IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メドケア株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報提供システム 図1A
  • 特開-情報提供システム 図1B
  • 特開-情報提供システム 図2
  • 特開-情報提供システム 図3
  • 特開-情報提供システム 図4
  • 特開-情報提供システム 図5A
  • 特開-情報提供システム 図5B
  • 特開-情報提供システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020520
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220125BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20220125BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20220125BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G16H20/00
G06Q10/10 324
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124081
(22)【出願日】2020-07-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】515118999
【氏名又は名称】メドケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】明石 英之
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049BB08
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】保険組織の新たな負担を抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる情報提供システムを提供する。
【解決手段】被保険者の健康状態情報と疾病の予防施策情報とに基づいて、推奨される施策を保険組織に送信する推奨施策送信部と、疾病を発症する可能性の高い被保険者を抽出する抽出部と、疾病に関する情報と疾病を発症する可能性の高い被保険者に関する情報とを疾病の予防に効果を有する製品サービスの提供者に送信する発症可能性情報送信部と、製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する製品サービス提供者対価決定部と、製品サービス提供者が支払うべき対価の全部又は一部を保険組織に還元する還元金額として決定する還元金額決定部とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の疾病を予防するための施策に関する予防施策情報と、該特定の疾病の予防に効果を有する製品又はサービスを提供する製品サービス提供者に関する製品サービス提供者情報を記憶する記憶部と、
保険組織に加入する被保険者の健康状態を示す健康状態情報を受け付ける健康状態受信部と、
前記健康状態受信部が受信した健康状態情報と、前記予防施策情報とに基づいて、行うことが推奨される前記施策に関する情報を前記被保険者が加入する保険組織に送信する推奨施策送信部と、
前記健康状態情報に基づいて、前記特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者を抽出する抽出部と、
前記抽出された該特定の疾病を発症する可能性の高い前記被保険者に関する情報と、該特定の疾病に関する情報と、を、前記製品サービス提供者に送信する発症可能性情報送信部と、
前記発症可能性情報送信部からの情報を受信することに対して前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する製品サービス提供者対価決定部と、
前記製品サービス提供者が支払うべき前記対価の全部又は一部を前記保険組織に還元する還元金額として決定する還元金額決定部と、
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶部は、前記推奨施策送信部からの情報を受信することに対して前記保険組織が支払うべき対価の初期値を記憶しており、
前記保険組織が支払うべき前記対価の初期値から、前記還元金額の全部又は一部を差し引いた金額を該保険組織の該対価の現在値として決定する保険組織対価決定部
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶部は、前記保険組織が前記特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の初期値を記憶しており、
前記施策を実施する際の前記費用の初期値から、前記還元金額の全部又は一部を差し引いた金額を該費用の現在値として決定する施策実施費用決定部
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報提供システムにおいて、
前記還元金額決定部は、前記製品サービス提供者が支払うべき前記対価を前記製品サービス提供者対価決定部が決定する毎に前記還元金額を決定するように構成され、
前記保険組織対価決定部は、前記還元金額決定部が前記還元金額を決定する毎に前記保険組織が支払うべき前記対価の現在値を決定するように構成されており、
前記保険組織が支払うべき前記対価の初期値及び現在値を出力する保険組織出力部
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項5】
請求項3に記載の情報提供システムにおいて、
前記還元金額決定部は、前記製品サービス提供者が支払うべき前記対価を前記製品サービス提供者対価決定部が決定する毎に前記還元金額を決定するように構成され、
前記施策実施費用決定部は、前記還元金額決定部が前記還元金額を決定する毎に前記保険組織が該特定の疾病を予防するための施策を実施する際の前記費用の現在値を決定するように構成されており、
前記施策を実施する際の前記費用の初期値及び現在値を出力する保険組織出力部
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の情報提供システムにおいて、
前記抽出部により抽出された前記特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に係る、前記発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった前記製品サービス提供者が提供する製品の送付を希望するか否かを示す情報を受け付ける送付可否情報受付部と、
前記製品の送付を希望することを示す情報が前記送付可否情報受付部により受け付けられた前記被保険者に対して該製品の送付を指示する送付指示情報を作成する製品送付指示部と、
前記送付を指示された前記製品が、前記製品の送付を希望することを示す情報が前記送付可否情報受付部により受け付けられた前記被保険者に送付されたことを示す情報を受け付ける製品送付情報受付部と、
を備え、
前記製品サービス提供者対価決定部は、前記製品送付情報受付部が受け付けた情報の量に応じて、前記製品送付指示部が前記送付指示情報を作成することに対して前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていること
