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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020503
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】半導体レーザおよび半導体レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/042 20060101AFI20220125BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20220125BHJP
   H01S 5/22 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
H01S5/042 612
H01S5/022
H01S5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124038
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】菊地 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】我妻 新一
(72)【発明者】
【氏名】太田 誠
(72)【発明者】
【氏名】水野 崇
(72)【発明者】
【氏名】宮原 宏之
(72)【発明者】
【氏名】仲山 英次
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AA08
5F173AA16
5F173AH22
5F173AK08
5F173AK14
5F173AK20
5F173AK23
5F173AL04
5F173AL05
5F173AL10
5F173AL21
5F173AP71
5F173AR96
5F173MC04
5F173MD85
(57)【要約】
【課題】半田に起因する長期信頼性の低下を抑制することの可能な半導体レーザおよび半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る半導体レーザは、第1導電型の第1半導体層と、活性層と、活性層を介して第1半導体層上に積層され、帯状のリッジ部が設けられた第2導電型の第2半導体層とを備えている。この半導体レーザは、リッジ部を介して互いに対向配置された一対の共振器端面と、リッジ部の上面と電気的に接続された電極層とを更に備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の第1半導体層と、
活性層と、
前記活性層を介して前記第1半導体層上に積層され、帯状のリッジ部が設けられた第2導電型の第2半導体層と、
前記リッジ部を介して互いに対向配置された一対の共振器端面と、
前記リッジ部の上面と電気的に接続された電極層と
を備え、
前記電極層は、
前記一対の共振器端面の間の領域であって、かつ前記一対の共振器端面から離れて形成された第1金属層と、
前記第1金属層の表面全体を覆い、前記第1金属層への、半田の成分の拡散を抑制する第2金属層と
を前記リッジ部側からこの順に有する
半導体レーザ。
【請求項2】
前記第1金属層は、Au層を含み、
前記第2金属層は、Sn系の半田に対して濡れ性を有しないメタル層を含む
請求項1に記載の半導体レーザ。
【請求項3】
前記電極層は、前記第2金属層の表面に接して形成されるとともに、前記一対の共振器端面から離れて形成された第3金属層を更に有する
請求項1に記載の半導体レーザ。
【請求項4】
前記第3金属層は、Au層を含む
請求項3に記載の半導体レーザ。
【請求項5】
半導体レーザと、
半田を介して前記半導体レーザと電気的に接続された接続パッドと
を備え、
前記半導体レーザは、
第1導電型の第1半導体層と、
活性層と、
前記活性層を介して前記第1半導体層上に積層され、帯状のリッジ部が設けられた第2導電型の第2半導体層と、
前記リッジ部を介して互いに対向配置された一対の共振器端面と、
前記リッジ部の上面と電気的に接続された電極層と
を有し、
前記電極層は、
前記一対の共振器端面の間の領域であって、かつ前記一対の共振器端面から離れて形成された第1金属層と、
前記第1金属層の表面全体を覆い、前記第1金属層への、半田の成分の拡散を抑制する第2金属層と
を前記リッジ部側からこの順に有する
半導体レーザ装置。
【請求項6】
前記電極層は、前記第2金属層の表面に接して形成されるとともに、前記一対の共振器端面から離れて形成された第3金属層を更に有し、
前記第3金属層は、前記半田に接している
請求項5に記載の半導体レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体レーザおよび半導体レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
端面出射型の半導体レーザについては、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-10509号公報
