(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020342
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】焚き火台
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20220125BHJP
F24C 1/16 20210101ALI20220125BHJP
【FI】
A47J37/07
F24C1/16 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123779
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】593047987
【氏名又は名称】株式会社カワセ
(74)【代理人】
【識別番号】100084102
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】中島 悌策
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AC01
4B040GC03
4B040GC06
4B040GD02
4B040JA03
4B040JA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】金属板製で、製造・組立容易で且つコンパクトに収納できる火床体を備える焚き火台を提供する。
【解決手段】薄金属板製の火床体1と、前記火床体1を支持する折畳み構造の脚体2からなる焚き火台で、火床体1が、放射状に分割された複数の板体11で構成され、前記各板体11の放射中心対応部分に噛み合わせ係止部12を突設し、板体11の隣接縁を重合すると共に前記重合縁の外周側部分で枢結(枢結部13)して一連に連結した連結板とし、前記一連の連結板の各係止部12を互いに噛み合わせて放射状に配置すると共に、放射中心が下方に突出する浅い角錐形状に撓ませ、連結板の端部の枢結対応箇所に着脱可能な連結部(連結孔14,係止軸15)を設けて形成したものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄金属板製の火床体と、前記火床体を支持する折畳み構造の脚体からなる焚き火台で、火床体が、放射状に分割された複数の板体で構成され、前記各板体の放射中心対応部分に噛み合わせ係止部を突設し、板体の隣接縁を重合すると共に前記重合縁の外周側部分で枢結して一連に連結した連結板とし、前記一連の連結板の各係止部を互いに噛み合わせて放射状に配置すると共に、放射中心が下方に突出する浅い角錐形状に撓ませ、連結板の端部の枢結対応箇所に着脱可能な連結部を設けて連結して形成したものである焚き火台。
【請求項2】
連結部を、幅狭の係止径部と太径の通過径部からなる連結孔と、前記連結孔に対応する係止軸部と抜け止め頭部を備えた係止軸で構成した請求項1記載の焚き火台。
【請求項3】
火床体の外周部に脚孔を形成すると共に、脚体を前記脚孔に装着する折畳み脚杆で形成してなる請求項1又は2記載の焚き火台。
【請求項4】
脚体が、支持杆部と足杆部を備えたL状の脚杆を、足杆部先端部分を脚連結部に回動自在に連結して、脚体を開閉自在の折畳み構造としてなる請求項3記載の焚き火台。
【請求項5】
脚孔から突出した脚杆部先端間に着脱自在に架設する架設杆で構成した五徳体を付設してなる請求項3又は4記載の焚き火台
【請求項6】
五徳体が、架設杆先端に脚杆部先端に装着するキャップ部を設け、基端部分を中心連結部に回動自在に連結して開閉自在の折畳み構造である請求項5記載の焚き火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焚き火台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
焚き火台は周知のとおり火床体を適宜な脚体で支持してなるもので、携帯に便利で且つ簡単組立できる構造が望まれる。特許文献1には、放射状に分割した板体を折り曲げ自在に連結し、四角錐台形状の火床体と、前記火床体を支持する脚板で構成した焚き火台が開示されている。
【0003】
また特許文献2及び3には、柔軟材質(ステンレスメッシュ体、シリカ繊維)で形成した火床体を組立脚又は折畳み支持台で張着支持する焚き火台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-205105号公報。
【特許文献2】登録実用新案3223018号公報。
【特許文献3】特開2012-167920号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
柔軟材で形成した火床体は、携帯には適するが、支持台上に張って使用するものであるから、薪の重力で変形するので燃え崩れた場合に火床体が変形する恐れがあり、安定した焚き火を得ることができるとは言い難い。
【0006】
また金属板で形成した火床体は使いやすいが、携帯のために折り畳み或いは組立が必要である。しかし特許文献1に開示されているように板体を折畳み構造とする場合には、折り畳みにヒンジ連結や、薄片での連結構造を採用するが、前者は製造が煩瑣でコスト高となり、後者は使用による経年変化での損傷が生じ易い。
【0007】
そこで本発明は、薄金属板を組立て形成する火床体を備えた新規な焚き火台を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1記載に係る焚き火台は、薄金属板製の火床体と、前記火床体を支持する折畳み構造の脚体からなる焚き火台で、火床体が、放射状に分割された複数の板体で構成され、前記各板体の放射中心対応部分に噛み合わせ係止部を突設し、板体の隣接縁を重合すると共に前記重合縁の外周側部分で枢結して一連に連結した連結板とし、前記一連の連結板の各係止部を互いに噛み合わせて放射状に配置すると共に、放射中心が下方に突出する浅い角錐形状に撓ませ、連結板の端部の枢結対応箇所に着脱可能な連結部を設けて連結して形成したことを特徴とするものである。
【0009】