を特徴とする情報提供システム。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載の情報提供システムにおいて、
前記発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった前記製品サービス提供者が提供するサービスを受けることができることを示す情報を、前記抽出部により抽出された前記特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に送信するサービス情報送信部、
を備え、
前記製品サービス提供者対価決定部は、前記サービス情報送信部が送信した情報の量に基づいて、該サービス情報送信部が情報を送信することに対して前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていること
を特徴とする情報提供システム。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の情報提供システムにおいて、
前記発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった前記製品サービス提供者が提供する製品又はサービスの利用を促す情報を、前記抽出部により抽出された前記特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に送信する利用促進情報送信部と、
前記利用促進情報送信部が送信した情報を出力する利用促進情報出力部と、
を備え、
前記製品サービス提供者対価決定部は、前記利用促進情報送信部が送信した情報の量に基づいて、該利用促進情報送信部が前記情報を送信することに対して前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていること
を特徴とする情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康管理支援装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-287184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、健康診断の受診者の健診結果に基づいて、受診者に対する健康管理計画などの施策を生成することができる。
【0005】
ところで、健保組合などの保険組織は、被保険者に係る疾病の予防など、健康増進または健康維持のための施策を行うことを主要な業務の一つとしている。そしてこのような施策を行うことで、被保険者にかかる医療費が低減されて、保険組織の事業費が低減される。
【0006】
特許文献1のような技術を、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供するシステムに応用することが考えられる。
【0007】
すなわち、保険組織が有するレセプトデータ、健診データを分析して、保険組織に対して、特定の疾病を予防するためのいずれの施策を行うことが推奨されるかの情報を提供するシステムをつくり、保険組織の事業費の低減をはかるサービスを提供することが考えられる。
【0008】
しかしながら、このようなサービスの提供を保険組織が受けても、それによる事業費低減の効果が出るまでに時間がかかることが想定される。
【0009】
そのため、健保組合に当該サービスの対価を直接支払わせると、事業費の低減効果が損なわれてしまうか、事業費低減の効果が出るまでのシステム利用料の負担ができないので当該サービスをそもそも利用できないおそれがあるところであるが、特許文献1の技術においては、このような課題は考慮されていない。
【0010】
そこで本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、保険組織の新たな負担を抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するためのいずれの施策を行うことが推奨されるかの情報を提供することができる情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の情報提供システムは、
特定の疾病を予防するための施策に関する予防施策情報と、該特定の疾病の予防に効果を有する製品又はサービスを提供する製品サービス提供者に関する製品サービス提供者情報を記憶する記憶部と、
保険組織に加入する被保険者の健康状態を示す健康状態情報を受け付ける健康状態受信部と、
前記健康状態受信部が受信した健康状態情報と、前記予防施策情報とに基づいて、行うことが推奨される前記施策に関する情報を前記被保険者が加入する保険組織に送信する推奨施策送信部と、
前記健康状態情報に基づいて、前記特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者を抽出する抽出部と、
前記抽出された該特定の疾病を発症する可能性の高い前記被保険者に関する情報と、該特定の疾病に関する情報と、を、前記製品サービス提供者に送信する発症可能性情報送信部と、
前記発症可能性情報送信部からの情報を受信することに対して前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する製品サービス提供者対価決定部と、
前記製品サービス提供者が支払うべき前記対価の全部又は一部を前記保険組織に還元する還元金額として決定する還元金額決定部と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の情報提供システムによれば、推奨施策送信部により、被保険者の健康状態を示す健康状態情報と、特定の疾病を予防するための施策に関する予防施策情報とに基づいて、疾病の予防のために行うことが推奨される施策に関する情報が、被保険者が加入する保険組織に送信される。これにより、保険組織は特定の疾病を予防するために行うべき施策を把握することができる。
【0013】
また、抽出部により、被保険者の健康状態情報に基づいて、特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者が抽出される。
【0014】
そして、発症可能性情報送信部により、抽出部により抽出された、特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に関する情報と、当該特定の疾病に関する情報とが、該特定の疾病の予防に効果を有する製品又はサービスを提供する製品サービス提供者に送信される。
【0015】
続いて、製品サービス提供者対価額決定部により、発症可能性情報送信部からの情報を受信することに対して製品サービス提供者が支払うべき対価が決定される。
【0016】
そして、還元金額決定部により、製品サービス提供者が支払うべき対価の全部又は一部が保険組織に還元する還元金額として決定される。
【0017】
これにより、保険組織は、発症可能性情報送信部からの情報を受信することに対して製品サービス提供者が支払う対価の一部又は全部を還元金として受け取りながら、加入している被保険者の特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報の提供を受けることができる。
【0018】
また、製品サービス業者は、自己の製品又はサービスの需要に関する情報を取得することができ、特定の疾患に関するに潜在的なニーズを把握することができる。
【0019】