【特許文献2】特開2009-94360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端面出射型の半導体レーザでは、発熱による出力低下を抑制するために、半導体レーザが半田によってヒートシンク等の排熱部材に固定される。このとき、半田の成分が半導体レーザの電極層内に拡散し、半導体レーザの長期信頼性が低下することがあった。従って、半田に起因する長期信頼性の低下を抑制することの可能な半導体レーザおよび半導体レーザ装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る半導体レーザは、第1導電型の第1半導体層と、活性層と、活性層を介して第1半導体層上に積層され、帯状のリッジ部が設けられた第2導電型の第2半導体層とを備えている。この半導体レーザは、リッジ部を介して互いに対向配置された一対の共振器端面と、リッジ部の上面と電気的に接続された電極層とを更に備えている。
【0006】
本開示の一実施形態に係る半導体レーザ装置は、半導体レーザと、半田を介して半導体レーザと電気的に接続された接続パッドとを備えている。半導体レーザは、上記の半導体レーザと同一の構成となっている。
【0007】
本開示の一実施形態に係る半導体レーザおよび半導体レーザ装置では、リッジ部の上面と電気的に接続された電極層が第1金属層および第2金属層を含んで構成されている。ここで、第1金属層は、相対的にリッジ部側に形成され、一対の共振器端面の間の領域であって、かつ一対の共振器端面から離れて形成されている。第2金属層は、第1金属層の表面全体を覆い、第1金属層への、半田の成分の拡散を抑制する。これにより、第1金属層の端部が共振器端面もしくは共振器端面の近接して設けられ、第2金属層に覆われていない場合と比べて、第1金属層への、半田の成分の拡散が効果的に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1の実施形態に係る半導体レーザの斜視構成例を表す図である。
図2図1の半導体レーザのA-A線での断面構成例を表す図である。
図3図1の半導体レーザのB-B線での断面構成例を表す図である。
図4図1の半導体レーザのC-C線での断面構成例を表す図である。
図5A図1の半導体レーザの製造方法の一例を表す図である。
図5B図5AのA-A線での断面構成例を表す図である。
図5C図5AのB-B線での断面構成例を表す図である。
図5D図5AのC-C線での断面構成例を表す図である。
図6A図5Aに続く製造過程の一例を表す図である。
図6B図6AのA-A線での断面構成例を表す図である。
図6C図6AのB-B線での断面構成例を表す図である。
図6D図6AのC-C線での断面構成例を表す図である。
図7A図6Aに続く製造過程の一例を表す図である。
図7B図7AのA-A線での断面構成例を表す図である。
図7C図7AのB-B線での断面構成例を表す図である。
図7D図7AのC-C線での断面構成例を表す図である。
図8A図7Aに続く製造過程の一例を表す図である。
図8B図8AのA-A線での断面構成例を表す図である。
図8C図8AのB-B線での断面構成例を表す図である。
図8D図8AのC-C線での断面構成例を表す図である。
図9図4の半導体レーザの一変形例を表す図である。
図10図4の半導体レーザの一変形例を表す図である。
図11図4の半導体レーザの一変形例を表す図である。
図12図4の半導体レーザの一変形例を表す図である。
図13図1の半導体レーザの一変形例を表す図である。
図14図13の半導体レーザのA-A線での断面構成例を表す図である。
図15図13の半導体レーザのB-B線での断面構成例を表す図である。
図16図13の半導体レーザのC-C線での断面構成例を表す図である。
図17】本開示の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の斜視構成例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。なお、説明は、以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(半導体レーザ)
2.変形例(半導体レーザ)
3.第2の実施の形態(半導体レーザ装置)
【0010】
<1.第1の実施の形態>
[構成]
本開示の第1の実施の形態に係る半導体レーザ1について説明する。図1は、本実施の形態に係る半導体レーザ1の斜視構成例を表したものである。
【0011】
半導体レーザ1は、後述の半導体層20を共振器方向から一対の共振器端面S1,S2によって挟み込んだ構造となっている。つまり、一対の共振器端面S1,S2は、後述のリッジ部20を介して互いに対向配置されている。共振器端面S1は、レーザ光が外部に出射される前端面となっており、共振器端面S2は、共振器端面S1と対向配置された後端面となっている。従って、半導体レーザ1は、いわゆる端面出射型の半導体レーザの一種である。
【0012】
