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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020493
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】支持部材及び取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/14 20060101AFI20220125BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
G02C5/14
G02C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124018
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】515047002
【氏名又は名称】株式会社FIT
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】平本 清
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006CA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】テンプル部に取り付けて用いることにより、側顔部に付与される押圧力を極力低減させることができると共に、頭部装着具のずれを抑制し、フィット感にも優れる支持部材及びそれを用いた頭部装着具のテンプル部への取り付け方法を提供すること。
【解決手段】頭部装着具のテンプル部に取り付けて用いられる支持部材10であって、テンプル部を挿入可能な中空部1aを有し該テンプル部の長さ方向に延びる芯部1と、該芯部1から内側に向けて突出する上翼部2と、該上翼部2よりも下方に位置し、芯部1から内側の斜め下方に向けて突出する下翼部3と、を備え、少なくとも、下翼部3が可撓性を有するものであり、装着時には、上翼部2が装着者の側顔部に当接されると共に、下翼部3が屈曲して装着者の側顔部に面接触され、且つ、装着者の側顔部、芯部1、上翼部2及び下翼部3によって囲まれた領域に空隙部が形成される支持部材10である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロント部と、該フロント部の両側から後方に延びるテンプル部とを有する頭部装着具の該テンプル部に取り付けて用いられる支持部材であって、
該支持部材を取り付けた前記頭部装着具を装着者が装着した時の該支持部材の側顔部側を内側、その反対側を外側とした場合に、
前記テンプル部を挿入可能な中空部を有し該テンプル部の長さ方向に延びる芯部と、
該芯部から内側に向けて突出する上翼部と、
該上翼部よりも下方に位置し、前記芯部から内側の斜め下方に向けて突出する下翼部と、
を備え、
少なくとも、前記下翼部が可撓性を有するものであり、
前記装着時には、前記上翼部が前記装着者の側顔部に当接されると共に、前記下翼部が屈曲して前記装着者の側顔部に面接触され、且つ、前記装着者の側顔部、前記芯部、前記上翼部及び前記下翼部によって囲まれた領域に空隙部が形成される支持部材。
【請求項2】
前記上翼部が、前記芯部から内側の斜め後方に向けて突出しており、
前記下翼部が、前記芯部から内側の斜め下後方に向けて突出している請求項1記載の支持部材。
【請求項3】
前記下翼部の突出方向における前記芯部側である根元から先端までの長さが、対向する位置の前記上翼部の突出方向における前記芯部側である根元から先端までの長さよりも長い請求項1又は2に記載の支持部材。
【請求項4】
前記上翼部の突出方向における前記芯部側である根元から先端までの長さが後方に行くほど短くなっており、
前記下翼部の突出方向における前記芯部側である根元から先端までの長さが後方に行くほど短くなっている請求項1~3のいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項5】
前記芯部と、前記上翼部と、前記下翼部とが一体となっており、且つ、シリコーン樹脂からなる請求項1~4のいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項6】
前記上翼部が、上切欠き部と、該上切欠き部で切り欠かれることにより分離された複数の上翼片とを有し、
前記下翼部が、下切欠き部と、該下切欠き部で切り欠かれることにより分離された複数の下翼片とを有し、
前記上切欠き部及び前記下切欠き部が互いに対向する位置に設けられている請求項1~5のいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項7】
請求項6記載の支持部材を用いた、前記頭部装着具のテンプル部への取り付け方法であって、
前記上切欠き部と前記下切り欠き部との間の前記芯部を切断して複数の支持部材片とする第1ステップと、
当該支持部材片の中空部を前記テンプル部に取り付ける第2ステップと、
を有する取り付け方法。
【請求項8】
前記第2ステップで複数の前記支持部材片が前記テンプル部に取り付けられた場合、
前側の支持部材片は、その下翼片が頬骨弓に当接する位置に取り付けられ、