このように本発明の情報提供システムによれば、保険組織の新たな負担を抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる。
【0020】
本発明の情報提供システムにおいて、
前記記憶部は、前記推奨施策送信部からの情報を受信することに対して前記保険組織が支払うべき対価の初期値を記憶しており、
前記保険組織が支払うべき前記対価の初期値から、前記還元金額の全部又は一部を差し引いた金額を該保険組織の該対価の現在値として決定する保険組織対価決定部
を備えることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、保険組織対価決定部により、推奨施策送信部からの情報を受信することに対して保険組織が支払うべき対価の初期値から、還元金額の全部又は一部を差し引いた金額が、保険組織が支払うべき対価の現在値として決定される。
【0022】
これにより保険組織は、推奨施策の情報を受信することに対して支払うべき対価の全部又は一部を製品サービス業者からの還元金により賄ってもらいながら、当該保険組織に加入している被保険者の特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報の提供を受けることができる。
【0023】
このように本発明の情報提供システムによれば、推奨施策の情報を受信することに対して支払うべき対価の低減により保険組織の新たな負担を抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる。
【0024】
本発明の情報提供システムにおいて、
前記記憶部は、前記保険組織が前記特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の初期値を記憶しており、
前記施策を実施する際の前記費用の初期値から、前記還元金額の全部又は一部を差し引いた金額を該費用の現在値として決定する施策実施費用決定部
を備えることが好ましい。
【0025】
本発明によれば、施策実施費用決定部により、保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の初期値から、還元金額の全部又は一部を差し引いた金額が当該施策を実施する際の費用の現在値として決定される。
【0026】
これにより保険組織は、特定の疾病を予防するための施策の実施に際して支払うべき費用の全部又は一部を還元金により賄ってもらいながら、当該保険組織に加入している被保険者の特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報の提供を受けることができる。
【0027】
このように本発明の情報提供システムによれば、施策の実施に際して支払うべき費用の低減により保険組織の新たな負担を抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる。
【0028】
本発明の情報提供システムにおいて、
前記還元金額決定部は、前記製品サービス提供者が支払うべき前記対価を前記製品サービス提供者対価決定部が決定する毎に前記還元金額を決定するように構成され、
前記保険組織対価決定部は、前記還元金額決定部が前記還元金額を決定する毎に前記保険組織が支払うべき前記対価の現在値を決定するように構成されており、
前記保険組織が支払うべき前記対価の初期値及び現在値を出力する保険組織出力部を備えることが好ましい。
【0029】
本発明の情報提供システムによれば、製品サービス提供者対価決定部により製品サービス提供者が支払うべき対価が決定される毎に、還元金額決定部により保険組織への還元金額が決定される。
【0030】
また、還元金額決定部により保険組織への還元金額が決定される毎に、保険組織対価決定部により保険組織が支払うべき対価の現在値が決定される。
【0031】
そして保険組織出力部により、保険組織が支払うべき対価の初期値と、保険組織対価決定部が決定した該保険組織が支払うべき対価の現在値とが出力される。
【0032】
これにより、保険組織の担当者などは、保険組織から受け付けた健康状態情報が製品サービス提供者に送信されるなどして保険組織が支払うべき対価が再計算される毎に、保険組織が支払うべき対価が下がっていくことが実感できるので、健康状態情報を継続的に当該システムに提供することへの保険組織のインセンティブが高まり、結果として継続的に保険組織の新たな負担を抑制することができる。
【0033】
このように本発明の情報提供システムによれば、保険組織の新たな負担を継続的に抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる。
【0034】
本発明の情報提供システムにおいて、
前記還元金額決定部は、前記製品サービス提供者が支払うべき前記対価を前記製品サービス提供者対価決定部が決定する毎に前記還元金額を決定するように構成され、
前記施策実施費用決定部は、前記還元金額決定部が前記還元金額を決定する毎に前記保険組織が該特定の疾病を予防するための施策を実施する際の前記費用の現在値を決定するように構成されており、
前記施策を実施する際の前記費用の初期値及び現在値を出力する保険組織出力部を備えることが好ましい。
【0035】
本発明の情報提供システムによれば、製品サービス提供者対価決定部により製品サービス提供者が支払うべき対価が決定される毎に、還元金額決定部により保険組織への還元金額が決定される。
【0036】
また、還元金額決定部により保険組織への還元金額が決定される毎に、施策実施費用決定部により保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の現在値が決定される。
【0037】
そして保険組織出力部により、施策を実施する際の費用の初期値と、施策実施費用決定部が決定した保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の現在値とが出力される。
【0038】
これにより、保険組織の担当者などは、保険組織から受け付けた健康状態情報が製品サービス提供者に送信されるなどして保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用が再計算される毎に、当該費用が下がっていくことが実感できるので、特定の疾病を予防するための施策を実施する保険組織のインセンティブが高まり、施策の実行による疾病の予防効果の向上が期待できる。
【0039】
このように本発明の情報提供システムによれば、保険組織の新たな負担を抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供し、併せて施策の実行による疾病の予防効果を向上することができる。
【0040】
本発明の情報提供システムにおいて、
前記抽出部により抽出された前記特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に係る、前記発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった前記製品サービス提供者が提供する製品の送付を希望するか否かを示す情報を受け付ける送付可否情報受付部と、
前記製品の送付を希望することを示す情報が前記送付可否情報受付部により受け付けられた前記被保険者に対して該製品の送付を指示する送付指示情報を作成する製品送付指示部と、
前記送付を指示された前記製品が、前記製品の送付を希望することを示す情報が前記送付可否情報受付部により受け付けられた前記被保険者に送付されたことを示す情報を受け付ける製品送付情報受付部と、
