(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020405
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】時間割作成システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20220125BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123880
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】399056820
【氏名又は名称】テクマトリックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】岩元 利純
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】生徒達が自ら時間割表の立案に参加することができる時間割作成システムを提供すること。
【解決手段】管理装置10は、所定期間単位内に移動可能な時間割W2と移動不可能な時間割W1とに区分して作成者による各生徒に対する複数の科目の基準となる時間割表D1を作成する支援を行う基準時間割表作成支援部と、各生徒の操作に応じて、操作した生徒の移動可能な時間割W2を移動した時間割表D1に変更する時間割表変更支援部と、時間割表変更支援部によって時間割が変更した場合、変更前の時間割の関係者に時間割が変更された旨を通知する変更通知部とを備える。移動可能な時間割W2には、移動条件が付加されており、時間割表変更支援部は、移動条件を満足する場合に、移動可能な時間割W2の変更を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間単位の各生徒の時間割表を作成する時間割作成システムであって、
前記所定期間単位の各生徒の時間割表を管理する管理装置と、
前記管理装置に接続され、作成者が前記所定期間単位の各生徒の基準時間割表を作成する処理を行うとともに各生徒の時間割表を閲覧できる作成者端末装置と、
前記管理装置に接続され、各生徒が前記所定期間単位の各生徒の時間割表を閲覧できる複数の生徒端末装置と、
前記管理装置に接続され、各教師が前記所定期間単位の各生徒の時間割表を閲覧できる複数の教師端末装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記所定期間単位内に移動可能な時間割と移動不可能な時間割とに区分して前記作成者による各生徒に対する複数の科目の基準時間割表を作成する支援を行う基準時間割表作成支援部と、
各生徒の操作に応じて、操作した生徒の前記移動可能な時間割を移動した時間割表に変更する時間割表変更支援部と、
前記時間割表変更支援部によって時間割が変更した場合、変更前の時間割の関係者に時間割が変更された旨を通知する変更通知部と
を備えたことを特徴とする時間割作成システム。
【請求項2】
前記移動可能な時間割には、1以上の移動条件が付加されており、
前記時間割表変更支援部は、1以上の前記移動条件を満足する場合に、前記移動可能な時間割の変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の時間割作成システム。
【請求項3】
前記時間割表の画面上の前記移動可能な時間割には前記移動条件が表示されることを特徴とする請求項2に記載の時間割作成システム。
【請求項4】
前記移動条件は、同日内の移動、同時間帯の移動、及び、前記所定期間内の任意の時間への移動のいずれかであることを特徴とする請求項2又は3に記載の時間割作成システム。
【請求項5】
前記変更通知部は、前記移動可能な時間割の移動によって同一生徒が重複する場合、同一教師が重複する場合、あるいは、同一場所が重複する場合、調整中である旨を時間割表の画面上に表示するとともに、前記作成者端末装置、前記複数の生徒端末装置、及び、前記複数の教師端末装置に通知することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項6】
前記時間割表変更支援部は、調整中であった時間割に対して、重複が解消した場合、調整中の表示を消し、重複が解消した時間割で現在の時間割表を確定し、前記作成者端末装置、前記複数の生徒端末装置、及び、前記複数の教師端末装置に重複解消の通知を行うことを特徴とする請求項5に記載の時間割作成システム。
【請求項7】
前記管理装置は、全員の生徒の時間割表の閲覧処理を支援する閲覧処理支援部を備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項8】
前記移動条件は、移動可能な変更期間内の移動であることを特徴とする請求項2~7のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項9】