半導体レーザ1(半導体層20)は、共振器方向において互いに対向する共振器端面S1,S2と、共振器端面S1および共振器端面S2の間に挟まれた凸形状のリッジ部20Aとを備えている。つまり、一対の共振器端面S1,S2は、リッジ部20Aを介して互いに対向配置されている。リッジ部20Aは、共振器方向に延在する帯状の形状となっている。リッジ部20Aは、例えば、後述のコンタクト層26の表面から後述の第1上部クラッド層25の中途にかけてエッチング除去がなされることにより形成される。つまり、リッジ部20Aの両脇には、第1上部クラッド層25の一部が形成されている。
【0013】
リッジ部20Aの幅(共振器方向と直交する方向の長さ)は、例えば、0.5μm以上100μm以下となっており、例えば、40μmとなっている。リッジ部20Aの、共振器方向の長さは、例えば、50μm以上3000μm以下となっており、例えば、1200μmとなっている。以下では、幅は、共振器方向と交差する方向の長さを指すものとする。また、共振器方向と交差する方向を「幅方向」と称するものとする。
【0014】
リッジ部20Aの一方の端面が、共振器端面S1に露出しており、リッジ部20Aの他方の端面が、共振器端面S2に露出している。共振器端面S1,S2は、へき開によって形成された面である。共振器端面S1,S2は、共振器ミラーとして機能し、リッジ部20Aは、光導波路として機能する。共振器端面S1には、例えば、共振器端面S1での反射率が15%程度となるように構成された反射防止膜が設けられていてもよい。共振器端面S2には、例えば、共振器端面S2での反射率が85%程度となるように構成された多層反射膜が設けられていてもよい。半導体レーザ1(半導体層20)は、さらに、幅方向において互いに対向する一対の端面を有している。この一対の端面は、ダイシングによる割断によって形成された面である。
【0015】
半導体層20の上面であって、かつリッジ部20Aの上面を除いた部分には、絶縁層50が形成されている。絶縁層50は、半導体層20を保護するとともに、半導体層20に電流を注入する領域(つまり、半導体層20と上部電極層30とが互いに接する領域)を規定する。絶縁層50は、例えば、厚さ10nm~500nmのSiO2層やSiN層などによって構成されている。
【0016】
図2は、図1の半導体レーザ1のA-A線での断面構成例を表したものである。図3は、図1の半導体レーザ1のB-B線での断面構成例を表したものである。図4は、図1の半導体レーザ1のC-C線での断面構成例を表したものである。図2図3には、半導体レーザ1の横方向の断面構成例が表されている。図4には、半導体レーザ1の共振器方向の一部(具体的には共振器端面S1付近)の断面構成例が表されている。
【0017】
半導体レーザ1は、基板10上に半導体層20を備えたものである。半導体層20は、例えば、下部クラッド層21、下部ガイド層22、活性層23、上部ガイド層24、第1上部クラッド層25、コンタクト層26および第2上部クラッド層27を基板10側からこの順に有している。上部ガイド層24、第1上部クラッド層25、コンタクト層26および第2上部クラッド層27は、活性層23を介して、下部ガイド層22上に積層されている。半導体層20には、上記した層以外の層(例えばバッファ層など)が更に設けられていてもよい。また、半導体層20において、例えば、第2上部クラッド層27などが省略されてもよい。
【0018】
基板10は、例えば、活性層23などをエピタキシャル結晶成長させる際に用いられた結晶成長基板である。基板10、下部クラッド層21、下部ガイド層22、活性層23、上部ガイド層24、第1上部クラッド層25およびコンタクト層26は、例えば、窒化ガリウム系の半導体によって構成されている。基板10は、例えば、GaN基板である。下部クラッド層21、下部ガイド層22、活性層23、上部ガイド層24、第1上部クラッド層25およびコンタクト層26は、例えば、GaN、AlGaN、AlInN、GaInN、AlGaInNなどによって構成されている。
【0019】
下部クラッド層21および下部ガイド層22には、例えば、n型不純物として、例えば、シリコン(Si)などが含まれている。つまり、下部クラッド層21および下部ガイド層22は、n型半導体層である。上部ガイド層24、第1上部クラッド層25およびコンタクト層26には、例えば、p型不純物として、例えば、マグネシウム(Mg)や亜鉛(Zn)などが含まれている。つまり、上部ガイド層24、第1上部クラッド層25およびコンタクト層26は、p型半導体層である。活性層23は、例えば、量子井戸構造を有している。量子井戸構造の種類としては、例えば、単一量子井戸構造(QW構造)、または、多重量子井戸構造(MQW構造)が挙げられる。量子井戸構造は、井戸層および障壁層を交互に積層させた構造となっている。井戸層および障壁層の組合せとしては、例えば、(InyGa(1-y)N,GaN)、(InyGa(1-y)N,InzGa(1-z)N)[但し、y>z]、(InyGa(1-y)N,AlGaN)などが挙げられる。
【0020】
