(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020307
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/207 20120101AFI20220125BHJP
B65H 26/02 20060101ALI20220125BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
B65B9/207
B65H26/02
B65B57/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123720
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】橋本 哲
(72)【発明者】
【氏名】新川 将基
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 宇川
【テーマコード(参考)】
3E050
3F105
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA11
3E050CA02
3E050CA08
3E050CB01
3E050CB07
3E050DC02
3E050DC08
3E050DD03
3E050DF02
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050GB06
3E050HA07
3E050HA10
3E050HB03
3E050HB05
3E050HB09
3F105AA04
3F105AB07
3F105BA37
3F105DA29
3F105DB11
3F105DC17
(57)【要約】
【課題】ずれ量が大きい場合にも、フィルムの位置ずれの検出が可能な製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機(1000)は、成形部(210)と、縦シール部(230)と、撮影部(250)と、判定部(321)と、を備える。成形部(210)は、搬送されるシート状のフィルム(F)を筒状に成形する。縦シール部(230)は、成形部(210)で筒状に成形されたフィルム(Ft)の幅端部の内面同士を合わせて合掌貼りの縦シール部分を形成する。撮影部(250)は、縦シール部(230)で縦シールされる部分または縦シール部分を含む領域を撮影する。判定部(321)は、撮影部(250)による撮影結果に基づいて、フィルムの幅端部の位置ずれを判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるシート状のフィルムを筒状に成形する成形部と、
前記成形部で筒状に成形された前記フィルムの幅端部の内面同士を合わせて合掌貼りの縦シール部分を形成する縦シール部と、
前記縦シール部で縦シールされる部分または前記縦シール部分を含む領域を撮影する撮影部と、
前記撮影部による撮影結果に基づいて、前記フィルムの幅端部の位置ずれを判定する判定部と、
を備える、製袋包装機。
【請求項2】
前記フィルムの横方向にシールして、横シール部分を形成する横シール部と、
前記横シール部分を切断する切断部と、
をさらに備え、
前記判定部は、前記位置ずれが生じたと判定すると、前記切断部の動作を少なくとも1回中止させる、
請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項3】
前記判定部は、位置ずれが解消されたと判定すると、前記切断部の動作の中止を取り消して、通常の製袋動作を再開させる、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記撮影部は、前記縦シール部の上流側に配置され、筒状の前記フィルムの幅端部を側方から撮影する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記撮影部は、前記成形部の上流側に配置され、シート状の前記フィルムを上方または下方から撮影する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記判定部により前記位置ずれが生じたと判定されると、エラー表示を行う表示部をさらに備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開平6-239506号公報)に開示されているように、長尺のシートの蛇行を修正するための装置が知られている。特許文献1の蛇行修正装置は、シートの搬送経路にフィードフォワード用センサを設け、このセンサの出力信号によりシートのずれを修正している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の蛇行修正装置は、センサによりシートの蛇行を検出して、修正動作させるようにしている。シートの蛇行はずれ量が小さいため、センサによる検出が可能である。しかしながら、ずれ量が大きい場合には、センサによる検出は難しい。
【0004】
本発明の課題は、ずれ量が大きい場合にも、フィルムの位置ずれの検出が可能な製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点に係る製袋包装機は、成形部と、縦シール部と、撮影部と、判定部と、を備える。成形部は、搬送されるシート状のフィルムを筒状に成形する。縦シール部は、成形部で筒状に成形されたフィルムの幅端部の内面同士を合わせて合掌貼りの縦シール部分を形成する。撮影部は、縦シール部で縦シールされる部分または縦シール部分を含む領域を撮影する。判定部は、撮影部による撮影結果に基づいて、フィルムの幅端部の位置ずれを判定する。
【0006】
本発明者は、合掌貼りの縦シール部分及び縦シールされる部分(縦シール部分となるフィルムの幅端部)において、フィルム位置のずれ量が大きくなるという問題があることに着眼した。そして、ずれ量が大きい場合には、センサで検出することが難しいことに鑑みて、撮影部を用いてずれ量が大きくなる部分を撮影することにより位置ずれを検出することに想到して、本発明を完成させた。