前記移動条件は、所定移動回数以内の移動であることを特徴とする請求項2~8のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項10】
前記移動条件は、生徒の親の許可を得ていることを特徴とする請求項2~9のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項11】
前記移動可能な時間割は、時間割を分割して移動可能であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項12】
前記移動可能な時間割は、時間割内の全生徒の一部のグループ単位で移動可能であることを特徴とする請求項1~11のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項13】
時間割表変更支援部は、前記作成者又は前記教師の操作によって、前記移動可能な時間割を全ての生徒とともに移動した時間割表に変更することを特徴とする請求項1~12のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項14】
前記時間割表変更支援部は、全ての生徒とともに時間割を移動する際、既に、該時間割から他の時間割に移動している生徒である移動済み生徒がいる場合、移動済み生徒の時間割を元の時間割に戻すリセットを行うか否かを、予め設定したリセット設定に基づいて時間割を変更することを特徴とする請求項13に記載の時間割作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生徒達が自ら時間割表の立案に参加することができる時間割作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小学校や中学校などの教育機関において、各曜日のそれぞれの時限に対応して実施される授業の科目等を週間予定として表す時間割表を作成し、該時間割表に則って教師等の指導者による指導が行われている。
【0003】
そして、近年のコンピュータの普及に伴って、時間割表の作成を指導者自らが種々のソフトウェア、例えば、データベースソフトや表計算ソフトなどの機能を利用して簡易に行うことができるようになった。また、小学校等の教育機関に合わせて開発されたソフトウェアの一部に係る時間割表の作成に特化した機能を付加したものも知られている。
【0004】
また、教科及び授業時間を容易に変更可能であるとともに、授業単位数に対する教科毎の進度の把握が容易な時間割作成システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載された時間割作成システムは、教師側が時間割表を作成し、時間割表の変更を教師側が一方的に行うものであった。すなわち、従来の時間割表は生徒達によって変更することができなかった。
【0007】
一方、最近の教育指導要領では、「プロジェクト学習」が推奨されている。この「プロジェクト学習」は、一斉授業型ではなく、生徒達が、自分で自律的に活動の予定を考えていく場面が多い学習である。このため、生徒達が、自ら学習計画(時間割表)の立案に参加させることも教育上、必要なものとなってきている。
【0008】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、生徒達が自ら時間割表の立案に参加することができる時間割作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、所定期間単位の各生徒の時間割表を作成する時間割作成システムであって、前記所定期間単位の各生徒の時間割表を管理する管理装置と、前記管理装置に接続され、作成者が前記所定期間単位の各生徒の基準時間割表を作成する処理を行うとともに各生徒の時間割表を閲覧できる作成者端末装置と、前記管理装置に接続され、各生徒が前記所定期間単位の各生徒の時間割表を閲覧できる複数の生徒端末装置と、前記管理装置に接続され、各教師が前記所定期間単位の各生徒の時間割表を閲覧できる複数の教師端末装置と、を備え、前記管理装置は、前記所定期間単位内に移動可能な時間割と移動不可能な時間割とに区分して前記作成者による各生徒に対する複数の科目の基準時間割表を作成する支援を行う基準時間割表作成支援部と、各生徒の操作に応じて、操作した生徒の前記移動可能な時間割を移動した時間割表に変更する時間割表変更支援部と、前記時間割表変更支援部によって時間割が変更した場合、変更前の時間割の関係者に時間割が変更された旨を通知する変更通知部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動可能な時間割には、1以上の移動条件が付加されており、前記時間割表変更支援部は、1以上の前記移動条件