後側の支持部材片は、その下翼片が装着者の耳の後方に当接する位置に取り付けられる請求項7記載の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材及び取り付け方法に関し、更に詳しくは、頭部装着具のテンプル部に取り付けて用いられる支持部材、及び、支持部材を用いた頭部装着具のテンプル部への取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡、フェイスシールド等、頭部に装着する頭部装着具として、フロント部と、該フロント部の両端から後方に延びるテンプル部とを有するものがある。
このような頭部装着具は、テンプル部で装着者の頭部を挟み込むようにして装着される。
【0003】
例えば、眼鏡は、鼻パッドが装着者の鼻に当接され、テンプル部(モダン部)が装着者の耳に引っ掛けられることにより、頭部に支持されるようになっている。
【0004】
ところで、眼鏡は、上述したように、その重量を主に鼻パッドとテンプル部(モダン部)で負担しているため、鼻パッドにかかる重量負荷が比較的大きい。
その結果、装着者の鼻には、鼻パッドの跡が付き易く、場合によっては、鼻パッドとの当接部分が炎症を引き起こす恐れがある。また、鼻の高さによっては、鼻パッドがフィットせず、顔を振っただけで眼鏡がずれる場合が生じ得る。
【0005】
それに対し、鼻パッドを無くし、若しくは、鼻パッドへの重量負荷を軽減するために、装着者の頭部をテンプル部で一定の押圧力で挟持するように設計された眼鏡が開発されている。
例えば、フロント部と該フロント部に取り付けられたテンプル本体部とを備え、該テンプル本体部に補助テンプル片が取り付けられており、テンプル本体部と補助テンプル片とにより頬骨と後頭部と耳部に支持される鼻パッド無し眼鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、フロント部と該フロント部に取り付けられたテンプル本体部とを備え、該テンプル本体部にテンプルパット体が脱着自在に取り付けられており、該テンプルパット体とテンプル本体部の耳掛け部(モダン部)とにより、こめかみ部と耳部に支持される鼻パッド無し眼鏡が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、左右一対のレンズを有するフロント部と、該フロント部の両端から後方に延びるサイド部材とを備えた眼鏡であって、サイド部材が、テンプル部と、該テンプル部に取り付けられたモダン部とからなり、サイド部材には、下方に延びる支持部が設けられており、該支持部が、使用者の側顔部に当接される当接部と、該当接部とサイド部材とを連結する連結部とを有し、連結部が水平外側方向に変形する形状弾性体である眼鏡が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、テンプル部が挿入された中空部を有する本体部と、該本体部から上方又は下方に分岐して後方に延びる頭支持部と、本体部から下方に延びるアーム部と、該アーム部の先端から前方又は後方に延びる当接部と、を備え、アーム部が弾性体からなり、装着者が眼鏡を装着した状態で、当接部が該装着者の頬骨弓に支持される頬骨弓支持モダンを備える眼鏡が知られている(例えば、特許文献4参照)。
これらの眼鏡によれば、鼻パッドを有さずとも眼鏡を支持することが可能であるため、鼻に鼻パッドの跡が付いたり、鼻パッドがフィットせず眼鏡がずれることを防止することができる。
【0006】
一方で、例えば、テンプル部を有するフェイスシールドは、当該テンプル部で装着者の頭部を挟み込むことにより、頭部に支持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-38608号公報
【特許文献2】特開2016-80992号公報
【特許文献3】登録実用新案第3199832号公報
【特許文献4】特開2019-207294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1記載の鼻パッド無し眼鏡においては、補助テンプル片(当接部)が側顔部を押圧する必要があり、上記特許文献2記載の鼻パッド無し眼鏡においては、テンプルパット体(当接部)が側顔部を押圧する必要があり、上記特許文献3の眼鏡においては、当接部が側顔部を押圧する必要があり、上記特許文献4記載の頬骨弓支持モダンにおいては、当接部が側顔部を押圧する必要があり、いずれも、側顔部を局所的に押圧するものである。
しかも、何れの場合においても、眼鏡のずれを防止するためには、比較的大きい押圧力を付与する必要がある。
その結果、これらの場合においては、押圧力が強すぎて、側顔部に当接部による当接跡が残ったり、場合によっては頭痛を引き起こす恐れがある。
また、これらの眼鏡においては、当接部が側顔部を一応押圧するものの、頭部の形状には個人差があるため、十分な押圧力が付与されない場合が生じ得る。そうすると、眼鏡の重量を負担するには不十分となるため、眼鏡がずれ易くなり、フィット感にも劣ることになる。
【0009】
一方、フェイスシールドにおいても、ずれ難く、フィット感が優れるものが求められている。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、テンプル部に取り付けて用いることにより、側顔部に付与される押圧力を極力低減させることができると共に、頭部装着具のずれを抑制し、フィット感にも優れる支持部材及びそれを用いた頭部装着具のテンプル部への取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、上翼部が装着者の側顔部に当接されると共に、下翼部が屈曲して装着者の側顔部に面接触されるようにし、且つ、このときの装着者の側顔部、芯部、上翼部及び下翼部によって囲まれた領域に空隙部が形成されるようにした支持部材を、頭部装着具のテンプル部に取り付けて用いることにより、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