【0007】
第1観点の製袋包装機によれば、撮影部によって縦シールされる部分または縦シール部分を含む領域を撮影した撮影結果に基づいて、判定部によってフィルムの幅端部のずれ(以下、「フィルムの位置ずれ」または「位置ずれ」とも言う)を判定する。このように、撮影部による撮影結果に基づいてフィルムの位置ずれを判定できるので、ずれ量が大きい場合にも、フィルムの位置ずれの検出が可能な製袋包装機を提供することができる。
【0008】
第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、横シール部と、切断部と、をさらに備える。横シール部は、フィルムの横方向にシールして、横シール部分を形成する。切断部は、横シール部分を切断する。判定部は、位置ずれが生じたと判定すると、切断部の動作を少なくとも1回中止させる。
【0009】
第2観点の製袋包装機では、フィルムの位置ずれが生じたときに、切断部の動作を少なくとも1回中止するので、位置ずれが生じたフィルムで製造される袋の長さは約2倍以上となる。このため、製袋包装機の下流側の検査装置等で、位置ずれによる不良の袋を排除することができる。
【0010】
第3観点に係る製袋包装機は、第2観点に係る製袋包装機であって、位置ずれが解消されたと判定すると、切断部の動作の中止を取り消して、通常の製袋動作を再開させる。
【0011】
第3観点の製袋包装機では、位置ずれが解消されたときに、切断部の動作を通常に戻して、通常の製袋動作を再開できる。これにより、位置ずれが生じると、通常の長さと異なる長さの袋を製造するとともに、位置ずれが解消すると、通常の長さの袋を製造することができる。
【0012】
第4観点に係る製袋包装機は、第1観点から第3観点に係る製袋包装機であって、撮影部は、縦シール部の上流側に配置され、筒状のフィルムの幅端部を側方から撮影する。
【0013】
第4観点の製袋包装機では、筒状に成形されたフィルムの幅端部の位置がずれているか否かを判定できる。このため、フィルムの位置ずれの判定精度を向上できる。
【0014】
第5観点に係る製袋包装機は、第1観点から第4観点に係る製袋包装機であって、撮影部は、成形部の上流側に配置され、シート状のフィルムを上方または下方から撮影する。
【0015】
第5観点の製袋包装機では、筒状に成形される前のシート状のフィルムの幅端部の位置がずれているか否かを判定できる。このため、フィルムの位置ずれの判定精度を向上できる。
【0016】
第6観点に係る製袋包装機は、第1観点から第5観点に係る製袋包装機であって、判定部により位置ずれが生じたと判定されると、エラー表示を行う表示部をさらに備える。
【0017】
第6観点に係る製袋包装機では、表示部により、フィルムの位置ずれが生じたことを容易に認識できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ずれ量が大きい場合にも、フィルムの位置ずれの検出を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態の製袋包装機を含む計量製袋包装システムの概略斜視図である。
【
図3】実施形態の製袋包装機で用いられるフィルムの一例を示す図である。
【
図4】実施形態の製袋包装機の制御ブロック図である。
【
図5】実施形態の製袋包装機のフィルム供給装置の概略斜視図である。
【
図6】実施形態においてフィルムを撮影部で撮影する状態を示し、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【
図7】実施形態のフィルムを示し、(A)は位置ずれが生じていない状態を示す平面図であり、(B)は位置ずれが生じた状態を示す平面図である。
【
図8】実施形態の製袋包装機においてフィルム供給装置を省略した概略斜視図である。
【
図9】実施形態の縦シール部の一対のヒートシール部の概略断面図である。
【
図10】実施形態の製袋包装機において、通常の製袋動作で製造される袋を示す平面図である。
【
図11】実施形態のシールジョー及び切断部を示す正面図である。
【
図12】実施形態の製袋包装機において、通常の製袋動作で製造される袋、及び、切断部の動作を1回中止させたときに製造される袋を示す平面図である。
【
図13】実施形態の位置ずれ検出方法を示すフローチャートである。
【
図14】変形例においてフィルムを撮影部で撮影する状態を示し、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【
図15】変形例のフィルムを示し、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【
図17】変形例の撮影部及びフィルムを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照しながら、本発明の製袋包装機の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0021】
また、以下の説明では、方向や位置関係等を説明するために、垂直、直交、水平、鉛直等の表現を用いる場合があるが、これらは厳密に垂直、直交、水平、鉛直等である場合だけではなく、実質的に垂直、直交、水平、鉛直等である場合を含む。
【0022】
また、以下の説明では、方向等を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。特記無き場合、ここでの「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図面に付された矢印の向きに従う。
【0023】
(1)全体構成
本発明の一実施形態に係る製袋包装機1000を含む、計量製袋包装システム1について、
図1~
図5を参照しながら説明する。
【0024】
図1に示すように、計量製袋包装システム1は、組合せ計量装置2000と、製袋包装機1000と、を主に含む。
【0025】