を備え、
前記製品サービス提供者対価決定部は、前記製品送付情報受付部が受け付けた情報の量に応じて、前記製品送付指示部が前記送付指示情報を作成することに対して前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていることが好ましい。
【0041】
製品サービス提供者は、特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に対して、疾病の予防に効果を有する製品又はサービスを提供することを主要な業務の一つとしている。
【0042】
そのため、情報提供システムを利用することで、製品サービス提供者の当該業務の負担軽減が併せて図られれば、情報提供システムを利用することへの製品サービス提供者のインセンティブが高まり、結果的に保険組織の新たな負担を効果的に抑制することができて、保険組織及び製品サービス提供者の双方にとって都合がよい。
【0043】
本発明の情報提供システムによれば、抽出部により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に係る、発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった製品サービス提供者が提供する製品の送付を希望するか否かを示す情報が送付可否情報受付部により受け付けられる。
【0044】
そして、製品の送付を希望することを示す情報が送付可否情報受付部により受け付けられた被保険者に対して該製品の送付を指示する送付指示情報が製品送付指示部により作成される。
【0045】
これにより製品サービス提供者は、特定の疾病を発症する可能性が高く、当該特定の疾病の予防に効果を有する製品の送付を希望している被保険者を効率よく見つけ出して、それらの被保険者に当該製品を的確に送ることができて販売促進効率が高まるので、情報提供システムを利用することへの製品サービス提供者のインセンティブが高まる。
【0046】
そして、製品送付情報受付部により、送付を指示された製品が、製品の送付を希望する被保険者に送付されたことを示す情報が受け付けられて、製品サービス提供者対価決定部により、製品送付情報受付部が受け付けた情報の量に応じて、製品サービス提供者が支払うべき対価が決定される。
【0047】
これにより、発症可能性情報送信部からの情報を受信する対価だけでなく、製品送付情報受付部が受け付けた情報の量に応じた対価からも、保険組織が支払うべき対価や費用が賄われるので、保険組織の新たな負担を効果的に抑制することができる。
【0048】
このように本発明の情報提供システムによれば、保険組織の新たな負担を効果的に抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる。
【0049】
本発明の情報提供システムにおいて、
前記発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった前記製品サービス提供者が提供するサービスを受けることができることを示す情報を、前記抽出部により抽出された前記特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に送信するサービス情報送信部、
を備え、
前記製品サービス提供者対価決定部は、前記サービス情報送信部が送信した情報の量に基づいて、該サービス情報送信部が情報を送信することに対して前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていることが好ましい。
【0050】
本発明の情報提供システムによれば、サービス情報送信部により、発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった製品サービス提供者が提供するサービスを受けることができることを示す情報が、抽出部により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に送信される。
【0051】
これにより、製品サービス提供者は、特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者へ当該特定の疾病の予防に効果を有するサービスを受けることができることを示す情報(例えば無料又は特別価格でのサービス利用クーポンなど)を簡便に送ることができて販売促進効率が高まるので、情報提供システムを利用することへの製品サービス提供者のインセンティブが高まる。
【0052】
そして、製品サービス提供者対価決定部により、サービス情報送信部が送信した情報の量に応じて、サービス情報送信部が情報を送信することに対して製品サービス提供者が支払うべき対価が決定される。
【0053】
これにより、発症可能性情報送信部からの情報を受信する対価だけでなく、サービス情報送信部が送信した情報の量に応じた対価からも、保険組織が支払うべき対価や費用が賄われるので、保険組織の新たな負担を効果的に抑制することができる。
【0054】
このように本発明の情報提供システムによれば、保険組織の新たな負担を効果的に抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる。
【0055】
本発明の情報提供システムにおいて、
前記発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった前記製品サービス提供者が提供する製品又はサービスの利用を促す情報を、前記抽出部により抽出された前記特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に送信する利用促進情報送信部と、
前記利用促進情報送信部が送信した情報を出力する利用促進情報出力部と、
を備え、
前記製品サービス提供者対価決定部は、前記利用促進情報送信部が送信した情報の量に基づいて、該利用促進情報送信部が前記情報を送信することに対して前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていることが好ましい。
【0056】
本発明の情報提供システムによれば、利用促進情報送信部により、発症可能性情報送信部による情報の送信対象となった製品サービス提供者が提供する製品又はサービスの利用を促す情報が、抽出部により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者に送信されて、利用促進情報出力部により当該送信された情報が出力される。
【0057】
これにより、製品サービス提供者は、特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者へ当該特定の疾病の予防に効果を有する製品又はサービスの利用を促す情報(例えば広告動画など)を簡便に送ることができて販売促進効率が高まるので、情報提供システムを利用することへの製品サービス提供者のインセンティブが高まる。
【0058】
そして、製品サービス提供者対価決定部により、利用促進情報出力部により出力された情報の量に基づいて、利用促進情報送信部が製品又はサービスの利用を促す情報を送信することに対して製品サービス提供者が支払うべき対価が決定される。
【0059】
これにより、発症可能性情報送信部からの情報を受信する対価だけでなく、利用促進情報出力部により出力された情報の量に応じた対価からも、保険組織が支払うべき対価や費用が賄われるので、保険組織の新たな負担を効果的に抑制することができる。
【0060】