本発明は、(1)フロント部と、該フロント部の両側から後方に延びるテンプル部とを有する頭部装着具の該テンプル部に取り付けて用いられる支持部材であって、該支持部材を取り付けた頭部装着具を装着者が装着した時の該支持部材の側顔部側を内側、その反対側を外側とした場合に、テンプル部を挿入可能な中空部を有し該テンプル部の長さ方向に延びる芯部と、該芯部から内側に向けて突出する上翼部と、該上翼部よりも下方に位置し、芯部から内側の斜め下方に向けて突出する下翼部と、を備え、少なくとも、下翼部が可撓性を有するものであり、装着時には、上翼部が装着者の側顔部に当接されると共に、下翼部が屈曲して装着者の側顔部に面接触され、且つ、装着者の側顔部、芯部、上翼部及び下翼部によって囲まれた領域に空隙部が形成される支持部材に存する。
【0013】
本発明は、(2)上翼部が、芯部から内側の斜め後方に向けて突出しており、下翼部が、芯部から内側の斜め下後方に向けて突出している上記(1)記載の支持部材に存する。
【0014】
本発明は、(3)下翼部の突出方向における芯部側である根元から先端までの長さが、対向する位置の上翼部の突出方向における芯部側である根元から先端までの長さよりも長い上記(1)又は(2)に記載の支持部材に存する。
【0015】
本発明は、(4)上翼部の突出方向における芯部側である根元から先端までの長さが後方に行くほど短くなっており、下翼部の突出方向における芯部側である根元から先端までの長さが後方に行くほど短くなっている上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の支持部材に存する。
【0016】
本発明は、(5)芯部と、上翼部と、下翼部とが一体となっており、且つ、シリコーン樹脂からなる上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の支持部材に存する。
【0017】
本発明は、(6)上翼部が、上切欠き部と、該上切欠き部で切り欠かれることにより分離された複数の上翼片とを有し、下翼部が、下切欠き部と、該下切欠き部で切り欠かれることにより分離された複数の下翼片とを有し、上切欠き部及び下切欠き部が互いに対向する位置に設けられている上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の支持部材に存する。
【0018】
本発明は、(7)上記(6)記載の支持部材を用いた、頭部装着具のテンプル部への取り付け方法であって、上切欠き部と下切り欠き部との間の芯部を切断して複数の支持部材片とする第1ステップと、当該支持部材片の中空部をテンプル部に取り付ける第2ステップと、を有する取り付け方法に存する。
【0019】
本発明は、(8)第2ステップで複数の支持部材片がテンプル部に取り付けられた場合、前側の支持部材片は、その下翼部が頬骨弓に当接する位置に取り付けられ、後側の支持部材片は、その下翼部が装着者の耳の後方に当接する位置に取り付けられる上記(7)記載の取り付け方法に存する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の支持部材は、頭部装着具のテンプル部に取り付けて用いられる。これにより、頭部装着具は、支持部材を介して頭部に支持されることになる。
例えば、頭部装着具が、鼻パッドが無い眼鏡であっても、支持部材を取り付けることによりこれを支持することができる。また、頭部装着具が、鼻パッドがある眼鏡である場合は、鼻パッドにかかる眼鏡の重量負荷を極めて軽減することができる。
【0021】
このとき、支持部材においては、下翼部が側顔部に屈曲して面接触されるので、側顔部に付与される押圧力の一部を逃がすことができる。これにより、側顔部に当接跡が残ることを抑制し、頭痛が引き起こされることも防止できる。
また、下翼部と側顔部との面接触に基づく摩擦力により、頭部装着具がずれることも抑制することができる。
また、下翼部が可撓性を有するので、屈曲の程度には一定の自由度がある。このため、頭部の形状に個人差があったとしても、屈曲の程度が変わることで、確実にフィットさせることが可能となる。その結果、頭部の形状にかかわらず、適度な押圧力を付与することができ、且つ、頭部装着具がずれ難くなる。
【0022】
本発明の支持部材においては、上翼部を側顔部に当接させることにより、これが支点となるので、下翼部を屈曲させて側顔部に面接触させる際に、芯部を軸とする周方向に回動してしまうことを防止することができる。
また、支持部材は、側顔部に上翼部及び下翼部の2か所で接することになるので、安定化し、フィット感がより向上する。
【0023】
本発明の支持部材においては、装着者の側顔部、芯部、上翼部及び下翼部によって囲まれた領域に空隙部を形成することにより、装着時に、汗、蒸れが生じることを抑制することができる。
また、側顔部と、支持部材との接触部分が少なくなることから、頭部装着具の装着時の圧迫感が軽減され、極めて快適に装着感が得られる。
【0024】
本発明の支持部材においては、上翼部を、芯部から内側の斜め後方に向けて突出させ、下翼部を、芯部から内側の斜め下後方に向けて突出させることにより、頭部装着具の着脱をスムーズに行うことができる。すなわち、着脱時における、髪の毛に引っ掛かる等の髪の毛の抵抗を抑制することができる。