を満足する場合に、前記移動可能な時間割の変更を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記時間割表の画面上の前記移動可能な時間割には前記移動条件が表示されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動条件は、同日内の移動、同時間帯の移動、及び、前記所定期間内の任意の時間への移動のいずれかであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記変更通知部は、前記移動可能な時間割の移動によって同一生徒が重複する場合、同一教師が重複する場合、あるいは、同一場所が重複する場合、調整中である旨を時間割表の画面上に表示するとともに、前記作成者端末装置、前記複数の生徒端末装置、及び、前記複数の教師端末装置に通知することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記時間割表変更支援部は、調整中であった時間割に対して、重複が解消した場合、調整中の表示を消し、重複が解消した時間割で現在の時間割表を確定し、前記作成者端末装置、前記複数の生徒端末装置、及び、前記複数の教師端末装置に重複解消の通知を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理装置は、全員の生徒の時間割表の閲覧処理を支援する閲覧処理支援部を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動条件は、移動可能な変更期間内の移動であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動条件は、所定移動回数以内の移動であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動条件は、生徒の親の許可を得ていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動可能な時間割は、時間割を分割して移動可能であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動可能な時間割は、時間割内の全生徒の一部のグループ単位で移動可能であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記の発明において、時間割表変更支援部は、前記作成者又は前記教師の操作によって、前記移動可能な時間割を全ての生徒とともに移動した時間割表に変更することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記の発明において、前記時間割表変更支援部は、全ての生徒とともに時間割を移動する際、既に、該時間割から他の時間割に移動している生徒である移動済み生徒がいる場合、移動済み生徒の時間割を元の時間割に戻すリセットを行うか否かを、予め設定したリセット設定に基づいて時間割を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、生徒達が自ら時間割表の立案に参加することができる時間割作成システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る時間割作成システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】
図2は、時間割の変更に伴う時間割管理情報の変更の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、制御部による時間割表作成処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る時間割作成システムの好適な実施形態を詳細に説明する。
【0026】
<時間割作成システムの概要>
まず、本実施形態に係る時間割作成システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る時間割作成システム1の概要を説明するための説明図である。
【0027】
図1に示すように、時間割作成システム1は、管理装置10及び端末装置20がネットワークNに接続される。管理装置10は、例えばクラウド上に配置される。管理装置10は、日、週、月、年などの所定期間単位の各生徒の時間割表を作成し、管理する装置である。端末装置20は、複数の端末装置21、端末装置22、及び、複数の端末装置23を有する。端末装置21は、各生徒が使用する生徒端末装置であり、管理装置10が管理する自分及び他の生徒の時間割表を閲覧することができる。また、端末装置22は、基準となる時間割表である基準時間割表を作成する作成者が使用する作成者端末装置であり、管理装置10が管理する生徒達の時間割表を閲覧することができる。端末装置22は、各教師が使用する教師端末装置であり、管理装置10が監理する生徒達の時間割表を閲覧することができる。なお、教師端末装置である端末装置23は、作成者端末装置である端末装置22を兼ねる装置であってもよい。なお、端末装置21,22,23は、タブレットなどの携帯端末であることが好ましいが、デスクトップ型やラップトップ型のPC(パーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0028】