図2に示すように、製袋包装機1000は、シート状のフィルムFから袋状の包装材を製袋し、内部に物品Cが収容された袋Bを作る。物品Cは、例えばポテトチップスである。ただし、物品Cの種類はポテトチップスに限定されるものではなく、他の食品でも、食品以外であってもよい。物品Cは、製袋包装機1000の上方に設置された組合せ計量装置2000から供給される。ここで使用されるフィルムFは、
図3に示すように、袋Bに成形された時に外面側に配置される表面Faと、裏面Fbと、を含む。
【0026】
表面Faは、印刷Pが施された印刷面である。印刷Pは、製品としての物品Cの広告、販促や、物品Cに関する情報提供のために印刷される文字、図形、写真等である。表面Faには、印刷Pの他、フィルムFの位置検出のために用いられるレジマークMも印刷されている。
【0027】
裏面Fbは、表面Faの裏側の非印刷面である。裏面Fbには印刷は施されていない。裏面Fbは、柄がなく一色の面である。ここでは、裏面Fbは、例えば銀色である。裏面Fbは、表面Faとコントラスト差を有している。
【0028】
製袋包装機1000は、
図2及び
図4に示すように、フィルム供給装置100と、製袋装置200と、制御装置300と、主に備える。フィルム供給装置100は、シート状のフィルムFが巻き回されたフィルムロールFRを保持し、フィルムロールFRから繰り出されるフィルムFを製袋装置200に供給する。製袋装置200は、フィルム供給装置100が供給するフィルムFを筒状に成形し、筒状に成形されたフィルムF(筒状フィルムFt)を横シールして袋を製袋する。
【0029】
(2)製袋包装機の詳細構成
製袋包装機1000のフィルム供給装置100、製袋装置200及び制御装置300について、詳細を説明する。
【0030】
(2-1)フィルム供給装置
図2及び
図5に示すように、フィルム供給装置100は、フィルムFを製袋装置200に供給する。フィルム供給装置100は、フィルム保持部と、フィルム繰り出し機構116と、ガイド機構170と、を主に含む。
【0031】
フィルム保持部は、第1フィルム保持部110a及び第2フィルム保持部110bを含む。
図2に示すように、フィルム保持部110a、110bのそれぞれは、シート状のフィルムFがロール状に巻かれたフィルムロールFRを保持する。具体的には、第1フィルム保持部110aは、装着されたフィルムロールFR1を回転可能に保持するシャフト111aを有する。第2フィルム保持部110bは、装着されたフィルムロールFR2を回転可能に保持するシャフト111bを有する。
【0032】
フィルムロールFRは、シート状のフィルムFが巻き芯(図示省略)に巻き回されたものである。フィルムロールFRに巻き回されたフィルムFの巻き芯側の終端は、例えば図示しないテープで巻き芯に貼り付けられたり、接着剤で巻き芯に接着されたりして、巻き芯に連結(固定)されている。
【0033】
フィルム繰り出し機構116は、複数のフィルム保持部110a、110bのそれぞれのシャフト111a、111bを互いに独立に回転させ、各フィルム保持部110a、110bのシャフト111a、111bに装着されたフィルムロールFRからフィルムFを繰り出す。フィルム繰り出し機構116は、第1保持部用モータ114aと、第2保持部用モータ114bと、を含む。第1保持部用モータ114aは、シャフト111aを回転させて、シャフト111aに装着されたフィルムロールFR1からフィルムFを繰り出す。第2保持部用モータ114bは、シャフト111bを回転させて、シャフト111bに装着されたフィルムロールFR2からフィルムFを繰り出す。
【0034】
ガイド機構170は、フィルムFの搬送路に沿って配置される複数のローラである。ガイド機構170により、フィルムロールFRから繰り出されるフィルムFが製袋装置200にガイドされる。ガイド機構170は、張力調整機構180としての固定ローラ182及び可動ローラ185を含む。
【0035】
(2-2)製袋装置
製袋装置200には、フィルム供給装置100の2つのフィルム保持部110a、110bの一方が保持するフィルムロールFRからシート状のフィルムFが供給される。製袋装置200は、成形部210と、搬送部220と、縦シール部230と、横シール部240と、撮影部250と、表示部260と、を主に含む。
【0036】
(2-2-1)成形部
図2に示すように、成形部210は、フォーマ本体212と、チューブ214と、を有する。
【0037】
フォーマ本体212は、筒状のチューブ214を取り囲むように配置されている。フォーマ本体212は、フォーマ本体212へと搬送されてくるシート状のフィルムFを、フィルムFの幅端部(左端部と右端部)が重なるように曲げて筒状に成形する。成形された筒状フィルムFtは、筒状のチューブ214の下部側の外周面に巻きつくように案内され、チューブ214に巻き付いた状態で下方に搬送される。
【0038】
チューブ214は、鉛直方向に延び、上下の端部が開口した筒状の部材である。チューブ214は、落下してくる物品Cを、上部の開口で受け取る。チューブ214の上部の開口から投入された物品Cは、チューブ214の内部を通過して、チューブ214の下部の開口から筒状フィルムFtの内部に供給される。
【0039】
(2-2-2)搬送部
搬送部220は、成形部210の下方に配置される。搬送部220は、筒状フィルムFtが巻き付いたチューブ214の左側及び右側にそれぞれ配置される。
図2では、右側の搬送部220のみを描画している。
【0040】
搬送部220は、フィルムロールFRから引き出されるフィルムFをフォーマ本体212へと搬送する。また、搬送部220は、フォーマ本体212で成形された筒状フィルムFtを横シール部240へ搬送する。搬送部220は、筒状フィルムFtを吸着して下方に搬送する。
【0041】
搬送部220は、
図2のように、駆動ローラ222、従動ローラ224及びプルダウンベルト226を有する。プルダウンベルト226は、吸着機能を有する。プルダウンベルト226は、駆動ローラ222及び従動ローラ224に巻き掛けられている。駆動ローラ222は、図示しないモータと連結され、モータにより駆動される。プルダウンベルト226がフィルムを吸着した状態で、駆動ローラ222が駆動されると、筒状フィルムFtは下方に搬送される。
【0042】
(2-2-3)縦シール部