【0025】
本発明の支持部材においては、下翼部の突出方向における長さを、対向する位置の上翼部の突出方向における長さよりも長くすることにより、上翼部を側顔部に当接させた場合に、下翼部を側顔部に面接触させる面積が大きくなるので、付与される押圧力をより分散させることができると共に、下翼部の屈曲の自由度をより大きくすることができる。
【0026】
本発明の支持部材においては、上翼部及び下翼部の突出方向における長さを、後方に行くほど短くすることにより、頬骨弓の形状に沿って当接させることができる。
また、後述する本発明の支持部材の取り付け方法において、長さが異なる支持部材片の中から、頭部形状に応じた最適な長さのものを選択できるという利点がある。
【0027】
本発明の支持部材においては、芯部と、上翼部と、下翼部とが一体となっている場合、安価で容易に製造することが可能となる。
また、それをシリコーン樹脂からなるものとすることにより、肌に直接接触してもアレルギー反応が殆ど生じないという利点がある。
【0028】
本発明の支持部材においては、上切欠き部及び下切欠き部を設けることにより、頭部装着具の装着時に髪の毛を逃がすことができる。また、下翼部が屈曲しやすくなるため頭部装着具の装着時の圧迫感が軽減される。また、支持部材の芯部を切断する際に、切欠き部があるとそれが目安となるため切断しやすい。
このとき、上切欠き部及び下切欠き部を、互いに対向する位置に設けることにより、支持部材を摘み易くすることができる。その結果、頭部装着具の装着時の支持部材の位置を、当該支持部材を摘んで微調整することができる。
【0029】
本発明の取り付け方法においては、第1ステップ及び第2ステップを行うことにより、頭部の形状に応じた最適な位置に、支持部材片を配置させることができる。これにより、少ない枚数であっても頭部装着具を支持でき、且つ、装着者の頭部にフィットさせることができる。また、頭部装着具の軽量化も図れる。
【0030】
ここで、第2ステップで複数の支持部材片がテンプル部に取り付けられた場合、前側の支持部材片を、その下翼片が頬骨弓に当接する位置に取り付け、後側の支持部材片を、その下翼片が装着者の耳の後方に当接する位置に取り付けることが好ましい。この場合、支持部材片に付与される頭部装着具の重量負荷のバランスが優れるものとなる。
また、例えば、前側の支持部材片に、突出方向における長さが長いものを採用し、後側の支持部材片に、突出方向における長さが短いものを採用することで、よりバランスが優れるものとなる
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1の(a)は、本発明に係る支持部材の一実施形態を示す側面図であり、図1の(b)は、図1の(a)に示す支持部材の正面図であり、図1の(c)は、図1の(a)に示す支持部材の上面図である。
図2図2は、頭部装着具に取り付けられた本実施形態に係る支持部材が、側顔部に当接された状態を示す正面図である。
図3図3は、本実施形態に係る支持部材を取り付けた眼鏡を装着者が装着した状態を示す側面図である。
図4図4は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法を示すフローチャートである。
図5図5は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法の第1ステップを説明するための側面図である。
図6(a)】図6(a)は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法において、支持部材片をテンプル部に取り付けた例を示す側面図である。
図6(b)】図6(b)は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法において、支持部材片をテンプル部に取り付けた例を示す側面図である。
図6(c)】図6(c)は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法において、支持部材片をテンプル部に取り付けた例を示す側面図である。
図6(d)】図6(d)は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法において、支持部材片をテンプル部に取り付けた例を示す側面図である。
図7図7の(a)は、他の第1実施形態に係る支持部材を示す側面図であり、図7の(b)は、図7の(a)に示す支持部材の正面図である。
図8図8の(a)は、他の第2実施形態に係る支持部材を示す側面図であり、図8の(b)は、図8の(a)に示す支持部材の正面図である。
図9図9の(a)は、他の第3実施形態に係る支持部材を示す側面図であり、図9の(b)は、他の第4実施形態に係る支持部材を示す側面図である。
図10図10は、他の実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法において、第5支持部材片を取り付けたフェイスシールドを装着者が装着した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0033】
なお、本明細書においては、支持部材を取り付けた頭部装着具を装着者が装着した時の該支持部材の側顔部側を内側とし、その反対側を外側とする。
また、装着者の顔側を前とし、後頭部側を後とする。
【0034】