まず、作成者は、端末装置22を管理装置10に接続して、
図1に示す基準時間割表(時間割表D1)を作成する。ここに示す時間割表D1は、週単位の時間割表である。時間割表D1には、時間割表D1内において移動不可能な時間割W1と移動可能な時間割W2とを混在させることができる。
図1では、移動不可能な時間割W1としては、一斉授業型の科目である国語、算数、体育、読書プロジェクト、ホームルーム「HR」を設定している。また、移動可能な時間割W2としては、生徒の自律的学習である、理科プロジェクト、社会プロジェクト、音楽プロジェクトを設定している。移動不可能な時間割W1は、斜線で囲んで表示している。なお、理科プロジェクトとは、例えば、森の研究学習である。また、社会プロジェクトは、例えば、目的などを決めて街を探検する学習である。また、音楽プロジェクトは、例えば、自分が使ってみたい楽器を扱う体験学習である。
【0029】
ここで、移動可能な時間割W2には、時間割を移動する際の移動条件が付加される。移動条件は、例えば、同日内の移動、同時間帯の移動、及び、前記所定期間内のすべて時間への移動のいずれかである。理科プロジェクトには、移動条件として同日内の移動(図上、上下方向)が設定され、社会プロジェクトには、移動条件として同時間帯の移動(図上、左右方向)が設定され、音楽プロジェクトには、移動条件としてすべての時間への移動を可能としているが、移動不可能な時間割W1への移動はできない。そして、理科プロジェクトには、同日内の移動が可能であることを示す方向矢印の移動条件マークM1が時間割内に表示される。また、社会プロジェクトには、同時間帯内の移動が可能であることを示す方向矢印の移動条件マークM2が時間割内に表示される。さらに、音楽プロジェクトには、すべての時間への移動が可能であることを示す方向矢印の移動条件マークM3が時間割内に表示される。
【0030】
その後、生徒(A君)が基準時間割表である時間割表D1内の水曜日の社会プロジェクトを火曜日に移動しようとする場合、このA君は、このA君の端末装置21を介して管理装置10に接続し、A君の時間割表D1を表示して水曜日の社会プロジェクトを火曜日の同時間帯に移動する。この時間割の移動によって、A君の時間割表D1は、変更される。ただし、A君のグループ、例えば、クラスの他の生徒の時間割表D1は変更されない。
【0031】
ここで、
図2に示すように、各時間割は、時間割管理情報D3として管理される。時間割管理情報D3は、基準時間割表の時間割ごとに、作成者が作成した時間割を親とし、各生徒の時間割が子として紐づけられている。そして、基準時間割表の作成直後における親の時間割D11は、基準時間割表の時間割であり、子の時間割は、親の時間割D11と同じである。ここで、上記のA君の時間割の移動が行われると、
図2の下部に示すように、A君の時間割のみが時間割D12に変更された時間割管理情報D3´として登録される。
【0032】
なお、各時間割には、時間割の属性内容が紐づけられている。この時間割の属性内容は、時間割表D1の時間割をクリックすることによって別ウインドウに表示される。
図2に示した時間割では、日付、校時、科目、担当教師、場所の属性が登録されている。なお、他の属性として、例えば、参加する他の生徒、添付ファイル、関連URL、宿題有無などの任意の属性を登録することができる。
【0033】
また、時間割の移動操作は、例えば、移動したい時間割をドラッグアンドドロップによって行う。この移動操作では、移動が禁止される領域に時間割が移動しないように操作を規制することが好ましい。例えば、同日内の移動は、上下方向のみの移動を許容し、同時間帯の移動は、左右方向のみの移動を許容するように操作を規制すればよい。
【0034】
このように、本実施形態では、週単位などの所定期間単位の時間割表内に、移動可能な時間割W2と移動不可能な時間割W1とが混在し、移動可能な時間割W1は、移動制限下、生徒によって移動可能となり、生徒達によって自ら時間割表の立案に参加することができる。
【0035】
<管理装置の構成>
次に、
図1に示した管理装置10の構成について説明する。
図3は、
図1に示した管理装置10の構成を示す機能ブロック図である。管理装置10は、入出力部11、通信部12、記憶部13及び制御部14を有する。
【0036】