縦シール部230は、チューブ214に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分を縦シールする(上下方向にシールする)。縦シール部230は、
図6(A)及び
図7に示すように、成形部210で筒状に成形されたフィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の内面(裏面Fb)同士を合わせて、
図6(B)に示すように合掌貼りの縦シール部分R1を形成する。
【0043】
図8及び
図9に示すように、縦シール部230は、一対のヒートシール部231、232を有する。一対のヒートシール部231、232は、チューブ214の正面側に配置される。一対のヒートシール部231、232は、ヒータを有しており、筒状に成形されたフィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を合掌状態で挟み込んで加熱シールする。加熱シールとは、フィルムFの一部を加熱して一時的に軟化させ、軟化した部分同士を溶着させてシールする方法である。一対のヒートシール部231、232は、フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の内面同士を縦方向にシールして、筒状フィルムFtを形成する。一対のヒートシール部231、232は、上下方向に沿って所定の寸法を有している。
【0044】
(2-2-4)横シール部
図2に示すように、横シール部240は、搬送部220及び縦シール部230の下方に配置されている。横シール部240は、搬送部220により下方に搬送されてくる縦シール済みの筒状フィルムFtを横シールする。言い換えれば、横シール部240は、筒状フィルムFtの搬送方向と直交する方向に筒状フィルムFtをシールする。横シール部240は、筒状フィルムFtにおいて、縦シール部分R1と交差(本実施形態では直交)する横方向にシールして、
図10に示す横シール部分R3を形成する。
【0045】
横シール部240は、筒状フィルムFtの前後にそれぞれ配置される一対の回転体242を有する。各回転体242には、ヒータを内蔵するシールジョー244a及びシールジョー244bが取り付けられている。両回転体242のシールジョー244aは、筒状フィルムFtを横シールする際、対となって機能する。また、両回転体242のシールジョー244bは、筒状フィルムFtを横シールする際、対となって機能する。一対のシールジョー244aと、一対のシールジョー244bとは、搬送されてくる筒状フィルムFtを交互に横シールする。
【0046】
シールジョー244aによる筒状フィルムFtの横シールについて説明する。図示しない駆動機構が駆動され、一対の回転体242が旋回すると、各回転体242に取り付けられたシールジョー244aは、側面視において互いに対称な軌跡を描きながら旋回する。旋回する一対のシールジョー244aは、互いに押しつけ合う状態で筒状フィルムFtを挟持し、筒状フィルムFtの袋Bの上下の端部となる部分に圧力及び熱を加えて横シールする。
【0047】
シールジョー244bによる筒状フィルムFtの横シールについては、シールジョー244aによる筒状フィルムFtの横シールと同様であるので、説明は省略する。
【0048】
(2-2-5)切断部
図11に示す切断部245は、
図10に示す横シール部分R3を切断する。切断部245は横シール部240に設けられている。切断部245は、カッター245aと、受容部245bとを含む。カッター245aは、一対のシールジョー244aの一方に設けられている。受容部72は、一対のシールジョー244aの他方に設けられている。カッター245aは延出及び退避できる。延出したカッター245aは受容部245bに収容される。カッター245aを延出させることで、横シール部分において、筒状フィルムFtの搬送方向における中間位置Dで横方向に切断し、袋Bと後続の筒状フィルムFtとを切り離す。
【0049】
なお、一対のシールジョー244bにも、一対のシールジョー244aと同様に切断部245が設けられているので、説明は省略する。
【0050】
(2-2-6)撮影部
撮影部250は、レンズ、撮像素子、画像処理プロセッサ等を含むカメラであって、静止画及び/又は動画を撮影する。撮影部250は、
図6(B)に示すように、縦シール部230で縦シールされる部分R2または縦シール部分R1を含む領域を撮影する。すなわち、撮影部250の撮像範囲は、縦シールされる部分R2または縦シール部分R1を含む。縦シールされる部分R2は、縦シール部分R1となるフィルムFの幅端部Ft1、Ft2である。撮影部250は、縦シールされる部分R2または縦シール部分R1のみを撮影してもよく、その近傍まで撮影してもよい。
【0051】
本実施形態では、
図2及び
図6に示すように、撮影部250は、縦シール部230の上流側に配置される。このため、ここでは、撮影部250は、縦シールされる部分R2を含む領域を撮影する。詳細には、撮影部250は、フィルムFの搬送方向において、フォーマ本体212と縦シール部230との間に配置される。
図2及び
図6では、撮影部250は、縦シール部230の近傍に配置される。
【0052】
撮影部250は、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を側方から撮影する。ここでは、1つの撮影部250が設けられる。このため、撮影部250は、幅端部Ft1、Ft2の一方と対向するように配置される。
図6では、撮影部250は、幅端部Ft2と対向する側に配置される。この撮影部250は、
図6(A)及び(B)に示すように、幅端部Ft1、Ft2の内面同士を合わせた部分を幅端部Ft2側から撮影する。撮影部250は、幅端部Ft1、Ft2の両端縁が揃っているか否か、すなわち筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の位置ずれが生じていないか否かを撮影する。このように、撮影部250は、縦シール部230による縦シールの状態を監視する。
【0053】