第2上部クラッド層27は、リッジ部20Aの頂部(具体的にはコンタクト層26)に接して形成されている。第2上部クラッド層27は、例えば、透明導電材料で形成されている。透明導電材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、ITiO(Indium Titanium Oxide)、AZO(Al23-ZnO)、IGZO(InGaZnOx)などが挙げられる。これらの透明導電材料では、導電性がリッジ部20Aを構成する各半導体層の導電性よりも高く、しかも、屈折率がリッジ部20Aを構成する各半導体層の屈折率よりも高い。そのため、第2上部クラッド層27として透明導電材料を用い、リッジ部20Aを低く形成することにより、半導体レーザ1の駆動電圧を低減することができ、しかも、積層方向における光閉じ込め性を向上させることができる。
【0021】
半導体レーザ1は、さらに、半導体層20の上面側に上部電極層30を備えており、半導体層20の裏面側に下部電極層40を備えている。
【0022】
上部電極層30は、リッジ部20A上に形成されており、リッジ部20Aの上面と電気的に接続されている。上部電極層30は、リッジ部20Aの上面(具体的にはコンタクト層26)に接して形成された第2上部クラッド層27を介して、リッジ部20A上に形成されており、コンタクト層26に電気的に接続されている。上部電極層30は、例えば、パッドメタル31、バリアメタル32およびボンディングメタル33をリッジ部20A側からこの順に有している。
【0023】
パッドメタル31は、外部から供給された電流をリッジ部20Aに注入するための金属層である。パッドメタル31は、例えば、Ti層、Pt層、Au層がリッジ部20Aに近い側からこの順に積層された構成となっている。Ti層の厚さは、例えば、2nm以上100nm以下となっている。Pt層の厚さは、例えば、10nm以上300nm以下となっている。Au層の厚さは、例えば、10nm以上3000nm以下となっている。パッドメタル31は、リッジ部20Aの上面と電気的に接続されていればよく、その層構成は上記の構成に限らない。
【0024】
パッドメタル31は、第2上部クラッド層27に接しており、第2上部クラッド層27を介してリッジ部20Aの上面(具体的にはコンタクト層26)と電気的に接続されている。パッドメタル31は、共振器端面S1と共振器端面S2との間に形成されており、具体的には、共振器端面S1と共振器端面S2との間の領域であって、かつ共振器端面S1,S2から所定の間隙だけ離れた領域に形成されている。つまり、共振器端面S1を含む所定の領域(端部領域Re1)内と、共振器端面S2を含む所定の領域(端部領域Re2)内とには、パッドメタル31は形成されていない。以下では、共振器端面S1と共振器端面S2との間の領域であって、かつパッドメタル31が形成されていない領域を端部領域Re1,Re2と称するものとする。
【0025】
端部領域Re1または端部領域Re2の、共振器方向の長さは、例えば、0.5μm以上、100μm以下となっている。パッドメタル31の幅は、第2上部クラッド層27の幅と略等しいか、または第2上部クラッド層27の幅よりも広くなっており、例えば、5μm以上、100μm以下となっている。このように、パッドメタル31が共振器端面S1,S2から十分に離れて配置されていることにより、パッドメタル31が共振器端面S1,S2からはみ出したり、共振器端面S1,S2に触れたりするのが防止される。また、パッドメタル31が端部領域Re1,Re2にも形成されている場合と比べて、パッドメタル31を介したリッジ部20Aへの応力が低減される。
【0026】
バリアメタル32は、半田の成分(例えば、スズ(Sn))がエレクトロマイグレーションにより、ボンディングメタル33側からパッドメタル31側に拡散するのを抑制するための金属層である。半田の成分(例えば、スズ(Sn))がパッドメタル31に拡散し続けると、パッドメタル31の端部が突然劣化することがある。このようなパッドメタル31の突然の劣化は半導体レーザ1の長期信頼性を損なう。従って、バリアメタル32は、半導体レーザ1の長期信頼性を確保するための層である。
【0027】
バリアメタル32は、例えば、Ti層、Pt層がリッジ部20Aに近い側からこの順に積層された構成となっており、Sn系の半田に対して濡れ性を有しないメタル層を含んで構成されている。Ti層の厚さは、例えば、2nm以上500nm以下となっている。Pt層の厚さは、例えば、2nm以上100nm以下となっている。パッドメタル31は、半田の成分(例えば、スズ(Sn))がボンディングメタル33側からパッドメタル31側に拡散するのを抑制することの可能な構成となっていればよく、その層構成は上記の構成に限らない。バリアメタル32の最表面(ボンディングメタル33側の表面)は、Sn系の半田に対して濡れ性を有しないメタル(たとえば、Ti、Pt、AlもしくはNi)によって構成されていることが好ましい。
【0028】
バリアメタル32は、パッドメタル31を覆うように形成されている。具体的には、バリアメタル32は、パッドメタル31の、共振器方向の両端部と、パッドメタル31の形成面(例えば、絶縁層50)のうち、少なくともパッドメタル31の端部近傍を覆っている。これにより、パッドメタル31とボンディングメタル33とが直接接することが防止される。