このように本発明の情報提供システムによれば、保険組織の新たな負担を効果的に抑制しつつ、被保険者にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1A】本発明の情報提供システムの全体像を示すブロック図。
図1B】本発明の情報提供システムの全体像を示すブロック図。
図2】本発明の情報提供システムが処理に用いるデータの内容を示す図。
図3】本発明の情報提供システムが処理に用いるデータの内容を示す図。
図4】本発明の情報提供システムの処理内容を示すフローチャート。
図5A】本発明の情報提供システムの変更例の処理内容を示すフローチャート。
図5B】本発明の情報提供システムの変更例の処理内容を示すフローチャート。
図6】本発明の情報提供システムの出力内容を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0062】
<情報提供システムの構成>
まず図1A及び図1Bを用いて、本実施形態の情報提供システムの構成について説明する。なお同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0063】
本実施形態の情報提供システムは、例えばサーバ10と、保険組織情報部30と、被保険者情報部50と、サービス提供者情報部70を含んで構成される、被保険者U2にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供するシステムである。
【0064】
サーバ10と、保険組織情報部30、被保険者情報部50及びサービス提供者情報部70との間は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)又はインターネット通信網などの通信ネットワーク90を介して相互に通信可能に接続されている。
【0065】
サーバ10は、サーバ記憶部110と、サーバ制御部130と、を含んで構成される、例えばコンピュータである。
【0066】
サーバ記憶部110は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成されている。
【0067】
サーバ記憶部110には、予防施策DB111と、製品サービス提供者DB113と、その他情報提供システムによる処理に必要な情報、情報提供システムによる処理の結果が記憶されている。
【0068】
予防施策DB111は、特定の疾病を予防するための施策に関する情報である予防施策情報を格納するDB(データベース)である。予防施策DB111は、例えば図2に示すように疾病を予防するための施策を特定する情報としての予防施策名称と、当該施策により予防できる疾病を特定する情報としての対象疾病名称と、当該施策の内容、効果、頻度、実施回数、実施期間、施策を実施する際の費用の初期値などの情報である施策内容の情報とを含む情報を格納している。
【0069】
製品サービス提供者DB113は、特定の疾病の予防に効果を有する製品又はサービスを提供する組織または個人である製品サービス提供者に関する情報を格納するDBである。製品サービス提供者DB113は、例えば図3に示すように製品サービス提供者を特定する情報としての製品サービス提供者名称と、製品又はサービスを特定する情報としての製品サービス名称と、当該製品又はサービスが予防の効果を有する疾病を特定する情報としての対象疾病名称と、当該製品又はサービスの内容、効果、サービスを受けることができる日時、場所、サービスを受けることができる権利の有効期限などの情報である製品サービス内容とを含む情報を格納している。
【0070】
サーバ制御部130は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置、メモリ、及びI/O(Input/Output)デバイスなどにより構成されている。サーバ制御部130は、所定のプログラムを読み込んで実行することにより例えば健康状態受信部131、推奨施策送信部133、抽出部135、発症可能性情報送信部137、製品サービス提供者対価決定部139、還元金額決定部141として機能し、あるいはさらに必要に応じて保険組織対価決定部143、施策実施費用決定部145、送付可否情報受付部147、製品送付指示部149、製品送付情報受付部151、サービス情報送信部153、利用促進情報送信部155、として機能する。
【0071】
健康状態受信部131は、保険組織に加入する被保険者U2の健康状態を示す健康状態情報を受け付ける。
【0072】
推奨施策送信部133は、健康状態受信部131が受信した健康状態情報と、予防施策情報とに基づいて、行うことが推奨される施策に関する情報を被保険者U2が加入する保険組織に送信する。
【0073】
抽出部135は、健康状態情報に基づいて、特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2を抽出する。
【0074】
発症可能性情報送信部137は、抽出された該特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2に関する情報と、特定の疾病に関する情報とを、特定の疾病の予防に効果を有する製品又はサービスを提供する製品サービス提供者に送信する。
【0075】
製品サービス提供者対価決定部139は、発症可能性情報送信部137からの情報に対して製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する。
【0076】
なお、製品サービス提供者対価決定部139は、製品送付情報受付部151が受け付けた情報に基づいて、製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていてもよく、又はサービス情報送信部153が送信した情報に基づいて、製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていてもよく、もしくは利用促進情報出力部511が出力した情報に基づいて、製品サービス提供者が支払うべき対価を決定するように構成されていてもよい。
【0077】
還元金額決定部141は、製品サービス提供者が支払うべき対価の全部又は一部を保険組織に還元する還元金額として決定する。還元金額決定部141は、例えば製品サービス提供者が支払うべき対価を製品サービス提供者対価決定部139が決定する毎に還元金額を決定するように構成されていてもよい。
【0078】
保険組織対価決定部143は、推奨施策送信部133からの情報に対して保険組織が支払うべき対価の初期値から、還元金額決定部141が決定した還元金額の全部又は一部を差し引いた金額を該保険組織が支払うべき対価の現在値として決定する。なお、推奨施策送信部133からの情報に対して保険組織が支払うべき対価の初期値は、固定額でもよいし、例えば推奨施策送信部133からの情報の送信量、被保険者U2の人数等に応じた従量制など、種々の手法により定められてよい。
【0079】
また、保険組織対価決定部143は、還元金額決定部141が還元金額を決定する毎に保険組織が支払うべき対価の現在値を決定するように構成されていてもよい。
【0080】
施策実施費用決定部145は、保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の初期値から、還元金額決定部141が決定した還元金額の全部又は一部を差し引いた金額を該費用の現在値として決定する。
【0081】
なお、施策実施費用決定部145は、還元金額決定部141が還元金額を決定する毎に保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の現在値を決定するように構成されていてもよい。