撮影部250が撮影するタイミングは、特に限定されない。例えば、撮影部250は、所定時間ごとに撮影してもよく、フィルムロールFRを取り替えるタイミングに応じて撮影してもよい。
【0054】
(2-2-7)表示部
図4に示すように、表示部260は、後述する判定部321により位置ずれが生じたと判定されると、エラー表示を行う。表示部260は、例えば、フィルムの位置ずれが生じたことを表示するモニターなどである。表示部260は、縦シール部230近傍、製袋包装機1000の生産ラインの監視画面などに設けられる。
【0055】
なお、表示部260は、後述する判定部321により位置ずれが生じた後に、位置ずれが解消したと判定されると、エラーが解消されたことをさらに表示してもよい。
【0056】
(2-3)制御装置
図4に示す制御装置300は、コンピュータにより実現されるものである。制御装置300は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)といったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0057】
制御装置300は、製袋装置200及びフィルム供給装置100の各種機器の動作を制御する。
図4に示すように、制御装置300は、記憶部310と、制御部320と、を含む。制御部320は、製袋包装機1000の各部、例えば、製袋装置200の搬送部220、縦シール部230、横シール部240、切断部245等と電気的に接続されている。本実施形態の制御部320は、判定部321を有する。
【0058】
(2-3-1)記憶部
記憶部310は、フィルムの幅端部Ft1、Ft2の位置ずれの判定基準を記憶する。記憶部310は、1つの基準を記憶してもよく、複数の基準を記憶してもよい。後者の場合、フィルムFの種類に応じて位置ずれと判定される基準が異なるので、記憶部310は、フィルムFの種類毎に、異なる判定基準を記憶する。判定基準は、上書きが可能である。
【0059】
(2-3-2)判定部
判定部321は、撮影部250による撮影結果に基づいて、フィルムFの幅端部Ft1、Ft2の位置ずれを判定する。本実施形態では、1つの撮影部250が筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を撮影するので、判定部321は、幅端部Ft1、Ft2の両端縁のずれ量に基づいて位置ずれを判定する。
【0060】
具体的には、判定部321は、撮影部250が撮影した画像結果を受信する。判定部321は、画像結果から、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の両端縁のずれ量を求める。また判定部321は、記憶部310から判定基準を読み出す。そして、判定部321は、ずれ量が判定基準の範囲内である場合には、位置ずれが生じていないと判定するとともに、ずれ量が判定基準の範囲外である場合には、位置ずれが生じたと判定する。
【0061】
ここで、具体例を挙げて説明する。判定部321は、撮影結果として
図7(A)に示すような画像データを受信した場合には、幅端部Ft1、Ft2の両端縁のずれ量は0であると求める。そして、判定部321は、ずれ量Xが判定基準よりも小さいので、位置ずれが生じていないと判定する。
【0062】
また、判定部321は、撮影結果として
図7(B)に示すような画像データを受信した場合には、幅端部Ft1、Ft2の両端縁のずれ量はXであると求める。そして、判定部321は、ずれ量Xが判定基準よりも小さいか否かを演算し、ずれ量Xが判定基準以下の場合には、位置ずれが生じていないと判定する。一方、判定部321は、ずれ量Xが判定基準を超える場合には、位置ずれが生じたと判定する。
【0063】
判定部321は、位置ずれが生じたと判定すると、切断部245の動作を少なくとも1回中止させる。ここでは、判定部321は、位置ずれが生じたと判定すると、切断部245に、切断部245の動作を1回中止する指示を送信する。判定部321は、位置ずれが解消されたと判定するまでは、通常の切断部245を1回動作させると、次の1回の動作を中止させる。
【0064】
また、判定部321は、位置ずれが生じたと判定すると、表示部260にエラー表示をする指示を送信する。
【0065】
さらに、判定部321は、位置ずれが生じたと判定した後に、位置ずれが維持されているか、または、解消されているか、を判定する。判定部321は、位置ずれが解消されたと判定されると、切断部245の動作の中止を取り消して、通常の製袋動作を再開する。すなわち、判定部321により位置ずれが解消されたと判定されると、通常の切断部245の動作に戻る。
【0066】
具体的には、判定部321は、位置ずれが生じたと判定すると、切断部245に動作を1回中止させる。これにより、
図12に示すように、通常の袋B1の2倍の長さの袋B2を製造できる。不良の袋B2には、通常の袋B1の約2倍の物品Cが収容される。判定部321により位置ずれが生じたと判定されている間は、切断部245は、動作を1回中止し続けるので、2倍の長さの袋B2を製造し続ける。
【0067】
判定部321は、位置ずれが解消したと判定すると、切断部245に動作の中止を取り消す信号を送信する。これにより、2倍の長さの袋B2の製造が中止され、
図10に示すように、通常の長さの袋Bを製造できる。
【0068】
(3)製袋包装機の動作
図2に示すように、製袋装置200には、フィルム供給装置100の2つのフィルム保持部110a、110bの一方が保持するフィルムロールFRからシート状のフィルムFが供給される。第1フィルム保持部110aの第1シャフト111aに装着されたフィルムロールFRからシート状のフィルムFが供給される場合には、第1保持部用モータ114aによりフィルムFが繰り出される。第2フィルム保持部110bの第2シャフト111bに装着されたフィルムロールFRからシート状のフィルムFが供給される場合には、第2保持部用モータ114bによりフィルムFが繰り出される。
図2では、第1フィルム保持部110aからフィルムFが製袋装置200に供給されている。
【0069】