入出力部11は、各種操作入力及び表示出力等を行うタッチパネル式ディスプレイなどの入出力インタフェースである。通信部12は、ネットワークNを介して端末装置20と通信を行うための通信インタフェースである。
【0037】
記憶部13は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、各生徒の時間割表D1、各時間割表D1内の時間割に紐づけられた移動条件D2、各時間割の変更状態を時間割毎に管理する時間割管理情報D3を記憶する。
【0038】
制御部14は、管理装置10の全体を制御する制御部であり、ログイン処理部14a、基準時間割表作成支援部14b、時間割表変更支援部14c、変更通知部14d及び閲覧処理支援部14eを有する。制御部14は、これらの機能部に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0039】
ログイン処理部14aは、各端末装置20からのログイン処理を行う。このログイン処理では、例えば、ID及びパスワードの入力を要求する。
【0040】
基準時間割表作成支援部14bは、所定期間単位内に移動可能な時間割W2と移動不可能な時間割W1とに区分して、作成者による各生徒に対する複数の科目の基準時間割表である時間割表D1を作成する支援を行う。各時間割の属性のうち、日付や校時は自動設定されるが、科目などの属性については作成者が設定する。
【0041】
時間割表変更支援部14cは、各生徒の操作に応じて、操作した生徒の移動可能な時間割W2を移動した時間割表に変更する処理の支援を行う。特に、移動条件D2を満足する移動であるか否かの判定を行う。また、時間割表変更支援部14cは、時間割の移動時における移動条件に合致したユーザインターフェースの操作を規制する処理を行う。時間割表変更支援部14cは、時間割表D1の変更に伴って、時間割管理情報D3を変更する管理も行う。
【0042】
変更通知部14dは、時間割表変更支援部14cによって時間割が変更された場合、変更前の時間割の関係者に時間割が変更された旨を通知する。また、変更通知部14dは、移動可能な時間割W2の移動によって同一生徒の他の時間割と重複する場合、同一教師の他の時間割と重複する場合、あるいは、同一場所の他の時間割と重複する場合、調整中である旨を時間割表の時間割画面上に表示するとともに、端末装置20に調整中である旨を通知する。また、時間割表変更支援部14cは、調整中であった時間割に対して、重複が解消した場合、調整中の表示を消し、重複が解消した時間割で現在の時間割表を確定し、端末装置20に重複解消の通知を行う。なお、通知は、例えばメール等で通知する。
【0043】
閲覧処理支援部14eは、全員の生徒の時間割表D1の閲覧処理を支援する。本実施形態では、生徒によって移動された時間割が存在するため、時間割表D1は生徒全員に一致したものではないため、生徒ごとの時間割表D1として管理される。このため、閲覧処理支援部14eは、全員の生徒の時間割表D1を閲覧できるようにしている。
【0044】
<端末装置の構成>
次に、
図1に示した端末装置20の構成について説明する。
図4は、
図1に示した端末装置20の構成を示す機能ブロック図である。端末装置20は、入力部31、表示部32、通信部33、記憶部34及び制御部35を有する。
【0045】
入力部31は、キーボード又はマウス等の入力デバイスであり、表示部32は、液晶パネル等の表示デバイスであり、通信部33は、管理装置10に接続するための通信インタフェース部である。なお、入力部31及び表示部32は、例えばタッチパネル式ディスプレイによる一体型の入出力部であってもよい。記憶部34は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。
【0046】
制御部35は、端末装置20の全体を制御する制御部であり、閲覧処理部35a及び変更処理部35bを有する。制御部35は、この機能部に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、このプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0047】
閲覧処理部35aは、端末装置20を操作する生徒などのユーザが、閲覧処理支援部14eの支援のもと、閲覧したい時間割表D1を取得し、閲覧のための表示を行う。変更処理部35bは、時間割表変更支援部14cのもと、時間割表D1を表示した状態で、移動可能な時間割W2を移動する処理を行う。なお、作成者の端末装置22は、基準時間割表作成支援部14bのもとに基準時間割表を作成する。また、作成者及び教師の端末装置22,23の変更処理部35bは、すべての時間割をまとめて移動する時間割変更を行うことができる。
【0048】
<時間割表作成処理>
次に、制御部14による時間割表作成処理手順について説明する。
