辺)に連設される。
【0050】
また、底体160は、四角形であり、蓋体150が連設されている側部形成片120の下辺(折目線123の辺)に谷折り状に連設される。また、底体係止片161は、底体160の一辺であって、閉底状態で挟圧片180が連設されている側部形成片140の下辺と対応する辺(折目線162の辺)に連設される。
【0051】
また、胴部構成体の胴部方向の一側の端辺(側部形成片110の折目線111の辺)と、胴部構成体の胴部方向の他側の端辺(側部形成片140の折目線142の辺)とが突き合わされてなる四角形の多角胴部の内方に、抑制片170及び挟圧片180が折り込まれる。これにより、多角胴部の内壁と抑制片170との間に形成された空間が物品収容空間220となり、多角胴部の内壁と挟圧片180との間隙が係止片挟持空間230となる。
【0052】
そして、係止片挟持空間230に挿入された蓋体係止片151と底体係止片161とにより、蓋体150及び底体160が閉じられ、包装箱100が構成される。
【0053】
このように、第1の実施の形態によれば、蓋体係止片151と底体係止片161とを係止片挟持空間230に挿入して蓋体150及び底体160を閉蓋閉底し、包装箱100を組み立てることができるため、糊付け不要であり、組立作業を容易にすることができる。また、糊付け不要でありながら、保形性を高めることができる。
【0054】
ここで、日本の化粧品を外国へ輸出するような場合には、輸出先となる各国の言語による説明書き等の情報をその化粧品に添える必要がある。しかし、輸出先となる国が多く、必要となる言語が多数の場合には、説明書き等の情報を記載する大量のスペースが必要となる。例えば、その化粧品を収容する包装箱に、その化粧品に関する説明書き等を記載した紙を折り畳んで入れることが考えられる。この場合には、不要な言語の紙が邪魔になり、不要なゴミが出ることになる。また、従来の包装箱では、その化粧品に関する説明書き等を記載するスペースが限定されている。また、包装箱の側面の外側に、その化粧品に関する説明書き等を記載した場合には、不正な改ざんが行われるおそれがある。
【0055】
これに対して、第1の実施の形態では、包装箱100の内部に物品情報記載部134、145を設けることができるため、不正な改ざんを防止することができる。また、包装箱100の内部における比較的広いスペースを、物品情報記載部134、145として設けることができるため、輸出先となる国が多く、必要となる言語が多数の場合でも、説明書き等の情報を記載するスペースを適切に確保することができる。
【0056】
また、物品情報記載部134、145に記載された物品情報を読む場合には、包装箱100を解体する必要がある。上述したように、包装箱100を組み立てる場合には、糊付け不要である。このため、包装箱100を解体する場合でも、その解体作業を容易にすることができる。
【0057】
なお、挟圧片180には、蓋底方向に山折り部を形成するようにしてもよい。これにより、蓋体係止片151及び底体係止片161の挟圧力を向上させることができ、包装箱100の形状をより堅実に保つことができる。
【0058】
<2.第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、四角形の多角胴部を有する筒型の包装箱100の例を示したが、他の多角胴部を有する筒型の包装箱についても本発明を適用することができる。そこで、第2の実施の形態では、三角形の多角胴部を有する筒型の包装箱300の例を示す。また、第3の実施の形態では、五角形の多角胴部を有する筒型の包装箱500の例を示す。
【0059】
[包装箱の構成例]
図11は、本発明の第2の実施の形態における包装箱300の構成例を示す展開図である。図11には、組立後に包装箱300の裏面となる面の展開図を示す。なお、包装箱300は、第1の実施の形態における包装箱100の変形例であり、三角形の多角胴部を有する点が包装箱100とは異なる。また、図11に示す各部は、図1乃至図10に示す同一名称の各部に対応するものである。このため、以下では、包装箱100と異なる点を主に説明し、他の説明を省略する。
【0060】
包装箱300は、側部形成片310、320、330と、蓋体340と、蓋体係止片341と、底体350と、底体係止片351と、抑制片360と、挟圧片370と、舌片381、382とを備える。
【0061】
また、包装箱300は、各折目線311~313、321~323、331、332、342、352を折り曲げて形成される。また、側部形成片330を構成する矩形については、その長手方向の両端部333、334のうちの少なくとも一部が欠けているように形成される。
【0062】
このように、包装箱300は、三角形の胴部(側部形成片310、320、330)と、三角形の蓋体340と、三角形の底体350とを有する筒型の組立箱である。
【0063】
また、3個の側部形成片310、320、330は、包装箱300の胴部方向(側部形成片310、320、330が並べられた方向)へ谷折り状に連設して胴部構成体を構成する。
【0064】
また、抑制片360は、その胴部構成体の胴部方向の一側の端辺(側部形成片310の折目線311の辺)に谷折り状に連設される。また、挟圧片370は、その胴部構成体の胴部方向の他側の端辺(側部形成片330の折目線332の辺)に谷折り状に連設される。
【0065】
また、蓋体340は、三角形であり、3個の側部形成片310、320、330のいずれかの上辺(側部形成片320の折目線322の辺)に谷折り状に連設される。また、蓋体係止片341は、蓋体340の一辺であって、閉蓋状態で挟圧片370が連設されている側部形成片330の上辺と対応する辺(折目線342の辺)に連設される。
【0066】
また、底体350は、三角形であり、蓋体340が連設されている側部形成片320の下辺(折目線323の辺)に谷折り状に連設される。また、底体係止片351は、底体350の一辺であって、閉底状態で挟圧片370が連設されている側部形成片330の下辺と対応する辺(折目線352の辺)に連設される。