フィルムロールFRから引き出されたシート状のフィルムFは、製袋装置200の搬送部220により搬送される。製袋装置200へと搬送されるシート状のフィルムFは、張力調整機構180の可動ローラ185及び固定ローラ182を含むガイド機構170の複数のローラにガイドされ、成形部210へと搬送される。張力調整機構180では、可動ローラ185がフィルムFに力が作用させ、搬送されるフィルムFの張力を調整する。
【0070】
成形部210では、シート状のフィルムFが筒状に成形され、筒状フィルムFtとなる。筒状フィルムFtは、搬送部220により下方に搬送され、成形部210の下方に配置された縦シール部230により、筒状フィルムFtの重なり部分が縦方向(フィルム搬送方向)にシールされる。縦シール部230により、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の内面同士を合わせて合掌貼りの縦シール部分R1を形成する。具体的には、
図9に示すように、一対のヒートシール部31、32で筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を合掌状態で挟み込んで加熱シールする。縦シール部分R1が形成された筒状フィルムFtは、搬送部220によりさらに下方に搬送され、縦シール部230の下方に配置されている横シール部240で、筒状フィルムFtの搬送方向と直交する方向にシールされる。さらに、切断部245により、筒状フィルムFtの横シール部分R3がその中間位置Dで横方向に切断され、上下端の封止された袋Bが製袋される。なお、袋Bとなる筒状フィルムFtの内部には、横シール部240による筒状フィルムFtの上端の封止前に、組合せ計量装置2000の供給する物品Cが入れられる。製袋包装機1000により作られた物品Cが収容された袋Bは、例えば、横シール部240の下方に配置された図示されないコンベア等により、下流側の工程へと搬送される。
【0071】
製袋包装機1000によって、袋Bを製造している際に、フィルム供給装置100に供給している第1フィルム保持部110aに保持されている第1フィルムロールFR1のフィルムが全て引き出されると、第1フィルムロールFR1のフィルムと、第2フィルム保持部110bに保持されている第2フィルムロールFR2のフィルムと、が接続される。そして、第2フィルム保持部110bからフィルムFが製袋装置200に供給され、製袋動作は続行される。なお、第1フィルムロールFR1のフィルム幅と、第2フィルムロールFR2のフィルム幅は、同じであってもよく、異なっていてもよい。後者の場合、それぞれのフィルム幅の中心が同じになるように、接続される。
【0072】
(4)位置ずれ検出方法
本実施形態の製袋包装機1000におい、フィルムの位置ずれの検出方法を説明する。
【0073】
図13に示すように、撮影部250により、縦シール部230で縦シールされる部分R2または縦シール部分R1を含む領域を撮影する(ステップS1)。本実施形態では、撮影部250は、縦シール部230の上流側に配置され、筒状フィルムFtの幅端部を側方から撮影する。このため、撮影部250は、縦シールされる部分R2を含む領域を撮影する。
【0074】
次に、撮影部250による撮影結果に基づいて、判定部321により筒状フィルムFtの幅端部の位置ずれを判定する(ステップS2)。具体的には、撮影部250は撮影結果を判定部321に送信する。判定部321により、撮影結果から、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の両端縁の位置ずれのずれ量を求め、記憶部310から読み出した判定基準以下であるかを求める。
【0075】
ステップS2において、ずれ量が判定基準の範囲内である場合には、判定部321は、位置ずれが生じていないと判定する。この場合、製袋動作を続ける(ステップS3)。
【0076】
一方、ステップS2において、ずれ量が判定基準の範囲外である場合には、判定部321は、位置ずれが生じたと判定する。この場合、判定部321によって切断部245の動作を少なくとも1回中止させる(ステップS4)。具体的には、判定部321は、切断部245に動作を1回中止させる指示を送信する。切断部245での切断動作を1回中止することによって、通常の2倍の長さの袋(ダブルバッグ)B2を製造する。
【0077】
次に、撮影部250による撮影結果に基づいて、判定部321により筒状フィルムFtの幅端部の位置ずれを判定する(ステップS5)。このステップS5は、ステップS2と同様に位置ずれを判定する。
【0078】
ステップS5において、ずれ量が判定基準の範囲外である場合には、判定部321によって位置ずれが解消していないと判定される。この場合、切断部245の動作を少なくとも1回中止するステップS4を続行する。これにより、ダブルバッグの製造が続行される。
【0079】
一方、ステップS5において、ずれ量が判定基準の範囲内である場合には、判定部321は、位置ずれが解消したと判定する。この場合、製袋動作を再開する(ステップS6)。具体的には、判定部321は、切断部245に通常の切断動作に戻す信号を送信する。これにより、通常の長さの袋Bを製造することができる。
【0080】
なお、本実施形態では、通常の2倍の長さの袋B2は、下流の重量検査装置で重量エラーにより排除する。
【0081】
(5)特徴
(5-1)
本実施形態の製袋包装機1000は、成形部210と、縦シール部230と、撮影部250と、判定部321と、を備える。成形部210は、搬送されるシート状のフィルムFを筒状に成形する。縦シール部230は、成形部210で筒状に成形されたフィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の内面同士を合わせて合掌貼りの縦シール部分R1を形成する。撮影部250は、縦シール部230で縦シールされる部分R2または縦シール部分R1を含む領域を撮影する。判定部321は、撮影部250による撮影結果に基づいて、フィルムFの幅端部Ft1、Ft2の位置ずれを判定する。
【0082】
従来のセンサでは、フィルムのずれ量(
図7のずれ量X、
図15のずれ量X、
図17のずれ量Y等)が2mm以下の蛇行レベルを検出することは可能であるが、蛇行レベルを超えると位置ずれを検出することが難しい。