【0082】
送付可否情報受付部147は、抽出部135により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2に係る、発症可能性情報送信部137による情報の送信対象となった製品サービス提供者が提供する製品の送付を希望するか否かを示す情報を受け付ける。
【0083】
製品送付指示部149は、製品の送付を希望することを示す情報が送付可否情報受付部147により受け付けられた被保険者U2に対して該製品の送付を指示する送付指示情報を作成する。
【0084】
製品送付情報受付部151は、送付を指示された製品が、製品の送付を希望することを示す情報が送付可否情報受付部147により受け付けられた被保険者U2に送付されたことを示す情報を受け付ける。
【0085】
サービス情報送信部153は、発症可能性情報送信部137による情報の送信対象となった製品サービス提供者が提供するサービスを受けることができることを示す情報を、抽出部135により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2に送信する。
【0086】
利用促進情報送信部155は、発症可能性情報送信部137による情報の送信対象となった製品サービス提供者が提供する製品又はサービスの利用を促す情報を、抽出部135により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2に送信する。
【0087】
保険組織情報部30は、保険組織情報部制御部310と、保険組織ディスプレイ330と、を含んで構成される、例えばコンピュータである。
【0088】
保険組織情報部制御部310は、CPU等の演算処理装置、メモリ、及びI/Oデバイスなどにより構成されている。保険組織情報部制御部310は、所定のプログラムを読み込んで実行することにより例えば保険組織出力部311として機能する。
【0089】
保険組織出力部311は、推奨施策送信部133からの情報に対して保険組織が支払うべき対価の初期値と、保険組織対価決定部143が決定した該保険組織が支払うべき対価の現在値とを、例えば保険組織ディスプレイ330を介して、保険組織の担当者U1等に対して出力する。
【0090】
また保険組織出力部311は、保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の初期値と、施策実施費用決定部145が決定した当該費用の現在値とを出力する。
【0091】
被保険者情報部50は、例えば被保険者情報部制御部510と、被保険者ディスプレイ530と、を含んで構成される、被保険者U2が用いるスマートフォン、タブレット、コンピュータなどである。
【0092】
被保険者情報部制御部510は、CPU等の演算処理装置、メモリ、及びI/Oデバイスなどにより構成されている。被保険者情報部制御部510は、所定のプログラムを読み込んで実行することにより例えば利用促進情報出力部511として機能する。
【0093】
利用促進情報出力部511は、利用促進情報送信部155が送信した情報を、例えば被保険者ディスプレイ530を介して被保険者U2に向けて出力する。
【0094】
サービス提供者情報部70は、サービス提供者の担当者U3等が用いるスマートフォン、タブレット、コンピュータなどである。サービス提供者情報部70は、サーバ10からサービス提供者に向けて送信される情報を受信して表示等し、またサービス提供者の担当者U3等による情報の入力を受け付けて、サーバ10に送信する。
【0095】
<処理の概要>
次に、本実施形態の情報提供システムの処理内容について説明する。まず図4を参照して、情報提供システムによる一連の処理について説明する。なお、本発明の情報提供システムは、これらの一連の処理を定期的に又は不定期的に繰り返して実行する。すなわち例えば本実施形態の情報提供システムは、以下に示す健康状態受信処理において健康状態受信部131が被保険者U2の健康状態を示す健康状態情報を受け付ける毎に、以下に示す推奨施策送信処理から還元金額決定処理までの一連の処理を繰り返し実行するように構成される。
【0096】
また、以下の一連の処理の実行に先立って、サーバ記憶部110にはあらかじめ、被保険者U2にかかる特定の疾病を予防するための施策に関する予防施策情報と、該特定の疾病の予防に効果を有する製品又はサービスを提供する製品サービス提供者に関する製品サービス提供者情報とが記憶されている。あるいはさらに、推奨施策送信部133からの情報を受信することに対して保険組織が支払うべき対価の初期値がサーバ記憶部110にあらかじめ記憶される。
【0097】
<健康状態受信処理>
本実施形態の情報提供システムは、本実施形態における一連の処理を開始すると、まず、健康状態受信部131が被保険者U2の健康状態を示す健康状態情報を受け付ける健康状態受信処理を実行する(図4/S10)。
【0098】
健康状態受信部131は、例えば健保組合などの保険組織のサーバ、又は当該健保組合の組合員などの被保険者U2に対して健診、医療サービスを提供する者のサーバなどから、健診結果(被保険者U2の氏名、健診結果、問診結果など)、レセプトデータ及び、被保険者U2の職種、勤務状況などの被保険者U2の健康状態に影響を及ぼしうる情報並びに、被保険者U2の住所、電子メールアドレスなどの連絡先の情報を通信ネットワーク90、外部記録媒体などを介して受け付けて、被保険者U2の健康状態情報としてサーバ記憶部110に記憶する。
【0099】
<推奨施策送信処理>
その後、推奨施策送信部133は、行うことが推奨される施策に関する情報を被保険者U2が加入する保険組織に送信する推奨施策送信処理を実行する(図4/S30)。
【0100】
推奨施策送信部133は例えば、健康状態受信部131が受信した健康状態情報を所定のアルゴリズムにて分析し、被保険者U2が発症する可能性の高い特定の疾病を認識して(図4/S310)、当該認識された特定の疾病の情報に基づいてサーバ記憶部110の予防施策DB111を参照して当該認識された疾病の予防のために行うことが推奨される施策に関する情報を取得して、当該取得した情報を被保険者U2が加入する保険組織に送信する(図4/S330)。
【0101】
行うことが推奨される施策に関する情報には、例えば、被保険者U2が発症する可能性の高い特定の疾病の名称及び内容、当該疾病を予防するための施策の名称、内容、効果、頻度、実施回数、実施期間、施策を実施する際の費用、当該施策の対象となる被保険者U2の氏名、人数などの情報が含まれる。
【0102】
<抽出処理>
そして、抽出部135は、特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2を抽出する抽出処理を実行する(図4/S50)。
【0103】
抽出部135は、例えば健康状態受信部131が受信した健康状態情報を所定のアルゴリズムにて分析し、各被保険者U2が特定の疾病を発症する可能性を算出して、当該可能性が所定程度高い被保険者U2を抽出する。
【0104】
<発症可能性情報送信処理>
そして、発症可能性情報送信部137は、発症可能性情報を製品サービス提供者に送信する発症可能性情報送信処理を実行する(図4/S70)。
【0105】
発症可能性情報送信部137は、発症可能性情報として例えば、抽出部135により抽出された該特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2の人数、性別、年齢、職種、その加入する保険組織を特定する情報などの被保険者U2に関する情報と、被保険者U2が発症する可能性の高い特定の疾病の名称及び内容などの特定の疾病に関する情報と、を製品サービス提供者のサービス提供者情報部70に送信する。