【0029】
ボンディングメタル33は、例えば、半田を接触させる金属層である。ボンディングメタル33は、例えば、Ti層、Au層がリッジ部20Aに近い側からこの順に積層された構成となっている。Ti層の厚さは、例えば、2nm以上500nm以下となっている。Au層の厚さは、例えば、10nm以上1000nm以下となっている。ボンディングメタル33の最表面は、Sn系の半田に対して濡れ性を有するメタル(たとえば、Au、AgもしくはPd)によって構成されていることが好ましい。
【0030】
ボンディングメタル33は、バリアメタル32の表面に接して形成されている。ボンディングメタル33は、共振器端面S1と共振器端面S2との間に形成されており、具体的には、共振器端面S1と共振器端面S2との間の領域であって、かつ共振器端面S1,S2から所定の間隙だけ離れた領域に形成されている。つまり、共振器端面S1を含む所定の領域(端部領域Re1)内と、共振器端面S2を含む所定の領域(端部領域Re2)内とには、ボンディングメタル33は形成されていない。このように、ボンディングメタル33が共振器端面S1,S2から十分に離れて配置されていることにより、ボンディングメタル33が共振器端面S1,S2からはみ出したり、共振器端面S1,S2に触れたりするのが防止される。また、ボンディングメタル33が端部領域Re1,Re2にも形成されている場合と比べて、ボンディングメタル33を介したリッジ部20Aへの応力が低減される。
【0031】
下部電極層40は、例えば、基板10の裏面に接して形成されている。下部電極層40は、例えば、Ti層、Al層が基板10に近い側からこの順に積層された構成となっている。下部電極層40は、基板10と電気的に接続されていればよく、その層構成は上記の構成に限らない。また、下部電極層40は、基板10の裏面全体と接触していてもよいし、基板10の裏面の一部とだけ接していてもよい。
【0032】
[製造方法]
次に、図5A図8Dを参考にして、半導体レーザ1の製造方法について説明する。図5Aは、半導体レーザ1の製造過程におけるウェハの一部の平面構成例を表したものである。図5Bは、図5AのA-A線での断面構成例を表したものである。図5Cは、図5AのB-B線での断面構成例を表したものである。図5Dは、図5AのC-C線での断面構成例を表したものである。図6Aは、図5Aに続く製造過程の一例を表したものである。図6Bは、図6AのA-A線での断面構成例を表したものである。図6Cは、図6AのB-B線での断面構成例を表したものである。図6Dは、図6AのC-C線での断面構成例を表したものである。図7Aは、図6Aに続く製造過程の一例を表したものである。図7Bは、図7AのA-A線での断面構成例を表したものである。図7Cは、図7AのB-B線での断面構成例を表したものである。図7Dは、図7AのC-C線での断面構成例を表したものである。図8Aは、図7Aに続く製造過程の一例を表したものである。図8Bは、図8AのA-A線での断面構成例を表したものである。図8Cは、図8AのB-B線での断面構成例を表したものである。図8Dは、図8AのC-C線での断面構成例を表したものである。なお、図5A図5B図6A図6B図7A図7B図8A図8Bにおいて、両側面は、ウェハに対してへき開をすることになる箇所に対応している。
【0033】
半導体レーザ1を製造するためには、GaNよりなる基板10上に、化合物半導体を、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition :有機金属気相成長)法などのエピタキシャル結晶成長法により一括に形成する。この際、化合物半導体の原料としては、例えば、ガリウムの原料ガスとして例えばトリメチルガリウム((CH33Ga)を、アルミニウムの原料ガスとして例えばトリメチルアルミニウム((CH33Al)を、インジウムの原料ガスとして例えばトリメチルインジウム((CH33In)をそれぞれ用いる。また、窒素の原料ガスとしてアンモニア(NH3)を用いる。また、ケイ素の原料ガスとして例えばモノシラン(SiH4)を、マグネシウムの原料ガスとして例えばビス=シクロペンタジエニルマグネシウム((C552Mg)をそれぞれ用いる。これにより、基板10上に、下部クラッド層21~コンタクト層26を形成する。
【0034】
次に、コンタクト層26上に、第2上部クラッド層27を形成する領域を開口部としたレジストコート膜を形成し、第2上部クラッド層27を例えば、真空蒸着法やスパッタ法により形成する。続いて、例えばRIE法により、少なくとも第2上部クラッド層27、コンタクト層26および第1上部クラッド層25の一部をエッチングにより除去する。これにより、リッジ部20Aを形成するとともに、リッジ部20A上に第2上部クラッド層27を形成する。続いて、第2上部クラッド層27を含む表面全体に、例えば真空蒸着法やスパッタ法を用いて絶縁層を形成した後、例えばRIE法やフッ化水素を含む溶液を用いたパターニングにより、第2上部クラッド層27と対向する箇所に開口部を有する絶縁層50を形成する(図5A図5D)。
【0035】