【0083】
しかし、本実施形態の製袋包装機1000によれば、撮影部250によって縦シールされる部分R2または縦シール部分R1を含む領域を撮影した撮影結果に基づいて、判定部321によってフィルムFの幅端部Ft1、Ft2の位置ずれを判定する。このように、撮影部250による撮影結果に基づいてフィルムFの位置ずれを判定できるので、ずれ量が大きい(蛇行レベルを超える)ためセンサで検出することが難しい場合にも、フィルムFの位置ずれを検出することができる。
【0084】
本実施形態の製袋包装機1000は、ずれ量が5mm以上であっても、フィルムFの位置ずれを検出することができる。具体的には、本実施形態の製袋包装機1000は、ずれ量が0mmを超えて20mm以下のフィルムFの位置ずれを容易に検出することができる。
【0085】
(5-2)
本実施形態では、横シール部240と、切断部245と、をさらに備える。横シール部240は、フィルムFの横方向にシールして、横シール部分R3を形成する。切断部245は、横シール部分R3を切断する。判定部321は、位置ずれが生じたと判定すると、切断部245の動作を少なくとも1回中止させる。
【0086】
ここでは、フィルムFの位置ずれが生じたときに、切断部245の動作を少なくとも1回中止するので、位置ずれが生じたフィルムで製造される袋の長さは約2倍以上となるとともに、袋の重量が約2倍以上となる。このように、位置ずれが生じた袋の重量を、通常の袋の重量と異なる不良の袋とする。このため、製袋包装機1000の下流側の重量検査装置等で、不良の袋として検出されるので、位置ずれによる不良の袋を排除することができる。したがって、オペレータが監視して不良の袋を排除する手間を要しない。すなわち、オペレータが監視する必要がないので、省人化を図ることができる。
【0087】
(5-3)
本実施形態では、判定部321は、位置ずれが解消されたと判定すると、切断部245の動作の中止を取り消して、通常の製袋動作を再開させる。
【0088】
本発明者は、フィルムロールFRのフィルムFの接続時等に、フィルム保持部110a、110bにフィルムロールFRが適切に配置されていても、合掌貼りの縦シール部分R1及び縦シールされる部分R2において、位置ずれが生じるが、複数の袋を製造していると、位置ずれが解消されるという事象を見出した。ここでは、位置ずれが解消されたときに、切断部245の動作を通常に戻して、通常の製袋動作を再開できる。これにより、位置ずれが生じると、通常の長さと異なる長さの袋を製造するとともに、位置ずれが解消すると、通常の長さの袋を製造することができる。詳細には、位置ずれが生じたと判定されると、切断部245の動作を少なくとも1回中止して長さの異なる袋を製造することによって、後段の重量検査装置等で排除するとともに、位置ずれが解消したと判定されると、切断部245の動作を通常に戻して、通常の袋を製造することによって、製品としての袋Bを製造できる。したがって、オペレータが監視しなくても、位置ずれが生じたと判定された後には、位置ずれが解消すると判定されるまで、不良の袋を後段の重量検装置等で排除できる。
【0089】
(5-4)
本実施形態では、撮影部250は、縦シール部230の上流側に配置され、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を側方から撮影する。これにより、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の位置がずれているか否かを判定できる。このため、筒状フィルムFtの位置ずれの判定精度を向上できる。
【0090】
(5-5)
本実施形態では、判定部321により位置ずれが生じたと判定されると、エラー表示を行う表示部260をさらに備える。表示部260により、フィルムFの位置ずれが生じたことを容易に認識できる。このため、不良の袋Bが製造されることを減らすことができる。したがって、フィルムF及び物品Cのロスを抑えることができる。
【0091】
(6)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部または全部は、互いに矛盾しない範囲で上記実施形態の内容や他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0092】
(6-1)変形例1
上記実施形態では、1つの撮影部250が設けられるが、複数の撮影部が設けられてもよい。本変形例では、
図14(A)に示すように、2つの撮影部251、252が設けられる。2つの撮影部251、252は、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を側方から撮影する。撮影部251、252のそれぞれは、幅端部Ft1、Ft2と対向するように配置される。
図14では、撮影部251は、幅端部Ft1と対向する。撮影部251は、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の内面同士を合わせた部分を幅端部Ft1側から撮影する。撮影部252は、幅端部Ft2と対向する。撮影部252は、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2の内面同士を合わせた部分を幅端部Ft2側から撮影する。撮影部251、252は、位置ずれにより幅端部Ft1、Ft2の裏面Fbが見えているか否かを撮影する。
【0093】
判定部321は、撮影部251、252から撮影結果を取得する。判定部321は、両方の撮影結果に基づいて、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2に位置ずれを判定する。ここでは、判定部321は、フィルムFtの表面Faと裏面Fbとのコントラスト差に基づいて判定する。
【0094】