図5は、制御部14による時間割表作成処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、基準時間割表作成支援部14bは、端末装置22の操作入力をもとに初期の時間割表D1である基準時間割表を作成する(ステップS110)。
【0049】
その後、時間割表変更支援部14cは、生徒の端末装置21から、時間割の移動操作があったか否かを判定する(ステップS120)。時間割の移動操作がないならば(ステップS120:No)、本判定処理を繰り返す。一方、時間割の移動操作があったならば(ステップS120:Yes)、さらに時間割の移動条件D2を満足しているか否かを判定する(ステップS130)。時間割の移動条件D2を満足していないならば(ステップS130:No)、ステップS120に移行して上記の判定処理を繰り返す。
【0050】
一方、時間割の移動条件D2を満足しているならば(ステップS130:Yes)、変更した時間割表を、移動操作を行った生徒の時間割表として変更して更新する(ステップS140)。なお、時間割表変更支援部14cは、同時に、移動操作を行った時間割の時間割管理情報D3のうち、時間割の変更した生徒の時間割を変更する処理を行う。
【0051】
その後、時間割の変更に伴って、時間割の重複、すなわち、同一生徒が重複する場合、同一教師が重複する場合、あるいは、同一場所が重複する場合があるか否かを判定する(ステップS150)。時間割の重複がないならば(ステップS150:No)、関係者に時間表の変更があった旨の変更通知を行って(ステップS160)、本処理を終了する。
【0052】
一方、時間割の重複があったならば(ステップS150:Yes)、調整中である旨を移動した時間割画面上に表示する(ステップS170)。さらに、関係者の端末装置20に調整中である旨の重複通知を行う(ステップS180)。その後、所定時間内に重複が解消されたか否かを判定する(ステップS190)。
【0053】
所定時間内に重複が解消されたならば(ステップS190:Yes)、時間割画面上の調整中の表示を削除し(ステップS200)、さらに、関係者の端末装置20に、重複解消通知を行って(ステップS210)、本処理を終了する。
【0054】
一方、所定時間内に重複が解消されないならば(ステップS190:No)、変更した時間割表を、移動前の時間割表に戻し(ステップS220)、さらに、関係者の端末装置20に、時間割表の変更がキャンセルされた旨を示す変更キャンセル通知を行って(ステップS230)、本処理を終了する。
【0055】
なお、上記の実施形態において、移動条件D2は、同日内の移動、同時間帯の移動、及び、前記所定期間内のすべて時間への移動のいずれかの移動方向を制限する移動条件であったが、これに限らず、移動条件として、移動可能な変更期間内の移動であることを含めてもよいし、所定移動回数以内の移動であることを含めてもよいし、親の許可を得ていることを含めてもよい。また、時間割表変更支援部14cは、すべての移動条件を満足する場合に、移動可能な時間割W2の変更を行うようにしている。なお、移動条件は、1以上の移動条件の組み合わせであってもよい。例えば、同日内の移動であって、移動可能な変更期間内の移動であることを移動条件としてもよいし、移動可能な変更期間内の移動でることのみを移動条件としてもよいし、親の許可を得ていることのみを移動条件としてもよい。さらに、移動可能な時間割W2は、時間割W2の全体ではなく、時間割W2を分割した一部分の時間割であってもよい。
【0056】
さらに時間割の移動は、生徒一人を対象とするのではなく、生徒の全体グループ内の一部のグループを単位として移動できるようにしてもよい。
【0057】
また、時間割表変更支援部14cは、作成者又は教師の操作によって、移動可能な時間割W2を全ての生徒とともに移動した時間割表に変更できるようにしてもよい。さらに、作成者又は教師は、移動不可能な時間割W1を含めてすべての時間割について時間割を変更できるようにしてもよい。
【0058】
ここで、時間割表変更支援部14cは、全ての生徒とともに時間割を移動する際、既に、該時間割から他の時間割に移動している生徒である移動済み生徒がいる場合、移動済み生徒の時間割を元の時間割に戻すリセットを行うか否かを、予め設定したリセット設定に基づいて時間割を変更するようにしてもよい。
【0059】
なお、上記の実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る時間割作成システムは、生徒達が自ら時間割表の立案に参加させたい場合に有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 時間割作成システム
10 管理装置
11 入出力部
12,33 通信部
13,34 記憶部
14,35 制御部
14a ログイン処理部
14b 基準時間割表作成支援部