次に、第2上部クラッド層27および絶縁層50の表面上に、例えば真空蒸着法やスパッタ法により、パッドメタル31を形成するためのメタル層を形成した後、例えばリフトオフ法を行うことにより、パッドメタル31を形成する(図6A図6D)。このとき、パッドメタル31を、共振器端面S1と共振器端面S2との間の領域であって、かつ共振器端面S1,S2から所定の間隙だけ離れた領域に形成する。なお、リフトオフ法の代わりに、RIE法やミリング法を用いて、パッドメタル31を形成してもよい。
【0036】
次に、パッドメタル31を含む表面上に、例えば真空蒸着法やスパッタ法により、バリアメタル32を形成するためのメタル層を形成した後、例えばリフトオフ法を行うことにより、バリアメタル32を形成する(図7A図7D)。このとき、パッドメタル31を覆うようにバリアメタル32を形成する。なお、リフトオフ法の代わりに、RIE法やミリング法を用いて、バリアメタル32を形成してもよい。
【0037】
次に、バリアメタル32の表面上に、例えば真空蒸着法やスパッタ法により、ボンディングメタル33を形成するためのメタル層を形成した後、例えばリフトオフ法を行うことにより、ボンディングメタル33を形成する(図8A図8D)。このとき、ボンディングメタル33を、共振器端面S1と共振器端面S2との間の領域であって、かつ共振器端面S1,S2から所定の間隙だけ離れた領域に形成する。なお、リフトオフ法の代わりに、RIE法やミリング法を用いて、ボンディングメタル33を形成してもよい。
【0038】
次に、基板10の裏面上に、例えば真空蒸着法やスパッタ法により、下部電極層40を形成するためのメタル層を形成した後、例えばリフトオフ法により、下部電極層40を形成する。次に、基板10をバー状に切り出し、必要に応じて、露出した端面部に反射率を制御するためのコーティング膜を形成する。さらに、バー状に切断された基板10から素子を切り出し、チップ化することで、半導体レーザ1が作製される。
【0039】
[動作]
このような構成の半導体レーザ1では、上部電極層30と下部電極層40との間に所定の電圧が印加されると、リッジ部20Aを通して活性層23に電流が注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この光は、一対の共振器端面S1,S2により反射されるとともに、下部クラッド層21、第1上部クラッド層25および第2上部クラッド層27によって閉じ込められることにより、所定の発振波長でレーザ発振が生じる。このとき、半導体層20内には、発振したレーザ光が導波する光導波領域が形成される。光導波領域は、活性層23を中心としたリッジ部20Aの直下の領域に生成される。そして、一方の共振器端面S1から所定の発振波長のレーザ光が外部に出射される。
【0040】
[効果]
次に、半導体レーザ1の効果について説明する。
【0041】
端面出射型の半導体レーザでは、発熱による出力低下を抑制するために、半導体レーザが半田によってヒートシンク等の排熱部材に固定される。このとき、半田の成分が半導体レーザの電極層内に拡散し、半導体レーザの長期信頼性が低下することがあった。
【0042】
一方、本実施の形態では、リッジ部20Aの上面(具体的にはコンタクト層26)と電気的に接続された上部電極層30がパッドメタル31およびバリアメタル32を含んで構成されている。ここで、パッドメタル31は、相対的にリッジ部20A側に形成され、一対の共振器端面S1,S2の間の領域であって、かつ一対の共振器端面S1,S2から離れて形成されている。さらに、バリアメタル32によってパッドメタル31の表面全体が覆われ、パッドメタル31への、半田の成分の拡散が抑制される。これにより、パッドメタル31の端部が共振器端面S1,S2に近接して設けられ、バリアメタル32に覆われていない場合と比べて、パッドメタル31への、半田の成分の拡散を効果的に抑制することができる。その結果、半田に起因する長期信頼性の低下を抑制することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、パッドメタル31がAu層を含み、バリアメタル32がTi層を含み、Au層を含んでいない場合には、Au層が共振器端面S1,S2からはみ出したり、共振器端面S1,S2に接触したりするのを防止することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、上部電極層30がパッドメタル31およびバリアメタル32の他に、さらにボンディングメタル33を含んで構成されている。ここで、ボンディングメタル33は、バリアメタル32の表面に接して形成されるとともに、共振器端面S1,S2から離れて形成されている。これにより、ボンディングメタル33の端部が共振器端面S1,S2に近接して設けられている場合と比べて、パッドメタル31への、半田の成分の拡散を効果的に抑制することができる。その結果、半田に起因する長期信頼性の低下を抑制することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、ボンディングメタル33がAu層を含んでいる場合には、Au層が共振器端面S1,S2からはみ出したり、共振器端面S1,S2に接触したりするのを防止することができる。