詳細には、幅端部Ft1、Ft2の端縁が揃っていない部分には、裏面Fbが見える。ここでは、表面Faは柄を有し、裏面Fbが銀色であるので、この場合、表面Fa及び裏面Fbには、コントラスト差が生じる。位置ずれが生じていない場合には、裏面Fbは見えない、または、見えても非常に小さいので、表面Faの柄の違いによらず、コントラスト差が小さい。このため、判定部321は、フィルムFtの表面Faと裏面Fbとのコントラスト差が判定基準以下であるか否かに基づいて、位置ずれが生じているか否かを判定する。
【0095】
具体的には、
図14に示すように、幅端部Ft1、Ft2が揃っている場合、撮影部251、252から取得した撮影結果は、表面Faのみが写っているので、コントラスト差が大きい部分がない。このため、判定部321は、位置ずれが生じていないと判定する。
【0096】
図15では、一方の幅端部Ft2の端縁が他方の幅端部Ft1の端縁からはみ出た筒状フィルムFtにおいて、はみ出た領域に斜線を付している。
図15に示すように、一方の幅端部Ft2の端縁が他方の幅端部Ft1の端縁からはみ出た筒状フィルムFtの場合、一方の撮影部252が撮影した撮影結果では、位置ずれが生じていることを示していない。しかし、他方の撮影部251が撮影した撮影結果では、幅端部Ft1から幅端部Ft2がはみ出ていることを示すことができる。判定部321は、他方の撮影部251の撮影結果において、コントラスト差が判定基準以下の場合には、位置ずれが生じていないと判定する。一方、判定部321は、他方の撮影部251の撮影結果において、コントラスト差が判定基準を超える場合には、位置ずれが生じたと判定する。
【0097】
本変形例の記憶部310は、判定基準として、位置ずれが生じたときのフィルムの幅端部Ft1、Ft2のコントラスト差を記憶する。
【0098】
以上のように、本変形例の製袋包装機は、複数の撮影部251、252を備える。複数の撮影部251、252は、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を両側方から撮影する。これにより、幅端部Ft1、Ft2を両側から監視して、フィルムがいずれの方向にずれても、位置ずれを検出できる。このため、フィルムの位置ずれの判定精度をより向上できる。
【0099】
また、ここでは、判定部321は、フィルムFの表面Faと裏面Fbとのコントラスト差に基づいて、位置ずれを判定する。このように、フィルムFの表面Faと裏面Fbとのコントラスト差に基づいて位置ずれを検出することもできる。
【0100】
(6-2)変形例2
上記実施形態及び変形例1では、撮影部250が縦シールされる部分R2を含む領域を撮影する製袋包装機を例に挙げて説明した。本発明の撮影部は、縦シール部230で縦シールされる部分R2または縦シール部分R1を含む領域を撮影すれば、特に限定されない。例えば、撮影部250は、縦シール部230の下流側に配置され(図示省略)、筒状フィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を撮影してもよい。本変形例では、撮影部250は、縦シール部分R1を含む領域を撮影する。
【0101】
(6-3)変形例3
上記実施形態、変形例1及び2では、縦シール部230近傍に撮影部250、251、252を配置して、筒状のフィルムFtの幅端部Ft1、Ft2を撮影する製袋包装機を例に挙げて説明した。本発明の撮影部は、縦シール部230で縦シールされる部分R2または縦シール部分R1を含む領域を撮影すれば、配置について限定されない。例えば、上記実施形態、変形例1及び2の撮影部250、251、252に換えて、又は、併せて、成形部210の上流側に配置され、シート状のフィルムFを上方または下方から撮影する撮影部253を配置してもよい。本変形例では、
図16に示すように、実施形態1の撮影部250に加えて、成形部210の上流側にシート状のフィルムFを上方から撮影する撮影部253をさらに備える。
【0102】
具体的には、撮影部253は、固定ローラ182及び可動ローラ185と、成形部210との間に配置される。
図17に示すように、撮影部253の撮影範囲254は、位置ずれが生じたフィルムの幅端部Ft1、Ft2を含む。すなわち、撮影部253の撮影範囲254は、フィルムの幅よりも大きな範囲である。
【0103】
ここで、
図17に示すように、第1フィルムロールFR1のフィルムと第2フィルムロールFR2のフィルムとが接続された接続部Fjに位置ずれが生じた場合を例に挙げて説明する。
【0104】
判定部321は、撮影部253の撮影結果として、例えば
図17に示す撮影範囲254の画像データを取得する。判定部321は、画像データからフィルムの幅端部Ft1、Ft2の端縁のずれ量Yを求める。判定部321は、ずれ量Yが判定基準以下の場合には、位置ずれが生じていないと判定する。一方、判定部321は、ずれ量Yが判定基準を超える場合には、位置ずれが生じたと判定する。
【0105】
本変形例の記憶部310は、判定基準として、位置ずれが生じたときのフィルムの幅端部Ft1、Ft2のずれ量Yを記憶する。
【0106】
以上のように、本変形例の製袋包装機は、成形部210の上流側に配置され、シート状のフィルムFを上方または下方から撮影する撮影部253を備える。これにより、判定部321は、筒状に成形される前のシート状のフィルムFの幅端部の位置がずれているか否かを判定できる。このため、フィルムFの位置ずれの判定精度を向上できる。
【0107】
(6-4)変形例4
上記実施形態では、判定部321は、位置ずれが生じたと判定すると、切断部245の動作を少なくとも1回中止させるが、これに限定されない。判定部321により位置ずれが生じたと判定されると、製袋動作を停止してもよく、オペレータにより位置ずれを調整してもよい。
【符号の説明】
【0108】
210 :成形部
212 :フォーマ本体
214 :チューブ
220 :搬送部
230 :縦シール部
240 :横シール部
245 :切断部
251,252,253 :撮影部
260 :表示部
321 :判定部
1000 :製袋包装機
B :袋
C :物品
F,Ft :フィルム
Ft1,Ft2 :幅端部
R1 :縦シール部分
R2 :縦シールされる部分
R3 :横シール部分
X,Y :ずれ量
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】