図1の(a)は、本発明に係る支持部材の一実施形態を示す側面図であり、図1の(b)は、図1の(a)に示す支持部材の正面図であり、図1の(c)は、図1の(a)に示す支持部材の上面図である。
図1の(a)、(b)及び(c)に示すように、本実施形態に係る支持部材10は、芯部1と、該芯部1に取り付けられた上翼部2及び下翼部3とを備える。
また、支持部材10は、芯部1、上翼部2及び下翼部3が一体となったシンプルな構成となっている。このため、射出成形や圧縮成形等により、安価で容易に製造することが可能となっている。
【0035】
支持部材10の材質は、特に限定されないが、可撓性を有するものが採用される。
具体的には、特に限定されないが、シリコーン樹脂、スチレン樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂が挙げられる。また、これらの合成樹脂は、ゴム又はエラストマーであることが好ましい。
これらの中でも、支持部材10の材質は、シリコーン樹脂であることが好ましい。この場合の支持部材10は、柔軟性及び汎用性に優れるものとなり、且つ、肌に直接接触してもアレルギー反応が殆ど生じないという利点がある。
【0036】
支持部材10において、芯部1は、テンプル部の長さ方向に延びる板状であり、芯部1の前端から後端にかけて貫通した中空部1aを有している。
かかる中空部1aにおいては、テンプル部を挿入することが可能となっている。すなわち、支持部材10は、芯部1の中空部1aに、テンプル部を挿入することにより頭部装着具に取り付けられる。
なお、かかる挿入は、圧入によるものであってもよく、接着剤等での固着でもよい。その中でも、圧入によるものであることが好ましい。
【0037】
ここで、中空部1aの断面形状は、矩形状となっている。すなわち、中空部1aは、矩形状が、芯部1の長さ方向に延びた構造となっている。
また、かかる中空部1aの断面形状と、当該中空部1aに取り付けられるテンプル部の断面形状とは、一致していることが好ましい。この場合、テンプル部をスムーズに中空部1aに挿入することが可能となる。
【0038】
一方、テンプル部の断面形状は、支持部材10が、芯部1を軸とする周方向に回転してしまうことを確実に防止するため、丸状以外であることが好ましい。
なお、仮に、テンプル部を丸状とする場合は、中空部1aにテンプル部を固着させるか、若しくは、圧入する際の圧入力を大きくする必要がある。
【0039】
支持部材10において、上翼部2は、芯部1の上端に設けられ、当該芯部1の上端から内側の略水平方向(稍斜め上方)に向けて突出しており(図1の(b)及び(c)参照)、且つ、後方に向けて突出している(図1の(a)参照)。すなわち、上翼部2は、芯部1から内側の斜め後方に向けて突出している。
一方、下翼部3は、芯部1の下端に設けられ、当該芯部1から内側の斜め下方に向けて突出しており(図1の(b)参照)、且つ、後方に向けて突出している(図1の(a)参照)。すなわち、下翼部3は、芯部1から内側の斜め下後方に向けて突出している。
このように、支持部材10においては、上翼部2及び下翼部3を、後方に向けて突出させているので、頭部装着具の着脱をスムーズに行うことが可能となる。すなわち、着脱時における、髪の毛の抵抗を極力抑制することができる。
【0040】
支持部材10において、上翼部2は、当該上翼部2の突出方向に切り欠かれた複数の上切欠き部2bと、当該上切欠き部2bで切り欠かれることにより分離された複数の上翼片2aとを有する。なお、上述するように、上切欠き部2bは、上翼部2の突出方向に切り欠かれているので、上翼片2aも突出方向に延びた形状となっている。
一方、下翼部3は、当該下翼部3の突出方向に切り欠かれた複数の下切欠き部3bと、当該下切欠き部3bで切り欠かれることにより分離された複数の下翼片3aとを有する。なお、下切欠き部3bは、上述するように、下翼部3の突出方向に沿って切り欠かれているので、下翼片3aも突出方向に延びた形状となっている。
このように、支持部材10においては、上切欠き部2bを設けることにより、頭部装着具の装着時に髪の毛を上切欠き部2bに逃がすことができ、逃がした髪の毛を、上翼片2aで押さえつけることができる。また、下切欠き部3bについても同様である。その結果、頭部装着具をよりずれ難くすることができる。
また、上切欠き部2b及び下切欠き部を設けることにより、頭部装着具の装着時の圧迫感を軽減することができる。
【0041】
ここで、上切欠き部2bと、下切り欠き部3bとは、互いに対向する位置に設けられている。すなわち、上切欠き部2b及び下切り欠き部3bの数は同じであり、それぞれが対向するように芯部1の上下に設けられている。
これにより、支持部材10を摘み易くすることができる。その結果、頭部装着具のテンプル部における支持部材の位置を、当該支持部材を摘んで微調整することができる。
【0042】
上翼部2は、その突出方向における芯部1側である根元から先端までの長さH1が後方に行くほど短くなっている。すなわち、上翼片2aの長さのサイズは、後方に行くほど小さくなっている。このとき、上翼部2の長さH1は、7~15mmの範囲内とすることが好ましい。
同様に、下翼部3は、その突出方向における芯部1側である根元から先端までの長さH2が後方に行くほど短くなっている。すなわち、下翼片3aの長さのサイズは、後方に行くほど小さくなっている。このとき、下翼部3の長さH2は、10~25mmの範囲内とすることが好ましい。