【0046】
<2.変形例>
次に、上記実施の形態に係る半導体レーザ1の変形例について説明する。
【0047】
[変形例A]
図9は、図4の半導体レーザ1の一変形例を表したものである。上記実施の形態において、バリアメタル32の端部が、例えば、図9に示したように、共振器端部(共振器端面S1,S2近傍の部分)を覆っていなくてもよい。このようにした場合であっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0048】
[変形例B]
図10は、図4の半導体レーザ1の一変形例を表したものである。上記実施の形態において、例えば、図10に示したように、ボンディングメタル33が共振器端部(共振器端面S1,S2近傍の部分)を覆っていてもよい。このようにした場合であっても、パッドメタル31の端部が共振器端面S1,S2に近接して設けられ、バリアメタル32に覆われていない場合と比べて、パッドメタル31への、半田の成分の拡散を効果的に抑制することができる。その結果、半田に起因する長期信頼性の低下を抑制することができる。
【0049】
[変形例C]
図11は、図4の半導体レーザ1の一変形例を表したものである。上記実施の形態およびその変形例において、例えば、図11に示したように、第2上部クラッド層27と、パッドメタル31およびバリアメタル32との間に、アイソレーションメタル34が設けられていてもよい。アイソレーションメタル34は、第2上部クラッド層27とパッドメタル31およびバリアメタル32との接着強度を向上する効果がある。アイソレーションメタル34は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法によって形成される。アイソレーションメタル34を設けた場合には、パッドメタル31およびバリアメタル32が第2上部クラッド層27から剥がれることを抑制できる。
【0050】
[変形例D]
図12は、図4の半導体レーザ1の一変形例を表したものである。上記実施の形態およびその変形例において、例えば、図12に示したように、第2上部クラッド層27と、パッドメタル31およびバリアメタル32との間であって、かつ、端部領域Re1,Re2に絶縁膜60が設けられていてもよい。絶縁膜60は、例えば、SiO2層やSiN層などによって構成されている。これにより、共振器端面S1,S2の近傍において、電流が上部電極層30から半導体層20に直接、注入されないので、共振器端面S1,S2の近傍に電流が流れることによる発振の不安定化を抑制することができる。つまり、本変形例では、リッジ部20Aの両端部に、それぞれ、窓構造が設けられている。
【0051】
[変形例E]
図13は、図1の半導体レーザ1の一変形例を表したものである。図14は、図13の半導体レーザ1のA-A線での断面構成例を表したものである。図15は、図13の半導体レーザ1のB-B線での断面構成例を表したものである。図16は、図13の半導体レーザ1のC-C線での断面構成例を表したものである。
【0052】
上記実施の形態およびその変形例において、例えば、図13図15に示したように、リッジ部20Aの両脇にそれぞれ、リッジ部20Aを保護する台座部20Bが設けられていてもよい。台座部20Bは、例えば、図13図15に示したように、リッジ部20Aから第2上部クラッド層27が省略され、さらに、最表面が絶縁層50で覆われた構成となっていてよい。これにより、台座部20Bにおいて、上部電極層30から半導体層20に電流が流れるのを防止することができる。
【0053】
<3.第2の実施の形態>
[構成]
本開示の第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置2について説明する。図17は、本実施の形態に係る半導体レーザ装置2の断面構成例を表したものである。
【0054】
半導体レーザ装置2は、リッジ部20Aが設けられた半導体レーザ1と、サブマウント70と、円柱状リード80,90とを備えている。本実施の形態では、複数のリッジ部20Aが形成されている面を、サブマウント70側に向けて、半導体レーザ1がサブマウント70の上面に実装されている。つまり、半導体レーザ1は、ジャンクションダウンでサブマウント70の上面に実装されている。サブマウント70の上面には、接続パッド71が設けられている。
【0055】
半導体レーザ1の上部電極層30(具体的にはボンディングメタル33)は、半田72を介して、サブマウント70の接続パッド71と電気的に接続されている。ボンディングメタル33は、半田72に接している。接続パッド71は、ボンディングワイヤ91を介して円柱状リード90に電気的に接続されている。半導体レーザ1の下部電極層40は、ボンディングワイヤ81を介して、円柱状リード80と電気的に接続されている。ボンディングワイヤ91は、例えば、ボンディングワイヤ91の端部をボール状にして、そのボール状の端部に対して超音波および熱を加えることにより、接続パッド71および円柱状リード90に接続されている。ボンディングワイヤ81は、例えば、ボンディングワイヤ81の端部をボール状にして、そのボール状の端部に対して超音波および熱を加えることにより、下部電極層40および円柱状リード80に接続されている。半田72は、例えば、Sn系の半田材料で構成されている。