14c 時間割表変更支援部
14d 変更通知部
14e 閲覧処理支援部
20~23 端末装置
31 入力部
32 表示部
35a 閲覧処理部
35b 変更処理部
D1 時間割表
D2 移動条件
D3 時間割管理情報
D11,D12、W1,W2 時間割
M1~M3 移動条件マーク
N ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2021-12-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間単位の各生徒の時間割表を作成する時間割作成システムであって、
前記所定期間単位の各生徒の時間割表を管理する管理装置と、
前記管理装置に接続され、作成者が前記所定期間単位の各生徒の基準時間割表を作成する処理を行うとともに各生徒の時間割表を閲覧できる作成者端末装置と、
前記管理装置に接続され、各生徒が前記所定期間単位の各生徒の時間割表を閲覧できる複数の生徒端末装置と、
前記管理装置に接続され、各教師が前記所定期間単位の各生徒の時間割表を閲覧できる複数の教師端末装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記所定期間単位内に移動可能な時間割と移動不可能な時間割とに区分して前記作成者による各生徒に対する複数の科目の基準時間割表を作成する支援を行う基準時間割表作成支援部と、
各生徒の操作に応じて、操作した生徒の前記移動可能な時間割を移動した時間割表に変更する時間割表変更支援部と、
前記時間割表変更支援部によって時間割が変更した場合、変更前の時間割の関係者に時間割が変更された旨を通知する変更通知部と
を備えたことを特徴とする時間割作成システム。
【請求項2】
前記移動可能な時間割には、1以上の移動条件が付加されており、
前記時間割表変更支援部は、1以上の前記移動条件を満足する場合に、前記移動可能な時間割の変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の時間割作成システム。
【請求項3】
前記時間割表の画面上の前記移動可能な時間割には前記移動条件が表示されることを特徴とする請求項2に記載の時間割作成システム。
【請求項4】
前記移動条件は、同日内の移動、同時間帯の移動、及び、前記所定期間内の任意の時間への移動のいずれかであることを特徴とする請求項2又は3に記載の時間割作成システム。
【請求項5】
前記変更通知部は、前記移動可能な時間割の移動によって同一生徒が重複する場合、同一教師が重複する場合、あるいは、同一場所が重複する場合、調整中である旨を時間割表の画面上に表示するとともに、前記作成者端末装置、前記複数の生徒端末装置、及び、前記複数の教師端末装置に通知することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項6】
前記時間割表変更支援部は、調整中であった時間割に対して、重複が解消した場合、調整中の表示を消し、重複が解消した時間割で現在の時間割表を確定し、前記作成者端末装置、前記複数の生徒端末装置、及び、前記複数の教師端末装置に重複解消の通知を行うことを特徴とする請求項5に記載の時間割作成システム。
【請求項7】
前記管理装置は、全員の生徒の時間割表の閲覧処理を支援する閲覧処理支援部を備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項8】
前記移動条件は、移動可能な変更期間内の移動であることを特徴とする請求項2に記載の時間割作成システム。
【請求項9】
前記移動条件は、所定移動回数以内の移動であることを特徴とする請求項2に記載の時間割作成システム。
【請求項10】
前記移動条件は、生徒の親の許可を得ていることを特徴とする請求項2に記載の時間割作成システム。
【請求項11】
前記移動可能な時間割は、時間割を分割して移動可能であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項12】
前記移動可能な時間割は、時間割内の全生徒の一部のグループ単位で移動可能であることを特徴とする請求項1~11のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項13】
時間割表変更支援部は、前記作成者又は前記教師の操作によって、前記移動可能な時間割を全ての生徒とともに移動した時間割表に変更することを特徴とする請求項1~12のいずれか一つに記載の時間割作成システム。
【請求項14】
前記時間割表変更支援部は、全ての生徒とともに時間割を移動する際、既に、該時間割から他の時間割に移動している生徒である移動済み生徒がいる場合、移動済み生徒の時間割を元の時間割に戻すリセットを行うか否かを、予め設定したリセット設定に基づいて時間割を変更することを特徴とする請求項13に記載の時間割作成システム。