これらの場合、頬骨弓の形状に沿って当接させることができる。また、後述する本発明の支持部材の取り付け方法において、長さが異なる支持部材片の中から、頭部形状に応じた最適な長さのものを選択できる。
【0043】
下翼部3の突出方向における芯部1側である根元から先端までの長さH2は、対向する位置の上翼部2の突出方向における芯部1側である根元から先端までの長さH1よりも長くなっている。すなわち、下翼片3aの長さサイズは、その下翼片3aに対向する上翼片2aの長さのサイズよりも大きくなっている。
これにより、後述する、上翼部2を側顔部に当接させた場合に、下翼部3を側顔部に確実に面接触させることが可能となる。
また、下翼部3が側顔部に面接触する面積が大きくなるほど、付与される押圧力をより分散させることができると共に、下翼部3の屈曲の自由度をより大きくすることができる。
【0044】
図2は、頭部装着具に取り付けられた本実施形態に係る支持部材が、側顔部に当接された状態を示す正面図である。なお、図2においては、頭部装着具の記載を省略している。
図2に示すように、頭部装着具に取り付けられた支持部材10は、装着時には、側顔部に、上翼部2及び下翼部3の2か所で接している。これにより、支持部材10は、安定化するため、頭部へのフィット感がより向上する。
【0045】
具体的には、支持部材10において、上翼部2は、側顔部に当接させ、下翼部3は、屈曲して側顔部に面接触される。
このとき、上述したように、下翼部3は、側顔部に面接触されるので、下翼部3と側顔部との接触面における摩擦力により、頭部装着具がずれることを抑制することができる。
【0046】
また、下翼部3は、可撓性を有しているので、装着時に、外側に屈曲するようになっている。これにより、側顔部に付与される押圧力の一部を逃がすことが可能となる。その結果、側顔部に当接跡が残ることを抑制し、頭痛が引き起こされることも防止できる。
また、屈曲の程度には一定の自由度があるので、頭部の形状に個人差があったとしても、屈曲の程度が変わることで、確実にフィットさせることが可能となる。その結果、頭部の形状にかかわらず、適度な押圧力を付与することができ、且つ、頭部装着具がずれ難くなる。
【0047】
また、上翼部2は、側顔部に当接されることで、これが支点となり、下翼部3を屈曲させて側顔部に面接触させる際に、芯部1を軸とする周方向に回動してしまうことを防止することができる。
なお、このように、上翼部2は、支点となるので、正面視で、側顔部方向(略水平方向)に向いていることが好ましい。
【0048】
支持部材10において、装着時には、装着者の側顔部、芯部1、上翼部2及び下翼部3によって囲まれた領域に空隙部5が形成される。これにより、装着時に、汗、蒸れが生じることを抑制することができる。
また、側顔部と、支持部材10との接触部分が少なくなることから、頭部装着具の装着時の圧迫感が軽減され、極めて快適な装着感が得られる。
【0049】
次に、本実施形態に係る支持部材を用いたテンプル部への取り付け方法について説明する。
第1実施形態に係る支持部材10の取り付け方法においては、支持部材10自体がテンプル部Tに取り付けられる。
【0050】
図3は、本実施形態に係る支持部材を取り付けた眼鏡を装着者が装着した状態を示す側面図である。
図3に示すように、支持部材10は、例えば、頭部装着具である眼鏡Gのテンプル部Tに取り付けて用いられる。
眼鏡Gは、一対のレンズを有するフロント部Fと、フロント部Fの両端それぞれに取り付けられた後方に延びるテンプル部Tとを有している。なお、テンプル部Tは、上面視で、直線状であってもよく、頭部側に緩やかに屈曲した曲線状であってもよい。
【0051】
支持部材10は、テンプル部Tの後端側から、芯部1の中空部1aにテンプル部Tを通し、前方にスライドさせて圧入することにより取り付けられる。なお、支持部材10は、テンプル部Tに対して着脱自在である。
【0052】
ここで、テンプル部Tは、その断面形状が、支持部材10の中空部1aと同じ矩形状となっている。このため、テンプル部Tをスムーズに中空部1aに挿入することが可能となっている。
また、テンプル部Tの断面形状が矩形状であるため、装着時に、支持部材10が、芯部1を軸とする周方向に回転してしまうことを防止することができる。
【0053】
眼鏡Gは、鼻パッドを有していないものの、支持部材10を取り付けることにより頭部で支持することができる。
このとき、支持部材10は、下翼部3が装着者の頬骨弓Yに当接される位置に取り付けることが好ましい。この場合、支持部材10が安定すると共に、眼鏡の重量を頬骨弓Yが受け止めることになるので、眼鏡の重量負荷を感じ難くなる。
【0054】
第2実施形態に係る支持部材10の取り付け方法においては、芯部1を切断することにより支持部材10を分離した複数の支持部材片として、これらが、テンプル部Tに取り付けられる。
【0055】
図4は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、支持部材10を用いた頭部装着具のテンプル部への取り付け方法は、芯部1を切断して複数の支持部材片10aとする第1ステップS1と、当該支持部材片10aをテンプル部に取り付ける第2ステップS2と、を有する。
これにより、頭部の形状に応じた最適な位置に、支持部材片10aを配置させることができる。その結果、少ない枚数であっても頭部装着具を支持でき、且つ、装着者の頭部にフィットさせることができる。また、頭部装着具の軽量化も図れる。
【0056】
図5は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法の第1ステップを説明するための側面図である。