【0106】
<製品サービス提供者対価決定処理>
続いて、製品サービス提供者対価決定部139は、発症可能性情報送信部137からの情報を受信することに対して製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する製品サービス提供者対価決定処理を実行する(図4/S90)。
【0107】
製品サービス提供者対価決定部139は、製品サービス提供者が支払うべき対価を例えば発症可能性情報送信部137からの情報の送信量に応じた従量制など、種々の手法により決定してよい。
【0108】
<還元金額決定処理>
そして、還元金額決定部141は、製品サービス提供者が支払うべき対価の全部又は一部を保険組織に還元する還元金額として決定する還元金額決定処理を実行して(図4/S110)。本実施形態における一連の処理を終了する。
【0109】
還元金額決定部141は例えば、製品サービス提供者が支払うべき対価を製品サービス提供者対価決定部139が決定する毎に還元金額決定処理を実行する。
【0110】
以上説明したように本発明の情報提供システムによれば、保険組織の新たな負担を抑制しつつ、被保険者U2にかかる特定の疾病を予防するために行うことが推奨される施策に関する情報を提供することができる。
【0111】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、これに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。以下に、図5A及び図5Bを用いてその他の実施形態として、情報提供システムによる一連の処理の変更例について説明する。
【0112】
本変更例においては、発症可能性情報送信処理(図5A/S70)と製品サービス提供者対価決定処理(図5B/S90)との間に、以下の処理(図5A/S810~図5B/S890)を実行する。
【0113】
<送付可否情報受付処理>
例えば発症可能性情報送信部137が発症可能性情報を送信した製品サービス提供者が、後述する製品送付指示処理の対象として情報提供システムに設定されている場合に、送付可否情報受付部147は、被保険者U2が製品サービス提供者の提供する製品の送付を希望するか否かを示す情報を受け付ける送付可否情報受付処理を実行する(図5A/S810)。
【0114】
送付可否情報受付部147が当該情報を受け付ける手法としては、周知の種々の手法が用いられてよい。すなわち例えば送付可否情報受付部147は、各被保険者U2の被保険者情報部50に、当該被保険者U2が製品サービス提供者の提供する製品の送付を希望するか否かを示す情報の入力を促す画面を表示させて、当該画面への入力結果を被保険者U2が製品サービス提供者の提供する製品の送付を希望するか否かを示す情報として受け付ける。あるいは送付可否情報受付部147は、例えば被保険者U2の個人ではなく、被保険者U2が加入する保険組織の単位などでまとめて当該情報を受け付けてもよい。
【0115】
<製品送付指示処理>
その後、製品送付指示部149は、製品サービス提供者が提供する製品の被保険者U2への送付を指示する送付指示情報を作成する製品送付指示処理を実行する(図5A/S815)。
【0116】
製品送付指示部149は、製品の送付を希望することを示す情報が送付可否情報受付部147により受け付けられた被保険者U2に対して該製品の送付を指示する送付指示情報を作成する。
【0117】
より具体的には例えば製品送付指示部149は、発症可能性情報送信部137が送信した情報に含まれる、被保険者U2が発症する可能性の高い特定の疾病の名称に基づいて、製品サービス提供者DB113を参照して、当該疾病の予防に効果を有する製品を特定する。
【0118】
また製品送付指示部149は、サーバ記憶部110に記憶されている健康状態情報を参照して、抽出部135により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2のうち、製品の送付を希望することを示す情報が送付可否情報受付部147により受け付けられた被保険者U2の住所を特定する。
【0119】
そして製品送付指示部149は、このようにして特定した情報に基づいて送付指示情報を作成する。
【0120】
製品送付指示部149が作成した送付指示情報は、製品サービス提供者のサービス提供者情報部70に、例えば電子メールにて送信され又は当該製品サービス提供者の担当者U3の操作に応じてサービス提供者情報部70にダウンロードさせるなどの種々の方法により、当該担当者U3に閲覧される。
【0121】
そして送付指示情報を閲覧した当該担当者U3は、送付を指示された製品を指示された送付先に送付する作業を行う。
【0122】
<製品送付情報受付処理>
その後、製品送付情報受付部151は、製品が被保険者U2に送付されたことを示す情報を受け付ける製品送付情報受付処理を実行する(図5A/S830)。
【0123】
すなわち例えば製品送付情報受付部151は、サービス提供者情報部70を用いた製品サービス提供者の担当者U3の操作に応じて、製品送付指示処理において送付を指示された製品が、製品の送付を希望することを示す情報が送付可否情報受付部147により受け付けられた被保険者U2に送付されたことを示す情報として、製品サービス提供者を特定する情報、送付された製品を特定する情報、当該製品の数量、送付先などの情報を受け付ける。
【0124】
なお、発症可能性情報送信処理により作成された送付指示情報を受信して、送付指示情報に応じて製品を送付し、製品が被保険者U2に送付されたことを示す情報を製品送付情報受付部151に送信するまでの一連の処理の一部または全部が、例えば製品サービス提供者が有する物流システムなどにより自動的に行われてもよい。
【0125】
<サービス情報送信処理>
そして、例えば発症可能性情報送信部137が発症可能性情報を送信した製品サービス提供者が、サービス情報送信処理の対象として情報提供システムに設定されている場合に、サービス情報送信部153は、製品サービス提供者が提供するサービスを受けることができることを示す情報を被保険者U2に送信するサービス情報送信処理を実行する(図5A/S850)。
【0126】
すなわち例えばサービス情報送信部153は、製品サービス提供者が提供するサービスを受けることができることを示す情報として、製品サービス提供者を特定する情報、受けることができるサービスの内容、効果、日時、場所、サービスを受けることができる権利の有効期限などの情報を、抽出部135により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2に送信する。
【0127】
より具体的には例えばサービス情報送信部153は、発症可能性情報送信部137が送信した情報に含まれる、被保険者U2が発症する可能性の高い特定の疾病の名称に基づいて、製品サービス提供者DB113を参照して、当該疾病の予防に効果を有するサービスを特定する。
【0128】
またサービス情報送信部153は、サーバ記憶部110に記憶されている健康状態情報を参照して、抽出部135により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2の電子メールアドレスを特定する。
【0129】