【0056】
本実施の形態では、上記実施の形態と同様に、リッジ部20Aの上面(具体的にはコンタクト層26)と電気的に接続された上部電極層30がパッドメタル31およびバリアメタル32を含んで構成されている。これにより、パッドメタル31の端部が共振器端面S1,S2に近接して設けられ、バリアメタル32に覆われていない場合と比べて、パッドメタル31への、半田72の成分の拡散を効果的に抑制することができる。その結果、半田72に起因する長期信頼性の低下を抑制することができる。
【0057】
また、本実施の形態では、上記実施の形態と同様に、上部電極層30がパッドメタル31およびバリアメタル32の他に、さらにボンディングメタル33を含んで構成されている。これにより、ボンディングメタル33の端部が共振器端面S1,S2に近接して設けられている場合と比べて、パッドメタル31への、半田72の成分の拡散を効果的に抑制することができる。その結果、半田72に起因する長期信頼性の低下を抑制することができる。
【0058】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0059】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
第1導電型の第1半導体層と、
活性層と、
前記活性層を介して前記第1半導体層上に積層され、帯状のリッジ部が設けられた第2導電型の第2半導体層と、
前記リッジ部を介して互いに対向配置された一対の共振器端面と、
前記リッジ部の上面と電気的に接続された電極層と
を備え、
前記電極層は、
前記一対の共振器端面の間の領域であって、かつ前記一対の共振器端面から離れて形成された第1金属層と、
前記第1金属層の表面全体を覆い、前記第1金属層への、半田の成分の拡散を抑制する第2金属層と
を前記リッジ部側からこの順に有する
半導体レーザ。
(2)
前記第1金属層は、Au層を含み、
前記第2金属層は、Sn系の半田に対して濡れ性を有しないメタル層を含む
(1)に記載の半導体レーザ。
(3)
前記電極層は、前記第2金属層の表面に接して形成されるとともに、前記一対の共振器端面から離れて形成された第3金属層を更に有する
(1)または(2)に記載の半導体レーザ。
(4)
前記第3金属層は、Au層を含む
(3)に記載の半導体レーザ。
(5)
半導体レーザと、
半田を介して前記半導体レーザと電気的に接続された接続パッドと
を備え、
前記半導体レーザは、
第1導電型の第1半導体層と、
活性層と、
前記活性層を介して前記第1半導体層上に積層され、帯状のリッジ部が設けられた第2導電型の第2半導体層と、
前記リッジ部を介して互いに対向配置された一対の共振器端面と、
前記リッジ部の上面と電気的に接続された電極層と
を有し、
前記電極層は、
前記一対の共振器端面の間の領域であって、かつ前記一対の共振器端面から離れて形成された第1金属層と、
前記第1金属層の表面全体を覆い、前記第1金属層への、半田の成分の拡散を抑制する第2金属層と
を前記リッジ部側からこの順に有する
半導体レーザ装置。
(6)
前記電極層は、前記第2金属層の表面に接して形成されるとともに、前記一対の共振器端面から離れて形成された第3金属層を更に有し、
前記第3金属層は、前記半田に接している
(5)に記載の半導体レーザ装置。
【0060】
本開示の一実施形態に係る半導体レーザおよび半導体レーザ装置によれば、リッジ部の上面と電気的に接続された電極層を第1金属層および第2金属層を含んで構成し、第1金属層を、相対的にリッジ部側に形成し、一対の共振器端面の間の領域であって、かつ一対の共振器端面から離れて形成し、第2金属層で第1金属層の表面全体を覆い、第1金属層への、半田の成分の拡散を抑制するようにしたので、第1金属層の端部が共振器端面もしくは共振器端面に近接して設けられ、第2金属層に覆われていない場合と比べて、第1金属層への、半田の成分の拡散を効果的に抑制することができる。その結果、半田に起因する長期信頼性の低下を抑制することができる。なお、本開示の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…半導体レーザ、10…基板、20…半導体層、20A…リッジ部、20B…台座部、21…下部クラッド層、22…下部ガイド層、23…活性層、24…上部ガイド層、25…第1上部クラッド層、26…コンタクト層、27…第2上部クラッド層、30…上部電極層、30A…段差部、31…パッドメタル、32…バリアメタル、33…ボンディングメタル、34…アイソレーションメタル、40…下部電極層、50…絶縁層、60…絶縁膜、70…サブマウント、71…接続パッド、72…半田、80,90…円柱状リード、81,91…ボンディングワイヤ、S1,S2…共振器端面、Re…端部領域。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17