図5に示すように、第1ステップS1においては、芯部1を切断して複数の支持部材片10aとする。
ここで、芯部1を切断する位置は、特に限定されないが、上切欠き部2bと、それに対向する下切り欠き部3bとの間であると切断し易い。なお、上切欠き部2bと、それに対向する下切り欠き部3bとの間となる箇所は、芯部1には複数存在するが、それらのうち、任意の位置を切断すればよい。
例えば、図5においては、最前の切り欠き同士の間の芯部1と、前から3つめの切り欠き同士の間の芯部1とを切断している。
これにより、上下に6個ずつの翼があった支持部材は、上下に1個の翼がある第1支持部材片10a1と、上下に2個の翼がある第2支持部材片10a2と、上下に2個の翼がある第3支持部材片10a3と、上下に1個の翼がある第4支持部材片10a4とに分けられる。
【0057】
そして、第2ステップS2においては、複数の支持部材片10aのうち、任意の数の支持部材片10aをテンプル部に取り付ける。
図6(a)~(d)は、第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法において、支持部材片をテンプル部に取り付けた例を示す側面図である。
第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法においては、例えば、図6(a)に示すように、第1支持部材片10a1がテンプル部に取り付けられる。
また、例えば、図6(b)に示すように、第2支持部材片10a2がテンプル部に取り付けられる。
また、例えば、図6(c)に示すように、第3支持部材片10a3及び第4支持部材片10a4が直列に配置されるようにテンプル部に取り付けられる。
これらの場合、第1支持部材片10a1、第2支持部材片10a2、第3支持部材片10a3又は第4支持部材片10a4の下翼片3aは、いずれも、装着者の頬骨弓Yに当接される位置に取り付けることが好ましい。
【0058】
また、例えば、図6(d)に示すように、第2支持部材片10a2及び第4支持部材片10a4が直列に配置されるようにテンプル部に取り付けられる。
そして、前側の第2支持部材片10a2を、その下翼片3aが頬骨弓に当接する位置に取り付け、後側の第4支持部材片10a4を、その下翼片3aが装着者の耳の後方に当接する位置に取り付けられる。これにより、支持部材片10aに付与される眼鏡の重量負荷のバランスが優れるものとなる。
【0059】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0060】
本実施形態に係る支持部材10は、芯部1、上翼部2及び下翼部3が一体となっているが、別体であってもよい。但し、少なくとも下翼部3は、可撓性を有するものが用いられる。
【0061】
本実施形態に係る支持部材10において、中空部1aの断面形状は、矩形状となっているが、これに限定されない。
例えば、丸状、楕円形状、多角形状、星形等であってもよい。
中空部1aに挿入されるテンプル部の断面形状についても同様である。
【0062】
本実施形態に係る支持部材10において、上翼部2は、芯部1の上端から内側の略水平方向に向けて突出しているが、内側の斜め上方に向けて突出していてもよい。すなわち、上翼部は、芯部1から内側の斜め上後方に向けて突出していてもよい。
図7の(a)は、他の第1実施形態に係る支持部材を示す側面図であり、図7の(b)は、図7の(a)に示す支持部材の正面図である。
図7の(a)及び(b)に示すように、他の第1実施形態に係る支持部材11においては、上翼部21は、芯部1の上端に設けられ、当該芯部1から内側の斜め上方に向けて突出しており(図7の(b)参照)、且つ、後方に向けて突出している(図7の(a)参照)。すなわち、上翼部21は、芯部1から内側の斜め上後方に向けて突出している。
一方、下翼部31は、芯部1の下端に設けられ、当該芯部1から内側の斜め下方に向けて突出しており(図7の(b)参照)、且つ、後方に向けて突出している(図7の(a)参照)。すなわち、下翼部31は、芯部1から内側の斜め下後方に向けて突出している。
この場合、上翼部21は、可撓性を有するものが用いられ、側顔部に当接される際には、面接触することになる。
【0063】
図8の(a)は、他の第2実施形態に係る支持部材を示す側面図であり、図8の(b)は、図8の(a)に示す支持部材の正面図である。
図8の(a)及び(b)に示すように、他の第2実施形態に係る支持部材12においては、下翼片3a1内側面に、複数の溝部32を有していてもよい。この場合、下翼片3a1が屈曲しやすい、滑り止めになる、下翼片3a1が長過ぎる場合に切断する目安にすることができる等の利点がある。
【0064】
本実施形態に係る支持部材10は、上面視で平行四辺形状の上翼片2a及び下翼片3aを有しているが、これらの形状はこれに限定されない。
図9の(a)は、他の第3実施形態に係る支持部材を示す側面図であり、図9の(b)は、他の第4実施形態に係る支持部材を示す側面図である。
図9の(a)に示すように、他の第3実施形態に係る支持部材13においては、下翼片3a2の両側に横向きの横切欠き部3b1が設けられている。この場合、下翼片3a2が屈曲しやすい、下翼片3a2が長過ぎる場合に切断する目安にすることができる等の利点がある。
図9の(b)に示すように、他の第4実施形態に係る支持部材14においては、下翼片3a3が上面視でL字状となっている。この場合、下翼片3a3の下辺がより屈曲しやすいため側顔部にフィットし易いという利点がある。