而して前記の焚き火台の火床体は、連結板の各板体の枢結部を中心に回動して重ね合わせると板体1枚の大きさに納められ、各板体の係止部を噛み合わせて板体を放射状に配置すると共に、連結板の開放端を重ね合わせて下方に突出する浅い角錐形状に撓ませて、前記開放端を連結部で連結すると、前記形状(浅い角錐の皿形状)に保持され、適宜な脚体を以て支持することで、焚き火台の火床体として使用されるものである。
【0010】
また本発明の請求項2記載に係る焚き火台は、前記の連結部を、幅狭の係止径部と太径の通過径部からなる連結孔と、前記連結孔に対応する係止軸部と抜け止め頭部を備えた係止軸で構成したもので、板体を放射状に配置して連結板の開放端を重ね合わせて、連結孔に係止軸を挿通すると、板体の撓み反発力でしっかりと連結され、且つ抜け止め頭部が係止径部に位置することで、連結状態が保持されることになる。
【0011】
また本発明の請求項3記載に係る焚き火台は、火床体の外周部に脚孔を形成すると共に、脚体を前記脚孔に装着する折畳み脚杆で形成してなり、本発明の請求項4記載に係る焚き火台は、特に前記脚体が、支持杆部と足杆部を備えたL状の脚杆を、足杆先端部分を脚連結部に回動自在に連結して、脚体を開閉自在の折畳み構造としてなり、脚体を脚杆折畳み構造とすることで、脚体のコンパクト化及び軽量化を実現できる。
【0012】
また本発明の請求項5記載および請求項6に係る焚き火台は、脚体に脚杆を使用した際に、脚孔から突出した脚杆先端間に着脱自在に架設する架設杆で構成した五徳体を付設したもので、また前記五徳体の架設杆先端に脚杆部先端に装着するキャップ部を設け、支持杆の基端部分を中心連結部に回動自在に連結して開閉自在の折畳み構造としたもので、五徳機能を備えた焚き火台を提供できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の構成は上記の通りで、薄金属板製の板体の所定位置を重ね合わせて枢結した連結板を組み立てて火床体を形成するようにしたもので、製造容易で且つコンパクトに収納できる火床体を備える焚き火台を提供できたものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施形態について説明する。実施形態に示した焚き火台は4枚の板体11からなる火床体1と、4脚の脚体2と、4脚の五徳体3からなる。
【0016】
火床体1は、皿状に形成される火床体1を放射状に略四分割した略菱型の板体11で構成され、放射状の中心側(菱型の下角部分)に噛み合わせ用の係止部12を突設し、前記板体11の分割線部分と対応する箇所(隣接縁a)の外周側部分(菱型の側角部分)が重ね合わせて枢結(枢結部13)して一連に連結した連結板1Aとし、連結板1Aの開放端となる枢結部13と対応する箇所の一方に連結孔(連結部)14を設け、他方に係止軸(連結部)15を設けたものである。
【0017】
前記の連結孔14は、隣接縁a側の幅狭の係止孔部141と隣接縁aから遠い位置に太径の通過孔部142が位置する鍵穴形状で、係止軸15は、板体11から突出可能もしくは突出させて設けたもので、係止孔部141より小径の係止軸部151と、係止孔部141より大径で且つ通過孔部142よりも小径の抜け止め頭部152を備えたものである。また板体11の外周部(例えば係止部12の対角位置)に脚孔16を設けたものである。
【0018】
上記の火床体1は、連結板1Aの各板体11の枢結部13を中心に回動して重ね合わせると板体11の大きさに納められて(
図6参照)、携帯に便利なようにコンパクト化される。
【0019】
焚き火台として使用する際には、
図4に例示するように各板体11の係止部12を噛み合わせて板体11を放射状に配置すると共に(
図4イ)、連結板1Aの開放端を重ね合わせて全体を下方に突出する浅い角錐形状に撓ませ、前記開放端に設けた係止軸15を連結孔14に挿通し、撓ませた力を解除すると、板体11の撓み反発力で係止軸15が係止孔部141に位置し、浅い角錐の皿形状に保持される。
【0020】
焚き火台は前記火床体1を脚体2で支持して使用するもので、脚体2は、支持杆21と足杆22を備えたL状の4本の脚杆2Aを脚連結部23で連結したもので、支持杆21は、上端を折り曲げて連結杆部24に形成し、足杆22は、先端部分(足杆先端部)25を小円板状の脚連結部23に回動自在に枢結し、脚杆2Aが放射状に開脚可能で(
図3)、且つL状に揃えて閉脚できるようにしたものである(
図6)。
【0021】
上記脚体2は、開脚状態で各連結杆部24を使用状態に組み立てた火床体1の各脚孔16に挿通して、
図2に示すように火床体1を支持するもので、当該状態で火床体1上での焚き火を行うものである。
【0022】
また五徳体3を使用して、焚き火台を屋外コンロとして使用することもできる。五徳体3は、4本の架設杆31で構成され、架設杆31の先端は、火床体1を支持して火床体1の脚孔16より上方に突出する連結杆部(脚杆部先端)24に被冠装着するキャップ部32を設け、基端部分を下方に折り曲げて小円板状の中心連結部33に回動自在に連結して開閉自在の折畳み構造としたものである。
【0023】
上記五徳体3は、開脚状態にしてキャップ部32を脚孔16より上方に突出する連結杆部(脚杆部先端)24に被冠装着することで火床体1の上方に架設され、五徳体3上に鍋などの調理器具を載置できるので、火床体1上での焚き火を使用して、加熱調理を可能とするものである。
【0024】
以上のように本発明は、組み立て分離できる金属板を使用した火床体1と、開閉脚可能とした脚体2と開閉脚可能とした五徳体からなり、使用時に容易に組み立てることができ、収納時にはコンパクト化がなされるものである。
【0025】
また本発明は火床体の板体11を4枚で構成した上記の実施形態に限定されるものではなく、5枚や6枚の板体を採用することもでき、脚体2も必ずしも板体11の枚数に対応する脚数とする必要はなく、更に脚体2や五徳体3の折畳み構造も適宜な構造を採用できるものである。
【符号の説明】
【0026】
1 火床体
1A 連結板
11 板体
12 係止部
13 枢結部
14 連結孔(連結部)
141 係止孔部
142 通過孔部
15 係止軸(連結部)
151 係止軸部
152 抜け止め頭部
16 脚孔
2 脚体
2A 脚杆
21 支持杆
22 足杆
23 脚連結部
24 連結杆部
25 足杆先端部
3 五徳体
31 架設杆
32 キャップ部
33 中心連結部