そしてサービス情報送信部153は、このようにして特定した情報に基づいて、製品サービス提供者が提供するサービスを受けることができることを示す情報を抽出部135により抽出された特定の疾病を発症する可能性の高い被保険者U2に送信する。
【0130】
<利用促進情報送信処理>
そして、例えば発症可能性情報送信部137が発症可能性情報を送信した製品サービス提供者が、利用促進情報送信処理の対象として情報提供システムに設定されている場合に、利用促進情報送信部155は、製品サービス提供者が提供する製品又はサービスの利用を促す情報である利用促進情報を被保険者U2の被保険者情報部50に送信する利用促進情報送信処理を実行する(図5A/S870)。
【0131】
そして、被保険者情報部50は、利用促進情報送信部155から受信した利用促進情報を、ディスプレイなどの表示装置を介して、被保険者U2に向けて表示することにより出力する(図5B/S890)。
【0132】
すなわち例えば、広告動画などの、製品サービス提供者の提供する製品又はサービスそれぞれの利用を促す情報を利用促進情報としてあらかじめサーバ10に記憶しておき、利用促進情報送信部155は、発症可能性情報送信部137が送信した情報に含まれる、被保険者U2が発症する可能性の高い特定の疾病の名称に基づいて、当該疾病の予防に効果を有する製品又はサービスの利用促進情報を特定する。
【0133】
そして、当該特定された利用促進情報は、例えば被保険者U2が被保険者情報部50を用いて情報提供システムにアクセスした際に自動的に、当該被保険者情報部50に送信されて被保険者情報部50にて再生される。あるいは利用促進情報は、製品又はサービスの利用を促す広告文の記載された電子メールであり、利用促進情報送信部155によって、任意のタイミングで被保険者情報部50に送信されてもよい。
【0134】
<製品サービス提供者対価決定処理>
その後、製品サービス提供者対価決定部139は、製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する(図5B/S90)。
【0135】
なお本実施形態において製品サービス提供者対価決定部139は、製品送付情報受付処理が実行された場合には、製品送付情報受付部151が受け付けた情報に基づいて、製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する。
【0136】
また製品サービス提供者対価決定部139は、サービス情報送信処理が実行された場合には、サービス情報送信部153が送信した情報に基づいて、製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する。
【0137】
そして製品サービス提供者対価決定部139は、利用促進情報送信処理が実行された場合には、利用促進情報送信部が送信した情報に基づいて、前記製品サービス提供者が支払うべき対価を決定する。
【0138】
なお、後続する還元金額決定処理(図5B/S110)において、還元金額決定部141は、このようにして決定された対価についてもその全部または一部を、保険組織に還元する還元金額として決定する。
【0139】
<保険組織対価決定処理>
そして、還元金額決定処理(図5B/S110)が実行された後に、保険組織対価決定部143が、保険組織が支払うべき対価の現在値を決定する保険組織対価決定処理を実行する(図5B/S130)。
【0140】
すなわち例えば保険組織対価決定部143は、サーバ記憶部110を参照して推奨施策送信部133からの情報を受信することに対して保険組織が支払うべき対価の初期値を取得し、当該初期値から、還元金額決定処理(図5B/S110)で決定された還元金額の合計額を差し引いた金額を該保険組織が支払うべき対価の現在値として決定する。
【0141】
なおこのとき保険組織対価決定部143は、還元金額の合計値の全額を保険組織が支払うべき対価の初期値から差し引いてもよいし、一部のみを当該初期値から差し引いてもよい。
【0142】
<施策実施費用決定処理>
続いて施策実施費用決定部145は、保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の現在値を決定する施策実施費用決定処理を実行する(図5B/S150)。
【0143】
すなわち例えば施策実施費用決定部145は、行うことが推奨される施策又はすでに実施中の施策の情報を取得し、当該取得した施策の情報に基づいてサーバ記憶部110の予防施策DB111を参照して保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の初期値を取得し、当該初期値から、還元金額決定処理(図5B/S110)で決定された還元金額の合計額を差し引いた金額を、当該施策を実施する際の費用の現在値として決定する。
【0144】
なおこのとき施策実施費用決定部145は、保険組織対価決定処理が実行された結果、当該費用の初期値から差し引くことのできる還元金額が残っていない場合は、例えば当該費用の初期値を当該費用の現在値として決定する。
【0145】
<出力処理>
その後、保険組織出力部311は、保険組織が支払うべき対価の初期値及び現在値、あるいはこれに代えて又は加えて保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の初期値及び現在値を出力する出力処理を実行して(図5B/S170)本実施形態における一連の処理を終了する。
【0146】
すなわち保険組織出力部311は、推奨施策送信部133からの情報に対して保険組織が支払うべき対価の初期値及び現在値と、保険組織が特定の疾病を予防するための施策を実施する際の費用の初期値及び現在値とを、例えば図6に示すように保険組織ディスプレイ330に表示することにより出力する。
【0147】
図6においては、保険組織が支払うべき対価の初期値IValが「当初のご利用料金(〇月分)」の欄に、保険組織が支払うべき対価の現在値PValが「お値引後のご利用料金」の欄にそれぞれ表示されている。本実施形態においては、今月の還元額が当月の対価の額を上回ったため、今月の対価は0円になっている。
【0148】
また、施策を実施する際の費用の初期値ICosが「施策の実施に要する費用(お値引前)」の欄に、その現在値PCosが「お値引後の費用」の欄にそれぞれ表示されている。
【0149】
なお図6に示すように、実施中の施策が複数月にわたる施策である場合には、各月に決定された還元額が積み重なって費用の初期値から差し引かれてもよい。本実施形態においては前月までの還元額の累計が10,5000円で今月の還元額が75,000円であるので、合計で180,000円が差し引かれることが示されている。
【0150】
あるいはさらに、図6に示すように保険組織が支払うべき対価の初期値の内訳Det1と、施策を実施する際の費用からの差引額の内訳Det2と、対価又は費用の初期値から差し引き済みの製品サービス提供者の対価の内訳Disと、未還元の還元額がある場合のその内訳Lefを併せて表示してもよい。
【符号の説明】
【0151】
110…サーバ記憶部、131…健康状態受信部、133…推奨施策送信部、135…抽出部、137…発症可能性情報送信部、139…製品サービス提供者対価決定部、141…還元金額決定部、143…保険組織対価決定部、145…施策実施費用決定部、147…送付可否情報受付部、149…製品送付指示部、151…製品送付情報受付部、153…サービス情報送信部、155…利用促進情報送信部、311…保険組織出力部、511…利用促進情報出力部。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6