【0065】
本実施形態に係る支持部材10において、上翼部2及び下翼部3を、後方に向けて突出させているが、必須ではない。
【0066】
本実施形態に係る支持部材10においては、上翼部2が6個の上翼部2aを有し、下翼部3が6個の下翼部3aを有しているが、個数はこれに限定されない。
【0067】
本実施形態に係る支持部材10において、上翼部2及び下翼部3は、互いに同じ形状であってもよい。すなわち、上翼部2及び下翼部3は、芯部1に対して上下対称な形状であってもよい。
【0068】
本実施形態に係る支持部材10において、上翼部2は上切欠き部2bを有し、下翼部3は下切欠き部3bを有しているが、必須ではない。なお、切欠き部を有さない場合においては、例えば、翼部の突出方向に溝を設けてもよい。
また、上切欠き部2b及び下切欠き部3bの形状も、翼部の突出方向に切り欠かれたものに限定されない。
【0069】
本実施形態に係る支持部材10においては、上切欠き部2bと、下切り欠き部3bとが、互いに対向する位置となるように芯部1に設けられているが、互い違いとなるように芯部1に設けられていてもよい。
【0070】
本実施形態に係る支持部材10においては、頭部装着具である眼鏡Gのテンプル部Tに取り付けて用いた例を示しているが(図3参照)頭部装着具として、フェイスシールドに取り付けて用いてもよい。なお、支持部材片10aをフェイスシールドに取り付けた例については後述する。
【0071】
第2実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法においては、上下に6個ずつの翼があった支持部材10を、上下に1個の翼がある第1支持部材片10a1と、上下に2個の翼がある第2支持部材片10a2と、上下に2個の翼がある第3支持部材片10a3と、上下に1個の翼がある第4支持部材片10a4とに分けているが、分け方はこれに限定されない。
例えば、支持部材10を6分割し、すなわち、6個の上下に1個の翼がある第5支持部材片10a5とし、その中から選択的に用いてもよい。
【0072】
図10は、他の実施形態に係る支持部材のテンプル部への取り付け方法において、第5支持部材片を取り付けたフェイスシールドを装着者が装着した状態を示す側面図である。
図10に示すように、例えば、第5支持部材10a5は、頭部装着具であるフェイスシールドFSのテンプル部T1に取り付けて用いられる。
フェイスシールドFSは、透明なプラスチックシートからなるフロント部F1と、フロント部F1の両端それぞれから後方に延びるテンプル部T1とを有している。なお、フェイスシールドを装着者が装着すると、装着者の顔面をシールドすることが可能となる。その結果、装着者の飛沫が飛散することや、飛散した飛沫が装着者の顔面に付着することを抑制することができる。テンプル部T1は、上面視で、直線状であってもよく、頭部側に緩やかに屈曲した曲線状であってもよい。
なお、フェイスシールドFSのテンプル部T1への第5支持部材片10a5の取り付けは、上述した、眼鏡Gのテンプル部Tへの支持部材10又は支持部材片10a1~10a4の取り付けと同じであるので説明を省略する。また、フェイスシールドFSのテンプル部T1についても眼鏡Gのテンプル部Tと同じであるので説明を省略する。
【0073】
本実施形態に係る支持部材10においては、芯部1を軸とする周方向に回転してしまうことを防止しているが、敢えて適度に回旋させて、上翼部2及び下翼部3を側顔部の形状にフィットさせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の支持部材及びそれを用いた頭部装着具のテンプル部への取り付け方法は、眼鏡、フェイスシールド等の頭部装着具のテンプル部に取り付けて用いられる。すなわち、頭部装着具を頭部で支持するために用いられる。
なお、支持部材が取り付けられた眼鏡は、近視用、遠視用、老視用、乱視用、ファッション用、スマートグラス用、頭部装着型ウェアラブルデバイス用等の眼鏡として用いることができ、支持部材が取り付けられたフェイスシールドは、飛散した飛沫が顔面に付着すること、若しくは、自分の飛沫が飛散することを防止するためのシールドとして用いることができる。
本発明の支持部材及びそれを用いた頭部装着具のテンプル部への取り付け方法によれば、テンプル部に取り付けて用いることにより、側顔部に付与される押圧力を極力低減させることができると共に、頭部装着具のずれを抑制し、フィット感にも優れるものとなる。
【符号の説明】
【0075】
1・・・芯部
10,11,12,13,14・・・支持部材
10a・・・支持部材片
10a1・・・第1支持部材片(支持部材片)
10a2・・・第2支持部材片(支持部材片)
10a3・・・第3支持部材片(支持部材片)
10a4・・・第4支持部材片(支持部材片)
10a5・・・第5支持部材片(支持部材片)
1a・・・中空部
2,21・・・上翼部
2a・・・上翼片
2b・・・上切欠き部
3,31・・・下翼部
32・・・溝部
3a,3a1,3a2,3a3・・・下翼片
3b・・・下切欠き部
3b1・・・横切欠き部
5・・・空隙部
F,F1・・・フロント部
FS・・・フェイスシールド
G・・・眼鏡
H1,H2・・・長さ
S1・・・第1ステップ
S2・・・第2ステップ
T,T1・・・テンプル部
Y・・・頬骨弓
図1
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図6(d)】
図7
図8
図9
図10