【0067】
また、胴部構成体の胴部方向の一側の端辺(側部形成片310の折目線311の辺)と、胴部構成体の胴部方向の他側の端辺(側部形成片330の折目線332の辺)とが突き合わされてなる三角形の多角胴部の内方に、抑制片360及び挟圧片370が折り込まれる。これにより、多角胴部の内壁と抑制片360との間に形成された空間が物品収容空間(図8に示す物品収容空間220に相当)となり、多角胴部の内壁と挟圧片370との間隙が係止片挟持空間(図8に示す係止片挟持空間230に相当)となる。
【0068】
そして、係止片挟持空間に挿入された蓋体係止片341と底体係止片351とにより、蓋体340及び底体350が閉じられ、包装箱300が構成される。
【0069】
なお、挟圧片370には、蓋底方向に山折り部を形成するようにしてもよい。これにより、蓋体係止片341及び底体係止片351の挟圧力を向上させることができ、包装箱300の形状をより堅実に保つことができる。
【0070】
<3.第3の実施の形態>
[包装箱の構成例]
図12は、本発明の第3の実施の形態における包装箱500の構成例を示す展開図である。図12には、組立後に包装箱500の裏面となる面の展開図を示す。なお、包装箱500は、第1の実施の形態における包装箱100の変形例であり、五角形の多角胴部を有する点が包装箱100とは異なる。また、図12に示す各部は、図1乃至図10に示す同一名称の各部に対応するものである。このため、以下では、包装箱100と異なる点を主に説明し、他の説明を省略する。
【0071】
包装箱500は、側部形成片510、520、530、540、550と、蓋体560と、蓋体係止片561と、底体570と、底体係止片571と、抑制片580と、挟圧片590と、舌片601~606とを備える。
【0072】
また、包装箱500は、各折目線511、521~523、531、541、551、552、562~565、572~575を折り曲げて形成される。また、側部形成片550を構成する矩形については、その長手方向の両端部553、554のうちの少なくとも一部が欠けているように形成される。
【0073】
このように、包装箱500は、五角形の胴部(側部形成片510、520、530、540、550)と、五角形の蓋体560と、五角形の底体570とを有する筒型の組立箱である。
【0074】
また、5個の側部形成片510、520、530、540、550は、包装箱500の胴部方向(側部形成片510、520、530、540、550が並べられた方向)へ谷折り状に連設して胴部構成体を構成する。
【0075】
また、抑制片580は、その胴部構成体の胴部方向の一側の端辺(側部形成片510の折目線511の辺)に谷折り状に連設される。また、挟圧片590は、その胴部構成体の胴部方向の他側の端辺(側部形成片550の折目線552の辺)に谷折り状に連設される。
【0076】
また、蓋体560は、五角形であり、5個の側部形成片510、520、530、540、550のいずれかの上辺(側部形成片520の折目線522の辺)に谷折り状に連設される。また、蓋体係止片561は、蓋体560の一辺であって、閉蓋状態で挟圧片590が連設されている側部形成片550の上辺と対応する辺(折目線562の辺)に連設される。
【0077】
また、底体570は、五角形であり、蓋体560が連設されている側部形成片520の下辺(折目線523の辺)に谷折り状に連設される。また、底体係止片571は、底体570の一辺であって、閉底状態で挟圧片590が連設されている側部形成片550の下辺と対応する辺(折目線572の辺)に連設される。
【0078】
また、胴部構成体の胴部方向の一側の端辺(側部形成片510の折目線511の辺)と、胴部構成体の胴部方向の他側の端辺(側部形成片550の折目線552の辺)とが突き合わされてなる五角形の多角胴部の内方に、抑制片580及び挟圧片590が折り込まれる。これにより、多角胴部の内壁と抑制片580との間に形成された空間が物品収容空間(図8に示す物品収容空間220に相当)となり、多角胴部の内壁と挟圧片590との間隙が係止片挟持空間(図8に示す係止片挟持空間230に相当)となる。
【0079】
そして、係止片挟持空間に挿入された蓋体係止片561と底体係止片571とにより、蓋体560及び底体570が閉じられ、包装箱500が構成される。
【0080】
なお、挟圧片590には、蓋底方向に山折り部を形成するようにしてもよい。これにより、蓋体係止片561及び底体係止片571の挟圧力を向上させることができ、包装箱500の形状をより堅実に保つことができる。
【0081】
なお、第1乃至第3の実施の形態では、三角形、四角形、五画形の多角胴部を有する筒型の包装箱100、300、500の例を示した。しかし、本発明は、これに限定されない。すなわち、本発明は、n角形(但し、nは3以上の整数)の多角胴部を有する筒型の包装箱に適用することができる。
【0082】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0083】
10 物品
100、300、500 包装箱
110、120、130、140、310、320、330、510、520、530、540、550 側部形成片
150、340、560 蓋体
151、341、561 蓋体係止片
160、350、570 底体
161、351、571 底体係止片
170、360、580 抑制片
180、370、590 挟圧片
191~194、381、382、601~606 舌片
111~113、121~123、131~133、141、142、152、162、311~313、321~323、331、332、342、352、511、521~523、531、541、551、552、562~565、572~575 折目線
134、145、146、335、371、542、555 物品情報記載部
200、210 開口部
220 物品収容空間
230 係止片挟持空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12